椅子型マッサージ機
【課題】脚の長さや形状の個人差にかかわらず効果的なマッサージを行う。
【解決手段】脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台1を具備しているとともに、該脚載せ台1を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段85と、使用位置での切換手段85に対する脚載せ台1の前後位置を調整する前後位置調整手段10,70とを備える。脚の長さに応じて脚載せ台1の前後位置を調整することができる。
【解決手段】脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台1を具備しているとともに、該脚載せ台1を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段85と、使用位置での切換手段85に対する脚載せ台1の前後位置を調整する前後位置調整手段10,70とを備える。脚の長さに応じて脚載せ台1の前後位置を調整することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子型マッサージ機、殊に脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備している椅子型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備している椅子型マッサージ機においては、脚載せ台を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段を備えたものとすることで、脚載せ台を使用しない時に脚載せ台が邪魔になってしまうことを避けることができ、また脚載せ台の使用時には適切な位置に脚載せ台を位置させることができる。
【0003】
しかし、従来の切換手段は、脚載せ台を使用位置に位置させた時の椅子の座部前端と脚載せ台との間の間隔が固定であったことから、個々の脚の長さに合わせられず、人によっては脚への効果的なマッサージを受けることができなかった。
【0004】
また、脚の形状も個人差があるが、これに対応することができず、この点においても脚への効果的なマッサージを受けることができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、脚の長さや形状の個人差にかかわらず効果的なマッサージを行うことができる椅子型マッサージ機を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る椅子型マッサージ機は、脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備しているとともに、該脚載せ台を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段と、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後位置を調整する前後位置調整手段とを備えていることに特徴を有している。脚の長さに応じて脚載せ台の前後位置を調整することができるものである。
【0007】
前後位置調整手段は、脚載せ台を前後にスライド自在に保持するスライド機構であるとともに該スライド機構は脚載せ台のスライド動作に対する抵抗値を可変としているものであると、不要な前後位置調整の動きを抑制することができ、特にスライド機構が脚載せ台にかかる荷重に応じてスライド動作に対する抵抗値を変化させるものであれば、脚を載せている時には脚載せ台が動きにくく、脚を外した時には脚載せ台が動きやすくなるようにすることができる。
【0008】
スライド機構が、脚載せ台のスライド移動範囲の少なくとも一部に脚載せ台のスライド動作を規制する規制部を備えているものとしてもよく、この場合の規制部は凹凸係合部として形成するのが好ましい。
【0009】
また、脚載せ台の角度の検出手段と該角度に応じて脚載せ台のスライド動作規制を解除する解除部材とを備えたものとすれば、脚載せ台の収納時に脚載せ台を収納のための前後位置に戻すことを自動で行うことができる。
【0010】
また、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後方向角度を調整する角度調整手段を備えたものとしたり、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の高さを調整する高さ調整手段を備えたものとすることで、個々の脚の形状に脚載せ台をより確実に合わせることができ、より効果的なマッサージを与えることができる。
【0011】
また、脚載せ台が一対の断面U字形の脚収納溝を備えて、該脚収納溝の少なくとも両側面に脚用マッサージ手段である膨張収縮する空気袋を配したものであるとともに、一対の脚収納溝の平行度を調整する調整手段を備えたものである場合、O脚やX脚の人も脚収納部に脚をフィットさせることができて、脚と空気袋との接触面積を広くし、発生力の脚への伝達効率を高めることができる。
【0012】
