検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサ及びこれを用いる装置
検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサ及びこれを用いる装置に関する。本発明の生体物質測定センサは、生体物質導入口を備えて検出器に着脱する3次元状の本体部と、生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され、生化学反応によって生じる信号を検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、反応電極の上に固定されて生体物質と生化学反応する分析試薬とを含む。センサ部は、本体部と共に生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら、反応電極が反応チャンバに向くように本体部につけられる。本発明によれば、老弱者であっても着脱が容易にでき、センサ汚染も最小化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサ及びこれを用いる装置に関し、目の悪いユーザや身体の不自由なユーザでも着脱可能であってセンサの汚染を最小化することができる構造の生体物質測定センサ及びこれを用いる測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサ(biosensor)は、生物が有する機能を利用して物質の性質などを調査する測定装置である。このようなバイオセンサは生体物質を探知する素子として用いるので、感度と反応特異性が優れている。よって、バイオセンサは、臨床化学分析、バイオ産業の工程計測、環境計測、化学物質の安全性評価などと、広範囲な分野で広く利用されていて、その範囲は継続的に拡大されつつある。特に、医薬診断分野においては、試料を含む生体試料を分析するためのバイオセンサが多く用いられている。バイオセンサは、探知素子の種類によって酵素分析法と免疫分析法とに分類され、生体試料内の目的物質を定量分析する方法によって光学的バイオセンサと電気化学的バイオセンサとに分類される。
【0003】
酵素分析法バイオセンサは、酵素と基質、酵素と酵素阻害剤の特異的な反応を利用するものであって、免疫分析法バイオセンサは抗原と抗体の特異的な反応を利用するものである。
【0004】
光学的バイオセンサは、光透過度、吸光度または波長変化を測定して目的物質の濃度を測定する方法であって、最も一般に用いられた方法である。分析しようとする多様な物質の反応メカニズムは既に明らかであって、十分な時間反応が行われた後に測定するので、測定時間に対する偏差が少ないという長所がある。しかしながら、電気化学的バイオセンサに比べて測定時間が長く、多量の試料が必要とされるという問題点があった。また、試料の混濁度により測定結果に影響を与え、光学部の小型化が困難であるという問題点があった。
【0005】
電気化学的バイオセンサは、反応によって得られる電気信号を測定して目的物質の濃度を測定する方法である。電気化学的バイオセンサは、極少量の試料であっても信号増幅が可能で小型化が容易であって、測定信号を安定的に獲得することができ、情報通信機器などと容易に融合することができるという長所がある。しかし、電極の製造工程が別途必要とされるなど、生産コストが高く、測定信号が反応時間に非常に敏感であるという短所があった。
【0006】
一方、従来のバイオセンサは一般に平面ストリップ構造(planar strip structure)をしている。ユーザはバイオセンサを用いて、例えば、血糖を測定する際に検出器の狭いスリットに平面ストリップ構造のバイオセンサを挿入しなければならない。しかしながら、例えば、糖尿病患者や老弱者は目の悪い場合が多いため、狭いスリットに平面ストリップ構造のバイオセンサを挿入することは容易ではない。また、血糖を測定した後に検出器からバイオセンサを取り外す際にユーザは血液がついている部分の周りを手に取って抜いて捨てることになるが、このとき手に血液がつく恐れがあるため、ユーザは不便を感じることになる。また従来のストリップ型バイオセンサは、ユーザにより検出器に挿入される際、汚染されやすいなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、目の悪いユーザでも着脱が容易なバイオセンサを提供することを一目的とする。
【0008】
また、本発明は、外部からのセンサの汚染を最小化することができるバイオセンサを提供することを他の目的とする。
【0009】
本発明の目的は、上述で言及した目的に制限されず、また、ここで言及のない本発明の他の目的及び長所は下記の説明によって理解されることができ、本発明の実施例によってさらに明確に理解することができる。また、本発明の目的及び長所は特許請求の範囲に示す手段及びその組み合わせによって実現されることを理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するための本発明は、検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサにおいて、生体物質導入口を備え前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され、前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬とを含み、前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部に結合されることを一つの特徴とする。
【0011】
また、本発明は、検出器と測定センサを備える生体物質測定装置において、前記測定センサは、生体物質導入口を備え前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬とを含み、前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部に結合され、前記検出器は、前記本体部が前記検出器につけられる際に前記の伝導電極と電気的に接続されるコネクタを含むことを他の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明による生体物質測定装置は、目の悪いユーザでも簡単に使用することができる。また本発明による生体物質測定装置は、外部からのセンサの汚染を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(a)は、本発明の一実施例による生体物質の測定装置を説明する図であり、(b)は、図1(a)の生体物質測定装置でバイオセンサが検出器から離脱された状態を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例によるバイオセンサの側断面図である。
【図3】図3は、図2におけるセンサ固定部の構造を説明する図である。
【図4】図4(a)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図であり、(b)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図で、(c)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図である。
