説明

検体分析装置及びその異常制御方法、並びに検体分析装置用プログラム

【課題】検体分析装置において、検体分析装置の機構部に異常が発生したときに、検体及び試薬の無駄を少なくし、異常発生時の動作による機構部の破損等を防ぐ。
【解決手段】検体分析装置1は、検体及び試薬を収容するキュベットを保持して移送する1次反応テーブル81と、1次反応テーブル81に保持されたキュベットに試薬を分注する試薬分注部90a〜90c等と、1次反応テーブル81で保持されていないキュベットにB/F分離処理を行う2次B/F分離部100bと、試薬分注部90a〜90cに異常が発生したことを検出するセンサと、を備える。検体分析装置1の制御装置400は、試薬分注部90a〜90aに異常が発生した場合に、試薬分注部90a〜90cの動作を停止し、2次B/F分離部100bの動作を継続するように、これらの動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫分析装置や血液凝固分析装置等の検体を分析する検体分析装置及びその異常制御方法、並びに検体分析装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
免疫分析装置等の検体分析装置は、複数種類の試薬を用いて多くの検体を処理するために、その処理能力の向上が望まれている。そのため、分析装置は、試薬や検体を収容する複数の反応容器を保持し、これらを所定の位置に円滑に移動させるための回転テーブルや、回転テーブルの動作に合わせて検体や試薬を反応容器に分注するための複数の分注部等を備えている。
このような分析装置においては、検体測定中に異常が発生すると分析装置の動作を停止させる必要が生じる。しかし、分析装置の全ての動作を停止したのでは、既に試薬と混合された検体についても測定が中断されてしまうことになる。一旦測定が中断されてしまった検体は再度使用することができなくなるため、検体及び試薬を無駄にしてしまうという問題があった。
【0003】
このような問題を解消するため、下記特許文献1には、試料分注部、試薬分注部、及び撹拌部のいずれかに関する異常が発生した場合には、反応テーブル及び測光に関する部分以外の機構を停止し、反応テーブル及び測光の動作を継続するようにした自動分析装置が開示されている。この技術によれば、試料分注部、試薬分注部、及び撹拌部のいずれかに異常が発生しても、一部の検体については測定を継続することが可能となり、検体及び試薬の無駄を省くことが可能である。
【特許文献1】特開平3−183955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の自動分析装置では、試料分注部、試薬分注部、及び撹拌部に異常が発生すると、分注部のピペットが反応テーブルに保持されている反応容器に挿入された状態で停止する場合がある。この場合に、ピペットの位置を検出する検出センサに異常が生じていると、分析装置はピペットが反応容器内に挿入されていることを検知することができず、反応テーブルが動作したときにピペットを破損したり、反応テーブルが適切に動作できなくなったりする恐れがある。
【0005】
本発明は、検体測定中、検体分析装置の機構部に異常が発生したときに、検体及び試薬の無駄を少なくすることができ、且つ、異常発生時の動作による機構部の破損等を防ぐことができる検体分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の検体分析装置は、検体、試薬、及びそれらの混合物のうち少なくとも1つを収容する容器を保持し、この容器を所定位置に移送する第1保持部と、前記第1保持部に保持された前記容器に対して所定の第1動作を実行する第1機構部と、前記容器を保持する第2保持部と、前記容器を前記第1保持部から前記第2保持部に移送する移送機構部と、前記第2保持部に保持された前記容器に対して所定の第2動作を実行する第2機構部と、前記第1機構部に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、前記第1機構部に異常が発生したことを前記異常検出手段が検出したときに、前記第1機構部の前記第1動作及び前記第1保持部の移送動作を停止し且つ前記第2機構部の前記第2動作を継続するよう、前記第1保持部と前記第1,第2機構部との動作を制御する異常制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の検体分析装置によれば、第1機構部に異常が発生した場合は、第1保持部の移送動作及び第1機構部の第1動作が停止されるので、第1保持部や第1機構部の部品が破損してしまうのを防止することができる。また、第2機構部の第2動作は継続されるが、第2機構部は、第2保持部に保持された容器に対して所定の第2動作を実行するための機構部であるため、第1機構部に発生した異常に影響されることはなく、第1保持部が停止していても動作を継続することができる。例えば、第1機構部が、第1保持部に保持された容器に対して検体や試薬を分注する機構部であり、第2機構部が、試薬と混合された検体を測定(測光)する機構部又はそれよりも前工程で動作する機構部である場合、第1機構部で異常が発生したとしても、既に試薬と混合された検体については測定の工程まで進めることができる。そのため、試薬や検体の無駄を少なくすることができる。
【0008】
本発明の検体分析装置は、前記第2機構部に異常が発生したことを検出する第2異常検出手段をさらに備えていてもよい。この場合、前記異常制御手段は、前記第2機構部に異常が発生したことを前記第2異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の第1動作と前記第2機構部の第2動作とを停止するよう前記第1保持部と前記第1,第2機構部との動作を制御するように構成することができる。
【0009】
この構成によれば、第2機構部に異常が発生した場合、第1機構部の動作を継続しても、その後の第2機構部へ移行することができなくなるので、第1機構部の第1動作、第2機構部の第2動作の両方を停止する。これによって第1,第2機構部の動作に起因する、保持部や第1,第2機構部の部品の破損等を防止することができる。また、第2機構部の異常によって処理を継続することが不可能となった保持部上の検体に試薬を混合してしまうことを防止できるので、試薬や検体の無駄をさらに少なくすることができる。
【0010】
本発明の検体分析装置は、前記第1機構部を複数備えていてもよい。この場合、前記異常制御手段は、いずれかの前記第1機構部に異常が発生したことを前記異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と全ての前記第1機構部の第1動作とを停止するよう、前記第1保持部及び前記第1機構部の動作を制御するように構成することができる。
この構成によれば、第1機構部が複数有り、いずれかの第1機構部の動作に異常が発生した場合には、他の第1機構部の動作にも影響を与える可能性があることから、全ての第1機構部の第1動作を停止する。これによって、第1保持部や複数の第1機構部の部品の破損等を防止することができる。
【0011】
本発明の検体分析装置は、前記容器を保持する第3保持部と、前記容器を前記第2保持部から前記第3保持部に移送する移送機構部と、前記第3保持部に保持された前記容器に対して所定の第3動作を実行する第3機構部とをさらに備え、前記異常制御手段は、前記第1機構部に異常が発生したことを前記異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の前記第1動作とを停止し且つ前記第2機構部の前記第2動作と前記第3機構部の前記第3動作とを継続するよう、前記第1保持部と前記第1,第2及び第3機構部との動作を制御するように構成することができる。
【0012】
この構成によれば、第1機構部に異常が発生した場合は、第1保持部の移送動作及び第1機構部の第1動作が停止され、第2機構部の第2動作、第3機構部の第3動作は継続される。第2,第3機構部は、それぞれ、第2及び第3保持部に保持された容器に対して所定の第2及び第3動作を実行するための機構部であるため、第1機構部に発生した異常に影響されることはなく、第1保持部が停止していても動作を継続することができる。例えば、第1機構部が、容器に対して検体や試薬を分注する機構部であり、第2機構部が、試薬と検体との混合液に処理を行う機構部であり、第3機構部が、当該処理後に試薬と混合された検体を測定する機構部である場合には、既に第1機構部において試薬と混合された検体については測定の工程まで進めることができ、試薬や検体の無駄を少なくすることができる。
