検査システム
【課題】複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に、かつ詳細に検査する。
【解決手段】検査システム20は、制御部50と検査用治具52から構成される。制御部50は、装着部31と第1電位生成回路63と第2電位生成回路65とCPU(検出部の一例)61を備える。検査用治具52は、入出力部59と第3電位生成回路70と第4電位生成回路71を備える。第3電位生成回路70は、SR端子55と端子57が接続された場合に、端子58に接地電位を出力する。第4電位生成回路71は、SR端子55と端子57が接続されない場合に、端子58にツェナーダイオードD2のバイアス電位を出力する。第2電位生成回路64は、DEV端子56に接地電位とバイアス電位が印加されない場合に、DEV端子56に第2電位を印加する。
【解決手段】検査システム20は、制御部50と検査用治具52から構成される。制御部50は、装着部31と第1電位生成回路63と第2電位生成回路65とCPU(検出部の一例)61を備える。検査用治具52は、入出力部59と第3電位生成回路70と第4電位生成回路71を備える。第3電位生成回路70は、SR端子55と端子57が接続された場合に、端子58に接地電位を出力する。第4電位生成回路71は、SR端子55と端子57が接続されない場合に、端子58にツェナーダイオードD2のバイアス電位を出力する。第2電位生成回路64は、DEV端子56に接地電位とバイアス電位が印加されない場合に、DEV端子56に第2電位を印加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査システムに関し、詳しくは、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置が用いられている。画像形成装置では、画像を形成する画像形成ユニットと装置本体とを別々に製造し、装置本体の装着部に画像形成ユニットを着脱自在に装着することで、画像形成装置が形成されるものがある。このような画像形成装置では、装置本体の装着部に、画像形成ユニットに電力を供給(電位を印加)する複数の端子が形成されていることがある。従来から、装着部に画像形成ユニットを装着するに先立って、装着部に設けられた複数の端子から画像形成ユニットへの電位印加が正常になされるか否かを判定する技術が知られている(例えば特許文献1)。この技術では、画像形成ユニットに換えて装着部に検査治具を装着し、この状態における装着部の端子の電位を検出する。そして、検出した電位に基づいて、各端子からの電位印加が正常になされるか否かを検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−089680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に判定するために、例えば検査治具にトランジスタ素子を用意し、一つの端子をトランジスタ素子のゲート電極に接続するとともに、他の端子をトランジスタ素子の一方の主電極に接続しておく。また、トランジスタ素子の他方の主電極を接地電位に接続しておき、両端子からの電圧印加が正常になされる場合にトランジスタ素子を介して他の端子と接地電位の間に電流が流れるように設定しておく。トランジスタ素子に電流が流れたか否かを他の端子の電位の変化等を用いて検出することで、両端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に検査することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、いずれか一方の端子からの電位印加が正常になされない場合、あるいは両端子からの電位印加が正常になされない場合、トランジスタ素子を介して電流が流れず、これらの状態を区別することができない。複数の端子を効率的に判定する場合でも、各端子からの電位印加が正常になされるか否かを詳細に検査する必要がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に、かつ詳細に検査する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムに関する。
第1の発明では、装置本体が、装着部と第1電位生成回路と第2電位生成回路と検出部とを備えている。装着部は、画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えている。第1電位生成回路は、第1端子に第1電圧を印加する。検出部は、第2端子の電位を検出する。また、検査用治具が、入出力部と第3電位生成回路と第4電位生成回路とを備えている。入出力部は、第1端子に接続される第3端子と第2端子に接続される第4端子を備えている。第3電位生成回路は、第3端子に第1電位が印加された場合に、第4端子に第1出力電位を出力する。第4電位生成回路は、第3端子に第1電位が印加されない場合に、第4端子に第2出力電位を出力する。ここで、「第3端子に第1電位が印加されない」とは、第1端子と第3端子の接触不良等によって第3端子に第1電位が印加されない場合だけでなく、そもそも第1端子に第1電位が印加されていない場合も含む。第2電位生成回路は、第2端子に第1出力電位と第2出力電位が印加されない場合に、第2端子に第2電位を印加しており、その第2電位は、第1出力電位と第2出力電位と異なる電位に設定されている。
【0008】
この発明では、検出部を用いて第2端子の電位を検出することで、第1端子と第2端子からの電圧印加が正常になされるか否かを同時に検査することができ、複数の端子からの電圧印加が正常になされているか否かを効率的に判定することができる。
また、この発明では、第3電位生成回路を備えており、第1端子と第3電位が正常接続され、第2端子と第4電位が正常接続された第1状態に、第3端子に第1電位が印加され、第1出力電位が第4端子を介して第2端子に印加される。また、第4電位生成回路を備えており、第1端子と第3電位が正常接続されず、第2端子と第4電位が正常接続された第2状態に、第3端子に第1電位が印加されず、第4端子を介して第2端子に第2出力電位が印加される。また、第2電位生成回路を備えており、第2端子と第4電位が正常接続されない第3状態に、第2電位が第2端子に印加される。そのため、第2端子の電位を検出することによって第1状態と第2状態と第3状態を判別することができ、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0009】
第2の発明の第2電位生成回路は、第1端子の電位と第2端子の電位の電位差を第1電位差に維持する第1定電圧素子を含んでいる。また、第2の発明の検査用治具は、第5電位生成回路を備えている。第2の発明の検査用治具は、第5電位生成回路を備えており、第5電位生成回路は、第3端子に第1電位が印加され、第2端子に第1出力電位が印加されない場合に、第1定電圧素子を介して第2端子に第3出力電位を出力する。第2電位生成回路は、第2端子に第1出力電位と第2出力電位が印加されない場合のうち、第2端子に第1出力電位と第2出力電位と第3出力電位が印加されない場合に、第2端子に第2電位を印加しており、第3出力電位は、第1出力電位と第2出力電位と第2電位のいずれとも異なる電位に設定されている。
【0010】
この発明では、第5電位生成回路を備えており、第2端子と第4電位が正常接続されない第3状態のうち、第1端子と第3端子が正常接続される第4状態では、第1定電圧素子を介して第3出力電位が第2端子に印加される。また、第1端子と第3端子が正常接続されない第5状態では、依然として第2電位が第2端子に印加される。そのため、第2端子の電位を検出することによって第1状態と第2状態と第4状態と第5状態を判別することができ、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0011】
第3の発明の装置本体は、判定部を備えている。また、お互いに異なる第1出力電位と第2出力電位と第2電位は、この順に高くなるように設定されており、判定部は、第1出力電位と第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、第2出力電位と第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有している。第2の発明の判定部は、第1閾値電位と第2閾値電位を用いて、以下の判定を行う。
(1)検出部が検出した検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されており、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(2)検出電位が第1閾値電位以上であり第2閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されておらず、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(3)検出電位が第2閾値電位以上である場合に、第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
なお、ここでいう「高い、低い」とは、絶対値の大小関係を示すものであり、電位の大小関係と必ずしも一致しない。つまり、この発明では、正電位側であれば、「高い」電位が「低い」電位よりも大きく、負電位側であれば、「低い」電位が「高い」電位よりも大きい関係を有する。
この発明では、判定部が第1閾値電位と第2閾値電位を有していることで、検出された第2端子の電位から第1状態と第2状態と第3状態を確実に判別することができる。
【0012】
第4の発明の検査システムでは、第3電位生成回路が、制御電極が第3端子に接続され、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子を用いて構成されている。また、第4電位生成回路は、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続され、第4端子に基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子を用いて構成されている。第1電位は、スイッチング素子をオンさせる電位に設定されている。この検査システムによれば、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0013】
第5の発明の装置本体は、判定部を備えている。また、お互いに異なる第1出力電位と第2出力電位と第3出力電位と第2電位は、この順に高くなるように設定されており、判定部は、第1出力電位と第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、第2出力電位と第3出力電位の間の電位に設定された第3閾値電位と、第3出力電位と第2電位の間の電位に設定された第4閾値電位を有している。第5の発明の判定部は、第1閾値電位と第2閾値電位と第3閾値電位を用いて、以下の判定を行う。
(1)検出した検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されており、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(2)検出電位が第1閾値電位以上であり第3閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されておらず、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(3)検出電位が第3閾値電位以上であり第4閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されており、第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
(4)検出電位が第4閾値電位以上である場合に、第1端子と第3端子の間が接続されておらず、第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
なお、ここでいう「高い、低い」とは、絶対値の大小関係を示すものであり、電位の大小関係と必ずしも一致しない。つまり、この発明では、正電位側であれば、「高い」電位が「低い」電位よりも大きく、負電位側であれば、「低い」電位が「高い」電位よりも大きい関係を有する。
この発明では、判定部が第1閾値電位と第2閾値電位と第3閾値電位を有していることで、検出された第2端子の電位から第1状態と第2状態と第4状態と第5状態を確実に判別することができる。
【0014】
第6の発明の検査システムでは、第3電位生成回路が、制御電極が第3端子に接続され、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子を用いて構成されている。また、第4電位生成回路は、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続され、第4端子に基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子を用いて構成されている。また、第1定電圧素子は、一方の主電極が第1端子に接続され、他方の主電極が第2端子に接続され、第2端子の電位を第1端子の電位よりも第1電位差だけ低い電位を生成可能な定電圧素子を用いて構成されている。第5電位生成回路は、一方の主電極が第3端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続され、第3端子に基準電位よりも第3電位差だけ高い第4電位を生成可能な第3定電圧素子を用いて構成されている。第1電位及び第4電位は、スイッチング素子をオンさせる電位に設定されており、第3出力電位は、第4電位よりも第1電位差だけ低い第5電位となる。この検査システムによれば、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0015】
第7の発明の第2電位生成回路は、第2電位を調整可能な調整素子を備えている。第2電位は、検査システムを構成する際には装着部の各端子の接続状態を判別するために用いられ、画像形成装置を構成する際には画像形成ユニットを動作させるために用いられる。このように、第2電位を印加する対象が異なると、必要とされる電位が異なる場合がある。また、同一の検査用治具又は画像形成ユニットであっても、装置本体が配置された環境等によって必要とされる電位が異なる場合がある。本発明では、第2電位を調整可能な調整素子を備えていることで、それぞれの場合に適した電位を印加することができる。
【0016】
第8の発明は、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される別のタイプの検査システムに関する。
第8の発明の装置本体は、装着部と第1電位生成回路と第2電位生成回路と第1制御部と第2制御部と第1検出部と第2検出部とを備えている。装着部は、画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えている。第1電位生成回路は、第1電極と第2電極を有している。第1電極は、第1端子と第2端子に接続されている。第2電極は、基準電位に接続されている。第1電位生成回路は、第1電極に基準電位よりも高い第1電位を生成する。第2電位生成回路は、第3電極と第4電極を有している。第3電極は、第1端子と前記第2端子に接続されている。第4電極は、基準電位に接続されている。第2電位生成回路は、第3電極に基準電位よりも低い第2電位を生成する。第1制御部は、第1電位生成回路を制御して、第1端子と第2端子に第1電位を印加する。第2制御部は、第2電位生成回路を制御して、第1端子と第2端子に第2電位を印加する。第1検出部は、第1端子の電位を検出する。第2検出部は、第2端子の電位を検出する。
【0017】
第8の発明の検査用治具は、入出力部と第1整流素子と第2整流素子とを備えている。入出力部は、第1端子に接続される第3端子と第2端子に接続される第4端子を備えている。第1整流素子は、第3端子と基準電位の間に接続され、第3端子から基準電位へ電流が流れるのを禁止する。第2整流素子は、第4端子と基準電位の間に接続され、基準電位から第4端子へ電流が流れるのを禁止する。
【0018】
この発明では、第1検査部を用いて第1端子を検査することができ、第2検査部を用いて第2端子を検査することができる。例えば、複数の端子を用いて閉回路が構成される等、端子同士が相互に関係しており、個別の検査が難しい場合でも、それぞれの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に検査することができる。
また、この発明では、第3端子から基準電位へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子と、基準電位から第4端子へ電流が流れるのを禁止する第2整流素子が接続されている。第1制御部が第1電位を印加した場合、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かに関わらず、第1端子と基準電位の間に電流が流れない。その一方、第2端子と第4端子の間が接続されている場合に、第2端子と基準電位の間に電流が流れ、第2検出電位が基準電位まで低下する。そのため、第2端子の電位を検出することによって、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かによらず、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かを判定することができる。また、第2制御部が第2電位を印加した場合、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かに関わらず、第2端子と基準電位の間に電流が流れない。その一方、第1端子と第3端子の間が接続されている場合に、第1端子と基準電位の間に電流が流れ、第1検出電位が基準電位まで上昇する。そのため、第1端子の電位を検出することによって、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かによらず、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かを判定することができる。これによって、複数の端子から画像形成ユニットへの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0019】
第9の発明の装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えている。第1判定部は、基準電位と第2電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有している。第2判定部は、第1電位と基準電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有している。
第1判定部は、第1閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(1)第2制御部が第2電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位以上である場合に第1端子と第3端子の間が接続されていると判定する。
(2)第2制御部が第2電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に第1端子と第3端子の間が接続されていないと判定する。
また、第2判定部は、第2閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(3)第1制御部が第1電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位以上である場合に第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
(4)第1制御部が第1電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位よりも低い場合に第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
【0020】
