説明

椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置とそれを備えた椅子型マッサージ機

【課題】 マッサージ機の各動作を視覚で直感的に操作できるリモートコントロール装置を提供すること。
【解決手段】 背凭れ部に設けた施療子による施療位置と、フットレストと座部とに設けた空気袋による施療位置と、をそれぞれ選択する選択ボタン25〜30を設け、このそれぞれの選択ボタン25〜30を、椅子型マッサージ機に座った被施療者の側面視の形態で配置した施療位置操作部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の身体を施療する椅子型マッサージ機に用いるリモートコントロール装置と、これを備えた椅子型マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与える椅子型マッサージ機が知られている。この椅子型マッサージ機の多くは、主として被施療者の腰、背中及び肩に対して施療子で前記刺激を与える構成や、空気袋で脹脛部や腿部、尻部等に刺激を与える構成が備えられている。
【0003】
前記施療子は、被施療者の背中及び肩に対して刺激を与えるように、被施療者の背中の上下方向に位置変更が可能なように構成されている。この施療子は、一般的に施療子を被施療者の腰、背中に対して直交する方向から支持するアームにもみ動作やたたき動作を与えることにより、被施療者に対して種々の施療を行うマッサージ機構に設けられている。
【0004】
このマッサージ機構に設けられる施療子としては、一般的に、被施療者の身体中心の左右両側に施療子がそれぞれ設けられ、これらの施療子を被施療者の腰から背中、肩にかけて身長方向に移動させながら被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えている。例えば、施療子を備えたアームがマッサージ機構の左右両側に設けられ、これらの施療子によって被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えて種々のマッサージを行うものがある。
【0005】
また、前記空気袋は、被施療者の脹脛部や腿部、尻部等を押圧して刺激を与えるように、被施療者の脹脛部や腿部、尻部で膨張・収縮が可能なように構成されている。この空気袋を膨張・収縮させる構成としては、エアー供給源から供給される圧縮空気の供給・排出を制御することによって行われる。
【0006】
このような施療子と空気袋の動作は、リモートコントロール装置の操作によって行われる。例えば、この種のリモートコントロール装置として、人体形状を模した表示部にマトリックス状に配したスイッチ群を施療子の移動範囲入力用として備えるとともに、入力した移動範囲を表示する表示手段を設けた操作器がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、他のリモートコントロール装置として、人体頭部を指定する突出部をコントローラ本体の長手方向一端に設け、そのコントローラ本体の前面に、複数の操作子を人体の施療部位配置と対応する順序で長手方向に配置することにより、触覚により人体の各部位にそれぞれ対応する複数の操作ボタンを識別して操作できるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
さらに、他のリモートコントロール装置として、背凭れ部に相当する第1面と、座部に相当する第2面とを有し、これら第1面及び第2面に、触覚で人体の各部位にそれぞれ対応することを識別できる複数の操作ボタンを設けたものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平5−168666号公報(第2,3頁、図1)
【特許文献2】特開2003−310680号公報(第4,5頁、図3)
【特許文献3】特開2003−310681号公報(第3〜5頁、図3,4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献1の場合、施療子の移動位置を選択するためのものであるとともに、施療子の動作を制御するための操作は複数のスイッチを選択的に操作する構成であるため、その操作は複雑であり、簡単な操作は困難である。
【0010】
また、前記特許文献2の場合、触覚によって複数の操作子を操作しようとしているが、頭部からの配置を順に触らなければ操作位置の判断ができないとともに、複数の操作子の機能も覚えて操作しなければならないため、簡単な操作は困難である。