脚収納溝の幅を調整する幅調整手段を備えたものとしても、脚と空気袋との接触面積を広くして発生力の脚への伝達効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の椅子型マッサージ機では、脚の長さに応じて脚載せ台の前後位置を調整することができるものであり、脚の長さの個人差にかかわらず、脚に対して効果的なマッサージを確実に与えることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図示例のマッサージ機は、図3に示すように、フレーム81と座部80、アームレスト82、そしてリクライニング自在な背もたれ83とからなる椅子8の背もたれ83内に、人体の背面に対するマッサージを行うマッサージ手段(図示せず)を内蔵させたもので、座部80の先端部には脚載せ台1を配設してある。図1中のシリンダー9は背もたれ83のリクライニングのためのものである。
【0015】
上記脚載せ台1は、図4に示すように、パイプで組まれた支持体14から帯状に形成した空気袋3,3を吊り下げたもので、空気袋3が形成する断面U字形の脚収納溝30内に脚(ふくらはぎ部)を納め、この状態で空気袋3に接続した給排気手段4を作動させて空気袋3を膨張収縮させることにより、脚に圧迫マッサージを行う。
【0016】
ここで、上記脚載せ台1は、複数節のリンク機構であるレイジィトング機構85を介してフレーム81に取り付けられている。一方のリンクの一端側が軸86によってフレーム80に軸着されているとともに他方のリンクの一端側が回動リンク87を介してフレーム80に取りつけられているレイジィトング機構85は、回動リンク87の回動に伴って伸縮を行う。
【0017】
また脚載せ台1の支持体14は、レイジィトング機構85に軸着されているとともにレイジィトング機構85の先端側の軸にリンク88を介して連結されることで、レイジィトング機構85の伸縮に伴って、その姿勢を変化させるものであり、レイジィトング機構85を伸ばした時、脚載せ台1は図1に示すように、座部80の前方で少し離れたところに少し前下がりになっただけの状態で位置し、レイジィトング機構85を縮めたときには、図2に示すように、座部80の下方に縦向きの状態で納まるようにしてある。
【0018】
また、脚載せ台1は、レイジィトング機構85に直接連結するのではなく、スライド機構を介して連結してある。すなわち、レイジィトング機構85とリンク88の先端にころ70,70を取り付けて、脚載せ台1に設けたスライドレール10に上記ころ70,70を転動自在に装着することで、切換手段であるレイジィトング機構85に対して、脚載せ台1を前後にスライドさせることができるようにしてある。
【0019】
通常の使用状態では、自重によって脚載せ台1は前方寄りに位置しているが、脚載せ台1を椅子側に引き寄せれば、図1に鎖線で示すように、座部80の前端側に脚載せ台1を近づけることができ、このために、脚の長さの個人差に対応することができるものとなっている。
【0020】
図5に他例を示す。これはレイジィトング機構85とリンク88の先端間にバー89を掛け渡すとともに、該バー89に軸71によって回動自在に装着した回転板72に一対のころ70,70を設けており、これらころ70,70をスライドレール10に係合させる脚載せ台1は、前後の位置調整だけでなく、軸71を中心とする回転板72の回転で、前後方向の角度も調整することができるものとなっている。
【0021】
また、図6に示すものでは、一対のころ70,70を設けた可動板73と、バー89との間にばね74を介在させて、脚載せ台1を使用位置にセットした状態において、ばね74によって脚載せ台1が上方へ付勢されたものとしてある。この脚載せ台1に脚を載せれば、脚載せ台1は脚の重さに応じて沈んでその高さ位置を変える。バー89と可動板73とはたとえば送りねじ機構によって連結して送りねじ機構で脚載せ台1の高さ調整を行えるようにしてもよい。
【0022】
図7〜図9に別の例を示す。脚載せ台1の下面には前後方向に長いスライドレール10を一対設けており、またレイジィトング機構85の先端部の左右連結プレート90上にはスライダー91,91を固定してある。上記スライドレール10はスライダー91に被さった状態でスライド自在に係合する。図7中のMは背もたれ83に上下移動自在に配したマッサージ手段、Cは操作器である。
【0023】
ここにおいて、スライダー91の上面とスライドレール10の内面とが脚載せ台1の前後位置調節に際して摺接するのであるが、この摺接面の摩擦係数は、脚載せ台1に脚を載せていない低荷重時には脚載せ台1を容易にスライドさせることができるものの、使用者が脚を脚載せ台1に載せて上記スライド面にかかる荷重を大きくした時には容易にスライドさせることができなくなる値に設定してある。スライド機構にかかる荷重に応じてスライド抵抗が変化するようにしているわけであり、脚載せ台1の不要な前後位置調整の動きを抑制することができる。なお、脚載せ台1を収納のために縦向きにした時には、上記摺動面の抵抗は殆どゼロとなるために、脚載せ台1はその自重でスライドレール10の後端の部分にスライダー91が位置する状態となる。
【0024】