この発明では、第1判定部が第1閾値電位を有していることで、第1端子と第3端子の接続状態を確実に検査することができる。また、第2判定部が第2閾値電位を有していることで、第2端子と第4端子の接続状態を確実に検査することができる。
【0021】
第10の発明は、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される別のタイプの検査システムに関する。
第10の発明の装置本体は、装着部と第1電位生成回路と第2電位生成回路と第1制御部と第2制御部と第1検出部と第2検出部とを備えている。装着部は、画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えている。第1電位生成回路は、第1電極と第2電極を有している。第1電極は、第1端子に接続されている。第2電極は、第2端子と基準電位に接続されている。第1電位生成回路は、第1電極に基準電位よりも高い第1電位を生成する。第2電位生成回路は、第3電極と第4電極を有している。第3電極は、第1端子と前記第2端子に接続されている。第4電極は、基準電位に接続されている。第2電位生成回路は、第3電極に基準電位よりも低い第2電位を生成する。第1制御部は、第1電位生成回路を制御して、第1端子に第1電位を印加する。第2制御部は、第2電位生成回路を制御して、第1端子と第2端子に第2電位を印加する。第1検出部は、第1端子の電位を検出する。第2検出部は、第2端子の電位を検出する。
【0022】
第10の発明の検査用治具は、入出力部と第1整流素子とを備えている。入出力部は、第1端子に接続される第3端子と第2端子に接続される第4端子を備えている。第1整流素子は、第3端子と基準電位の間に接続され、基準電位から第3端子へ電流が流れるのを禁止する。第4端子は、基準電位に接続されている。
【0023】
この発明では、第1検査部を用いて第1端子を検査することができ、第2検査部を用いて第2端子を検査することができる。例えば、複数の端子を用いて閉回路が構成される等、端子同士が相互に関係しており、個別の検査が難しい場合でも、それぞれの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に検査することができる。
また、この発明では、基準電位から第3端子へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子が接続されている。第1制御部が第1電位を印加した場合、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かに関わらず、第1端子と第3端子の間が接続されている場合に第1端子と第3端子の間に電流が流れ、第1検出電位が基準電位まで低下する。そのため、第1端子の電位を検出することによって、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かによらず、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かを判定することができる。また、第2制御部が第2電位を印加した場合、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かに関わらず、第1端子と基準電位の間に電流が流れない。その一方、第2端子と第4端子の間が接続されている場合に、第2端子と基準電位の間に電流が流れ、第2検出電位が基準電位まで上昇する。そのため、第2端子の電位を検出することによって、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かによらず、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かを判定することができる。これによって、複数の端子から画像形成ユニットへの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0024】
第11の発明の装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えている。第1判定部は、第1電位と基準電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有している。第2判定部は、基準電位と第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有している。
第1判定部は、第1閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(1)第1制御部が第1電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位以上である場合に第1端子と第3端子の間が接続されていないと判定する。
(2)第1制御部が第1電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に第1端子と第3端子の間が接続されていると判定する。
また、第2判定部は、第2閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(3)第2制御部が第2電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位以上である場合に第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(4)第2制御部が第2電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位よりも低い場合に第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
【0025】
この発明では、第1判定部が第1閾値電位を有していることで、第1端子と第3端子の接続状態を確実に検査することができる。また、第2判定部が第2閾値電位を有していることで、第2端子と第4端子の接続状態を確実に検査することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に、かつ詳細に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】プリンタ10の側断面図
【図2】検査システム20の回路図
【図3】検査システム20の判定表
【図4】検査システム120の回路図
【図5】検査システム120の判定表
【図6】検査システム220の回路図
【図7】検査システム220の判定表
【図8】従来の検査システム320の回路図
【図9】従来の検査システム320の判定表
【図10】検査システム420の回路図
【図11】検査システム520の回路図
【図12】検査システム620の回路図
【図13】検査システム720の回路図
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を、図1ないし図3を用いて説明する。
1.プリンタの全体構成
図1は、本実施形態のプリンタ10(画像形成装置の一例)の概略構成を示す側断面図である。なお、以下の説明においては、図1における左側をプリンタ10の前方とする。また、プリンタ10は4色(ブラックK、イエローY、マゼンタM、シアンC)の着色剤でカラー画像を形成するLEDカラープリンタであり、以下、各構成部品を色ごとに区別する場合には、その構成部品の符号末尾に各色を意味するK(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)を付すものとする。さらに、プリンタ10はLEDカラープリンタに限られず、例えばレーザカラープリンタ、あるいはファクシミリ装置や、プリンタ機能および読み取り機能(スキャナ機能)等を備えた、いわゆる複合機であってもよい。
【0029】
プリンタ10は、本体ケーシング3を備えており、この本体ケーシング3の底部には、被記録媒体である用紙5が積載される供給トレイ7が設けられている。この本体ケーシング3の上面にはアッパーカバー3Aが後端部を中心に開閉可能に設けられている。
【0030】
供給トレイ7の前端上方には給紙ローラ9が設けられており、この給紙ローラ9の回転に伴って供給トレイ7内に積載された最上位の用紙5がレジストレーションローラ11へ送り出される。レジストレーションローラ11は、用紙5の斜行補正等を行った後、その用紙5を画像形成部13のベルトユニット15上へ搬送する。
【0031】
画像形成部13は、ベルトユニット15、露光部17、プロセス部19、定着部21等を備えている。
ベルトユニット15は、前後一対のベルト支持ローラ23およびベルト25を含む。後側のベルト支持ローラ23が回転駆動されることにより、ベルト25が紙面時計周りに循環移動し、ベルト25上面の用紙5が後方へ搬送される。また、ベルト25の内側には、後述するプロセス部19の各感光体ドラム27とベルト25を挟んで対向する位置にそれぞれ転写ローラ29が設けられている。
【0032】
露光部17は、各色に対応した4つのLEDユニット17を備える。各LEDユニット17は、その下端部にLEDヘッド18を有し、その上端部がアッパーカバー3A下面に支持されている。LEDヘッド18は、LEDからなる複数の発光部が左右方向に配列されたものである。形成すべき画像データに基づいて各発光部は発光制御され、これにより各発光部から出射された光が感光体ドラム27の表面に照射され、その表面が露光される。
【0033】
プロセス部19は、上記4色に対応した4つのプロセスカートリッジ(画像形成ユニットの一例:以後、単に「カートリッジ」と呼ぶことがある)33と、各カートリッジ33が装着される装着部31とを備える。カートリッジ33は、モノクロカートリッジ33Kと、カラーカートリッジ33Y、33M、33Cとを含む。
【0034】
モノクロカートリッジ33Kは、その下部に、表面が正帯電性の感光層によって覆われ、高抵抗体である感光体ドラム27、帯電器37、ドラムクリーニングローラ34及び紙粉除去クリーニングローラ35を備え、その上部に現像カートリッジ40Kを備えている。
【0035】
ドラムクリーニングローラ34には、高電位であるローラ電位DCLNAが印加され、ローラ電位DCLNAの印加によって感光体ドラム27上に残留したトナーを回収する。なお、ローラ電位DCLNAは、正電位であるローラ電位DCLNA(+)と負電位であるローラ電位DCLNA(−)とを含む。
【0036】
また、紙粉除去クリーニングローラ35は導電性の金属からなり、ローラ電位DCLNAより高電位であるシャフト電位CLNBの印加によって、ドラムクリーニングローラ34上の紙粉を除去する。すなわち、紙粉除去クリーニングローラ35は、シャフト電位CLNBを利用して本体ケーシング3内に混入した紙粉を除去する。
【0037】
通常、トナーは正極性に帯電し、紙粉は負極性に帯電するため、帯電の極性の相違を利用して、トナーおよび紙粉が感光体ドラム27上から個別に除去される。印字中に負電位、例えば−400Vのローラ電位DCLNA(−)をドラムクリーニングローラ34に印加してトナーのみを感光体ドラム27上からドラムクリーニングローラ34上に回収する。そして、印字中に、正電位、例えば600Vのローラ電位DCLNA(+)をドラムクリーニングローラ34に印加し、700Vのシャフト電位DCLNBを紙粉除去クリーニングローラ35に印加する。このとき、紙粉はドラムクリーニングローラ34を介して紙粉除去クリーニングローラ35に回収される。トナーは感光体ドラム27上に再付着され、その後、ベルト25を介してクリーニング装置28によって回収される。
【0038】
モノクロカートリッジ33Kは、帯電電位SRを受け取るSR端子、現像バイアスDEVを受け取るDEV端子、ローラ電位DCLNA(+)、DCLNA(−)を受け取るDCLNA端子、およびシャフト電位DCLNBを受け取るDCLNB端子を有する。
【0039】
カラーカートリッジ33Y、33M、33Cは、その下部に、感光体ドラム27、帯電器37、ドラムクリーニングローラ34を備え、その上部に現像カートリッジ40Y、40M、40Cを備えている。その一方、カラーカートリッジ33Y、33M、33Cは、紙粉除去クリーニングローラ35を備えていない。カラーカートリッジ33Y、33M、33Cは、それぞれ、SR端子、DEV端子、およびDCLNA端子を有する。
【0040】
現像カートリッジ40は、カートリッジ33のカートリッジフレーム32に対して着脱可能に装着されている。そして、アッパーカバー3Aを開放することにより現像カートリッジ40が交換されたりする。また、カートリッジ33は、装着部31に対して着脱可能に装着されている。そして、アッパーカバー3Aを開放することによりカートリッジ33が交換されたり、カートリッジ33を取り出した状態で紙詰まり除去処理(ジャム処理)がされたりする。
【0041】
現像カートリッジ40は、箱状の本体ケーシング3の内側上部に、現像剤(着色剤)である各色のトナーを収容するトナー収容室42を備え、その下部に供給ローラ41、現像ローラ43等を備えている。
【0042】
トナー収容室42から放出されたトナーは、供給ローラ41の回転により現像ローラ43に供給され、供給ローラ41と現像ローラ43との間で正に摩擦帯電される。さらに、現像ローラ43上に供給されたトナーは、現像バイアスDEVの印加に伴って十分に帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ43上に担持される。
【0043】
画像形成時には、感光体ドラム27が回転駆動され、それに伴って感光体ドラム27の表面が帯電器37からの帯電電位SRの印加により一様に正帯電される。そして、その正帯電された部分がLEDヘッド18からの光の高速走査により露光されて、感光体ドラム27の表面に用紙5に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0044】
次いで、現像ローラ43の回転により、現像ローラ43上に担持され正帯電されているトナーが、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム27の静電潜像が可視像化され、感光体ドラム27の表面には露光部分にのみトナーが付着したトナー像が担持される。
【0045】
その後、各感光体ドラム27の表面上に担持されたトナー像は、ベルト25によって搬送される用紙5が、感光体ドラム27と転写ローラ29との間の各転写位置を通る間に、転写ローラ29に印加される負極性の転写電位によって、用紙5に順次転写される。こうしてトナー像が転写された用紙5は、次いで定着部21に搬送される。
【0046】
定着部21は、熱源を有する加熱ローラ49と、用紙5を加熱ローラ49側へ押圧する加圧ローラ51とを備えており、用紙5上に転写されたトナー像を紙面に熱定着させる。そして、定着部21により熱定着された用紙5は、上方へ搬送され、本体ケーシング3の上面に設けられた排出トレイ53上に排出される。
【0047】
図1に示されるように、モノクロカートリッジ33Kは、用紙5の画像形成に係る流れの最上流に配置され、各カラーカートリッジ33Y、33M、33Cはモノクロカートリッジ33Kより下流側(図1に示す後方側)に配置される。この構成により、上流側に紙粉除去の構成である紙粉除去クリーニングローラ35を設けて上流側で紙粉を除去し、下流側はコスト低減などのためにその構成を省略することによって、紙粉除去対策が好適になされる。
【0048】
カートリッジ33が装着される装着部31には、各カートリッジ33に対応した装着部31K、31Y、31M、31Cがそれぞれ設けられている。装着部31Kの内側には、モノクロカートリッジ33Kの各端子に当接する位置に端子(第1端子及び第2端子の一例)が設けられている(図2の端子55、56及び図10の端子455、456参照)。同様に、装着部31Y、31M、31Cの内側には、カラーカートリッジ33Y、33M、33Cの各端子に当接する位置に端子が設けられている(図2の端子55、56及び図10の端子456参照)。
【0049】
装着部31の各端子を検査する際には、カートリッジ33が装着されていない装着部31に検査用治具52(図2及び図10参照)が装着(接続)される。カートリッジ33が装着されていないプリンタ10が本発明の装置本体に相当し、検査用治具52が装着されたプリンタ10が本発明の検査システム20(図2及び図10参照)に相当する。検査用治具52は、SR端子、DEV端子、DCLNA端子およびDCLNB端子等を有する(図2の端子57、58及び図10の端子457、458参照)。プリンタ10では、本体側から装着部31へと接続される各配線が装着部31内において分岐し、各装着部31K、31Y、31M、31Cに設けられた対応する各端子へと接続される。検査用治具52の各端子は、各装着部31K、31Y、31M、31Cに設けられた端子のうち、同一の配線に接続される少なくとも一つの端子に接続される。
【0050】
2.検査システムの構成
次に、図2を参照して検査システム20について説明する。プリンタ10では、使用に先立って装着部31の各端子を検査する必要がある。装着部31の各端子を検査する際には、図2の検査システム20が構成される。この検査システム20は、カートリッジ33が装着されていない制御部(装置本体の一例)50に検査用治具52を装着することで構成される。
【0051】
3.制御部の構成
制御部50は、本体ケーシング3に設けられており、プリンタ10を制御している。制御部50は、装着部31とCPU(検出部及び判定部の一例)61とROM62と高電位制御回路65を含んでいる。高電位制御回路65は、転写ローラ29、ドラムクリーニングローラ34、紙粉除去クリーニングローラ35、帯電器37、および現像ローラ43等、プリンタ10に備えられた各電気的負荷にそれぞれ印加する複数の高電位を生成する。図2には、複数の高電位のうち、帯電器37に印加する帯電電位SRおよび現像ローラ43に印加する現像バイアスDEVを生成する高電位制御回路65が示されており、SR端子(第1端子の一例)55及びDEV端子(第2端子の一例)56を含んだ装着部31が示されている。
【0052】
高電位制御回路65は、第1電位生成回路63と第2電位生成回路64を含む。
第1電位生成回路63は、抵抗R1と電源Y1とを含む。抵抗R1と電源Y1は、SR端子55と接地電位(基準電位の一例)の間に直列に接続されている。電源Y1は、その高電位側が抵抗R1に接続され、その低電位側が抵抗R1に接続されている。第1電位生成回路63は、電源Y1が有する電圧によって、SR端子55に第1電位V1を印加している。
【0053】
第2電位生成回路64は、ツェナーダイオード(第1定電圧素子の一例)D1と可変抵抗(調整素子の一例)RKと抵抗R2と抵抗R3とを含む。ツェナーダイオードD1のカソード電極Kは、SR端子55に接続されており、ツェナーダイオードD1のアノード電極Aは、DEV端子56に接続されている。ツェナーダイオードD1は、DEV端子56とSR端子55の間の電位差を第1電位差ΔV1に維持している。可変抵抗RKは、DEV端子56と接地電位の間に接続されている。抵抗R2と抵抗R3は、DEV端子56と接地電位の間に直列に接続されている。第2電位生成回路63は、DEV端子56に印加される電圧(本実施形態では第1電位V1)を用いて、DEV端子56に印加される電圧よりも第1電位差ΔV1だけ低い第2電位V2をSR端子55に印加している。
【0054】
第2電位生成回路64では、可変抵抗RKの抵抗値を変化させることで、第2電位V2を変化させることができる。この第2電位V2は、図2に示す検査システム20を構成する際には、装着部31の各端子の接続状態を判別するために用いられる。一方、カートリッジ33が装着される際には、カートリッジ33を動作させるために用いられる。このように、検査システム20とカートリッジ33で第2電位が共通して使用されている場合、第2電位に必要とされる電位が用途によって異なる場合がある。また、プリンタ10では、使用される環境(温度、湿度等)によって第2電位に必要とされる電位が変化することがある。本実施形態では、第2電位生成回路64を用いて第2電位V2を変化させることで、用途や環境に適した第2電位V2を設定することができる。
【0055】
CPU61は、A/D端子を備えており、A/D端子は抵抗R2と抵抗R3の中間点MNに接続されている。CPU61は、A/D端子を用いて中間点MNの電位を検出している。また、CPU61は、PWM端子を備えており、可変抵抗RKに接続されている。CPU61は、PWM端子を用いて可変抵抗RKの抵抗値を変化させている。
【0056】
4.検査用治具の構成
検査用治具52は、カートリッジ33と略同一形状をしており、制御部50の装着部31に対して着脱可能に装着される。
