検査情報表示システム、検査情報表示方法、検査情報表示装置
【課題】複数の検査画像や情報と併せて関心の高い心電図波形の表示を容易に行うことができる検査情報表示システムを提供する。
【解決手段】サーバは、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納し、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む。読み込まれた検査データが心電図波形の場合に、付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された検査時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成し、さらに、部分画像の表示順序を設定する。クライアントは、あらかじめ記憶された参照プロトコルに基づいて、複数の検査画像と併せて部分画像をシェアウィンドウ画面に効率よく整列して表示する。
【解決手段】サーバは、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納し、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む。読み込まれた検査データが心電図波形の場合に、付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された検査時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成し、さらに、部分画像の表示順序を設定する。クライアントは、あらかじめ記憶された参照プロトコルに基づいて、複数の検査画像と併せて部分画像をシェアウィンドウ画面に効率よく整列して表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査情報表示システム等に係り、特に、医用画像又は医用検査情報の画面表示に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、X線撮影装置やCT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)装置、MRI装置等、医用画像診断装置の発展が目覚ましい。これらの医用画像診断装置は、患者や検診者等(以下、これらをまとめて被検体という)を検査する際に、それぞれの装置特有の方法を用いて被検体内部の情報を収集し、この収集された情報を再構成することによって画像を生成する。このようにして再構成された検査画像を用いて医師等は被検体の診断を行う。医師等は、検査画像に加えて、さらに、同一被検体の検査情報として付与される様々な種類の所見情報や生体検査情報等を併せて総合的に診断を行うため、複数の医用画像や検査情報の中から関心の高いデータに容易にアクセスができ、効率よく画面に表示することができるシステムが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の検査画像を画面に表示するにあたって、医師等が診断を行うに際して意味のある、理解しやすい状態に並べることにより診断の正確性、診断効率を上げることのできる画像表示システム及び該システムを備える医用画像診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−142424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の画像表示システムでは、心電図検査画像等の検査画像を検査の付帯情報などを使用して整列して表示することは可能であるが、検査情報として付与される様々な種類の所見情報及び被検体の行動情報に該当する心電図波形画像に容易にアクセスすることや、ユーザにとって関心の高い心電図波形画像とその他の検査画像を併せて表示することが困難であった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、関心の高い検査情報の表示を容易に行うことのできる検査情報表示システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データが心電図波形を含む場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像を並配して表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする検査情報表示システムである。
【0008】
第2の発明は、サーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムであって、前記サーバが、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、を備え、前記クライアントが、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、を備えることを特徴とする検査情報表示システムである。
【0009】
第1の発明、第2の発明によって、基準画像や基準検査と比較候補となる検査情報を併せて表示する際に、心電図検査画像についてはユーザの関心の高い検査の中でも、特に関心の高い心拍を表示することができ、これにより、ユーザにとって比較読影や参照が容易となる。さらに、比較候補の検査画像の中から検査時刻近傍の心電図検査画像を比較候補として表示することができる。これにより、心電図検査と同時刻に実施した検査画像とを同時にユーザに示すことができる。
【0010】
また、前記サーバは、更に、前記検査データ読込手段で読み込んだ前記所見情報又は前記行動情報の種別で整列して前記部分画像を表示するための順序情報を設定する表示順序設定手段と、前記表示順序設定手段で設定された前記順序情報を前記部分画像に付与する付帯情報付与手段と、を備える。
【0011】
これにより、心電図検査画像を作成する時点において、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対して画像表示の表示順序を付与することで、画像の表示順序がユーザにとって関心の高い画像を順に表示することが容易となり、ユーザの診断効率が上がる。
【0012】
前記クライアントは、更に、前記所見情報又は前記行動情報の、単独又は複数の種別で前記部分画像をフィルタリングして表示する手段を備える。
【0013】
これにより、ユーザは、所見情報又は行動情報の、単独又は複数の種別でフィルタリングして部分画像を一覧表示することで、関心の高い情報を一覧して閲覧することが容易となる。
【0014】
第3の発明は、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段を備えるサーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムにおける検査情報表示方法であって、前記サーバが、前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込ステップと、前記検査データ読込ステップで読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成ステップと、を実行し、前記クライアントが、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示ステップと、前記検査データ抽出指示ステップにより指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御ステップと、を実行することを特徴とする検査情報表示方法である。
【0015】
第4の発明は、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、を備えることを特徴とする検査情報表示装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、医師等が診断の際に利用する検査情報の画面表示において、複数の医用画像や検査情報の中から、所見情報や被検体の行動情報に該当する、関心の高い心電図波形に容易にアクセスができる。また、関心の高い心電図波形を他の検査画像と併せて効率よくシェアウィンドウの画面に表示することができる。ひいては、診断の正確性と診断効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】検査情報表示システムの全体構成を示すブロック図
【図2】検査情報表示装置の全体構成を示すブロック図
【図3】画像表示プログラムを示すブロック図
【図4】波形変換プログラムを示すブロック図
【図5】参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部33に格納されるデータの一例を示す模式図
【図6】波形変換プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図7】所見・行動情報設定記憶部41に格納される表示順序のデータの一例を示す模式図
【図8】検査情報表示システムの処理の流れを示すフローチャート
【図9】検査データ操作画面の一例を示す模式図
【図10】シェアウィンドウの一例を示す模式図
【図11】シェアウィンドウ100の操作例を示すユースケース図
【図12】シェアウィンドウ100に表示した心電図検査画像の操作の一例を示す模式図
【図13】シェアウィンドウ100上に表示した心電図拡張表示ウィンドウの一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る検査情報表示システム等の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
同一機能を有する構成及び同一の処理内容の手順には同一符号を付し、その説明の繰り返しを省略する。
【0019】
本実施形態は、同一被検体の検査情報の履歴と、診断対象となる基準検査と比較観察や比較参照の候補となる検査情報を抽出して表示する検査情報表示システムである。なお、検査情報には、各種医用画像撮影装置により撮影された医用画像と、血液検査、病理検査、生体検査、心電図などの各種医用検査の検査データ等を含む。また、他病院や診療所の紹介状などの検査に従属する情報を含んでもよい。
【0020】
まず、図1、図2に基づいて本実施形態に係る検査情報表示システムと、検査表示装置のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る検査情報表示システムの全体構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る表示装置及び変換装置の全体構成を示すブロック図である。
【0021】
