説明

植物のウイルス耐性誘発方法

植物のウイルス耐性を誘発する方法であって、植物、土壌もしくは種子を有効量の式(I)のアミド化合物


[式中、Arは置換されたフェニル、ピリジルまたは5員複素環であり;Mは場合により置換されたチエニルまたはフェニル環であり;Qは直接結合、酸素、硫黄、SO、SO2、C1-C6-アルキレン、C2-C6-アルケニレン、シクロプロピレンまたは環縮合したビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;R1は水素、アルキル、ハロアルキル、場合により置換されたフェニルまたは場合により置換されたシクロアルキルである]で処理することを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物のウイルス耐性を誘発する方法であって、植物、土壌もしくは種子を有効量の式Iのアミド化合物
【化1】

【0002】
[式中、置換基は以下に定義したとおりである:
Arは置換されたフェニル、ピリジル、あるいは2個の窒素原子または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を環員として含み、かつハロゲン、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-ハロアルキルからなる群からそれぞれ選択される1〜3個の置換基を有する5員複素環であり;
Mは、場合によりハロゲン原子を有するチエニル環またはフェニル環であり;
Qは直接結合、酸素、硫黄、SO、SO2、C1-C6-アルキレン、C2-C6-アルケニレン、シクロプロピレンまたは環縮合した(anellated)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
R1は水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、フェニル(場合により、ハロゲンおよびメチルの群から独立して選択される1〜3個の基によって置換されている)であるか、または場合によりメチル基によって置換されているシクロアルキルである]
で処理することを含む方法に関する。
【背景技術】
【0003】
非常に多くの高度に異種の植物ウイルス群(phytophage類)の代表的なものが、経済的に関連のある植物を攻撃する能力を有する。その損傷の症状は、形態的変化から植物の死亡までの範囲にわたる。ウイルスが伝染する経路が非常に多いこと(例えば、創傷を介して、種子および花粉を介して、または線虫および昆虫などの媒介生物を介して機械的に)、診断の問題および好適な有効成分の欠如のため、そのようなウイルスの防除は極めて困難になっている。従って、予防手段および植物検疫手段が重要視される。そこで、植物におけるウイルス病の予防が、農業における重要な目標となっている。
【0004】
植物におけるウイルス病の予防方法に関する研究によって、抗ウイルス性の有効成分がすでに生み出されており、それらの一部は核酸に似たものである。しかしながら、これらの物質の中には、突然変異体を生じたり、宿主細胞において核酸およびタンパク質の代謝を阻害して、損傷を生じるものもある。実際の場面では、これらの材料が有する実際の防除効果はわずかなものである。
【0005】
DE-A 39 34 761は、植物のウイルス病を予防するためにポリリシンおよびアルキルジエチレン-トリアミノ酢酸を提案している。EP-A 420 803は、種々の植物病原性微生物に対するベンゾ-1,2,3-チアゾール誘導体の免疫効果について記載している。WO-A 96/37493はピリジルチアゾールの同様な効果を開示している。
【0006】
DD 280 030は、作物植物および有用な植物の耐性を活性化する物質として、スルホン酸誘導体を提案している。PCT/EP2006/066337は、ごく一部のフェニル誘導体の同様な活性を教示しており、WO 03/070705は、式Iの化合物のいくつかは、とりわけ植物に対するウイルスの攻撃に対して使用し得ることに言及している。
【0007】
しかしながら、公知の物質のウイルス防御に関する作用は、種々の側面から満足いくものではなかった。また、WO 03/070705は、ウイルスに関する具体的な教示もしておらず、化合物の施用方法の具体例も教示していない。
【0008】
WO 01/82701は、ストロビルリン型の活性化合物を繰り返し施用することにより植物のウイルス感染に対する耐性を誘発する方法を開示している。しかし、殺菌剤を繰り返し施用すると、有害菌類の抵抗性個体群を選定することになりかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、広く使用することが可能で、植物に損傷を与えず、ウイルス病に対する植物の有効な免疫感作を生じさせる方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、この目的が、冒頭部で定義した方法によって達成されることを見出した。有効成分Iは殺菌剤として公知であり(例えばEP-A 545 099、EP-A 589 301、EP-A 737682、EP-A 824099、WO 99/09013、WO 03/010149、WO 03/070705、WO 03/074491、WO 2004/005242、WO 2004/035589およびWO 2004/067515を参照)、またそれらは本明細書に記載した方法により調製することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
化合物Iは異なる結晶変態で存在することができ、それらは生物学的活性が異なることがある。
【0012】
植物病害を防除するのに必要な濃度における式Iの有効成分の植物との良好な適合性により、植物の地上部分の処理、ならびに育苗材料および種子、および土壌の処理が可能である。
【0013】
本発明の方法によれば、活性化合物は生長期間の初期に、最初の予防用の殺菌剤施用が行われるかなり前に、および菌類感染症のプレッシャーが生じた際に施用される。
【0014】
本発明の方法の一実施形態において、有効成分は根から植物に吸収され、最終的には植物の全体的な保護を生じさせる。
【0015】
従って、本発明による方法を行った後の保護作用は、直接噴霧した植物部分のみで認められるのではなく、植物全体のウイルス病に対する耐性が高まるのである。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、植物の地上部分を、有効成分Iの製剤で処理する。
【0017】
式Iにおいて、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくはフッ素または塩素であり;
C1-C4-アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピルまたは1,1-ジメチルエチル、好ましくはメチルまたはエチルであり;
C1-C4-ハロアルキルは、部分的または完全にハロゲン化されたC1-C4-アルキル基(1個もしくは複数のハロゲン原子は特にフッ素、塩素および/または臭素である)、すなわち、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはノナフルオロブチル、特にハロメチルであり、CH2-Cl、CH(Cl)2、CH2-F、CHF2、CF3、CHFCl、CF2ClまたはCF(Cl)2、特にCHF2またはCF3が特に好ましい;
C1-C6-アルキレンは、とりわけ、メチレン、1,1-エチレン、1,2-エチレン、1,1-プロピレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、2,2-プロピレン、1,1-ブチレン、1,2-ブチレン、1,3-ブチレン、1,4-ブチレン、2,2-ブチレン、2,3-ブチレン、2-メチル-1,1-プロピレン、2-メチル-1,2-プロピレン、2-メチル-1,3-プロピレン、1,1-ペンチレン、1,2-ペンチレン、1,3-ペンチレン、1,4-ペンチレン、1,5-ペンチレン、2,2-ペンチレン、2,3-ペンチレン、2,4-ペンチレン、3,3-ペンチレン、2-メチル-1,1-ブチレン、2-メチル-1,2-ブチレン、2-メチル-1,3-ブチレン、2-メチル-1,4-ブチレン、2-メチル-3,3-ブチレン、2-メチル-3,4-ブチレン、2-メチル-4,4-ブチレン、2-エチル-1,3-プロピレン、2,2-ジメチル-1,1-プロピレン、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン、1,1-ヘキシレン、1,2-ヘキシレン、1,3-ヘキシレン、1,4-ヘキシレン、1,5-ヘキシレン、1,6-ヘキシレン、2,2-ヘキシレン、2,3-ヘキシレン、2,4-ヘキシレン、2,5-ヘキシレン、3,3-ヘキシレン、3,4-ヘキシレン、2-メチル-1,1-ペンチレン、2-メチル-1,2-ペンチレン、2-メチル-1,3-ペンチレン、2-メチル-1,4-ペンチレン、2-メチル-1,5-ペンチレン、2-メチル-3,3-ペンチレン、2-メチル-3,4-ペンチレン、2-メチル-3,5-ペンチレン、2-メチル-4,4-ペンチレン、2-メチル-4,5-ペンチレン、2-メチル-5,5-ペンチレン、2-プロピル-1,3-プロピレン、3-メチル-1,1-ペンチレン、3-メチル-1,2-ペンチレン、3-メチル-1,3-ペンチレン、3-メチル-1,4-ペンチレン、3-メチル-1,5-ペンチレン、3-メチル-2,2-ペンチレン、3-メチル-2,3-ペンチレン、3-メチル-2,4-ペンチレン、2-エチル-1,1-ブチレン、2-エチル-1,2-ブチレン、2-エチル-1,3-ブチレン、2-エチル-1,4-ブチレン、2,3-ジメチル-1,1-ブチレン、2,3-ジメチル-1,2-ブチレン、2,3-ジメチル-1,3-ブチレン、2,3-ジメチル-1,4-ブチレン、2,3-ジメチル-2,3-ブチレン、2-(2-プロピル)-1,3-プロピレン、2,2-ジメチル-1,1-ブチレン、2,2-ジメチル-1,3-ブチレン、2,2-ジメチル-1,4-ブチレン、2,2-ジメチル-3,3-ブチレン、2,2-ジメチル-3,4-ブチレン、2,2-ジメチル-4,4-ブチレンおよび2-メチル-2-エチル-1,3-プロピレン、特に1,3-ジメチルブテンである。
【0018】
C2-C6-アルケニレンは、とりわけ、エテニレン、プロパ-2-エニレン、n-ブタ-2-エニレン、n-ブタ-3-エニレン、1-メチル-プロパ-2-エニレンまたは2-メチル-プロパ-2-エニレン、特にプロパ-2-エニレン、n-ブタ-2-エニレンおよび1-メチル-プロパ-2-エニレンである。
【0019】
本発明の一態様において、Arがフェニル基(a)