【図5】図5(a)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図であり、(b)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図で、(c)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図で、(d)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図で、(e)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図である。
【図6】図6は、バイオセンサがセンサケースに収納された状態を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例による生体物の質測定装置を説明する図である。
【図8】図8は、図7のA部分にバイオセンサが離脱された状態の検出器の構造を説明する図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施例によるバイオセンサの構造を説明する図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施例によるバイオセンサが複数個製造される形態を説明する図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施例によるバイオセンサが複数個収納される状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述の目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して後述する詳細な説明によってより明確になるものであって、それによって本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。また、本発明の説明において、本発明と係わる公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不要に混乱させると判断された場合には、その詳細な説明を省略するものとする。以下、添付の図面を参照しながら本発明による好適な実施例を詳しく説明する。
【0015】
図1(a)は、本発明の一実施例による生体物質測定装置を説明する図面であり、図1(b)は、図1(a)の生体物質測定装置においてバイオセンサが検出器からはずされた状態を説明する図である。
【0016】
図示のように、生体物質測定装置100は、検出器102と3次元状のバイオセンサ104からなる。検出器102とバイオセンサ104は、凹凸構造により結合されることができる。図1(a)及び図1(b)には、凹凸構造の一例として、バイオセンサ104に形成された溝に検出器102の突起が挿入された形態で検出器102とバイオセンサ104とが結合される生体物質測定装置100が示されている。逆に、検出器に形成された溝にバイオセンサの突起が挿入された形態で検出器とバイオセンサが結合されることもできる。凹凸構造でバイオセンサと検出器とが結合される場合には、凹凸構造の形成のため追加的な製造工程が不要であり、バイオセンサと検出器とを機械的な力で結合するだけではなく、検出器の機械的な力で結合が解除され容易にはずすことができるという長所がある。
【0017】
検出器とバイオセンサとは、磁性によって整列及び結合させてもよい。そのために、検出器はコネクタ112またはその付近に永久磁石や電磁石を備えることができる。電磁石を用いる場合、エゼクタボタン106は、電磁石への電源をオフにし、電磁石が磁性を失うことでバイオセンサをはずすことができる。検出器からバイオセンサをはずすために、永久磁石は弱磁性である必要がある。永久磁石を用いる場合、検出器には永久磁石を設け、バイオセンサには常磁性体を設けることが好ましい。
【0018】
バイオセンサ104は、生体物質導入口110を介して生体物質を導入し、バイオセンサ104の内部に備えられた試薬と導入された生体物質との生化学反応により電気信号を生成して検出器102に伝達する。試薬は、導入された生体物質と生化学反応を起こす酵素などが含まれている。検出器102は、内蔵されたマイクロプロセッサ(図示せず)を用いてバイオセンサ104から伝達される電気信号を分析して、導入された生体物質に含まれている、例えば、血糖のような分析物質の濃度を測定し、ディスプレイ108を通して分析物質の濃度を表示する。分析物質の濃度を測定した後、ユーザがエゼクタボタン106を押すかまたはスライドさせると、検出器102からバイオセンサ104をはずすことができる。
【0019】
図1(b)に示すように、検出器102において、バイオセンサ104がつけられる部分には、溝部114が形成されていて、バイオセンサ104には、この溝部114に係合されるフック部(図示せず)が形成されている。コネクタ112は、バイオセンサ104と電気的に接続されてバイオセンサ104から伝達される電気信号を、検出器102に内蔵された信号分析用マイクロプロセッサに送る。コネクタ112において、バイオセンサ104と電気的に接続される部分の反対部分には、バイオセンサ104が検出器102につけられる方向に弾性力を提供する弾性体(図示せず)が備えられる。弾性体は、コネクタ112をバイオセンサ104とさらに密着させる。また、検出器102とバイオセンサ104が凹凸構造により結合されていてもコネクタ112またはその周りに電磁石や永久磁石を備えることが好ましい。分析物質の濃度を測定した後、バイオセンサ104を検出器102からはずす際に問題なくはずれるように永久磁石を弱磁性にする必要がある。
【0020】
図2は、本発明の一実施例によるバイオセンサの側断面図である。
【0021】
本体部202は、検出器102からコネクタ112が形成された部分に挿入されてバイオセンサ104が検出器102につけられるようにする。本体部202の内形状は、検出器102にバイオセンサ104がつけられる部分の外形状と同一形状を有することが好ましい。本体部202は、検出器102に結合することができ、積層させて覆うことができる3次元形状、例えば中空の円錐または角錐状などを有することが好ましい。
【0022】
センサ固定部210は、センサ部208を本体部202に固定させる。図3は、センサ固定部210の構造を説明する図である。センサ固定部210は、センサ部208の伝導電極と検出器102のコネクタ112との電気的接続のために内部に穴304が形成されている。フック部212は、バイオセンサ104が検出器102につけられる際、検出器102の溝部114に係合されて、バイオセンサ104を検出器102に安定的に結合させる。センサ固定部210としてホットメルト(hot melt)フィルムを使用することができる。また、センサ固定部210は、融着作業だけで本体部202に固定されるか、あるいは融着なしで組み立てるだけで本体部202に固定することができる。
【0023】
図2に示すように、反応チャンバ206は、試料経路204を介して生体物質導入口110と接続される。試料経路204は、反応チャンバ206への試料流入が容易になるように毛細管に形成される。血液のような生体物質は、試料経路204による毛細管現象により生体物質導入口110に導入されて反応チャンバ206に流入される。
【0024】
生体物質導入口110は、例えば血液をバイオセンサ104に導入するために、指を接触させた際に指により生体物質導入口110が完全に塞がれることで、生態物質の導入が抑制されることを防止するために突出形状を有することが好ましい。本体部202が円錐または角錐状を有する場合、生体物質導入口110は円錐または角錐状の頂点に形成される。