図10に示すように、スライドレール10の前端側の内部に凹部20を設けて、脚載せ台1を最も座部80寄りに引き寄せた時にスライダー91が凹部20に嵌まり込み、スライド動作が規制されてしまうようにするのも好ましい。この場合、脚載せ台1を少し持ち上げるようにすることで、スライダー91を凹部20から抜け出させて脚載せ台1の前後位置調整を行うことができる。また、図示例では、凹部20との境界を滑らかな傾斜面でつないでいるために、脚載せ台1に脚を載せたままでも脚載せ台1に前方に向けて強い力を加えれば、凹部20からスライダー91が抜け出るために、前後位置調整を行うことができる。
【0025】
図11に示すように、スライドレール10とスライダー91との摺動面に凹凸係合する凹部92と突部93とを所定の間隔で設けておき、脚載せ台1を前後に移動させれば、上記間隔で凹部92と突部93との係合によるスライド規制が働くようにしておいてもよい。なお、ここでも凹部92と突部93の断面形状を円弧状とすることで、強い力を加えれば、凹部92から突部93が抜け出て脚載せ台1を前後に動かすことができるようにしてある。
【0026】
図13に示すように、スライドレール10の内面にばね94による付勢でスライダー91の側面に接するとともに、スライドレール10内に配した電磁石95の付勢でスライダー91から離れる鉄製のプレート96を設けて、電気的にスライド規制をかけることができるようにしてもよい。
【0027】
また、電気的にスライド規制を行う場合、図13(a)に示す脚載せ台1の使用時と図13(b)に示す脚載せ台1の収納時とを角度の変化で検出するセンサ97を設けておき、脚載せ台1を使用状態から収納状態へと移行させる時にはセンサ97の出力でこれを検知して、上記電磁石95を付勢することで、スライド規制を解除するようにすれば、脚載せ台1は自重で収納のための前後位置に戻ることになる。
【0028】
図14に足載せ台1の他例を示す。ここにおける脚載せ台1は、左右一対のベース11,11と、各ベース11上に設けた支持体14,14と、空気袋3とからなるもので、左右一対のベース11は、前後方向の一端側においてヒンジ(図示せず)で連結されているとともに他端側において、送りねじ12で連結されている。一方のベース11は送りねじ12の右ねじ部にナット13を螺合させ、他方のベース11は送りねじ12の左ねじ部にナット13を螺合させていることから、送りねじ12を回すことで、ベース11,11の他端側の間隔を変化させることができる。ベース11,11の一端側は上述のようにヒンジで連結されているために、上記間隔の変化で両ベース11,11の平行度、つまりは吊り下げられた空気袋3によるところの断面U字形の一対の脚収納部30,30の平行度を調整することができるものであり、この平行度の調整により、O脚の人やX脚の人でも、一対の脚収納部30,30に適切に脚を納めることができる。
【0029】
また、各ベース11上にある支持体14,14にしても、ベース11の場合と同様に、前後方向の一端側をヒンジで連結し、前後方向の他端側を送りねじ17とナット18とによって連結することで、他端側における支持体14,14の間隔、つまりは脚収納部30の幅を調整することができるようにしてある。脚の太さや形状の個人差に応じて脚収納部30の幅を調整することができるようにしているわけである。
【0030】
なお、ベース11,11及び支持体14,14はその一端側をヒンジで連結した例を説明したが、一端側においても、送りねじとナットとを用いて連結してもよい。
【0031】
図15は足首側のための気室31とふくらはぎ側のための気室32とを独立させた空気袋3を示している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の一例の側面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】同上の全体構成を示す斜視図である。
【図4】同上の脚載せ台の正面図である。
【図5】他例の部分側面図である。
【図6】さらに他例の部分側面図である。
【図7】別の例の斜視図である。
【図8】同上の脚載せ台の底面図である。
【図9】同上のスライドレールとスライダーを示しており、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
【図10】スライドレールとスライダーの他例を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
【図11】スライドレールとスライダーのさらに他例を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
【図12】スライドレールとスライダーの別の例を示しており、(a)は電磁石オフ時の断面図、(b)は電磁石オン時の断面図である。
【図13】(a)(b)は同上の部分側面図である。
【図14】脚載せ台の他例の正面図である。
【図15】空気袋の展開平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 脚載せ台
3 空気袋
10 スライドレール
70 ころ
80 座部