検査用治具52は、入出力部59と第3電位生成回路70と第4電位生成回路71とを含む。入出力部59には、装着部31の各端子に当接する位置に端子が設けられている。図2には、SR端子55に対応した端子(第3端子の一例)57及びDEV端子56に対応する端子(第4端子の一例)58が示されている。これらの端子57、58は、検査用治具52が制御部50の装着部31に対して装着されることで、対応する端子55、56に接続される。
【0057】
第3電位生成回路70は、抵抗R4とトランジスタ素子(スイッチング素子の一例)S1とを含む。抵抗R4は、端子57とトランジスタ素子S1のベースB(制御電極の一例)の間に接続されている。トランジスタ素子S1のコレクタC(主電極の一例)は、端子58に接続されている。トランジスタ素子S1のエミッタE(主電極の別の例)は、接地電位に接続されている。トランジスタ素子S1は、抵抗R4を介してベースBにオン電位が印加された場合に、端子58に接地電位(第1出力電位の一例)を印加する。
【0058】
第4電位生成回路71は、ツェナーダイオード(第2定電圧素子の一例)D2を含む。ツェナーダイオードD2のカソード電極Kは、端子58に接続されており、ツェナーダイオードD2のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。ツェナーダイオードD2は、端子58にDEV端子56から第2電位V2が印加された場合に、第2電位V2を用いて接地電位よりも第2電位差ΔV2だけ高い第3電位(第2出力電位の一例)V3を生成し、端子58を介してDEV端子56に第3電位V3を印加する。
【0059】
なお、本実形態では、第1電位V1と第2電位V2と第3電位V3と接地電位がいずれも異なる電位に設定されており、第1電位V1は、トランジスタ素子S1をオンさせるオン電位に設定されている。また、第1電位V1と第2電位V2と第3電位V3と接地電位は、( 第1電位V1>第2電位V2>第3電位V3>接地電位 )の関係に設定されている。本実施形態では、第2電位V2と第3電位V3と接地電位とがDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。その場合には、DEV端子56の電位はより低い電位に設定される。つまり、第2電位V2は、第3電位V3と接地電位がDEV端子56に印加されない場合に、DEV端子56に印加される。また、第3電位V3は、接地電位がDEV端子56に印加されない場合(つまり、トランジスタ素子S1のベースBに第1電位V1が印加されない場合)にDEV端子56に印加される。
【0060】
5.検査システムの判定方法
CPU61は、制御部50の装着部31に検査用治具52が装着された際の中間点MNの電位V0を検出する。ROM62には、予め第1閾値電位F1と第2閾値電位F2が記憶されている。第1閾値電位F1は、第3電位V3と接地電位の間の電位に設定されている。第2閾値電位F2は、第2電位V2と第3電位V3の間の電位に設定されている。CPU61は、検出電位V0を閾値電位F1、F2と比較することで、装着部31のSR端子55及びDEV端子56を検査する。
【0061】
(検出電位V0<閾値電位F1)
この場合、CPU61は、接地電位が印加されていることを検出する。すなわち、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加され、それによって端子58に印加された接地電位がDEV端子56に印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されており、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第1状態)であると判別する(図3のSR端子:Close、DEV端子:Close)。
【0062】
(閾値電位F1<検出電位V0<閾値電位F2)
この場合、CPU61は、第3電位が印加されていることを検出する。接地電位が入力されていないことから、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加されていないことを検出する。また、第3電位V3が生成されたことから、DEV端子56から端子58に第2電位V2が印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されておらず、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第2状態)であると判別する(図3のSR端子:Open、DEV端子:Close)。なお、「接続されていない」とは、当該端子同士が物理的に接続されていない状態と、断線等の理由によりSR端子にそもそも第1電位V1が印加されていない状態の双方の状態を意味する。
【0063】
(閾値電位F2<検出電位V0)
この場合、CPU61は、第2電位が印加されていることを検出する。この結果、CPU61は、DEV端子56と端子58が接続されていない状態(第3状態)であると判別する(図3のDEV端子:Open)。
【0064】
6.検査システムの効果
本実施形態の検査システム20を用いた検査では、SR端子55及びDEV端子56を第1状態と第2状態と第3状態の3つの状態に判別することができる。図8に示す従来の検査システム320によれば、図9に示すように、SR端子55及びDEV端子56を第1状態とその他の状態(つまり、第2状態+第3状態)の2つの状態にしか判別することができなかった。本実施形態の検査システム20を用いることで、従来の検査システム320に比べて、SR端子55及びDEV端子56を詳細に検査することができ、これらの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0065】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を、図4ないし図5を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム120は、検査用治具152に第5電位生成回路72をさらに含んでいる点で実施形態1の検査システム20と異なる。
【0066】
1.検査用治具の構成
第5電位生成回路72は、ツェナーダイオード(第3定電圧素子の一例)D3を含む。ツェナーダイオードD3のカソード電極Kは、端子57に接続されており、ツェナーダイオードD3のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。ツェナーダイオードD3は、端子57にSR端子55から第1電位V1が印加された場合に、第1電位V1を用いて接地電位よりも第3電位差ΔV3だけ高い第4電位V4を生成し、端子57を介してSR端子に第4電位V4を印加する。第2電位生成回路64のツェナーダイオードD1は、SR端子に第4電位V4が印加された場合に、第4電位V4よりも第1電位差ΔV1だけ低い第5電位(第3出力電位の一例)V5を生成する。
【0067】
なお、本実形態では、第1電位V1と第2電位V2と第5電位V5と第3電位V3と接地電位がいずれも異なる電位に設定されており、第4電位V4は、トランジスタ素子S1をオンさせるオン電位に設定されている。また、第1電位V1と第2電位V2と第5電位V5と第3電位V3と接地電位は、( 第1電位V1>第2電位V2>第5電位V5>第3電位V3>接地電位 )の関係に設定されている。本実施形態では、第2電位V2と第3電位V3とがDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。本実施形態では、第2電位V2は、第3電位V3がDEV端子56に印加されない場合に、DEV端子56に印加される。また、本実施形態では、第5電位V5と接地電位がDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。本実施形態では、第5電位V5は、接地電位がDEV端子56に印加されない場合(つまり、DEV端子56と端子58が接続されていない場合)にDEV端子56に印加される。
【0068】
2.検査システムの判定方法
CPU61は、制御部50の装着部31に検査用治具152が装着された際の中間点MNの電位V0を検出する。ROM62には、予め第1閾値電位F1と第3閾値電位F3と第4閾値電位F4が記憶されている。第1閾値電位F1は、第3電位V3と接地電位の間の電位に設定されている。第3閾値電位F3は、第5電位V5と第3電位V3の間の電位に設定されている。第4閾値電位F3は、第2電位V2と第5電位V5の間の電位に設定されている。CPU61は、検出電位V0を閾値電位F1、F2、F3と比較することで、装着部31のSR端子55及びDEV端子56を検査する。
【0069】
(検出電位V0<閾値電位F1)
この場合、CPU61は、接地電位が印加されていることを検出する。すなわち、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加され、それによって端子58に印加された接地電位がDEV端子56に印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されており、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第1状態)であると判別する(図5のSR端子:Close、DEV端子:Close)。
【0070】
(閾値電位F1<検出電位V0<閾値電位F3)
この場合、CPU61は、第3電位が印加されていることを検出する。接地電位が入力されていないことから、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加されていないことを検出する。また、第3電位V3が生成されたことから、DEV端子56から端子58に第2電位V2が印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されておらず、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第2状態)であると判別する(図5のSR端子:Open、DEV端子:Close)。
【0071】
(閾値電位F3<検出電位V0<閾値電位F4)
この場合、CPU61は、第5電位が印加されていることを検出する。すなわち、接地電位及び第3電位が入力されていないことから、DEV端子56と端子58が接続されていないことを検出する。また、第5電位が生成されたことから、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されており、DEV端子56と端子58が接続されていない状態(第4状態)であると判別する(図5のSR端子:Close、DEV端子:Open)。
【0072】
(閾値電位F4<検出電位V0)
この場合、CPU61は、第2電位が印加されていることを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されておらず、DEV端子56と端子58が接続されていない状態(第5状態)であると判別する(図5のSR端子:Open、DEV端子:Open)。
【0073】
3.検査システムの効果
本実施形態の検査システム120を用いた検査では、SR端子55及びDEV端子56を第1状態と第2状態と第4状態と第5状態の4つの状態に判別することができる。本実施形態の検査システム120を用いることで、従来の検査システム320に比べて、SR端子55及びDEV端子56を詳細に検査することができ、これらの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0074】
<実施形態3>
実施形態2では、DEV端子55及びSR端子56から正電位を印加する制御部50の検査システム120を示したが、本発明は、DEV端子55及びSR端子56から負電位を印加する制御部250にも適用可能である。図6及び図7に、実施形態2の変形例である本発明の実施形態3を示す。本実施形態の検査システム220では、ツェナーダイオードD1,D2,D3および電源Y1が、検査システム120と比べて逆向きに配置されている点で実施形態2の検査システム120と異なる。また、トランジスタ素子S1の仕様及び接続が異なる他、検査システム220では、CPU61に入力される電位がマイナスとならないように、保護電源YH及び保護抵抗RHを含む。
【0075】
本実施形態では、第1電位V1と第2電位V2と第5電位V5と第3電位V3と接地電位が( 第1電位V1<第2電位V2<第5電位V5<第3電位V3<接地電位 )の関係に設定されている。本実施形態では、第2電位V2と第3電位V3とがDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。その場合には、DEV端子56の電位はより高い電位に設定される。なお、判定方法につても、電位の大小関係を逆にしたものであり、重複した説明を省略する。本実施形態の検査システム220を用いた検査でも、SR端子55及びDEV端子56を第1状態と第2状態と第4状態と第5状態の4つの状態に判別することができ、SR端子55及びDEV端子56からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0076】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を、図10を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム420は、制御部450に含まれる高電位制御回路465のうち、ドラムクリーニングローラ34に印加するローラ電位DCLNA(+)、DCLNA(−)及び紙粉除去クリーニングローラ35に印加するシャフト電位DCLNBを生成する高電位制御回路65を検査する検査システムである。本実施形態に係る検査システム420は、制御部450と検査用治具452によって構成される。
【0077】
1.制御部の構成
制御部450は、装着部431とCPU(制御部、検出部、判定部の一例)461とROM462と高電位制御回路465を含んでいる。装着部431は、シャフト電位DCLNBを出力するためのDCLNB端子455と、ローラ電位DCLNA(+)、DCLNA(−)を出力するためのDCLNA端子456を含む。CPU461は、ROM462に格納された所定のプログラムPにしたがって、高電位制御回路465を制御する。高電位制御回路465は、シャフト電位DCLNBを生成するシャフト電位生成回路66と、ローラ電位DCLNA(−)を生成するローラ負電位生成回路67と、ローラ電位DCLNA(+)を生成するローラ正電位生成回路68と、第1FB(フィードバック)回路73と第2FB回路74を含む。
【0078】
各電位生成回路66、67、68は、それぞれ電源Y(Y2〜Y4)、トランスT(T1〜T3)、トランジスタ素子S(S2〜S4)、ダイオードD(D4〜D6)、抵抗R(R6、R8,R10)およびコンデンサC(C2〜C4)を含む。
シャフト電位生成回路66は、第1端子91と第2端子92を含む。第1端子91は、DCLNB端子455に接続されている。第2端子92は、DCLNA端子456に接続されているとともに、ローラ負電位生成回路67及びローラ正電位生成回路68を介して接地電位に接続されている。シャフト電位生成回路66は、CPU461のPWM1端子に接続されており、CPU461の制御によって、第1端子91に第2端子92よりも高いシャフト電位DCLNBを生成する。
【0079】
ローラ負電位生成回路67は、第3端子93と第4端子94を含む。第3端子93は、DCLNA端子456に接続されるとともに、シャフト電位生成回路66を介してDCLNB端子455に接続されている。第2端子92は、ローラ正電位生成回路68を介して接地電位に接続されている。ローラ負電位生成回路67は、CPU461のPWM2端子に接続されており、CPU461の制御によって、第3端子93に第4端子94よりも低いローラ電位DCLNA(−)を生成する。
【0080】
ローラ正電位生成回路68は、第5端子95と第6端子96を含む。第5端子95は、ローラ負電位生成回路67を介してDCLNA端子456に接続されるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ負電位生成回路67を介してDCLNB端子455に接続されている。第6端子96は、接地電位に接続されている。ローラ正電位生成回路68は、CPU461のPWM3端子に接続されており、CPU461の制御によって、第5端子95に第6端子96よりも高いローラ電位DCLNA(+)を生成する。
【0081】
第1FB回路73は、コンデンサC5、C6とダイオードD7を含む。第1FB回路73は、シャフト電位生成回路66を介してDCLNA端子456に接続されており、DCLNB端子455の電位をCPU461のA/D1ポートに入力する。また、第2FB回路74は、電源Y5と抵抗R11〜R13を含む。第2FB回路74は、DCLNB端子456に接続されており、DCLNA端子456の電位をCPU461に適合させた状態でCPU461のA/D2ポートに入力する。
【0082】
2.検査用治具の構成
検査用治具452は、入出力部459とダイオードD8とダイオードD9とを含む。入出力部459には、DCLNB端子455に対応した端子457及びDCLNA端子456に対応する端子458が示されている。ダイオードD8のカソード電極Kは、端子457に接続されており、ダイオードD8のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。つまり、端子457では、端子457から接地電位に向かって電流が流れることが抑制されている。また、ダイオードD9のアノード電極Aは、端子458に接続されており、ダイオードD9のカソード電極Kは、接地電位に接続されている。つまり、端子458では、接地電位から端子458に向かって電流が流れることが抑制されている。
【0083】
3.検査システムの判定方法及び効果
(DCLNB端子の検査)
CPU461は、ローラ負電位生成回路67を動作させるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNB端子455の電位VBを検出する。この場合、DCLNB端子455と端子457が接続されていると、抵抗R10、接地電位、ダイオードD8、抵抗6を介して電流が流れる。ROM462には、予め閾値電位F11が記憶されている。閾値電位F11は、接地電位とローラ電位DCLNA(−)の間の電位に対応させた値に設定されている。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F11と比較し、検出電位VBが閾値電位F11以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F11よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定する。
【0084】
ローラ負電位生成回路67を動作させると、DCLNB端子455とともにDCLNA端子456にもローラ電位DCLNA(−)が印加される。本実施形態では、DCLNA端子456が接続される端子458と接地電位の間にはダイオードD9が接続されており、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子456と接地電位の間に電流が流れない。従って、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と端子457の接続状態を判定することができる。
【0085】
(DCLNA端子の検査)
CPU461は、ローラ正電位生成回路68を動作させるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ負電位生成回路67を停止させ、この際のDCLNA端子456の電位VAを検出する。この場合、DCLNA端子456と端子458が接続されていると、抵抗R10、接地電位、ダイオードD9を介して電流が流れる。ROM462には、予め閾値電位F12が記憶されている。閾値電位F12は、ローラ電位DCLNA(+)と接地電位の間の電位に設定されている。CPU461は、検出電位VAを閾値電位F12と比較し、検出電位VAが閾値電位F11以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F11よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定する。