【0013】
本発明の検体分析装置は、前記第2機構部に異常が発生したことを検出する第2異常検出手段をさらに備えていてもよい。この場合、前記異常制御手段は、前記第2機構部に異常が発生したことを前記第2異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の第1動作と前記第2機構部の第2動作とを停止し且つ前記第3機構部の第3動作を継続するよう、前記保持部と前記第1,第2及び第3機構部との動作を制御するように構成することができる。
【0014】
この構成によれば、第2機構部に異常が発生した場合は、第1保持部の移送動作及び第1機構部の第1動作、第2機構部の第2動作が停止され、第3機構部の第3動作は継続される。第3機構部は、第3保持部に保持された容器に対して所定の第3動作を実行するための機構部であるため、第1保持部が停止していても動作を継続することができる。例えば、第1機構部が、容器に対して検体や試薬を分注する機構部であり、第2機構部が、試薬と検体との混合液に処理を行う機構部であり、第3機構部が、当該処理後に試薬と混合された検体を測定する機構部である場合には、既に第1機構部によって試薬と混合され且つ第2機構部によって処理を終えた検体については測定の工程まで進めることができ、試薬や検体の無駄を少なくすることができる。
【0015】
本発明の検体分析装置は、前記第3機構部に異常が発生したことを検出する第3異常検出手段をさらに備えていてもよい。この場合、前記異常制御手段は、前記第3機構部に異常が発生したことを前記第3異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作、前記第1機構部の第1動作、前記第2機構部の第2動作、及び前記第3機構部の第3動作を停止するよう、前記第1保持部と前記第1,第2及び第3機構部の動作を制御するように構成されていてもよい。
この構成によれば、第3機構部に異常が発生した場合には、その前工程である第1、第2機構部の動作を継続しても、その後の第3機構部による動作へ移行することができなくなるので、第1,第2及び第3機構部の動作を停止する。これによって、第1〜第3機構部の動作に起因する、保持部や第1〜第3機構部の部品の破損等を防止することができる。
【0016】
本発明の検体分析装置の前記第1機構部は、前記容器に試薬を分注する試薬分注部であってもよく、前記第2機構部は、前記容器に収容された液体にB/F分離処理を施すB/F分離部であってもよい。
【0017】
本発明の検体分析装置における異常制御方法は、検体、試薬、及びそれらの混合液のうち少なくとも1つを収容する容器を保持する第1保持部によって、前記容器を所定位置に移送するステップと、前記第1保持部に保持された前記容器にアクセス可能に構成された第1機構部が、前記第1保持部に保持された前記容器に対して所定の第1動作を実行するステップと、前記容器を前記第1保持部から第2保持部に移送するステップと、前記第2保持部に保持された前記容器に対して第2機構部が所定の第2動作を実行するステップと、前記第1機構部に異常が発生したことを異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の前記第1動作を停止し且つ前記第2機構部の前記第2動作を継続するよう、前記第1保持部と前記第1,第2機構部との動作を制御するステップと、を備えていることを特徴とする。
なお、前述の構成において「アクセス」とは、保持部に保持された容器に直接的に作用する(働きかける)動作であって、その作用に異常が発生すると、当該異常が、保持部や、容器に直接的に作用する機構部の動作に影響を及ぼす可能性のある動作をいう。
【0018】
また、本発明の検体分析装置用プログラムは、前述した検体分析装置に備わったコンピュータを、前記異常制御手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、検体測定中、検体分析装置の機構部に異常が発生したときに、検体及び試薬の無駄を少なくすることができ、且つ、異常発生時の動作による機構部の破損等を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の検体分析装置の実施の形態を詳細に説明する。
[装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置(検体分析装置)の全体構成を示す平面説明図、図2は、図1に示される免疫分析装置における測定ユニットの構成を示すブロック図である。
本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置1は、血液等の検体(試料)を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカ及び甲状腺ホルモン等種々の測定項目(分析項目)の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1は、図1に模式的に示されるように、複数の機構(コンポーネント)からなる測定ユニット(測定部)2と、この測定ユニット2に電気的に接続された、データ処理ユニットである制御装置400とから主に構成されている。
【0021】
測定ユニット2は、検体搬送部(サンプラ)10と、緊急検体・チップ搬送部20と、ピペットチップ供給装置30と、チップ脱離部40と、検体分注部50と、試薬テーブル60(60a及び60b)と、1次反応部80a及び2次反応部80bと、試薬分注部90(90a〜90e)と、1次B/F分離部100a及び2次B/F分離部100bと、1次B/F分離テーブル101及び2次B/F分離テーブル102と、検出部120と、前記検体搬送部(サンプラ)10や検体分注部50等の機構の動作制御を行う測定制御部140(図2参照)等を備えている。なお、本実施の形態に係る免疫分析装置1では、検体分注部50により吸引及び吐出された血液等の検体が他の検体と混ざり合うのを抑制するために、検体の吸引及び吐出を行う度に、使い捨てのピペットチップの交換を行っている。
【0022】
この免疫分析装置1では、測定対象である血液等の検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体及び磁性粒子を1次B/F(Bound Free)分離部100aの磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原及び標識抗体を2次B/F分離部100bの磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)や標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0023】
[測定ユニットの構成]
測定ユニット2の各機構の構成としては、公知の構成を適宜採用することができるが、以下、図1乃至図3を参照して、それらについて簡単に説明をする。
図1及び図2に示すように、検体搬送部10は、検体を収容した複数の試験管3が載置されたラック4を検体分注部50の吸引位置に対応する位置まで搬送するように構成されている。この検体搬送部10は、未処理の検体を収容した試験管3が載置されたラック4をセットするためのラックセット部10aと、分注処理済みの検体を収容した試験管3が載置されたラック4を貯留するためのラック貯留部10bとを有している。そして、未処理の検体を収容した試験管3を検体分注部50の吸引位置に対応する位置まで搬送することにより、検体分注部50により試験管3内の血液等の検体の吸引が行われて、その試験管3を載置したラック4がラック貯留部10bに貯留される。
【0024】
緊急検体・チップ搬送部20は、検体搬送部10により搬送される検体に割り込んで検査する必要がある緊急検体を収容した試験管3を検体分注部50の装着位置まで搬送するように構成されている。
ピペットチップ供給装置30は、投入したピペットチップを1つずつ緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23のチップ設置部23aに載置する機能を有している。
