椅子式マッサージ機
【課題】椅子式マッサージ機において、左右の揉み玉の設定間隔が外圧によって狂っても自動的に直ちに設定幅に戻す。
【解決手段】背凭れ部13上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ51に連繋されて夫々周回軌道を描く様にして接近離間するもみ動作可能な揉み玉41、41と、揉みモータ51の回転量を検出する揉みモータ回転検出部54と、揉みモータ51の回転を制御して左右の揉み玉41、41の間隔を設定可能な制御部70とによって構成され、制御部70は、揉みモータ51の停止時において、揉み玉41、41に対する外圧による負荷で揉みモータ51が回転したことを前記モータ回転検出部54が検出したとき、揉み玉41、41間の間隔を設定間隔に戻す方向に揉みモータ51を回転させる様に制御する。
【解決手段】背凭れ部13上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ51に連繋されて夫々周回軌道を描く様にして接近離間するもみ動作可能な揉み玉41、41と、揉みモータ51の回転量を検出する揉みモータ回転検出部54と、揉みモータ51の回転を制御して左右の揉み玉41、41の間隔を設定可能な制御部70とによって構成され、制御部70は、揉みモータ51の停止時において、揉み玉41、41に対する外圧による負荷で揉みモータ51が回転したことを前記モータ回転検出部54が検出したとき、揉み玉41、41間の間隔を設定間隔に戻す方向に揉みモータ51を回転させる様に制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れ部に配備するマッサージ機構に特徴を有する椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の肩、腰を含む背中に、左右に対をなす揉み玉を互いに対称的な周回軌道を描く様にして拡狭変化させて行う揉みマッサージ、揉み玉を前後移動させて行う叩きマッサージ、揉み玉を昇降させて行うローリングマッサージ、これらの複合マッサージを施す椅子式マッサージ機が知られている(特許文献1)。
又、上記機構に加えて、せり出し手段を具え、揉み玉を背凭れ部から大きくせり出させてマッサージ効果を高めることのできる椅子式マッサージ機(特許文献2)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−237662
【特許文献2】特開2004−202010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のイス式マッサージ機では、揉み玉を駆動する揉みモータを制御して、左右の揉み玉間の幅を被施療者の好みに合わせて設定できる。しかし、上記叩きマッサージやローリングマッサージをしている時のように、揉みモータへの通電が停止しているときに、揉み玉に被施療者の体圧等によって大きな負荷が作用すると、揉みモータと揉み玉を連繋する動力伝達手を介して揉みモータに負荷が加わって回転(空転)し、揉み玉が前記周回軌道上を外側、或いは内側に動き、揉み玉間の幅が設定した幅より変わってしまい、その都度に被施療者が揉み玉間の幅調整をやり直す必要が生じて面倒であった。
【0005】
本発明は、揉み玉間の設定幅が外力によって変わっても、自動的に元の設定幅に戻す様にすることによって、被施療者が揉み玉間の幅調整をやり直す面倒を無くして、当初設定した設定幅のまま心地よいマッサージを受けることのできるマッサージ機を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のマッサージ機は、背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋されて夫々周回軌道を描く様にして接近離間するもみ動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と
によって構成され、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、揉み玉(41)(41)に対する外圧による負荷で揉みモータ(51)が回転したことを前記モータ回転検出部(54)が検出したとき、揉み玉(41)(41)間の間隔を設定間隔に戻す方向に揉みモータ(51)を回転させる様に制御する。
【0007】
請求項2は請求項1のマッサージ機において、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0008】
請求項3は請求項2のマッサージ機において、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、揉みモータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0009】
請求項4のマッサージ機は、背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋され夫々周回軌道を描く様にして接近離間する揉み動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と、
被施療者による揉み玉(41)(41)への負荷を検出する負荷センサー(83)と
によって構成され、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0010】
請求項5は請求項4のマッサージ機において、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御し、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)の周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0011】
請求項6は請求項1乃至5の何れかに記載のマッサージ機において、揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)から前方へせり出す様に移動させるせり出し手段(80)、揉み玉(41)(41)を前後に往復移動させる叩き手段(60)、揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)に沿って上下方向に移動させる昇降手段(20)の3つの動作手段の内、少なくとも1つの動作手段を具えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、2、3のマッサージ機は、揉みモータ(51)の停止時に、揉み玉(41)(41)が被施療者の体重等の大きな外力により押されて揉みモータ(51)が回転(空転)し、揉み玉(41)(41)間の設定間隔が変わっても、自動的に揉みモータ(51)を逆転させて揉み玉(41)(41)を設定間隔に戻すことができるから、被施療者が揉み玉間の幅調整をやり直す必要が無く、当初設定した設定幅のまま心地よくマッサージを受けることができる。
【0013】
請求項4,5のマッサージ機は、揉み玉(41)(41)を上下動させて被施療者の背中を伸ばすローリングマッサージを行う場合に効果的である。
揉み玉(41)(41)が上から下に移動する際には、揉み玉(41)(41)に被施療者の体重が後方に掛かって、負荷センサー(83)は所定値以上の負荷を検出して、請求項1乃至3と同様の作用、効果を奏する。
揉み玉(41)(41)が下から上に移動する際には、揉み玉(41)(41)が被施療者の背中に食い込んだ様な状態で移動するから、揉み玉(41)(41)はお辞儀した状態となって下側に引っ張られる。このため、負荷センサー(83)は所定値以下の負荷を検出して、揉みモータ(51)を前記とは逆方向に回転させる。制御部(70)はそれに対応して揉みモータ(51)の回転方向を制御するので、揉み玉(41)(41)間を設定間隔に戻すことができる。
【0014】
請求項6のマッサージ機、揉み動作に加えて、マッサージのバリエーションを拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施例のマッサージ機の断面図である。
【図2】マッサージユニットの正面図である(但し、シャーシの向こう側に見える線も実線で表している)。
【図3】マッサージユニットの要部断面平面図である。
【図4】揉み軸の回転と、揉みモータの回転パルスとの関係を示す説明図である。
【図5】叩き軸の回転と、叩きモータの回転パルスとの関係を示す説明図である。
【図6】制御手段のブロック図である。
【図7】揉みマッサージ時の施療指の軌道を示す説明図である。
【図8】叩きマッサージ時の施療指の軌道を示す説明図である。
【図9】第1実施例のマッサージユニットの揉み玉間の間隔補正のフローチャートである。
