説明

植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法

【課題】植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法の提供。
【解決手段】本発明の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法は、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の外部に、プレス成形コップ蓋の側面輪郭に係合する外モールドを被嵌し、該プレス成形コップ蓋に形成予定の勘合溝に対応する外モールド箇所に横方向環状のスライド溝を設置し、成形用のスライド体を挿入し、該スライド体の内側エッジには外側に突出する棒状成形体を備え、該プレス成形コップ蓋の内部には内モールドを配置し、その中間にはさらに原料支持体を配置し、内モールドと原料支持体はプレス成形コップ蓋の輪郭に係合させ、プレス成形コップ蓋に形成予定の勘合溝に対応する内モールド箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝を備え、その位置と輪郭は相対する棒状成形体に係合し、製造時には、まず、外モールド、内モールド、原料支持体を閉じた後に、スライド体を内側方向に前進させると、棒状成形体がプレス成形コップ蓋の表面を押圧し、また、スライド体をさらに前進させると、プレス成形コップ蓋の表面は棒状成形体の輪郭に従い変形し、内モールドの受け溝内に入り込み、これにより、環状の勘合溝が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物繊維製プレス成形コップ蓋(いわゆる紙コップ蓋)の勘合溝製造方法に関し、特に、植物繊維材質の材料を使用して、プレス成形技術によって成形したコップ蓋のエッジ上に内部に向かってへこんだ形状の勘合溝を成形する製造方法であり、勘合溝の形成によってコップ側の上部エッジに緊密結合させる植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
本発明の「植物繊維製プレス成形コップ蓋」とは、植物繊維材質の材料(一般にはパルプが多いが、その他の植物繊維材料もしくは植物繊維複合材料をも含む)を指し、プレス成形技術によるコップ蓋であり、一般には俗称「紙コップ蓋」と呼ばれるものが多い。よって、「プレス成形のコップ蓋」と呼ばれるものは、同じ物品である。現在、植物繊維(パルプ)のプレス成形業界においては、製品の成形は熱プレス方式で行っており、よく見られる方法には次の二種類がある。第一の方法は、パルプ成形原料の含水率が約55〜70%時に熱プレス成形機で直接、熱プレス作業を行うもので、熱プレス温度を150℃±10℃とし、熱プレス時間は製品の体積に基づく(体積が大きいほど熱プレス時間を長くする)。コップ蓋での熱プレス時間は45秒±5秒である。第二の方法は、パルプ成形原料の含水率が約55〜70%時に、まず乾燥して含水率を7〜10%まで下げ、更に熱プレス成形機で熱プレス作業を行うもので、熱プレス温度は同様に150℃±10℃とするが、熱プレス時間は前記第一方法より短縮される。熱プレス成形作業の実施は、現在、植物繊維(パルプ)成形業界における慣用技術であるが、そのうち、熱プレス成形作業は、上モールドと下モールドの開閉動作時に移動が必要である。よって、製品をモールドから順調に取り出すために、成形製品の内部構造に負角を設けられず、コップ蓋には、コップ側の上部エッジに緊密結合させるための勘合溝を形成できない故、長期に渡り、コップ側とに最良の結合効果を生じさせるコップ蓋を世に問うことはできないでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、植物繊維材質の材料を用いてプレス成形技術により成形したコップ蓋のエッジ上に、内部に向かってへこんだ形状の勘合溝を成形する製造方法であり、勘合溝の形成によってコップ側の上部エッジに緊密結合させる、植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法は、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の外部に、プレス成形コップ蓋の側面輪郭に係合する外モールドを被嵌し、プレス成形コップ蓋に形成予定の勘合溝に対応する外モールド箇所に横方向環状のスライド溝を設置し、成形用のスライド体を挿入する。該スライド体の内側エッジには外側に突出する棒状成形体を備える。プレス成形コップ蓋の内部には内モールドを配置し、その中間にはさらに原料支持体を配置する。内モールドと原料支持体はプレス成形コップ蓋の輪郭に係合させる。プレス成形コップ蓋に形成予定の勘合溝に対応する内モールド箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝を備え、その位置と輪郭は相対する棒状成形体に係合する。製造時には、まず、外モールド、内モールド、原料支持体を閉じた後に、スライド体を内側方向に前進させると、棒状成形体がプレス成形コップ蓋の表面を押圧する。また、スライド体をさらに前進させると、プレス成形コップ蓋の表面は棒状成形体の輪郭に従い変形し、内モールドの受け溝内に入り込む。これにより、環状の勘合溝が形成される。
【0005】