チップ脱離部40は、後述する検体分注部50に装着されたピペットチップを脱離するために設けられている。
【0025】
検体分注部50は、検体搬送部10により吸引位置に搬送された試験管3内の検体を、後述する1次反応部80aの1次反応テーブル81の保持部81aに保持されるキュベット(図示せず)内に分注する機能を有している。この検体分注部50は、アーム部51を、軸52を中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部51の先端部には、検体の吸引及び吐出を行うノズル部が設けられており、このノズル部の先端には、緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック(図示せず)により搬送されるピペットチップが装着される。
【0026】
試薬テーブル60aは、回転駆動される回転テーブルであり、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬容器及び標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬容器が設置される。
一方、試薬テーブル60bは、回転駆動される回転テーブルであり、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬容器が設置される。
【0027】
1次反応部80aは、回転駆動される1次反応テーブル81の保持部81aに保持されるキュベットを所定の期間(本実施の形態では、20秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット内の検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するために設けられている。つまり、1次反応部80aは、キュベット内で磁性粒子を有するR2試薬と検体中の抗原とを反応させるために設けられている。この1次反応部80aは、検体とR1試薬及びR2試薬とが収容されるキュベットを回転方向に搬送するための1次反応テーブル81と、キュベット8内の検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体、R1試薬及びR2試薬が収容されたキュベットを後述する1次B/F分離テーブル101に搬送する容器搬送部82とから構成されている。
【0028】
容器搬送部82は、1次反応テーブル81の中心部分に回転可能に設置されている。この容器搬送部82は、1次反応テーブル81の保持部81aに保持されるキュベットを把持するとともにキュベット内の試料を攪拌する機能を有している。さらに、容器搬送部82は、検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌してインキュベーションした試料を収容したキュベットを1次B/F分離テーブル101に搬送する機能も有している。
【0029】
試薬分注部90aは、試薬テーブル60aに設置される試薬容器内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部80aのキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注部90aは、アーム部91bを、軸91cを中心に回動させるとともに上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部91bの先端部には、試薬容器内のR1試薬の吸引及び吐出を行うためのノズル部(ピペット)が取り付けられている。
【0030】
試薬分注部90bは、試薬テーブル60bに設置される試薬容器内のR2試薬を1次反応部80aの検体及びR1試薬が分注されたキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注部90bは、アーム部92bを、軸92cを中心に回動させるとともに上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部92bの先端部には、試薬容器内のR2試薬の吸引及び吐出を行うためのノズル部(ピペット)が取り付けられている。
【0031】
本実施の形態では、1次B/F分離部100aは、1次反応部80aの容器搬送部82によって搬送されたキュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。
未反応のR1試薬等が分注された1次B/F分離テーブル101のキュベットは、搬送機構96により2次反応部80bの2次反応テーブル83の保持部83aに搬送される。搬送機構96は、先端にキュベット把持部(図示せず)を有するアーム部96aを、軸96bを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。
【0032】
2次反応部80bは、1次反応部80aと同様の構成を有しており、2次反応テーブル83の保持部83aに保持されるキュベットを所定の期間(本実施の形態では、20秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬、R4試薬、及びR5試薬を攪拌するために設けられている。つまり、2次反応部80bは、キュベット内で標識抗体を有するR3試薬と検体中の抗原とを反応させるとともに、発光基質を有するR5試薬とR3試薬の標識抗体とを反応させるために設けられている。この2次反応部80bは、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬、R4試薬及びR5試薬が収容されるキュベット8を回転方向に搬送するための2次反応テーブル83と、キュベット内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬、R4試薬及びR5試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体等が収容されたキュベットを後述する2次B/F分離テーブル102に搬送する容器搬送部84とから構成されている。さらに、容器搬送部84は、2次B/F分離部100bにより処理されたキュベットを再び2次反応テーブル83の保持部83aに搬送する機能を有している。
【0033】
試薬分注部90cは、試薬テーブル60aに設置される試薬容器内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部80bの検体、R1試薬及びR2試薬が分注されたキュベット内に分注するための機能を有している。この試薬分注部90cは、アーム部93bを、軸93cを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部93bの先端部には、試薬容器内のR3試薬の吸引及び吐出を行うためのノズル部(ピペット)が取り付けられている。
【0034】
2次B/F分離部100bは、1次B/F分離部100aと同様の構成を有しており、2次反応部80bの容器搬送部84によって搬送されたキュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離するために設けられている。なお、この2次B/F分離部100bは、1次反応テーブル81にはアクセス不可能である。
R4試薬分注部90d及びR5試薬分注部90eは、図示しないノズル部を上下移動させ、それぞれR4試薬及びR5試薬を2次反応部80bのキュベット内に供給するために設けられている。なお、R4試薬分注部90d及びR5試薬分注部90eは、1次反応テーブル81および2次B/F分離テーブル102にはアクセス不可能である。
【0035】
検出部120は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる発光量を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。この検出部120は、2次反応部80bの2次反応テーブル83の保持部83aに保持されるキュベットを当該検出部120に搬送するための搬送機構部121を備えている。
【0036】
