説明

検査システム

【課題】手が塞がれてしまうことによる作業効率の低下を防止する。
【解決手段】本システムは、マイク及びイヤホンを備え且つ通信機能を有する携帯端末と、携帯端末と通信可能な中央装置とを有する。また上記中央装置は、所定の装置に含まれる部品毎に当該部品の確認指示を含む音声データと正解データとを格納するデータ格納部を有し、上記携帯端末は、特定装置の識別情報の入力を受け付け、当該特定装置に含まれる複数の部品の各々に対応する音声データを取得する手段と、特定装置に含まれる複数の部品の各々について、当該部品に対応する第1音声データに係る音声をイヤホンを介して出力する手段とを有する。また上記携帯端末と中央装置とのうちいずれかが、特定装置に含まれる複数の部品の各々について、マイクを介して入力され且つ当該部品の確認結果を含む入力音声データと当該部品に対応する正解データとに基づき、当該部品の正否を判断する手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が所定の装置に含まれる複数の部品の正否を確認する場合において、作業の効率化及び検査ミスの防止を図るための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車などにおいて、同一の車種であっても各部品(例えば、タイヤ、ミラー、バンパー、ホイール、シート、カーナビゲーションなど)は購入者の好みによって異なる場合が多く、工場から出荷する際には、発注されたとおりの製品に仕上がっているかを確認する必要がある。従来、作業者は、その製品に本来取り付けられているべき部品の型番などが印刷されたチェック用紙に基づき、各部品の確認を行っており、チェック結果をチェック用紙に記入する。
【0003】
このような従来の方式では、作業者は、ボールペン等の筆記用具とチェック用紙とを手に持ちながら作業を行うことになり、両手を使う場合(例えば、ボンネット又はドアを開ける、止め金を外す場合など)には、一旦筆記用具及びチェック用紙を手から放さなければならず、作業効率が悪くなる。また、例えば、作業者が、作業効率を向上させようとして、複数の部品のチェック結果をまとめて記入するようになると、記入ミスや検査ミスなどが生じていた。さらに、例えば筆記用具を持ち替える際に筆記用具を落としてしまって、製品に傷を付けてしまう場合もある。
【0004】
例えば特開平7−318565号公報には、両手を塞がれた状態でも音声にて分析装置を操作可能とする、音声入出力機能付き分析装置が開示されている。具体的には、測定の開始や停止等の指示を外部から受付け、測定結果を外部に出力する分析装置において、外部からの指示を音声により受付ける機能と、音声によって外部に出力する機能を有する。しかしながら、当該公報記載の技術によれば、例えば机上などの一定の場所で作業をする場合であれば、机上に設置された分析装置を音声にて操作できるかもしれないが、ある製品の各部品を見回りながら作業をする場合には、その都度分析装置のところに戻らなければならず、作業効率が向上するとは言えない。
【0005】
また、例えば特開昭63−4700号公報には、部品データを聴覚により検査者へ伝達し、検査による視覚の疲労度を軽減できる印刷配線板外観検査装置が開示されている。具体的には、当該印刷配線板外観検査装置は、検査をすべき従印刷配線板上の座標を読み取るX・Y座標読み取り装置と、標準となる主印刷配線板のX・Y座標に対する部品データを音声データとして記録する音声データ記憶回路と、音声データ記憶回路から読み出された音声データを音声に合成する音声合成回路と、音声合成回路で合成された音声を出力する音声出力機器と、これらを制御する中央演算処理装置とを備える。しかし、当該公報では、音声入力を行うようにはなっておらず、上記のような問題を解決することはできない。
【0006】
さらに、例えば特開2007−18870号公報には、外観検査工程での作業効率を向上させることにより安定した品質を維持することができる外観検査誘導システムが開示されている。具体的には、所定の指示書を読み込んで表示された作業指示に基づいて、組み立てられたワイヤハーネスの外観検査を実行する外観検査誘導システムであって、少なくとも検査部分を画像表示する画像表示手段、または検査部分を音声で伝える音声手段のいずれかを有し、前記外観検査が完了した前記ワイヤハーネスのみに出荷ラベルを発行するようになっている。しかし、当該公報においても、音声入力を行うようにはなっておらず、上記のような問題を解決することはできない。
【0007】
また、例えば特開2003−194733号公報には、オペレータの両手がふさがっている状態においても容易に検査結果データの修正入力作業等が実施でき、作業能率を向上させることができる外観検査支援システムが開示されている。具体的には、被検査対象物の外観を撮像素子で撮影して画像処理を行い、該被検査対象物の良否等を検査する外観検査手段と、該外観検査手段の検査結果データを書き込み及び該書き込まれたデータを読み出すデータ入出力手段と、該データ入出力手段に書き込まれた該検査結果データを読み出して表示する表示手段と、該表示手段に表示された該検査結果データの修正入力を行なうデータ修正入力手段と、該データ修正入力手段の修正入力に基づいて該検査結果データの修正処理を行なうデータ修正処理手段とを備えた情報処理手段とを有し、該表示手段に表示された該検査結果データに基づいて、オペレータが該被検査対象物を目視で再検査し、該検査結果データに誤りがあったときに、該オペレータが該データ修正入力手段を用いて該検査結果データを修正し、該修正された検査結果データを該データ入出力手段に書き込む被検査対象物の外観検査支援システムにおいて、上記データ修正入力手段が、上記オペレータの発声した音声を認識して該音声に対応した認識データを上記データ修正処理手段に出力する音声認識手段を有する。しかし、当該公報記載の技術によれば、例えば机上などの一定の場所で作業をする場合であれば、机上に設置されたPC(パーソナル・コンピュータ)の表示装置に表示された検査結果データを見ながら、音声にて検査結果データの修正を行うことができるかもしれないが、ある製品の各部品を見回りながら作業をする場合には、その都度PCのところに戻らなければならず、作業効率が向上するとは言えない。