前述の発明において、プレス成形コップ蓋の表面に環状の勘合溝を形成した後、スライド体を外方向に移動させ、外モールドと内モールドを閉じた時と逆方向に開く。並びに、原料支持体によって勘合溝を備えたプレス成形コップ蓋を押し出すと、完成品ができあがる。
【0006】
前述の発明において、該スライド体の棒状成形体が共に内側方向に前進する時、一緒になって一つの環状体が形成される。
【0007】
本発明の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法は、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の外部に、プレス成形コップ蓋を押圧する外モールドを被嵌し、プレス成形コップ蓋上の勘合溝を成形予定箇所の外部は、成形用のモールドローラーを近づかせて加圧させ、モールドローラーは主に、プレス成形コップ蓋に成形予定の勘合溝に向き合う箇所に、外側に突出した棒状成形体を備える。プレス成形コップ蓋の内部には内モールドを収容し、その中間にはさらに原料支持体を設置する。内モールドと原料支持体はプレス成形コップ蓋の輪郭に係合し、プレス成形コップ蓋に成形予定の勘合溝201に対応する内モールド箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝を備え、その位置と輪郭は対応する棒状成形体に係合する。製造時には、まず、外モールド、内モールド、原料支持体を閉じた後に、モールドローラーを内側方向に前進させると、棒状成形体がプレス成形コップ蓋の表面を押圧する。また、さらに前進させると、プレス成形コップ蓋の表面は棒状成形体の輪郭に従い変形し、内モールドの受け溝内に入り込んだ後、駆動されるモールドローラーは、プレス成形コップ蓋の表面を少なくとも一回転し、これにより、環状の勘合溝が形成される。
【0008】
前述の発明において、プレス成形コップ蓋の表面に環状の勘合溝を形成した後、モールドローラーを外方向に移動させ、外モールドと内モールドを閉じた時と逆方向に開く。並びに、原料支持体によって勘合溝を備えたプレス成形コップ蓋を押し出すと、完成品ができあがる。
【0009】
前述の発明において、モールドローラーは一つ以上とする。
【0010】
本発明の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法は、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の外部に、固定体を用いてエアバッグを被嵌し、エアバッグをプレス成形コップ蓋の外部輪郭に向き合わせる。エアバッグには固定体に延伸する気体入口を備える。プレス成形コップ蓋の内部には内モールドを配置し、その中間にはさらに原料支持体を配置し、内モールドと原料支持体はプレス成形コップ蓋の輪郭に係合させ、プレス成形コップ蓋に成形予定の勘合溝に対応する内モールド箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝を備える。製造時は、固定体とエアバッグとで共に、プレス成形コップ蓋の外部を被嵌した時、内モールドと原料支持体は、プレス成形コップ蓋の内部からモールドを閉じ、その後、高圧気体が気体入口からエアバッグ内に進入し、エアバッグを完全に膨張させて、プレス成形コップ蓋とエアバッグの間の全空間を埋め尽くす。尚且つ、高圧気体の力で押されたプレス成形コップ蓋の表面は変形し、内モールドの受け溝内に入り込み、勘合溝が形成される。
【0011】
前述発明において、プレス成形コップ蓋の表面に勘合溝が形成された後、エアバッグ内の高圧気体を排出させると、エアバッグの表面とプレス成形コップ蓋の外部は迅速に離脱し、内モールドを閉じた時と逆方向に開く。並びに、原料支持体によって、勘合溝を備えたプレス成形コップ蓋を押し出すと、完成品ができあがる。
【0012】
前述の発明において、エアバッグに気体を進入させる時の気圧は0.6〜0.8MPa、気体充満時間は3秒前後である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法は、植物繊維材質の材料を使用して、プレス成形技術によって成形したコップ蓋のエッジ上に内部に向かって窪んだ形状の勘合溝を成形する製造方法であり、植物繊維製プレス成形コップ蓋に勘合溝を形成することによって、コップ側の上部エッジに緊密結合させ、方法が簡単で実用的である長所および効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一実施例におけるモールドを閉じた状態を示す図である。
【図2】図1の丸で囲んだ箇所の拡大図である。
【図3】本発明の第一実施例での成形動作を示す図である。
【図4】本発明の第一実施例におけるモールドを開いた状態を示す図である。
【図5】図4の丸で囲んだ箇所の拡大図である。
【図6】本発明の第二実施例におけるモールドを閉じた状態を示す図である。
【図7】図6の丸で囲んだ箇所の拡大図である。
【図8】本発明の第二実施例での成形動作を示す図である。
【図9】本発明の第二実施例におけるモールドを開いた状態を示す図である。
【図10】図9の丸で囲んだ箇所の拡大図である。
【図11】本発明の第三実施例におけるモールドを閉じた状態を示す図である。
【図12】本発明の第三実施例での成形動作を示す図である。