【0086】
ローラ負電位生成回路67を動作させると、DCLNA端子456とともにDCLNB端子455にもローラ電位DCLNA(+)が印加される。本実施形態では、DCLNB端子455が接続される端子457と接地電位の間にはダイオードD8が接続されており、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と接地電位の間に電流が流れない。従って、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かを判断することができる。
【0087】
<実施形態5>
本発明の実施形態5を、図11を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム520は、検査用治具552にダイオードD10を含んでいる点で実施形態4の検査システム420と異なる。
【0088】
1.検査用治具の構成
検査用治具552は、入出力部459とダイオードD10とを含む。ダイオードD10のアノード電極Aは、端子457に接続されており、ダイオードD8のカソード電極Kは、接地電位に接続されている。つまり、端子457では、接地電位から端子257に向かって電流が流れることが抑制されている。なお、端子458は、接地電位に接続されている。
【0089】
2.検査システムの判定方法及び効果
(DCLNA端子の検査)
CPU461は、ローラ負電位生成回路67を動作させるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNA端子456の電位VAを検出する。この場合、DCLNA端子456と端子458が接続されていると、抵抗R10、接地電位、ダイオードD9を介して電流が流れる。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F11と比較し、検出電位VAが閾値電位F11以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定し、検出電位VAが閾値電位F11よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定する。
【0090】
ローラ負電位生成回路67を動作させると、DCLNA端子456とともにDCLNB端子455にもローラ電位DCLNA(−)が印加される。本実施形態では、DCLNB端子455が接続される端子457と接地電位の間にはダイオードD10が接続されており、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と接地電位の間に電流が流れない。従って、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子456と端子458の接続状態を判定することができる。
【0091】
(DCLNB端子の検査)
CPU461は、シャフト電位生成回路66を動作させるとともに、ローラ負電位生成回路67及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNB端子455の電位VBを検出する。この場合、DCLNB端子455と端子457が接続されていると、抵抗R8、抵抗R10、接地電位、ダイオードD8を介して電流が流れる、もしくは、接地電位、DCLNB端子256、端子258、ダイオードD8を介して電流が流れる。ROM262には、予め閾値電位F13が記憶されている。閾値電位F13は、シャフト電位DCLNBと接地電位の間の電位に設定されている。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F13と比較し、検出電位VBが閾値電位F13以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F13よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定する。
【0092】
シャフト電位生成回路66を動作され、DCLNB端子455にシャフト電位DCLNBが印加されると、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と端子457が接続されている場合に限り電流が流れる。従って、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子455と端子457が接続されているか否かを判断することができる。
【0093】
<実施形態6>
本発明の実施形態6を、図12を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム620は、検査用治具652にダイオードD11を含んでいる点で実施形態5の検査システム220と異なる。
【0094】
1.検査用治具の構成
ダイオードD11は、ダイオードD8と接地電位の間、及び端子458と接地電位の間に接続されている。ダイオードD11のカソード電極Kは、ダイオードD8のカソード電極Kに接続されているとともに端子458に接続されており、ダイオードD11のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。つまり、端子457では、接地電位と端子457の間にいずれの向きに電流が流れることも抑制されている。端子458では、端子458から接地電位に向かって電流が流れることが抑制されている。
【0095】
2.検査システムの判定方法及び効果
(DCLNA端子の検査)
実施形態5と同じであり、重複した説明を省略する。
(DCLNB端子の検査)
CPU461は、シャフト電位生成回路66を動作させるとともに、ローラ負電位生成回路67及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNB端子455の電位VBを検出する。この場合、DCLNB端子455と端子457が接続されていると、接地電位、DCLNB端子256、端子258、ダイオードD8を介して電流が流れる。閾値電位F13は、シャフト電位DCLNBと接地電位の間の電位に設定されている。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F13と比較し、検出電位VBが閾値電位F13以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であり、DCLNA端子456と端子458が接続されている状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F13よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457又はDCLNA端子456と端子458の少なくとも一方が接続されていない状態であると判定する。
【0096】
シャフト電位生成回路66を動作され、DCLNB端子455にシャフト電位DCLNBが印加されると、DCLNA端子456と端子458が接続されており、DCLNB端子455と端子457が接続されている場合に限り電流が流れる。従って、DCLNA端子456と端子458が接続されており、かつDCLNA端子455と端子457が接続されていることを判断することができる。また、DCLNA端子の検査結果と併用することで、DCLNB端子455と端子457又はDCLNA端子456と端子458のいずれが接続されていないかを判定することができる。
【0097】
<実施形態7>
本発明の実施形態7を、図13を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム720は、実施形態6の検査用治具652のダイオードD11をツェナーダイオードD12に置き換えたものである。ツェナーダイオードD12はダイオードD11と逆向きに配置されることで、ダイオードD11と等しく動作する。つまり。本実施形態に係る検査システム720は、実質的に実施形態6に係る検査システム620と等しく、実質的に実施形態6に係る検査システム620と同様の効果を奏する。
【0098】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではい。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0099】
10:プリンタ
20:検査システム
31:装着部
40:現像カートリッジ
50:制御部
52:検査用治具
59:入出力部
65:高電位制御回路
66:シャフト電位生成回路
67:ローラ負電位生成回路
68:ローラ正電位生成回路
DCLNA:ローラ電位
DCLNB:シャフト電位
DEV:現像バイアス
SR:帯電電位
【技術分野】
【0001】
本発明は検査システムに関し、詳しくは、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置が用いられている。画像形成装置では、画像を形成する画像形成ユニットと装置本体とを別々に製造し、装置本体の装着部に画像形成ユニットを着脱自在に装着することで、画像形成装置が形成されるものがある。このような画像形成装置では、装置本体の装着部に、画像形成ユニットに電力を供給(電位を印加)する複数の端子が形成されていることがある。従来から、装着部に画像形成ユニットを装着するに先立って、装着部に設けられた複数の端子から画像形成ユニットへの電位印加が正常になされるか否かを判定する技術が知られている(例えば特許文献1)。この技術では、画像形成ユニットに換えて装着部に検査治具を装着し、この状態における装着部の端子の電位を検出する。そして、検出した電位に基づいて、各端子からの電位印加が正常になされるか否かを検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−089680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に判定するために、例えば検査治具にトランジスタ素子を用意し、一つの端子をトランジスタ素子のゲート電極に接続するとともに、他の端子をトランジスタ素子の一方の主電極に接続しておく。また、トランジスタ素子の他方の主電極を接地電位に接続しておき、両端子からの電圧印加が正常になされる場合にトランジスタ素子を介して他の端子と接地電位の間に電流が流れるように設定しておく。トランジスタ素子に電流が流れたか否かを他の端子の電位の変化等を用いて検出することで、両端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に検査することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、いずれか一方の端子からの電位印加が正常になされない場合、あるいは両端子からの電位印加が正常になされない場合、トランジスタ素子を介して電流が流れず、これらの状態を区別することができない。複数の端子を効率的に判定する場合でも、各端子からの電位印加が正常になされるか否かを詳細に検査する必要がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に、かつ詳細に検査する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムに関する。
第1の発明では、装置本体が、装着部と第1電位生成回路と第2電位生成回路と検出部とを備えている。装着部は、画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えている。第1電位生成回路は、第1端子に第1電圧を印加する。検出部は、第2端子の電位を検出する。また、検査用治具が、入出力部と第3電位生成回路と第4電位生成回路とを備えている。入出力部は、第1端子に接続される第3端子と第2端子に接続される第4端子を備えている。第3電位生成回路は、第3端子に第1電位が印加された場合に、第4端子に第1出力電位を出力する。第4電位生成回路は、第3端子に第1電位が印加されない場合に、第4端子に第2出力電位を出力する。ここで、「第3端子に第1電位が印加されない」とは、第1端子と第3端子の接触不良等によって第3端子に第1電位が印加されない場合だけでなく、そもそも第1端子に第1電位が印加されていない場合も含む。第2電位生成回路は、第2端子に第1出力電位と第2出力電位が印加されない場合に、第2端子に第2電位を印加しており、その第2電位は、第1出力電位と第2出力電位と異なる電位に設定されている。
【0008】
この発明では、検出部を用いて第2端子の電位を検出することで、第1端子と第2端子からの電圧印加が正常になされるか否かを同時に検査することができ、複数の端子からの電圧印加が正常になされているか否かを効率的に判定することができる。
また、この発明では、第3電位生成回路を備えており、第1端子と第3電位が正常接続され、第2端子と第4電位が正常接続された第1状態に、第3端子に第1電位が印加され、第1出力電位が第4端子を介して第2端子に印加される。また、第4電位生成回路を備えており、第1端子と第3電位が正常接続されず、第2端子と第4電位が正常接続された第2状態に、第3端子に第1電位が印加されず、第4端子を介して第2端子に第2出力電位が印加される。また、第2電位生成回路を備えており、第2端子と第4電位が正常接続されない第3状態に、第2電位が第2端子に印加される。そのため、第2端子の電位を検出することによって第1状態と第2状態と第3状態を判別することができ、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0009】
第2の発明の第2電位生成回路は、第1端子の電位と第2端子の電位の電位差を第1電位差に維持する第1定電圧素子を含んでいる。また、第2の発明の検査用治具は、第5電位生成回路を備えている。第2の発明の検査用治具は、第5電位生成回路を備えており、第5電位生成回路は、第3端子に第1電位が印加され、第2端子に第1出力電位が印加されない場合に、第1定電圧素子を介して第2端子に第3出力電位を出力する。第2電位生成回路は、第2端子に第1出力電位と第2出力電位が印加されない場合のうち、第2端子に第1出力電位と第2出力電位と第3出力電位が印加されない場合に、第2端子に第2電位を印加しており、第3出力電位は、第1出力電位と第2出力電位と第2電位のいずれとも異なる電位に設定されている。
【0010】
この発明では、第5電位生成回路を備えており、第2端子と第4電位が正常接続されない第3状態のうち、第1端子と第3端子が正常接続される第4状態では、第1定電圧素子を介して第3出力電位が第2端子に印加される。また、第1端子と第3端子が正常接続されない第5状態では、依然として第2電位が第2端子に印加される。そのため、第2端子の電位を検出することによって第1状態と第2状態と第4状態と第5状態を判別することができ、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0011】
第3の発明の装置本体は、判定部を備えている。また、お互いに異なる第1出力電位と第2出力電位と第2電位は、この順に高くなるように設定されており、判定部は、第1出力電位と第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、第2出力電位と第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有している。第2の発明の判定部は、第1閾値電位と第2閾値電位を用いて、以下の判定を行う。
(1)検出部が検出した検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されており、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(2)検出電位が第1閾値電位以上であり第2閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されておらず、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(3)検出電位が第2閾値電位以上である場合に、第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
なお、ここでいう「高い、低い」とは、絶対値の大小関係を示すものであり、電位の大小関係と必ずしも一致しない。つまり、この発明では、正電位側であれば、「高い」電位が「低い」電位よりも大きく、負電位側であれば、「低い」電位が「高い」電位よりも大きい関係を有する。
この発明では、判定部が第1閾値電位と第2閾値電位を有していることで、検出された第2端子の電位から第1状態と第2状態と第3状態を確実に判別することができる。
【0012】
第4の発明の検査システムでは、第3電位生成回路が、制御電極が第3端子に接続され、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子を用いて構成されている。また、第4電位生成回路は、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続され、第4端子に基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子を用いて構成されている。第1電位は、スイッチング素子をオンさせる電位に設定されている。この検査システムによれば、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0013】
第5の発明の装置本体は、判定部を備えている。また、お互いに異なる第1出力電位と第2出力電位と第3出力電位と第2電位は、この順に高くなるように設定されており、判定部は、第1出力電位と第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、第2出力電位と第3出力電位の間の電位に設定された第3閾値電位と、第3出力電位と第2電位の間の電位に設定された第4閾値電位を有している。第5の発明の判定部は、第1閾値電位と第2閾値電位と第3閾値電位を用いて、以下の判定を行う。
(1)検出した検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されており、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(2)検出電位が第1閾値電位以上であり第3閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されておらず、第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(3)検出電位が第3閾値電位以上であり第4閾値電位よりも低い場合に、第1端子と第3端子の間が接続されており、第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
(4)検出電位が第4閾値電位以上である場合に、第1端子と第3端子の間が接続されておらず、第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
なお、ここでいう「高い、低い」とは、絶対値の大小関係を示すものであり、電位の大小関係と必ずしも一致しない。つまり、この発明では、正電位側であれば、「高い」電位が「低い」電位よりも大きく、負電位側であれば、「低い」電位が「高い」電位よりも大きい関係を有する。
この発明では、判定部が第1閾値電位と第2閾値電位と第3閾値電位を有していることで、検出された第2端子の電位から第1状態と第2状態と第4状態と第5状態を確実に判別することができる。
【0014】
第6の発明の検査システムでは、第3電位生成回路が、制御電極が第3端子に接続され、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子を用いて構成されている。また、第4電位生成回路は、一方の主電極が第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続され、第4端子に基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子を用いて構成されている。また、第1定電圧素子は、一方の主電極が第1端子に接続され、他方の主電極が第2端子に接続され、第2端子の電位を第1端子の電位よりも第1電位差だけ低い電位を生成可能な定電圧素子を用いて構成されている。第5電位生成回路は、一方の主電極が第3端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続され、第3端子に基準電位よりも第3電位差だけ高い第4電位を生成可能な第3定電圧素子を用いて構成されている。第1電位及び第4電位は、スイッチング素子をオンさせる電位に設定されており、第3出力電位は、第4電位よりも第1電位差だけ低い第5電位となる。この検査システムによれば、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0015】