【化2】

【0020】
[R2はハロゲンまたはトリフルオロメチル、好ましくはヨウ素である]
である化合物Iが好ましい。
【0021】
本発明の他の態様においては、Arがピリジル基(b)
【化3】

【0022】
[R3はハロゲン、好ましくは塩素である]
である化合物Iが好ましい。
【0023】
本発明のさらに他の態様においては、Arがピラゾリル基(c)
【化4】

【0024】
[R4はC1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキル、好ましくはメチルまたはハロメチル、特にメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、およびR5は水素またはハロゲン、好ましくは水素またはフッ素である]
である化合物Iが好ましい。
【0025】
本発明のさらに他の態様においては、Arがチアゾリル基(d)
【化5】

【0026】
[R6は水素、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキル、好ましくは水素、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキル、特に水素、メチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである]
である化合物Iが好ましい。とりわけ好ましいR6はC1-C4-ハロアルキル、特にジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。R7は好ましくはC1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキル、特にメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。
【0027】
Mに関しては、カルボキシアミド基とQは必ず隣接した位置になければならない。
【0028】
さらに、Mがチエニル環である化合物Iが好ましい。
【0029】
本発明の他の実施形態においては、MがQ-R1を唯一の置換基として有するフェニル環である化合物Iが好ましい。
【0030】
本発明のさらに他の実施形態においては、Mがハロゲン基、好ましくはフッ素を有するフェニル環である化合物Iが好ましい。ハロゲン基は、カルボニルアミノ基のパラ位に位置するのが好ましい。
【0031】
本発明の好ましい実施形態において、Qは好ましくは直接結合であり、R1は水素である。
【0032】
本発明のさらに他の好ましい実施形態において、Qは直接結合であり、R1は1〜3個のハロゲン原子を有するフェニルである。
【0033】
本発明の他の好ましい実施形態において、QはC1-C6-アルキレンであり、R1は水素である。
【0034】
本発明のさらに他の好ましい実施形態において、Qは酸素または硫黄であり、R1はC1-C4-ハロアルキルである。
【0035】
本発明のさらに他の好ましい実施形態において、Qはシクロプロピレンであり、R1はシクロプロピルであり、両環は好ましくはトランス立体異性形態にある。
【0036】
本発明のさらに他の好ましい実施形態において、Qは環縮合したビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり、R1はC1-C4-アルキル、特にイソプロピルである。
【0037】
特に好ましいのは
2-ヨード-N-フェニル-ベンズアミド、
2-クロロ-N-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イル)-ニコチンアミド、
N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-チオフェン-3-イル]-3-トリフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イル-カルボキシアミド、
N-(2-ビシクロプロピル-2-イル-フェニル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-5-フルオロピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-フルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-5-フルオロ-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロジフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-フルオロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-5-フルオロピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-フルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-5-フルオロ-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロジフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-フルオロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3'-クロロ-4'-フルオロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3'-クロロ-4'-フルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3'-クロロ-4'-フルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-クロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-メチル-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-クロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-メチル-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-6-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-クロロ-6-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-[2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)-フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-[4'-(トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル-2-イル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-[4'-(トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル-2-イル]-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド(慣用名:イソピラザム(isopyrazam))である。
【0038】
化合物Iは、ウイルスに対する植物の耐性を高めるものである。それらは、タバコ、オオムギ、キュウリ、イモ類および甜菜などの多様な作物植物ならびにこれら植物の種子に対するウイルスの防除において特に重要である。
【0039】
本発明の方法は、植物において各種科のウイルス、例えばアブサンウイロイド科(Avsunviroidae)、ブロモウイルス科(Bromoviridae)、クロステロウイルス科(Closteroviridae)、フレキシウイルス科(Flexiviridae)、ジェミニウイルス科(Geminiviridae)、ルテオウイルス科(Luteoviridae)、ナノウイルス科(Nanoviridae)、パーティティウイルス科(Partitiviridae)、ポスピウイロイド科(Pospiviroidae)、ポティウイルス科(Potyviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、モノネガウイルス目(Mononegavirales)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、セキウイルス科(Sequiviridae)、トンブスウイルス科(Tombusviridae)およびティモウイルス科(Tymoviridae)などに対する耐性を誘発する上で有用である。
【0040】
それは、下記の属を防除する上で特に有用である:ベニウイルス(Benyvirus)、イラルウイルス(Ilarvirus)、ククモウイルス(Cucumovirus)、オレアウイルス(Oleavirus)、トスポウイルス(Tospovirus)、カリモウイルス(Caulimovirus)、ソイモウイルス(Soymovirus)、カベモウイルス(Cavemovirus)、ペツウイルス(Petuvirus);クロステロウイルス(Closterovirus);コモウイルス(Comovirus);クリニウイルス(Crinivirus)、アンペロウイルス(Ampelovirus)、ファバウイルス(Fabavirus)、ネポウイルス(Nepovirus)、アレクシウイルス(Allexivirus)、マナドリウイルス(Manadrivirus)、カーラウイルス(Carlavirus)、カピロウイルス(Capillovirus)、フォヴェアウイルス(Foveavirus)、ポテクスウイルス(Potexvirus)、トリコウイルス(Trichovirus)、ヴィティウイルス(Vitivirus)、フロウイルス(Furovirus)、マストレウイルス(Mastrevirus)、クルトウイルス(Curtovirus)、ベゴモウイルス(Begomovirus)、ホルデイウイルス(Hordeivirus)、イダエオウイルス(Idaeovirus)、ルテオウイルス(Luteovirus)、ポレロウイルス(Polerovirus)、エナモウイルス(Enamovirus)、ナノウイルス(Nanovirus)、オフィオウイルス(Ophiovirus)、ウルミアウイルス(Ourmiavirus)、アルファクリプトウイルス(Alphacryptovirus)、ベータクリプトウイルス(Betacryptovirus)、ペクルウイルス(Pecluvirus)、ポモウイルス(Pomovirus)、ポティウイルス(Potyvirus)、ライモウイルス(Rymovirus)、バイモウイルス(Bymovirus)、マクルラウイルス(Macluravirus)、イポモウイルス(Ipomovirus)、トリティモウイルス(Tritimovirus)、フィジーウイルス(Fijivirus)、ファイトレオウイルス(Phytoreovirus)、オリザウイルス(Oryzavirus)、サイトラブドウイルス(Cytorhabdovirus)、ヌクレオラブドウイルス(Nucleorhabdovirus)、セキウイルス(Sequivirus)、ワイカウイルス(Waikavirus)、ソベモウイルス(Sobemovirus)、テヌイウイルス(Tenuivirus)、トバモウイルス(Tobamovirus)、トブラウイルス(Tobravirus)、トンブスウイルス(Tombusvirus)、カーモウイルス(Carmovirus)、ネクロウイルス(Necrovirus)、ダイアントウイルス(Dianthovirus)、マクロモウイルス(Machlomovirus)、アベナウイルス(Avenavirus)、ティモウイルス(Tymovirus)、マラフィウイルス(Marafivirus)、マクラウイルス(Maculavirus)、アンブラウイルス(Umbravirus)、ヴァリコサウイルス(Varicosavirus)、ポスピウイロイド(Pospiviroid)、ホスタウイロイド(Hostuviroid)、コカドウイロイド(Cocadviroid)、アプスカウイロイド(Apscaviroid)、コレウイロイド(Coleviroid)、アブスニウィロイド(Avsuniviroid)およびペラモウィロイド(Pelamoviroid)。
【0041】
より詳しくは、本発明の方法は、下記の種の防除において有用である:タバコ条斑病ウイルス(Tobacco streak virus)、キュウリモザイクウイルス(Cucumber mosaic virus)、トマト黄化壊疽ウイルス(Tomato spotted wilt virus)、ダイズ退緑斑紋ウイルス(Soybean chlorotic mottle virus)、ソラマメウイルトウイルス1(Broad bean wilt virus 1)、タバコ輪点ウイルス(Tobacco ringspot virus)、ジャガイモウイルスX(Potato virus X)、ムギ類萎縮ウイルス(Soil-borne wheat mosaic virus)、オオムギ斑葉モザイク病(Barley stripe mosaic virus)、ジャガイモ葉巻ウイルス(Potato leafroll virus)、ウルミアメロンウイルス(Ourmia melon virus)、落花生クランプウイルス(Peanut clump virus)、ジャガイモモップトップウイルス(Potato mop-top virus)、ジャガイモウイルスY(Potato virus Y)、大麦縞萎縮ウイルス(Barley yellow mosaic virus)、コムギ縞モザイクウイルス(Wheat streak mosaic virus)、ジャガイモ黄化萎縮病ウイルス(Potato yellow dwarf virus)、タバコネクローシス衛星ウイルス(Tobacco necrosis virus satellite)、インゲンマメ南部モザイクウイルス(Southern bean mosaic virus)、タバコモザイクウイルス(Tobacco mosaic virus)、タバコ茎壊疽ウイルス(Tobacco rattle virus)、トマトブッシースタントウイルス(Tomato bushy stunt virus)、タバコネクローシスウイルスA(Tobacco necrosis virus A)、トウモロコシ緑斑病ウイルス(Maize chlorotic mottle virus)、トウモロコシラヤドフィノウイルス(Maize rayado fino virus)およびジャガイモやせいも病ウイロイド(Potato spindle tuber viroid)。
【0042】
具体的には、それらは下記の植物病害を防除する上で好適である:
・タバコにおける、タバコモザイクウイルスおよびタバコネクローシスウイルス、
・マメ類における、インゲンモザイクウイルス(bean common mosaic virus)およびインゲン黄斑モザイクウイルス(bean yellow mosaic virus)、
・オオムギにおける、オオムギ斑葉モザイクウイルスおよびオオムギ黄萎ウイルス(barley yellow dwarf virus , DYDV)、
・キュウリにおける、キュウリ緑斑モザイクウイルス(cucumber green mottle mosaic virus)およびキュウリモザイクウイルス、
・イモ類における、ジャガイモXウイルス(potato X virus)およびジャガイモγウイルス(potato γ virus)、
・甜菜(beet)における、叢根病(rhizomania)および甜菜マイルド黄変ウイルス(beet mild yellowing virus)。
【0043】
化合物Iで処理された植物または種子は野生型のもの、品種改良によって得られた植物または種子、ならびに遺伝子組み換え植物およびそれから得られた種子のいずれでもよい。
【0044】
有用な植物に本発明の組み合わせを施用することは、作物収量の増加にも繋がり得る。
【0045】
化合物Iの施用は好ましくは、植物の生長期間の最初の6週間、好ましくは4週間の間、通常、菌類に対する最初の保護施用を行う時期よりかなり前に行う。
【0046】
植物は、感染が起こる前に、好ましくは予想されるウイルス攻撃の数週間〜1週間前に処理する。そのような時間枠中に、1〜10回の施用を行う。ウイルス病に対する植物の感受性に顕著な低下が認められる。
【0047】
野菜および農作物の場合、有効成分は好ましくは植物の発芽直後に施用され、特には発芽後の最初の4週間以内である。果物および他の多年生植物の場合、最初の施用は、生長期間の開始前または最初の4週間以内に行う。いずれの場合も、10〜20日ごとに施用を繰り返すと、最も良好な効力が認められる。
【0048】
本発明による方法は好ましくは、イモ類、トマト、ウリ科植物、好ましくはキュウリ、メロン、スイカ、ニンニク、タマネギおよびレタスなどの野菜および果物に施用する場合は、葉面散布として行う。好ましくは、1シーズン中に2回より多い施用かつ最大10回の施用を行う。
【0049】
本発明による方法は好ましくは、リンゴ、核果類、柑橘類、アボカド、パパイヤおよび他のトロピカルフルーツなどの果物に施用する場合は、葉面散布として行う。好ましくは、1シーズン中に2回より多い施用かつ最大5回の施用を行う。
【0050】
本発明の方法は、大豆、トウモロコシ、棉、タバコ、インゲン豆、小麦、大麦、エンドウ豆およびその他等の農作物にも適用可能である。これらの作物に関しては、前記方法は好ましくは、種子または植物を処理することで行われる。植物は好ましくは、2〜3回の施用で処理される。
【0051】
また、式Iのアミド化合物は、以下の群A)〜F)から選択されるさらなる殺菌活性化合物IIの存在下で施用してもよい:
A) 以下からなる群から選択されるアゾール類:アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromu-conazole)、シプロコナゾール(cypro-conazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール-M(diniconazole-M)、エニルコナゾール(enilconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フルキンコナゾール(fluquin-conazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアホール(flutriafol)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール(pencon-azole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothiocon-azole)、シメコナゾール(simeconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリチコナゾール(triti-conazole)、プロクロラズ(prochloraz)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イマザリル(imazalil)、トリフルミゾール(triflumizole)、シアゾファミド(cyazofamid)、ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリダゾール(fuberidazole)、エタボキサム(ethaboxam)、エトリジアゾール(etridiazole)、ヒメキサゾール(hymexazole)、オキスポコナゾール(oxpoconazol)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、ウニコナゾール(uniconazol)、1-(4-クロロ-フェニル)-2-([1,2,4]トリアゾール-1-イル)-シクロヘプタノールおよびイマザリル-スルフェート(imazalil-sulfphate);
B) 以下からなる群から選択されるストロビルリン類:アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(methominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、エネステロブリン(enestroburin)、メチル(2-クロロ-5-[1-(3-メチルベンジルオキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバメート、メチル(2-クロロ-5-[1-(6-メチル-ピリジン-2-イルメトキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバメート、メチル2-(オルト-(2,5-ジ-メチルフェニルオキシメチレン)フェニル)-3-メトキシアクリレート、2-(2-(6-(3-クロロ-2-メチル-フェノキシ)-5-フルオロ-ピリミジン-4-イルオキシ)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミドおよび3-メトキシ-2-(2-(N-(4-メトキシ-フェニル)-シクロプロパン-カルボキシイミドイルスルファニルメチル)-フェニル)-アクリル酸メチルエステル;