【図13】本発明の第三実施例におけるモールドを開いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面と実施例によって、発明の技術形態についての詳細説明をおこなう。
【0016】
本発明の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法は、主に、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋10に対し、常温下で再度成形加工をおこない、側面に勘合溝を成形し、使用時には一回使用のコップ側の上部エッジとの緊密結合作用を生じさせるものである。熱プレス成形を経た植物繊維製プレス成形コップ蓋(負角構造のないもの)は、本発明において、基本的に既に存在する物品である故、その製造工程の説明は省く。また、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の側面に勘合溝を形成するために、本発明は、次に列挙する多種の製造方法を研究開発した。
【実施例1】
【0017】
本発明の第一実施例は、直接、勘合溝をプレス成形する製造方法である。図1、図2に示すとおり、それは、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋10(図1、図2中のプレス成形コップ蓋10には負角構造を設けていない)の外部に外モールド11を被嵌し、該外モールド11は、プレス成形コップ蓋10の側面輪郭に係合し、尚且つ、プレス成形コップ蓋10に形成予定の勘合溝101(図4、図5参照)に対応する外モールド11箇所には横方向環状のスライド溝111を設置し、成形用のスライド体14を挿入する。該スライド体14の内側エッジには外側に突出する棒状成形体141を備え、棒状成形体141が共に内側方向に前進する時、一緒になって一つの環状体が形成される。プレス成形コップ蓋10の内部には内モールド12を配置し、その中間にはさらに原料支持体13を配置する。内モールド12と原料支持体13はプレス成形コップ蓋10の輪郭に係合させる。プレス成形コップ蓋10に形成予定の勘合溝101(図4、図5参照)に対応する内モールド12箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝121(図2参照)を備え、その位置と輪郭は相対する棒状成形体141に係合する。
【0018】
上述の構成にもとづき、モールドを閉じる時は、外モールド11、内モールド12、原料支持体13は図1に示す状態となる。その後、例えば動力シリンダーの如き外在動力によって押されて、スライド体14は皆、内側方向に前進し、棒状成形体141は共にプレス成形コップ蓋10の表面を押圧する。また、スライド体14は前進を続けると、プレス成形コップ蓋10の表面は棒状成形体141の輪郭に従い変形し、尚且つ、内モールド12の受け溝121内に入り込む。これにより、環状の勘合溝101が形成される。これは、図3に示した状態である。続いて、図4に示すとおり、外在動力によって引っ張られたスライド体14は迅速に外方向に移動し、外モールド11と内モールド12を閉じた時と逆方向に開く。並びに、原料支持体13によって、勘合溝101(図4、図5参照)を備えたプレス成形コップ蓋10を押し出すと、完成品ができあがる。
【実施例2】
【0019】
続いて、本発明の第二実施例は、ローラープレス成形による勘合溝の製造方法である。図6及び図7に示すとおり、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋20(図6及び図7中のプレス成形コップ蓋20は負角構造を設けていない)の外部に外モールド21を被せる。その主な作用はプレス成形コップ蓋20を押圧することにあり、勘合溝201を成形予定のプレス成形コップ蓋20箇所の外部には押圧されない空間を予め残し、成形用のモールドローラー24を近づかせて加圧させる。モールドローラー24(一つ或いは複数個)は主に、プレス成形コップ蓋20に成形予定の勘合溝201に向き合う箇所に、外側に突出した棒状成形体241を備える。プレス成形コップ蓋20の内部には内モールド22を収容し、その中間にはさらに原料支持体23を設置する。内モールド22と原料支持体23はプレス成形コップ蓋20の輪郭に係合し、プレス成形コップ蓋20に成形予定の勘合溝201に対応する内モールド22箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝221を備える(図7参照)。その位置と輪郭は対応する棒状成形体241に係合する。
【0020】
上述の構成にもとづき、モールドを閉じる時は、外モールド21、内モールド22、原料支持体23は図6に示す状態となる。その後、例えば動力シリンダーの如き外在動力によって押されて、モールドローラー24は内側方向に前進し、棒状成形体241はプレス成形コップ蓋20の表面を押圧する。また、モールドローラー24をさらに前進させると、プレス成形コップ蓋20の表面は棒状成形体241の輪郭に従い変形し、尚且つ、内モールド22の受け溝221内に入り込む。その後、駆動されるモールドローラー24は、プレス成形コップ蓋20の表面を少なくとも一回転する。これにより、環状の勘合溝201が形成され、図8の状態となる。続いて、図9に示すとおり、外在動力によって引っ張られたモールドローラー24は迅速に外方向に移動し、外モールド21と内モールド22を閉じた時と逆方向に開く。並びに、原料支持体23によって、勘合溝201(図9、図10参照)を備えたプレス成形コップ蓋20を押し出すと、完成品ができあがる。
