説明

植栽タイル

【課題】鉢を歩道に設置することなく植物を栽培し、歩道が殺風景になるのを解消することにある。
【解決手段】タイル本体7と、タイル本体7の表面に設けられ、植花(植物)を埋設するための植物埋設凹部4とを備えており、植物埋設凹部4には貫通孔5が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植栽タイル、特に、歩道等に敷設される植栽タイルに関する。
【背景技術】
【0002】
歩道等には幾何学的な形状(例えば正方形や長方形)のタイルが敷設されている。タイルが敷設された歩道には殺風景であるために、植物などが栽培されている鉢などが例えば1直線状に整列されている。
【特許文献1】特開2005−348631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような歩道では、植物をタイル上で栽培することはできず、植物等を設置するために鉢が必要である。このために、コストが高くなっている。また、植物が鉢によって栽培されているために、通行人などが鉢に接触すると鉢が動かされる。このとき、植物の列が乱される。
【0004】
本発明の課題は、鉢を歩道に設置することなく植物を栽培し、歩道が殺風景になるのを解消することにある。また、植物の列が乱されにくくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る植栽タイルは、タイル本体と、タイル本体の表面に設けられ、植物を埋設するための植物埋設部とを備えており、植物埋設部には貫通孔が設けられている。
この植栽タイルでは、植物埋設するための植物埋設部に植物が埋設され、植栽タイルが歩道に敷設される。この植栽タイルの植物埋設部には、貫通孔が設けられており、水や空気を排出することができる。このために、植物を栽培しやすくなる。また、鉢を歩道に設置することなく植物を栽培することができ、歩道が殺風景になるのを解消することができる。また、植物を植栽タイルで栽培しているために植物の列が乱されにくくなる。
【0006】
請求項2に係る植栽タイルは、請求項1に記載の植栽タイルであって、貫通孔は植物埋設部の底部に配置されている。
ここでは、水が排出しやすくなる。
【0007】
請求項3に係る植栽タイルは、請求項1または2に記載の植栽タイルであって、タイル本体は植物埋設部が設けられている部分の近傍に補強部を有する。
ここでは、補強部が配置されているために、植物埋設部をタイル本体に形成した場合に植物埋設部を設けた部分に対応する部分(例えば、植物埋設部が設けられている部分の裏側や、植物埋設部の周囲)に補強部が形成されているためにこの部分の近傍の強度が低下するのを防止できる。
【0008】
請求項4に係る植栽タイルは、請求項1から3のいずれかに記載の植栽タイルであって、補強部はタイル本体の植物埋設部が配置されている部分の裏側に配置されている。
ここでは、補強部によって人の歩行などが妨げられるのを防止できる。
【0009】
請求項5に係る植栽タイルは、請求項1から4のいずれかに記載の植栽タイルであって、植物埋設部は凹部である。
ここでは、植物埋設部が凹部であるために植物の設置が通行などの妨げになりにくくなる。
【0010】
請求項6に係る植栽タイルは、請求項5に記載の植栽タイルであって、植物埋設部は円形状の凹部である。
ここでは、植物埋設部が円形状であるために植物埋設部を形成しやすくなる。
【0011】
請求項7に係る植栽タイルは、請求項5に記載の植栽タイルであって、植物埋設部は曲線状の凹部である。
請求項8に係る植栽タイルは、請求項1から4のいずれかに記載の植栽タイルであって、植物埋設部は環状の凸部である。
ここで、環状とは、円環状だけではなく、四角形状や他の形状を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、鉢を歩道に設置することなく植物を栽培し、歩道が殺風景になるのを解消することができる。また、植物の列が乱されにくくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
1.構成
図1に本発明に係る植栽タイル3が配置された歩道を示す。この歩道にはガードレール1と、歩道タイル6と、本発明に係る植栽タイル3とが配置されている。
【0014】
ガードレール1は、車が歩道に進入するのを防止するためのものであって、歩道と車道の境に配置されている。また、ガードレール1は歩道に沿って配置されている。
歩道タイル6は、歩道に敷き詰められた部材であって、正方形状の部材である。また、歩道タイル6は、薄い板状の部材であって、コンクリート等で形成されている。
【0015】
植栽タイル3は、歩道の最も車道側に配置される部材であって、タイル本体7と、植物埋設凹部4と、植花2とを備えている。
タイル本体7は、正方形状の部材であって、板状の部材である。また、タイル本体7は、植物埋設凹部4が配置されている部分の裏側に補強部8が配置されており、コンクリートなどによって形成されている。
【0016】
