説明

植物の病害を防除する農園芸用殺菌剤組成物

【課題】より安全で環境に対する負荷が少なく、かつ植物の病害に対して十分な防除効果を安定して発揮する、より実用的な農園芸用殺菌剤組成物を提供する。
【解決手段】植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌の胞子と、植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物とを含有する農園芸用殺菌剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の病害を防除する農園芸用殺菌剤組成物および植物の病害の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の安全性あるいは環境保護についての関心が高まりつつある中で、安全で環境への負荷が少ない農薬が求められている。そのような農薬として、例えば食品添加物や天然物などの安全性の高い化学品あるいは微生物や天敵などの生物を利用した農薬が挙げられる。
安全で環境への負荷が少ない生物農薬の需要は益々高まっているが、既に市場へ導入して反応を探る段階から、より実用的な性能が追求される段階へと移行しつつある。そのような生物的な防除方法としては、例えば、植物の病害の病原菌と拮抗するバチルス属細菌を含む農園芸用殺菌剤組成物(特許文献1参照)が知られている。しかし、従来の微生物農薬は、温度、湿度などの環境の変化によって、効果も変動する場合があった。また、微生物農薬は、治療的効果というよりは予防的な効果を主としていることが多いため、すでに病害が顕著に発生している状況下では、十分な効果を発揮しない場合があった。
【0003】
そのため、化学合成殺微生物剤と微生物の両方を含有する農園芸用殺菌剤組成物も知られている。例えば、特許文献2や特許文献3には、化学合成殺微生物剤とバチルス属細菌とを含有する組成物が開示されている。しかし、特許文献2および3で用いられている化学合成殺微生物剤は有機化合物であるため、環境への負荷も微生物農薬に比べて大きく、使用回数が強く制限されている。また、そのような化学合成殺微生物剤は、収穫物に対する直接の散布も、薬剤の残留の問題から控えられることが多かった。
そのため、より安全で環境に対する負荷が少なく、かつ植物の病害に対して十分な防除効果を安定して発揮する、より実用的な農園芸用殺菌剤組成物が求められていた。
【特許文献1】特開平8−175920号
【特許文献2】特許番号2568804号
【特許文献3】特開平10−109913号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記観点からなされたものであり、より安全で環境に対する負荷が少なく、かつ植物の病害に対して十分な防除効果を安定して発揮する、より実用的な農園芸用殺菌剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌の胞子と、植物の病害を防除する効果を有する無機化合物とを用いることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌の胞子と、植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物とを含有する農園芸用殺菌剤組成物。
(2)前記植物の病害が、病原菌が植物に感染することにより引き起こされる植物の病害であることを特徴とする(1)に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(3)前記植物の病害が、病原菌が植物の地上部に感染することにより引き起こされる植
物の病害であることを特徴とする(2)に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(4)前記植物の地上部が、植物の茎、葉、花、果実であることを特徴とする(3)に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(5)農園芸用殺菌剤組成物に対して、0.1〜99.9重量%の前記バチルス属細菌の胞子と、0.1〜99.9重量%の前記無機化合物とを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(6)農園芸用殺菌剤組成物に対して、0.1〜30.0重量%の前記バチルス属細菌の胞子と、70.0〜99.9重量%の前記無機化合物とを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(7)前記バチルス属細菌が、バチルス ズブチリスであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(8)前記バチルス ズブチリスが、バチルス ズブチリスNCIB12376株、バチルス