【実施例3】
【0021】
続いて、本発明の第三実施例は、エアバッグプレス成形による勘合溝の製造方法である。図11に示すとおり、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋30(図11中のプレス成形コップ蓋30には負角構造はない)の外部に、固定体31によってエアバッグ34を被嵌し、エアバッグ34をプレス成形コップ蓋30の外部輪郭に向き合わせる。エアバッグ34には固定体31に延伸する気体入口341を備える。プレス成形コップ蓋30の内部には内モールド32を配置し、その中間にはさらに原料支持体33を配置し、内モールド32と原料支持体33はプレス成形コップ蓋30の輪郭に係合させ、プレス成形コップ蓋30に成形予定の勘合溝301に対応する内モールド32箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝321(図13)を備える。
【0022】
上述の構成にもとづき、固定体31とエアバッグ34(まだ気体を入れていない状態)とが共に、プレス成形コップ蓋30の外部を被嵌した時、内モールド32と原料支持体33は、プレス成形コップ蓋30の内部からモールドを閉じ、図11に示した状態となる。その後、例えば気体圧縮機等の外在動力により、高圧気体が気体入口341からエアバッグ34内に進入し(気圧は0.6〜0.8MPa、気体充満時間は約3秒前後)、エアバッグ34を完全に膨張状態にし(形状は外モールドと同様)、プレス成形コップ蓋30とエアバッグ34の間の全空間を埋め尽くす。尚且つ、高圧気体の力で押されたプレス成形コップ蓋30の表面は変形し、内モールド32の受け溝321内に入り込み、勘合溝301が形成される。この状態は図12に示すとおりである。続く図13では、エアバッグ34内の高圧気体を排出し、エアバッグ34の表面とプレス成形コップ蓋30の外部は迅速に離脱し(形状は外モールドを開いた状態と同様)、内モールド32を閉じた時と逆方向に開く。並びに、原料支持体33によって、勘合溝301を備えたプレス成形コップ蓋30を押し出すと、完成品ができあがる。
【0023】
以上の説明からわかるように、本発明は主に、植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法を出願するもので、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋に対して、常温のもと、再度成形加工(熱プレスを使用しないため、熱エネルギーコストを増加させない)を行い、その側面に勘合溝を形成し、使用時には、一回使用タイプのコップ側の上部エッジとに緊密結合作用を起こす。よって、第一実施例に示した直接勘合溝をプレス成形する製造方法の実施、第二実施例に示したローラープレス成形による勘合溝の製造方法の実施、或いは、第三実施例に示したエアバッグプレス成形による勘合溝の製造方法の実施は全て、同様の勘合溝を製造するものである。
【符号の説明】
【0024】
10 プレス成形コップ蓋
101 勘合溝
11 外モールド
111 スライド溝
12 内モールド
121 受け溝
13 原料支持体
14 スライド体
141 棒状成形体
20 プレス成形コップ蓋
201 勘合溝
21 外モールド
22 内モールド
221 受け溝
23 原料支持体
24 モールドローラー
241 棒状成形体
30 プレス成形コップ蓋
301 勘合溝
31 固定体
32 内モールド
321 受け溝
33 原料支持体
34 エアバッグ
341 気体入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物繊維製プレス成形コップ蓋(いわゆる紙コップの蓋)の勘合溝製造方法において、熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の外部に、プレス成形コップ蓋の側面輪郭に係合する外モールドを被嵌し、該プレス成形コップ蓋に形成予定の勘合溝に対応する外モールド箇所に横方向環状のスライド溝を設置し、成形用のスライド体を挿入し、該スライド体の内側エッジには外側に突出する棒状成形体を備え、該プレス成形コップ蓋の内部には内モールドを配置し、その中間にはさらに原料支持体を配置し、内モールドと原料支持体はプレス成形コップ蓋の輪郭に係合させ、プレス成形コップ蓋に形成予定の勘合溝に対応する内モールド箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝を備え、その位置と輪郭は相対する棒状成形体に係合し、製造時には、まず、外モールド、内モールド、原料支持体を閉じた後に、スライド体を内側方向に前進させると、棒状成形体がプレス成形コップ蓋の表面を押圧し、また、スライド体をさらに前進させると、プレス成形コップ蓋の表面は棒状成形体の輪郭に従い変形し、内モールドの受け溝内に入り込み、環状の勘合溝が形成されることを特徴とする植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項2】
