説明

検査用搬送機

【課題】操作が容易であり、移動に要するスペースが小さくて済む検査用搬送機を提供する。
【解決手段】搬入物を処理ピット12へと搬送する検査用搬送機3であって、搬入物を載せて循環するコンベア20と、このコンベア20を循環可能に支持する本体フレーム21と、この本体フレーム21を走行させる複数の車輪29と、を備え、この車輪29が処理ピット11、12の手前に敷設されるレール5に転接する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物等の搬入物を検査するために搬送する検査用搬送機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄物等の処理工場には、搬入物に何が入っているかを検査する検査用搬送機が設けられている。
【0003】
この種の検査用搬送機として、特許文献1に開示されたものは、図5に示すように、処理ピット61に近接したプラットホーム62に搬入物を受入れるダンピングボックス63を備え、このダンピングボックス63はその底部前端の横軸64を中心として、油圧シリンダ65によって上下方向に回動される。
【0004】
搬入物の検査時には、搬入車両60が後向きでダンピングボックス63に近付き、スロープ69を乗り上げてダンピングボックス63内に進出したのち、徐々に搬入物を落下させながら前進することにより搬入物(廃棄物)aをダンピングボックス63内に投下する。投下された搬入物aは、ダンピングボックス63内にて作業者によって危険物が除去された後に、油圧シリンダ65を作動させることにより、ダンピングボックス63を傾動させ(ダンプさせ)、処理ピット61へ投入される。処理ピット61内の搬入物aはグラブ式搬送装置Cにより焼却口へと導かれる。
【0005】
しかしながら、このような従来のダンピングボックス63にあっては、処理ピット61の手前に固定的に設置されているため、この処理ピット61には搬入車両60がダンピングボックス63を用いないで直接搬入物aを処理ピット61へ投下する通常の処理作業が行えない。つまり、処理工場に複数設けられる処理ピット61のうち、その手前にダンピングボックス63が設けられたものは、搬入物の検査時のみに用いられ、通常の処理作業時には用いることができず、処理ピット61の稼働率が低くなるという問題点があった。
【0006】
この問題点に対処して、特許文献2には、通常の処理作業時に撤去できる検査用搬送機が提案されている。
【0007】
この検査用搬送機(自走コンベア式作業機)は、搬入車両から投下される収集物を受けて搬送するコンベアと、このコンベアを走行させるクローラ(走行装置)とを備える。
【0008】
搬入物の検査時に、処理ピットの手前に検査用搬送機を移動し、搬入車両から投下される搬入物をコンベア上に受けて収集物の検査作業が行われた後に、コンベアを循環させて収集物を処理ピットへと搬送することが行われる。
【0009】
通常の処理作業時に、検査用搬送機は、クローラを作動させて格納エリアへと移動して、処理ピットの手前から撤去される。これにより、搬入車両から投下される搬入物を直接処理ピットへ投下することが可能となり、処理ピットの稼働率を高められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−101203号公報
【特許文献2】特開2004−115230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような従来の検査用搬送機にあっては、クローラの作動を操作して移動するため、所定位置に停止させることが難しく、また、旋回して移動するためには大きなスペースを必要とするという問題点があった。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、操作が容易であり、移動に要するスペースが小さくて済む検査用搬送機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、搬入物を処理ピットへと搬送する検査用搬送機であって、搬入物を載せて循環するコンベアと、このコンベアを循環可能に支持する本体フレームと、この本体フレームを走行させる複数の車輪と、を備え、この車輪が処理ピットの手前に敷設されるレールに転接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記構成に基づき、車輪がレールに転接して検査用搬送機が移動し、搬入物の検査時に、処理ピットの手前に設置された後に、コンベアが搬入物を処理ピットへと搬送する過程で搬入物の検査が行われる。一方、通常の搬入時に、検査用搬送機が処理ピットの手前から撤去され、処理ピットの稼働率を高められる。
【0015】