ズブチリスNCIB12616株、またはそれらの変異体である(7)に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(9)前記植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫黄、多硫化石灰、次亜塩素酸塩、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、硫酸銅および水酸化第二銅から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1つに記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(10)前記植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫黄および多硫化石灰から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする(9)に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
(11)植物を栽培する土壌または植物体に、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の農園芸用殺菌剤組成物を施用することを特徴とする、植物の病害を防除する方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物およびそれを用いた植物の病害の防除方法は、植物の病害の発生状況や環境の変化にそれほど左右されずに、植物の病害に対して十分な防除効果を安定して発揮するという利点がある。また、有機化合物を用いないので、環境に対する負荷が少なく、かつ作業者の安全が確保されるという利点がある。さらに、有機化合物を用いないので、一般的な有機化学合成農薬に比べて、使用回数に対する制限が極めて少ないという利点がある。また、有機化合物を用いないので、収穫物に直接散布しても特に問題がないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌の胞子と、植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物とを含有する農園芸用殺菌剤組成物である。
【0009】
本発明に用いるバチルス属細菌は、植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌であれば特に制限はないが、植物の病害を防除する効果を有するバチルス・ズブチリスが好ましく、バチルス・ズブチリス NCIB12376株、NCIB12616株およびそれらの変異体が特に好ましい。NCIB12376株およびNCIB12616株は、National Collections of Industrial, Food and Marine Bacteria(NCIMB)から入手することができる。
本発明における「変異体」には、バチルス・ズブチリス NCIB12376株またはNCIB12616株の菌学的性質、および植物の病害を防除する効果を有する菌株である限り、バチルス・ズブチリス NCIB12376株またはNCIB12616株から誘導されたいかなる変異体も含まれる。変異には、自然変異又は化学的変異剤や紫外線等による人工変異を含む。
【0010】
本発明における「植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌」とは、植物の病害を予防又は治癒する効果を有するバチルス属細菌を意味し、例えば、植物の病害の病原菌のうち少なくとも1種の病原菌に対して拮抗作用を有するバチルス属細菌が含まれる。ここでいう「植物の病害を予防する効果を有するバチルス属細菌」とは、病原菌が感染していないか又は病徴が現れていない植物を、そのバチルス属細菌を施用すること以外は同じ好適な条件で栽培した場合に、そのバチルス属細菌を施用しなかった植物より、そのバチルス属細菌を施用した植物のその病害の度合いが低いことをいい、例えば、そのバチルス属細菌を施用しなかった植物の病斑面積率(後述の実施例1参照)より、そのバチルス属細菌を施用した植物の病斑面積率が低いようなバチルス属細菌が含まれる。
【0011】
「植物病害を治癒する効果を有するバチルス属細菌」とは、病原菌が感染して病徴が現れている植物を、そのバチルス属細菌を施用すること以外は同じ好適な条件で栽培した場合に、そのバチルス属細菌を施用した植物より、そのバチルス属細菌を施用しなかった植物における病害の度合いが低いことをいい、例えば、例えばそのバチルス属細菌を施用しなかった植物の病斑面積率(後述の実施例1参照)より、そのバチルス属細菌を施用した植物の病斑面積率が低いようなバチルス属細菌が含まれる。
【0012】