【特許文献1】特開平7−318565号公報
【特許文献2】特開昭63−4700号公報
【特許文献3】特開2007−18870号公報
【特許文献4】特開2003−194733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、従来技術では、ある一定の場所で作業する場合であれば、手が塞がれてしまうことによる作業効率の低下を防止することはできるかもしれないが、例えば自動車などの製品に含まれる各部品を見回りながら確認する場合には、作業効率の低下を防止することはできない。また、例えば騒音の大きい工場などでは、音声の誤認識などもあり、検査ミスが生じるという問題もある。
【0009】
従って、本発明は、例えば自動車などの製品に含まれる各部品を見回りながら確認する場合においても、手が塞がれてしまうことによる作業効率の低下を防止するための技術を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、複数の部品をまとめてチェックすることによる検査対象の漏れや記入ミスによる検査ミスを防止するための技術を提供することである。
【0011】
さらに、本発明の他の目的は、例えば騒音の大きい工場などにおいても、騒音の影響をより軽減するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る検査システムは、マイク及びイヤホンを備え且つ通信機能を有する携帯端末と、携帯端末と通信可能な中央装置とを有する。そして、上で述べた中央装置は、所定の装置に含まれる部品毎に、当該部品の確認指示を含む第1音声データと、正解とみなされる部品に関するデータである正解データとを格納する検査データ格納部を有し、上で述べた携帯端末は、特定の装置の識別情報の入力を受け付け、当該特定の装置に含まれる複数の部品の各々に対応する第1音声データを取得する第1音声データ取得手段と、特定の装置に含まれる複数の部品の各々について、当該部品に対応する第1音声データに係る音声をイヤホンを介して出力する音声処理手段とを有する。また、上で述べた携帯端末と中央装置とのうちいずれかが、特定の装置に含まれる複数の部品の各々について、マイクを介して入力され且つ当該部品の確認結果を含む第1入力音声データと当該部品に対応する正解データとに基づき、当該部品の正否を判断する第1判断手段を有する。
【0013】
このようにすれば、作業者は、イヤホンからの音声に従って確認作業を行うことができ、確認結果をマイクに向かって発声すればよいので、チェック用紙及び筆記用具が不要になり、両手が使えるようになり、作業効率の向上につながる。また、所定の装置(例えば、自動車などの製品)を傷付けることもほとんどなくなる。
【0014】
また、上で述べた第1判断手段が、第1入力音声データに対してテキスト変換処理を実施することにより、当該第1入力音声データの音声波形に対応する文字列を含む入力テキストデータを生成するテキスト変換手段と、入力テキストデータと部品に対応する正解データとが一致するか否か判断し、入力テキストデータと部品に対応する正解データとが一致する場合、当該部品は正しい部品であると判断する手段とを有するようにしてもよい。
【0015】
さらに、上で述べた中央装置が、音声波形のデータと当該音声波形に対応する文字列とを含むテキスト変換用音声データを格納する変換用データ格納部をさらに有するようにしてもよい。そして、上で述べたテキスト変換手段が、変換用データ格納部に格納されているテキスト変換用音声データのうち、第1入力音声データと音声波形が一致するテキスト変換用音声データを特定する変換用データ特定手段と、特定したテキスト変換用音声データに含まれる文字列を、第1入力音声データの音声波形に対応する文字列として入力テキストデータを生成する手段とを有するようにしてもよい。
【0016】
また、上で述べた検査データ格納部が、所定の装置に含まれる部品毎に音声入力時間をさらに格納するようにしてもよい。そして、上で述べた音声処理手段が、部品に対応する第1音声データに係る音声を出力してから当該部品に対応する音声入力時間が経過するまでの間、音声入力が可能となるようにマイクを制御する手段を有するようにしてもよい。このようにすれば、例えば騒音が大きい工場においても、確認結果とみなされる部分を特定し易くなり、音声の誤認識をより防止することができるようになる。また、正解の音声データを用意する場合、データ量の削減を図ることができる。
【0017】
さらに、上で述べた正解データが、正解とみなされる部品の型番を表すデータである場合もある。そして、上で述べた確認指示が、確認結果として部品の型番を回答するように促す指示である場合もある。このようにすれば、作業者に一部品ずつ、型番を回答させることができ、複数の部品をまとめてチェックすることによる検査対象の漏れや記入ミスによる検査ミスを防止することができるようになる。
【0018】