【図10】第2実施例のマッサージユニットの断面図である。
【図11】背凭れ部からマッサージユニットをせり出した状態の断面図である。
【図12】せり出したマッサージユニットを上昇させるローリングマッサージの際の揉み玉に対する負荷の掛かり方の説明図である。
【図13】第2実施例のマッサージユニットの揉み玉間の間隔補正のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1実施例
<構造説明>
図1に示す如く、マッサージ機(10)の椅子(11)は、座部(12)と、該座部(12)の後端から上向きに形成された背凭れ部(13)、座部(12)の左右両側に上向きに形成された肘掛け部(14)とから構成される。座部(12)、背凭れ部(13)、肘掛け部(14)は、夫々内部に金属製のパイプ、フレーム又はプレート等を連結して形成され、外周は、当て布やクッションにて包囲される。
【0017】
背凭れ部(13)の内部には、上部及び下部に夫々上フレーム(16)と下フレーム(17)を具えており、上下のフレーム(16)(17)の左右両端部は、上下方向に平行に伸びる左右一対のガイドレール(18)(18)にて連結されている。ガイドレール(18)(18)の上端は、上フレーム(16)を越えて上方へ伸びており、ガイドレール(18)(18)の先端には、被施療者の頭部が当る頭当て部(15)が取り付けられている。ガイドレール(18)(18)の下部は、座部(12)を形成するフレームに枢支される。又、下フレーム(17)には、公知のリクライニング機構(19)に連結され、背凭れ部(13)は、座部(12)に対して揺動可能となっている。
ガイドレール(18)(18)は、断面形状がコ字状であって、溝が対向する様に配置され、該ガイドレール(18)(18)に沿ってマッサージユニット(30)が昇降可能に取り付けられている。
【0018】
背凭れ部(13)の内部には、ガイドレール(18)(18)と平行に枢支されたネジ軸(22)と、該ネジ軸(22)を回転させる昇降モータ(21)からなる昇降手段(20)が配備されている。ネジ軸(22)の下端にはプーリ(23)を具え、昇降モータ(21)の回転軸とベルトを介して連繋されており、昇降モータ(21)を駆動すると、ネジ軸(22)が正回転又は逆回転を行なう。
ネジ軸(22)には、後述する制御部(70)に電気的に接続されたエンコーダ(24)が配備されており、ネジ軸(22)の回転は、パルス信号として制御部(70)に送信される。
【0019】
一方のガイドレール(18)の上下には、夫々リミットスイッチ(33)(34)が配備されており、マッサージユニット(30)が上下の移動限界に到達すると、信号を制御部(70)に送信する。
上リミットスイッチ(33)、又は下リミットスイッチ(34)がマッサージユニット(30)を検出した状態からのネジ軸(22)のエンコーダパルス信号をカウントすることによって、マッサージユニット(30)の高さ位置を検出することができる。
【0020】
マッサージユニット(30)は、図1乃至図3に示す如く、ガイドレール(18)(18)の溝に嵌まるローラ(31)(31)(31)(31)が上下に夫々左右一対ずつ枢支されたシャーシ(32)に、施療指(40)(40)と、該施療指(40)(40)を作動させる揉み手段(50)及び叩き手段(60)を具える。シャーシ(32)は、ネジ軸(22)に螺合するネジ筒(35)を有しており、前述のとおり、ネジ軸(22)を回転させると、マッサージユニット(30)がネジ推力によって昇降する。
【0021】
施療指(40)(40)は、略中央が「く」の字型に屈曲した板状のアーム(42)の上下両端に各一対の揉み玉(41)(41)、(41a)(41a)を具え、アーム(42)の屈曲部分は板状のレバー(43)に枢支される。
アーム(42)はレバー(43)に対し、上側の揉み玉(41)が前方(図1で左側)に向けて突出するよう付勢手段(図示せず)で常時付勢されている。
レバー(43)は揉み手段(50)に回転自由に枢支されており、レバー(43)の後端は、球関節(44)を介して連結杆(45)が取り付けられ、該連結杆(45)は叩き手段(60)に連繋される。
上記の様に、両施療指(40)(40)には、マッサージ効果を高めるために、夫々上下に1個づつ揉み玉(41)(41)、(41a)(41a)を具えているが、上側の揉み玉(41)(41)を具えるだけでも本発明の実施は可能であるので、説明を簡素化するため、以下、上側の左右一対の揉み玉(41)(41)についてのみ説明する。
【0022】
揉み手段(50)は、施療指(40)(40)の各レバー(43)(43)を傾斜した状態で枢支する揉み軸(52)と、該揉み軸(52)を回転させる揉みモータ(51)を具える。詳しくは、揉み軸(52)に、偏心且つ互いに対称的に傾斜して固定されたカム体(52')に各レバー(43)は枢支されている。揉みモータ(51)からの動力は、減速機構(53)を介して揉み軸(52)に伝達される。
揉み軸(52)には、施療指(40)(40)が夫々傾斜した状態で枢支されており、レバー(43)(43)は連結杆(45)(45)に夫々接続されて回転が阻止されているから、揉み軸(52)を回転すると、図7に示す如く、左右の揉み玉(41)(41)が互いに凹みの存在しない左右対称の周回軌道Cを描く。図7(後述の図8を含めて)は揉み玉(41)(41)の動きを上から見た図であり、Mは椅子に座った被施療者を表している。実施例の周回軌道Cは、左右方向に長い横長の楕円状であり、2つの揉み玉(41)(41)は、別個の周回軌道C、C上を接近、離間を繰り返しながら左右に往復移動して、揉み動作を行なう。周回軌道C上の前後方向の変化量は、前記カム体(52')が傾斜のみならず偏心していることにより大きくとれる。
揉み玉(41)(41)が周回軌道C上で最も被施療者に接近した位置、即ち、周回軌道Cの長前半分(楕円の長軸L1より前半分)の中央位置(楕円の短軸L2と周回軌道Cの交点)を揉み玉(41)(41)の基準位置とする。両基準位置間の幅を基準幅Wとする。
【0023】
揉み軸(52)には、図2及び図4に示す如く、マグネット(55)が取り付けられており、該マグネット(55)と、マグネット(55)の回転移行路に対向してシャーシに配備されたリードスイッチ(56)によって、揉み軸(52)の回転が検出される。リードスイッチ(56)は、後述する制御部(70)に電気的に接続され、マグネット(55)の検出をパルス信号として制御部(70)に送信する。尚、リードスイッチ(56)が前記マグネット(55)を検出した瞬間において、左右の揉み玉(41)(41)が前方へ最大突出した前記基準位置にある状態である。
又、揉みモータ(51)の回転は、エンコーダ等の回転検出部(54)によって検出され、パルス信号として制御部(70)に送信される。
【0024】
リードスイッチ(56)がマグネット(55)を検出した状態、つまり、揉み玉(41)(41)が基準位置にある状態からの揉みモータ(51)のエンコーダパルス数をカウントすることによって、揉み玉(41)(41)の周回軌道C上の位置、即ち、左右の揉み玉(41)(41)の間隔を知ることができる。
例えば、揉みモータ(51)と揉み軸(52)の減速比を、例えば40:1に設定すると、揉み軸(52)のリードスイッチ(56)がマグネット(55)を検出した後、次にマグネット(55)を検出するまでの間に、揉みモータ(51)の回転検出部(54)は、揉みモータ(51)の回転を40回検出する。従って、両揉み玉(41)(41)の間隔は、揉み軸(52)のリードスイッチ(56)がマグネット(55)を検出した位置を原点とすると、揉みモータ(51)が10回転したときに、揉み玉(41)(41)の間隔は最も接近し、20回転で揉み玉(41)(41)の間隔は中間、30回転で揉み玉(41)(41)は最も離れ、40回転したとき、揉み玉(41)(41)の間隔は中間(原点)に戻る。
【0025】
叩き手段(60)は、施療指(40)(40)の各連結杆(45)(45)を軸心から互いに180度ずれた状態で支持する叩き軸(62)と、該叩き軸を回転させる叩きモータ(61)を具える。叩きモータ(61)からの動力は、減速機構(63)を介して叩き軸(62)に伝達される。
叩きモータ(61)を回転すると、叩き軸(62)に偏心して連繋された連結杆(45)(45)を介して、施療指(40)(40)、即ち、揉み玉(41)(41)が上下方向(前後方向も含む)に往復移動して、叩き動作を行なう。
【0026】
叩き軸(62)には、図2及び図5に示す如く、マグネット(65)が取り付けられており、該マグネット(65)と、マグネット(65)の回転移行路に対向してシャーシに配備されたリードスイッチ(66)によって、叩き軸(62)の回転が検出される。リードスイッチ(66)は、後述する制御部(70)に電気的に接続され、マグネット(65)の検出をパルス信号として制御部(70)に送信する。尚、リードスイッチ(66)は、左右の揉み玉(41)(41)の前方への突出量がほぼ等しくなったときにマグネット(65)を検出する様に、設置位置が調節されている。