本発明における「植物の病害」は、本発明のバチルス属細菌が防除効果を発揮する植物の病害であれば特に制限はないが、本発明のバチルス属細菌が拮抗作用を示す病原菌が植物に感染することよって引き起こされる植物の病害が好ましく、本発明のバチルス属細菌が拮抗作用を示す病原菌であって、カビ類に属する病原菌が植物に感染することによって引き起こされる植物の病害が特に好ましい。その中でも、病原菌が、茎、葉、花、果実等の植物の地上部に感染することにより引き起こされる植物の病害がさらに好ましい。そのような植物の病害として、具体的には、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)により引き起こされるトマト、ナス、ピーマン、イチゴ、キュウリ、レタス、インゲン等の灰色かび病、アルタナリア ブラッシコーラ(Alternaria brassicola)により引き起こされるキャベツ黒すす病、クラドスポリウム フラバム(Cladosporium fulvum)により引き起こされるトマトの葉かび病、フィトフトラ インフェスタンス(Phytophthora infestans)により引き起こされるトマト疫病、フザリウム オキスポラム(Fusarium oxysporum)により引き起こされるトマト萎ちょう病、スフェロテカ フリジネア(Sphaerotheca fuliginea)により引き起こされるキュウリ、メロン等のうどんこ病、レベイルラ・タウリカ(Leveillula taurica)により引き起こされるトウガラシ、ピーマン等のうどんこ病、エリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum)により引き起こされるトマト、ナス等のうどんこ病、シュードペロノスポラ キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis)により引き起こされるキュウリのべと病、ピシウムsp.(Pythium sp.)により引き起こされるキュウリの立枯病、プクシニア アリー(Puccinia allii)により引き起こされるネギのさび病、スクレロチニア アリー(Sclerotinia allii)により引き起こされるネギの小核病、アルタナリア ブラッシセア(Alternaria brassicae)により引き起こされるハクサイの黒斑病、アルタナリア ダウシ(Alternaria dauci)により引き起こされるニンジンの黒葉枯病、リゾクトニア ソラニ(Rhizoctonia solon)により引き起こされるホウレンソウの立枯病、スクレロチニア スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)により引き起こされるレタスの菌核病、バーティシリウム ダリア(Verticillium dahliae)により引き起こされるナスの半身萎ちょう病、スファエロテカ フムリ(Sphaerotheca humuli)により引き起こされるイチゴのうどんこ病、グロメレラ シングラータ(Glomerella cingulata)により引き起こされるイチゴの炭そ病、アスコキタ ピシ(Ascochita pisi)により引き起こされるエンドウの褐斑病、および、ボトリチス ファバエ(Botrytis fabae)により引き起こされるソラマメの赤色斑点病等の野菜類の植物の病害が挙げられる。また、花卉類の植物の病害としては、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)により引き起こされるシクラメン、キク、バラ、スターチス等の灰色かび病、スファロ
テカ パノッサ(Spharotheca pannosa)により引き起こされるバラのうどんこ病、プッシニア ホリアナ(Puccinia horiana)により引き起こされるキクの白かび病等が挙げられる。さらに、果樹類の植物の病害としては、ロセリニア ネカトリックス(Rosellinia necatrix)により引き起こされる果樹類の白紋羽病、ペニシリウム イタリカム(Penicillium italicum)により引き起こされるカンキツ類の青かび病、ディアポルセ シトリ(Diaporthe citri)により引き起こされるカンキツ類の黒点病、ギムノスポランギウム アジアティクム(Gymnosporangium asiaticum)により引き起こされるナシの赤星病、ベンツリア イネクリアリス(Venturia inaequalis)により引き起こされるリンゴの黒星病、モニリニア フルクチコーラ(Monilinia fructicola)により引き起こされるモモの灰星病等が挙げられる。また、イネ科の植物の病害としては、リゾクトニア ソラニ(Rhizoctonia
solani)により引き起こされるイネの紋枯病、ピリキュラリア オリゼー(Pyricuraria oryzae)により引き起こされるイネのいもち病、エリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis)により引き起こされるオオムギのうどんこ病、ゲウマノイセス グラミニス(Gaeumannoyces graminis)により引き起こされるコムギの立枯病等が挙げられる。これらの植物の病害の中でも、うどんこ病が、本発明における「植物の病害」として好ましく挙げられる。
【0013】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌を一種のみ含有するものであってもよいし、そのようなバチルス属細菌を複数種同時に含有するものであってもよい。
また、本発明に用いるバチルス属細菌は、例えば、市販の生菌剤などに含まれているものを用いてもよいし、市販の菌株を用いて培養したものを用いてもよい。
本発明に用いる胞子は、生菌の胞子である。本発明の胞子は、上記バチルス属細菌の培養物から得られる。バチルス属細菌の培養は、例えば、往復式振盪培養、ジャーファメンター培養、培養タンク培養等の液体培養や固体培養等、バチルス属細菌の通常の培養方法に準じて行うことができる。