図3に示すように、測定制御部140は、CPU140aと、ROM140b及びRAM140c等からなる記憶部と、入出力インタフェース140dと、通信インタフェース140eとから主として構成されている。CPU140a、ROM140b、RAM140c、入出力インタフェース140d、通信インタフェース140eは、バス140fによって接続されている。
【0037】
CPU140aは、ROM140bに記憶されているコンピュータプログラム141及びRAM140cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。 ROM140bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU140aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0038】
RAM140cは、SRAM又はDRAM等によって構成されている。RAM140cは、ROM140bに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU140aの作業領域として利用される。
【0039】
入出力インタフェース140dは、例えば、USB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース140dにはバーコードリーダ150が接続されている。検体を収容する試験管3(図1参照)や、複数本の試験管3を保持するラック4(図1参照)には、当該試験管3内の検体やラック4を特定するための情報を記録したバーコードが付されている。バーコードリーダ150は、この試験管3やラック4に付されたバーコードを読み取るために使用される。
【0040】
通信インタフェース140eは、例えば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。測定制御部140は、通信インタフェース140eにより、所定の通信プロトコルを使用してコンピュータ401との間でデータの送受信が可能である。
【0041】
[制御装置の構成]
制御装置400は、パーソナルコンピュータ401(PC)等からなり、図1に示されるように、制御部400aと、表示部400bと、キーボードやマウス等の入力部(入力手段)400cとを含んでいる。制御部400aは、測定ユニット2における各機構の動作制御を行うとともに、測定ユニット2で得られた検体の光学的な情報を分析するための機能を有している。この制御部400aは、CPU、ROM、RAM等からなる。また、表示部400bは、制御部400aで得られた分析結果等の情報等を表示するために用いられる。
【0042】
次に、制御装置400の各構成を説明する。制御部400aは、図3に示されるように、CPU401aと、ROM401b,RAM401c及びハードディスク401d等からなる記憶部と、読出装置401eと、入出力インタフェース401fと、通信インタフェース401gと、画像出力インタフェース401hとから主として構成されている。
CPU401a、ROM401b、RAM401c、ハードディスク401d、読出装置401e、入出力インタフェース401f、通信インタフェース401g、及び画像出力インタフェース401hは、バス401iによって接続されている。
【0043】
CPU401aは、ROM401bに記憶されているコンピュータプログラム及びRAM401cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム404aをCPU401aが実行することにより、コンピュータ401が制御装置400として機能する。
ROM401bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU401aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0044】
RAM401cは、SRAM又はDRAM等によって構成されている。RAM401cは、ROM401b及びハードディスク401dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401aの作業領域として利用される。
【0045】
ハードディスク401dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU401aに実行させるための種々のコンピュータプログラム404a及びそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。例えば、測定オーダを登録するためのアプリケーションプログラムや、後述する測定ユニット2の異常処理を行うためのアプリケーションプログラムもこのハードディスク401dにインストールされている。
【0046】
読出装置401eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、又はDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体404に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体404には、本実施の形態におけるアプリケーションプログラム404aが格納されており、コンピュータ401が、その可搬型記録媒体404からアプリケーションプログラム404aを読み出し、そのアプリケーションプログラム404aをハードディスク401dにインストールすることが可能である。
【0047】
なお、前記アプリケーションプログラム404aは、可搬型記録媒体404によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ401と通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記アプリケーションプログラム404aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ401がアクセスして、そのアプリケーションプログラム404aをダウンロードし、これをハードディスク401dにインストールすることも可能である。
【0048】
ハードディスク401dには、例えば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態におけるアプリケーションプログラム404aは前記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0049】
入出力インタフェース401fは、例えば、USB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース401fには、キーボード400cが接続されており、ユーザーがそのキーボード400cを使用することにより、コンピュータ401にデータを入力することが可能である。
【0050】
通信インタフェース401gは、例えば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ401は、その通信インタフェース401gにより、所定の通信プロトコルを使用して測定ユニット2との間でデータの送受信が可能である。
画像出力インタフェース401hは、LCD又はCRT等で構成された表示部400bに接続されており、CPU401aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部400bに出力するようになっている。表示部400bは、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0051】
[全体プロセス]
免疫分析装置1による分析処理の全体のフローを図4に示す。
まず、ステップS101において、制御部400aは、測定開始の指示が行われたか否かを判断する。制御部400aは、測定開始の指示が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS102へ処理を進め、測定開始の指示が行われなかったと判断した場合(No)にはステップS106へ処理を進める。そして、ステップS102において、制御部400aは、測定開始信号を測定制御部140へ送信する。
【0052】