検査情報表示システム8は、検査技師が被検体を撮影して医用画像を作成し、読影医師などがこの医用画像を参照して診察のための読影を含む閲覧を行なうことができるようにしたシステムであって、医用画像撮影装置(モダリティともいう)1と、心電計2と、医用検査結果とその付帯情報が格納される検査データサーバ3と、医用画像とその付帯情報が格納される画像サーバ4と、医用画像の検像を行う検像端末5及び検像端末5に接続される画像表示装置5a、5bと、読影端末6及び読影端末6に接続される画像表示装置6a、6bとが、ネットワーク7を介して接続されて構成される。なお、検像端末5は、2台の画像表示装置5a、5bを備えているが、検像端末5は、1台以上の画像表示装置があればよく、図1に示すように画像表示装置数は2に限定されない。読影端末6も同様に、2台の画像表示装置6a、6bを備えているが、図1に示すように画像表示装置数は2に限定されない。
【0022】
モダリティ1は、X線撮影装置、X線CT装置、MRI装置などの医用画像撮影装置であって、患者の所定部位を撮影して医用画像を作成する。心電計2は、標準12誘導心電図、長時間心電図、負荷心電図などの心電図測定装置であって、心電図検査データを作成する。
【0023】
検査データサーバ3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びHDD(Hard Disc Drive)などを実装したコンピュータシステムであり、血液検査、検体検査、生体検査、心電図などの医用検査の検査結果データと被検体情報とを関連付けて格納・管理する。
【0024】
画像サーバ4は、CPU、ROM、RAM、及びHDDなどを実装したコンピュータシステムであり、検像端末5で検像した医用画像と被検体情報とを関連付けて格納・管理する。
【0025】
検像端末5は、CPU、ROM、RAM、及びHDDなどを実装したコンピュータシステムであり、モダリティ1からの撮影医用画像や画像ワークステーションからの後処理医用画像を、未検像医用画像として受信し、かかる未検像医用画像の内容確認や修正、加工などの検像を行う。
【0026】
読影端末6は、CPU、ROM、RAM、及びHDDなどを実装したコンピュータシステムであり、画像サーバ4や検査データサーバ3から所定の医用画像や検査データを取得し、それらの医用画像や検査データを参照して読影医師が読影あるいは閲覧を行なうための端末装置である。
【0027】
ここで、モダリティ1と検像端末5は検査技師室に設置されて検査技師によって使用され、読影端末6は担当の読影医師の読影室に設置されて読影医師によって使用されるなどして、ネットワーク7を介して各装置が離れて構成されていてもよい。また、使用状態は読影端末6のみであってもよい。
【0028】
検査データサーバ3は、血液検査、組織(検体)検査、心電図データなどの各種医用検査結果のデータと、この検査結果のデータに付帯する情報とを関連付けて格納する。検査結果データの付帯情報には、被検体情報(例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、被検体の病名や症状名からなるプロブレム名)と、検査属性情報(例えば、検査の種類、検査日)と、が含まれる。
【0029】
画像サーバ4は、モダリティ1で撮影された医用画像と、その医用画像に付帯する付帯情報とを関連付けて格納する。この付帯情報には、被検体情報(例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、被検体の病名や症状名からなるプロブレム名)と、検査属性情報(例えば、モダリティの種類、検査日、撮影部位)と、医用画像のサムネイル画像と、が含まれる。検査属性情報は検査種別情報とも呼ばれる。
【0030】
次に図2に基づいて、本発明に係る検査情報表示装置としての読影端末6のハードウェア構成について説明する。
【0031】
読影端末6は、各部を制御するCPU10と、CPU10が全体の制御を実行するための制御プログラムや、画面表示などのための各種アプリケーションプログラムが実行時にロードされる主メモリ11と、上記アプリケーションソフトや、検査データサーバ3及び画像サーバ4から取得した医用画像や検査データ、更には、モニタ16、17で表示される画面のレイアウトやこのレイアウトに付加される被検体情報やマーカ、タグ、検査アイコンなどのデータが不揮発的に格納される磁気ディスク12と、ネットワーク7に接続されて通信制御を行なう通信制御部13と、表示用の画像情報を一時記憶する表示メモリ14、15と、表示メモリ14に記憶されている画像情報を用いて画像表示を行なうモニタ16と、表示メモリ15に記憶されている画像情報を用いて画像表示を行なうモニタ17と、モニタ16、17の表示画面を操作するためのマウス19及びコントローラ18と、各種パラメータ設定用の操作キーや操作スイッチを備えたキーボード20と、が内部バス21を介して相互に接続されて構成される。また、読影端末6にはデジタルカメラやスキャナーなどの情報機器を接続するための外部インタフェース(図示省略)が設けられていてもよい。読影端末6は外部インタフェースとデジタルカメラを接続して皮膚科で撮影した患者の病変写真を取込む場合や、スキャナーを外部インタフェースに接続して、関連資料を取込む場合がある。また、ここでは、モニタ16、17の2台構成を例に説明しているが、モニタは何れか一台のみであってもよい。
【0032】
ここで、表示メモリ14とモニタ16とは、図1の画像表示装置6aを構成しており、表示メモリ15とモニタ17とは、図1での画像表示装置6bを構成している。また、検査アイコンとは、アイコンのほか、メニュー、コンテキストメニュー、ボタンや、検査画像をサムネイル表示したものを広義として含むものとする。
【0033】
なお、モニタ16、17の表示画面にタッチパネルが設けられていてもよく、この場合には、モニタ16、17の表示画面でのタッチ操作により、マウス19やキーボード20の代わりに必要なデータを入力することができる。また、情報の記憶媒体として、磁気ディスク12の代わりに、あるいは磁気ディスク12とともに、CD−ROMや光磁気ディスクなどの他の記憶媒体を用いることもできる。
【0034】
次に図3に基づいて読影端末6に内蔵される画像表示プログラムについて説明する。図3は、画像表示プログラムを示すブロック図である。画像表示プログラムは、大きくは、共通プログラム30と、参照候補となる検査情報を表示するシェアウィンドウの制御を行うシェアウィンドウプログラム31と、を備える。
【0035】
共通プログラム30は、読影端末6のユーザをユニークに識別するユーザIDの入力に基づいて認証処理を行うユーザ認証部30aと、診断対象の候補となる医用画像や医用検査の検査データ(以下「検査データ」という)をリスト表示した検査一覧画面を表示する検査一覧表示制御部30bと、検査一覧画面上において、診断対象となる医用画像又は検査データ(以下「基準検査」という)を選択し、検査データサーバ3又は画像サーバ4に対して、基準検査と、その基準検査と同一被検体の検査情報の抽出指示を行う検査データ抽出指示部30cと、検査データサーバ3又は画像サーバ4から抽出された基準検査及び検査情報を取得(受信)する画像取得部30dと、検査履歴の表示エリアと検査情報の表示エリアを含む検査データ操作画面を表示する検査データ操作画面表示制御部30eと、を備える。なお、図1では検査データサーバ3と画像サーバ4は別の筐体として構成しているが、一つのサーバで構成されてもよい。
【0036】
シェアウィンドウプログラム31は、検査データサーバ3及び画像サーバ4に対して基準画像に対する参照候補となる検査情報の抽出を行う参照候補抽出部31aと、抽出された参照候補を、検査データ操作画面のシェアウィンドウに表示(並配して表示)するシェアウィンドウ表示制御部31bと、シェアウィンドウに複数の分割領域を設定し、各分割領域に追加表示する検査情報の表示位置を定める分割領域設定部31cと、シェアウィンドウ内における検査情報の配置パターン(レイアウト)を生成するレイアウト生成部31dと、任意のレイアウトを選択するレイアウト選択部31eと、検査データに含まれる所見情報及び被検体の行動情報を読み出す所見・行動情報読出部31fと、を備える。検査データサーバ3と画像サーバ4が一つのサーバで構成されている場合は、過去検査の抽出を一つのサーバについて行う。
【0037】
また、読影端末6が備える磁気ディスク12には、ユーザの識別情報と基準検査を用いた診断目的を示すルーチン名と基準検査の検査種別と、に対応付けられた参照候補となる検査情報を、比較観察あるいは読影・参照する順序(以下「参照手順又は読影プロトコル」という。)に沿って定義したデータを記憶する参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32が備えられ、画像表示プログラム30がデータを格納したり呼び出したりする。
【0038】
次に図4に基づいて画像サーバ4に内蔵される波形変換プログラムについて説明する。図4は波形変換プログラムを示すブロック図である。
【0039】
波形変換プログラム40は、心電計2及び検査データサーバ3が提供する心電図検査のデータを読み込む検査データ読込部40aと、1検査分の心電図波形全体の波形を画像として出力する全体画像作成部40bと、検査データに含まれる所見情報及び被検体の行動情報について、所見情報及び被検体の行動情報が記録された時刻を中心とした一定期間の心電図波形画像を作成する部分画像作成部40cと、全体画像作成部40b及び部分画像作成部40cで作成した画像に付帯情報を加える付帯情報付与部40dと、付帯情報付与部40dで与える情報について予め画面表示の設定を行う表示順序設定部40eと、付帯情報付与部40dで情報を付与した検査画像を画像サーバ4に登録する画像登録部40fと、を備える。
【0040】
また、画像サーバ4が備える磁気ディスクには、表示順序設定部40eで定義したデータを記憶する所見・行動情報設定記憶部41が備えられる。
【0041】
図5は、参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32に格納されるデータの一例を示す図である。このデータは、ユーザ名、ルーチン名、基準検査の検査種別及び検査部位と、これらに応じた参照候補及びその参照手順(プロトコル)が関係づけられている。ここで、ユーザ名は具体的には画像表示プログラムを利用する読影医等の名前であり、ルーチン名は具体的には症例名等である。なお、ユーザごとにルーチンが設定されるが、別のユーザで一つのルーチンを共有してもよい。さらに、ユーザは、各プロトコルにおいて、診断のポイントを示すコメントを参照候補と関連付けて記入してもよい。
【0042】
そして、参照候補の検査が心電図の場合、所見情報及び被検体の行動情報が検査と関連付けられる。ここで所見情報とは心電図解析装置によって自動的に付加される情報で、具体的には「頻脈」や「ST上昇」等の内容である。また、行動情報も同様に心電図解析装置によって自動的に付加される情報で、センサによって記録された被検体の状態に関する情報や、被検体自らが気分の悪いときなどに装置のボタンを押すなどして起こしたイベントの情報である。
さらに、その参照候補のシェアウィンドウ内における配置パターンとして2つのレイアウトが定められる。
【0043】
参照候補やプロトコル、レイアウトは、図示しないGUIからユーザが任意に設定してもよいし、レイアウト生成部31dが、ログイン後に継続して記録された参照候補の参照手順やレイアウトに基づいて、自動的にレイアウトや参照手順を生成してもよい。