【0014】
培養に用いる培地は、胞子を効率よく形成しやすい培地であればよく、炭素源としてグルコース、デンプン、デキストリン、シュークロース、糖蜜等の糖類、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸類、グリセリン等のアルコール類を、窒素源としてアンモニア、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等のアンモニウム塩や硝酸塩および酵母エキス、コーンスティープリカー、肉エキス、小麦胚芽、ポリペプトン、大豆粉等の有機窒素源を、無機塩としてリン酸、カリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、鉄等の塩類、例えば塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸第一鉄などを配合することができる。また、必要に応じて消泡剤等の種々の添加剤を用いることも可能である。
培養条件は特に限定されるものではないが、固体培養あるいは通気攪拌、振盪培養等の好気的条件下で行われる液体培養が好ましく、温度は好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜40℃、pHは好ましくは4〜9、より好ましくは6〜8の範囲で行う。
上記のようにして得られたバチルス属細菌の培養物より胞子を分離する方法としては、特に制限はないが、膜分離、遠心分離、濾過分離等の方法を用いることができる。得られた胞子画分は、そのままある程度水分を含んだ状態で本発明の農園芸用殺菌剤組成物に用いることも、また、必要に応じて凍結乾燥、スプレードライ等の乾燥法を用いて乾燥物として本発明の農園芸用殺菌剤組成物に用いることも可能である。
【0015】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物における無機化合物は、植物の病害を防除する効果を有し、かつ、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限はないが、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫黄、多硫化石灰、次亜塩素酸塩、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、硫酸銅、および水酸化第二銅が好ましく、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫黄、および多硫化石灰が特に好ましい。
例えば、炭酸水素ナトリウムは、食品衛生法において食品添加物(膨張剤)に指定され
ている化合物であるが、野菜のうどんこ病の病原菌に関して分生胞子の形成および発芽に強い抑制作用を示し、治療的に有効であることが知られている。
また、炭酸水素カリウムは、海外においては食品添加物、国内では肥料として広く用いられている化合物である。炭酸水素カリウムは、カリウムイオンが植物病原体内に吸収され、植物病原体の細胞内のイオンバランスを崩すことにより、植物病害に対して防除効果を発揮するものと考えられている。上述した他の無機化合物も、同様の理由で植物病害に対する防除効果を発揮するものと予測される。
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、上記のような無機化合物を一種のみ含有するものであってもよいし、そのような無機化合物を複数種同時に含有するものであってもよい。
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、本発明の効果を損なわない限り、バチルス属細菌の胞子および無機化合物の含有量に特に制限はないが、組成物全量に対してバチルス属細菌の胞子を乾燥重量で0.1〜99.9重量%含有し、かつ、無機化合物を乾燥重量で0.1〜99.9重量%含有することが好ましく、組成物全量に対してバチルス属細菌の胞子を乾燥重量で0.1〜30.0重量%含有し、かつ、無機化合物を乾燥重量で70.0〜99.9重量%含有することがより好ましい。これらの範囲でバチルス属細菌の胞子および無機化合物を含有させることにより、植物の病害の発生状況や環境の変化にそれほど左右されずに、植物の病害に対して十分な防除効果を安定して発揮するという本発明の効果が十分に発揮されるからである。
【0016】
また、本発明の組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記バチルス属細菌胞子及び上記無機化合物以外に、任意の成分を含有していてもよい。