【0027】
又、叩きモータ(61)の回転は、エンコーダ等の回転検出部(64)によって検出され、パルス信号とし リードスイッチ(66)がマグネット(65)を検出した状態、つまり、揉み玉(41)(41)の突出量がほぼ等しくなった状態からの叩きモータ(61)のエンコーダパルス数をカウントすることによって、揉み玉(41)(41)の突出量を知ることができる。
例えば、叩きモータ(61)と叩き軸(62)の減速比を、例えば40:1に設定すると、叩き軸(62)のリードスイッチ(66)がマグネット(65)を検出した後、次にマグネット(65)を検出するまでの間に、叩きモータ(61)のエンコーダ等の回転検出部(64)は、叩きモータ(61)の回転を40回検出する。従って、両揉み玉(41)(41)の突出量は、叩き軸(62)のリードスイッチ(66)がマグネット(65)を検出した位置を原点(揉み玉(41)(41)の突出量がほぼ等しくなった状態)とすると、叩きモータ(61)が10回転したときに、一方揉み玉(41)が前方に最も突出し、20回転で再度揉み玉(41)(41)の突出量がほぼ等しくなり、30回転で他方の揉み玉(41)が最も突出し、40回転で原点に戻る。
【0028】
前記肘掛け部(14)の一方には、リモコン収納部(図示せず)が設けられており、このリモコン収納部には、操作部である。リモコン器(79)(図6参照)が収納されている。このリモコン器(79)の上面には、電源ボタン、マッサージポイントやマッサージの種類を設定するボタン等の制御ボタン群が設けられている。
【0029】
図6は、マイコン(71)を主体として構成された制御部(70)を示している。制御部(70)は、マッサージ機(10)の適所に配備される。
マイコン(71)には、揉みモータ(51)、叩きモータ(61)及び昇降モータ(21)の駆動を制御する各モータ駆動回路(72)(73)(74)と、被施療者がマッサージ動作を選択するリモコン器(79)からの信号を受けるリモコン器I/F回路(76)、リクライニング機構(19)を制御するリクライニング制御回路(75)を具えており、前述の揉みモータ(51)、叩きモータ(61)及び昇降モータ(21)の回転を検出する回転検出部(54)(64)(24)、揉み軸(52)のリードスイッチ(56)、叩き軸(62)のリードスイッチ(66)、ガイドレール(18)の上下に設けられたリミットスイッチ(33)(34)が接続されている。
上記制御部(70)は、後記する種々のマッサージ動作中、前記したパルス信号のカウントにより、揉み玉(41)(41)が図7に示す周回軌道Cのどの位置にあるか、即ち、両揉み玉(41)(41)間の幅を認識している。
【0030】
<使用法及び動作>
マッサージ機(10)の使用方法について説明する。
先ず、被施療者が座部(12)に腰掛けて背中を揉み玉(41)(41)に当てる。被施療者が揉み玉(41)(41)間の幅を変えたい場合は、リモコン器(79)の「狭める」、或いは「拡げる」のボタンを押すことにより揉みモータ(51)を狭くする方向に回転するか拡くする方向に回転させて、好みの幅に設定する。
【0031】
上記の段階で、制御部(70)は、前述のとおり、揉み玉(41)(41)が図7の周回軌道C上のどの位置にあるか、及び揉み玉(41)(41)間の間隔を認識する。
次に、被施療者がリモコン器(79)を操作して、揉み、叩き、ローリングマッサージ等のマッサージの種類を選択すると、その操作命令に応じて、各モータ駆動回路(72)(73)(74)から、モータ(51)(61)(21)への作動命令が発信され、マッサージが行なわれる。
【0032】
揉みマッサージを選択すると、揉みモータ(51)のみが正転し、被施療者の患部に対して、揉み玉(41)(41)が略水平な平面にて、左右対称の楕円状の周回軌道を描きつつ接近離間する。これにより、被施療者の患部に揉みマッサージが施される(図7参照)。
揉みマッサージを選択した場合は、揉み玉(41)(41)が決まった回軌道Cを移動するので、前記揉み玉(41)(41)間の幅調整は意味のないことになる。
【0033】
叩きマッサージを選択すると、図8に示す如く、叩きモータ(61)のみが回転し、被施療者の患部に対して、揉み玉(41)(41)間の幅は設定した好みの設定幅のままで交互に前後方向(上下も含む)に往復移動し、被施療者の患部に叩きマッサージが施される。図8は、左側の施療指(40)が前方に突出した状態を示している。
【0034】
被施療者が叩き及び揉みの複合マッサージを選択すると、上記揉みマッサージと叩きマッサージの複合されたマッサージが被施療者の患部に施される。
【0035】
ローリングマッサージを選択した場合は、揉み玉(41)(41)が上下動作を繰り返す様に昇降モータ(21)のみが正逆回転繰り返す。この動作により被施療者の背中の上方から腰にかけて揉み玉が上下動作をし、被施療者の背筋を伸ばしていき、マッサージ効果をもたらす。
叩きマッサージやローリングマッサージを選択した場合は、揉みモータ(51)への通電は停止しているため、揉み玉(41)(41)の間隔は前記設定幅のままであるが、被施療者の体重等、揉み玉(41)(41)を後方に押す大きな負荷が作用すると、揉みモータ(51)を回転(空転)させて、左右の揉み玉(41)(41)の間隔が変わってしまう。
例えば、揉み玉(41)(41)が周回軌道Cの前半分に位置している場合で、揉み玉(41)(41)の間隔が基準幅Wより大であれば、揉み玉(41)(41)は外側へ移動しょうとし、基準幅Wより小であれば内側へ移動する。
揉み玉(41)(41)が周回軌道Cの後半分に位置している場合は、上記とは反対方向に揉み玉(41)(41)は移動する。
しかし、本願発明では該揉みモータ(51)の空転を揉みモータ回転検出部(54)が検出して、空転に対応するパルス数に応じて、揉みモータ(51)を逆転させて、揉み玉(41)(41)の間隔を設定間隔に戻す。
【0036】
図7に示す如く、両揉み玉(41)(41)が周回軌道Cの被施療者側である前半分に位置している状態での、揉み玉(41)(41)の間隔補正の手順を図9のフローチャートによって説明する。
ステップ1(S1)で前記した揉み玉(41)(41)を所望の間隔に設定する。
ステップ2(S2)で前記したマッサージ動作の選択を行う(但し、揉みモータ(51)を回転させるマッサージ動作は選択しないものとする)。
ステップ3(S3)で揉みモータ(51)の回転パルスを検出する。パルスを検出しなかった場合は、ステップ2(S2)とステップ3(S3)との間に戻る。1パルスでも検出すればステップ4(S4)に進む。
ステップ4にて、前記揉み玉(41)(41)間の設定幅が、前記揉み玉(41)(41)間の基準幅より大か小かを比較し、基準幅より小であればステップ5に移り、揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の幅が拡がる方向に回転させ、ステップ7(S7)に移る。
ステップ4にて、揉み玉(41)(41)間の設定幅が、揉み玉(41)(41)間の基準幅より大であれば、ステップ6(S6)に移り、揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の幅が狭まる方向に回転させ、ステップ7(S7)に移る。
ステップ7(S7)では、揉み玉(41)(41)間の拡がり幅、或いは狭まり幅の量に応じて揉みモータ(51)の必要回転パルスを検出すれば、ステップ8(S8)に移って揉みモータ(51)を停止させ、ステップ2(S2)とステップ3(S3)との間に戻る。
【0037】
尚、両揉み玉(41)(41)間の設定幅が前記基準幅Wより大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態において、揉みモータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したときは、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、設定間隔に戻す様に制御する。
両揉み玉(41)(41)間の設定幅が前記基準幅Wより小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したときは、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
揉み玉(41)(41)の位置が、周回軌道Cの前半分か、後半分かは段落[0024]で記述した方法で知ることができる。
【0038】
第2実施例>
<構造説明>
図10、図11に示す第2実施例のマッサージ機は、従来例で挙げた特許文献2のマッサージ機に本発明を実施したものである。