【0025】
センサ部208から反応チャンバ206に向う面には、複数個の反応電極(図示せず)が形成されており、反応電極を横切って反応試薬が固定される。反応試薬は、反応チャンバ206内に流入された生体物質と生化学反応を起こして電気信号を生成し、生成された電気信号は反応電極に伝達される。反応電極に伝達された電気信号は、センサ部208の他面に形成されている複数の伝導電極を介して検出器102に伝達される。センサ部208は、本体部202と共に反応チャンバ206を形成しながら一面に形成された複数の反応電極(図示せず)が反応チャンバ206に向くように本体部202につけられる。
【0026】
図4(a)ないし図4(c)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図である。図4(a)は、自動コーディング用センサ部の裏面を示し、図4(b)は、測定用センサ部の前面を示し、図4(c)は、測定用センサ部の裏面を示す。センサ部222、226は、通常の薄膜蒸着技術、めっき技術、印刷電子技術などで容易に製作することができる、そのうち最も簡単に製作できるのは、印刷回路基板(Printed Circuit Board:PCB)である。
【0027】
図4(a)において、自動コーディング用センサ部222の裏面に形成された電極224は、現在、検出器につけられているバイオセンサが自動コーディング用であることと、その後生体物質を測定するために検出器102につけて用いるバイオセンサ104の特性などとを、抵抗値を利用して検出器102に知らせる。生体物質を測定するための目的ではないため、反応チャンバ206に向う前面には反応電極や反応試薬が形成されない。
【0028】
図4(b)に示すように、反応チャンバ206に向う測定用センサ部226の前面には、複数の反応電極228が形成され、反応電極228上には分析物質と生化学反応を起こして電気信号を生成する分析試薬230が固定される。図4(c)に示すように、測定用センサ部226の裏面には、生化学反応によって生成された電気信号を検出器102に伝達する伝導電極232、234が形成される。反応電極228と伝導電極232、234は、センサ部226を貫通する伝導体(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0029】
図5(a)ないし図5(e)は、本発明による生体物質測定装置を使用する手順を例示する図である。
【0030】
まず、図5(a)に示すように、ユーザは検出器402とバイオセンサ404を準備する。検出器402には、測定結果を表示する手段であるディスプレイ部412と、既に使用したバイオセンサ404を離脱させるエゼクタ414を備える。ディスプレイ部412としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などが用いられる。バイオセンサ404は、ケース406に積層されて収納されている。次に、ユーザは、コネクタ(図1の112)が露出されている検出器402をケース406に挿入することで、ケース406に積層された最も上のバイオセンサを検出器402につける。上述したように検出器402にバイオセンサを整列及びつけることを容易にするために、コネクタまたはその付近に磁性物質を設けることが好ましい。
【0031】
次に、図5(c)に示すように、ユーザは、指に血410を出して生体物質導入口408を介してバイオセンサ内部に流入させる。生体物質導入口408に指を接触すると毛細管現象により反応チャンバ(図2の206)まで血がバイオセンサ内部に流入される。バイオセンサ内部に流入された血は、分析試薬と生化学反応を起こして電気信号を生成し、生成された電気信号は、検出器402により分析されて分析対象物質の濃度を計算する。計算された分析対象物質の濃度は、図5(d)に示すように、ディスプレイ部412を介してユーザに表示される。分析対象物質の濃度を、ディスプレイ部412を介して確認したユーザは、エゼクタボタン414を使用して、つけられていたバイオセンサを検出器402からはずせる。
【0032】
本実施例によれば、検出器402とバイオセンサ404を使用すると、ユーザは既存のように、バイオセンサを検出器の狭いスリットに挿入する必要はなく、検出器402の前の部分にはめればよいので、バイオセンサを検出器につけることが非常に容易である。また、バイオセンサが積層されているケース406を使用するか、または検出器402にコネクタまたはその付近に磁石を設けることで、バイオセンサを検出器につけることがさらに容易になる。このように、検出器にバイオセンサをつけることが簡単なので、バイオセンサ結合過程においてバイオセンサが汚染されることを効果的に防止することができる。
【0033】
また、本実施例によれば、検出器402がエゼクタ機能を備えなくてもバイオセンサが3次元形状を有するので、ユーザが検出器からバイオセンサをはずすことが容易である。検出器がエゼクタ機能を有する場合には、バイオセンサを手で握る必要なく、ただエゼクタボタン414を押すか、またはスライドさせればよいので、検出器からバイオセンサをはずすことがさらに簡単である。また既存のように測定後に、血がついたセンサストリップを手で検出器から抜く必要がないので、手に血がつく心配もない。
【0034】
図6は、バイオセンサがセンサケースに収納された状態を説明する図である。図6に示すように、3次元形状のバイオセンサ504は、検出器102との結合を容易にするために検出器102と着脱される部分が上向き状態にセンサケース502に収納されている。また、センサケース502の制限された空間に多量のバイオセンサ504を収納するために、互いに重畳した状態でセンサケース502に収納される。
【0035】
図7は、本発明の他の実施例による生体物質測定装置600を説明する図である。図8は、図7のA部分からバイオセンサ604がはずされた状態の検出器602の構造を説明し、図9は、バイオセンサ604の構造を説明する。
【0036】
図7に示すように、生体物質測定装置600は、検出器602とバイオセンサ604からなる。バイオセンサ604は、生体物質導入口802を介して生体物質を導入し、バイオセンサ604の内部に備えている試薬と導入した生体物質との生化学反応によって電気信号を生成して検出器602に伝達する。分析試薬は、導入した生体物質と生化学反応を起こす酵素などを含む。検出器602は、動作ボタン608の入力に従って内蔵されたマイクロプロセッサ(図示せず)を利用してバイオセンサ604から伝達される電気信号を分析し、導入された生体物質に含まれている分析物質の濃度を測定し、ディスプレイ606を通して分析物質の濃度を表示する。分析物質の濃度を測定した後、ユーザは、エゼクタボタン610を押すか、またはスライドさせると、エゼクタ706が導出してバイオセンサ604が検出器602からはずれる。
【0037】
図8に示すように、検出器602においてバイオセンサ604がつけられる部分702には溝部708が形成され、バイオセンサ604には、この溝部708と係合されるフック部804が形成される。コネクタ704は、バイオセンサ604と電気的に接続されてバイオセンサ604から伝達される電気信号を検出器602に内蔵された信号分析用マイクロプロセッサに送る。コネクタ704において、バイオセンサ604と電気的に接続される部分の反対部分には、バイオセンサ604が検出器602につけられる方向に弾性力を持たせる弾性体(図示せず)が備えられる。弾性体は、コネクタ704をバイオセンサ604とさらに密着させる。また、検出器602は、コネクタ704または付近に磁石(図示せず)を設けることが好ましい。磁石は、バイオセンサ604が検出器602の適切な位置につけられることを助ける。