上記の任意の成分としては、固体担体として、カオリンクレー、パイロフェライトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、珪藻土、合成含水酸化ケイ素、酸性白土、タルク類、粘土、セラミック、石英、セリサイト、バーミキュライト、パーライト、大谷石、アンスラ石、石灰石、石炭石、ゼオライト等の鉱物質微粉末、食塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、尿素等の無機化合物、籾殻、フスマ、カニ殻、エビ殻、オキアミ微粉末、米粕、小麦粉、トウモロコシ穂軸、落花生殻、骨粉、魚粉、粕粉、木粉、炭、くん炭、バーク炭、籾殻くん炭、草木炭、ピートモス、アタパルジャイト、乾燥畜糞、活性炭、油粕等の有機物微粉末等を挙げることができる。また、液体担体としては、水、植物油、動物油、鉱物油、合成水溶性高分子等が挙げられる。更に必要に応じて補助剤としてデンプンおよびその加水分解物、D−ソルビトール、ラクトース、マルチトース、グルコサミン、オリゴ糖類等の可溶性増量剤、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸類、ベントナイト等の固着剤や分散剤、エチレングリコール、プロピレングリコール等の凍結防止剤、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等の天然多糖類等の増粘剤を挙げることができる。この他に、アニオン型、カチオン型、両性型等の界面活性剤を挙げることもできる。
【0017】
本発明の防除剤の剤型は特に制限はなく、通常の製剤の製造方法に従って、例えば粉剤、粒剤、水和剤、乳剤、液剤、フロアブル剤、塗布剤等の形態をとることができる。
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、キュウリ、レタス、インゲン等の灰色かび病、キャベツ黒すす病、トマトの葉かび病、トマト疫病、トマト萎ちょう病、キュウリ、メロン、トマト、ナス、トウガラシ、ピーマンのうどんこ病、キュウリのべと病、キュウリの立枯病、ネギのさび病、ネギの小核病、ハクサイの黒斑病、ニンジンの黒葉枯病、ホウレンソウの立枯病、レタスの菌核病、ナスの半身萎ちょう病、イチゴのうどんこ病、イチゴの炭そ病、エンドウの褐斑病、および、ソラマメの赤色斑点病等の野菜類の植物の病害や、シクラメン、キク、バラ、スターチス等の灰色かび病、バラのうどんこ病、キクの白かび病等の花卉類の植物の病害、
果樹類の白紋羽病、カンキツ類の青かび病、カンキツ類の黒点病、ナシの赤星病、リンゴの黒星病、モモの灰星病等の果樹類の植物の病害、イネの紋枯病、イネのいもち病、オオムギのうどんこ病、コムギの立枯病等のイネ科の植物の病害等の植物の病害の防除に用い
ることができる。
【0018】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、上記のような各種栽培植物の各種病害を防除する目的で、栽培植物に施用されるが、その方法は、剤型等の使用形態、作物や病害によって適宜選択され、例えば、地上液剤散布、地上固形散布、空中液剤散布、空中固形散布、液面散布、施設内施用、土壌混和施用、土壌潅中施用、表面処理(種子粉衣、塗布処理等)、育苗箱施用、単花処理、株元処理等の方法を挙げることができる。また、これらの施用方法の中で好ましくは、栽培植物の花、果実に処理する、茎葉に処理する、傷口箇所、剪定部分に塗布処理する等の地上部病害への施用が挙げられる。
また、栽培植物への農園芸用殺菌剤組成物の施用に際して、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改良資材等を混合施用、あるいは混合せずに交互施用、または同時施用することも可能である。
本発明の農園芸用殺菌剤組成物の施用量は病害の種類、適用植物の種類等によって一概には規定できないが、例えば、液体の農園芸用殺菌剤組成物を地上散布する場合には、散布液中のそのバチルス属細菌の胞子濃度を、1mlあたり1×105〜1×1011CFU(コロニー形成単位)、好ましくは1×107〜1×109CFUとし、その無機化合物の散布液中の濃度を0.01〜10%、好ましくは0.02〜2%でとすることができる。また、その散布液は、10アールあたり0.5〜500リットルを施用することが好ましい。
【実施例】
【0019】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
(製造例1、2)湿菌体(胞子画分)の製造
バチルス ズブチリスNCIB12376株の保存菌を斜面培地で培養した。次に、100mlのブイヨン培地(肉エキス1%、ペプトン1%、塩化ナトリウム0.5%)が入った500ml容の坂口フラスコを3本用意した。前述の斜面培地で培養した菌体を、それぞれ一白金耳分ずつ3本の坂口フラスコの中の培地に植菌した。それらの坂口フラスコを、往復振とう機を用いて、振幅10cm、回転数120rpmで振とうしながら30℃で1日培養した。得られた培養物合わせて300mlを培地(グルコース2%、ポリペプトン1%、酵母エキス0.2%、KH2PO4 0.1%)15リットルの入った30リットル容の発酵槽に植菌し、好気条件下30℃で72時間培養して培養液を得た。得られた約15リットルの培養液を常法に従って遠心分離(6000rpm、20分間)して培養上清と菌体沈殿物に分離した。培養上清を除去後、菌体沈殿物を水で洗浄し、湿重量約780gの湿菌体(胞子画分)を得た(製造例1)。この胞子画分はバチルス ズブチリスNCIB12376株の胞子を乾燥重量で100重量%含有するものである。