ついでステップS1において、測定制御部140は、測定開始信号の受信が行われたか否かを判断する。そして、測定制御部140が、測定開始信号の受信が行われたと判断した場合(Yes)には、ステップS2において測定処理が行われる。測定が終了すると、ステップS3において、測定制御部140は測定結果としての発光量データを制御部400aへ送信する。
【0053】
ステップS103において、制御部400aは、測定制御部140から発光量データが受信されたか否かを判断し、発光量データが受信されたと判断した場合(Yes)には、ステップS104において発光量データの解析処理を行う。すなわち、制御部400aは、送信された測定結果と、予め標準試料を用いて作成され、前記ハードディスク401dに記憶されている検量線とから、測定対象の抗原の濃度を換算し、その結果(分析結果)を記憶する。ついでステップS105において、制御部400aは分析結果の出力を行う。
【0054】
制御部400aは、ステップS106において、パーソナルコンピュータ401をシャットダウンする指示を受け付けているか否かを判断する。制御部400aは、シャットダウンする指示を受け付けていると判断した場合(Yes)にはステップS107へ処理を進め、シャットダウンする指示を受け付けていないと判断した場合(No)にはステップS101へ処理を戻す。そして、ステップS107において、制御部400aは、パーソナルコンピュータ401のシャットダウンを行い、処理を終了する。
【0055】
[測定プロセス]
図5は、図4のステップS2における測定処理のフローを示す図である。この図5と図1とを参照して免疫分析装置1の測定プロセスについて説明する。
(キュベット供給工程)
まず、ステップS21において、図示しないキュベット供給部により、1次反応部80aの1次反応テーブル81の保持部81aにキュベットが搬送され、セットされる。
【0056】
(R1試薬分注工程)
ステップS22において、試薬分注部90aが、試薬テーブル60aに設置された試薬容器内のR1試薬をノズル部によって吸引した後、1次反応部80a側にアーム部91bを回動し、1次反応テーブル81の保持部81aに保持されているキュベット内に、吸引したR1試薬を吐出する。このR1試薬には、検体に含まれる抗原に結合する捕捉抗体が含まれている。
【0057】
(検体分注工程)
ついでステップS23において、検体分注部50は、緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラックに搬送されるピペットチップを装着した後、検体搬送部10により吸引位置まで搬送されたラック4に載置される試験管3から血液等の検体を吸引する。そして、検体分注部50は、アーム部51を1次反応部80a側に回動し、R1試薬分注工程においてR1試薬が分注されたキュベット内に、吸引した検体を吐出する。
その後、1次反応部80aの容器搬送部82によって、R1試薬及び検体が収容されたキュベットが攪拌され、攪拌されたR1試薬及び検体が、1次反応テーブル81の保持部81aのキュベット内で所定時間インキュベーションされ、その結果、捕捉抗体(R1試薬)と検体の抗原とが結合する。
【0058】
(R2試薬分注工程)
ついでステップS24において、試薬分注部90bが、試薬テーブル60bに設置された試薬容器内のR2試薬をノズル部によって吸引した後、アーム部92bを1次反応部80a側に回動し、所定時間インキュベーションされたR1試薬及び検体を収容するキュベット内に、吸引したR2試薬を吐出する。このR2試薬には、検体中の抗原が結合した捕捉抗体に結合する磁性粒子が含まれている。
【0059】
その後、1次反応部80aの容器搬送部82によって、R1試薬、検体及びR2試薬が収容されたキュベットが攪拌され、攪拌されたR1試薬、検体及びR2試薬が、1次反応テーブル81の保持部81aのキュベット内で所定時間インキュベーションされ、その結果、磁性粒子(R2試薬)と検体の抗原が結合した捕捉抗体(R1試薬)とが結合する。
【0060】
(1次反応部80aから1次B/F分離テーブル101への搬送工程)
ついでステップS25において、インキュベーションされたR1試薬、検体及びR2試薬を収容したキュベットは、1次反応部80aの容器搬送部82により、1次B/F分離テーブル101へ搬送される。
【0061】
(1次B/F分離部100aによる不要成分除去工程)
ついでステップS26において、1次B/F分離テーブル101に保持されたキュベット内の磁性粒子は、当該キュベットの側方に配置される磁石により集磁される。そして、1次B/F分離部100aのノズル部がキュベット内に挿入され、試料を吸引することにより、磁性粒子及び当該磁性粒子に捕捉抗体を介して結合した抗原を除く不要成分が除去される。
【0062】
なお、不要成分の除去をより確実に行うため、キュベット内に洗浄液を供給して撹拌し、その後、洗浄液とともに不要成分をノズル部によって除去する動作が繰り返し行われる。
不要成分が除去された後のキュベットは、1次B/F分離テーブル101の回転によって、搬送機構96のアーム部96aによって把持可能な位置まで移送される。
【0063】
(1次B/F分離テーブル101から2次反応部80bへの搬送工程)
ついでステップS27において、1次B/F分離部100aにより不要成分が除去されたキュベットは、図1に示すように、搬送機構96のアーム部96aによって把持されて、2次反応部80bの2次反応テーブル83の保持部83aに搬送される。
【0064】
(R3試薬分注工程)
ついでステップS28において、試薬分注部90cが、試薬テーブル60aに設置された試薬容器内のR3試薬をノズル部によって吸引した後、アーム部93bを2次反応部80b側に回動して、捕捉抗体(R1試薬)を介して結合した磁性粒子(R2試薬)と検体の抗原とを収容したキュベット内に所定量のR3試薬を吐出する。このR3試薬には、検体中の抗原に結合する標識抗体が含まれている。
【0065】
その後、2次反応部80bの容器搬送部84が、捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)及び標識抗体を含むR3試薬が収容されたキュベットを攪拌し、攪拌された捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)及び標識抗体を含むR3試薬が、2次反応テーブル83の保持部83aのキュベット内で所定時間インキュベーションされ、その結果、捕捉抗体(R1試薬)を介して磁性粒子(R2試薬)と結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とが結合する。
【0066】
(2次反応部80bから2次B/F分離テーブル102への搬送工程)
ついでステップS29において、インキュベーションされた捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)及び標識抗体を含むR3試薬を収容したキュベット8が、2次反応部80bの容器搬送部84により、2次B/F分離テーブル102に搬送される。
【0067】
(2次B/F分離部100bによる不要成分除去工程)
ついでステップS30において、2次B/F分離テーブル102に保持されたキュベット内の磁性粒子は、1次B/F分離部100aにおける工程と同様に、当該キュベットの側方に配置される磁石により集磁される。そして、2次B/F分離部100bのノズル部がキュベット内に挿入されて、試料を吸引することにより、磁性粒子及び当該磁性粒子に捕捉抗体を介して結合する抗原を除く不要成分が除去される。なお、不要成分の除去をより確実に行うため、キュベット内に洗浄液を供給して撹拌し、その後、洗浄液とともに不要成分をノズル部によって除去する動作が繰り返し行われる。
【0068】
この後、不要成分が除去された標識抗体が結合した抗原を含む試料を収容したキュベットは、2次B/F分離テーブル102の回転によって2次反応部80bの容器搬送部84により搬送可能な位置まで移送される。
【0069】
(2次B/F分離テーブル102から2次反応部80bへの搬送工程)
ついでステップS31において、2次B/F分離部100bにより不要成分が除去されたキュベットは、2次反応部80bの容器搬送部84により、再び2次反応テーブル83の保持部83aに搬送される。
【0070】
(R4試薬分注工程)