また、上で述べた検査データ格納部が、部品の型番の正否を回答するように促す再確認指示を含む第2音声データをさらに格納するようにしてもよい。そして、上で述べた携帯端末が、特定の装置に含まれる複数の部品のうち、第1判断手段により正しいと判断された部品以外の部品である再確認部品の各々に対応する第2音声データを取得する手段と、再確認部品の各々について、当該再確認部品に対応する第2音声データに係る音声をイヤホンを介して出力する手段とをさらに有するようにしてもよい。また、携帯端末と中央装置とのうちいずれかが、再確認部品の各々について、マイクを介して入力された第2入力音声データに基づき、当該再確認部品の正否を判断する第2判断手段をさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、2段階でチェックされるため、より正確な検査を行うことができるようになる。また、雑音等で誤認識した場合でも、再確認して本来の結果を得ることができるようにもなる。
【0019】
さらに、上で述べた携帯端末と中央装置とのうちいずれかが、再確認部品のうち、第2判断手段により正しいと判断された部品以外の部品を特定するための1次元コード又は2次元コードを生成する手段をさらに有するようにしてもよい。そして、上で述べた携帯端末が、携帯端末に接続される印刷装置に1次元コード又は2次元コードを印刷させる手段をさらに有するようにしてもよい。このようにすれば、例えば型番が異なるとみなされた部品を、以降の工程にて容易に特定することができる。
【0020】
また、上で述べた識別情報が、1次元コード又は2次元コード形式のデータである場合もある。そして、上で述べた携帯端末が、1次元コード又は2次元コードを読み取る手段を有するようにしてもよい。
【0021】
さらに、上で述べた検査データ格納部が、所定の装置毎に当該所定の装置の識別情報と当該所定の装置に含まれる部品のリストとをさらに格納する場合もある。そして、上で述べた第1音声データ取得手段が、特定の装置の識別情報に対応するリストに含まれる部品の各々に対応する第1音声データを検査データ格納部から取得する手段を有するようにしてもよい。
【0022】
なお、本システムは、プログラムが上記処理をハードウエアに実行させることによって実現可能であり、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してディジタル信号にて頒布される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、例えば自動車などの製品を構成する各部品を見回りながら確認する場合においても、手が塞がれてしまうことによる作業効率の低下を防止することができる。
【0024】
また、本発明の他の側面によれば、複数の部品をまとめてチェックすることによる検査ミスを防止することができる。
【0025】
さらに、本発明の他の側面によれば、例えば騒音の大きい工場などにおいても、騒音の影響をより軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一実施の形態に係る検査システムの概要を図1に示す。例えばイントラネットや携帯電話網であるネットワーク1には、中央装置3と、作業者が腰に下げるなどして携帯しているPDA(Personal Digital Assistant)5(図1では、5a、5b、・・・)とが接続されている。PDA5には、マイク及びイヤホンを備えたハンズフリーセット6(図1では、6a、6b、・・・)と、二次元コード(例えばQR(Quick Response code)コード)を読み取る二次元コードリーダ7と、プリンタ8と、ランプ9とが接続されている。なお、ハンズフリーセット6、二次元コードリーダ7、プリンタ8及びランプ9は、例えばBluetooth(登録商標)等によってPDA5と無線通信を行うような場合もある。また、二次元コードリーダ7、プリンタ8及びランプ9は、予めPDA5に組み込まれるような場合もある。
【0027】
中央装置3は、PDA5からのデータを受信するデータ受信部31と、検査に必要となるデータ(例えば、作業者に対する指示を含む音声データなど)を検査データ格納部41から読み出し、PDA5に送信するなどの処理を実施する検査データ処理部33と、ハンズフリーセット6のマイクを介して入力され且つ部品の確認結果を含む入力音声データをテキストデータに変換するための処理を実施するテキスト変換処理部35と、テキスト変換処理部35により変換されたテキストデータを、後で説明する正解データと照合する照合処理部37と、二次元コードに関連する処理を実施する二次元コード処理部39とを有する。
【0028】
また、中央装置3は、後で説明するチェック項目テーブル、第1の検査テーブル及び第2の検査テーブルを格納する検査データ格納部41と、入力音声データをテキストデータに変換する際に利用するテキスト変換用音声データを格納するテキスト変換用データ格納部43と、照合処理部37による照合結果を格納する照合結果格納部45とを管理している。
【0029】
図2に、PDA5の機能ブロック図を示す。PDA5は、ネットワーク1を介して中央装置3と通信する通信処理部51と、ハンズフリーセット6、二次元コードリーダ7、プリンタ8及びランプ9などを制御する制御部53と、作業者からの音声入力をハンズフリーセット6のマイクを介して受け付ける音声データ入力部55と、音声データに係る音声をハンズフリーセット6のイヤホンを介して出力する音声データ出力部57と、PDA5からの音声データなどを格納する検査データ格納部59とを有する。
【0030】