85 レイジィトング機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子型マッサージ機、殊に脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備している椅子型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備している椅子型マッサージ機においては、脚載せ台を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段を備えたものとすることで、脚載せ台を使用しない時に脚載せ台が邪魔になってしまうことを避けることができ、また脚載せ台の使用時には適切な位置に脚載せ台を位置させることができる。
【0003】
しかし、従来の切換手段は、脚載せ台を使用位置に位置させた時の椅子の座部前端と脚載せ台との間の間隔が固定であったことから、個々の脚の長さに合わせられず、人によっては脚への効果的なマッサージを受けることができなかった。
【0004】
また、脚の形状も個人差があるが、これに対応することができず、この点においても脚への効果的なマッサージを受けることができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、脚の長さや形状の個人差にかかわらず効果的なマッサージを行うことができる椅子型マッサージ機を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る椅子型マッサージ機は、脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備しているとともに、該脚載せ台を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段と、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後位置を調整する前後位置調整手段とを備えていることに特徴を有している。脚の長さに応じて脚載せ台の前後位置を調整することができるものである。
【0007】
前後位置調整手段は、脚載せ台を前後にスライド自在に保持するスライド機構であるとともに該スライド機構は脚載せ台のスライド動作に対する抵抗値を可変としているものであると、不要な前後位置調整の動きを抑制することができ、特にスライド機構が脚載せ台にかかる荷重に応じてスライド動作に対する抵抗値を変化させるものであれば、脚を載せている時には脚載せ台が動きにくく、脚を外した時には脚載せ台が動きやすくなるようにすることができる。
【0008】
スライド機構が、脚載せ台のスライド移動範囲の少なくとも一部に脚載せ台のスライド動作を規制する規制部を備えているものとしてもよく、この場合の規制部は凹凸係合部として形成するのが好ましい。
【0009】
また、脚載せ台の角度の検出手段と該角度に応じて脚載せ台のスライド動作規制を解除する解除部材とを備えたものとすれば、脚載せ台の収納時に脚載せ台を収納のための前後位置に戻すことを自動で行うことができる。
【0010】
また、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後方向角度を調整する角度調整手段を備えたものとしたり、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の高さを調整する高さ調整手段を備えたものとすることで、個々の脚の形状に脚載せ台をより確実に合わせることができ、より効果的なマッサージを与えることができる。
【0011】
また、脚載せ台が一対の断面U字形の脚収納溝を備えて、該脚収納溝の少なくとも両側面に脚用マッサージ手段である膨張収縮する空気袋を配したものであるとともに、一対の脚収納溝の平行度を調整する調整手段を備えたものである場合、O脚やX脚の人も脚収納部に脚をフィットさせることができて、脚と空気袋との接触面積を広くし、発生力の脚への伝達効率を高めることができる。
【0012】
脚収納溝の幅を調整する幅調整手段を備えたものとしても、脚と空気袋との接触面積を広くして発生力の脚への伝達効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の椅子型マッサージ機では、脚の長さに応じて脚載せ台の前後位置を調整することができるものであり、脚の長さの個人差にかかわらず、脚に対して効果的なマッサージを確実に与えることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図示例のマッサージ機は、図3に示すように、フレーム81と座部80、アームレスト82、そしてリクライニング自在な背もたれ83とからなる椅子8の背もたれ83内に、人体の背面に対するマッサージを行うマッサージ手段(図示せず)を内蔵させたもので、座部80の先端部には脚載せ台1を配設してある。図1中のシリンダー9は背もたれ83のリクライニングのためのものである。
【0015】
上記脚載せ台1は、図4に示すように、パイプで組まれた支持体14から帯状に形成した空気袋3,3を吊り下げたもので、空気袋3が形成する断面U字形の脚収納溝30内に脚(ふくらはぎ部)を納め、この状態で空気袋3に接続した給排気手段4を作動させて空気袋3を膨張収縮させることにより、脚に圧迫マッサージを行う。
【0016】