【0044】
シェアウィンドウ表示制御部31bは、選択されたレイアウトに沿って参照候補となる医用画像や検査データを表示する。また新たな基準画像が選択されると、新たな基準画像に対応する参照候補を、シェアウィンドウ内に変更表示する。さらに、表示する画像が心電図検査のものである場合、検査に関連付けた所見情報及び被検体の行動情報をレイアウト情報として指定することが可能である。この場合、指定した所見情報及び被検体の行動情報に対応する画像をシェアウィンドウ内に変更表示する。
【0045】
図4及び図5における波形変換プログラムは、画像サーバ4の主メモリにロードされ、CPUが実行することにより、ハードウェアと協働してその機能が実現される。
【0046】
次に、図6の各ステップに沿って、画像作成の処理の流れを説明する。図6は、心電図検査データを画像データに変換する波形変換プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理では、波形変換プログラムが心電図検査データを取得し、シェアウィンドウでユーザにとって扱いやすい状態で表示するための画像データを心電図検査データから作成し、画像サーバ4に登録する。
【0047】
以下では、心電図検査データとして、長時間記録された心電図の検査データを例に用いて説明する。
【0048】
(ステップS1)
画像サーバ4の検査データ読込部40aは、心電計2や検査データサーバ3が出力した心電図検査データの情報を読み込んで取得する。取得方法は、データの格納場所を参照してもよいし、出力機器と検査データ読込部40aが通信してもよい。
【0049】
(ステップS2)
画像サーバ4の全体画像作成部40bは、心電図検査データが記録した全期間の波形データを画像データに変換することで、全体画像を作成する。心電図の各チャネルの波形レイアウトは固定でもよいし、検査の種別に応じて各チャネルの波形レイアウトを変更してもよい。波形レイアウトを変更する場合、表示順序設定部40eが、予めユーザによる設定が可能となるような設定手段を備える。
【0050】
(ステップS3)
画像サーバ4の部分画像作成部40cは、心電計2や検査データサーバ3が出力した心電図検査データが付帯情報として持つ所見情報又は被検体の行動情報を抽出する。心電図検査データは任意の数の所見情報又は被検体の行動情報を持ち、所見情報又は被検体の行動情報は、所見名又は行動情報名及び所見の識別情報又は行動情報の識別情報の少なくとも一方と、心電図波形のどの時刻の現象かを記した経過時間と、を併せて持っている。また、現象が持続して発生した時間を示す持続時間を併せて持つことがある。
【0051】
(ステップS4)
部分画像作成部40cは、さらに、抽出した所見情報又は被検体の行動情報に対して、経過時間を中心とする一定期間の部分的な波形データを画像に変換する。一定期間は固定値でも良いし、又はユーザにより予め設定しても良い。また、所見情報又は被検体の行動情報に持続時間が設定されている場合は、持続時間の値を画像変換対象の波形データの期間として使用しても良い。
【0052】
(ステップS5)
付帯情報付与部40dは、ステップS2及びステップS4で作成した各画像に付帯情報を追加する。付帯情報には、被検体情報(例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、被検体の病名や症状名からなるプロブレム名)と、検査属性情報(例えば、検査の識別ID、検査の種類、検査日)と、が含まれる。検査属性情報には、心電図検査データが持つ所見情報又は被検体の行動情報が含まれる。
また、付帯情報付与部40dは、所見情報又は被検体の行動情報に加え、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対する画像表示の表示順序を付与する。
【0053】
ここで、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対する画像表示の表示順序を示す模式図の一例である図7について説明する。ユーザは画像サーバ4の表示順序設定部40eを用いて、所見情報又は被検体の行動情報70に対して、その表示順序71を予め設定する。図7では具体的には所見情報又は被検体の行動情報70が「頻脈」の場合、表示順序71を「01」とし、表示順序を最優先する。なお、表示順序は予めユーザが入力して設定しておくのでもよいし、表示順序設定部40eによって自動的に設定されていてもよい。
【0054】
(ステップS6)
画像登録部40fは、前ステップまでで作成した検査を構成する画像群を画像サーバ4に登録する。
【0055】
次に、図8の各ステップに沿って、本実施形態に係る検査情報表示システムの処理の流れを説明する。図8は、検査情報表示システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図8を用いて、読影医であるユーザが、診断する医用画像又は検査データ(以下「基準検査」という)を選択し、比較読影・参照する候補となる検査情報をシェアウィンドウに表示するまでの一連の流れを説明する。
【0056】
以下では、基準検査として、被検体名「日立A郎」の医用画像(検査日:2009/06/06、モダリティ:CT、検査部位:下腹部、ルーチン名:大腸癌)を用いて、大腸癌の診断を行う場合を例に説明する。
【0057】
ステップS101において、ユーザ(読影医:日立Drとする。)は、読影端末6の操作を開始するにあたり、ユーザをユニークに識別するユーザIDを入力する。ユーザ認証部30aは、ユーザIDを用いてログイン処理を行う。
続いて、ステップS102において、ユーザが、読影端末6のマウス19又はキーボード20の操作、もしくはモニタ16の表示画面でのタッチ操作により、検査一覧画面の表示指令を行うと、検査一覧表示制御部30bは、磁気ディスク12からこの検査一覧画面のレイアウトを読み出して表示メモリ14に転送し、モニタ16に検査一覧画面を表示する。
【0058】
ここで、検査一覧画面の一例を示す模式図である図9について説明する。図9の検査一覧画面90には、検査データの一覧が表示され、「(被検体)ID」、「氏名」、「モダリティ」、「検査日」のフィールドが備えられる。具体的には、検査日「2009.06.06」に撮影された医用画像の付帯情報が検査一覧画面90にリスト表示される。ここでユーザは、診断する検査を検査一覧画面90上において診断する検査のレコードをマウス19、キーボード20、又は図示しないタッチパネルにより指定する(ステップS103)。
【0059】
図9では、具体的には「日立A郎」の2009/06/06に撮影された「CT」画像が選択され、選択されたこの「CT」画像は、以下の処理における基準検査(選択された検査)となり、その詳細情報は、モニタ16の検査一覧画面90とは別の領域からなる詳細画面91に表示される。
さらにユーザが、基準検査を選択した後、検査一覧画面90に備えられたボタン、検査データ操作画面92をクリックすると、シェアウィンドウプログラム31が起動し、読影端末6は図10のシェアウィンドウ100(後述)を表示する。なお、図9の検査一覧画面90では、医用画像のみが記載されているが、血液検査や病理検査などの画像を伴わない検査データの一覧もリスト表示してもよい。
【0060】
ステップS103の処理に応じて、検査データサーバ3は、シェアウィンドウプログラム31を起動し、シェアウィンドウの表示処理の実行を開始する。検査データサーバ3のシェアウィンドウ表示制御部31bは、ユーザID及び基準画像の検査種別に対応した参照候補のレイアウトを、参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32から読み出す。本実施形態では図5のレイアウト1を読み出す(ステップS104)。
【0061】
ここで、レイアウト情報の中に心電図検査が含まれている場合、シェアウィンドウ表示制御部31bは、レイアウト情報として指定された心電図検査画像の所見情報及び被検体の行動情報を読み出す。心電図検査画像は図6のフローチャートで示した手順で画像サーバ4に登録した心電図検査画像を指す。本実施形態では図5のレイアウト1を読み出すため、所見情報のうちの「頻脈」の画像データを取得する。
【0062】
また、検査データサーバ3のレイアウト生成部31dは、心電図検査に関連するレイアウト情報として、他の参照候補の検査時間近傍の心電図検査画像を参照候補として抽出するようにレイアウト情報を保存することが可能である。例えば、図5のレイアウト2においては、参照候補7として表示する検査画像は、参照候補3と検査時刻の近い画像となるようにレイアウト情報を保持することができる。検査時刻の近傍の範囲は、例えば同一検査日としても良いし、検査時刻が前後1時間以内のもので最も検査時刻が近いものとしてもよい。
【0063】
ステップS105において、検査データサーバ3の検査データ抽出指示部30cは、基準画像の被検体(本実施形態では「日立A郎」)を抽出条件とし、検査データサーバ3及び画像サーバ4に対して過去の検査の検索・抽出・送信の指示を行う。検査データサーバ3及び画像サーバ4は、この指示に従って、各検査を抽出する。抽出された各検査には、例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、モダリティの種類、検査日時を含む付帯情報が含められている。検査データサーバ3及び画像サーバ4は、各検査と付帯情報とをネットワーク7を介して読影端末6に送信する。画像取得部30dは、各検査と付帯情報とを受信して磁気ディスク12に記憶する。
【0064】
また、参照候補抽出部31aは、参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32から、基準検査の検査種類と読影医(初期設定ではステップS101でログインしたユーザ)に対応した参照手順を読出し、その基準検査の検査種別に応じた参照候補となる検査を特定する。そして、磁気ディスク12から特定した参照候補となる検査の医用画像又は検査データを読み出す。
【0065】
次に、ステップS106において、検査データサーバ3のシェアウィンドウ表示制御部31bは、ステップS105で読みだされた参照候補となる検査情報を、ステップS104で読み出したレイアウトに沿って検査データ操作画面のシェアウィンドウ100内に配列する。本実施形態では、具体的には、図5のレイアウトに従って、2009/06/06のCT画像を基準画像に対応する7つの参照候補をシェアウィンドウ100に表示する。
【0066】
ここで図10のシェアウィンドウプログラム31が表示するシェアウィンドウの模式図について説明する。本実施形態では、抽出する7つの参照候補は、参照候補1:2009/02/23の胸部CR画像101a、参照候補2:2009/03/03の腹部CT画像101b、参照候補3:2008/11/01の心臓のIVR透視画像(TV)101d、参照候補4:2009/06/06の頭部MRI画像101c、参照候補5:2009/06/01の血液検査データ101f、参照候補6:2009/04/20の血液検査データ101e、参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gである。