【0011】
さらに、前記特許文献3の場合、複数の操作ボタンが2つの面に配置されているので、触覚で大まかな操作位置を選択することはできるが、それぞれの操作ボタンの対応する操作は記憶して操作しなければならず、この場合も簡単な操作は困難である。
【0012】
そこで本発明は、マッサージ機の各動作を視覚で直感的に操作できるリモートコントロール装置と、それを備えたマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置は、背凭れ部に設けた施療子による施療位置と、フットレストと座部とに設けた空気袋による施療位置と、をそれぞれ選択する選択ボタンを設け、該それぞれの選択ボタンを、椅子型マッサージ機に座った被施療者の側面視の形態で配置した施療位置操作部を設けている。これにより、視覚による直感で施療箇所を容易に判断し、その箇所の選択ボタンを押すことにより任意の箇所を集中して施療することが容易に可能となる。しかも、それぞれの選択ボタンの配置が被施療者の側面視の形態となっているので、触覚による操作位置確認も可能であり、視覚と触覚とで目的箇所の施療を容易に選択することができる。
【0014】
また、前記背凭れ部の角度と、フットレストの角度と位置と、を各々操作する操作ボタンを設け、該それぞれの操作ボタンを、椅子型マッサージ機の側面視の形態で配置した位置操作部を設ければ、背凭れ部の角度やフットレストの角度及び位置も視覚による直感で調節箇所を容易に判断し、その箇所の操作ボタンを押して操作することが容易にできる。
【0015】
さらに、前記背凭れ部の施療子による施療位置と、前記フットレストと座部との空気袋による施療位置と、を選択するそれぞれの選択ボタンの組合わせ操作により、該施療子による施療と空気袋による施療とを組合わせた施療を選択的に行うことができるように構成すれば、被施療者の好みに応じた施療を選択的に行うことができる。この操作も、視覚による直感で、背凭れ部の施療箇所、フットレストと座部の施療箇所を容易に判断することができる。
【0016】
一方、本発明の椅子型マッサージ機は、前記のいずれかの椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置を、背凭れ部と座部とフットレストとを備えた椅子型マッサージ機に備えさせ、該椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置で、前記背凭れ部に設けた施療子と、前記フットレストと座部とに設けた空気袋とによる施療動作を選択できるように構成している。この椅子型マッサージ機によれば、視覚的に施療位置や施療感覚を容易に選択できるので、椅子型マッサージ機の施療操作に不慣れな人でも容易に目的箇所の施療を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上説明したような手段により、椅子型マッサージ機の各動作を視覚で直感的に操作することができ、操作が容易な椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置とそれを備えた椅子型マッサージ機を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るリモートコントロール装置を備えた椅子型マッサージ機の全体の構成を示す斜視図である。まず、本発明のリモートコントロール装置が用いられる椅子型マッサージ機の全体構成の一例を説明する。なお、この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、椅子型マッサージ機1に着座した被施療者から見たときの方向を基準として前後左右を用いる。例えば、前側は着座した被施療者の前方、左側は同被施療者の左方、右側は同被施療者の右方をいう。
【0019】
図1に示すように、この実施の形態に係る椅子型マッサージ機1は、座部2、背凭れ部3、フットレスト4(脚載置台)、及び肘掛け部5から主として構成されている。座部2は、基台18の上部に配置されており、この基台18は、両側に設けられた脚部18aで支持されている。そして、肘掛け部5の近傍にリモートコントロール装置6が設けられている。19は、基台18に設けられた制御装置である。
【0020】
前記座部2の後部に設けられた背凭れ部3は、その前面視が縦長の略長方形に形成され、下端部が座部2の後部横方向に設けられた支持軸10によって前記基台18に支持されている。背凭れ部3は、この支持軸10を中心に回動して、前後にリクライニングが可能なように構成されている。そして、この背凭れ部3の内部に、着座した被施療者の背中側に刺激を与えるマッサージ機構7が設けられている。