ここで、上記脚載せ台1は、複数節のリンク機構であるレイジィトング機構85を介してフレーム81に取り付けられている。一方のリンクの一端側が軸86によってフレーム80に軸着されているとともに他方のリンクの一端側が回動リンク87を介してフレーム80に取りつけられているレイジィトング機構85は、回動リンク87の回動に伴って伸縮を行う。
【0017】
また脚載せ台1の支持体14は、レイジィトング機構85に軸着されているとともにレイジィトング機構85の先端側の軸にリンク88を介して連結されることで、レイジィトング機構85の伸縮に伴って、その姿勢を変化させるものであり、レイジィトング機構85を伸ばした時、脚載せ台1は図1に示すように、座部80の前方で少し離れたところに少し前下がりになっただけの状態で位置し、レイジィトング機構85を縮めたときには、図2に示すように、座部80の下方に縦向きの状態で納まるようにしてある。
【0018】
また、脚載せ台1は、レイジィトング機構85に直接連結するのではなく、スライド機構を介して連結してある。すなわち、レイジィトング機構85とリンク88の先端にころ70,70を取り付けて、脚載せ台1に設けたスライドレール10に上記ころ70,70を転動自在に装着することで、切換手段であるレイジィトング機構85に対して、脚載せ台1を前後にスライドさせることができるようにしてある。
【0019】
通常の使用状態では、自重によって脚載せ台1は前方寄りに位置しているが、脚載せ台1を椅子側に引き寄せれば、図1に鎖線で示すように、座部80の前端側に脚載せ台1を近づけることができ、このために、脚の長さの個人差に対応することができるものとなっている。
【0020】
図5に他例を示す。これはレイジィトング機構85とリンク88の先端間にバー89を掛け渡すとともに、該バー89に軸71によって回動自在に装着した回転板72に一対のころ70,70を設けており、これらころ70,70をスライドレール10に係合させる脚載せ台1は、前後の位置調整だけでなく、軸71を中心とする回転板72の回転で、前後方向の角度も調整することができるものとなっている。
【0021】
また、図6に示すものでは、一対のころ70,70を設けた可動板73と、バー89との間にばね74を介在させて、脚載せ台1を使用位置にセットした状態において、ばね74によって脚載せ台1が上方へ付勢されたものとしてある。この脚載せ台1に脚を載せれば、脚載せ台1は脚の重さに応じて沈んでその高さ位置を変える。バー89と可動板73とはたとえば送りねじ機構によって連結して送りねじ機構で脚載せ台1の高さ調整を行えるようにしてもよい。
【0022】
図7〜図9に別の例を示す。脚載せ台1の下面には前後方向に長いスライドレール10を一対設けており、またレイジィトング機構85の先端部の左右連結プレート90上にはスライダー91,91を固定してある。上記スライドレール10はスライダー91に被さった状態でスライド自在に係合する。図7中のMは背もたれ83に上下移動自在に配したマッサージ手段、Cは操作器である。
【0023】
ここにおいて、スライダー91の上面とスライドレール10の内面とが脚載せ台1の前後位置調節に際して摺接するのであるが、この摺接面の摩擦係数は、脚載せ台1に脚を載せていない低荷重時には脚載せ台1を容易にスライドさせることができるものの、使用者が脚を脚載せ台1に載せて上記スライド面にかかる荷重を大きくした時には容易にスライドさせることができなくなる値に設定してある。スライド機構にかかる荷重に応じてスライド抵抗が変化するようにしているわけであり、脚載せ台1の不要な前後位置調整の動きを抑制することができる。なお、脚載せ台1を収納のために縦向きにした時には、上記摺動面の抵抗は殆どゼロとなるために、脚載せ台1はその自重でスライドレール10の後端の部分にスライダー91が位置する状態となる。
【0024】
図10に示すように、スライドレール10の前端側の内部に凹部20を設けて、脚載せ台1を最も座部80寄りに引き寄せた時にスライダー91が凹部20に嵌まり込み、スライド動作が規制されてしまうようにするのも好ましい。この場合、脚載せ台1を少し持ち上げるようにすることで、スライダー91を凹部20から抜け出させて脚載せ台1の前後位置調整を行うことができる。また、図示例では、凹部20との境界を滑らかな傾斜面でつないでいるために、脚載せ台1に脚を載せたままでも脚載せ台1に前方に向けて強い力を加えれば、凹部20からスライダー91が抜け出るために、前後位置調整を行うことができる。
【0025】
図11に示すように、スライドレール10とスライダー91との摺動面に凹凸係合する凹部92と突部93とを所定の間隔で設けておき、脚載せ台1を前後に移動させれば、上記間隔で凹部92と突部93との係合によるスライド規制が働くようにしておいてもよい。なお、ここでも凹部92と突部93の断面形状を円弧状とすることで、強い力を加えれば、凹部92から突部93が抜け出て脚載せ台1を前後に動かすことができるようにしてある。
【0026】
図13に示すように、スライドレール10の内面にばね94による付勢でスライダー91の側面に接するとともに、スライドレール10内に配した電磁石95の付勢でスライダー91から離れる鉄製のプレート96を設けて、電気的にスライド規制をかけることができるようにしてもよい。
【0027】