ここで、参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gはステップS104に示した通り、レイアウト情報として所見情報「頻脈」が指定されているため、心電図検査画像のうち、所見情報「頻脈」の付帯情報を含む心電図検査画像を表示する。その結果、シェアウィンドウ100内に検査101a〜101gが表示される。さらに参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gの画面上部には拡大ボタン102が備えられ、ユーザが拡大ボタン102をクリックすると、図13の心電図拡張表示ウィンドウが表示される(後述)。
【0067】
次に、図11の各ユースケース(操作)に沿って、本実施形態に係るシェアウィンドウの操作について説明する。図11は、シェアウィンドウ100の操作を示すユースケース図である。以下の説明では、読影医であるユーザが、図8の処理手順により表示したシェアウィンドウ100の画面に対し、画像切替操作(ユースケースU1)と、別ウィンドウ表示(ユースケースU2)と、を行う。
【0068】
(ユースケースU1)
ユーザは、画面表示装置6aにシェアウィンドウ100が表示された状態で、参照候補に対してマウス19で操作を行うことにより、シェアウィンドウ表示制御部31bを駆動して参照候補に該当する検査内の別の画像に表示を切替えることができる。例えば、参照候補2:2009/03/03の腹部CT画像101bをマウス19で選択した状態で画像切替操作を行うことで、CT装置で連続して撮影した画像を順に表示することができる。
参照候補が心電図の場合は、所見情報及び被検体の行動情報に応じて画像切替操作を行うことができる。図12を用いて、心電図の参照候補画像を操作する方法を説明する。ここでは、シェアウィンドウ100上に参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gを表示している例を用いて説明する。
【0069】
シェアウィンドウ100上に所見情報が「頻脈」の画像のうち、第n番目の心電図検査画像120が表示されている。このとき、ユーザが読影端末6のキーボード20を操作することで、第n-1番目又は第n+1番目の「頻脈」の画像を表示する。又は、図6のフローチャートのステップS5の手順で付与した所見情報及び被検体の行動情報の表示順序で定めた順序に従って、異なる所見情報及び被検体の行動情報に伴う部分的な心電図検査画像を表示する、又は波形全体を示す画像を表示する、などの操作が実行できる。個々の操作について詳細な例を説明する。第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態で、例えば、キーボード20の「↑」キー(Upキー)を押下すると、第n-1番目の所見情報「頻脈」の画像121がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「↓」キー(Downキー)を押下すると、第n+1番目の所見情報「頻脈」の画像122がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「←」キー(Leftキー)を押下すると、所見情報「ST上昇」の画像123がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「→」キー(Rightキー)を押下すると、所見情報「徐脈」の画像124がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「Home」キーを押下すると、全体画像125がシェアウィンドウ100上に表示される。各操作で押下するキーは設定により変更してもよいし、キーボード20の代替手段としてマウス19で操作できるように操作方法を変更してもよい。
【0070】
(ユースケースU2)
ユーザは、画面表示装置6aにシェアウィンドウ100が表示された状態で、心電図検査の参照候補に対してマウス19で図10に示す心電図拡張表示ボタン102を押下するマウス操作を実施することで、別ウィンドウで心電図検査画像を表示することができる。
【0071】
ここで、図13に、ユーザがマウス操作を実施した時の画面表示装置6aの画面表示の状態を示す。シェアウィンドウ100の上に、心電図拡張表示ウィンドウ130が表示される。ここでは、参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gに対してマウス操作を実施した例を表示する。心電図拡張表示ウィンドウ130は、複数枚の心電図検査画像を一覧して閲覧することができる。また、所見情報及び被検体の行動情報選択エリア130aで表示対象の画像を画像に付与された所見情報及び被検体の行動情報でフィルタリングすることが可能であり、単独又は複数の所見情報及び被検体の行動情報を指定することが可能である。複数の所見情報及び被検体の行動情報を指定して表示する心電図検査画像をフィルタリングすることで、例えば、一枚の心電図画像に被検体の行動情報「伏臥位」と所見情報「ST上昇」の情報が付与されていた場合に、被検体の特定の状態での心電図波形の状況を容易に理解することができる。
【0072】
本発明によれば、基準画像や基準検査と比較候補となる検査情報を併せて表示する際に、心電図波形についてはユーザの関心の高い心拍を表示することができる。これにより、ユーザにとって比較読影や参照が容易となる。
【0073】
被検体が不整脈などの場合、1日分の心電図波形のデータを計測することが多い。基準画像や基準検査と比較する為に、過去の心電図波形を参照する場合、従来は、1日分の心電図波形のデータから、ユーザ自身が、関心の高い心拍を探す必要があった。本発明では、所見情報や行動情報が付与された時刻近傍の心電図波形の部分画像を生成し、その部分画像を自動的に表示するので、ユーザの作業効率が飛躍的に高まる。
【0074】
さらに、比較候補の検査画像の検査時刻近傍の心電図波形を比較候補として表示することができる。これにより、心電図検査と同時刻に実施した検査画像とを同時にユーザに示すことができる。
【0075】
さらに、心電図波形の部分画像を作成する時点において、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対して画像表示の表示順序を付与することで、画像の表示順序がユーザにとって関心の高い画像を順に表示することが容易となる。また、所見情報又は被検体の行動情報の種別をフィルタリングして心電図検査画像を一覧表示することで、ユーザにとって関心の高い情報を一覧して閲覧することが容易となる。
【0076】
さらに、複数の所見情報及び行動情報の種別で、一覧表示する心電図波形の部分画像をフィルタリングすることで、被検体の特定の状態での心電図波形の状況を容易に理解することができる。
【0077】
上記実施形態では、医用画像撮像装置1と、心電計2と、検査データサーバ3と、画像サーバ4と、検像端末5と、読影端末6とが、ネットワーク7を介して接続された検査情報表示システム8を用いて説明したが、読影端末6をネットワークに接続しない、いわゆるスタンドアロン構成としてもよい。その場合は、読影端末6は、画像データや検査情報を格納した検査データ格納部と、その格納部から所望する参照すべき検査データを抽出する手段を備える画像表示装置とし、上記実施形態における表示制御と同様の表示制御処理を行ってもよい。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る検査情報表示システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
1…医用画像撮影装置(モダリティ)
2…心電計
3…検査データサーバ
4…画像サーバ
5…検像端末
6…読影端末
7…ネットワーク
8…検査情報表示システム
100…シェアウィンドウ
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査情報表示システム等に係り、特に、医用画像又は医用検査情報の画面表示に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、X線撮影装置やCT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)装置、MRI装置等、医用画像診断装置の発展が目覚ましい。これらの医用画像診断装置は、患者や検診者等(以下、これらをまとめて被検体という)を検査する際に、それぞれの装置特有の方法を用いて被検体内部の情報を収集し、この収集された情報を再構成することによって画像を生成する。このようにして再構成された検査画像を用いて医師等は被検体の診断を行う。医師等は、検査画像に加えて、さらに、同一被検体の検査情報として付与される様々な種類の所見情報や生体検査情報等を併せて総合的に診断を行うため、複数の医用画像や検査情報の中から関心の高いデータに容易にアクセスができ、効率よく画面に表示することができるシステムが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の検査画像を画面に表示するにあたって、医師等が診断を行うに際して意味のある、理解しやすい状態に並べることにより診断の正確性、診断効率を上げることのできる画像表示システム及び該システムを備える医用画像診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−142424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の画像表示システムでは、心電図検査画像等の検査画像を検査の付帯情報などを使用して整列して表示することは可能であるが、検査情報として付与される様々な種類の所見情報及び被検体の行動情報に該当する心電図波形画像に容易にアクセスすることや、ユーザにとって関心の高い心電図波形画像とその他の検査画像を併せて表示することが困難であった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、関心の高い検査情報の表示を容易に行うことのできる検査情報表示システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データが心電図波形を含む場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像を並配して表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする検査情報表示システムである。
【0008】
第2の発明は、サーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムであって、前記サーバが、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、を備え、前記クライアントが、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、を備えることを特徴とする検査情報表示システムである。