背凭れ部(13)には、昇降手段(20)に連繋されたマッサージユニット(30)が昇降可能に設けられている。マッサージユニット(30)は夫々上下に揉み玉(41)(41a)を具えた左右一対の施療指(40)(40)、前記同様の揉み手段及び叩き手段を含む。
第1実施例と異なるのは、マッサージユニット(30)がせり出し手段(80)によって前方にせり出し可能な点、及びマッサージユニット(30)の適所に、揉み玉(41)(41)に作用する被施療者の体圧等の負荷を検出するロードセル等の負荷センサー(83)を具えている点である。
負荷センサー(83)は、制御部(70)に接続されて、所定値以上の負荷か、所定値以上の負荷かを送信する。
【0039】
せり出し手段(80)は、前記リモコン器(79)によって操作できるせり出しモータ(図示せず)によってネジ軸(81)を回転させ、ネジ推力で移動する該ネジ軸(81)上のスライダ(84)でリンク機構(82)を駆動してマッサージユニット(30)を、背凭れ部(13)に対して前方にせり出したり(図11参照)、引っ込めたり(図10参照)する。
マッサージ手段(30)のせり出しによって、施療子(40)(40)はお辞儀をした状態となり、揉み玉(41)(41)は、下方の揉み玉(41a)(41a)よりも大きく前に飛び出す。
【0040】
<使用法及び動作>
[マッサージユニット(30)を引っ込めた状態での使用]
図10に示す如く、マッサージユニット(30)を引っ込めた状態での使用では、前記第1実施例と同じであるので、説明は省略する。
【0041】
[マッサージユニット(30)をせり出した状態での使用]
リモコン器(79)によって図11に示す様に、マッサージユニット(30)をせり出す。
以下は、第1実施例のマッサージ動作の種類を選択するまでと同じである。
ローリングマッサージを選択した場合は、揉み玉(41)(41)が上下動作を繰り返す様に昇降モータ(21)は正逆回転繰り返す。この動作により被施療者の背中の上方から腰にかけて揉み玉が上下動作をし、被施療者の背筋を伸ばしていき、マッサージ効果をもたらす。
ローリングマッサージや叩きマッサージの場合、揉みモータ(51)への通電は停止しているため、揉み玉(41)(41)の間隔は前記設定幅のままであるが、被施療者の体重等、揉み玉(41)(41)を後方に押す大きな負荷が作用すると、揉みモータ(51)を回転(空転)させて、左右の揉み玉(41)(41)の間隔が変わってしまう。しかし、該揉みモータ(51)の空転を揉みモータ回転検出部(54)が検出して、空転に対応するパルス数に応じて、揉みモータ(51)を逆転させて、揉み玉(41)(41)の間隔を設定間隔に戻す。
【0042】
例えば、ローリングマッサージを選択して、揉み玉(41)(41)が被施療者の背中の上から下へ移動するときは、揉み玉(41)(41)に後方へ押す力が作用して、負荷センサー(83)は所定値以上の負荷を検出し、制御部(70)は前記第1実施例と同様に制御する。
しかし、図12の矢印Aで示す如く、揉み玉(41)(41)が下から上に移動するときは、お辞儀状態の施療指(40)の先端に位置する揉み玉(41)(41)が図12に示す如く、被施療者の体に食い込んだ様になり、揉み玉(41)(41)は後方へ押されるのではなく前方へ引っ張られる動作となり、この場合、負荷センサー(83)は、設定値以下の負荷を検出する。又、施療指(40)(40)自体は前記とは逆の動作になるため、お辞儀動作時にかかる力が過大な場合には、揉み玉(41)(41)間の設定幅が基準幅Wより拡い場合は、揉み玉(41)(41)が引っ張られる外力により内側に狭まり、設定幅が基準幅より狭い場合には揉み玉(41)(41)が引っ張られる外力により外側に拡がる。
【0043】
そこで揉みモータ(51)の制御を具体的に説明すると、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させる。
【0044】
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0045】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0046】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)の周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
上記した各動作により被施療者は揉み玉(41)(41)に過大に体重をかけた場合でも揉み玉(41)(41)の間隔幅を設定幅に保ったまま、マッサージしたい部分を心地よく動作させることが可能である。
【0047】
図13は、第2実施例のフローチャートであり、詳細は上記に説明済みである。
【0048】
以上の様に、第2実施例のマッサージ機によれば、叩き手段よる叩き動作、あるいは昇降手段により揉み玉(41)(41)を上下動作させることによるローリングマッサージ、又は、せり出し手段(80)によって揉み玉(41)(41)を背中に押し付ける指圧マッサージなどの際に、揉み玉(41)(41)が被施療者の体重などの大きな外力により押された場合、或いは押し下げられた場合に揉みモータ(51)が回転して、そのことにより揉み玉(41)(41)間の幅が、設定幅より、拡がったり、或いは狭っても、直ちに設定幅に自動的に戻すことができるから、被施療者がその度に揉み玉の幅調整をやり直す手間なく、最初に設定した被施療者の好みの間隔幅を保持している揉み玉(41)(41)によって、心地よいマッサージを受けることができる。
【0049】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、本発明は、座部(12)を直接に床に置く様な、座椅子式のマッサージ機にも実施できる。
又、マッサージユニット(30)は、「く」の字型アーム(42)の上下両端に揉み玉(41)(41a)を具えたものであるが、アーム(42)を用いず、レバー(43)の先端に1つの揉み玉(41)を具えたものであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
13 背凭れ部
20 昇降手段
30 マッサージユニット
40 施療指
41 揉み玉
50 揉み手段
51 揉みモータ
54 揉みモータ回転検出部
60 叩き手段
70 制御部
80 せり出し手段
83 負荷センサー
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れ部に配備するマッサージ機構に特徴を有する椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の肩、腰を含む背中に、左右に対をなす揉み玉を互いに対称的な周回軌道を描く様にして拡狭変化させて行う揉みマッサージ、揉み玉を前後移動させて行う叩きマッサージ、揉み玉を昇降させて行うローリングマッサージ、これらの複合マッサージを施す椅子式マッサージ機が知られている(特許文献1)。
又、上記機構に加えて、せり出し手段を具え、揉み玉を背凭れ部から大きくせり出させてマッサージ効果を高めることのできる椅子式マッサージ機(特許文献2)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−237662
【特許文献2】特開2004−202010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のイス式マッサージ機では、揉み玉を駆動する揉みモータを制御して、左右の揉み玉間の幅を被施療者の好みに合わせて設定できる。しかし、上記叩きマッサージやローリングマッサージをしている時のように、揉みモータへの通電が停止しているときに、揉み玉に被施療者の体圧等によって大きな負荷が作用すると、揉みモータと揉み玉を連繋する動力伝達手を介して揉みモータに負荷が加わって回転(空転)し、揉み玉が前記周回軌道上を外側、或いは内側に動き、揉み玉間の幅が設定した幅より変わってしまい、その都度に被施療者が揉み玉間の幅調整をやり直す必要が生じて面倒であった。
【0005】
本発明は、揉み玉間の設定幅が外力によって変わっても、自動的に元の設定幅に戻す様にすることによって、被施療者が揉み玉間の幅調整をやり直す面倒を無くして、当初設定した設定幅のまま心地よいマッサージを受けることのできるマッサージ機を明らかにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のマッサージ機は、背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋されて夫々周回軌道を描く様にして接近離間するもみ動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と