第7の発明の第2電位生成回路は、第2電位を調整可能な調整素子を備えている。第2電位は、検査システムを構成する際には装着部の各端子の接続状態を判別するために用いられ、画像形成装置を構成する際には画像形成ユニットを動作させるために用いられる。このように、第2電位を印加する対象が異なると、必要とされる電位が異なる場合がある。また、同一の検査用治具又は画像形成ユニットであっても、装置本体が配置された環境等によって必要とされる電位が異なる場合がある。本発明では、第2電位を調整可能な調整素子を備えていることで、それぞれの場合に適した電位を印加することができる。
【0016】
第8の発明は、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される別のタイプの検査システムに関する。
第8の発明の装置本体は、装着部と第1電位生成回路と第2電位生成回路と第1制御部と第2制御部と第1検出部と第2検出部とを備えている。装着部は、画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えている。第1電位生成回路は、第1電極と第2電極を有している。第1電極は、第1端子と第2端子に接続されている。第2電極は、基準電位に接続されている。第1電位生成回路は、第1電極に基準電位よりも高い第1電位を生成する。第2電位生成回路は、第3電極と第4電極を有している。第3電極は、第1端子と前記第2端子に接続されている。第4電極は、基準電位に接続されている。第2電位生成回路は、第3電極に基準電位よりも低い第2電位を生成する。第1制御部は、第1電位生成回路を制御して、第1端子と第2端子に第1電位を印加する。第2制御部は、第2電位生成回路を制御して、第1端子と第2端子に第2電位を印加する。第1検出部は、第1端子の電位を検出する。第2検出部は、第2端子の電位を検出する。
【0017】
第8の発明の検査用治具は、入出力部と第1整流素子と第2整流素子とを備えている。入出力部は、第1端子に接続される第3端子と第2端子に接続される第4端子を備えている。第1整流素子は、第3端子と基準電位の間に接続され、第3端子から基準電位へ電流が流れるのを禁止する。第2整流素子は、第4端子と基準電位の間に接続され、基準電位から第4端子へ電流が流れるのを禁止する。
【0018】
この発明では、第1検査部を用いて第1端子を検査することができ、第2検査部を用いて第2端子を検査することができる。例えば、複数の端子を用いて閉回路が構成される等、端子同士が相互に関係しており、個別の検査が難しい場合でも、それぞれの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に検査することができる。
また、この発明では、第3端子から基準電位へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子と、基準電位から第4端子へ電流が流れるのを禁止する第2整流素子が接続されている。第1制御部が第1電位を印加した場合、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かに関わらず、第1端子と基準電位の間に電流が流れない。その一方、第2端子と第4端子の間が接続されている場合に、第2端子と基準電位の間に電流が流れ、第2検出電位が基準電位まで低下する。そのため、第2端子の電位を検出することによって、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かによらず、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かを判定することができる。また、第2制御部が第2電位を印加した場合、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かに関わらず、第2端子と基準電位の間に電流が流れない。その一方、第1端子と第3端子の間が接続されている場合に、第1端子と基準電位の間に電流が流れ、第1検出電位が基準電位まで上昇する。そのため、第1端子の電位を検出することによって、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かによらず、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かを判定することができる。これによって、複数の端子から画像形成ユニットへの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0019】
第9の発明の装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えている。第1判定部は、基準電位と第2電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有している。第2判定部は、第1電位と基準電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有している。
第1判定部は、第1閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(1)第2制御部が第2電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位以上である場合に第1端子と第3端子の間が接続されていると判定する。
(2)第2制御部が第2電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に第1端子と第3端子の間が接続されていないと判定する。
また、第2判定部は、第2閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(3)第1制御部が第1電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位以上である場合に第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
(4)第1制御部が第1電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位よりも低い場合に第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
【0020】
この発明では、第1判定部が第1閾値電位を有していることで、第1端子と第3端子の接続状態を確実に検査することができる。また、第2判定部が第2閾値電位を有していることで、第2端子と第4端子の接続状態を確実に検査することができる。
【0021】
第10の発明は、画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される別のタイプの検査システムに関する。
第10の発明の装置本体は、装着部と第1電位生成回路と第2電位生成回路と第1制御部と第2制御部と第1検出部と第2検出部とを備えている。装着部は、画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えている。第1電位生成回路は、第1電極と第2電極を有している。第1電極は、第1端子に接続されている。第2電極は、第2端子と基準電位に接続されている。第1電位生成回路は、第1電極に基準電位よりも高い第1電位を生成する。第2電位生成回路は、第3電極と第4電極を有している。第3電極は、第1端子と前記第2端子に接続されている。第4電極は、基準電位に接続されている。第2電位生成回路は、第3電極に基準電位よりも低い第2電位を生成する。第1制御部は、第1電位生成回路を制御して、第1端子に第1電位を印加する。第2制御部は、第2電位生成回路を制御して、第1端子と第2端子に第2電位を印加する。第1検出部は、第1端子の電位を検出する。第2検出部は、第2端子の電位を検出する。
【0022】
第10の発明の検査用治具は、入出力部と第1整流素子とを備えている。入出力部は、第1端子に接続される第3端子と第2端子に接続される第4端子を備えている。第1整流素子は、第3端子と基準電位の間に接続され、基準電位から第3端子へ電流が流れるのを禁止する。第4端子は、基準電位に接続されている。
【0023】
この発明では、第1検査部を用いて第1端子を検査することができ、第2検査部を用いて第2端子を検査することができる。例えば、複数の端子を用いて閉回路が構成される等、端子同士が相互に関係しており、個別の検査が難しい場合でも、それぞれの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に検査することができる。
また、この発明では、基準電位から第3端子へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子が接続されている。第1制御部が第1電位を印加した場合、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かに関わらず、第1端子と第3端子の間が接続されている場合に第1端子と第3端子の間に電流が流れ、第1検出電位が基準電位まで低下する。そのため、第1端子の電位を検出することによって、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かによらず、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かを判定することができる。また、第2制御部が第2電位を印加した場合、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かに関わらず、第1端子と基準電位の間に電流が流れない。その一方、第2端子と第4端子の間が接続されている場合に、第2端子と基準電位の間に電流が流れ、第2検出電位が基準電位まで上昇する。そのため、第2端子の電位を検出することによって、第1端子と第3端子の間が接続されているか否かによらず、第2端子と第4端子の間が接続されているか否かを判定することができる。これによって、複数の端子から画像形成ユニットへの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0024】
第11の発明の装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えている。第1判定部は、第1電位と基準電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有している。第2判定部は、基準電位と第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有している。
第1判定部は、第1閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(1)第1制御部が第1電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位以上である場合に第1端子と第3端子の間が接続されていないと判定する。
(2)第1制御部が第1電位を印加した際に、第1検出電位が第1閾値電位よりも低い場合に第1端子と第3端子の間が接続されていると判定する。
また、第2判定部は、第2閾値電位を用いて以下の判定を行う。
(3)第2制御部が第2電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位以上である場合に第2端子と第4端子の間が接続されていると判定する。
(4)第2制御部が第2電位を印加した際に、第2検出電位が第2閾値電位よりも低い場合に第2端子と第4端子の間が接続されていないと判定する。
【0025】
この発明では、第1判定部が第1閾値電位を有していることで、第1端子と第3端子の接続状態を確実に検査することができる。また、第2判定部が第2閾値電位を有していることで、第2端子と第4端子の接続状態を確実に検査することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の端子からの電圧印加が正常になされるか否かを効率的に、かつ詳細に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】プリンタ10の側断面図
【図2】検査システム20の回路図
【図3】検査システム20の判定表
【図4】検査システム120の回路図
【図5】検査システム120の判定表
【図6】検査システム220の回路図
【図7】検査システム220の判定表
【図8】従来の検査システム320の回路図
【図9】従来の検査システム320の判定表
【図10】検査システム420の回路図
【図11】検査システム520の回路図
【図12】検査システム620の回路図
【図13】検査システム720の回路図
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を、図1ないし図3を用いて説明する。
1.プリンタの全体構成
図1は、本実施形態のプリンタ10(画像形成装置の一例)の概略構成を示す側断面図である。なお、以下の説明においては、図1における左側をプリンタ10の前方とする。また、プリンタ10は4色(ブラックK、イエローY、マゼンタM、シアンC)の着色剤でカラー画像を形成するLEDカラープリンタであり、以下、各構成部品を色ごとに区別する場合には、その構成部品の符号末尾に各色を意味するK(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)を付すものとする。さらに、プリンタ10はLEDカラープリンタに限られず、例えばレーザカラープリンタ、あるいはファクシミリ装置や、プリンタ機能および読み取り機能(スキャナ機能)等を備えた、いわゆる複合機であってもよい。
【0029】
プリンタ10は、本体ケーシング3を備えており、この本体ケーシング3の底部には、被記録媒体である用紙5が積載される供給トレイ7が設けられている。この本体ケーシング3の上面にはアッパーカバー3Aが後端部を中心に開閉可能に設けられている。
【0030】
供給トレイ7の前端上方には給紙ローラ9が設けられており、この給紙ローラ9の回転に伴って供給トレイ7内に積載された最上位の用紙5がレジストレーションローラ11へ送り出される。レジストレーションローラ11は、用紙5の斜行補正等を行った後、その用紙5を画像形成部13のベルトユニット15上へ搬送する。
【0031】
画像形成部13は、ベルトユニット15、露光部17、プロセス部19、定着部21等を備えている。
ベルトユニット15は、前後一対のベルト支持ローラ23およびベルト25を含む。後側のベルト支持ローラ23が回転駆動されることにより、ベルト25が紙面時計周りに循環移動し、ベルト25上面の用紙5が後方へ搬送される。また、ベルト25の内側には、後述するプロセス部19の各感光体ドラム27とベルト25を挟んで対向する位置にそれぞれ転写ローラ29が設けられている。
【0032】
露光部17は、各色に対応した4つのLEDユニット17を備える。各LEDユニット17は、その下端部にLEDヘッド18を有し、その上端部がアッパーカバー3A下面に支持されている。LEDヘッド18は、LEDからなる複数の発光部が左右方向に配列されたものである。形成すべき画像データに基づいて各発光部は発光制御され、これにより各発光部から出射された光が感光体ドラム27の表面に照射され、その表面が露光される。
【0033】
プロセス部19は、上記4色に対応した4つのプロセスカートリッジ(画像形成ユニットの一例:以後、単に「カートリッジ」と呼ぶことがある)33と、各カートリッジ33が装着される装着部31とを備える。カートリッジ33は、モノクロカートリッジ33Kと、カラーカートリッジ33Y、33M、33Cとを含む。
【0034】
モノクロカートリッジ33Kは、その下部に、表面が正帯電性の感光層によって覆われ、高抵抗体である感光体ドラム27、帯電器37、ドラムクリーニングローラ34及び紙粉除去クリーニングローラ35を備え、その上部に現像カートリッジ40Kを備えている。
【0035】
ドラムクリーニングローラ34には、高電位であるローラ電位DCLNAが印加され、ローラ電位DCLNAの印加によって感光体ドラム27上に残留したトナーを回収する。なお、ローラ電位DCLNAは、正電位であるローラ電位DCLNA(+)と負電位であるローラ電位DCLNA(−)とを含む。
【0036】
また、紙粉除去クリーニングローラ35は導電性の金属からなり、ローラ電位DCLNAより高電位であるシャフト電位CLNBの印加によって、ドラムクリーニングローラ34上の紙粉を除去する。すなわち、紙粉除去クリーニングローラ35は、シャフト電位CLNBを利用して本体ケーシング3内に混入した紙粉を除去する。
【0037】
通常、トナーは正極性に帯電し、紙粉は負極性に帯電するため、帯電の極性の相違を利用して、トナーおよび紙粉が感光体ドラム27上から個別に除去される。印字中に負電位、例えば−400Vのローラ電位DCLNA(−)をドラムクリーニングローラ34に印加してトナーのみを感光体ドラム27上からドラムクリーニングローラ34上に回収する。そして、印字中に、正電位、例えば600Vのローラ電位DCLNA(+)をドラムクリーニングローラ34に印加し、700Vのシャフト電位DCLNBを紙粉除去クリーニングローラ35に印加する。このとき、紙粉はドラムクリーニングローラ34を介して紙粉除去クリーニングローラ35に回収される。トナーは感光体ドラム27上に再付着され、その後、ベルト25を介してクリーニング装置28によって回収される。
【0038】
モノクロカートリッジ33Kは、帯電電位SRを受け取るSR端子、現像バイアスDEVを受け取るDEV端子、ローラ電位DCLNA(+)、DCLNA(−)を受け取るDCLNA端子、およびシャフト電位DCLNBを受け取るDCLNB端子を有する。
【0039】
カラーカートリッジ33Y、33M、33Cは、その下部に、感光体ドラム27、帯電器37、ドラムクリーニングローラ34を備え、その上部に現像カートリッジ40Y、40M、40Cを備えている。その一方、カラーカートリッジ33Y、33M、33Cは、紙粉除去クリーニングローラ35を備えていない。カラーカートリッジ33Y、33M、33Cは、それぞれ、SR端子、DEV端子、およびDCLNA端子を有する。
【0040】
現像カートリッジ40は、カートリッジ33のカートリッジフレーム32に対して着脱可能に装着されている。そして、アッパーカバー3Aを開放することにより現像カートリッジ40が交換されたりする。また、カートリッジ33は、装着部31に対して着脱可能に装着されている。そして、アッパーカバー3Aを開放することによりカートリッジ33が交換されたり、カートリッジ33を取り出した状態で紙詰まり除去処理(ジャム処理)がされたりする。
【0041】
現像カートリッジ40は、箱状の本体ケーシング3の内側上部に、現像剤(着色剤)である各色のトナーを収容するトナー収容室42を備え、その下部に供給ローラ41、現像ローラ43等を備えている。
【0042】
トナー収容室42から放出されたトナーは、供給ローラ41の回転により現像ローラ43に供給され、供給ローラ41と現像ローラ43との間で正に摩擦帯電される。さらに、現像ローラ43上に供給されたトナーは、現像バイアスDEVの印加に伴って十分に帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ43上に担持される。
【0043】
画像形成時には、感光体ドラム27が回転駆動され、それに伴って感光体ドラム27の表面が帯電器37からの帯電電位SRの印加により一様に正帯電される。そして、その正帯電された部分がLEDヘッド18からの光の高速走査により露光されて、感光体ドラム27の表面に用紙5に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0044】