図3乃至図6に、検査データ格納部41に格納されるデータの一例を示す。図3は、チェック項目テーブルの一例であり、チェック項目テーブルには、二次元コードの列と、チェック項目の列と、正解データの格納先の列とが含まれる。二次元コードの列には、例えば発注書データから製品を一意に決定するために、製品を特定可能なユニークな二次元コードが設定される。チェック項目の列には、二次元コードに対応する製品において、確認すべき項目の項目IDのリストが設定される。なお、項目の内容については、図4に示すような項目一覧にて予め定められているものとする。例えば、エアロ(項目ID「12」)やナビゲーション(項目ID「29」)など、標準装備でない部品の項目は、購入者が取り付けを希望した製品のチェック項目にはリストアップされるが、購入者が取り付けを希望しなかった製品のチェック項目には含まれない。従って、製品毎にチェック項目の内容が異なる。また、正解データの格納先の列には、後で説明する第1の検査テーブルの正解1の列、正解2の列、・・・のうち、当該二次元コードに対応する製品の正解データが格納されている列の情報が設定される。
【0031】
図5は、第1の検査テーブルの一例であり、第1の検査テーブルには、項目IDの列と、第1の音声データの列と、第1のマイクフラグ(1:マイクオン/0:マイクオフ)の列と、第1の音声入力時間の列と、正解1の列と、正解2の列と、・・・とが含まれる。第1の音声データの列には、作業者に対する指示を含む音声データが格納される。例えば項目ID「2」であれば、「タイヤの仕様を答えて下さい」という音声が出力されることを示す。第1のマイクフラグの列には、当該項目が作業者からの回答を要する場合には(すなわち、音声入力を受け付ける場合には)、1(マイクオン)が設定され、作業者からの回答を要しない単なるアナウンスの場合には、0(マイクオフ)が設定される。第1の音声入力時間の列には、第1のマイクフラグが1の場合に、マイクをオンにしてからオフにするまでの時間が設定される。なお、第1のマイクフラグが0の場合には、第1の音声入力時間の列にも0が設定される。正解1、正解2、・・・の各列には、製品毎の正解データが設定される。本実施の形態では、発注書データなどに含まれる部品の型番などに従って予め正解データが用意されているものとし、この正解データに基づき、発注されたとおりの製品に仕上がっているか否かを確認するものとする。
【0032】
図6は、第2の検査テーブルの一例であり、第2の検査テーブルには、項目IDの列と、第2の音声データの列と、第2のマイクフラグ(1:マイクオン/0:マイクオフ)の列と、第2の音声入力時間の列とが含まれる。第2の音声データの列には、作業者に対する指示を含む音声データが格納される。例えば項目ID「2」であれば、「タイヤの仕様は”ラジアルRT−230−55”ですか」という音声が出力されることを示す。第1の音声データは、作業者に部品の型番を回答させるような指示を含むものであったが、第2の音声データは、作業者に部品の型番の正否(Yes/No)を回答させるような指示を含むものである。第2のマイクフラグ及び第2の音声入力時間は、第1のマイクフラグ及び第1の音声入力時間と同じように設定される。図6の例では、第2の音声入力時間は、部品の型番の正否(Yes/No)の音声入力を受け付ければよいので、第1の音声入力時間に比べ、短い時間が設定される。なお、同一の項目IDであっても、部品の型番が異なると第2の音声データの内容も異なってくるため、二次元コード毎に第2の検査テーブルが格納される。
【0033】
図7に、テキスト変換用データ格納部43に格納されるテキスト変換用音声データの一例を示す。なお、図7は、「ラジアルRT−230−55」に関連するテキスト変換用音声データの例である。例えば、作業者が「ラジアルRT−230−55」と発声したつもりでも、発声の仕方(母音の長音化の有無や英語部分の正確さ等)などの個人差によって様々な音声波形(例えば、図7における音声波形701及び702など)となる。ここで、音声波形702を「ラあジアルうRるT−230−55」とテキスト変換すると、作業者によって検査結果が変わってしまう可能性がある。そこで、本実施の形態では、類似する複数の音声波形のデータを用意しておき、発声の仕方などの個人差によって音声波形が多少異なっても、同じように「ラジアルRT−230−55」とテキスト変換できるようにする。具体的には、各テキスト変換用音声データには、変換先文字列が予め定められており(テキスト変換用音声データ1、2及び3は、いずれも「ラジアルRT−230−55」)、作業者からの入力音声データと音声波形が一致するテキスト変換用音声データを検索し、該当するテキスト変換用音声データの変換先文字列に変換する。このようにして、発声の仕方が異なる回答者の音声を回答として扱う。なお、上で説明したように、マイクは、第1の音声入力時間だけオンの状態となるので、第1の音声入力時間幅を上限として、類似する複数の音声波形を用意すればよい。これにより、データ量の削減を図ることができる。
【0034】
図8及び図9に、照合結果格納部45に格納されるデータの一例を示す。図8は、照合結果テーブルの一例であり、照合結果テーブルには、項目IDの列と、照合結果の列とが含まれる。照合結果の列は、さらに第1検査の列と第2検査の列とに分かれている。第1検査の列には、第1の検査テーブルのデータに従って実施された照合結果(○:一致/×:不一致)が設定され、第2検査の列には、第2の検査テーブルのデータに従って実施された照合結果が設定される。なお、照合結果テーブルは、二次元コード毎に格納される。
【0035】