【0009】
第1の発明、第2の発明によって、基準画像や基準検査と比較候補となる検査情報を併せて表示する際に、心電図検査画像についてはユーザの関心の高い検査の中でも、特に関心の高い心拍を表示することができ、これにより、ユーザにとって比較読影や参照が容易となる。さらに、比較候補の検査画像の中から検査時刻近傍の心電図検査画像を比較候補として表示することができる。これにより、心電図検査と同時刻に実施した検査画像とを同時にユーザに示すことができる。
【0010】
また、前記サーバは、更に、前記検査データ読込手段で読み込んだ前記所見情報又は前記行動情報の種別で整列して前記部分画像を表示するための順序情報を設定する表示順序設定手段と、前記表示順序設定手段で設定された前記順序情報を前記部分画像に付与する付帯情報付与手段と、を備える。
【0011】
これにより、心電図検査画像を作成する時点において、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対して画像表示の表示順序を付与することで、画像の表示順序がユーザにとって関心の高い画像を順に表示することが容易となり、ユーザの診断効率が上がる。
【0012】
前記クライアントは、更に、前記所見情報又は前記行動情報の、単独又は複数の種別で前記部分画像をフィルタリングして表示する手段を備える。
【0013】
これにより、ユーザは、所見情報又は行動情報の、単独又は複数の種別でフィルタリングして部分画像を一覧表示することで、関心の高い情報を一覧して閲覧することが容易となる。
【0014】
第3の発明は、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段を備えるサーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムにおける検査情報表示方法であって、前記サーバが、前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込ステップと、前記検査データ読込ステップで読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成ステップと、を実行し、前記クライアントが、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示ステップと、前記検査データ抽出指示ステップにより指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御ステップと、を実行することを特徴とする検査情報表示方法である。
【0015】
第4の発明は、被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、を備えることを特徴とする検査情報表示装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、医師等が診断の際に利用する検査情報の画面表示において、複数の医用画像や検査情報の中から、所見情報や被検体の行動情報に該当する、関心の高い心電図波形に容易にアクセスができる。また、関心の高い心電図波形を他の検査画像と併せて効率よくシェアウィンドウの画面に表示することができる。ひいては、診断の正確性と診断効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】検査情報表示システムの全体構成を示すブロック図
【図2】検査情報表示装置の全体構成を示すブロック図
【図3】画像表示プログラムを示すブロック図
【図4】波形変換プログラムを示すブロック図
【図5】参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部33に格納されるデータの一例を示す模式図
【図6】波形変換プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図7】所見・行動情報設定記憶部41に格納される表示順序のデータの一例を示す模式図
【図8】検査情報表示システムの処理の流れを示すフローチャート
【図9】検査データ操作画面の一例を示す模式図
【図10】シェアウィンドウの一例を示す模式図
【図11】シェアウィンドウ100の操作例を示すユースケース図
【図12】シェアウィンドウ100に表示した心電図検査画像の操作の一例を示す模式図
【図13】シェアウィンドウ100上に表示した心電図拡張表示ウィンドウの一例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る検査情報表示システム等の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
同一機能を有する構成及び同一の処理内容の手順には同一符号を付し、その説明の繰り返しを省略する。
【0019】
本実施形態は、同一被検体の検査情報の履歴と、診断対象となる基準検査と比較観察や比較参照の候補となる検査情報を抽出して表示する検査情報表示システムである。なお、検査情報には、各種医用画像撮影装置により撮影された医用画像と、血液検査、病理検査、生体検査、心電図などの各種医用検査の検査データ等を含む。また、他病院や診療所の紹介状などの検査に従属する情報を含んでもよい。
【0020】
まず、図1、図2に基づいて本実施形態に係る検査情報表示システムと、検査表示装置のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る検査情報表示システムの全体構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る表示装置及び変換装置の全体構成を示すブロック図である。
【0021】
検査情報表示システム8は、検査技師が被検体を撮影して医用画像を作成し、読影医師などがこの医用画像を参照して診察のための読影を含む閲覧を行なうことができるようにしたシステムであって、医用画像撮影装置(モダリティともいう)1と、心電計2と、医用検査結果とその付帯情報が格納される検査データサーバ3と、医用画像とその付帯情報が格納される画像サーバ4と、医用画像の検像を行う検像端末5及び検像端末5に接続される画像表示装置5a、5bと、読影端末6及び読影端末6に接続される画像表示装置6a、6bとが、ネットワーク7を介して接続されて構成される。なお、検像端末5は、2台の画像表示装置5a、5bを備えているが、検像端末5は、1台以上の画像表示装置があればよく、図1に示すように画像表示装置数は2に限定されない。読影端末6も同様に、2台の画像表示装置6a、6bを備えているが、図1に示すように画像表示装置数は2に限定されない。
【0022】
モダリティ1は、X線撮影装置、X線CT装置、MRI装置などの医用画像撮影装置であって、患者の所定部位を撮影して医用画像を作成する。心電計2は、標準12誘導心電図、長時間心電図、負荷心電図などの心電図測定装置であって、心電図検査データを作成する。
【0023】
検査データサーバ3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びHDD(Hard Disc Drive)などを実装したコンピュータシステムであり、血液検査、検体検査、生体検査、心電図などの医用検査の検査結果データと被検体情報とを関連付けて格納・管理する。
【0024】
画像サーバ4は、CPU、ROM、RAM、及びHDDなどを実装したコンピュータシステムであり、検像端末5で検像した医用画像と被検体情報とを関連付けて格納・管理する。
【0025】
検像端末5は、CPU、ROM、RAM、及びHDDなどを実装したコンピュータシステムであり、モダリティ1からの撮影医用画像や画像ワークステーションからの後処理医用画像を、未検像医用画像として受信し、かかる未検像医用画像の内容確認や修正、加工などの検像を行う。
【0026】
読影端末6は、CPU、ROM、RAM、及びHDDなどを実装したコンピュータシステムであり、画像サーバ4や検査データサーバ3から所定の医用画像や検査データを取得し、それらの医用画像や検査データを参照して読影医師が読影あるいは閲覧を行なうための端末装置である。
【0027】
ここで、モダリティ1と検像端末5は検査技師室に設置されて検査技師によって使用され、読影端末6は担当の読影医師の読影室に設置されて読影医師によって使用されるなどして、ネットワーク7を介して各装置が離れて構成されていてもよい。また、使用状態は読影端末6のみであってもよい。
【0028】
検査データサーバ3は、血液検査、組織(検体)検査、心電図データなどの各種医用検査結果のデータと、この検査結果のデータに付帯する情報とを関連付けて格納する。検査結果データの付帯情報には、被検体情報(例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、被検体の病名や症状名からなるプロブレム名)と、検査属性情報(例えば、検査の種類、検査日)と、が含まれる。
【0029】
画像サーバ4は、モダリティ1で撮影された医用画像と、その医用画像に付帯する付帯情報とを関連付けて格納する。この付帯情報には、被検体情報(例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、被検体の病名や症状名からなるプロブレム名)と、検査属性情報(例えば、モダリティの種類、検査日、撮影部位)と、医用画像のサムネイル画像と、が含まれる。検査属性情報は検査種別情報とも呼ばれる。
【0030】
次に図2に基づいて、本発明に係る検査情報表示装置としての読影端末6のハードウェア構成について説明する。
【0031】
読影端末6は、各部を制御するCPU10と、CPU10が全体の制御を実行するための制御プログラムや、画面表示などのための各種アプリケーションプログラムが実行時にロードされる主メモリ11と、上記アプリケーションソフトや、検査データサーバ3及び画像サーバ4から取得した医用画像や検査データ、更には、モニタ16、17で表示される画面のレイアウトやこのレイアウトに付加される被検体情報やマーカ、タグ、検査アイコンなどのデータが不揮発的に格納される磁気ディスク12と、ネットワーク7に接続されて通信制御を行なう通信制御部13と、表示用の画像情報を一時記憶する表示メモリ14、15と、表示メモリ14に記憶されている画像情報を用いて画像表示を行なうモニタ16と、表示メモリ15に記憶されている画像情報を用いて画像表示を行なうモニタ17と、モニタ16、17の表示画面を操作するためのマウス19及びコントローラ18と、各種パラメータ設定用の操作キーや操作スイッチを備えたキーボード20と、が内部バス21を介して相互に接続されて構成される。また、読影端末6にはデジタルカメラやスキャナーなどの情報機器を接続するための外部インタフェース(図示省略)が設けられていてもよい。読影端末6は外部インタフェースとデジタルカメラを接続して皮膚科で撮影した患者の病変写真を取込む場合や、スキャナーを外部インタフェースに接続して、関連資料を取込む場合がある。また、ここでは、モニタ16、17の2台構成を例に説明しているが、モニタは何れか一台のみであってもよい。