C) 以下からなる群から選択されるカルボキシアミド類:カルボキシン(carboxin)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-M(benalaxyl-M)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、フルトラニル(flutolanil)、フルオピラム(fluopyram)、フラメトピル(furametpyr)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、メフェノキサム(mefenoxam)、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、チフルザミド(thifluzamide)、チアジニル(tiadinil)、3,4-ジクロロ-N-(2-シアノフェニル)イソチアゾール-5-カルボキシアミド、ペンチオピラド(penthiopyrad)、ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、フルメトバー(flumetover)、フルオピコリド(ピコベンズアミド)(fluopicolide (picobenzamid))、ゾキサミド(zoxamide)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、マンジプロパミド(mandipropamid)、N-(2-(4-[3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-イニルオキシ]-3-エトキシフェニル)エチル)-2-メタンスルホニルアミノ-3-メチルブチルアミド、N-(2-(4-[3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-イニルオキシ]-3-メトキシフェニル)エチル)-2-エタンスルホニルアミノ-3-メチルブチルアミド、メチル3-(4-クロロフェニル)-3-(2-イソプロポキシカルボニルアミノ-3-メチルブチリルアミノ)-プロピオネート、N-(4'-ブロモビフェニル-2-イル)-4-ジフルオロメチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキシ-アミド、N-(4'-トリフルオロメチルビフェニル-2-イル)-4-ジフルオロメチル-2-メチルチアゾール-5-カルボキシアミド、N-(4'-クロロ-3'-フルオロビフェニル-2-イル)-4-ジフルオロメチル-2-メチル-チアゾール-5-カルボキシアミド、N-(3',4'-ジクロロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-カルボキシアミド、N-(2-シアノフェニル)-3,4-ジクロロイソチアゾール-5-カルボキシアミド、2-アミノ-4-メチル-チアゾール-5-カルボン酸アニリド、2-クロロ-N-(1,1,3-トリメチル-インダン-4-イル)-ニコチンアミド、N-(2-(1,3-ジメチルブチル)-フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(4'-クロロ-3',5-ジフルオロ-ビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(4'-クロロ-3',5-ジフルオロ-ビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロ-ビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(3',5-ジフルオロ-4'-メチル-ビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(3',5-ジフルオロ-4'-メチル-ビフェニル-2-イル)-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(シス-2-ビシクロプロピル-2-イル-フェニル)-3-ジ-フルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(トランス-2-ビ-シクロプロピル-2-イル-フェニル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸アミド、N-(3-エチル-3,5-5-トリメチル-シクロヘキシル)-3-ホルニルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンズアミド、オキシテトラサイクリン(oxytetracyclin)、シルチオファム(silthiofam)、N-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボン酸アミドおよびイソチアニル(isotianil);
D) 以下からなる群から選択される複素環式化合物:フルアジナム(fluazinam)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ブピリマート(bupirimate)、シプロジニル(cyprodinil)、フェナリモール(fenarimol)、フェリムゾン(ferimzone)、メパニピリム(mepanipyrim)、ヌアリモール(nuarimol)、ピリメタニル(pyrimethanil)、トリフォリン(triforine)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil)、アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、ファモキサドン(famoxadone)、フェンアミドン(fenamidone)、オクチリノン(octhilinone)、プロベナゾール(probenazole)、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、アニラジン(anilazine)、ジクロメジン(diclomezine)、ピロキロン(pyroquilon)、プロキナジド(proquinazid)、トリシクラゾール(tricyclazole)、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)、キャプタホール(captafol)、キャプタン(captan)、ダゾメット(dazomet)、フォルペット(folpet)、フェノキサニル(fenoxanil)、キノキシフェン(quinoxyfen)、N,N-ジメチル-3-(3-ブロモ-6-フルオロ-2-メチルインドール-1-スルホニル)-[1,2,4]トリアゾール-1-スルホンアミド-2,3,5,6-テトラ-クロロ-4-メタンスルホニル-ピリジン、3,4,5-トリクロロピリジン-2,6-ジ-カルボニトリル、N-(1-(5-ブロモ-3-クロロ-ピリジン-2-イル)-エチル)-2,4-ジクロロニコチンアミド、N-[(5-ブロモ-3-クロロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-2,4-ジクロロ-ニコチンアミド、ジフルメトリム(diflumetorim)、ニトラピリン(nitrapyrin)、ドデモルフ-アセテート(dodemorph-acetate)、フルオロイミド(fluoroimid)、ブラストシジンS(blasticidin-S)、キノメチオネート(chinomethionat)、デバカルブ(debacarb)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフェンゾコート-メチルスルファート、オキソリン酸、ピペラリン、3-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン
【化6】

【0052】
および5-アミノ-2-イソプロピル-4-オルト-トリル-ピラゾール-3-オン-1-チオカルボン酸アリルエステル;
【化7】

【0053】
E) 以下からなる群から選択されるカルバメート類:マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)、メタム(metam)、メチラム(metiram)、フェルバム(ferbam)、プロピネブ(propineb)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、フルベンチアバリカルブ(flubenthiavalicarb)、メタスルホカルブ(methasulphocarb)、プロパモカルブ(propamocarb)、プロパモカルブ塩酸塩、4-フルオロフェニルN-(1-(1-(4-シアノフェニル)エタン-スルホニル)ブタ-2-イル)カルバメート、メチル3-(4-クロロフェニル)-3-(2-イソプロポキシカルボニル-アミノ-3-メチルブチリルアミノ)プロパノエートおよび式IIIのカルバメートオキシムエーテル
【化8】

【0054】
[式中、ZはNまたはCHである];
F) 以下からなる群から選択される他の殺菌剤:
グアニジン、ドジン(dodine)、ドジン遊離塩基(dodine free base)、イミノクタジン(iminoctadine)、イミノクタジン-トリアセテート、イミノクタジン-トリス(アルベシラート)、グアザチン(guazatine)、グアザチン-アセテート、
抗生物質:カスガマイシン(kasugamycin)、ストレプトマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA(validamycin A)、
ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル(binapacryl)、ジノカップ(dinocap)、ジノブトン(dinobuton)、
硫黄含有複素環式化合物:ジチアノン、イソプロチオラン(isoprothiolane)、
有機金属化合物:トリフェニルスズ(fentin)塩、例えば酢酸トルフェニルスズ、
有機リン化合物:エディフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)、ホセチル(fosetyl)、ホセチル-アルミニウム、亜リン酸およびその塩、ピラゾホス(pyrazophos)、トルクロホス-メチル(tolclofos-methyl)、