次いで、現像ローラ43の回転により、現像ローラ43上に担持され正帯電されているトナーが、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム27の静電潜像が可視像化され、感光体ドラム27の表面には露光部分にのみトナーが付着したトナー像が担持される。
【0045】
その後、各感光体ドラム27の表面上に担持されたトナー像は、ベルト25によって搬送される用紙5が、感光体ドラム27と転写ローラ29との間の各転写位置を通る間に、転写ローラ29に印加される負極性の転写電位によって、用紙5に順次転写される。こうしてトナー像が転写された用紙5は、次いで定着部21に搬送される。
【0046】
定着部21は、熱源を有する加熱ローラ49と、用紙5を加熱ローラ49側へ押圧する加圧ローラ51とを備えており、用紙5上に転写されたトナー像を紙面に熱定着させる。そして、定着部21により熱定着された用紙5は、上方へ搬送され、本体ケーシング3の上面に設けられた排出トレイ53上に排出される。
【0047】
図1に示されるように、モノクロカートリッジ33Kは、用紙5の画像形成に係る流れの最上流に配置され、各カラーカートリッジ33Y、33M、33Cはモノクロカートリッジ33Kより下流側(図1に示す後方側)に配置される。この構成により、上流側に紙粉除去の構成である紙粉除去クリーニングローラ35を設けて上流側で紙粉を除去し、下流側はコスト低減などのためにその構成を省略することによって、紙粉除去対策が好適になされる。
【0048】
カートリッジ33が装着される装着部31には、各カートリッジ33に対応した装着部31K、31Y、31M、31Cがそれぞれ設けられている。装着部31Kの内側には、モノクロカートリッジ33Kの各端子に当接する位置に端子(第1端子及び第2端子の一例)が設けられている(図2の端子55、56及び図10の端子455、456参照)。同様に、装着部31Y、31M、31Cの内側には、カラーカートリッジ33Y、33M、33Cの各端子に当接する位置に端子が設けられている(図2の端子55、56及び図10の端子456参照)。
【0049】
装着部31の各端子を検査する際には、カートリッジ33が装着されていない装着部31に検査用治具52(図2及び図10参照)が装着(接続)される。カートリッジ33が装着されていないプリンタ10が本発明の装置本体に相当し、検査用治具52が装着されたプリンタ10が本発明の検査システム20(図2及び図10参照)に相当する。検査用治具52は、SR端子、DEV端子、DCLNA端子およびDCLNB端子等を有する(図2の端子57、58及び図10の端子457、458参照)。プリンタ10では、本体側から装着部31へと接続される各配線が装着部31内において分岐し、各装着部31K、31Y、31M、31Cに設けられた対応する各端子へと接続される。検査用治具52の各端子は、各装着部31K、31Y、31M、31Cに設けられた端子のうち、同一の配線に接続される少なくとも一つの端子に接続される。
【0050】
2.検査システムの構成
次に、図2を参照して検査システム20について説明する。プリンタ10では、使用に先立って装着部31の各端子を検査する必要がある。装着部31の各端子を検査する際には、図2の検査システム20が構成される。この検査システム20は、カートリッジ33が装着されていない制御部(装置本体の一例)50に検査用治具52を装着することで構成される。
【0051】
3.制御部の構成
制御部50は、本体ケーシング3に設けられており、プリンタ10を制御している。制御部50は、装着部31とCPU(検出部及び判定部の一例)61とROM62と高電位制御回路65を含んでいる。高電位制御回路65は、転写ローラ29、ドラムクリーニングローラ34、紙粉除去クリーニングローラ35、帯電器37、および現像ローラ43等、プリンタ10に備えられた各電気的負荷にそれぞれ印加する複数の高電位を生成する。図2には、複数の高電位のうち、帯電器37に印加する帯電電位SRおよび現像ローラ43に印加する現像バイアスDEVを生成する高電位制御回路65が示されており、SR端子(第1端子の一例)55及びDEV端子(第2端子の一例)56を含んだ装着部31が示されている。
【0052】
高電位制御回路65は、第1電位生成回路63と第2電位生成回路64を含む。
第1電位生成回路63は、抵抗R1と電源Y1とを含む。抵抗R1と電源Y1は、SR端子55と接地電位(基準電位の一例)の間に直列に接続されている。電源Y1は、その高電位側が抵抗R1に接続され、その低電位側が抵抗R1に接続されている。第1電位生成回路63は、電源Y1が有する電圧によって、SR端子55に第1電位V1を印加している。
【0053】
第2電位生成回路64は、ツェナーダイオード(第1定電圧素子の一例)D1と可変抵抗(調整素子の一例)RKと抵抗R2と抵抗R3とを含む。ツェナーダイオードD1のカソード電極Kは、SR端子55に接続されており、ツェナーダイオードD1のアノード電極Aは、DEV端子56に接続されている。ツェナーダイオードD1は、DEV端子56とSR端子55の間の電位差を第1電位差ΔV1に維持している。可変抵抗RKは、DEV端子56と接地電位の間に接続されている。抵抗R2と抵抗R3は、DEV端子56と接地電位の間に直列に接続されている。第2電位生成回路63は、DEV端子56に印加される電圧(本実施形態では第1電位V1)を用いて、DEV端子56に印加される電圧よりも第1電位差ΔV1だけ低い第2電位V2をSR端子55に印加している。
【0054】
第2電位生成回路64では、可変抵抗RKの抵抗値を変化させることで、第2電位V2を変化させることができる。この第2電位V2は、図2に示す検査システム20を構成する際には、装着部31の各端子の接続状態を判別するために用いられる。一方、カートリッジ33が装着される際には、カートリッジ33を動作させるために用いられる。このように、検査システム20とカートリッジ33で第2電位が共通して使用されている場合、第2電位に必要とされる電位が用途によって異なる場合がある。また、プリンタ10では、使用される環境(温度、湿度等)によって第2電位に必要とされる電位が変化することがある。本実施形態では、第2電位生成回路64を用いて第2電位V2を変化させることで、用途や環境に適した第2電位V2を設定することができる。
【0055】
CPU61は、A/D端子を備えており、A/D端子は抵抗R2と抵抗R3の中間点MNに接続されている。CPU61は、A/D端子を用いて中間点MNの電位を検出している。また、CPU61は、PWM端子を備えており、可変抵抗RKに接続されている。CPU61は、PWM端子を用いて可変抵抗RKの抵抗値を変化させている。
【0056】
4.検査用治具の構成
検査用治具52は、カートリッジ33と略同一形状をしており、制御部50の装着部31に対して着脱可能に装着される。
検査用治具52は、入出力部59と第3電位生成回路70と第4電位生成回路71とを含む。入出力部59には、装着部31の各端子に当接する位置に端子が設けられている。図2には、SR端子55に対応した端子(第3端子の一例)57及びDEV端子56に対応する端子(第4端子の一例)58が示されている。これらの端子57、58は、検査用治具52が制御部50の装着部31に対して装着されることで、対応する端子55、56に接続される。
【0057】
第3電位生成回路70は、抵抗R4とトランジスタ素子(スイッチング素子の一例)S1とを含む。抵抗R4は、端子57とトランジスタ素子S1のベースB(制御電極の一例)の間に接続されている。トランジスタ素子S1のコレクタC(主電極の一例)は、端子58に接続されている。トランジスタ素子S1のエミッタE(主電極の別の例)は、接地電位に接続されている。トランジスタ素子S1は、抵抗R4を介してベースBにオン電位が印加された場合に、端子58に接地電位(第1出力電位の一例)を印加する。
【0058】
第4電位生成回路71は、ツェナーダイオード(第2定電圧素子の一例)D2を含む。ツェナーダイオードD2のカソード電極Kは、端子58に接続されており、ツェナーダイオードD2のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。ツェナーダイオードD2は、端子58にDEV端子56から第2電位V2が印加された場合に、第2電位V2を用いて接地電位よりも第2電位差ΔV2だけ高い第3電位(第2出力電位の一例)V3を生成し、端子58を介してDEV端子56に第3電位V3を印加する。
【0059】
なお、本実形態では、第1電位V1と第2電位V2と第3電位V3と接地電位がいずれも異なる電位に設定されており、第1電位V1は、トランジスタ素子S1をオンさせるオン電位に設定されている。また、第1電位V1と第2電位V2と第3電位V3と接地電位は、( 第1電位V1>第2電位V2>第3電位V3>接地電位 )の関係に設定されている。本実施形態では、第2電位V2と第3電位V3と接地電位とがDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。その場合には、DEV端子56の電位はより低い電位に設定される。つまり、第2電位V2は、第3電位V3と接地電位がDEV端子56に印加されない場合に、DEV端子56に印加される。また、第3電位V3は、接地電位がDEV端子56に印加されない場合(つまり、トランジスタ素子S1のベースBに第1電位V1が印加されない場合)にDEV端子56に印加される。
【0060】
5.検査システムの判定方法
CPU61は、制御部50の装着部31に検査用治具52が装着された際の中間点MNの電位V0を検出する。ROM62には、予め第1閾値電位F1と第2閾値電位F2が記憶されている。第1閾値電位F1は、第3電位V3と接地電位の間の電位に設定されている。第2閾値電位F2は、第2電位V2と第3電位V3の間の電位に設定されている。CPU61は、検出電位V0を閾値電位F1、F2と比較することで、装着部31のSR端子55及びDEV端子56を検査する。
【0061】
(検出電位V0<閾値電位F1)
この場合、CPU61は、接地電位が印加されていることを検出する。すなわち、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加され、それによって端子58に印加された接地電位がDEV端子56に印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されており、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第1状態)であると判別する(図3のSR端子:Close、DEV端子:Close)。
【0062】
(閾値電位F1<検出電位V0<閾値電位F2)
この場合、CPU61は、第3電位が印加されていることを検出する。接地電位が入力されていないことから、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加されていないことを検出する。また、第3電位V3が生成されたことから、DEV端子56から端子58に第2電位V2が印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されておらず、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第2状態)であると判別する(図3のSR端子:Open、DEV端子:Close)。なお、「接続されていない」とは、当該端子同士が物理的に接続されていない状態と、断線等の理由によりSR端子にそもそも第1電位V1が印加されていない状態の双方の状態を意味する。
【0063】
(閾値電位F2<検出電位V0)
この場合、CPU61は、第2電位が印加されていることを検出する。この結果、CPU61は、DEV端子56と端子58が接続されていない状態(第3状態)であると判別する(図3のDEV端子:Open)。
【0064】
6.検査システムの効果
本実施形態の検査システム20を用いた検査では、SR端子55及びDEV端子56を第1状態と第2状態と第3状態の3つの状態に判別することができる。図8に示す従来の検査システム320によれば、図9に示すように、SR端子55及びDEV端子56を第1状態とその他の状態(つまり、第2状態+第3状態)の2つの状態にしか判別することができなかった。本実施形態の検査システム20を用いることで、従来の検査システム320に比べて、SR端子55及びDEV端子56を詳細に検査することができ、これらの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0065】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を、図4ないし図5を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム120は、検査用治具152に第5電位生成回路72をさらに含んでいる点で実施形態1の検査システム20と異なる。
【0066】
1.検査用治具の構成
第5電位生成回路72は、ツェナーダイオード(第3定電圧素子の一例)D3を含む。ツェナーダイオードD3のカソード電極Kは、端子57に接続されており、ツェナーダイオードD3のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。ツェナーダイオードD3は、端子57にSR端子55から第1電位V1が印加された場合に、第1電位V1を用いて接地電位よりも第3電位差ΔV3だけ高い第4電位V4を生成し、端子57を介してSR端子に第4電位V4を印加する。第2電位生成回路64のツェナーダイオードD1は、SR端子に第4電位V4が印加された場合に、第4電位V4よりも第1電位差ΔV1だけ低い第5電位(第3出力電位の一例)V5を生成する。
【0067】
なお、本実形態では、第1電位V1と第2電位V2と第5電位V5と第3電位V3と接地電位がいずれも異なる電位に設定されており、第4電位V4は、トランジスタ素子S1をオンさせるオン電位に設定されている。また、第1電位V1と第2電位V2と第5電位V5と第3電位V3と接地電位は、( 第1電位V1>第2電位V2>第5電位V5>第3電位V3>接地電位 )の関係に設定されている。本実施形態では、第2電位V2と第3電位V3とがDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。本実施形態では、第2電位V2は、第3電位V3がDEV端子56に印加されない場合に、DEV端子56に印加される。また、本実施形態では、第5電位V5と接地電位がDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。本実施形態では、第5電位V5は、接地電位がDEV端子56に印加されない場合(つまり、DEV端子56と端子58が接続されていない場合)にDEV端子56に印加される。
【0068】
2.検査システムの判定方法
CPU61は、制御部50の装着部31に検査用治具152が装着された際の中間点MNの電位V0を検出する。ROM62には、予め第1閾値電位F1と第3閾値電位F3と第4閾値電位F4が記憶されている。第1閾値電位F1は、第3電位V3と接地電位の間の電位に設定されている。第3閾値電位F3は、第5電位V5と第3電位V3の間の電位に設定されている。第4閾値電位F3は、第2電位V2と第5電位V5の間の電位に設定されている。CPU61は、検出電位V0を閾値電位F1、F2、F3と比較することで、装着部31のSR端子55及びDEV端子56を検査する。
【0069】
(検出電位V0<閾値電位F1)
この場合、CPU61は、接地電位が印加されていることを検出する。すなわち、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加され、それによって端子58に印加された接地電位がDEV端子56に印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されており、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第1状態)であると判別する(図5のSR端子:Close、DEV端子:Close)。
【0070】
(閾値電位F1<検出電位V0<閾値電位F3)
この場合、CPU61は、第3電位が印加されていることを検出する。接地電位が入力されていないことから、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加されていないことを検出する。また、第3電位V3が生成されたことから、DEV端子56から端子58に第2電位V2が印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されておらず、DEV端子56と端子58が接続されている状態(第2状態)であると判別する(図5のSR端子:Open、DEV端子:Close)。
【0071】
(閾値電位F3<検出電位V0<閾値電位F4)
この場合、CPU61は、第5電位が印加されていることを検出する。すなわち、接地電位及び第3電位が入力されていないことから、DEV端子56と端子58が接続されていないことを検出する。また、第5電位が生成されたことから、SR端子55から端子57に第1電位V1が印加されたことを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されており、DEV端子56と端子58が接続されていない状態(第4状態)であると判別する(図5のSR端子:Close、DEV端子:Open)。
【0072】
(閾値電位F4<検出電位V0)
この場合、CPU61は、第2電位が印加されていることを検出する。この結果、CPU61は、SR端子55と端子57が接続されておらず、DEV端子56と端子58が接続されていない状態(第5状態)であると判別する(図5のSR端子:Open、DEV端子:Open)。
【0073】
3.検査システムの効果
本実施形態の検査システム120を用いた検査では、SR端子55及びDEV端子56を第1状態と第2状態と第4状態と第5状態の4つの状態に判別することができる。本実施形態の検査システム120を用いることで、従来の検査システム320に比べて、SR端子55及びDEV端子56を詳細に検査することができ、これらの端子からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0074】
<実施形態3>
実施形態2では、DEV端子55及びSR端子56から正電位を印加する制御部50の検査システム120を示したが、本発明は、DEV端子55及びSR端子56から負電位を印加する制御部250にも適用可能である。図6及び図7に、実施形態2の変形例である本発明の実施形態3を示す。本実施形態の検査システム220では、ツェナーダイオードD1,D2,D3および電源Y1が、検査システム120と比べて逆向きに配置されている点で実施形態2の検査システム120と異なる。また、トランジスタ素子S1の仕様及び接続が異なる他、検査システム220では、CPU61に入力される電位がマイナスとならないように、保護電源YH及び保護抵抗RHを含む。
【0075】
本実施形態では、第1電位V1と第2電位V2と第5電位V5と第3電位V3と接地電位が( 第1電位V1<第2電位V2<第5電位V5<第3電位V3<接地電位 )の関係に設定されている。本実施形態では、第2電位V2と第3電位V3とがDEV端子56に同時に印加されることが起こりえる。その場合には、DEV端子56の電位はより高い電位に設定される。なお、判定方法につても、電位の大小関係を逆にしたものであり、重複した説明を省略する。本実施形態の検査システム220を用いた検査でも、SR端子55及びDEV端子56を第1状態と第2状態と第4状態と第5状態の4つの状態に判別することができ、SR端子55及びDEV端子56からの電圧印加が正常になされるか否かを詳細に検査することができる。
【0076】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を、図10を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム420は、制御部450に含まれる高電位制御回路465のうち、ドラムクリーニングローラ34に印加するローラ電位DCLNA(+)、DCLNA(−)及び紙粉除去クリーニングローラ35に印加するシャフト電位DCLNBを生成する高電位制御回路65を検査する検査システムである。本実施形態に係る検査システム420は、制御部450と検査用治具452によって構成される。
【0077】
1.制御部の構成