バチルス ズブチリスNCIB12376株を用いる代わりにバチルス ズブチリスNCIB12616株を用いて上述の操作と同様の操作を行い、バチルス ズブチリスNCIB12616株の胞子を乾燥重量で50%含有する湿重量約750gの胞子画分を得た(製造例2)。
【0020】
(製造例3、4)粉末胞子の製造
上記製造例1によって得られたバチルス ズブチリスNCIB12376株の胞子画分約600gを水300リットルに懸濁後、スプレードライヤーにて、1.5〜2リットル/時間の速度で処理した(入口温度150℃、出口温度100℃)。スプレードライヤーによって得られた乾燥物を粉砕することにより、乾燥重量約78gの胞子粉末を得た(製造例3)。
同様にして製造例2で得られた胞子画分約600gより、乾燥重量約78gのバチルス
ズブチリスNCIB12616株の胞子粉末をえた(製造例4)。
【0021】
(製剤例1、2)農園芸用組成物の製剤の製造
上記製造例3で得られたバチルス ズブチリスNCIB12376株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末10重量%、炭酸水素ナトリウム固体粉末80重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕することにより、製剤例1を得た。
同様に、上記製造例4で得られたバチルス ズブチリスNCIB12616株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末10重量%、炭酸水素ナトリウム固体粉末80重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕することにより、製剤例2を得た。
界面活性剤は、アニオン型界面活性剤である 東邦化学(株)製 SORPOL5082を用いた。
【0022】
(製剤例3、4)農園芸用組成物の製剤の製造
上記製造例3で得られたバチルス ズブチリスNCIB12376株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末10重量%、炭酸水素カリウム固体粉末80重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕することにより、製剤例3を得た。
同様に、上記製造例4で得られたバチルス ズブチリスNCIB12616株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末10重量%、炭酸水素カリウム固体粉末80重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕することにより、製剤例4を得た。
界面活性剤は、アニオン型界面活性剤である 東邦化学(株)製SORPOL5082を用いた。
【0023】
(製剤例5、6)農園芸用組成物の製剤の製造
上記製造例3で得られたバチルス ズブチリスNCIB12376株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末30重量%、硫黄固体粉末50重量%、タルク10重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕することにより、製剤例5を得た。
同様に、上記製造例4で得られたバチルス ズブチリスNCIB12616株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末30重量%、硫黄固体粉末50重量%、タルク10重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕することにより、製剤例6を得た。
界面活性剤は、アニオン型界面活性剤である 東邦化学(株)製SORPOL5082を用いた。
【0024】
(比較例1〜7)比較例の製剤の製造
上記製造例3で得られたバチルス ズブチリスNCIB12376株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末10重量%、タルク80重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕した比較例1を得た。
同様に上記製造例4で得られたバチルス ズブチリスNCIB12616株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末10重量%、タルク80重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕した比較例2を得た。
また、炭酸水素ナトリウム固体粉末80重量%、タルク10重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕した比較例3を得た。
同様に炭酸水素カリウム固体粉末80重量%、タルク10重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕した比較例4を得た。
さらに、上記製造例3で得られたバチルス ズブチリスNCIB12376株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末30重量%、タルク60重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕した比較例5を得た。