によって構成され、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、揉み玉(41)(41)に対する外圧による負荷で揉みモータ(51)が回転したことを前記モータ回転検出部(54)が検出したとき、揉み玉(41)(41)間の間隔を設定間隔に戻す方向に揉みモータ(51)を回転させる様に制御する。
【0007】
請求項2は請求項1のマッサージ機において、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0008】
請求項3は請求項2のマッサージ機において、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、揉みモータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0009】
請求項4のマッサージ機は、背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋され夫々周回軌道を描く様にして接近離間する揉み動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と、
被施療者による揉み玉(41)(41)への負荷を検出する負荷センサー(83)と
によって構成され、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0010】
請求項5は請求項4のマッサージ機において、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御し、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)の周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0011】
請求項6は請求項1乃至5の何れかに記載のマッサージ機において、揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)から前方へせり出す様に移動させるせり出し手段(80)、揉み玉(41)(41)を前後に往復移動させる叩き手段(60)、揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)に沿って上下方向に移動させる昇降手段(20)の3つの動作手段の内、少なくとも1つの動作手段を具えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、2、3のマッサージ機は、揉みモータ(51)の停止時に、揉み玉(41)(41)が被施療者の体重等の大きな外力により押されて揉みモータ(51)が回転(空転)し、揉み玉(41)(41)間の設定間隔が変わっても、自動的に揉みモータ(51)を逆転させて揉み玉(41)(41)を設定間隔に戻すことができるから、被施療者が揉み玉間の幅調整をやり直す必要が無く、当初設定した設定幅のまま心地よくマッサージを受けることができる。
【0013】
請求項4,5のマッサージ機は、揉み玉(41)(41)を上下動させて被施療者の背中を伸ばすローリングマッサージを行う場合に効果的である。
揉み玉(41)(41)が上から下に移動する際には、揉み玉(41)(41)に被施療者の体重が後方に掛かって、負荷センサー(83)は所定値以上の負荷を検出して、請求項1乃至3と同様の作用、効果を奏する。
揉み玉(41)(41)が下から上に移動する際には、揉み玉(41)(41)が被施療者の背中に食い込んだ様な状態で移動するから、揉み玉(41)(41)はお辞儀した状態となって下側に引っ張られる。このため、負荷センサー(83)は所定値以下の負荷を検出して、揉みモータ(51)を前記とは逆方向に回転させる。制御部(70)はそれに対応して揉みモータ(51)の回転方向を制御するので、揉み玉(41)(41)間を設定間隔に戻すことができる。
【0014】
請求項6のマッサージ機、揉み動作に加えて、マッサージのバリエーションを拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施例のマッサージ機の断面図である。
【図2】マッサージユニットの正面図である(但し、シャーシの向こう側に見える線も実線で表している)。
【図3】マッサージユニットの要部断面平面図である。
【図4】揉み軸の回転と、揉みモータの回転パルスとの関係を示す説明図である。
【図5】叩き軸の回転と、叩きモータの回転パルスとの関係を示す説明図である。
【図6】制御手段のブロック図である。
【図7】揉みマッサージ時の施療指の軌道を示す説明図である。
【図8】叩きマッサージ時の施療指の軌道を示す説明図である。
【図9】第1実施例のマッサージユニットの揉み玉間の間隔補正のフローチャートである。
【図10】第2実施例のマッサージユニットの断面図である。
【図11】背凭れ部からマッサージユニットをせり出した状態の断面図である。
【図12】せり出したマッサージユニットを上昇させるローリングマッサージの際の揉み玉に対する負荷の掛かり方の説明図である。
【図13】第2実施例のマッサージユニットの揉み玉間の間隔補正のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1実施例
<構造説明>
図1に示す如く、マッサージ機(10)の椅子(11)は、座部(12)と、該座部(12)の後端から上向きに形成された背凭れ部(13)、座部(12)の左右両側に上向きに形成された肘掛け部(14)とから構成される。座部(12)、背凭れ部(13)、肘掛け部(14)は、夫々内部に金属製のパイプ、フレーム又はプレート等を連結して形成され、外周は、当て布やクッションにて包囲される。
【0017】
背凭れ部(13)の内部には、上部及び下部に夫々上フレーム(16)と下フレーム(17)を具えており、上下のフレーム(16)(17)の左右両端部は、上下方向に平行に伸びる左右一対のガイドレール(18)(18)にて連結されている。ガイドレール(18)(18)の上端は、上フレーム(16)を越えて上方へ伸びており、ガイドレール(18)(18)の先端には、被施療者の頭部が当る頭当て部(15)が取り付けられている。ガイドレール(18)(18)の下部は、座部(12)を形成するフレームに枢支される。又、下フレーム(17)には、公知のリクライニング機構(19)に連結され、背凭れ部(13)は、座部(12)に対して揺動可能となっている。
ガイドレール(18)(18)は、断面形状がコ字状であって、溝が対向する様に配置され、該ガイドレール(18)(18)に沿ってマッサージユニット(30)が昇降可能に取り付けられている。
【0018】
背凭れ部(13)の内部には、ガイドレール(18)(18)と平行に枢支されたネジ軸(22)と、該ネジ軸(22)を回転させる昇降モータ(21)からなる昇降手段(20)が配備されている。ネジ軸(22)の下端にはプーリ(23)を具え、昇降モータ(21)の回転軸とベルトを介して連繋されており、昇降モータ(21)を駆動すると、ネジ軸(22)が正回転又は逆回転を行なう。
ネジ軸(22)には、後述する制御部(70)に電気的に接続されたエンコーダ(24)が配備されており、ネジ軸(22)の回転は、パルス信号として制御部(70)に送信される。
【0019】
一方のガイドレール(18)の上下には、夫々リミットスイッチ(33)(34)が配備されており、マッサージユニット(30)が上下の移動限界に到達すると、信号を制御部(70)に送信する。
上リミットスイッチ(33)、又は下リミットスイッチ(34)がマッサージユニット(30)を検出した状態からのネジ軸(22)のエンコーダパルス信号をカウントすることによって、マッサージユニット(30)の高さ位置を検出することができる。
【0020】
マッサージユニット(30)は、図1乃至図3に示す如く、ガイドレール(18)(18)の溝に嵌まるローラ(31)(31)(31)(31)が上下に夫々左右一対ずつ枢支されたシャーシ(32)に、施療指(40)(40)と、該施療指(40)(40)を作動させる揉み手段(50)及び叩き手段(60)を具える。シャーシ(32)は、ネジ軸(22)に螺合するネジ筒(35)を有しており、前述のとおり、ネジ軸(22)を回転させると、マッサージユニット(30)がネジ推力によって昇降する。
【0021】
施療指(40)(40)は、略中央が「く」の字型に屈曲した板状のアーム(42)の上下両端に各一対の揉み玉(41)(41)、(41a)(41a)を具え、アーム(42)の屈曲部分は板状のレバー(43)に枢支される。
アーム(42)はレバー(43)に対し、上側の揉み玉(41)が前方(図1で左側)に向けて突出するよう付勢手段(図示せず)で常時付勢されている。