図9は、不一致項目テーブルの一例であり、不一致項目テーブルには、二次元コードの列と、不一致項目の列とが含まれる。二次元コードの列には、チェック項目テーブル(図3)の二次元コードのうちのいずれかが設定される。不一致項目の列には、当該二次元コードに対応する照合結果テーブル(図8)における第2検査の列に「×」(不一致)が設定されている項目の項目IDが設定される。なお、後で説明するように、各レコードについて、当該レコードの内容をコード化することにより、新たな二次元コードを生成する。
【0036】
次に、図10乃至図15を用いて、図1に示した検査システムの処理を説明する。まず、作業者は、マイクテストのためにハンズフリーセット6のマイクに向かって所定のフレーズを発声する。PDA5の音声データ入力部55は、ハンズフリーセット6を介して作業者からの音声入力を受け付け、音声データを生成するための音声周波数等の調整を行う(図10:ステップS1)。また、PDA5の通信処理部51は、チューニングに必要な情報を中央装置3に送信する(ステップS3)。そして、中央装置3のデータ受信部31は、PDA5からのチューニング情報を受信し、記憶装置に格納する(ステップS5)。
【0037】
また、作業者は、例えば検査の対象となる製品に貼り付けられたシールなどに印刷された二次元コードに二次元コードリーダ7を近づける。そして、PDA5の通信処理部51は、二次元コードリーダ7により読み込んだ二次元コードを中央装置3に送信する(ステップS7)。
【0038】
中央装置3のデータ受信部31は、PDA5からの二次元コードを受信し、記憶装置に格納する(ステップS9)。そして、中央装置3の検査データ処理部33は、記憶装置に格納された二次元コードでチェック項目テーブルを検索し、当該二次元コードに対応するチェック項目を抽出する(ステップS11)。そして、中央装置3の検査データ処理部33は、第1の検査テーブルからチェック項目の各々に対応する第1の音声データ、第1のマイクフラグ及び第1の音声入力時間を読み出し、PDA5に送信する(ステップS13)。
【0039】
PDA5の通信処理部51は、中央装置3からの第1の音声データ、第1のマイクフラグ及び第1の音声入力時間を受信し、検査データ格納部59に格納する(ステップS15)。そして、PDA5の音声データ出力部57は、先頭から順に未処理の項目を特定する(ステップS17)。そして、PDA5の音声データ出力部57は、特定項目の第1の音声データに係る音声をハンズフリーセット6のイヤホンを介して出力する(ステップS19)。その後、端子A及び端子Bを介して図11の処理に移行する。
【0040】
図11の説明に移行して、端子Bの後、PDA5の音声データ入力部55は、特定項目の第1のマイクフラグが1であるか判断する(図11:ステップS21)。特定項目の第1のマイクフラグが0であれば(ステップS21:Noルート)、ステップS27の処理に移行する。一方、特定項目の第1のマイクフラグが1である場合(ステップS21:Yesルート)、PDA5の音声データ入力部55は、音声入力受付処理を実施する(ステップS23)。
【0041】
音声入力受付処理については、図12を用いて説明する。音声データ入力部55は、検査データ格納部59から特定項目の第1の音声入力時間を取得し、タイマにセットする(図12:ステップS101)。そして、音声データ入力部55は、ハンズフリーセット6のマイクをオンに設定し(ステップS103)、タイマをスタートする。図示していないが、例えば、ランプ9を点灯させるなどして、マイクがオンであることを作業者に知らせるようにしてもよい。なお、作業者は、ステップS19において出力された音声に従って部品の確認を行い、確認結果をハンズフリーセット6のマイクに向かって発声する。
【0042】
そして、音声データ入力部55は、ハンズフリーセット6のマイクを介して作業者からの音声入力を受け付け(ステップ105)、入力音声データとして一旦記憶装置に格納する。そして、タイマのタイムアウトを検出すると、音声データ入力部55は、マイクをオフに設定する(ステップS107)。その後、音声入力受付処理を終了し、元の処理に戻る。
【0043】
図11の説明に戻って、ステップS23の処理の後、PDA5の通信処理部51は、特定項目の項目ID及び入力音声データを中央装置3に送信する(ステップS25)。また、PDA5の音声データ出力部57は、全項目終了したか判断する(ステップS27)。全項目終了していなければ(ステップS27:Noルート)、端子Cを介してステップS17(図10)の処理に戻る。一方、全項目終了した場合(ステップS27:Yesルート)、ステップS39の処理に移行する。
【0044】
また、端子Aの後、中央装置3のデータ受信部31は、PDA5からの項目ID及び入力音声データを受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS29)。そして、中央装置3のテキスト変換処理部35は、入力音声データに対してテキスト変換処理を施し、入力テキストデータを生成する(ステップS31)。具体的には、入力音声データを基にテキスト変換用データ格納部43を検索し、入力音声データと音声波形が一致するテキスト変換用音声データを検出する。この際、必要に応じて、チューニング情報を用いて入力音声データを調整する。そして、検出したテキスト変換用音声データの変換先文字列を含むデータを生成し、入力テキストデータとして記憶装置に格納する。なお、入力音声データと音声波形が一致するテキスト変換用音声データを検出できなければ、従来のテキスト変換処理を施し、入力音声データを入力テキストデータに変換する。
【0045】