有機塩素化合物:クロロタロニル(chlorothalonil)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、フルスルファミド(flusulfamide)、ヘキサクロロベンゼン、フタリド(phthalide)、ペンシクロン(pencycuron)、キントゼン(quintozene)、チオファネート-メチル(thiophanate-methyl)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、
無機活性化合物:ボルドー液(Bordeaux mixture)、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄、
その他:シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、ジメチリモール(dimethirimol)、エチリモール(ethirimol)、フララキシル(furalaxyl)、メトラフェノン(metrafenone)、スピロキサミン(spiroxamine)、カスガマイシン-塩酸塩-一水和物(hydrat)、ジクロロフェン、N-(4-クロロ-2-ニトロ-フェニル)-N-エチル-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド、ジクロラン(dicloran)、ニトロタール(nitrothal)-イソプロピル、テクナゼン(tecnazen)、ビフェニル、ブロノポール(bronopol)、ジフェニルアミン、ミルジオマイシン(mildiomycin)、オキシン銅(oxin-copper)、N-(シクロプロピルメトキシイミノ-(6-ジフルオロメトキシ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジンおよびN'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン;
G) 以下からなる群から選択される植物生長調節剤:クロフィブリン酸(clofibric acid)、4-CPA(4-クロロフェノキシ酢酸)、2,4-D、2,4-DB、2,4-DEP、ジクロルプロップ(dichlorprop)、フェノプロップ(fenoprop)、IAA(インドール-3-酢酸)、IBA(4-インドール-3-イル酪酸)、ナフタレンアセトアミド、α-ナフタレン酢酸、1-ナフトール、ナフトキシ酢酸、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸ナトリウム、2,4,5-T、2iP(N-(3-メチルブタ-2-エニル)-1H-プリン-6-アミン)、6-ベンジルアミノプリン(6-BA)、2,6-ジメチルプリジン(N-オキシド-2,6-ルチジン)、ベンジルアデニン、キネチン(kinetin)、ゼアチン(zeatin)、カルシウムシアナミド(calcium cyanamide)、ジメチピン(dimethipin)、エンドタール(endothal)、エセフォン(ethephon)、メルホス(merphos)、メトキスロン(metoxuron)、ペンタクロロフェノールおよびその塩、チアジアズロン(thidiazuron)、トリブホス(tribufos)、アビグリシン(aviglycine)、1-メチルシクロプロペン、ACC (1-アミノシクロプロパンカルボン酸)、エタセラシル(etacelasil)、エセフォン(ethephon)、グリオキシム(glyoxime)、ジベレリン類(gibberellins)、ジベレリン酸(gibberellic acid)、アブシジン酸(abscisic acid)、アンシミドール(ancymidol)、ブトラリン(butralin)、カルバリル(carbaryl)、クロルホニウム(chlorphonium)、クロルプロファム(chlorpropham)、ジケグラック(dikegulac)、フルメトラリン(flumetralin)、フルオリダミド(fluoridamid)、ホサミン(fosamine)、グリホシン(glyphosine)、イソピリモル(isopyrimol)、ジャスモン酸(jasmonic acid)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、メピコート(mepiquat)(塩化メピコート、ペンタホウ酸メピコート)、ピプロクタニル(piproctanyl)、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmon)、プロファム(propham)、2,3,5-トリ-ヨード安息香酸、クロルフルレン(chlorfluren)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、ジクロルフルレノール(dichlorflurenol)、フルレノール(flurenol)、クロルメクアート(chlormequat)、ダミノジド(daminozide)、フルルプリミドール(flurprimidol)、メフルイジド(mefluidide)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、テトシクラシス(tetcyclacis)、ウニコナゾール(uniconazole)、ブラシノライド(brassinolide)、フォルクロルフェヌロン(forchlorfenuron)、ヒメキサゾール(hymexazol)、アミドクロール(amidochlor)、ベンゾフルオール(benzofluor)、ブミナホス(buminafos)、カルヴォン(carvone)、チオブチド(ciobutide)、クロフェンセット(clofencet)、クロキシフォナック(cloxyfonac)、シアナミド(cyanamide)、シクラニリド(cyclanilide)、シクロヘキシミド(cycloheximide)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、エポコレオン(epocholeone)、エチクロゼート(ethychlozate)、エチレン、フェンリダゾン(fenridazon)、フルプリミドール(fluprimidol)、ヘプトパルギル(heptopargil)、ホロスルフ(holosulf)、イナベンフィド(inabenfide)、カレタザン(karetazan)、ヒ酸鉛、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、プロヘキサジオン(prohexadione)(プロヘキサジオンカルシウム)、ピダノン(pydanon)、シントフェン(sintofen)、トリアペンテノール(triapenthenol)およびトリネキサパック(trinexapac)(トリネキサパック-エチル)。
【0055】
上記の活性化合物II、その調製法、およびその有害菌類に対する作用は一般的に知られており(例えばhttp://www.hclrss.demon.co.uk/index.htmlを参照);それらは市販されている。
【0056】
化合物Iとアゾール類 A)の群から選択される活性化合物IIの混合物が好ましい。
【0057】
化合物Iとストロビルリン類 B)の群から選択される活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0058】
化合物Iとカルボキシアミド類 C)の群から選択される活性化合物IIの混合物が好ましい。
【0059】
さらに、化合物Iと複素環式化合物 D)の群から選択される活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0060】
さらに、化合物Iとカルバメート類 E)の群から選択される活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0061】
さらに、化合物Iと他の殺菌剤 F)の群から選択される活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0062】
さらに、化合物Iと植物生長調節剤 G)の群から選択される活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0063】
さらに、化合物Iと、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリチコナゾール、プロクロラズ、シアゾファミド、ベノミル、カルベンダジムおよびエタボキサムからなる群から選択されるアゾール類 A)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0064】
特に、化合物Iと、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ミクロブタニル、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリチコナゾール、プロクロラズ、シアゾファミド、ベノミルおよびカルベンダジムからなる群から選択されるアゾール類 A)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0065】
とりわけ、化合物Iと、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、テブコナゾール、トリチコナゾール、プロクロラズおよびカルベンダジムからなる群から選択されるアゾール類 A)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0066】
化合物Iと、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビンおよびトリフロキシストロビンからなる群から選択されるストロビルリン類 B)の群からの少なくとも1種の活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0067】
特に、化合物Iと、クレソキシム-メチル、オリサストロビンおよびピラクロストロビンからなる群から選択されるストロビルリン類 B)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0068】
とりわけ、化合物Iとピラクロストロビンの混合物も好ましい。
【0069】
化合物Iと、フェンヘキサミド、メタラキシル、メフェノキサム、オフレース、ジメトモルフ、フルモルフ、フルオピコリド(ピコベンズアミド)、ゾキサミド、カルプロパミドおよびマンジプロパミドからなる群から選択されるカルボキシアミド類 C)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0070】