植物埋設凹部4は、円形状の凹部であって、タイル本体7の上側に配置されている。植物埋設凹部4の底には水や空気を排出可能な貫通孔5が配置されている。この貫通孔5は、補強部8を貫通する孔であって、径の小さな円形の孔である。
【0017】
植花2は、植物埋設凹部4に配置されており、芝生である。
2.動作
この植栽タイル3を歩道に配置する場合には、植物埋設凹部4に植花2を配置し、植花2が車道側になるように歩道に配置する。
【0018】
ここでは、歩道に鉢などを設置することなく植物を配置することができ、歩道が殺風景になるのを防止できる。また、補強部8が設けられているために、植物埋設凹部4によって植栽タイル3の強度が下がるのを防止できる。さらに、貫通孔5が植物埋設凹部4の底に配置されているために、空気や水を非出することができる。従って、植物埋設凹部4内の空気を換気することができ、気温の高い日であっても植物埋設凹部5内の温度が上昇しすぎるのを防止できる。さらに、雨量の多い日であっても水が溜まりすぎるのを防止できる。植物埋設部3が植栽タイル3に設けられているために植物の列が乱されにくくなる。そして、植栽タイル3を連続的に設置することで、歩道の端に植物のラインを形成することができ、タイルと自然とが一体となった自然環境を創造することができる。
【0019】
3.他の実施形態
(a)上記実施形態では、植物埋設凹部4の形状が円形の場合について説明したが、本発明はこれに限られずに、他の形状、例えば曲線状、直線状、ハートやクローバなどのトランプ柄、ロゴ、社名などであっても良い。具体例を図4に示す。この図4に記載の植栽タイル13の植物埋設凹部14は、曲線状の凹部であって、所定の幅の凹部である。この場合には、植物埋設凹部14の底に2つの貫通孔15を設けており、排水及び換気をすることができる。
【0020】
(b)上記実施形態では、植花2が芝生である場合について説明したが、本発明はこれに限られずに、クローバや玉竜等の他の植物であっても良い。
(c)さらに、上記実施形態では、歩道の車道側に配置する場合について説明したが、本発明はこれに限られずに、他の場所、例えば歩道の真ん中や、建築物側などに配置しても良い。
【0021】
(d)上記実施形態では、植物埋設凹部4の底部分に貫通孔5を設けたが、本発明はこれに限られずに、植物埋設凹部4の側部に設けることもできる。この場合には、貫通孔5を設ける位置によって適度な水を植物埋設凹部4内に溜めておくことができる。
【0022】
(e)上記実施形態では、凹状の植物埋設部3について説明したが、本発明はこれに限られずに、植物埋設部3は環状の凸部によって形成されていても良い。例えば、図5に示すようにタイル本体27から円環状に凸部26を設け、その内周側で植物を栽培するようにしても良い。なお、円環状の凸部26の内周部に排水・通気用の貫通孔28が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る植栽タイル3が配置された歩道を示す図。
【図2】本発明に係る植栽タイル3を示す図。
【図3】植栽タイル3の断面図(図2のAB断面)。
【図4】他の実施形態に係る植栽タイル3を示す図。
【図5】他の実施形態に係る植栽タイル3を示す図。
【符号の説明】
【0024】
1 ガードレール
2 植花(植物)
3 植栽タイル
4 植物埋設凹部
5 貫通孔
6 歩道タイル
7 タイル本体
8 補強部
13 植栽タイル
14 植物埋設凹部
15 貫通孔
26 円環状の凸部
27 タイル本体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイル本体と、
前記タイル本体の表面に設けられ、植物を埋設するための植物埋設部とを備え、
前記植物埋設部には貫通孔が設けられている、
植栽タイル。
【請求項2】
前記タイル本体は前記植物埋設部が設けられている部分に対応する部分に補強部を有する、請求項1に記載の植栽タイル。
【請求項3】
前記補強部は前記タイル本体の前記植物埋設部が配置されている部分の裏側に配置されている、請求項1又は2に記載の植栽タイル。
【請求項4】
前記貫通孔は前記植物埋設部の底部に配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の植栽タイル。
【請求項5】
前記植物埋設部は凹部である、請求項1から4のいずれかに記載の植栽タイル。
【請求項6】
前記植物埋設部は円形状の凹部である、請求項5に記載の植栽タイル。
【請求項7】
前記植物埋設部は曲線状の凹部である、請求項5に記載の植栽タイル。
【請求項8】
前記植物埋設部は環状の凸部である、請求項1から4のいずれかに記載の植栽タイル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−5728(P2008−5728A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177569(P2006−177569)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(506222650)
【出願人】(506222155)
【出願人】(506222708)
【Fターム(参考)】