【0032】
ここで、表示メモリ14とモニタ16とは、図1の画像表示装置6aを構成しており、表示メモリ15とモニタ17とは、図1での画像表示装置6bを構成している。また、検査アイコンとは、アイコンのほか、メニュー、コンテキストメニュー、ボタンや、検査画像をサムネイル表示したものを広義として含むものとする。
【0033】
なお、モニタ16、17の表示画面にタッチパネルが設けられていてもよく、この場合には、モニタ16、17の表示画面でのタッチ操作により、マウス19やキーボード20の代わりに必要なデータを入力することができる。また、情報の記憶媒体として、磁気ディスク12の代わりに、あるいは磁気ディスク12とともに、CD−ROMや光磁気ディスクなどの他の記憶媒体を用いることもできる。
【0034】
次に図3に基づいて読影端末6に内蔵される画像表示プログラムについて説明する。図3は、画像表示プログラムを示すブロック図である。画像表示プログラムは、大きくは、共通プログラム30と、参照候補となる検査情報を表示するシェアウィンドウの制御を行うシェアウィンドウプログラム31と、を備える。
【0035】
共通プログラム30は、読影端末6のユーザをユニークに識別するユーザIDの入力に基づいて認証処理を行うユーザ認証部30aと、診断対象の候補となる医用画像や医用検査の検査データ(以下「検査データ」という)をリスト表示した検査一覧画面を表示する検査一覧表示制御部30bと、検査一覧画面上において、診断対象となる医用画像又は検査データ(以下「基準検査」という)を選択し、検査データサーバ3又は画像サーバ4に対して、基準検査と、その基準検査と同一被検体の検査情報の抽出指示を行う検査データ抽出指示部30cと、検査データサーバ3又は画像サーバ4から抽出された基準検査及び検査情報を取得(受信)する画像取得部30dと、検査履歴の表示エリアと検査情報の表示エリアを含む検査データ操作画面を表示する検査データ操作画面表示制御部30eと、を備える。なお、図1では検査データサーバ3と画像サーバ4は別の筐体として構成しているが、一つのサーバで構成されてもよい。
【0036】
シェアウィンドウプログラム31は、検査データサーバ3及び画像サーバ4に対して基準画像に対する参照候補となる検査情報の抽出を行う参照候補抽出部31aと、抽出された参照候補を、検査データ操作画面のシェアウィンドウに表示(並配して表示)するシェアウィンドウ表示制御部31bと、シェアウィンドウに複数の分割領域を設定し、各分割領域に追加表示する検査情報の表示位置を定める分割領域設定部31cと、シェアウィンドウ内における検査情報の配置パターン(レイアウト)を生成するレイアウト生成部31dと、任意のレイアウトを選択するレイアウト選択部31eと、検査データに含まれる所見情報及び被検体の行動情報を読み出す所見・行動情報読出部31fと、を備える。検査データサーバ3と画像サーバ4が一つのサーバで構成されている場合は、過去検査の抽出を一つのサーバについて行う。
【0037】
また、読影端末6が備える磁気ディスク12には、ユーザの識別情報と基準検査を用いた診断目的を示すルーチン名と基準検査の検査種別と、に対応付けられた参照候補となる検査情報を、比較観察あるいは読影・参照する順序(以下「参照手順又は読影プロトコル」という。)に沿って定義したデータを記憶する参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32が備えられ、画像表示プログラム30がデータを格納したり呼び出したりする。
【0038】
次に図4に基づいて画像サーバ4に内蔵される波形変換プログラムについて説明する。図4は波形変換プログラムを示すブロック図である。
【0039】
波形変換プログラム40は、心電計2及び検査データサーバ3が提供する心電図検査のデータを読み込む検査データ読込部40aと、1検査分の心電図波形全体の波形を画像として出力する全体画像作成部40bと、検査データに含まれる所見情報及び被検体の行動情報について、所見情報及び被検体の行動情報が記録された時刻を中心とした一定期間の心電図波形画像を作成する部分画像作成部40cと、全体画像作成部40b及び部分画像作成部40cで作成した画像に付帯情報を加える付帯情報付与部40dと、付帯情報付与部40dで与える情報について予め画面表示の設定を行う表示順序設定部40eと、付帯情報付与部40dで情報を付与した検査画像を画像サーバ4に登録する画像登録部40fと、を備える。
【0040】
また、画像サーバ4が備える磁気ディスクには、表示順序設定部40eで定義したデータを記憶する所見・行動情報設定記憶部41が備えられる。
【0041】
図5は、参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32に格納されるデータの一例を示す図である。このデータは、ユーザ名、ルーチン名、基準検査の検査種別及び検査部位と、これらに応じた参照候補及びその参照手順(プロトコル)が関係づけられている。ここで、ユーザ名は具体的には画像表示プログラムを利用する読影医等の名前であり、ルーチン名は具体的には症例名等である。なお、ユーザごとにルーチンが設定されるが、別のユーザで一つのルーチンを共有してもよい。さらに、ユーザは、各プロトコルにおいて、診断のポイントを示すコメントを参照候補と関連付けて記入してもよい。
【0042】
そして、参照候補の検査が心電図の場合、所見情報及び被検体の行動情報が検査と関連付けられる。ここで所見情報とは心電図解析装置によって自動的に付加される情報で、具体的には「頻脈」や「ST上昇」等の内容である。また、行動情報も同様に心電図解析装置によって自動的に付加される情報で、センサによって記録された被検体の状態に関する情報や、被検体自らが気分の悪いときなどに装置のボタンを押すなどして起こしたイベントの情報である。
さらに、その参照候補のシェアウィンドウ内における配置パターンとして2つのレイアウトが定められる。
【0043】
参照候補やプロトコル、レイアウトは、図示しないGUIからユーザが任意に設定してもよいし、レイアウト生成部31dが、ログイン後に継続して記録された参照候補の参照手順やレイアウトに基づいて、自動的にレイアウトや参照手順を生成してもよい。
【0044】
シェアウィンドウ表示制御部31bは、選択されたレイアウトに沿って参照候補となる医用画像や検査データを表示する。また新たな基準画像が選択されると、新たな基準画像に対応する参照候補を、シェアウィンドウ内に変更表示する。さらに、表示する画像が心電図検査のものである場合、検査に関連付けた所見情報及び被検体の行動情報をレイアウト情報として指定することが可能である。この場合、指定した所見情報及び被検体の行動情報に対応する画像をシェアウィンドウ内に変更表示する。
【0045】
図4及び図5における波形変換プログラムは、画像サーバ4の主メモリにロードされ、CPUが実行することにより、ハードウェアと協働してその機能が実現される。
【0046】
次に、図6の各ステップに沿って、画像作成の処理の流れを説明する。図6は、心電図検査データを画像データに変換する波形変換プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。以下の処理では、波形変換プログラムが心電図検査データを取得し、シェアウィンドウでユーザにとって扱いやすい状態で表示するための画像データを心電図検査データから作成し、画像サーバ4に登録する。
【0047】
以下では、心電図検査データとして、長時間記録された心電図の検査データを例に用いて説明する。
【0048】
(ステップS1)
画像サーバ4の検査データ読込部40aは、心電計2や検査データサーバ3が出力した心電図検査データの情報を読み込んで取得する。取得方法は、データの格納場所を参照してもよいし、出力機器と検査データ読込部40aが通信してもよい。
【0049】
(ステップS2)
画像サーバ4の全体画像作成部40bは、心電図検査データが記録した全期間の波形データを画像データに変換することで、全体画像を作成する。心電図の各チャネルの波形レイアウトは固定でもよいし、検査の種別に応じて各チャネルの波形レイアウトを変更してもよい。波形レイアウトを変更する場合、表示順序設定部40eが、予めユーザによる設定が可能となるような設定手段を備える。
【0050】
(ステップS3)
画像サーバ4の部分画像作成部40cは、心電計2や検査データサーバ3が出力した心電図検査データが付帯情報として持つ所見情報又は被検体の行動情報を抽出する。心電図検査データは任意の数の所見情報又は被検体の行動情報を持ち、所見情報又は被検体の行動情報は、所見名又は行動情報名及び所見の識別情報又は行動情報の識別情報の少なくとも一方と、心電図波形のどの時刻の現象かを記した経過時間と、を併せて持っている。また、現象が持続して発生した時間を示す持続時間を併せて持つことがある。
【0051】
(ステップS4)
部分画像作成部40cは、さらに、抽出した所見情報又は被検体の行動情報に対して、経過時間を中心とする一定期間の部分的な波形データを画像に変換する。一定期間は固定値でも良いし、又はユーザにより予め設定しても良い。また、所見情報又は被検体の行動情報に持続時間が設定されている場合は、持続時間の値を画像変換対象の波形データの期間として使用しても良い。
【0052】
(ステップS5)
付帯情報付与部40dは、ステップS2及びステップS4で作成した各画像に付帯情報を追加する。付帯情報には、被検体情報(例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、被検体の病名や症状名からなるプロブレム名)と、検査属性情報(例えば、検査の識別ID、検査の種類、検査日)と、が含まれる。検査属性情報には、心電図検査データが持つ所見情報又は被検体の行動情報が含まれる。
また、付帯情報付与部40dは、所見情報又は被検体の行動情報に加え、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対する画像表示の表示順序を付与する。
【0053】
ここで、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対する画像表示の表示順序を示す模式図の一例である図7について説明する。ユーザは画像サーバ4の表示順序設定部40eを用いて、所見情報又は被検体の行動情報70に対して、その表示順序71を予め設定する。図7では具体的には所見情報又は被検体の行動情報70が「頻脈」の場合、表示順序71を「01」とし、表示順序を最優先する。なお、表示順序は予めユーザが入力して設定しておくのでもよいし、表示順序設定部40eによって自動的に設定されていてもよい。
【0054】
(ステップS6)
画像登録部40fは、前ステップまでで作成した検査を構成する画像群を画像サーバ4に登録する。
【0055】
次に、図8の各ステップに沿って、本実施形態に係る検査情報表示システムの処理の流れを説明する。図8は、検査情報表示システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図8を用いて、読影医であるユーザが、診断する医用画像又は検査データ(以下「基準検査」という)を選択し、比較読影・参照する候補となる検査情報をシェアウィンドウに表示するまでの一連の流れを説明する。