【0021】
このマッサージ機構7は、被施療者の身体に機械的刺激を与える複数(この図では左右各1つで、合計2つ)のローラ状の施療子(施療部)8を備えている。これらの施療子8は、マッサージ機構7の前方に出るように設けられた左右のアーム9の先端にそれぞれ取り付けられている。それぞれのアーム9は、マッサージ機構7に設けられた駆動機構によって、施療子8にもみ動作及びたたき動作をさせるように構成されている。また、このアーム9には、バイブレータ11が設けられており、このバイブレータ11で施療子8を振動させるように構成されている。このマッサージ機構7は、背凭れ部3の上下方向に設けられたレール12に沿って上下移動する昇降台13に設けられている。
【0022】
前記フットレスト4は、上端が座部2の前端下部に設けられた支持軸14に支持され、下端が基台18側に接近又は離間するように構成されている。これにより、フットレスト4の下端を前方に傾けて角度調節可能なように構成されている。また、このフットレスト4の下端は、支持軸14側に移動可能なように構成されている。これにより、支持軸14からフットレスト4の下端までの距離を調節することができるように構成されている。なお、フットレスト4の下端部には、被施療者の足裏部に振動を与えて施療する図示しないバイブレータが設けられている。
【0023】
さらに、座部2には、腿部や尻部を押圧するように膨出するとともに収縮する空気袋15が設けられ、フットレスト4には、脹脛部を押圧するように膨出するとともに収縮する空気袋16と、足部を押圧するように膨出するとともに収縮する空気袋17とがそれぞれ設けられている。これらの空気袋15,16,17を設ける構成は一例であり、個数や配置はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
図2は、本発明の一実施の形態に係る椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置の全体の構成を示す正面図であり、図3は、同椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置の図面であり、(a) は側面図、(b) はA−A断面図である。この断面図は、内部構造を省略している。また、説明時に前記図1に示す構成を用いる場合には、図1の符号を付して説明する。
【0025】
図示するように、この実施の形態のリモートコントロール装置6は、縦長の長方形状に形成され、装置本体20の背面側の両側部に窪み20aを設けて、被施療者が持ちやすい形状としている。このリモートコントロール装置6の装置本体20には、上側に、椅子型マッサージ機の背凭れ部の角度とフットレスト4の角度と位置とを各々操作する矢印状操作ボタン21,22,23が設けられた位置操作部24が配設され、下側に、前記背凭れ部3に設けられた施療子8による施療動作と前記フットレスト4と座部2とに設けた空気袋15,16,17による施療動作とを選択する選択ボタン25,26,27,28,29,30が設けられた施療位置操作部31が配設されている。
【0026】
上側に配設された位置操作部24には、椅子型マッサージ機1の側面視の形態が模式的に示されており、背凭れ部3を模式的に示す部分には、この背凭れ部をリクライニングさせる矢印状のリクライニング操作ボタン21が設けられ、フットレスト4を模式的に示す部分には、このフットレスト4の角度を変更する矢印状のフットレスト操作ボタン22と、このフットレスト4の先端を上下方向に移動させる矢印状のフットスライド操作ボタン23とが設けられている。このように、各操作ボタン21,22,23を、椅子型マッサージ機1の側面視の形態で配置している。リクライニング操作ボタン21は、矢印状操作ボタン21aを押すと背凭れ部3が起き上がるとともにフットレスト4の下端が下がり、矢印状操作ボタン21bを押すと背凭れ部3が倒れるとともにフットレスト4の下端が前方に向けて上がる。フットレスト操作ボタン22は、矢印状操作ボタン22aを押すとフットレスト4の下端が前方に向けて上がり、矢印状操作ボタン22bを押すとフットレスト4の下端が下がる。フットスライド操作ボタン23は、矢印状操作ボタン23aを押すとフットレスト4の下端が座部2に近づき、矢印状操作ボタン23bを押すとフットレスト4の下端が座部2から遠ざかるように移動する。このように、これらの操作ボタン21,22,23は、それぞれ矢印方向を押すことにより、背凭れ部3、フットレスト4のそれぞれの構成が、押した方向に移動するように構成されている。