また、電気的にスライド規制を行う場合、図13(a)に示す脚載せ台1の使用時と図13(b)に示す脚載せ台1の収納時とを角度の変化で検出するセンサ97を設けておき、脚載せ台1を使用状態から収納状態へと移行させる時にはセンサ97の出力でこれを検知して、上記電磁石95を付勢することで、スライド規制を解除するようにすれば、脚載せ台1は自重で収納のための前後位置に戻ることになる。
【0028】
図14に足載せ台1の他例を示す。ここにおける脚載せ台1は、左右一対のベース11,11と、各ベース11上に設けた支持体14,14と、空気袋3とからなるもので、左右一対のベース11は、前後方向の一端側においてヒンジ(図示せず)で連結されているとともに他端側において、送りねじ12で連結されている。一方のベース11は送りねじ12の右ねじ部にナット13を螺合させ、他方のベース11は送りねじ12の左ねじ部にナット13を螺合させていることから、送りねじ12を回すことで、ベース11,11の他端側の間隔を変化させることができる。ベース11,11の一端側は上述のようにヒンジで連結されているために、上記間隔の変化で両ベース11,11の平行度、つまりは吊り下げられた空気袋3によるところの断面U字形の一対の脚収納部30,30の平行度を調整することができるものであり、この平行度の調整により、O脚の人やX脚の人でも、一対の脚収納部30,30に適切に脚を納めることができる。
【0029】
また、各ベース11上にある支持体14,14にしても、ベース11の場合と同様に、前後方向の一端側をヒンジで連結し、前後方向の他端側を送りねじ17とナット18とによって連結することで、他端側における支持体14,14の間隔、つまりは脚収納部30の幅を調整することができるようにしてある。脚の太さや形状の個人差に応じて脚収納部30の幅を調整することができるようにしているわけである。
【0030】
なお、ベース11,11及び支持体14,14はその一端側をヒンジで連結した例を説明したが、一端側においても、送りねじとナットとを用いて連結してもよい。
【0031】
図15は足首側のための気室31とふくらはぎ側のための気室32とを独立させた空気袋3を示している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の一例の側面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】同上の全体構成を示す斜視図である。
【図4】同上の脚載せ台の正面図である。
【図5】他例の部分側面図である。
【図6】さらに他例の部分側面図である。
【図7】別の例の斜視図である。
【図8】同上の脚載せ台の底面図である。
【図9】同上のスライドレールとスライダーを示しており、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
【図10】スライドレールとスライダーの他例を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
【図11】スライドレールとスライダーのさらに他例を示しており、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
【図12】スライドレールとスライダーの別の例を示しており、(a)は電磁石オフ時の断面図、(b)は電磁石オン時の断面図である。
【図13】(a)(b)は同上の部分側面図である。
【図14】脚載せ台の他例の正面図である。
【図15】空気袋の展開平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 脚載せ台
3 空気袋
10 スライドレール
70 ころ
80 座部
85 レイジィトング機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備しているとともに、該脚載せ台を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段と、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後位置を調整する前後位置調整手段とを備えていることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
前後位置調整手段は、脚載せ台を前後にスライド自在に保持するスライド機構であるとともに該スライド機構は脚載せ台のスライド動作に対する抵抗値を可変としているものであることを特徴とする請求項1記載の椅子型マッサージ機。
【請求項3】
スライド機構は脚載せ台にかかる荷重に応じてスライド動作に対する抵抗値を変化させるものであることを特徴とする請求項2記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
スライド機構は、脚載せ台のスライド移動範囲の少なくとも一部に脚載せ台のスライド動作を規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項2または3記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
規制部は凹凸係合部として形成していることを特徴とする請求項4記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