特に、化合物Iと、フェンヘキサミド、メタラキシル、メフェノキサム、オフレース、ジメトモルフ、ゾキサミドおよびカルプロパミドからなる群から選択されるカルボキシアミド類 C)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0071】
化合物Iと、フルアジナム、シプロジニル、フェナリモール、メパニピリム、ピリメタニル、トリフォリン、フルジオキソニル、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、イプロジオン、ビンクロゾリン、ファモキサドン、フェンアミドン、プロベナゾール、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、プロキナジド、アシベンゾラル-S-メチル、キャプタホール、フォルペット、フェノキサニルおよびキノキシフェン、特に、フルアジナム、シプロジニル、フェナリモール、メパニピリム、ピリメタニル、トリフォリン、フルジオキソニル、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、イプロジオン、ビンクロゾリン、ファモキサドン、フェンアミドン、プロベナゾール、プロキナジド、アシベンゾラル-S-メチル、キャプタホール、フォルペット、フェノキサニルおよびキノキシフェンからなる群から選択される複素環式化合物 D)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0072】
特に、化合物Iと、ピリメタニル、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、イプロジオン、ビンクロゾリン、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンおよびキノキシフェン、特に、ピリメタニル、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、イプロジオン、ビンクロゾリン、およびキノキシフェンからなる群から選択される複素環式化合物 D)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0073】
化合物Iと、マンコゼブ、メチラム、プロピネブ、チラム、イプロバリカルブ、フルベンチアバリカルブおよびプロパモカルブからなる群から選択されるカルバメート類 E)の群からの少なくとも1種の活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0074】
特に、化合物Iと、マンコゼブおよびメチラムからなる群から選択されるカルバメート類 E)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0075】
化合物Iと、ジチアノン、トリフェニルスズ塩、例えば酢酸トルフェニルスズ、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、亜リン酸およびその塩、クロロタロニル、ジクロフルアニド、チオファネート-メチル、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄、シモキサニル、メトラフェノンならびにスピロキサミンからなる群から選択される他の殺菌剤 F)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0076】
特に、化合物Iと、亜リン酸およびその塩、クロロタロニルならびにメトラフェノンからなる群から選択される他の殺菌剤 F)の群からの活性化合物IIの混合物も好ましい。
【0077】
式Iの化合物と、アブシジン酸、アミドクロール、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノライド、ブトラリン、クロルメクアート (クロルメクアートクロリド)、塩化コリン、シクラニリド、ダミノジド、ジケグラック、ジメチピン、2,6-ジメチルプリジン、エセフォン、フルメトラリン、フルルプリミドール、フルチアセット(fluthiacet)、フォルクロルフェヌロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコート(塩化メピコート)、ナフタレン酢酸、N-6ベンジルアデニン、プロヘキサジオン (プロヘキサジオンカルシウム)、プロヒドロジャスモン、チアジアズロン、トリアペンテノール、トリブチルホスホロトリチオエート(tributhyl phosphorotrithioate)、2,3,5-トリ-ヨード安息香酸およびトリネキサパック(トリネキサパック-エチル)からなる群から選択されるG)植物生長調節剤の群からの少なくとも1種の活性化合物の混合物も好ましい。
【0078】
化合物Iおよび少なくとも1種の活性化合物IIは、同時に、すなわち一緒にもしくは別々に、あるいは連続して施用することができ、別々に施用する場合、通常、その順序は防除措置の結果にいかなる影響も与えない。
【0079】
混合物を調製する際、純粋な活性化合物IおよびIIを使用するのが好ましく、そこには有害菌類または他の害虫、例えば昆虫、クモ類もしくは線虫に対して有効なさらなる化合物、あるいは除草活性化合物もしくは生長調節活性化合物または肥料を加えることができる。
【0080】
通常使用されるのは、化合物Iと1種の活性化合物IIとの混合物である。しかしながら、特定の場合には、少なくとも1種の化合物Iと、2種または適切ならばさらに多くの有効成分との混合物が有利となることがある。
【0081】
化合物Iと活性化合物IIは、通常100:1〜1:100、好ましくは20:1〜1:20、特に10:1〜1:10の重量比で使用する。
【0082】
所望により、さらなる有効成分を化合物Iに対して20:1〜1:20の比で加える。
【0083】
作物保護での使用の場合、施用量は、1ヘクタール当たり0.01〜2.0kg、好ましくは1.0kg以下の有効成分であり、それは病原体の種類および植物の種類によって決まる。
【0084】
種子処理では、0.001〜0.1g、好ましくは0.01〜0.05gの量の有効成分が、種子1kg当たり必要である。
【0085】
化合物Iは、殺菌剤において従来用いられている製剤、例えば液剤、乳濁液、懸濁液、ダスト剤、粉剤、ペースト剤および粒剤に変換することができる。使用形態は特定の目的によって決まるが、どの場合であっても、それによって本発明による化合物の良好かつ均一な分布が保証されるものであるべきである。
【0086】
植物への活性化合物の輸送および植物体液中で植物全体内における分布を助ける製剤を用いた場合に、最も良好な結果が得られる。
【0087】
製剤は、公知の方法で(例えば、総覧についてはUS 3,060,084、EP-A 707 445(液体濃縮物について)、Browning, "Agglomeration″, Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48, Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963, pages 8-57 and et seq.、WO 91/13546、US 4,172,714、US 4,144,050、US 3,920,442、US 5,180,587、US 5,232,701、US 5,208,030、GB 2,095,558、US 3,299,566、Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961, Hance et al., Weed Control Handbook, 8th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989 and Mollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001, 2. D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8)参照)、例えば溶媒および/または担体などの農薬の製剤に好適な補助剤、所望に応じて乳化剤、界面活性剤および分散剤、保存剤、消泡剤、凍結防止剤で活性化合物を増量することによって製造される。
【0088】
好適な溶媒の例には、水、芳香族溶媒(例えばSolvesso(登録商標)製品、キシレン)、パラフィン類(例えば鉱油留分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えばシクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン類(N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン)、酢酸エステル類(二酢酸グリコール)、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸および脂肪酸エステルがある。原則として、溶媒混合物も使用可能である。
【0089】
好適な乳化剤は、ノニオン系およびアニオン系乳化剤(例えばポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類およびアリールスルホン酸塩類)である。
【0090】
分散剤の例には、亜硫酸リグニン廃液およびメチルセルロースがある。
【0091】
使用される好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルホンネート、硫酸アルキル、アルキルスルホネート、硫酸脂肪アルコール、脂肪酸および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル類、さらにはスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪アルコールエチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸廃液およびメチルセルロースである。
【0092】
直接噴霧可能な液剤、乳濁液、ペーストまたは油性分散液の製造に好適な物質は、鉱油の中〜高沸点画分(灯油またはディーゼル油等)、さらにはコールタール油および植物もしくは動物由来の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはそれらの誘導体)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、高極性溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよび水)である。
【0093】
グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの凍結防止剤および殺菌剤(bactericide)を製剤に加えることもできる。