【0038】
図9において、本体部801は検出器602においてコネクタ704が形成された部分にはめられバイオセンサ604が検出器602につけられるようにし、ある程度弾性力のあるプラスチック材質で形成されることが好ましい。本体部801の内形状は、検出器602においてバイオセンサ604がつけられる部分の外形状と同一形状を有する。本体部801は、開放された梯子形態を有する。フック部804は、バイオセンサ604が検出器602につけられる際に検出器602の溝部708に係合されてバイオセンサ604が検出器602に安定的につけられるようにする。
【0039】
生体物質導入口802とセンサ部806は、試料経路(図示せず)と反応チャンバ(図示せず)を経由して接続される。試料経路は、反応チャンバへの試料流入が容易にできるように毛細管で形成される。生体物質導入口802は、例えば血液をバイオセンサ604に導入するために指を接触した際、指により生体物質導入口802が完全に塞がれて、生体物質の導入が抑制されることを防止するために突出形状を有することが好ましい。生体物質導入口802は、本体部801の狭い上辺に形成される。
【0040】
センサ部806において、生体物質導入口802(または、反応チャンバ)に向う面には複数個の反応電極(図示せず)が形成され、反応電極を横切って反応試薬が固定される。反応試薬は、反応チャンバ内に流入された生体物質と生化学反応を起こして電気信号を生成し、生成された電気信号は、反応電極に伝達される。反応電極に伝達された電気信号は、センサ部806の他面に形成されている複数の伝導電極を介して検出器602に伝達される。センサ部806は、本体部801と共に反応チャンバを形成しながら一面に形成された複数の反応電極(図示せず)が反応チャンバに向くように、本体部801につけられる。センサ部806は、本体部801に接着剤などを介して接着されるか、または熱によって融着される。
【0041】
図10は、図9に示すバイオセンサが、一度で複数個製造される形態を説明する図である。図示のように、例えば10個のバイオセンサが側面につけられた形態に製造されると、製造工程を単純化することができる。このように製造されたバイオセンサは、複数個つけられた形態でユーザが携帯しながら使用時に1つずつ切断して使用することができる。バイオセンサの切断を容易にするために、バイオセンサとの間に切断溝が形成されている。
【0042】
図11は、図9に示すバイオセンサの複数個が層別に重なってケースに収納された状態を説明する図である。生体物質導入口802が下向きとなってバイオセンサがこのように重畳された状態でケース(図示せず)に収納されると、検出器602のA部分をケースに押し入れることで、バイオセンサを検出器に容易につけることができる。
【0043】
以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者において本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、さまざまな置換、変形及び変更が可能であって、上述の実施例及び添付図面によって限定されるのではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサ及びこれを用いる装置に関し、目の悪いユーザや身体の不自由なユーザでも着脱可能であってセンサの汚染を最小化することができる構造の生体物質測定センサ及びこれを用いる測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサ(biosensor)は、生物が有する機能を利用して物質の性質などを調査する測定装置である。このようなバイオセンサは生体物質を探知する素子として用いるので、感度と反応特異性が優れている。よって、バイオセンサは、臨床化学分析、バイオ産業の工程計測、環境計測、化学物質の安全性評価などと、広範囲な分野で広く利用されていて、その範囲は継続的に拡大されつつある。特に、医薬診断分野においては、試料を含む生体試料を分析するためのバイオセンサが多く用いられている。バイオセンサは、探知素子の種類によって酵素分析法と免疫分析法とに分類され、生体試料内の目的物質を定量分析する方法によって光学的バイオセンサと電気化学的バイオセンサとに分類される。
【0003】
酵素分析法バイオセンサは、酵素と基質、酵素と酵素阻害剤の特異的な反応を利用するものであって、免疫分析法バイオセンサは抗原と抗体の特異的な反応を利用するものである。
【0004】
光学的バイオセンサは、光透過度、吸光度または波長変化を測定して目的物質の濃度を測定する方法であって、最も一般に用いられた方法である。分析しようとする多様な物質の反応メカニズムは既に明らかであって、十分な時間反応が行われた後に測定するので、測定時間に対する偏差が少ないという長所がある。しかしながら、電気化学的バイオセンサに比べて測定時間が長く、多量の試料が必要とされるという問題点があった。また、試料の混濁度により測定結果に影響を与え、光学部の小型化が困難であるという問題点があった。
【0005】
電気化学的バイオセンサは、反応によって得られる電気信号を測定して目的物質の濃度を測定する方法である。電気化学的バイオセンサは、極少量の試料であっても信号増幅が可能で小型化が容易であって、測定信号を安定的に獲得することができ、情報通信機器などと容易に融合することができるという長所がある。しかし、電極の製造工程が別途必要とされるなど、生産コストが高く、測定信号が反応時間に非常に敏感であるという短所があった。
【0006】
一方、従来のバイオセンサは一般に平面ストリップ構造(planar strip structure)をしている。ユーザはバイオセンサを用いて、例えば、血糖を測定する際に検出器の狭いスリットに平面ストリップ構造のバイオセンサを挿入しなければならない。しかしながら、例えば、糖尿病患者や老弱者は目の悪い場合が多いため、狭いスリットに平面ストリップ構造のバイオセンサを挿入することは容易ではない。また、血糖を測定した後に検出器からバイオセンサを取り外す際にユーザは血液がついている部分の周りを手に取って抜いて捨てることになるが、このとき手に血液がつく恐れがあるため、ユーザは不便を感じることになる。また従来のストリップ型バイオセンサは、ユーザにより検出器に挿入される際、汚染されやすいなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、目の悪いユーザでも着脱が容易なバイオセンサを提供することを一目的とする。
【0008】
また、本発明は、外部からのセンサの汚染を最小化することができるバイオセンサを提供することを他の目的とする。
【0009】
本発明の目的は、上述で言及した目的に制限されず、また、ここで言及のない本発明の他の目的及び長所は下記の説明によって理解されることができ、本発明の実施例によってさらに明確に理解することができる。また、本発明の目的及び長所は特許請求の範囲に示す手段及びその組み合わせによって実現されることを理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するための本発明は、検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサにおいて、生体物質導入口を備え前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され、前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬とを含み、前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部に結合されることを一つの特徴とする。