レバー(43)は揉み手段(50)に回転自由に枢支されており、レバー(43)の後端は、球関節(44)を介して連結杆(45)が取り付けられ、該連結杆(45)は叩き手段(60)に連繋される。
上記の様に、両施療指(40)(40)には、マッサージ効果を高めるために、夫々上下に1個づつ揉み玉(41)(41)、(41a)(41a)を具えているが、上側の揉み玉(41)(41)を具えるだけでも本発明の実施は可能であるので、説明を簡素化するため、以下、上側の左右一対の揉み玉(41)(41)についてのみ説明する。
【0022】
揉み手段(50)は、施療指(40)(40)の各レバー(43)(43)を傾斜した状態で枢支する揉み軸(52)と、該揉み軸(52)を回転させる揉みモータ(51)を具える。詳しくは、揉み軸(52)に、偏心且つ互いに対称的に傾斜して固定されたカム体(52')に各レバー(43)は枢支されている。揉みモータ(51)からの動力は、減速機構(53)を介して揉み軸(52)に伝達される。
揉み軸(52)には、施療指(40)(40)が夫々傾斜した状態で枢支されており、レバー(43)(43)は連結杆(45)(45)に夫々接続されて回転が阻止されているから、揉み軸(52)を回転すると、図7に示す如く、左右の揉み玉(41)(41)が互いに凹みの存在しない左右対称の周回軌道Cを描く。図7(後述の図8を含めて)は揉み玉(41)(41)の動きを上から見た図であり、Mは椅子に座った被施療者を表している。実施例の周回軌道Cは、左右方向に長い横長の楕円状であり、2つの揉み玉(41)(41)は、別個の周回軌道C、C上を接近、離間を繰り返しながら左右に往復移動して、揉み動作を行なう。周回軌道C上の前後方向の変化量は、前記カム体(52')が傾斜のみならず偏心していることにより大きくとれる。
揉み玉(41)(41)が周回軌道C上で最も被施療者に接近した位置、即ち、周回軌道Cの長前半分(楕円の長軸L1より前半分)の中央位置(楕円の短軸L2と周回軌道Cの交点)を揉み玉(41)(41)の基準位置とする。両基準位置間の幅を基準幅Wとする。
【0023】
揉み軸(52)には、図2及び図4に示す如く、マグネット(55)が取り付けられており、該マグネット(55)と、マグネット(55)の回転移行路に対向してシャーシに配備されたリードスイッチ(56)によって、揉み軸(52)の回転が検出される。リードスイッチ(56)は、後述する制御部(70)に電気的に接続され、マグネット(55)の検出をパルス信号として制御部(70)に送信する。尚、リードスイッチ(56)が前記マグネット(55)を検出した瞬間において、左右の揉み玉(41)(41)が前方へ最大突出した前記基準位置にある状態である。
又、揉みモータ(51)の回転は、エンコーダ等の回転検出部(54)によって検出され、パルス信号として制御部(70)に送信される。
【0024】
リードスイッチ(56)がマグネット(55)を検出した状態、つまり、揉み玉(41)(41)が基準位置にある状態からの揉みモータ(51)のエンコーダパルス数をカウントすることによって、揉み玉(41)(41)の周回軌道C上の位置、即ち、左右の揉み玉(41)(41)の間隔を知ることができる。
例えば、揉みモータ(51)と揉み軸(52)の減速比を、例えば40:1に設定すると、揉み軸(52)のリードスイッチ(56)がマグネット(55)を検出した後、次にマグネット(55)を検出するまでの間に、揉みモータ(51)の回転検出部(54)は、揉みモータ(51)の回転を40回検出する。従って、両揉み玉(41)(41)の間隔は、揉み軸(52)のリードスイッチ(56)がマグネット(55)を検出した位置を原点とすると、揉みモータ(51)が10回転したときに、揉み玉(41)(41)の間隔は最も接近し、20回転で揉み玉(41)(41)の間隔は中間、30回転で揉み玉(41)(41)は最も離れ、40回転したとき、揉み玉(41)(41)の間隔は中間(原点)に戻る。
【0025】
叩き手段(60)は、施療指(40)(40)の各連結杆(45)(45)を軸心から互いに180度ずれた状態で支持する叩き軸(62)と、該叩き軸を回転させる叩きモータ(61)を具える。叩きモータ(61)からの動力は、減速機構(63)を介して叩き軸(62)に伝達される。
叩きモータ(61)を回転すると、叩き軸(62)に偏心して連繋された連結杆(45)(45)を介して、施療指(40)(40)、即ち、揉み玉(41)(41)が上下方向(前後方向も含む)に往復移動して、叩き動作を行なう。
【0026】
叩き軸(62)には、図2及び図5に示す如く、マグネット(65)が取り付けられており、該マグネット(65)と、マグネット(65)の回転移行路に対向してシャーシに配備されたリードスイッチ(66)によって、叩き軸(62)の回転が検出される。リードスイッチ(66)は、後述する制御部(70)に電気的に接続され、マグネット(65)の検出をパルス信号として制御部(70)に送信する。尚、リードスイッチ(66)は、左右の揉み玉(41)(41)の前方への突出量がほぼ等しくなったときにマグネット(65)を検出する様に、設置位置が調節されている。
【0027】
又、叩きモータ(61)の回転は、エンコーダ等の回転検出部(64)によって検出され、パルス信号とし リードスイッチ(66)がマグネット(65)を検出した状態、つまり、揉み玉(41)(41)の突出量がほぼ等しくなった状態からの叩きモータ(61)のエンコーダパルス数をカウントすることによって、揉み玉(41)(41)の突出量を知ることができる。
例えば、叩きモータ(61)と叩き軸(62)の減速比を、例えば40:1に設定すると、叩き軸(62)のリードスイッチ(66)がマグネット(65)を検出した後、次にマグネット(65)を検出するまでの間に、叩きモータ(61)のエンコーダ等の回転検出部(64)は、叩きモータ(61)の回転を40回検出する。従って、両揉み玉(41)(41)の突出量は、叩き軸(62)のリードスイッチ(66)がマグネット(65)を検出した位置を原点(揉み玉(41)(41)の突出量がほぼ等しくなった状態)とすると、叩きモータ(61)が10回転したときに、一方揉み玉(41)が前方に最も突出し、20回転で再度揉み玉(41)(41)の突出量がほぼ等しくなり、30回転で他方の揉み玉(41)が最も突出し、40回転で原点に戻る。
【0028】
前記肘掛け部(14)の一方には、リモコン収納部(図示せず)が設けられており、このリモコン収納部には、操作部である。リモコン器(79)(図6参照)が収納されている。このリモコン器(79)の上面には、電源ボタン、マッサージポイントやマッサージの種類を設定するボタン等の制御ボタン群が設けられている。
【0029】
図6は、マイコン(71)を主体として構成された制御部(70)を示している。制御部(70)は、マッサージ機(10)の適所に配備される。
マイコン(71)には、揉みモータ(51)、叩きモータ(61)及び昇降モータ(21)の駆動を制御する各モータ駆動回路(72)(73)(74)と、被施療者がマッサージ動作を選択するリモコン器(79)からの信号を受けるリモコン器I/F回路(76)、リクライニング機構(19)を制御するリクライニング制御回路(75)を具えており、前述の揉みモータ(51)、叩きモータ(61)及び昇降モータ(21)の回転を検出する回転検出部(54)(64)(24)、揉み軸(52)のリードスイッチ(56)、叩き軸(62)のリードスイッチ(66)、ガイドレール(18)の上下に設けられたリミットスイッチ(33)(34)が接続されている。
上記制御部(70)は、後記する種々のマッサージ動作中、前記したパルス信号のカウントにより、揉み玉(41)(41)が図7に示す周回軌道Cのどの位置にあるか、即ち、両揉み玉(41)(41)間の幅を認識している。
【0030】
<使用法及び動作>
マッサージ機(10)の使用方法について説明する。
先ず、被施療者が座部(12)に腰掛けて背中を揉み玉(41)(41)に当てる。被施療者が揉み玉(41)(41)間の幅を変えたい場合は、リモコン器(79)の「狭める」、或いは「拡げる」のボタンを押すことにより揉みモータ(51)を狭くする方向に回転するか拡くする方向に回転させて、好みの幅に設定する。
【0031】
上記の段階で、制御部(70)は、前述のとおり、揉み玉(41)(41)が図7の周回軌道C上のどの位置にあるか、及び揉み玉(41)(41)間の間隔を認識する。
次に、被施療者がリモコン器(79)を操作して、揉み、叩き、ローリングマッサージ等のマッサージの種類を選択すると、その操作命令に応じて、各モータ駆動回路(72)(73)(74)から、モータ(51)(61)(21)への作動命令が発信され、マッサージが行なわれる。
【0032】
揉みマッサージを選択すると、揉みモータ(51)のみが正転し、被施療者の患部に対して、揉み玉(41)(41)が略水平な平面にて、左右対称の楕円状の周回軌道を描きつつ接近離間する。これにより、被施療者の患部に揉みマッサージが施される(図7参照)。