【0027】
また、この位置操作部24には、肩位置を調節するための肩位置調節ボタン32が設けられている。この肩位置調節ボタン32は、上下に2つのボタンが設けられ、上側の肩位置調節ボタン32を押すと施療子8が上へ移動し、下側の肩位置調節ボタン32を押すと施療子8が下へ移動するように構成されている。この肩位置調節ボタン32の間には、調節可能な時を示すLEDランプ33が設けられている。このLEDランプ33は、調節可能な時にオレンジ色等で点灯して調節可能な時を被施療者に知らせるように構成されている。
【0028】
そして、前記下側に配設された施療位置操作部31には、前記選択ボタン25〜30が、椅子型マッサージ機1の座部2に座った被施療者の側面視の形態で配置されている。具体的には、図2に示すように、被施療者の頭を左側上部に位置させた状態で、この被施療者の肩から腰、尻と、被施療者の腿とがL字状に屈曲した状態で模式的に示されている。この被施療者の側面視の形態を模式的に示す部分には、肩位置に肩選択ボタン25が、腰位置に腰選択ボタン26が、尻位置に尻選択ボタン27が、上側から順に配設されている。この肩選択ボタン25を押せば予め設定された肩選択コースを、腰選択ボタン26を押せば予め設定された腰選択コースを、尻選択ボタン27を押せば予め設定されたお尻コースを、それぞれ選択できるように構成されている。これらの各コースは、自動コースとして、予め設定された施療プログラムが実行される。
【0029】
また、前記被施療者の腿を模式的に示す部分に連なるように被施療者の脹脛が、逆L字状に屈曲した状態で模式的に示され、この脹脛を模式的に示す部分に連なるように被施療者の足がL字状に屈曲した状態で模式的に示されている。この被施療者の側面視の形態を模式的に示す部分には、腿位置には腿部選択ボタン28が、脹脛位置には脹脛部選択ボタン29が、足位置には足部選択ボタン30が、上側から順に配置されている。腿位置に設けられた腿部選択ボタン28と、脹脛位置に設けられた脹脛部選択ボタン29と、足位置に設けられた足部選択ボタン30とは、それぞれ「強」「中」「弱」が選択できるように構成されており、「強」「中」「弱」の選択状態を示すLEDランプ28a,29a,30aが、それぞれ設けられている。この「強」「中」「弱」は、空気袋15,16,17の押圧量を調節して施療部の締付量を変化させるものである。
【0030】
これらの空気袋15,16,17による押圧量の「強」「中」「弱」の調節は、選択ボタン28(29,30)のそれぞれの操作によって選択的に可能となっており、被施療者の好みに応じた施療動作を選択することができるように構成されている。この強さの調節としては、例えば、選択ボタン28(29,30)を押すと「中」で起動し、その後、同じ選択ボタン28(29,30)を押す毎に、「強」「停止」「弱」「中」「強」・・・、と循環するように順次切り換わるような構成が採用される。この「強」「中」「弱」の選択状態は、前記LEDランプ28a,29a,30aの点灯によって示される。また、これらの空気袋15,16,17による施療は、選択ボタン28,29,30を同時に複数押すことによって複数箇所の施療を同時に行うようにしてもよい。さらに、選択ボタン28,29,30の操作によって、これらの空気袋15,16,17による施療を所定間隔で順次交互に行うようにしてもよい。
【0031】
このように、装置本体20の前面の上側に配設された位置操作部24に、それぞれの位置の操作ボタン21〜23が、側面視の椅子型マッサージ機1の模式的な形態で配置され、下側に配設された施療位置操作部31に、それぞれの位置の選択ボタン25〜30が、被施療者の側面視の形態で配置されている。
【0032】
さらに、施療位置操作部31に模式的に示された、被施療者の肩、腰、尻位置に設けられた肩選択ボタン25と腰選択ボタン26と尻選択ボタン27とに近接する背面側(図の左側)には、これらの位置で施療する施療子8にバイブレータ11(図1)で振動を与えるバイブレータボタン34が設けられている。また、施療位置操作部31に模式的に示された、被施療者の足位置に設けられた足部選択ボタン30に近接する下側には、足裏部に振動を与えるバイブレータボタン35が設けられている。これらのバイブレータボタン34,35は、その表面に凹凸模様が付されており、触感が他の選択ボタン25〜30と異なるように構成されている。しかも、これらのバイブレータボタン34,35は、「強」「弱」を選択することができるように構成されており、「強」「弱」の選択状態を示すLEDランプ34a,35aが、それぞれ設けられている。この「強」「弱」は、バイブレータ11の振動の大きさを変化させるものである。