【0011】
また、本発明は、検出器と測定センサを備える生体物質測定装置において、前記測定センサは、生体物質導入口を備え前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬とを含み、前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部に結合され、前記検出器は、前記本体部が前記検出器につけられる際に前記の伝導電極と電気的に接続されるコネクタを含むことを他の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明による生体物質測定装置は、目の悪いユーザでも簡単に使用することができる。また本発明による生体物質測定装置は、外部からのセンサの汚染を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(a)は、本発明の一実施例による生体物質の測定装置を説明する図であり、(b)は、図1(a)の生体物質測定装置でバイオセンサが検出器から離脱された状態を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例によるバイオセンサの側断面図である。
【図3】図3は、図2におけるセンサ固定部の構造を説明する図である。
【図4】図4(a)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図であり、(b)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図で、(c)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図である。
【図5】図5(a)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図であり、(b)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図で、(c)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図で、(d)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図で、(e)は、本発明による生体物質の測定装置を使用する手順を説明する図である。
【図6】図6は、バイオセンサがセンサケースに収納された状態を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例による生体物の質測定装置を説明する図である。
【図8】図8は、図7のA部分にバイオセンサが離脱された状態の検出器の構造を説明する図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施例によるバイオセンサの構造を説明する図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施例によるバイオセンサが複数個製造される形態を説明する図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施例によるバイオセンサが複数個収納される状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述の目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して後述する詳細な説明によってより明確になるものであって、それによって本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。また、本発明の説明において、本発明と係わる公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不要に混乱させると判断された場合には、その詳細な説明を省略するものとする。以下、添付の図面を参照しながら本発明による好適な実施例を詳しく説明する。
【0015】
図1(a)は、本発明の一実施例による生体物質測定装置を説明する図面であり、図1(b)は、図1(a)の生体物質測定装置においてバイオセンサが検出器からはずされた状態を説明する図である。
【0016】
図示のように、生体物質測定装置100は、検出器102と3次元状のバイオセンサ104からなる。検出器102とバイオセンサ104は、凹凸構造により結合されることができる。図1(a)及び図1(b)には、凹凸構造の一例として、バイオセンサ104に形成された溝に検出器102の突起が挿入された形態で検出器102とバイオセンサ104とが結合される生体物質測定装置100が示されている。逆に、検出器に形成された溝にバイオセンサの突起が挿入された形態で検出器とバイオセンサが結合されることもできる。凹凸構造でバイオセンサと検出器とが結合される場合には、凹凸構造の形成のため追加的な製造工程が不要であり、バイオセンサと検出器とを機械的な力で結合するだけではなく、検出器の機械的な力で結合が解除され容易にはずすことができるという長所がある。
【0017】
検出器とバイオセンサとは、磁性によって整列及び結合させてもよい。そのために、検出器はコネクタ112またはその付近に永久磁石や電磁石を備えることができる。電磁石を用いる場合、エゼクタボタン106は、電磁石への電源をオフにし、電磁石が磁性を失うことでバイオセンサをはずすことができる。検出器からバイオセンサをはずすために、永久磁石は弱磁性である必要がある。永久磁石を用いる場合、検出器には永久磁石を設け、バイオセンサには常磁性体を設けることが好ましい。
【0018】
バイオセンサ104は、生体物質導入口110を介して生体物質を導入し、バイオセンサ104の内部に備えられた試薬と導入された生体物質との生化学反応により電気信号を生成して検出器102に伝達する。試薬は、導入された生体物質と生化学反応を起こす酵素などが含まれている。検出器102は、内蔵されたマイクロプロセッサ(図示せず)を用いてバイオセンサ104から伝達される電気信号を分析して、導入された生体物質に含まれている、例えば、血糖のような分析物質の濃度を測定し、ディスプレイ108を通して分析物質の濃度を表示する。分析物質の濃度を測定した後、ユーザがエゼクタボタン106を押すかまたはスライドさせると、検出器102からバイオセンサ104をはずすことができる。
【0019】
図1(b)に示すように、検出器102において、バイオセンサ104がつけられる部分には、溝部114が形成されていて、バイオセンサ104には、この溝部114に係合されるフック部(図示せず)が形成されている。コネクタ112は、バイオセンサ104と電気的に接続されてバイオセンサ104から伝達される電気信号を、検出器102に内蔵された信号分析用マイクロプロセッサに送る。コネクタ112において、バイオセンサ104と電気的に接続される部分の反対部分には、バイオセンサ104が検出器102につけられる方向に弾性力を提供する弾性体(図示せず)が備えられる。弾性体は、コネクタ112をバイオセンサ104とさらに密着させる。また、検出器102とバイオセンサ104が凹凸構造により結合されていてもコネクタ112またはその周りに電磁石や永久磁石を備えることが好ましい。分析物質の濃度を測定した後、バイオセンサ104を検出器102からはずす際に問題なくはずれるように永久磁石を弱磁性にする必要がある。