その後、中央装置3の照合処理部37は、入力テキストデータと正解データとを照合して、照合結果を照合結果テーブルにおける該当項目の第1検査の列に格納する(ステップS33)。なお、照合する正解データは、二次元コード及び項目IDを基に特定する。その後、中央装置3の照合処理部37は、全項目終了したか判断する(ステップS35)。全項目終了していなければ(ステップS35:Noルート)、ステップS29の処理に戻る。一方、全項目終了した場合(ステップS35:Yesルート)、中央装置3の照合処理部37は、照合結果をPDA5に送信する(ステップS37)。PDA5の通信処理部51は、中央装置3からの照合結果を受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS39)。
【0046】
そして、中央装置3の照合処理部37は、照合結果が全て一致であるか判断する(ステップS41)。照合結果が全て一致である場合(ステップS41:Yesルート)、ここで処理を終了する(ステップS43)。一方、照合結果が全て一致でなければ(ステップS41:Noルート)、端子Dを介して図13の処理に移行する。
【0047】
また、PDA5の制御部53は、照合結果が全て一致であるか判断する(ステップS45)。照合結果が全て一致である場合(ステップS45:Yesルート)、ここで処理を終了する(ステップS47)。一方、照合結果が全て一致でなければ(ステップS45:Noルート)、端子Eを介して図13の処理に移行する。
【0048】
図13の説明に移行して、端子Dの後、中央装置3の検査データ処理部33は、照合結果が不一致の項目を再検査項目として特定する(図13:ステップS49)。具体的には、照合結果テーブルの第1検査の列に「×」(不一致)が設定されている項目を再検査項目として特定する。そして、中央装置3の検査データ処理部33は、記憶装置に格納されている二次元コードに対応する第2の検査テーブルを特定する(ステップS51)。そして、中央装置3の検査データ処理部33は、特定した第2の検査テーブルから再検査項目に対応する第2の音声データ、第2のマイクフラグ及び第2の音声入力時間を読み出し、PDA5に送信する(ステップS53)。
【0049】
また、端子Eの後、PDA5の通信処理部51は、中央装置3からの第2の音声データ、第2のマイクフラグ及び第2の音声入力時間を受信し、検査データ格納部59に格納する(ステップS55)。そして、PDA5の音声データ出力部57は、先頭から順に未処理の項目を特定する(ステップS57)。そして、PDA5の音声データ出力部57は、特定項目の第2の音声データに係る音声をハンズフリーセット6のイヤホンを介して出力する(ステップS59)。その後、端子F及び端子Gを介して図14の処理に移行する。
【0050】
図14の説明に移行して、端子Gの後、PDA5の音声データ入力部55は、特定項目の第2のマイクフラグが1であるか判断する(図14:ステップS61)。特定項目の第2のマイクフラグが0であれば(ステップS61:Noルート)、ステップS67の処理に移行する。一方、特定項目の第2のマイクフラグが1である場合(ステップS61:Yesルート)、PDA5の音声データ入力部55は、音声入力受付処理を実施する(ステップS63)。なお、音声入力受付処理は、基本的には、上で説明した処理と変わらないため、詳細な説明は省略するが、ステップS63の処理では、第1の音声入力時間の代わりに第2の音声入力時間を用いる。
【0051】
そして、PDA5の通信処理部51は、特定項目の項目ID及び入力音声データを中央装置3に送信する(ステップS65)。なお、入力音声データは、音声入力受付処理(ステップS63)にて受け付けたデータである。また、PDA5の音声データ出力部57は、全項目終了したか判断する(ステップS67)。全項目終了していなければ(ステップS67:Noルート)、端子Hを介してステップS57(図13)の処理に戻る。一方、全項目終了した場合(ステップS67:Yesルート)、ステップS79の処理に移行する。
【0052】
また、端子Fの後、中央装置3のデータ受信部31は、PDA5からの項目ID及び入力音声データを受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS69)。なお、上で述べたが、第2の音声データには、部品の型番の正否(Yes/No)を回答するように促す指示を含んでいるため、当該入力音声データには、部品の型番の正否が含まれることとなる。そして、中央装置3のテキスト変換処理部35は、入力音声データに対して従来のテキスト変換処理を施し、入力テキストデータを生成する(ステップS71)。
【0053】
そして、中央装置3の照合処理部37は、入力テキストデータに従って照合結果を照合結果テーブルにおける該当項目の第2検査の列に格納する(ステップS73)。具体的には、入力テキストデータが、部品の型番が正しい旨の回答(Yes)を含む場合には、照合結果として「○」(一致)を格納し、それ以外の場合には、照合結果として「×」(不一致)を格納する。
【0054】
その後、中央装置3の照合処理部37は、全項目終了したか判断する(ステップS75)。全項目終了していなければ(ステップS75:Noルート)、ステップS69の処理に戻る。一方、全項目終了した場合(ステップS75:Yesルート)、中央装置3の照合処理部37は、照合結果をPDA5に送信する(ステップS77)。PDA5の通信処理部51は、中央装置3からの照合結果を受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS79)。
【0055】
そして、中央装置3の照合処理部37は、照合結果が全て一致であるか判断する(ステップS81)。照合結果が全て一致である場合(ステップS81:Yesルート)、ここで処理を終了する(ステップS83)。一方、照合結果が全て一致でなければ(ステップS81:Noルート)、端子Iを介して図15の処理に移行する。