【0056】
以下では、基準検査として、被検体名「日立A郎」の医用画像(検査日:2009/06/06、モダリティ:CT、検査部位:下腹部、ルーチン名:大腸癌)を用いて、大腸癌の診断を行う場合を例に説明する。
【0057】
ステップS101において、ユーザ(読影医:日立Drとする。)は、読影端末6の操作を開始するにあたり、ユーザをユニークに識別するユーザIDを入力する。ユーザ認証部30aは、ユーザIDを用いてログイン処理を行う。
続いて、ステップS102において、ユーザが、読影端末6のマウス19又はキーボード20の操作、もしくはモニタ16の表示画面でのタッチ操作により、検査一覧画面の表示指令を行うと、検査一覧表示制御部30bは、磁気ディスク12からこの検査一覧画面のレイアウトを読み出して表示メモリ14に転送し、モニタ16に検査一覧画面を表示する。
【0058】
ここで、検査一覧画面の一例を示す模式図である図9について説明する。図9の検査一覧画面90には、検査データの一覧が表示され、「(被検体)ID」、「氏名」、「モダリティ」、「検査日」のフィールドが備えられる。具体的には、検査日「2009.06.06」に撮影された医用画像の付帯情報が検査一覧画面90にリスト表示される。ここでユーザは、診断する検査を検査一覧画面90上において診断する検査のレコードをマウス19、キーボード20、又は図示しないタッチパネルにより指定する(ステップS103)。
【0059】
図9では、具体的には「日立A郎」の2009/06/06に撮影された「CT」画像が選択され、選択されたこの「CT」画像は、以下の処理における基準検査(選択された検査)となり、その詳細情報は、モニタ16の検査一覧画面90とは別の領域からなる詳細画面91に表示される。
さらにユーザが、基準検査を選択した後、検査一覧画面90に備えられたボタン、検査データ操作画面92をクリックすると、シェアウィンドウプログラム31が起動し、読影端末6は図10のシェアウィンドウ100(後述)を表示する。なお、図9の検査一覧画面90では、医用画像のみが記載されているが、血液検査や病理検査などの画像を伴わない検査データの一覧もリスト表示してもよい。
【0060】
ステップS103の処理に応じて、検査データサーバ3は、シェアウィンドウプログラム31を起動し、シェアウィンドウの表示処理の実行を開始する。検査データサーバ3のシェアウィンドウ表示制御部31bは、ユーザID及び基準画像の検査種別に対応した参照候補のレイアウトを、参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32から読み出す。本実施形態では図5のレイアウト1を読み出す(ステップS104)。
【0061】
ここで、レイアウト情報の中に心電図検査が含まれている場合、シェアウィンドウ表示制御部31bは、レイアウト情報として指定された心電図検査画像の所見情報及び被検体の行動情報を読み出す。心電図検査画像は図6のフローチャートで示した手順で画像サーバ4に登録した心電図検査画像を指す。本実施形態では図5のレイアウト1を読み出すため、所見情報のうちの「頻脈」の画像データを取得する。
【0062】
また、検査データサーバ3のレイアウト生成部31dは、心電図検査に関連するレイアウト情報として、他の参照候補の検査時間近傍の心電図検査画像を参照候補として抽出するようにレイアウト情報を保存することが可能である。例えば、図5のレイアウト2においては、参照候補7として表示する検査画像は、参照候補3と検査時刻の近い画像となるようにレイアウト情報を保持することができる。検査時刻の近傍の範囲は、例えば同一検査日としても良いし、検査時刻が前後1時間以内のもので最も検査時刻が近いものとしてもよい。
【0063】
ステップS105において、検査データサーバ3の検査データ抽出指示部30cは、基準画像の被検体(本実施形態では「日立A郎」)を抽出条件とし、検査データサーバ3及び画像サーバ4に対して過去の検査の検索・抽出・送信の指示を行う。検査データサーバ3及び画像サーバ4は、この指示に従って、各検査を抽出する。抽出された各検査には、例えば、被検体の識別ID、被検体の氏名、モダリティの種類、検査日時を含む付帯情報が含められている。検査データサーバ3及び画像サーバ4は、各検査と付帯情報とをネットワーク7を介して読影端末6に送信する。画像取得部30dは、各検査と付帯情報とを受信して磁気ディスク12に記憶する。
【0064】
また、参照候補抽出部31aは、参照候補・プロトコル・レイアウト記憶部32から、基準検査の検査種類と読影医(初期設定ではステップS101でログインしたユーザ)に対応した参照手順を読出し、その基準検査の検査種別に応じた参照候補となる検査を特定する。そして、磁気ディスク12から特定した参照候補となる検査の医用画像又は検査データを読み出す。
【0065】
次に、ステップS106において、検査データサーバ3のシェアウィンドウ表示制御部31bは、ステップS105で読みだされた参照候補となる検査情報を、ステップS104で読み出したレイアウトに沿って検査データ操作画面のシェアウィンドウ100内に配列する。本実施形態では、具体的には、図5のレイアウトに従って、2009/06/06のCT画像を基準画像に対応する7つの参照候補をシェアウィンドウ100に表示する。
【0066】
ここで図10のシェアウィンドウプログラム31が表示するシェアウィンドウの模式図について説明する。本実施形態では、抽出する7つの参照候補は、参照候補1:2009/02/23の胸部CR画像101a、参照候補2:2009/03/03の腹部CT画像101b、参照候補3:2008/11/01の心臓のIVR透視画像(TV)101d、参照候補4:2009/06/06の頭部MRI画像101c、参照候補5:2009/06/01の血液検査データ101f、参照候補6:2009/04/20の血液検査データ101e、参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gである。
ここで、参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gはステップS104に示した通り、レイアウト情報として所見情報「頻脈」が指定されているため、心電図検査画像のうち、所見情報「頻脈」の付帯情報を含む心電図検査画像を表示する。その結果、シェアウィンドウ100内に検査101a〜101gが表示される。さらに参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gの画面上部には拡大ボタン102が備えられ、ユーザが拡大ボタン102をクリックすると、図13の心電図拡張表示ウィンドウが表示される(後述)。
【0067】
次に、図11の各ユースケース(操作)に沿って、本実施形態に係るシェアウィンドウの操作について説明する。図11は、シェアウィンドウ100の操作を示すユースケース図である。以下の説明では、読影医であるユーザが、図8の処理手順により表示したシェアウィンドウ100の画面に対し、画像切替操作(ユースケースU1)と、別ウィンドウ表示(ユースケースU2)と、を行う。
【0068】
(ユースケースU1)
ユーザは、画面表示装置6aにシェアウィンドウ100が表示された状態で、参照候補に対してマウス19で操作を行うことにより、シェアウィンドウ表示制御部31bを駆動して参照候補に該当する検査内の別の画像に表示を切替えることができる。例えば、参照候補2:2009/03/03の腹部CT画像101bをマウス19で選択した状態で画像切替操作を行うことで、CT装置で連続して撮影した画像を順に表示することができる。
参照候補が心電図の場合は、所見情報及び被検体の行動情報に応じて画像切替操作を行うことができる。図12を用いて、心電図の参照候補画像を操作する方法を説明する。ここでは、シェアウィンドウ100上に参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gを表示している例を用いて説明する。
【0069】
シェアウィンドウ100上に所見情報が「頻脈」の画像のうち、第n番目の心電図検査画像120が表示されている。このとき、ユーザが読影端末6のキーボード20を操作することで、第n-1番目又は第n+1番目の「頻脈」の画像を表示する。又は、図6のフローチャートのステップS5の手順で付与した所見情報及び被検体の行動情報の表示順序で定めた順序に従って、異なる所見情報及び被検体の行動情報に伴う部分的な心電図検査画像を表示する、又は波形全体を示す画像を表示する、などの操作が実行できる。個々の操作について詳細な例を説明する。第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態で、例えば、キーボード20の「↑」キー(Upキー)を押下すると、第n-1番目の所見情報「頻脈」の画像121がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「↓」キー(Downキー)を押下すると、第n+1番目の所見情報「頻脈」の画像122がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「←」キー(Leftキー)を押下すると、所見情報「ST上昇」の画像123がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「→」キー(Rightキー)を押下すると、所見情報「徐脈」の画像124がシェアウィンドウ100上に表示される。また、第n番目の心電図検査画像120が表示されている状態でキーボード20の「Home」キーを押下すると、全体画像125がシェアウィンドウ100上に表示される。各操作で押下するキーは設定により変更してもよいし、キーボード20の代替手段としてマウス19で操作できるように操作方法を変更してもよい。
【0070】
(ユースケースU2)
ユーザは、画面表示装置6aにシェアウィンドウ100が表示された状態で、心電図検査の参照候補に対してマウス19で図10に示す心電図拡張表示ボタン102を押下するマウス操作を実施することで、別ウィンドウで心電図検査画像を表示することができる。
【0071】
ここで、図13に、ユーザがマウス操作を実施した時の画面表示装置6aの画面表示の状態を示す。シェアウィンドウ100の上に、心電図拡張表示ウィンドウ130が表示される。ここでは、参照候補7:2009/02/02の心電図検査画像101gに対してマウス操作を実施した例を表示する。心電図拡張表示ウィンドウ130は、複数枚の心電図検査画像を一覧して閲覧することができる。また、所見情報及び被検体の行動情報選択エリア130aで表示対象の画像を画像に付与された所見情報及び被検体の行動情報でフィルタリングすることが可能であり、単独又は複数の所見情報及び被検体の行動情報を指定することが可能である。複数の所見情報及び被検体の行動情報を指定して表示する心電図検査画像をフィルタリングすることで、例えば、一枚の心電図画像に被検体の行動情報「伏臥位」と所見情報「ST上昇」の情報が付与されていた場合に、被検体の特定の状態での心電図波形の状況を容易に理解することができる。