同様に上記製造例4で得られたバチルス ズブチリスNCIB12616株の胞子粉末を使用し、この微生物粉末30重量%、タルク60重量%、界面活性剤10重量%の割合に
なるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕した比較例6を得た。
また、硫黄固体粉末50重量%、タルク40重量%、界面活性剤10重量%の割合になるように原料を混合し、ミル粉砕機を用いて混合および粉砕した比較例7を得た。
界面活性剤は、アニオン型界面活性剤である 東邦化学(株)製SORPOL5082を用いた。
【0025】
(実施例1)キュウリうどんこ病防除発病前処理試験
(1)試験植物の調整およびうどんこ病菌接種
クレハ園芸培土を充填したセルトレーにキュウリ種子(光3号)を播種し、ガラス温室内にて第1葉が展開するまで栽培した。そのキュウリを、クレハ園芸培土を充填したポットに移植し、ガラス温室内にて第2葉が展開するまで栽培した。このキュウリを試験植物として用いた。その後、その試験植物にうどんこ病を接種した。うどんこ病の接種は自然接種で行った。すなわち、うどんこ病を発病して多数の病斑が目立つキュウリが栽培されたポットを、試験植物が栽培されているガラス温室内にランダムに設置することにより、試験植物へのうどんこ病の接種を行った。
うどんこ病発病前の防除処理試験は、この試験植物を用いて各処理区3反復で行った。
(2)薬剤処理
上述の操作により製造した製剤例1および比較例1、3の試験薬剤を800倍に希釈し、その希釈液を10アール当たり300Lとなるように上記の試験植物にスプレー噴霧処理した。この処理は1週間おきに2回実施した。
うどんこ病を発病したキュウリが栽培されたポットは、後述の病斑率の測定を行うまで試験植物と共にそのガラス温室内配置しておいた。
(3)防除効果調査
試験植物は、薬剤処理後にガラス温室内にて栽培した。薬剤処理から2週間後に試験植物であるキュウリの第1葉および第2葉の病斑面積率を測定した。各処理区とも3反復で行ったので、それら3つの病斑面積率の値の平均値を算出し、その数値を各処理区の病斑面積率とした。この病斑面積率および下記の式に基づいて、各処理区の防除価を算出した。
防除価=(無処理区病斑面積率−薬剤処理区病斑面積率)/無処理区病斑面積率×100(4)結果
この試験の結果を表1に示す。
【0026】
【表1】

表1の結果から分かるように、本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、バチルス属細菌または無機化合物のいずれか一方のみを病害防除成分とするそれぞれの比較例と比べて、著しく高い防除効果を示した。
【0027】
(実施例2)キュウリうどんこ病防除発病後処理試験
(1)試験植物の調整およびうどんこ病菌接種
クレハ園芸培土を充填したセルトレーにキュウリ種子(光3号)を播種し、ガラス温室内にて第1葉が展開するまで栽培した。その後、そのキュウリを、クレハ園芸培土を充填したポットに移植した。その後、そのガラス温室内に、うどんこ病を発病して多数の病斑が目立つキュウリが栽培されたポットをランダムに設置し、第1葉が展開したキュウリに対してうどんこ病の接種を行った。その後、第1葉が展開したキュウリを、うどんこ病を発病したキュウリが栽培されたポットと共に、そのガラス温室内にて第2葉が展開するまで栽培し、うどんこ病菌に新たに感染して発病したキュウリを試験植物として用いた。
(2)薬剤処理
上記により製造した製剤例1および比較例1、3の試験薬剤を800倍に希釈し、その希釈液を10アール当たり300Lとなるように上記の試験植物にスプレー噴霧処理した。この処理は1週間おきに2回実施した。うどんこ病を発病したキュウリが栽培されたポットは、後述の病斑率の測定を行うまで、試験植物と共にそのガラス温室内配置しておいた。
(3)防除効果調査
試験植物は、薬剤処理後もガラス温室内で栽培した。薬剤処理から2週間後に試験植物であるキュウリの第1葉および第2葉の病斑面積率を測定した。各処理区とも3反復で行ったので、それら3つの病斑面積率の値の平均値を算出し、その数値を各処理区の病斑面積率とした。この病斑面積率および上述の実施例1(3)に記載の式に基づいて、各処理区の防除価を算出した。
(4)結果
この試験の結果を表2に示す。
【0028】
【表2】

表2の結果から分かるように、本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、バチルス属細菌または無機化合物のいずれか一方のみを病害防除成分とするそれぞれの比較例と比べて、著しく高い防除効果を示した。
【0029】
(実施例3)キュウリうどんこ病防除発病前処理試験
(1)試験植物の調整およびうどんこ病菌接種
クレハ園芸培土を充填したセルトレーにキュウリ種子(光3号)を播種し、ガラス温室内にて第1葉が展開するまで栽培した。そのキュウリを、クレハ園芸培土を充填したポット