【0020】
図2は、本発明の一実施例によるバイオセンサの側断面図である。
【0021】
本体部202は、検出器102からコネクタ112が形成された部分に挿入されてバイオセンサ104が検出器102につけられるようにする。本体部202の内形状は、検出器102にバイオセンサ104がつけられる部分の外形状と同一形状を有することが好ましい。本体部202は、検出器102に結合することができ、積層させて覆うことができる3次元形状、例えば中空の円錐または角錐状などを有することが好ましい。
【0022】
センサ固定部210は、センサ部208を本体部202に固定させる。図3は、センサ固定部210の構造を説明する図である。センサ固定部210は、センサ部208の伝導電極と検出器102のコネクタ112との電気的接続のために内部に穴304が形成されている。フック部212は、バイオセンサ104が検出器102につけられる際、検出器102の溝部114に係合されて、バイオセンサ104を検出器102に安定的に結合させる。センサ固定部210としてホットメルト(hot melt)フィルムを使用することができる。また、センサ固定部210は、融着作業だけで本体部202に固定されるか、あるいは融着なしで組み立てるだけで本体部202に固定することができる。
【0023】
図2に示すように、反応チャンバ206は、試料経路204を介して生体物質導入口110と接続される。試料経路204は、反応チャンバ206への試料流入が容易になるように毛細管に形成される。血液のような生体物質は、試料経路204による毛細管現象により生体物質導入口110に導入されて反応チャンバ206に流入される。
【0024】
生体物質導入口110は、例えば血液をバイオセンサ104に導入するために、指を接触させた際に指により生体物質導入口110が完全に塞がれることで、生態物質の導入が抑制されることを防止するために突出形状を有することが好ましい。本体部202が円錐または角錐状を有する場合、生体物質導入口110は円錐または角錐状の頂点に形成される。
【0025】
センサ部208から反応チャンバ206に向う面には、複数個の反応電極(図示せず)が形成されており、反応電極を横切って反応試薬が固定される。反応試薬は、反応チャンバ206内に流入された生体物質と生化学反応を起こして電気信号を生成し、生成された電気信号は反応電極に伝達される。反応電極に伝達された電気信号は、センサ部208の他面に形成されている複数の伝導電極を介して検出器102に伝達される。センサ部208は、本体部202と共に反応チャンバ206を形成しながら一面に形成された複数の反応電極(図示せず)が反応チャンバ206に向くように本体部202につけられる。
【0026】
図4(a)ないし図4(c)は、図2におけるセンサ部の構造を説明する図である。図4(a)は、自動コーディング用センサ部の裏面を示し、図4(b)は、測定用センサ部の前面を示し、図4(c)は、測定用センサ部の裏面を示す。センサ部222、226は、通常の薄膜蒸着技術、めっき技術、印刷電子技術などで容易に製作することができる、そのうち最も簡単に製作できるのは、印刷回路基板(Printed Circuit Board:PCB)である。
【0027】
図4(a)において、自動コーディング用センサ部222の裏面に形成された電極224は、現在、検出器につけられているバイオセンサが自動コーディング用であることと、その後生体物質を測定するために検出器102につけて用いるバイオセンサ104の特性などとを、抵抗値を利用して検出器102に知らせる。生体物質を測定するための目的ではないため、反応チャンバ206に向う前面には反応電極や反応試薬が形成されない。
【0028】
図4(b)に示すように、反応チャンバ206に向う測定用センサ部226の前面には、複数の反応電極228が形成され、反応電極228上には分析物質と生化学反応を起こして電気信号を生成する分析試薬230が固定される。図4(c)に示すように、測定用センサ部226の裏面には、生化学反応によって生成された電気信号を検出器102に伝達する伝導電極232、234が形成される。反応電極228と伝導電極232、234は、センサ部226を貫通する伝導体(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0029】
図5(a)ないし図5(e)は、本発明による生体物質測定装置を使用する手順を例示する図である。
【0030】
まず、図5(a)に示すように、ユーザは検出器402とバイオセンサ404を準備する。検出器402には、測定結果を表示する手段であるディスプレイ部412と、既に使用したバイオセンサ404を離脱させるエゼクタ414を備える。ディスプレイ部412としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などが用いられる。バイオセンサ404は、ケース406に積層されて収納されている。次に、ユーザは、コネクタ(図1の112)が露出されている検出器402をケース406に挿入することで、ケース406に積層された最も上のバイオセンサを検出器402につける。上述したように検出器402にバイオセンサを整列及びつけることを容易にするために、コネクタまたはその付近に磁性物質を設けることが好ましい。
【0031】
次に、図5(c)に示すように、ユーザは、指に血410を出して生体物質導入口408を介してバイオセンサ内部に流入させる。生体物質導入口408に指を接触すると毛細管現象により反応チャンバ(図2の206)まで血がバイオセンサ内部に流入される。バイオセンサ内部に流入された血は、分析試薬と生化学反応を起こして電気信号を生成し、生成された電気信号は、検出器402により分析されて分析対象物質の濃度を計算する。計算された分析対象物質の濃度は、図5(d)に示すように、ディスプレイ部412を介してユーザに表示される。分析対象物質の濃度を、ディスプレイ部412を介して確認したユーザは、エゼクタボタン414を使用して、つけられていたバイオセンサを検出器402からはずせる。
【0032】
本実施例によれば、検出器402とバイオセンサ404を使用すると、ユーザは既存のように、バイオセンサを検出器の狭いスリットに挿入する必要はなく、検出器402の前の部分にはめればよいので、バイオセンサを検出器につけることが非常に容易である。また、バイオセンサが積層されているケース406を使用するか、または検出器402にコネクタまたはその付近に磁石を設けることで、バイオセンサを検出器につけることがさらに容易になる。このように、検出器にバイオセンサをつけることが簡単なので、バイオセンサ結合過程においてバイオセンサが汚染されることを効果的に防止することができる。
【0033】
また、本実施例によれば、検出器402がエゼクタ機能を備えなくてもバイオセンサが3次元形状を有するので、ユーザが検出器からバイオセンサをはずすことが容易である。検出器がエゼクタ機能を有する場合には、バイオセンサを手で握る必要なく、ただエゼクタボタン414を押すか、またはスライドさせればよいので、検出器からバイオセンサをはずすことがさらに簡単である。また既存のように測定後に、血がついたセンサストリップを手で検出器から抜く必要がないので、手に血がつく心配もない。
【0034】
図6は、バイオセンサがセンサケースに収納された状態を説明する図である。図6に示すように、3次元形状のバイオセンサ504は、検出器102との結合を容易にするために検出器102と着脱される部分が上向き状態にセンサケース502に収納されている。また、センサケース502の制限された空間に多量のバイオセンサ504を収納するために、互いに重畳した状態でセンサケース502に収納される。