揉みマッサージを選択した場合は、揉み玉(41)(41)が決まった回軌道Cを移動するので、前記揉み玉(41)(41)間の幅調整は意味のないことになる。
【0033】
叩きマッサージを選択すると、図8に示す如く、叩きモータ(61)のみが回転し、被施療者の患部に対して、揉み玉(41)(41)間の幅は設定した好みの設定幅のままで交互に前後方向(上下も含む)に往復移動し、被施療者の患部に叩きマッサージが施される。図8は、左側の施療指(40)が前方に突出した状態を示している。
【0034】
被施療者が叩き及び揉みの複合マッサージを選択すると、上記揉みマッサージと叩きマッサージの複合されたマッサージが被施療者の患部に施される。
【0035】
ローリングマッサージを選択した場合は、揉み玉(41)(41)が上下動作を繰り返す様に昇降モータ(21)のみが正逆回転繰り返す。この動作により被施療者の背中の上方から腰にかけて揉み玉が上下動作をし、被施療者の背筋を伸ばしていき、マッサージ効果をもたらす。
叩きマッサージやローリングマッサージを選択した場合は、揉みモータ(51)への通電は停止しているため、揉み玉(41)(41)の間隔は前記設定幅のままであるが、被施療者の体重等、揉み玉(41)(41)を後方に押す大きな負荷が作用すると、揉みモータ(51)を回転(空転)させて、左右の揉み玉(41)(41)の間隔が変わってしまう。
例えば、揉み玉(41)(41)が周回軌道Cの前半分に位置している場合で、揉み玉(41)(41)の間隔が基準幅Wより大であれば、揉み玉(41)(41)は外側へ移動しょうとし、基準幅Wより小であれば内側へ移動する。
揉み玉(41)(41)が周回軌道Cの後半分に位置している場合は、上記とは反対方向に揉み玉(41)(41)は移動する。
しかし、本願発明では該揉みモータ(51)の空転を揉みモータ回転検出部(54)が検出して、空転に対応するパルス数に応じて、揉みモータ(51)を逆転させて、揉み玉(41)(41)の間隔を設定間隔に戻す。
【0036】
図7に示す如く、両揉み玉(41)(41)が周回軌道Cの被施療者側である前半分に位置している状態での、揉み玉(41)(41)の間隔補正の手順を図9のフローチャートによって説明する。
ステップ1(S1)で前記した揉み玉(41)(41)を所望の間隔に設定する。
ステップ2(S2)で前記したマッサージ動作の選択を行う(但し、揉みモータ(51)を回転させるマッサージ動作は選択しないものとする)。
ステップ3(S3)で揉みモータ(51)の回転パルスを検出する。パルスを検出しなかった場合は、ステップ2(S2)とステップ3(S3)との間に戻る。1パルスでも検出すればステップ4(S4)に進む。
ステップ4にて、前記揉み玉(41)(41)間の設定幅が、前記揉み玉(41)(41)間の基準幅より大か小かを比較し、基準幅より小であればステップ5に移り、揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の幅が拡がる方向に回転させ、ステップ7(S7)に移る。
ステップ4にて、揉み玉(41)(41)間の設定幅が、揉み玉(41)(41)間の基準幅より大であれば、ステップ6(S6)に移り、揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の幅が狭まる方向に回転させ、ステップ7(S7)に移る。
ステップ7(S7)では、揉み玉(41)(41)間の拡がり幅、或いは狭まり幅の量に応じて揉みモータ(51)の必要回転パルスを検出すれば、ステップ8(S8)に移って揉みモータ(51)を停止させ、ステップ2(S2)とステップ3(S3)との間に戻る。
【0037】
尚、両揉み玉(41)(41)間の設定幅が前記基準幅Wより大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態において、揉みモータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したときは、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、設定間隔に戻す様に制御する。
両揉み玉(41)(41)間の設定幅が前記基準幅Wより小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したときは、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
揉み玉(41)(41)の位置が、周回軌道Cの前半分か、後半分かは段落[0024]で記述した方法で知ることができる。
【0038】
第2実施例>
<構造説明>
図10、図11に示す第2実施例のマッサージ機は、従来例で挙げた特許文献2のマッサージ機に本発明を実施したものである。
背凭れ部(13)には、昇降手段(20)に連繋されたマッサージユニット(30)が昇降可能に設けられている。マッサージユニット(30)は夫々上下に揉み玉(41)(41a)を具えた左右一対の施療指(40)(40)、前記同様の揉み手段及び叩き手段を含む。
第1実施例と異なるのは、マッサージユニット(30)がせり出し手段(80)によって前方にせり出し可能な点、及びマッサージユニット(30)の適所に、揉み玉(41)(41)に作用する被施療者の体圧等の負荷を検出するロードセル等の負荷センサー(83)を具えている点である。
負荷センサー(83)は、制御部(70)に接続されて、所定値以上の負荷か、所定値以上の負荷かを送信する。
【0039】
せり出し手段(80)は、前記リモコン器(79)によって操作できるせり出しモータ(図示せず)によってネジ軸(81)を回転させ、ネジ推力で移動する該ネジ軸(81)上のスライダ(84)でリンク機構(82)を駆動してマッサージユニット(30)を、背凭れ部(13)に対して前方にせり出したり(図11参照)、引っ込めたり(図10参照)する。
マッサージ手段(30)のせり出しによって、施療子(40)(40)はお辞儀をした状態となり、揉み玉(41)(41)は、下方の揉み玉(41a)(41a)よりも大きく前に飛び出す。
【0040】
<使用法及び動作>
[マッサージユニット(30)を引っ込めた状態での使用]
図10に示す如く、マッサージユニット(30)を引っ込めた状態での使用では、前記第1実施例と同じであるので、説明は省略する。
【0041】
[マッサージユニット(30)をせり出した状態での使用]
リモコン器(79)によって図11に示す様に、マッサージユニット(30)をせり出す。
以下は、第1実施例のマッサージ動作の種類を選択するまでと同じである。
ローリングマッサージを選択した場合は、揉み玉(41)(41)が上下動作を繰り返す様に昇降モータ(21)は正逆回転繰り返す。この動作により被施療者の背中の上方から腰にかけて揉み玉が上下動作をし、被施療者の背筋を伸ばしていき、マッサージ効果をもたらす。
ローリングマッサージや叩きマッサージの場合、揉みモータ(51)への通電は停止しているため、揉み玉(41)(41)の間隔は前記設定幅のままであるが、被施療者の体重等、揉み玉(41)(41)を後方に押す大きな負荷が作用すると、揉みモータ(51)を回転(空転)させて、左右の揉み玉(41)(41)の間隔が変わってしまう。しかし、該揉みモータ(51)の空転を揉みモータ回転検出部(54)が検出して、空転に対応するパルス数に応じて、揉みモータ(51)を逆転させて、揉み玉(41)(41)の間隔を設定間隔に戻す。
【0042】
例えば、ローリングマッサージを選択して、揉み玉(41)(41)が被施療者の背中の上から下へ移動するときは、揉み玉(41)(41)に後方へ押す力が作用して、負荷センサー(83)は所定値以上の負荷を検出し、制御部(70)は前記第1実施例と同様に制御する。
しかし、図12の矢印Aで示す如く、揉み玉(41)(41)が下から上に移動するときは、お辞儀状態の施療指(40)の先端に位置する揉み玉(41)(41)が図12に示す如く、被施療者の体に食い込んだ様になり、揉み玉(41)(41)は後方へ押されるのではなく前方へ引っ張られる動作となり、この場合、負荷センサー(83)は、設定値以下の負荷を検出する。又、施療指(40)(40)自体は前記とは逆の動作になるため、お辞儀動作時にかかる力が過大な場合には、揉み玉(41)(41)間の設定幅が基準幅Wより拡い場合は、揉み玉(41)(41)が引っ張られる外力により内側に狭まり、設定幅が基準幅より狭い場合には揉み玉(41)(41)が引っ張られる外力により外側に拡がる。
【0043】
そこで揉みモータ(51)の制御を具体的に説明すると、制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させる。
【0044】