制御部450は、装着部431とCPU(制御部、検出部、判定部の一例)461とROM462と高電位制御回路465を含んでいる。装着部431は、シャフト電位DCLNBを出力するためのDCLNB端子455と、ローラ電位DCLNA(+)、DCLNA(−)を出力するためのDCLNA端子456を含む。CPU461は、ROM462に格納された所定のプログラムPにしたがって、高電位制御回路465を制御する。高電位制御回路465は、シャフト電位DCLNBを生成するシャフト電位生成回路66と、ローラ電位DCLNA(−)を生成するローラ負電位生成回路67と、ローラ電位DCLNA(+)を生成するローラ正電位生成回路68と、第1FB(フィードバック)回路73と第2FB回路74を含む。
【0078】
各電位生成回路66、67、68は、それぞれ電源Y(Y2〜Y4)、トランスT(T1〜T3)、トランジスタ素子S(S2〜S4)、ダイオードD(D4〜D6)、抵抗R(R6、R8,R10)およびコンデンサC(C2〜C4)を含む。
シャフト電位生成回路66は、第1端子91と第2端子92を含む。第1端子91は、DCLNB端子455に接続されている。第2端子92は、DCLNA端子456に接続されているとともに、ローラ負電位生成回路67及びローラ正電位生成回路68を介して接地電位に接続されている。シャフト電位生成回路66は、CPU461のPWM1端子に接続されており、CPU461の制御によって、第1端子91に第2端子92よりも高いシャフト電位DCLNBを生成する。
【0079】
ローラ負電位生成回路67は、第3端子93と第4端子94を含む。第3端子93は、DCLNA端子456に接続されるとともに、シャフト電位生成回路66を介してDCLNB端子455に接続されている。第2端子92は、ローラ正電位生成回路68を介して接地電位に接続されている。ローラ負電位生成回路67は、CPU461のPWM2端子に接続されており、CPU461の制御によって、第3端子93に第4端子94よりも低いローラ電位DCLNA(−)を生成する。
【0080】
ローラ正電位生成回路68は、第5端子95と第6端子96を含む。第5端子95は、ローラ負電位生成回路67を介してDCLNA端子456に接続されるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ負電位生成回路67を介してDCLNB端子455に接続されている。第6端子96は、接地電位に接続されている。ローラ正電位生成回路68は、CPU461のPWM3端子に接続されており、CPU461の制御によって、第5端子95に第6端子96よりも高いローラ電位DCLNA(+)を生成する。
【0081】
第1FB回路73は、コンデンサC5、C6とダイオードD7を含む。第1FB回路73は、シャフト電位生成回路66を介してDCLNA端子456に接続されており、DCLNB端子455の電位をCPU461のA/D1ポートに入力する。また、第2FB回路74は、電源Y5と抵抗R11〜R13を含む。第2FB回路74は、DCLNB端子456に接続されており、DCLNA端子456の電位をCPU461に適合させた状態でCPU461のA/D2ポートに入力する。
【0082】
2.検査用治具の構成
検査用治具452は、入出力部459とダイオードD8とダイオードD9とを含む。入出力部459には、DCLNB端子455に対応した端子457及びDCLNA端子456に対応する端子458が示されている。ダイオードD8のカソード電極Kは、端子457に接続されており、ダイオードD8のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。つまり、端子457では、端子457から接地電位に向かって電流が流れることが抑制されている。また、ダイオードD9のアノード電極Aは、端子458に接続されており、ダイオードD9のカソード電極Kは、接地電位に接続されている。つまり、端子458では、接地電位から端子458に向かって電流が流れることが抑制されている。
【0083】
3.検査システムの判定方法及び効果
(DCLNB端子の検査)
CPU461は、ローラ負電位生成回路67を動作させるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNB端子455の電位VBを検出する。この場合、DCLNB端子455と端子457が接続されていると、抵抗R10、接地電位、ダイオードD8、抵抗6を介して電流が流れる。ROM462には、予め閾値電位F11が記憶されている。閾値電位F11は、接地電位とローラ電位DCLNA(−)の間の電位に対応させた値に設定されている。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F11と比較し、検出電位VBが閾値電位F11以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F11よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定する。
【0084】
ローラ負電位生成回路67を動作させると、DCLNB端子455とともにDCLNA端子456にもローラ電位DCLNA(−)が印加される。本実施形態では、DCLNA端子456が接続される端子458と接地電位の間にはダイオードD9が接続されており、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子456と接地電位の間に電流が流れない。従って、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と端子457の接続状態を判定することができる。
【0085】
(DCLNA端子の検査)
CPU461は、ローラ正電位生成回路68を動作させるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ負電位生成回路67を停止させ、この際のDCLNA端子456の電位VAを検出する。この場合、DCLNA端子456と端子458が接続されていると、抵抗R10、接地電位、ダイオードD9を介して電流が流れる。ROM462には、予め閾値電位F12が記憶されている。閾値電位F12は、ローラ電位DCLNA(+)と接地電位の間の電位に設定されている。CPU461は、検出電位VAを閾値電位F12と比較し、検出電位VAが閾値電位F11以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F11よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定する。
【0086】
ローラ負電位生成回路67を動作させると、DCLNA端子456とともにDCLNB端子455にもローラ電位DCLNA(+)が印加される。本実施形態では、DCLNB端子455が接続される端子457と接地電位の間にはダイオードD8が接続されており、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と接地電位の間に電流が流れない。従って、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かを判断することができる。
【0087】
<実施形態5>
本発明の実施形態5を、図11を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム520は、検査用治具552にダイオードD10を含んでいる点で実施形態4の検査システム420と異なる。
【0088】
1.検査用治具の構成
検査用治具552は、入出力部459とダイオードD10とを含む。ダイオードD10のアノード電極Aは、端子457に接続されており、ダイオードD8のカソード電極Kは、接地電位に接続されている。つまり、端子457では、接地電位から端子257に向かって電流が流れることが抑制されている。なお、端子458は、接地電位に接続されている。
【0089】
2.検査システムの判定方法及び効果
(DCLNA端子の検査)
CPU461は、ローラ負電位生成回路67を動作させるとともに、シャフト電位生成回路66及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNA端子456の電位VAを検出する。この場合、DCLNA端子456と端子458が接続されていると、抵抗R10、接地電位、ダイオードD9を介して電流が流れる。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F11と比較し、検出電位VAが閾値電位F11以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定し、検出電位VAが閾値電位F11よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定する。
【0090】
ローラ負電位生成回路67を動作させると、DCLNA端子456とともにDCLNB端子455にもローラ電位DCLNA(−)が印加される。本実施形態では、DCLNB端子455が接続される端子457と接地電位の間にはダイオードD10が接続されており、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と接地電位の間に電流が流れない。従って、DCLNB端子455と端子457が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子456と端子458の接続状態を判定することができる。
【0091】
(DCLNB端子の検査)
CPU461は、シャフト電位生成回路66を動作させるとともに、ローラ負電位生成回路67及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNB端子455の電位VBを検出する。この場合、DCLNB端子455と端子457が接続されていると、抵抗R8、抵抗R10、接地電位、ダイオードD8を介して電流が流れる、もしくは、接地電位、DCLNB端子256、端子258、ダイオードD8を介して電流が流れる。ROM262には、予め閾値電位F13が記憶されている。閾値電位F13は、シャフト電位DCLNBと接地電位の間の電位に設定されている。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F13と比較し、検出電位VBが閾値電位F13以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F13よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されていない状態であると判定する。
【0092】
シャフト電位生成回路66を動作され、DCLNB端子455にシャフト電位DCLNBが印加されると、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNB端子455と端子457が接続されている場合に限り電流が流れる。従って、DCLNA端子456と端子458が接続されているか否かに関わらず、DCLNA端子455と端子457が接続されているか否かを判断することができる。
【0093】
<実施形態6>
本発明の実施形態6を、図12を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム620は、検査用治具652にダイオードD11を含んでいる点で実施形態5の検査システム220と異なる。
【0094】
1.検査用治具の構成
ダイオードD11は、ダイオードD8と接地電位の間、及び端子458と接地電位の間に接続されている。ダイオードD11のカソード電極Kは、ダイオードD8のカソード電極Kに接続されているとともに端子458に接続されており、ダイオードD11のアノード電極Aは、接地電位に接続されている。つまり、端子457では、接地電位と端子457の間にいずれの向きに電流が流れることも抑制されている。端子458では、端子458から接地電位に向かって電流が流れることが抑制されている。
【0095】
2.検査システムの判定方法及び効果
(DCLNA端子の検査)
実施形態5と同じであり、重複した説明を省略する。
(DCLNB端子の検査)
CPU461は、シャフト電位生成回路66を動作させるとともに、ローラ負電位生成回路67及びローラ正電位生成回路68を停止させ、この際のDCLNB端子455の電位VBを検出する。この場合、DCLNB端子455と端子457が接続されていると、接地電位、DCLNB端子256、端子258、ダイオードD8を介して電流が流れる。閾値電位F13は、シャフト電位DCLNBと接地電位の間の電位に設定されている。CPU461は、検出電位VBを閾値電位F13と比較し、検出電位VBが閾値電位F13以上である場合に、DCLNB端子455と端子457が接続されている状態であり、DCLNA端子456と端子458が接続されている状態であると判定し、検出電位VBが閾値電位F13よりも低い場合に、DCLNB端子455と端子457又はDCLNA端子456と端子458の少なくとも一方が接続されていない状態であると判定する。
【0096】
シャフト電位生成回路66を動作され、DCLNB端子455にシャフト電位DCLNBが印加されると、DCLNA端子456と端子458が接続されており、DCLNB端子455と端子457が接続されている場合に限り電流が流れる。従って、DCLNA端子456と端子458が接続されており、かつDCLNA端子455と端子457が接続されていることを判断することができる。また、DCLNA端子の検査結果と併用することで、DCLNB端子455と端子457又はDCLNA端子456と端子458のいずれが接続されていないかを判定することができる。
【0097】
<実施形態7>
本発明の実施形態7を、図13を用いて説明する。本実施形態に係る検査システム720は、実施形態6の検査用治具652のダイオードD11をツェナーダイオードD12に置き換えたものである。ツェナーダイオードD12はダイオードD11と逆向きに配置されることで、ダイオードD11と等しく動作する。つまり。本実施形態に係る検査システム720は、実質的に実施形態6に係る検査システム620と等しく、実質的に実施形態6に係る検査システム620と同様の効果を奏する。
【0098】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではい。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0099】
10:プリンタ
20:検査システム
31:装着部
40:現像カートリッジ
50:制御部
52:検査用治具
59:入出力部
65:高電位制御回路
66:シャフト電位生成回路
67:ローラ負電位生成回路
68:ローラ正電位生成回路
DCLNA:ローラ電位
DCLNB:シャフト電位
DEV:現像バイアス
SR:帯電電位
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムであって、
前記装置本体は、
前記画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えた装着部と、
前記第1端子に第1電位を印加する第1電位生成回路と、
第2電位生成回路と、
前記第2端子の電位を検出する検出部と、を備えており、
前記検査用治具は、
前記第1端子に接続される第3端子と前記第2端子に接続される第4端子を備えた入出力部と、
前記第3端子に前記第1電位が印加された場合に、前記第4端子に第1出力電位を出力する第3電位生成回路と、
前記第3端子に前記第1電位が印加されない場合に、前記第4端子に第2出力電位を出力する第4電位生成回路と、を備えており、
前記第2電位生成回路は、前記第2端子に前記第1出力電位と前記第2出力電位が印加されない場合に、前記第2端子に第2電位を印加しており、
前記第2電位は、前記第1出力電位と前記第2出力電位と異なる電位に設定されている検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検査システムであって、
前記第2電位生成回路は、前記第1端子の電位と前記第2端子の電位の電位差を第1電位差に維持する第1定電圧素子を含んでおり、
前記検査用治具は、前記第3端子に前記第1電位が印加され、前記第2端子に前記第1出力電位が印加されない場合に、前記第1定電圧素子を介して前記第2端子に前記第3出力電位を出力する第5電位生成回路を備えており、
前記第2電位生成回路は、前記第2端子に前記第1出力電位と第2出力電位と第3出力電位が印加されない場合に、前記第2端子に第2電位を印加しており、
前記第3出力電位は、前記第1出力電位と前記第2出力電位と前記第2電位と異なる電位に設定されている検査システム。
【請求項3】
請求項1に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、判定部を備えており、
前記第1出力電位と前記第2出力電位と第2電位は、この順に高くなるように設定されており、
前記判定部は、前記第1出力電位と前記第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、前記第2出力電位と前記第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有しており、
前記検出部が検出した検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されており、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第1閾値電位以上であり第2閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されておらず、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第2閾値電位以上である場合に、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定する検査システム。
【請求項4】
請求項3に記載の検査システムであって、
前記第3電位生成回路は、制御電極が前記第3端子に接続され、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子であり、
前記第4電位生成回路は、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が前記基準電位に接続され、前記第4端子に前記基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子であり、
前記第1電位は、前記スイッチング素子をオンさせる電位に設定されている検査システム。
【請求項5】
請求項2に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、判定部を備えており、
前記第1出力電位と前記第2出力電位と前記第3出力電位と前記第2電位は、この順に高くなるように設定されており、
前記判定部は、前記第1出力電位と前記第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、前記第2出力電位と前記第3出力電位の間の電位に設定された第3閾値電位と、前記第3出力電位と前記第2電位の間の電位に設定された第4閾値電位を有しており、
前記検出部は、検出した検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されており、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第1閾値電位以上であり第3閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されておらず、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第3閾値電位以上であり第4閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されており、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定し、
前記検出電位が前記第4閾値電位以上である場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されておらず、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定する検査システム。