【0094】
好適な消泡剤は、例えばシリコンおよびステアリン酸マグネシウムに基づく消泡剤である。
【0095】
好適な保存剤は、例えばジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマール(enzylalkoholhemiformal)である。
【0096】
種子処理製剤はさらに、結合材および適宜に着色剤を含むことができる。
【0097】
結合剤を加えて、処理後の種子への活性材料の付着を改善することができる。好適な結合剤は、ブロックコポリマーEO/PO界面活性剤であるが、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリブテン類、ポリイソブチレン類、ポリスチレン、ポリエチレンアミン類、ポリエチレンアミド類、ポリエチレンイミン類(Lupasol(登録商標)、Polymin(登録商標))、ポリエーテル類、ポリウレタン類、ポリ酢酸ビニル、チロースおよびこれらポリマーから誘導されるコポリマーも好適な結合剤である。
【0098】
粉剤、散布用材料および散粉製品は、活性物質を固体担体と混合または同時粉砕することで製造することができる。
【0099】
粒剤、例えばコート粒剤、含浸粒剤および均一粒剤は、活性化合物を固体担体に結合させることで製造することができる。
【0100】
固体担体の例としては、鉱物土(シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレイ(attaclay)、石灰岩、石灰、白亜、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土等)、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素)、および植物由来産物(穀物粗挽き粉、樹皮粗挽き粉、木材粗挽き粉および堅果殻粗挽き粉等)、セルロース粉末その他の固体担体がある。
【0101】
一般に製剤は、活性化合物を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%含む。この場合、活性化合物は、90%〜100重量%、好ましくは95%〜100重量%の純度(NMRにより)で使用される。
【0102】
種子処理に関しては、個々の製剤は、2〜10倍希釈して、0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜40重量%の活性化合物の即時使用製剤の濃度とすることができる。
【0103】
化合物Iは、それ自体、散布(spraying)、噴霧(atomizing)、散粉(dusting)、広域散布(spreading)または散水(pouring)により、その製剤の形態またはその製剤から調製された施用の形態、例えば直接散布可能な液剤、粉剤、懸濁液もしくは分散液、乳濁液、油性分散液、ペースト剤、散粉製品、広域散布用製品、または粒剤の形態で使用することができる。施用の形態は、もっぱらその使用目的によって決まるが、いずれの場合も、本発明による活性化合物が確実に可能な限り微細に分散されるようにすることを目的としている。
【0104】
水性の施用形態のものは、乳濁剤濃縮物、ペースト剤、または水和剤(wettable powder)(散布可能な粉剤、油性分散液剤)から、水を加えることにより調製することができる。乳濁剤、ペースト剤、または油性分散液剤を調製するために、そのままの、あるいは油または溶媒に溶解させた該物質を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中で均質化することができる。しかしながら、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤もしくは乳化剤、および適切な場合には溶媒もしくは油からなる濃縮物を調製することもでき、これらの濃縮物は水で希釈するのに適している。
【0105】
すぐに使用可能な調製物中における活性化合物の濃度は、比較的広い範囲で変えることができる。一般に、それらは単位重量あたり0.0001〜10%、好ましくは、0.01〜1%である。
【0106】
活性化合物は、超微量散布法(ultra-low-volume process)(ULV)でも首尾よく使用することができ、95重量%超の活性化合物を含む製剤を、あるいは添加物なしの活性化合物そのものを施用することができる。
【0107】
以下は製剤例である。
【0108】
1. 葉面散布用の水で希釈する製品
A) 水溶性濃縮物(SL、LS)
10重量部の活性化合物Iを、90重量部の水または水溶性溶媒に溶かす。代替法として、湿潤剤その他の補助剤を加える。活性化合物は、水で希釈すると溶解し、それによって活性化合物10重量%を含む製剤が得られる。
【0109】
B) 分散性濃縮物(DC)
20重量部の活性化合物Iを、10重量部の分散剤、例えばポリビニルピロリドンを加えて70重量部シクロヘキサノンに溶かす。水で希釈すると分散液が得られ、それによって活性化合物20重量%を含む製剤が得られる。
【0110】
C) 乳化性濃縮物(EC)
15重量部の活性化合物Iを、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油(各場合で5重量部)を加えて7重量部のキシレンに溶かす。水で希釈することで乳濁液が得られ、それによって活性化合物15重量%を含む製剤が得られる。
【0111】
D) 乳濁液(EW、EO、ES)
25重量部の活性化合物Iを、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油(各場合で5重量部)を加えて35重量部のキシレンに溶かす。乳化装置(例:Ultraturax)によってその混合物を30重量部の水に加え、均一な乳濁液とする。水で希釈することで乳濁液が得られ、それによって活性化合物25重量%を含む製剤が得られる。
【0112】
E) 懸濁液(SC、OD、FS)
攪拌ボールミル中、20重量部の活性化合物Iを、10重量部の分散剤および湿潤剤ならびに70重量部の水または有機溶媒を加えて粉砕して、微細な活性化合物懸濁液を得る。水で希釈することで、活性化合物の安定な懸濁液が得られ、それによって活性化合物20重量%を含む製剤が得られる。
【0113】
F) 水分散性粒剤および水溶性粒剤(WG、SG)
50重量部の活性化合物Iを、50重量部の分散剤および湿潤剤を加えて微粉砕し、工業機器(例えば押出機、噴霧塔、流動床)によって水分散性粒剤または水溶性粒剤として製造する。水で希釈することで、活性化合物の安定な分散液または溶液が得られ、それによって活性化合物50重量%を含む製剤が得られる。
【0114】
G) 水分散性粉剤および水溶性粉剤(WP、SP、SS、WS)
75重量部の活性化合物Iを、25重量部の分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを加えてローター-ステーターミルで粉砕する。水で希釈することで、活性化合物の安定な分散液または溶液が得られ、それによって活性化合物75重量%を含む製剤が得られる。
【0115】
種子処理の目的では、A)〜G)のような製品を希釈してあるいは希釈せずに種子に施用することができる。
【0116】
2. 葉面散布用に未希釈で施用される製品
H) 散粉用粉剤(DP、DS)
5重量部の活性化合物Iを微粉砕し、95重量部の微粉砕カオリンと十分に混和する。それによって、活性化合物含有量5重量%の散粉用製品が得られる。
【0117】
J) 粒剤(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の活性化合物Iを微粉砕し、99.5重量部の担体と混合することで、活性化合物0.5重量%を含む製剤が得られる。現行の方法は、押出、スプレー乾燥または流動床である。それによって、葉面用に未希釈で施用される粒剤が得られる。
【0118】
K) ULV液剤(UL)
10重量部の活性化合物Iを、例えばキシレンなどの90重量部の有機溶媒に溶かす。それによって、活性化合物含有量10重量%の葉面用に未希釈で施用される製品が得られる。
【0119】
種子処理の目的では、H)〜K)のような製品を希釈して種子に施用することができる。
【0120】
種子の処理において、混合物の施用量は、一般に、種子100kg当たり1〜1000g、好ましくは1〜750g、特に5〜500gである。
【0121】
従来の種子処理製剤には、例えばフロアブル濃縮液FS、液剤LS、乾燥処理用粉剤DS、スラリー処理用水分散性粉剤WS、水溶性粉剤SSおよび乳濁液ESおよびECならびにゲル製剤GFなどがある。これらの製剤は、希釈もしくは未希釈で種子に施用することができる。種子への施用は、種子に直接、播種前に行う。
【0122】
ある好ましい実施形態では、種子処理にはFS製剤を用いる。典型的には、FS製剤は、1〜800g/Lの有効成分、1〜200g/Lの界面活性剤、0〜200g/Lの凍結防止剤、0〜400g/Lの結合剤、0〜200g/Lの顔料および1リットル以下の溶媒、好ましくは水を含むことができる。
【0123】
ウイルスに対する抵抗力誘発における有効成分Iの効果について言及する注記を、包装上のラベルとして、または製品データシートに設けることができる。その注記は、有効成分Iと組み合わせて使用可能な製剤の場合にもあってもよい。
【0124】
抵抗力の誘発はさらに、有効成分Iの公的承認の対象となり得る表示を構成してもよい。
【実施例】
【0125】
アミド化合物Iの植物のウイルス感染に対する耐性を向上させる作用は、以下の実験により実証された。
【0126】
使用例1:キュウリ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)
この実験は、キュウリにおけるCGMMVの病徴発現に対するボスカリド(boscalid)(Filan(登録商標)として)の効果を試験したものである。CGMMVを機械的に接種する7日前に、キュウリの植物体をFilanまたは水で処理した。Filan(登録商標)は200リットル(litres)の水中500gの量で施用した。散布は、微細な霧として、流れ落ちるまで行った。
【0127】
本実験は、それぞれの処理につき5つの植物体から構成されており、殺菌剤処理後かつ接種前に、3回の反復を不規則にアレンジした。その後、植物体にin situで接種した。4-6枚の本葉が出た段階で、植物体に機械的に接種した。症状を呈し、CSLによってCGMMVに感染したと確認されたキュウリの葉を、接種源として使用した。少量の蒸留水を加えて数枚の感染した葉をプラスチック袋中で砕き、植物体液(sap)を抽出した。次に、この植物体液を実験中のそれぞれの植物体の下から二番目の緑の葉にすり込んだ。接種後の所定間隔でのCGMMVの症状を評価した。