前記プレス成形コップ蓋の表面に環状の勘合溝を形成した後、スライド体を外方向に移動させ、外モールドと内モールドを閉じた時と逆方向に開き、並びに、原料支持体によって勘合溝を備えたプレス成形コップ蓋を押し出すと、完成品ができあがることを特徴とする請求項1に記載の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項3】
前記スライド体の棒状成形体が共に内側方向に前進する時、一緒になって一つの環状体が形成されることを特徴とする請求項1に記載の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項4】
植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法において、
熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の外部に、プレス成形コップ蓋を押圧する外モールドを被嵌し、プレス成形コップ蓋上の勘合溝を成形予定箇所の外部には、成形用のモールドローラーを近づかせて加圧させ、モールドローラーは主に、プレス成形コップ蓋に成形予定の勘合溝に向き合う箇所に外側に突出した棒状成形体を備え、該プレス成形コップ蓋の内部には内モールドを収容し、その中間にはさらに原料支持体を設置し、内モールドと原料支持体はプレス成形コップ蓋の輪郭に係合し、プレス成形コップ蓋に成形予定の勘合溝に対応する内モールド箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝を備え、その位置と輪郭は対応する棒状成形体に係合し、製造時には、まず、外モールド、内モールド、原料支持体を閉じた後に、モールドローラーを内側方向に前進させると、棒状成形体がプレス成形コップ蓋の表面を押圧し、また、さらに前進させると、プレス成形コップ蓋の表面は棒状成形体の輪郭に従い変形し、内モールドの受け溝内に入り込んだ後、駆動されるモールドローラーは、プレス成形コップ蓋の表面を少なくとも一回転し、これにより、環状の勘合溝が形成されることを特徴とする植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項5】
前記プレス成形コップ蓋の表面に環状の勘合溝を形成した後、モールドローラーを外方向に移動させ、外モールドと内モールドを閉じた時と逆方向に開き、並びに、原料支持体によって勘合溝を備えたプレス成形コップ蓋を押し出すと、完成品ができあがることを特徴とする請求項4に記載の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項6】
前記モールドローラーは一つ以上であることを特徴とする請求項4に記載の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項7】
本発明の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法において、
熱プレス成形後の植物繊維製プレス成形コップ蓋の外部に、固定体を用いてエアバッグを被嵌し、エアバッグをプレス成形コップ蓋の外部輪郭に向き合わせ、エアバッグには固定体に延伸する気体入口を備え、該プレス成形コップ蓋の内部には内モールドを配置し、その中間にはさらに原料支持体を配置し、内モールドと原料支持体はプレス成形コップ蓋の輪郭に係合させ、プレス成形コップ蓋に成形予定の勘合溝に対応する内モールド箇所には、内側に窪んだ環状の受け溝を備え、
製造時は、固定体とエアバッグとで共に、プレス成形コップ蓋の外部を被嵌した時、内モールドと原料支持体は、プレス成形コップ蓋の内部からモールドを閉じ、その後、高圧気体が気体入口からエアバッグ内に進入し、エアバッグを完全に膨張させて、プレス成形コップ蓋とエアバッグの間の全空間を埋め尽くし、尚且つ、高圧気体の力で押されたプレス成形コップ蓋の表面は変形し、内モールドの受け溝内に入り込み、勘合溝が形成されることを特徴とする植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項8】
前記プレス成形コップ蓋の表面に勘合溝が形成された後、エアバッグ内の高圧気体を排出させると、エアバッグの表面とプレス成形コップ蓋の外部は迅速に離脱し、内モールドを閉じた時と逆方向に開き、並びに、原料支持体によって、勘合溝を備えたプレス成形コップ蓋を押し出すと、完成品ができあがることを特徴とする請求項7に記載の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。
【請求項9】
前記エアバッグに気体を進入させる時の気圧は0.6〜0.8MPa、気体充満時間は3秒前後であることを特徴とする請求項7に記載の植物繊維製プレス成形コップ蓋の勘合溝製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−525276(P2012−525276A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507567(P2012−507567)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/CN2009/000826
【国際公開番号】WO2011/009229
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(511266036)
【出願人】(511265349)
【Fターム(参考)】