【0035】
図7は、本発明の他の実施例による生体物質測定装置600を説明する図である。図8は、図7のA部分からバイオセンサ604がはずされた状態の検出器602の構造を説明し、図9は、バイオセンサ604の構造を説明する。
【0036】
図7に示すように、生体物質測定装置600は、検出器602とバイオセンサ604からなる。バイオセンサ604は、生体物質導入口802を介して生体物質を導入し、バイオセンサ604の内部に備えている試薬と導入した生体物質との生化学反応によって電気信号を生成して検出器602に伝達する。分析試薬は、導入した生体物質と生化学反応を起こす酵素などを含む。検出器602は、動作ボタン608の入力に従って内蔵されたマイクロプロセッサ(図示せず)を利用してバイオセンサ604から伝達される電気信号を分析し、導入された生体物質に含まれている分析物質の濃度を測定し、ディスプレイ606を通して分析物質の濃度を表示する。分析物質の濃度を測定した後、ユーザは、エゼクタボタン610を押すか、またはスライドさせると、エゼクタ706が導出してバイオセンサ604が検出器602からはずれる。
【0037】
図8に示すように、検出器602においてバイオセンサ604がつけられる部分702には溝部708が形成され、バイオセンサ604には、この溝部708と係合されるフック部804が形成される。コネクタ704は、バイオセンサ604と電気的に接続されてバイオセンサ604から伝達される電気信号を検出器602に内蔵された信号分析用マイクロプロセッサに送る。コネクタ704において、バイオセンサ604と電気的に接続される部分の反対部分には、バイオセンサ604が検出器602につけられる方向に弾性力を持たせる弾性体(図示せず)が備えられる。弾性体は、コネクタ704をバイオセンサ604とさらに密着させる。また、検出器602は、コネクタ704または付近に磁石(図示せず)を設けることが好ましい。磁石は、バイオセンサ604が検出器602の適切な位置につけられることを助ける。
【0038】
図9において、本体部801は検出器602においてコネクタ704が形成された部分にはめられバイオセンサ604が検出器602につけられるようにし、ある程度弾性力のあるプラスチック材質で形成されることが好ましい。本体部801の内形状は、検出器602においてバイオセンサ604がつけられる部分の外形状と同一形状を有する。本体部801は、開放された梯子形態を有する。フック部804は、バイオセンサ604が検出器602につけられる際に検出器602の溝部708に係合されてバイオセンサ604が検出器602に安定的につけられるようにする。
【0039】
生体物質導入口802とセンサ部806は、試料経路(図示せず)と反応チャンバ(図示せず)を経由して接続される。試料経路は、反応チャンバへの試料流入が容易にできるように毛細管で形成される。生体物質導入口802は、例えば血液をバイオセンサ604に導入するために指を接触した際、指により生体物質導入口802が完全に塞がれて、生体物質の導入が抑制されることを防止するために突出形状を有することが好ましい。生体物質導入口802は、本体部801の狭い上辺に形成される。
【0040】
センサ部806において、生体物質導入口802(または、反応チャンバ)に向う面には複数個の反応電極(図示せず)が形成され、反応電極を横切って反応試薬が固定される。反応試薬は、反応チャンバ内に流入された生体物質と生化学反応を起こして電気信号を生成し、生成された電気信号は、反応電極に伝達される。反応電極に伝達された電気信号は、センサ部806の他面に形成されている複数の伝導電極を介して検出器602に伝達される。センサ部806は、本体部801と共に反応チャンバを形成しながら一面に形成された複数の反応電極(図示せず)が反応チャンバに向くように、本体部801につけられる。センサ部806は、本体部801に接着剤などを介して接着されるか、または熱によって融着される。
【0041】
図10は、図9に示すバイオセンサが、一度で複数個製造される形態を説明する図である。図示のように、例えば10個のバイオセンサが側面につけられた形態に製造されると、製造工程を単純化することができる。このように製造されたバイオセンサは、複数個つけられた形態でユーザが携帯しながら使用時に1つずつ切断して使用することができる。バイオセンサの切断を容易にするために、バイオセンサとの間に切断溝が形成されている。
【0042】
図11は、図9に示すバイオセンサの複数個が層別に重なってケースに収納された状態を説明する図である。生体物質導入口802が下向きとなってバイオセンサがこのように重畳された状態でケース(図示せず)に収納されると、検出器602のA部分をケースに押し入れることで、バイオセンサを検出器に容易につけることができる。
【0043】
以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者において本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、さまざまな置換、変形及び変更が可能であって、上述の実施例及び添付図面によって限定されるのではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサにおいて、
生体物質導入口を備えて前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、
前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され、前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、
前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬と、を含み、
前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部につけられていることを特徴とする生体物質測定センサ。
【請求項2】
前記生体物質導入口は、突出形状を有することを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項3】
前記本体部と前記検出器は、凹凸構造によって結合されることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項4】
前記本体部は、円錐または角錐状であって、前記生体物質導入口は前記円錐または角錐状の頂点に形成されることを特徴とする請求項3に記載の生体物質測定センサ。
【請求項5】
前記本体部は、開放された梯子状であることを特徴とする請求項3に記載の生体物質測定センサ。
【請求項6】
前記本体部と前記検出器は、磁性により結合されることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項7】
前記本体部は、側面部が異なる生体物質測定センサの側面部と切断できるようにつけられることを特徴とする請求項6に記載の生体物質測定センサ。
【請求項8】
前記本体部は、前記検出器に係合されるフック部を備えることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項9】
前記生体物質導入口は、前記反応チャンバまで至る毛細管を形成することを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項10】