【0128】
結果
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物のウイルス耐性を誘発する方法であって、植物、土壌もしくは種子を有効量の式Iのアミド化合物
【化1】

[式中、置換基は以下に定義したとおりである:
Arは置換されたフェニル、ピリジル、あるいは2個の窒素原子または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を環員として含み、かつハロゲン、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-ハロアルキルからなる群からそれぞれ選択される1〜3個の置換基を有する5員複素環であり;
Mは、場合によりハロゲン原子を有するチエニル環またはフェニル環であり;
Qは直接結合、酸素、硫黄、SO、SO2、C1-C6-アルキレン、C2-C6-アルケニレン、シクロプロピレンまたは環縮合したビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
R1は水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、フェニル(場合により、ハロゲンおよびメチルからなる群から独立して選択される1〜3個の基によって置換されている)であるか、または場合によりメチル基によって置換されているシクロアルキルである]で処理することを含む、前記方法。
【請求項2】
Arがフェニル-、ピリジル-、ピラゾリル-またはチアゾリル基(a)、(b)、(c)または(d)
【化2】

[式中、
R2は、ハロゲンまたはトリフルオロメチルであり;
R3は、ハロゲンであり;
R4は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R5は、水素またはハロゲンであり;
R6は、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R7は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである]
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Mがフェニルまたはチエニル環であり、QがC1-C6-アルキレンであり、およびR1が水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
Mがフェニルであり、Qがシクロプロピレンであり、およびR1が場合によりメチル基を有するシクロプロピルである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Mがフェニルであり、Qが結合であり、ならびにR1がメチルおよびハロゲンの群から独立して選択される1〜3個の基を有するフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
Mがハロゲン原子で置換されたフェニルであり、Qが結合であり、ならびにR1がメチルおよびハロゲンの群から独立して選択される1〜3個の基を有するフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
式Iのアミド化合物が、
2-ヨード-N-フェニル-ベンズアミド、
2-クロロ-N-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イル)-ニコチンアミド、
N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-チオフェン-3-イル]-3-トリフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2-ビシクロプロピル-2-イル-フェニル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-5-フルオロピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-フルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-5-フルオロ-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロジフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-フルオロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-5-フルオロピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-フルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-5-フルオロ-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-3-ジフルオロメチル-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-(クロロジフルオロメチル)-1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イル-カルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-フルオロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(2',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-5-クロロ-1-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-4-イルカルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3'-クロロ-4'-フルオロ-3-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3'-クロロ-4'-フルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジフルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3',4'-ジクロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(3'-クロロ-4'-フルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-4-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-クロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-メチル-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-クロロ-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-メチル-5-フルオロビフェニル-2-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-(4'-フルオロ-6-フルオロビフェニル-2-イル)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-[2-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)-フェニル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-[4'-(トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル-2-イル]-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
N-[4'-(トリフルオロメチルチオ)-ビフェニル-2-イル]-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド、
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシアミド
である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
葉面散布として行われる、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項9】
種子処理として行われる、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項10】
1種または複数の式Iの化合物を繰り返し施用する、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項11】
1種または複数の式Iの化合物を10〜20日ごとに施用する、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項12】
1種または複数の式Iの化合物を1シーズン中に2〜10回施用する、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項13】
野菜および農作物に対して施用し、施用が植物の発芽直後に行われる、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項14】
果物作物または野菜に対して施用し、2〜10回施用が行われる、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項15】
果物作物または他の多年生植物に対して施用し、生長期間の開始前に最初の施用が行われる、請求項1〜6に記載の方法。
【請求項16】
第二の活性化合物IIを植物、土壌または種子に施用する、請求項1〜6に記載の方法。

【公表番号】特表2010−518179(P2010−518179A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549824(P2009−549824)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051672
【国際公開番号】WO2008/098928
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】