【0033】
これらのバイブレータボタン34,35は選択的に操作可能であり、その強弱調節も選択的に可能となっており、被施療者の好みに応じた施療動作を選択することができるように構成されている。強弱調節としては、例えば、バイブレータボタン34(35)を押すと「弱」で起動し、その後、同じボタン34(35)を押す毎に、「強」「停止」「弱」「強」・・・、と循環するように順次切り換わるような構成が採用される。この「強」「中」「弱」の選択状態は、前記LEDランプ34a,35aの点灯によって示される。
【0034】
さらに、この施療位置操作部31の下部には、特定の施療位置ではなく、予め設定された施療プログラムによって全身を施療する全身コース選択ボタン36と、指圧コース選択ボタン37とが設けられている。これらも自動コースであり、予め設定された施療プログラムが実行される。
【0035】
また、この実施の形態では、これらの選択ボタン25〜30,36,37による施療の強弱を選択する強さ調節ボタン38も設けられている。この強さ調節ボタン38による強弱選択は、上側の「強」の強さ調節ボタン38を押すと強くなり、下側の「弱」の強さ調節ボタン38を押すと弱くなるように構成されている。この強さ調節ボタン38は、施療中においても操作可能なように構成されている。
【0036】
さらに、前記選択ボタン28,29,30の操作による「強」「中」「弱」の選択状態を示すLEDランプ28a,29a,30aの点灯状態と、前記バイプレータボタン34,35の操作による「強」「弱」の選択状態を示すLEDランプ34a,35aの点灯状態とを、前記各自動コースを選択している時にはオレンジ色で点灯させ、各選択ボタン28,29,30,34,35を個別に選択している手動コース時にはグリーン色で点灯させることにより、施療しているコースの区別をLEDランプの点灯色で容易に把握することができるように構成されている。
【0037】
また、装置本体20の上端には表示部50が設けられ、その下側に電源ボタン39と急停止ボタン40とが設けられている。この表示部50には、電源ボタン39を入れた運転状態で各種のメッセージが表示される。例えば、電源を入れた時には、商品名「・・・メディカルチェア(登録商標)」や機種名、その他、「ただいま準備中です。」などが流れ表示される。また、前記施療位置操作部31で選択した施療動作が表示され、自動コースであれば、選択された施療プログラムに関する説明、コース名「肩」、コメント「このコースは、首から肩にかけた部分のコリをほぐします。」などが表示される。さらに、本体制御等に通信エラーが発生したときには、初期設定をしなおすために「電源を入れなおしてください。」と流れ表示される。この表示部50は、蛍光表示管や液晶パネルなどが使用される。
【0038】
なお、41はヒータボタンである。また、これらのボタン21〜23,25〜30,32,34〜41の構成は、この実施の形態に限定されるものではなく、椅子型マッサージ機1の大きさや形態に応じて位置や個数を決定すればよい。
【0039】
以上のように構成されたリモートコントロール装置6によれば、椅子型マッサージ機1の側面視の形態で操作ボタン21〜23がそれぞれ配置されているとともに、椅子型マッサージ機1に座った被施療者の側面視の形態で選択ボタン25〜30がそれぞれ配置されているので、被施療者が椅子型マッサージ機1に座ってリモートコントロール装置6を見れば、所望の施療動作を直感的に選択することが容易にでき、マッサージ機の操作に不慣れな人でも容易に目的の施療動作を選択することができる。
【0040】
しかも、背凭れ部3の角度とフットレスト4の位置とを調節する操作ボタン21〜23と、施療する動作を選択する選択ボタン25〜30とを装置本体20の上下に分けて配置しているので、被施療者は椅子型マッサージ機1に座った状態での姿勢調節を位置操作部24に設けられた操作ボタン21〜23で行った後は、施療位置操作部31に設けられた選択ボタン25〜30、又は選択ボタン36,37によって所望の施療を選択する操作に専念すればよく、この点でもマッサージ動作の選択を容易に行うことができる。
【0041】
また、操作ボタン21〜23及び選択ボタン25〜30,36,37の操作時に、それぞれの施療箇所に応じて異なる操作音を発するようにすれば、例えば、空気袋15,16,17の操作時には「シュー」というエアー音、バイブレータ11(フットレスト4の足部)の操作時には「ブルブル」という振動音を発することで、被施療者が操作した施療動作を音で認識するようにもできる。