前記反応電極は、前記センサ部を貫通する伝導体を介して前記伝導電極と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項11】
検出器と測定センサを備える生体物質測定装置において、
前記測定センサは、
生体物質導入口を備えて前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、
前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され、前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、
前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬と、を含み、
前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部につけられて、
前記検出器は、前記本体部が前記検出器につけられる際に前記の伝導電極と電気的に接続されるコネクタを含むことを特徴とする生体物質測定装置。
【請求項12】
前記検出器は、前記測定センサを離脱させるエゼクタをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【請求項13】
前記コネクタは、前記測定センサが前記検出器につけられる方向に弾性力を提供する弾性体をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【請求項14】
前記検出器は、フック部と係合される溝部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【請求項15】
前記検出器は、前記コネクタの付近に磁性を有することを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【請求項1】
検出器と共に用いて生体物質を測定するセンサにおいて、
生体物質導入口を備えて前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、
前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され、前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、
前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬と、を含み、
前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部につけられていることを特徴とする生体物質測定センサ。
【請求項2】
前記生体物質導入口は、突出形状を有することを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項3】
前記本体部と前記検出器は、凹凸構造によって結合されることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項4】
前記本体部は、円錐または角錐状であって、前記生体物質導入口は前記円錐または角錐状の頂点に形成されることを特徴とする請求項3に記載の生体物質測定センサ。
【請求項5】
前記本体部は、開放された梯子状であることを特徴とする請求項3に記載の生体物質測定センサ。
【請求項6】
前記本体部と前記検出器は、磁性により結合されることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項7】
前記本体部は、側面部が異なる生体物質測定センサの側面部と切断できるようにつけられることを特徴とする請求項6に記載の生体物質測定センサ。
【請求項8】
前記本体部は、前記検出器に係合されるフック部を備えることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項9】
前記生体物質導入口は、前記反応チャンバまで至る毛細管を形成することを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項10】
前記反応電極は、前記センサ部を貫通する伝導体を介して前記伝導電極と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の生体物質測定センサ。
【請求項11】
検出器と測定センサを備える生体物質測定装置において、
前記測定センサは、
生体物質導入口を備えて前記検出器に着脱する3次元状の本体部と、
前記生体物質に対する生化学反応が起きる複数の反応電極が一面に形成され、前記生化学反応によって生じる信号を前記検出器に伝達する複数の伝導電極が他面に形成されるセンサ部と、
前記反応電極の上に固定されて前記生体物質と生化学反応する分析試薬と、を含み、
前記センサ部は、前記本体部と共に前記生体物質導入口に接続される反応チャンバを形成しながら前記反応電極が前記反応チャンバに向くように前記本体部につけられて、
前記検出器は、前記本体部が前記検出器につけられる際に前記の伝導電極と電気的に接続されるコネクタを含むことを特徴とする生体物質測定装置。
【請求項12】
前記検出器は、前記測定センサを離脱させるエゼクタをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【請求項13】
前記コネクタは、前記測定センサが前記検出器につけられる方向に弾性力を提供する弾性体をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【請求項14】
前記検出器は、フック部と係合される溝部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【請求項15】
前記検出器は、前記コネクタの付近に磁性を有することを特徴とする請求項11に記載の生体物質測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−530928(P2012−530928A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517366(P2012−517366)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002755
【国際公開番号】WO2011/002152
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(510061793)セラジェム メディシス インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】CERAGEM MEDISYS INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002755
【国際公開番号】WO2011/002152
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(510061793)セラジェム メディシス インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】CERAGEM MEDISYS INC.
【Fターム(参考)】
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