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0045】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
【0046】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)の周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する。
上記した各動作により被施療者は揉み玉(41)(41)に過大に体重をかけた場合でも揉み玉(41)(41)の間隔幅を設定幅に保ったまま、マッサージしたい部分を心地よく動作させることが可能である。
【0047】
図13は、第2実施例のフローチャートであり、詳細は上記に説明済みである。
【0048】
以上の様に、第2実施例のマッサージ機によれば、叩き手段よる叩き動作、あるいは昇降手段により揉み玉(41)(41)を上下動作させることによるローリングマッサージ、又は、せり出し手段(80)によって揉み玉(41)(41)を背中に押し付ける指圧マッサージなどの際に、揉み玉(41)(41)が被施療者の体重などの大きな外力により押された場合、或いは押し下げられた場合に揉みモータ(51)が回転して、そのことにより揉み玉(41)(41)間の幅が、設定幅より、拡がったり、或いは狭っても、直ちに設定幅に自動的に戻すことができるから、被施療者がその度に揉み玉の幅調整をやり直す手間なく、最初に設定した被施療者の好みの間隔幅を保持している揉み玉(41)(41)によって、心地よいマッサージを受けることができる。
【0049】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、本発明は、座部(12)を直接に床に置く様な、座椅子式のマッサージ機にも実施できる。
又、マッサージユニット(30)は、「く」の字型アーム(42)の上下両端に揉み玉(41)(41a)を具えたものであるが、アーム(42)を用いず、レバー(43)の先端に1つの揉み玉(41)を具えたものであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
13 背凭れ部
20 昇降手段
30 マッサージユニット
40 施療指
41 揉み玉
50 揉み手段
51 揉みモータ
54 揉みモータ回転検出部
60 叩き手段
70 制御部
80 せり出し手段
83 負荷センサー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋されて夫々周回軌道を描く様にして接近離間するもみ動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と
によって構成され、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、揉み玉(41)(41)に対する外圧による負荷で揉みモータ(51)が回転したことを前記モータ回転検出部(54)が検出したとき、揉み玉(41)(41)間の間隔を設定間隔に戻す方向に揉みモータ(51)を回転させる様に制御する、マッサージ機。
【請求項2】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、揉みモータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋され夫々周回軌道を描く様にして接近離間する揉み動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と、
被施療者による揉み玉(41)(41)への負荷を検出する負荷センサー(83)と
によって構成され、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、マッサージ機。
【請求項5】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御し、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)の周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)から前方へせり出す様に移動させるせり出し手段(80)、揉み玉(41)(41)を前後に往復移動させる叩き手段(60)、揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)に沿って上下方向に移動させる昇降手段(20)の3つの動作手段の内、少なくとも1つの動作手段を具えている、請求項1乃至5の何れかに記載のマッサージ機。
【請求項1】
背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋されて夫々周回軌道を描く様にして接近離間するもみ動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と
によって構成され、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、揉み玉(41)(41)に対する外圧による負荷で揉みモータ(51)が回転したことを前記モータ回転検出部(54)が検出したとき、揉み玉(41)(41)間の間隔を設定間隔に戻す方向に揉みモータ(51)を回転させる様に制御する、マッサージ機。
【請求項2】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、
両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、揉みモータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
背凭れ部(13)上に左右に対を成す様に配備され揉みモータ(51)に連繋され夫々周回軌道を描く様にして接近離間する揉み動作可能な揉み玉(41)(41)と、
揉みモータ(51)の回転量を検出する揉みモータ回転検出部(54)と、
揉みモータ(51)の回転を制御して左右の揉み玉(41)(41)の間隔を設定可能な制御部(70)と、
被施療者による揉み玉(41)(41)への負荷を検出する負荷センサー(83)と
によって構成され、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
制御部(70)は、揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の前半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、マッサージ機。
【請求項5】
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以上を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御し、
制御部(70)は揉みモータ(51)の停止時において、負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が、両揉み玉(41)(41)が最も前進した時点の両揉み玉(41)(41)間の基準幅より大で且つ揉み玉(41)(41)の周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が狭まる方向に回転させ、
負荷センサー(83)が所定値以下を検出し、両揉み玉(41)(41)間の幅が前記基準幅より小で且つ揉み玉(41)(41)が周回軌道の後半分に位置した状態で、前記モータ回転検出部(54)が揉みモータ(51)の回転を検出したとき、該揉みモータ(51)を揉み玉(41)(41)間の間隔が拡がる方向に回転させて、前記揉み玉(41)(41)間の間隔を前記設定間隔に戻す様に制御する、請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)から前方へせり出す様に移動させるせり出し手段(80)、揉み玉(41)(41)を前後に往復移動させる叩き手段(60)、揉み玉(41)(41)を背凭れ部(13)に沿って上下方向に移動させる昇降手段(20)の3つの動作手段の内、少なくとも1つの動作手段を具えている、請求項1乃至5の何れかに記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−227482(P2010−227482A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81182(P2009−81182)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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