【請求項6】
請求項5に記載の検査システムであって、
前記第3電位生成回路は、制御電極が前記第3端子に接続され、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子であり、
前記第4電位生成回路は、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が前記基準電位に接続され、前記第4端子に前記基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子であり、
前記第1定電圧素子は、一方の主電極が前記第1端子に接続され、他方の主電極が前記第2端子に接続され、前記第2端子の電位を前記第1端子の電位よりも前記第1電位差だけ低い電位を生成可能であり、
前記第5電位生成回路は、一方の主電極が前記第3端子に接続され、他方の主電極が前記基準電位に接続され、前記第3端子に前記基準電位よりも第3電位差だけ高い第4電位を生成可能な第3定電圧素子であり、
前記第1電位及び第4電位は、前記スイッチング素子をオンさせる電位に設定されており、
前記第3出力電位は、前記第4電位よりも前記第1電位差だけ低い第5電位である検査システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の検査システムであって、
前記第2電位生成回路は、前記第2電位を調整可能な調整素子を備えている検査システム。
【請求項8】
画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムであって、
前記装置本体は、
前記画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えた装着部と、
第1電極と第2電極を有し、前記第1電極が前記第1端子と前記第2端子に接続されており、前記第2電極が基準電位に接続されており、前記第1電極に前記基準電位よりも高い第1電位を生成する第1電位生成回路と、
第3電極と第4電極を有し、前記第3電極が前記第1端子と前記第2端子に接続されており、前記第4電極が前記基準電位に接続されており、前記第3電極に前記基準電位よりも低い第2電位を生成する第2電位生成回路と、
前記第1電位生成回路を制御して、前記第1端子と前記第2端子に前記第1電位を印加する第1制御部と、
前記第2電位生成回路を制御して、前記第1端子と前記第2端子に前記第2電位を印加する第2制御部と、
前記第1端子の電位を検出する第1検出部と、
前記第2端子の電位を検出する第2検出部と、を備えており、
前記検査用治具は、
前記第1端子に接続される第3端子と前記第2端子に接続される第4端子を備えた入出力部と、
前記第3端子と前記基準電位の間に接続され、前記第3端子から前記基準電位へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子と、
前記第4端子と前記基準電位の間に接続され、前記基準電位から前記第4端子へ電流が流れるのを禁止する第2整流素子と、を備える検査システム。
【請求項9】
請求項8に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えており、
前記第1判定部は、前記基準電位と前記第2電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有しており、
前記第2判定部は、前記第1電位と前記基準電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有しており、
前記第1判定部は、前記第2制御部が前記第2電位を印加した際に、前記第1検出電位が前記第1閾値電位以上である場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていると判定し、前記第1検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていないと判定し、
前記第2判定部は、前記第1制御部が前記第1電位を印加した際に、前記第2検出電位が前記第2閾値電位以上である場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定し、前記第2検出電位が前記第2閾値電位よりも低い場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定する検査システム。
【請求項10】
画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムであって、
前記装置本体は、
前記画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えた装着部と、
第1電極と第2電極を有し、前記第1電極が前記第1端子に接続されており、前記第2電極が前記第2端子と基準電位に接続されており、前記第1電極に前記基準電位よりも高い第1電位を生成する第1電位生成回路と、
第3電極と第4電極を有し、前記第3電極が前記第1端子と前記第2端子に接続されており、前記第4電極が前記基準電位に接続されており、前記第3電極に前記基準電位よりも低い第2電位を生成する第2電位生成回路と、
前記第1電位生成回路を制御して、前記第1端子に前記第1電位を印加する第1制御部と、
前記第2電位生成回路を制御して、前記第1端子と前記第2端子に前記第2電位を印加する第2制御部と、
前記第1端子の電位を検出する第1検出部と、
前記第2端子の電位を検出する第2検出部と、を備えており、
前記検査用治具は、
前記第1端子に接続される第3端子と前記第2端子に接続される第4端子を備えた入出力部と、
前記第3端子と前記基準電位の間に接続され、前記基準電位から前記第3端子へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子と、を備えており、
前記第4端子は前記基準電位に接続されている検査システム。
【請求項11】
請求項10に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えており、
前記第1判定部は、前記第1電位と前記基準電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有しており、
前記第2判定部は、前記基準電位と前記第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有しており、
前記第1判定部は、前記第1制御部が前記第1電位を印加した際に、前記第1検出電位が前記第1閾値電位以上である場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていないと判定し、前記第1検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていると判定し、
前記第2判定部は、前記第2制御部が前記第2電位を印加した際に、前記第2検出電位が前記第2閾値電位以上である場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、前記第2検出電位が前記第2閾値電位よりも低い場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定する検査システム。
【請求項1】
画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムであって、
前記装置本体は、
前記画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えた装着部と、
前記第1端子に第1電位を印加する第1電位生成回路と、
第2電位生成回路と、
前記第2端子の電位を検出する検出部と、を備えており、
前記検査用治具は、
前記第1端子に接続される第3端子と前記第2端子に接続される第4端子を備えた入出力部と、
前記第3端子に前記第1電位が印加された場合に、前記第4端子に第1出力電位を出力する第3電位生成回路と、
前記第3端子に前記第1電位が印加されない場合に、前記第4端子に第2出力電位を出力する第4電位生成回路と、を備えており、
前記第2電位生成回路は、前記第2端子に前記第1出力電位と前記第2出力電位が印加されない場合に、前記第2端子に第2電位を印加しており、
前記第2電位は、前記第1出力電位と前記第2出力電位と異なる電位に設定されている検査システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検査システムであって、
前記第2電位生成回路は、前記第1端子の電位と前記第2端子の電位の電位差を第1電位差に維持する第1定電圧素子を含んでおり、
前記検査用治具は、前記第3端子に前記第1電位が印加され、前記第2端子に前記第1出力電位が印加されない場合に、前記第1定電圧素子を介して前記第2端子に前記第3出力電位を出力する第5電位生成回路を備えており、
前記第2電位生成回路は、前記第2端子に前記第1出力電位と第2出力電位と第3出力電位が印加されない場合に、前記第2端子に第2電位を印加しており、
前記第3出力電位は、前記第1出力電位と前記第2出力電位と前記第2電位と異なる電位に設定されている検査システム。
【請求項3】
請求項1に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、判定部を備えており、
前記第1出力電位と前記第2出力電位と第2電位は、この順に高くなるように設定されており、
前記判定部は、前記第1出力電位と前記第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、前記第2出力電位と前記第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有しており、
前記検出部が検出した検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されており、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第1閾値電位以上であり第2閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されておらず、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第2閾値電位以上である場合に、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定する検査システム。
【請求項4】
請求項3に記載の検査システムであって、
前記第3電位生成回路は、制御電極が前記第3端子に接続され、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子であり、
前記第4電位生成回路は、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が前記基準電位に接続され、前記第4端子に前記基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子であり、
前記第1電位は、前記スイッチング素子をオンさせる電位に設定されている検査システム。
【請求項5】
請求項2に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、判定部を備えており、
前記第1出力電位と前記第2出力電位と前記第3出力電位と前記第2電位は、この順に高くなるように設定されており、
前記判定部は、前記第1出力電位と前記第2出力電位の間の電位に設定された第1閾値電位と、前記第2出力電位と前記第3出力電位の間の電位に設定された第3閾値電位と、前記第3出力電位と前記第2電位の間の電位に設定された第4閾値電位を有しており、
前記検出部は、検出した検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されており、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第1閾値電位以上であり第3閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されておらず、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、
前記検出電位が前記第3閾値電位以上であり第4閾値電位よりも低い場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されており、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定し、
前記検出電位が前記第4閾値電位以上である場合に、前記第1端子と前記第3端子の間が接続されておらず、前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定する検査システム。
【請求項6】
請求項5に記載の検査システムであって、
前記第3電位生成回路は、制御電極が前記第3端子に接続され、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が基準電位に接続されるスイッチング素子であり、
前記第4電位生成回路は、一方の主電極が前記第4端子に接続され、他方の主電極が前記基準電位に接続され、前記第4端子に前記基準電位よりも第2電位差だけ高い第3電位を生成可能な第2定電圧素子であり、
前記第1定電圧素子は、一方の主電極が前記第1端子に接続され、他方の主電極が前記第2端子に接続され、前記第2端子の電位を前記第1端子の電位よりも前記第1電位差だけ低い電位を生成可能であり、
前記第5電位生成回路は、一方の主電極が前記第3端子に接続され、他方の主電極が前記基準電位に接続され、前記第3端子に前記基準電位よりも第3電位差だけ高い第4電位を生成可能な第3定電圧素子であり、
前記第1電位及び第4電位は、前記スイッチング素子をオンさせる電位に設定されており、
前記第3出力電位は、前記第4電位よりも前記第1電位差だけ低い第5電位である検査システム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の検査システムであって、
前記第2電位生成回路は、前記第2電位を調整可能な調整素子を備えている検査システム。
【請求項8】
画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムであって、
前記装置本体は、
前記画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えた装着部と、
第1電極と第2電極を有し、前記第1電極が前記第1端子と前記第2端子に接続されており、前記第2電極が基準電位に接続されており、前記第1電極に前記基準電位よりも高い第1電位を生成する第1電位生成回路と、
第3電極と第4電極を有し、前記第3電極が前記第1端子と前記第2端子に接続されており、前記第4電極が前記基準電位に接続されており、前記第3電極に前記基準電位よりも低い第2電位を生成する第2電位生成回路と、
前記第1電位生成回路を制御して、前記第1端子と前記第2端子に前記第1電位を印加する第1制御部と、
前記第2電位生成回路を制御して、前記第1端子と前記第2端子に前記第2電位を印加する第2制御部と、
前記第1端子の電位を検出する第1検出部と、
前記第2端子の電位を検出する第2検出部と、を備えており、
前記検査用治具は、
前記第1端子に接続される第3端子と前記第2端子に接続される第4端子を備えた入出力部と、
前記第3端子と前記基準電位の間に接続され、前記第3端子から前記基準電位へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子と、
前記第4端子と前記基準電位の間に接続され、前記基準電位から前記第4端子へ電流が流れるのを禁止する第2整流素子と、を備える検査システム。
【請求項9】
請求項8に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えており、
前記第1判定部は、前記基準電位と前記第2電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有しており、
前記第2判定部は、前記第1電位と前記基準電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有しており、
前記第1判定部は、前記第2制御部が前記第2電位を印加した際に、前記第1検出電位が前記第1閾値電位以上である場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていると判定し、前記第1検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていないと判定し、
前記第2判定部は、前記第1制御部が前記第1電位を印加した際に、前記第2検出電位が前記第2閾値電位以上である場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定し、前記第2検出電位が前記第2閾値電位よりも低い場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定する検査システム。
【請求項10】
画像形成装置から画像形成ユニットを除いた装置本体に検査用治具を接続することで構成される検査システムであって、
前記装置本体は、
前記画像形成ユニットが着脱自在に装着されるとともに、第1端子と第2端子を備えた装着部と、
第1電極と第2電極を有し、前記第1電極が前記第1端子に接続されており、前記第2電極が前記第2端子と基準電位に接続されており、前記第1電極に前記基準電位よりも高い第1電位を生成する第1電位生成回路と、
第3電極と第4電極を有し、前記第3電極が前記第1端子と前記第2端子に接続されており、前記第4電極が前記基準電位に接続されており、前記第3電極に前記基準電位よりも低い第2電位を生成する第2電位生成回路と、
前記第1電位生成回路を制御して、前記第1端子に前記第1電位を印加する第1制御部と、
前記第2電位生成回路を制御して、前記第1端子と前記第2端子に前記第2電位を印加する第2制御部と、
前記第1端子の電位を検出する第1検出部と、
前記第2端子の電位を検出する第2検出部と、を備えており、
前記検査用治具は、
前記第1端子に接続される第3端子と前記第2端子に接続される第4端子を備えた入出力部と、
前記第3端子と前記基準電位の間に接続され、前記基準電位から前記第3端子へ電流が流れるのを禁止する第1整流素子と、を備えており、
前記第4端子は前記基準電位に接続されている検査システム。
【請求項11】
請求項10に記載の検査システムであって、
前記装置本体は、第1判定部と第2判定部を備えており、
前記第1判定部は、前記第1電位と前記基準電位の間の電位に設定された第1閾値電位を有しており、
前記第2判定部は、前記基準電位と前記第2電位の間の電位に設定された第2閾値電位を有しており、
前記第1判定部は、前記第1制御部が前記第1電位を印加した際に、前記第1検出電位が前記第1閾値電位以上である場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていないと判定し、前記第1検出電位が前記第1閾値電位よりも低い場合に前記第1端子と前記第3端子の間が接続されていると判定し、
前記第2判定部は、前記第2制御部が前記第2電位を印加した際に、前記第2検出電位が前記第2閾値電位以上である場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていると判定し、前記第2検出電位が前記第2閾値電位よりも低い場合に前記第2端子と前記第4端子の間が接続されていないと判定する検査システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−232612(P2011−232612A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103675(P2010−103675)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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