に移植し、ガラス温室内にて第2葉が展開するまで栽培した。このキュウリを試験植物として用いた。その後、その試験植物にうどんこ病を接種した。うどんこ病の接種は自然接種で行った。すなわち、うどんこ病を発病して多数の病斑が目立つキュウリが栽培されたポットを、試験植物が栽培されているガラス温室内にランダムに設置することにより、試験植物へのうどんこ病の接種を行った。
うどんこ病発病前の防除処理試験は、この試験植物を用いて各処理区3反復で行った。
(2)薬剤処理
上記により製造した製剤例5および比較例5、7の試験薬剤を3000倍に希釈し、その希釈液を10アール当たり300Lとなるように上記の試験植物にスプレー噴霧処理した。この処理は1週間おきに2回実施した。うどんこ病を発病したキュウリが栽培されたポットは、後述の病斑率の測定を行うまで、試験植物と共にそのガラス温室内配置しておいた。
(3)防除効果調査
試験植物は、薬剤処理後もガラス温室内で栽培した。薬剤処理から2週間後に試験植物であるキュウリの第1葉および第2葉の病斑面積率を測定した。各処理区とも3反復で行ったので、それら3つの病斑面積率の値の平均値を算出し、その数値を各処理区の病斑面積率とした。この病斑面積率および上述の実施例1(3)に記載の式に基づいて、各処理区の防除価を算出した。
(4)結果
この試験の結果を表3に示す。
【0030】
【表3】

表3の結果から分かるように、本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、バチルス属細菌または無機化合物のいずれか一方のみを病害防除成分とするそれぞれの比較例と比べて、著しく高い防除効果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の病害を防除する効果を有するバチルス属細菌の胞子と、植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物とを含有する農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項2】
前記植物の病害が、病原菌が植物に感染することにより引き起こされる植物の病害であることを特徴とする請求項1に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項3】
前記植物の病害が、病原菌が植物の地上部に感染することにより引き起こされる植物の病害であることを特徴とする請求項2に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項4】
前記植物の地上部が、植物の茎、葉、花、果実であることを特徴とする請求項3に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項5】
農園芸用殺菌剤組成物に対して、0.1〜99.9重量%の前記バチルス属細菌の胞子と、0.1〜99.9重量%の前記無機化合物とを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項6】
農園芸用殺菌剤組成物に対して、0.1〜30.0重量%の前記バチルス属細菌の胞子と、70.0〜99.9重量%の前記無機化合物とを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項7】
前記バチルス属細菌が、バチルス ズブチリスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項8】
前記バチルス ズブチリスが、バチルス ズブチリスNCIB12376株、バチルス ズブチリスNCIB12616株、またはそれらの変異体である請求項7に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項9】
前記植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫黄、多硫化石灰、次亜塩素酸塩、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、硫酸銅および水酸化第二銅から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項10】
前記植物の病害を防除する効果を有する1種または2種以上の無機化合物が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫黄および多硫化石灰から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項9に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【請求項11】
植物を栽培する土壌または植物体に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の農園芸用殺菌剤組成物を施用することを特徴とする、植物の病害を防除する方法。

【公開番号】特開2006−96753(P2006−96753A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254566(P2005−254566)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】