【0072】
本発明によれば、基準画像や基準検査と比較候補となる検査情報を併せて表示する際に、心電図波形についてはユーザの関心の高い心拍を表示することができる。これにより、ユーザにとって比較読影や参照が容易となる。
【0073】
被検体が不整脈などの場合、1日分の心電図波形のデータを計測することが多い。基準画像や基準検査と比較する為に、過去の心電図波形を参照する場合、従来は、1日分の心電図波形のデータから、ユーザ自身が、関心の高い心拍を探す必要があった。本発明では、所見情報や行動情報が付与された時刻近傍の心電図波形の部分画像を生成し、その部分画像を自動的に表示するので、ユーザの作業効率が飛躍的に高まる。
【0074】
さらに、比較候補の検査画像の検査時刻近傍の心電図波形を比較候補として表示することができる。これにより、心電図検査と同時刻に実施した検査画像とを同時にユーザに示すことができる。
【0075】
さらに、心電図波形の部分画像を作成する時点において、所見情報又は被検体の行動情報の種別に対して画像表示の表示順序を付与することで、画像の表示順序がユーザにとって関心の高い画像を順に表示することが容易となる。また、所見情報又は被検体の行動情報の種別をフィルタリングして心電図検査画像を一覧表示することで、ユーザにとって関心の高い情報を一覧して閲覧することが容易となる。
【0076】
さらに、複数の所見情報及び行動情報の種別で、一覧表示する心電図波形の部分画像をフィルタリングすることで、被検体の特定の状態での心電図波形の状況を容易に理解することができる。
【0077】
上記実施形態では、医用画像撮像装置1と、心電計2と、検査データサーバ3と、画像サーバ4と、検像端末5と、読影端末6とが、ネットワーク7を介して接続された検査情報表示システム8を用いて説明したが、読影端末6をネットワークに接続しない、いわゆるスタンドアロン構成としてもよい。その場合は、読影端末6は、画像データや検査情報を格納した検査データ格納部と、その格納部から所望する参照すべき検査データを抽出する手段を備える画像表示装置とし、上記実施形態における表示制御と同様の表示制御処理を行ってもよい。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る検査情報表示システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0079】
1…医用画像撮影装置(モダリティ)
2…心電計
3…検査データサーバ
4…画像サーバ
5…検像端末
6…読影端末
7…ネットワーク
8…検査情報表示システム
100…シェアウィンドウ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データが心電図波形を含む場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、
前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像を並配して表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする検査情報表示システム。
【請求項2】
サーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムであって、
前記サーバが、
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、
前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、
前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、
を備え、
前記クライアントが、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、
前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、
を備えることを特徴とする検査情報表示システム。
【請求項3】
前記サーバは、更に、
前記検査データ読込手段で読み込んだ前記所見情報又は前記行動情報の種別で整列して前記部分画像を表示するための順序情報を設定する表示順序設定手段と、
前記表示順序設定手段で設定された前記順序情報を前記部分画像に付与する付帯情報付与手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の検査情報表示システム。
【請求項4】
前記クライアントは、更に、
前記所見情報又は前記行動情報の、単独又は複数の種別で前記部分画像をフィルタリングして表示する手段
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の検査情報表示システム。
【請求項5】
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段を備えるサーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムにおける検査情報表示方法であって、
前記サーバが、
前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込ステップと、
前記検査データ読込ステップで読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成ステップと、
を実行し、
前記クライアントが、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示ステップと、
前記検査データ抽出指示ステップにより指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御ステップと、
を実行することを特徴とする検査情報表示方法。
【請求項6】
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、
前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、
前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、
前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、
を備えることを特徴とする検査情報表示装置。
【請求項1】
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データが心電図波形を含む場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、
前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像を並配して表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする検査情報表示システム。
【請求項2】
サーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムであって、
前記サーバが、
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、
前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、
前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、
を備え、
前記クライアントが、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、
前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、
を備えることを特徴とする検査情報表示システム。
【請求項3】
前記サーバは、更に、
前記検査データ読込手段で読み込んだ前記所見情報又は前記行動情報の種別で整列して前記部分画像を表示するための順序情報を設定する表示順序設定手段と、
前記表示順序設定手段で設定された前記順序情報を前記部分画像に付与する付帯情報付与手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の検査情報表示システム。
【請求項4】
前記クライアントは、更に、
前記所見情報又は前記行動情報の、単独又は複数の種別で前記部分画像をフィルタリングして表示する手段
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の検査情報表示システム。
【請求項5】
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段を備えるサーバと、ネットワークを介して接続する、少なくとも一つ以上のクライアントとからなる検査情報表示システムにおける検査情報表示方法であって、
前記サーバが、
前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込ステップと、
前記検査データ読込ステップで読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成ステップと、
を実行し、
前記クライアントが、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示ステップと、
前記検査データ抽出指示ステップにより指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御ステップと、
を実行することを特徴とする検査情報表示方法。
【請求項6】
被検体の医用画像、医用検査結果及び付帯情報からなる検査データを格納する格納手段と、
前記格納手段から、診断対象となる基準検査と比較又は参照される候補となる検査データを読み込む検査データ読込手段と、
前記検査データ読込手段で読み込まれた前記検査データが心電図波形の場合に、前記付帯情報に含まれる所見情報又は行動情報が記された時刻近傍の心電図波形の部分画像を作成する部分画像作成手段と、
前記検査データの抽出指示を行う検査データ抽出指示手段と、
前記検査データ抽出指示手段により指示して取得した前記検査データのうち、前記所見情報又は前記行動情報の少なくとも一方の情報と前記部分画像をシェアウィンドウに配置するシェアウィンドウ表示制御手段と、
を備えることを特徴とする検査情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−17755(P2013−17755A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155293(P2011−155293)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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