【0042】
このように、前記椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置6によれば、被施療者がリモートコントロール装置6を見れば直感的に所望の施療動作を容易に選択することができるので、マッサージ機の操作が慣れていない人や、リモートコントロール装置の操作に慣れていない人でも、容易に所望の施療動作を行わせることが可能となる。
【0043】
なお、前記実施の形態における選択ボタンの分割例は一例であり、施療位置の分割数や空気袋の配置等は、適用する椅子型マッサージ機の仕様に合わせて決定すればよく、前記実施の形態に限定されるものではない。
【0044】
さらに、前記実施の形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置は、椅子型マッサージ機の各施療動作を視覚で直感的に選択したい椅子型マッサージ機に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る椅子型マッサージ機の全体の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置の全体の構成を示す正面図である。
【図3】図2に示す椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置の図面であり、(a) は側面図、(b) はA−A断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 椅子型マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
4 フットレスト
5 肘掛け部
6 リモートコントロール装置
7 マッサージ機構
8 施療子
9 アーム
10 支持軸
11 バイブレータ
12 レール
13 昇降台
14 支持軸
15,16,17 空気袋
18 脚部
19 制御装置
20 装置本体
21 リクライニング操作ボタン
22 フットレスト操作ボタン
23 フットスライド操作ボタン
24 位置操作部
25 肩選択ボタン
26 腰選択ボタン
27 尻選択ボタン
28 腿部選択ボタン
29 脹脛部選択ボタン
30 足部選択ボタン
31 施療位置操作部
32 肩位置調節ボタン
33 LEDランプ
34,35 バイブレータボタン
36 全身コース選択ボタン
37 指圧コース選択ボタン
38 強さ調節ボタン
39 電源ボタン
40 急停止ボタン
41 ヒータボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭れ部に設けた施療子による施療位置と、フットレストと座部とに設けた空気袋による施療位置と、をそれぞれ選択する選択ボタンを設け、該それぞれの選択ボタンを、椅子型マッサージ機に座った被施療者の側面視の形態で配置した施療位置操作部を設けた椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置。
【請求項2】
前記背凭れ部の角度と、フットレストの角度と位置と、を各々操作する操作ボタンを設け、該それぞれの操作ボタンを、椅子型マッサージ機の側面視の形態で配置した位置操作部を設けた請求項1に記載の椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置。
【請求項3】
前記背凭れ部の施療子による施療位置と、前記フットレストと座部との空気袋による施療位置と、を選択するそれぞれの選択ボタンの組合わせ操作により、該施療子による施療と空気袋による施療とを組合わせた施療を選択的に行うことができるように構成した請求項1又は請求項2に記載の椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置を、背凭れ部と座部とフットレストとを備えた椅子型マッサージ機に備えさせ、該椅子型マッサージ機用リモートコントロール装置で、前記背凭れ部に設けた施療子と、前記フットレストと座部とに設けた空気袋とによる施療動作を選択できるように構成した椅子型マッサージ機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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