【0056】
また、PDA5の制御部53は、照合結果が全て一致であるか判断する(ステップS85)。照合結果が全て一致である場合(ステップS85:Yesルート)、ここで処理を終了する(ステップS87)。一方、照合結果が全て一致でなければ(ステップS45:Noルート)、端子Jを介して図15の処理に移行する。
【0057】
図15の説明に移行して、端子Iの後、中央装置3の二次元コード処理部39は、照合結果が不一致の項目の項目IDと二次元コードとを含むレコードを生成し、不一致項目テーブルに登録する(図15:ステップS89)。すなわち、照合結果テーブルの第2検査の列に「×」(不一致)が設定されている項目の項目IDが不一致項目テーブルに登録される。そして、中央装置3の二次元コード処理部39は、当該レコードの内容をコード化することにより、新たな二次元コードを生成し、一旦記憶装置に格納する(ステップS89)。そして、中央装置3の二次元コード処理部39は、生成した二次元コードのデータ(例えばイメージ化する前のデータ)をPDA5に送信する(ステップS93)。
【0058】
また、端子Jの後、PDA5の通信処理部51は、中央装置3からの二次元コードのデータを受信し、一旦記憶装置に格納する。そして、PDA5の制御部53が、当該二次元コードをイメージ化し、印刷指示をプリンタ8に出力する(ステップS95)。例えば、プリンタ8は、PDA5からの印刷指示に従って、イメージ化された二次元コードをシールなどに印刷する。作業者は、印刷されたシールを製品の所定の場所に貼り付ける。例えば、次の工程などにおいて、シールに印刷された二次元コードを二次元コードリーダで読み込むことで、当該製品を特定可能なユニーク値と、不一致と判断された部品とが判明し、いずれの部品が不一致と判断されたかを容易に特定できるようになる。
【0059】
以上のような処理を実施することにより、例えば自動車などの製品に含まれる各部品を見回りながら確認する場合において、作業者は両手が使えるようになり、作業効率の向上につながる。また、作業者に一部品ずつ、型番を回答させるので、複数の部品をまとめてチェックすることによる検査ミスを防止することができる。音声入力時間を設け、一定の時間帯で音声入力を受け付けるため、騒音などによる誤認識をより軽減することができる。なお、雑音等で誤認識した場合でも、再確認を行うようになっているため、本来の結果を得ることができる。
【0060】
以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明した機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。中央装置3は、1台のコンピュータではなく複数台のコンピュータで実現するようにしても良い。
【0061】
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。
【0062】
また、上では、入力音声データをPDA5から中央装置3へ送信し、中央装置3にて、テキスト変換処理、正解データとの照合処理、再検査項目の特定処理、及び、不一致項目テーブルへ登録すべきレコードの生成処理を実施する例を説明したが、これらの処理の少なくとも一部の処理をPDA5にて実施するような構成を採用することも可能である。
【0063】
また、上では、部品の型番を回答させる第1の検査と、部品の型番の正否を回答させる第2の検査との2段階の検査を行う例を説明したが、第1の検査の後、直ちに第2の検査に移るのではなく、照合結果が不一致の項目について、第1の検査をやり直すような構成を採用することも可能である。
【0064】
なお、中央装置3は、図16のようなコンピュータ装置であって、メモリ2501(記憶装置)とCPU2503(処理装置)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施の形態における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。本発明の実施の形態では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。なお、PDA5は、HDD2505やドライブ装置2513を有さないが、基本的には図16と同様の構成を有する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施の形態に係る検査システムの概要を示す図である。
【図2】PDAの機能ブロック図である。
【図3】検査データ格納部に格納されるチェック項目テーブルの一例を示す図である。
【図4】項目一覧の一例を示す図である。
【図5】検査データ格納部に格納される第1の検査テーブルの一例を示す図である。
【図6】検査データ格納部に格納される第2の検査テーブルの一例を示す図である。
【図7】テキスト変換用データ格納部に格納されるテキスト変換用音声データの一例を示す図である。
【図8】照合結果格納部に格納される照合結果テーブルの一例を示す図である。
【図9】照合結果格納部に格納される不一致項目テーブルの一例を示す図である。
【図10】本検査システムの処理フロー(第1の部分)を示す図である。
【図11】本検査システムの処理フロー(第2の部分)を示す図である。
【図12】音声入力受付処理の処理フローを示す図である。
【図13】本検査システムの処理フロー(第3の部分)を示す図である。
【図14】本検査システムの処理フロー(第4の部分)を示す図である。
【図15】本検査システムの処理フロー(第5の部分)を示す図である。