脚載せ台の角度の検出手段と該角度に応じて脚載せ台のスライド動作規制を解除する解除部材とを備えていることを特徴とする請求項4または5記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後方向角度を調整する角度調整手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
使用位置での切換手段に対する脚載せ台の高さを調整する高さ調整手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
脚載せ台は、一対の断面U字形の脚収納溝を備えて、該脚収納溝の少なくとも両側面に脚用マッサージ手段である膨張収縮する空気袋を配したものであるとともに、一対の脚収納溝の平行度を調整する調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項10】
脚載せ台は、一対の断面U字形の脚収納溝を備えて、該脚収納溝の少なくとも両側面に脚用マッサージ手段である膨張収縮する空気袋を配したものであるとともに、脚収納溝の幅を調整する幅調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項1】
脚用マッサージ手段を備えた脚載せ台を具備しているとともに、該脚載せ台を椅子の座部前方に位置する使用位置と座部下方に位置する収納位置とに切り換える切換手段と、使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後位置を調整する前後位置調整手段とを備えていることを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
前後位置調整手段は、脚載せ台を前後にスライド自在に保持するスライド機構であるとともに該スライド機構は脚載せ台のスライド動作に対する抵抗値を可変としているものであることを特徴とする請求項1記載の椅子型マッサージ機。
【請求項3】
スライド機構は脚載せ台にかかる荷重に応じてスライド動作に対する抵抗値を変化させるものであることを特徴とする請求項2記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
スライド機構は、脚載せ台のスライド移動範囲の少なくとも一部に脚載せ台のスライド動作を規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項2または3記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
規制部は凹凸係合部として形成していることを特徴とする請求項4記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
脚載せ台の角度の検出手段と該角度に応じて脚載せ台のスライド動作規制を解除する解除部材とを備えていることを特徴とする請求項4または5記載の椅子型マッサージ機。
【請求項7】
使用位置での切換手段に対する脚載せ台の前後方向角度を調整する角度調整手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の椅子型マッサージ機。
【請求項8】
使用位置での切換手段に対する脚載せ台の高さを調整する高さ調整手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の椅子型マッサージ機。
【請求項9】
脚載せ台は、一対の断面U字形の脚収納溝を備えて、該脚収納溝の少なくとも両側面に脚用マッサージ手段である膨張収縮する空気袋を配したものであるとともに、一対の脚収納溝の平行度を調整する調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項10】
脚載せ台は、一対の断面U字形の脚収納溝を備えて、該脚収納溝の少なくとも両側面に脚用マッサージ手段である膨張収縮する空気袋を配したものであるとともに、脚収納溝の幅を調整する幅調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の椅子型マッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−187657(P2006−187657A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102390(P2006−102390)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【分割の表示】特願平11−364922の分割
【原出願日】平成11年12月22日(1999.12.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【分割の表示】特願平11−364922の分割
【原出願日】平成11年12月22日(1999.12.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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