ついでステップS32において、R4試薬分注部90dは、免疫分析装置1の下部に設置された図示しない試薬容器内のR4試薬(分散液)を、捕捉抗体(R1試薬)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)及び検体の抗原を収容したキュベット内にノズル部から吐出する。
【0071】
(R5試薬分注工程)
ついでステップS33において、R5試薬分注部90eは、免疫分析装置1の下部に設置される図示しない試薬容器内のR5試薬を、捕捉抗体(R1試薬)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)、分散液(R4試薬)及び検体の抗原を収容したキュベット内にノズル部から吐出する。R5試薬には、R3試薬の標識抗体と反応して発光する発光基質が含まれている。
【0072】
そして、2次反応部80bの容器搬送部84が、捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)、分散液(R4試薬)及び発光基質を含むR5試薬が収容されたキュベットを攪拌する。攪拌された捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)、分散液(R4試薬)、及び発光基質を含むR5試薬は、2次反応テーブル83の保持部83aのキュベット内で所定時間インキュベーションされる。
【0073】
(測定(測光)工程)
その後、ステップS34において、インキュベーションされた捕捉抗体(R1試薬)、抗原(検体)、磁性粒子(R2試薬)、標識抗体(R3試薬)、分散液(R4試薬)及び発光基質を含むR5試薬を収容したキュベットは、検出部120の搬送機構部121により測定位置に搬送される。そして、R3試薬の標識抗体とR5試薬の発光基質との反応過程で生じる発光量(光子の数に比例する量)が光電子増倍管(図示せず)で取得される。なお、取得された測定結果は、図4のステップS3において、制御部400aに送信される。
【0074】
なお、測定済の試料が収容されたキュベットは、検出部120の搬送機構部121により吸引部(図示せず)の下方の位置に搬送され、吸引部によって測定済の試料が吸引されて空になった後、搬送機構部121により廃棄用孔130に対応する位置まで搬送され、廃棄用孔130を介して免疫分析装置1の下部に配置される図示しないダストボックスに廃棄される。
【0075】
[測定ユニットの各機構部の動作エラー(異常)検出]
図2に示すように、測定ユニット2の検体分注部50、試薬テーブル60、試薬分注部90、1次,2次反応部80a,80b、1次,2次B/F分離部100a,100b、1次,2次B/F分離テーブル101,102、検出部120等の各機構部は、それぞれモータ50m、60m、80am、80bm、90m、100am、100bm、101m、102mによって駆動されるように構成されている。例えば、検体分注部50、試薬分注部90、及び1次,2次B/F分離部100a,100bは検体や試薬等を吸引、吐出するためのノズル部を備え、このノズル部をモータによって上下に移動させたり、回動(旋回)させたりするように構成されている。また、試薬テーブル60、1次,2次反応テーブル81,83(図1参照)、1次,2次B/F分離テーブル101,102は、モータによって回転するように構成されている。
【0076】
また、各機構部の動作状況は、センサ50s、60s、80as、80bs、90s、100as、100bs、101s、102s、120sによって検出されるように構成されている。このセンサは、各機構部の原点位置(動作始点(終点)位置)を検出する接触型又は非接触型(透過型)の原点位置センサ、モータのパルス数を検出するエンコーダ、ノズル部が障害物に衝突したことを検出する衝突センサ、テーブルに保持されたキュベットを検出するセンサ等を含む。
測定ユニット2の測定制御部140は、各センサから検出結果を取得し、その検出結果を解析する。そして、その解析によって各機構部に動作エラーが発生していると判断した場合には、そのエラー信号を制御装置400に送信する。
【0077】
(動作エラーの例)
例えば、試薬分注部90a〜90cは、試薬テーブル60a,60bから試薬を吸引し、1次反応部80aの1次反応テーブル81の保持部81aに保持されたキュベットに試薬を吐出し、その後原点位置に復帰する。しかし、これらの動作を終えても原点位置に復帰していないことが原点位置センサにより検出された場合、測定制御部140は、試薬分注部90a〜90cに異常が発生している旨のエラー信号を送信する。
【0078】
また、検体分注部50は、原点位置と検体の吸引位置(試験管3の位置)との間でノズル部を移動させるときに、この移動距離に対応した駆動パルス数だけモータの軸を回転するように測定制御部140から指令を受ける。しかし、エンコーダにより検出されたモータの実パルス数と、指令された駆動パルス数との差が所定以上あった場合、モータが故障したか検体分注部50のアーム部51等が障害物に衝突したことが考えられる。したがって、このような場合には、測定制御部140は、検体分注部50に異常が発生している旨のエラー信号を制御装置400に送信する。
【0079】
制御装置400は、測定制御部140からエラー信号を受けると、そのエラー信号に応じた制御を測定ユニット2の各機構部に対して行う。以下、この処理(異常制御処理)について詳細に説明する。
【0080】
[測定ユニットの異常制御処理]
本実施の形態の制御装置400は、測定ユニット2の測定プロセス(図5参照)を論理的に3つのステージ(第1ステージ〜第3ステージ)に分け、異常がどのステージで発生したかに基づいて、各機構部の動作を制御するように構成されている。この第1〜第3ステージは、あるステージで発生した所定の異常が、それよりも下流側(後工程)の他のステージには影響を与えないが、同じステージ内の他の動作には影響を及ぼすという関係をもって設定されている。
【0081】
具体的に、本実施の形態では、図5に示すように、測定スタートからステップS28までのプロセスを第1ステージST1、ステップS29からステップS31までのプロセスを第2ステージST2、さらにステップS32から測定終了までのプロセスを第3ステージST3として設定している。以下、各ステージについて詳しく説明する。
【0082】
(第1ステージの詳細)
第1ステージST1は、測定開始から、試薬分注部90cがR3試薬を試薬テーブル60aから2次反応部80bのキュベットに分注する動作まで(次の2次B/F分離テーブル102へのキュベットの搬送を行う手前まで)のプロセスである(ステップS21〜ステップS28)。
【0083】
この第1ステージST1においてある機構部に所定の異常が生じると、同じ第1ステージST1内の他の機構部は何らかの影響を受けることがある。例えば、試薬分注部90aがR1試薬を1次反応部80aのキュベットに分注する動作中(図5のステップS22)に異常が発生した場合を想定して説明する。
例えば、試薬分注部90aのピペットが1次反応部80aのキュベット内に挿入された状態でモータが異常により停止した場合、1次反応部80aの1次反応テーブル81をそのまま回転させてしまうと、試薬分注部90aのアーム部91やピペットを破損する可能性がある。また、1次反応テーブル81を適切に回転させることができなくなる恐れがあるため、1次反応テーブル81のキュベットに直接作用する他の機構部、例えば、キュベットに対して検体やR2試薬の分注を行う検体分注部50や試薬分注部90b、1次B/F分離テーブル101との間でキュベットの搬送を行う容器搬送部82を適切に動作させることができなくなる。したがって、当該異常は、図5のステップS23〜ステップS25の動作にも影響を及ぼす。
【0084】
また、試薬分注部90aのピペットが、試薬テーブル60aの試薬容器に挿入された状態でモータが異常により停止した場合、試薬テーブル60aをそのまま回転させてしまうと、試薬分注部90aのアーム部91やピペットを破損する可能性がある。また、試薬テーブル60aを適切に回転させることができなくなる恐れがあるので、試薬テーブル60aに直接作用する他の機構部、例えば、R3試薬を吸引する試薬分注部90cを適切に動作させることができなくなる。したがって、当該異常は、ステップS28の動作にも影響を及ぼす。
【0085】
(第2ステージの詳細)
一方、第2ステージST2は、2次反応テーブル83から2次B/F分離テーブル102にキュベットを搬送し、2次B/F分離部100bで2次B/F分離処理を行った後にキュベットを再び2次反応テーブル83へ搬送するまで(試薬分注部90dによりR4試薬を分注する手前まで)のプロセス(図5のステップS29〜S31)である。したがって、第1ステージST1における前述の異常には影響されずに動作を行うことが可能である。
【0086】
また、この第2ステージST2において所定の異常が生じると、同じ第2ステージ内の他の動作も影響を受けることがある。例えば、2次B/F分離テーブル102から2次反応テーブル83へキュベットを搬送する動作(図5のステップS31)において、容器搬送部84が2次B/F分離テーブル102上のキュベットを取り損ねた場合、その後の2次B/F分離処理も行えなくなる。したがって、当該異常は、ステップS29,S30の動作にも影響を及ぼす。
【0087】
(第3ステージの詳細)
他方、第3ステージST3は、試薬分注部90dがR4試薬を2次反応テーブル83のキュベットに分注する動作から、測定終了(検出部120の動作終了)までのプロセス(図5のステップS32〜S34)であり、2次B/F分離後のキュベットが2次反応テーブル83へ戻ってからの処理であるので、第2ステージST2で発生した前述の異常の影響を受けることはない。
【0088】
この第3ステージST3においてある機構部に所定の異常が生じると、同じ第3ステージST3の他の機構部は何らかの影響を受けることがある。例えば、試薬分注部90dが2次反応テーブル83のキュベットにR4試薬を分注する動作中(図5のステップS32)に異常が発生した場合、2次反応テーブル83のキュベットに直接作用するR5試薬用の試薬分注部90eや、2次反応テーブル83からキュベットを搬送する検出部120の搬送機構121の動作を適切に行えないことがある。したがって、当該異常は、ステップS33,S34にも影響を及ぼす。
【0089】
(制御装置による異常制御プロセス)
制御装置400は、第1ステージST1において、ある機構部に所定の異常が発生した場合、第1ステージのプロセスを停止し、第2、第3ステージST2,ST3のプロセスを継続させるように測定ユニット2を制御する。
また、第2ステージST2において、ある機構部に所定の異常が発生した場合、第1,第2ステージのプロセスを停止し、第3ステージST3のプロセスを継続させるように測定ユニット2を制御する。
さらに、第3ステージST3において、ある機構部に所定の異常が発生した場合は、第1〜第3ステージの全てのプロセスを停止するように測定ユニット2を制御する。
【0090】
このような測定ユニット2の異常制御の流れを図6を参照して説明する。図6は、測定制御部140からエラー信号を受けた制御装置400が行う異常制御の処理フローを示す図である。
まず、制御装置400の制御部400aは、ステップS121において、エラー信号によって認識される異常が、R1〜R3試薬用の試薬分注部90a〜90c、検体分注部50、又は1次B/F分離部100aにおいて発生した所定の異常であるか否か、すなわち、前述の第1ステージST1において発生した所定の異常であるか否かを判断する。当該異常が、R1〜R3試薬用の試薬分注部90a〜90c、検体分注部50、又は1次B/F分離部100aにおいて発生した所定の異常であると判断された場合には、ステップS122へ処理が進められ、そうでない場合は、ステップS123へ処理が進められる。
【0091】
ステップS122において、制御部400aは、R1〜R3試薬用の試薬分注部90a〜90cの分注動作、検体分注部50の分注動作、1次B/F分離部100aの分離動作、1次B/F分離テーブル101の移送動作、及び1次反応部80a(1次反応テーブル81)の移送動作を停止するように、これらを制御する。また、これら以外の機構部である、2次B/F分離部100b、2次B/F分離テーブル102、R4,R5試薬分注部90d,90e、2次反応部80b、及び検出部120の動作を継続するように、これらを制御する。すなわち、第1ステージST1のプロセスを停止し、第2ステージST2及び第3ステージST3のプロセスをそのまま継続して行う。そのため、既に第1ステージにおいてR1〜R3試薬が分注された検体は、第2,第3ステージST2,ST3を経て測定まで行われることになり、試薬や検体の無駄を抑制することができる。
【0092】
また、R1〜R3試薬用の試薬分注部90a〜90c、検体分注部50、1次B/F分離部100a、1次B/F分離テーブル101、及び1次反応部80a(1次反応テーブル81)の動作が停止されるので、これらの動作を継続することに起因する部品の破損等を防止することができる。
なお、試薬分注部90a〜90c、検体分注部50、1次B/F分離部100a、1次B/F分離テーブル101、及び1次反応部80a(1次反応テーブル81)は、動作を完全に停止してもよいし、分注動作および移送動作など、部品が破損する可能性のある動作のみ停止してもよい。
【0093】
次に、ステップS123において、制御部400aは、当該異常が2次B/F分離部100bに関する動作において発生した所定の異常であるか否か、すなわち、第2ステージST2において発生した所定の異常であるか否かを判断する。当該異常が、容器搬送部84や2次B/F分離部において発生した所定の異常であると判断された場合には、ステップS125へ処理が進められ、そうでない場合は、ステップS124へ処理が進められる。
【0094】
ステップS124において、制御部400aは、R1〜R3試薬用の試薬分注部90a〜90cの分注動作、検体分注部50の分注動作、1次,2次B/F分離部100a,100bの分離動作、1次,2次B/F分離テーブル101、102の移送動作、及び1次反応部80a(1次反応テーブル81)の移送動作を停止するように、これらを制御する。また、これら以外の機構部である、R4,R5試薬分注部90d,90e、2次反応部80b(2次反応テーブル83)、及び検出部120の動作を継続するように、これらを制御する。すなわち、第1,第2ステージST1,ST2のプロセスを停止し、第3ステージST3のプロセスをそのまま継続して行う。したがって、既に第1ステージST1においてR1〜R3試薬が分注され且つ第2ステージST2において2次B/F分離処理を終えた検体は、第3ステージST3を経て測定まで行われるので、試薬や検体の無駄を抑制することができる。
【0095】
ステップS125において、制御部400aは、当該異常がR4,R5試薬用の試薬分注部90d,90e、検出部120において発生した所定の異常であるか否か、すなわち、第3ステージST3で発生した所定の異常であるか否かを判断する。当該異常が、R4,R5試薬用の試薬分注部90d,90e又は検出部120において発生した所定の異常であると判断された場合には、ステップS127へ処理が進められ、そうでない場合は、ステップS126へ処理が進められる。
【0096】
ステップS126において、制御部400aは、R1〜R5試薬用の試薬分注部90a〜90eの分注動作、検体分注部50の分注動作、1次,2次B/F分離部100a,100bの分離動作、1次,2次B/F分離テーブル101,102の移送動作、1次,2次反応部80a,80b(1次,2次反応テーブル81,83)の移送動作、及び検出部120の検出動作を停止するように、これらを制御する。すなわち、第1〜第3ステージST1〜ST3のプロセス全てを停止する。
【0097】
ステップS127において、制御部400aは、当該異常が各機構部の動作に関するものではなく別の原因によるものと判断し、その原因に応じた処理(その他の処理)を行う。このような異常としては、例えば、測定動作中にある試薬がなくなったために、当該試薬を分注できなくなった場合等が該当する。この場合、制御部400aは、測定ユニット2の各機構部の動作を継続し、その試薬を用いる測定項目のみをスキップするように、測定ユニット2を制御する。
【0098】
[本実施の形態と本発明との対応関係]
本発明(請求項1)において、検体や試薬等が収容される容器を保持し、この容器を所定位置に移送する第1保持部は、本実施の形態において、例えば、キュベット(容器)を保持して移送する1次反応テーブル81が該当する。この場合、第1機構部は、例えば、本実施の形態における試薬分注部90a,90b、検体分注部50、容器搬送部82等が該当する。これらは第1ステージST1のプロセスで動作する機構部である。