【図16】コンピュータの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ネットワーク
3 中央装置
5a,5b PDA
6a,6b ハンズフリーセット
7 二次元コードリーダ
8 プリンタ
9 ランプ
31 データ受信部 33 検査データ処理部
35 テキスト変換処理部 37 照合処理部
39 二次元コード処理部 41 検査データ格納部
43 テキスト変換用データ格納部 45 照合結果格納部
51 通信処理部 53 制御部
55 音声データ入力部 57 音声データ出力部
59 検査データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイク及びイヤホンを備え且つ通信機能を有する携帯端末と、
前記携帯端末と通信可能な中央装置と、
を有し、
前記中央装置は、
所定の装置に含まれる部品毎に、当該部品の確認指示を含む第1音声データと、正解とみなされる部品に関するデータである正解データとを格納する検査データ格納部
を有し、
前記携帯端末は、
特定の装置の識別情報の入力を受け付け、当該特定の装置に含まれる複数の部品の各々に対応する前記第1音声データを取得する第1音声データ取得手段と、
前記特定の装置に含まれる複数の部品の各々について、当該部品に対応する前記第1音声データに係る音声を前記イヤホンを介して出力する音声処理手段と、
を有し、
前記携帯端末と前記中央装置とのうちいずれかが、
前記特定の装置に含まれる複数の部品の各々について、前記マイクを介して入力され且つ当該部品の確認結果を含む第1入力音声データと当該部品に対応する前記正解データとに基づき、当該部品の正否を判断する第1判断手段
を有する検査システム。
【請求項2】
前記第1判断手段が、
前記第1入力音声データに対してテキスト変換処理を実施することにより、当該第1入力音声データの音声波形に対応する文字列を含む入力テキストデータを生成するテキスト変換手段と、
前記入力テキストデータと前記部品に対応する前記正解データとが一致するか否か判断し、前記入力テキストデータと前記部品に対応する前記正解データとが一致する場合、当該部品は正しい部品であると判断する手段と、
を有する請求項1記載の検査システム。
【請求項3】
前記中央装置が、
音声波形のデータと当該音声波形に対応する文字列とを含むテキスト変換用音声データを格納する変換用データ格納部
をさらに有し、
前記テキスト変換手段が、
前記変換用データ格納部に格納されている前記テキスト変換用音声データのうち、前記第1入力音声データと音声波形が一致する前記テキスト変換用音声データを特定する変換用データ特定手段と、
特定した前記テキスト変換用音声データに含まれる前記文字列を、前記第1入力音声データの音声波形に対応する文字列として前記入力テキストデータを生成する手段と、
を有する請求項2記載の検査システム。
【請求項4】
前記検査データ格納部が、前記所定の装置に含まれる部品毎に音声入力時間をさらに格納し、
前記音声処理手段が、
前記部品に対応する前記第1音声データに係る音声を出力してから当該部品に対応する前記音声入力時間が経過するまでの間、音声入力が可能となるように前記マイクを制御する手段
を有する請求項3記載の検査システム。
【請求項5】
前記正解データが、正解とみなされる部品の型番を表すデータであり、
前記確認指示が、前記確認結果として前記部品の型番を回答するように促す指示である
ことを特徴とする請求項1記載の検査システム。
【請求項6】
前記検査データ格納部が、前記部品の型番の正否を回答するように促す再確認指示を含む第2音声データをさらに格納し、
前記携帯端末が、
前記特定の装置に含まれる複数の部品のうち、前記第1判断手段により正しいと判断された部品以外の部品である再確認部品の各々に対応する前記第2音声データを取得する手段と、
前記再確認部品の各々について、当該再確認部品に対応する前記第2音声データに係る音声を前記イヤホンを介して出力する手段と、
をさらに有し、
前記携帯端末と前記中央装置とのうちいずれかが、
前記再確認部品の各々について、前記マイクを介して入力された第2入力音声データに基づき、当該再確認部品の正否を判断する第2判断手段
をさらに有する請求項5記載の検索システム。
【請求項7】
前記携帯端末と前記中央装置とのうちいずれかが、
前記再確認部品のうち、前記第2判断手段により正しいと判断された部品以外の部品を特定するための1次元コード又は2次元コードを生成する手段
をさらに有し、
前記携帯端末が、
前記携帯端末に接続される印刷装置に前記1次元コード又は2次元コードを印刷させる手段
をさらに有する請求項6記載の検索システム。
【請求項8】
前記識別情報が、1次元コード又は2次元コード形式のデータであり、
前記携帯端末が、
前記1次元コード又は2次元コードを読み取る手段
を有する請求項1記載の検索システム。
【請求項9】
前記検査データ格納部が、前記所定の装置毎に当該所定の装置の識別情報と当該所定の装置に含まれる部品のリストとをさらに格納しており、
前記第1音声データ取得手段が、
前記特定の装置の識別情報に対応する前記リストに含まれる部品の各々に対応する前記第1音声データを前記検査データ格納部から取得する手段
を有する請求項1記載の検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−28279(P2010−28279A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184772(P2008−184772)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】