【0099】
また、本発明において、第2機構部は、本実施の形態において、例えば、第1保持部を1次反応テーブル81とした場合の2次B/F分離部100b等が該当する。これは、第2ステージST2のプロセスで動作する機構部である。
また、本発明の異常制御手段は、本実施の形態において、第1ステージST1で異常が発生した場合に、第1ステージST1で動作する各機構部の動作を停止し、第2ステージST2で動作する機構部は動作を継続するように測定ユニット2を制御する制御装置400が該当する。
【0100】
本発明(請求項4)において、第3機構部は、本実施の形態において、例えば、第2機構部を2次B/F分離部100bとした場合の、R4,R5試薬用の試薬分注部90d,90eや検出部120等が該当する。
もっとも、このような本発明と本実施の形態との対応関係は1つの例示であり、これに限定されるものではない。
【0101】
本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。例えば、本発明は、免疫分析装置に限らず、血液凝固測定装置、多項目血球分析装置、尿中有形成分分析装置、遺伝子増幅測定装置等の他の分析装置にも適用可能である。
また、1次反応テーブル81から2次B/F分離テーブル102へのキュベット(容器)の移送は、複数の機構部を用いて行われているが、単一の機構部を用いて移送してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置(検体分析装置)の全体構成を示す平面説明図である。
【図2】図1に示される免疫分析装置の測定ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示される免疫分析装置の測定制御部及び制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示される免疫分析装置の分析処理全体のフローを示す図である。
【図5】図1に示される免疫分析装置の測定処理のフローを示す図である。
【図6】図1に示される免疫分析装置の制御装置による異常制御処理のフローを示す図である。
【符号の説明】
【0103】
1 免疫分析装置
2 測定ユニット
50 検体分注部
60a、60b 試薬設置部
80a 1次反応部
80b 2次反応部
81 1次反応テーブル
90a〜90e 試薬分注部
100a 1次B/F分離部
100b 2次B/F分離部
120 検出部
140 測定制御部
400 制御装置
400a 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体、試薬、及びそれらの混合物のうち少なくとも1つを収容する容器を保持し、この容器を所定位置に移送する第1保持部と、
前記第1保持部に保持された前記容器に対して所定の第1動作を実行する第1機構部と、
前記容器を保持する第2保持部と、
前記容器を前記第1保持部から前記第2保持部に移送する移送機構部と、
前記第2保持部に保持された前記容器に対して所定の第2動作を実行する第2機構部と、
前記第1機構部に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、
前記第1機構部に異常が発生したことを前記異常検出手段が検出したときに、前記第1機構部の前記第1動作及び前記第1保持部の移送動作を停止し且つ前記第2機構部の前記第2動作を継続するよう、前記第1保持部と前記第1,第2機構部との動作を制御する異常制御手段とを備えていることを特徴とする検体分析装置。
【請求項2】
前記第2機構部に異常が発生したことを検出する第2異常検出手段をさらに備え、
前記異常制御手段は、前記第2機構部に異常が発生したことを前記第2異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の前記第1動作と前記第2機構部の前記第2動作とを停止するよう、前記第1保持部と前記第1,第2機構部との動作を制御する請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項3】
前記第1機構部が複数備えられており、
前記異常制御手段は、いずれかの前記第1機構部に異常が発生したことを前記異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と全ての前記第1機構部の前記第1動作とを停止するよう、前記第1保持部及び前記第1機構部の動作を制御する請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項4】
前記容器を保持する第3保持部と、
前記容器を前記第2保持部から前記第3保持部に移送する移送機構部と、
前記第3保持部に保持された前記容器に対して所定の第3動作を実行する第3機構部とをさらに備え、
前記異常制御手段は、前記第1機構部に異常が発生したことを前記異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の前記第1動作とを停止し且つ前記第2機構部の前記第2動作と前記第3機構部の前記第3動作とを継続するよう、前記第1保持部と前記第1,第2及び第3機構部との動作を制御する請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項5】
前記第2機構部に異常が発生したことを検出する第2異常検出手段をさらに備え、
前記異常制御手段は、前記第2機構部に異常が発生したことを前記第2異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の前記第1動作と前記第2機構部の前記第2動作とを停止し且つ前記第3機構部の前記第3動作を継続するよう、前記第1保持部と前記第1,第2及び第3機構部との動作を制御する請求項4に記載の検体分析装置。
【請求項6】
前記第3機構部に異常が発生したことを検出する第3異常検出手段をさらに備え、
前記異常制御手段は、前記第3機構部に異常が発生したことを前記第3異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作、前記第1機構部の前記第1動作、第2機構部の前記第2動作、及び前記第3機構部の前記第3動作を停止するよう、前記第1保持部と前記第1,第2及び第3機構部との動作を制御する請求項4又は5に記載の検体分析装置。
【請求項7】
前記第1機構部が、前記容器に試薬を分注する試薬分注部である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の検体分析装置。
【請求項8】
前記第2機構部が、前記容器に収容された液体にB/F分離処理を施すB/F分離部である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の検体分析装置。
【請求項9】
検体、試薬、及びそれらの混合液のうち少なくとも1つを収容する容器を保持する第1保持部によって、前記容器を所定位置に移送するステップと、
前記第1保持部に保持された前記容器にアクセス可能に構成された第1機構部が、前記第1保持部に保持された前記容器に対して所定の第1動作を実行するステップと、
前記容器を前記第1保持部から第2保持部に移送するステップと、
前記第2保持部に保持された前記容器に対して第2機構部が所定の第2動作を実行するステップと、
前記第1機構部に異常が発生したことを異常検出手段が検出したときに、前記第1保持部の移送動作と前記第1機構部の前記第1動作を停止し且つ前記第2機構部の前記第2動作を継続するよう、前記第1保持部と前記第1,第2機構部との動作を制御するステップと、
を備えていることを特徴とする検体分析装置における異常制御方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の検体分析装置に備わったコンピュータを、前記異常制御手段として機能させるための検体分析装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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