本発明によれば、検査用搬送機は、車輪がレールに転接して移動するため、従来のクローラ(走行装置)を介して旋回しながら移動するものに比べて、検査用搬送機の移動に要するスペースが小さくて済み、処理工場の小型化が可能となる。また、検査用搬送機が所定の軌道を移動するため、検査用搬送機を移動する操作が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態を示す処理工場の平面図である。
【図2】検査用搬送機の平面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】検査用搬送機の制御システムを示す構成図である。
【図5】従来の処理工場を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、例えば廃棄物等の搬入物を処理する処理工場1を示す平面図である。処理工場1は、搬入車両2が走行するプラットホーム(工場床)10と、搬入車両2によって運ばれた搬入物が投下される複数の処理ピット11〜14と、各処理ピット11〜14からの搬入物が送られる処理ピット15と、が設けられる。
【0019】
処理ピット11、12の手前には、搬入物の検査が行われる検査エリア17、18がそれぞれ設けられ、この検査エリア17、18に検査用搬送機3が移動可能に設置される。なお、検査エリア17、18は、2つに限らず、1つまたは3つ以上設けられる構成としてもよい。
【0020】
処理工場1には、2つの検査エリア17、18と並んで1つの格納エリア16が設けられる。検査用搬送機3は、搬入物の検査作業が行われないときに、格納エリア16に格納される。なお、格納エリア16は、1つに限らず、2つ以上設けられる構成としてもよい。
【0021】
検査用搬送機3は、検査エリア17、18において、搬入車両2から投下される搬入物を受け取って処理ピット11、12内へ投入するものであり、検査用搬送機3上にて搬入物の検査作業が行われる。この検査作業は、搬入物に含まれる例えば金属等の異物を検出するものである。
【0022】
図2は、検査エリア18に設置された搬入車両2を示す平面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。ここで、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平前後方向、Y軸が略水平左右方向、Z軸が略垂直方向に延びるものとし、以下、検査用搬送機3等の構成を説明する。
【0023】
検査用搬送機3は、搬入物の検査時等に搬入車両2から投下される搬入物を受けて搬送する無端ベルト状のコンベア20と、このコンベア20を循環可能に支持する本体フレーム21と、この本体フレーム21を走行させる複数の車輪29とを備え、この車輪29が処理工場1のプラットホーム10上に敷設されたレール5に転接する構成とする。
【0024】
検査用搬送機3は、コンベア20の前端折り返し部20C、後端折り返し部20Dでそれぞれの裏面に転接する前後のローラ22、23を備える。この前後のローラ22、23は、本体フレーム21に支持される。前のローラ22は、油圧モータ(図示せず)よって回転駆動され、コンベア20を循環させる。
【0025】
検査用搬送機3には、図示しないエンジンによって駆動される油圧ユニットが搭載される。前のローラ22を駆動する油圧モータは、油圧ユニットから供給される作動油圧によって回転作動する。
【0026】
コンベア20は、前後のローラ22、23に渡って本体フレーム21の上方を循環する搬送部20Aと、本体フレーム21の下方を循環する循環部20Bとを備える。すなわち、コンベア20は本体フレーム21の上下を通って循環し、コンベア20上のスペースを開放し、コンベア20の搬送経路を低く抑える構成とする。
【0027】
後のローラ23は、プラットホーム10等に干渉しない範囲でできるだけ低い位置に設けられる。一方、前のローラ22は、後ローラ32より高い位置に設けられる。
【0028】
本体フレーム21の下部にはコンベア20の裏面に転接する複数のキャリアローラ34と、コンベア20の表面に転接する複数のキャリアローラ35とが設けられ、コンベア20が本体フレーム21の下部及びプラットホーム10等に干渉しないように案内される。
【0029】
本体フレーム21の上部には、コンベア20の裏面に摺接するガイドレール36が設けられるとともに、コンベア20の裏面に転接する複数のキャリアローラ37が設けられる。
【0030】
本体フレーム21の左右端部には、コンベア20の左右端部に沿って左右の壁部26が立設される。左右の壁部26の内側には、コンベア20の表面両側部に摺接する左右のサイドプレート39が設けられる。このサイドプレート39は、その基端部が左右の壁部26に回動可能に連結され、このキャリアローラ37との間にコンベア20を挟むようにしてコンベア20の表面に摺接し、コンベア20によって搬送される搬入物が左右に拡がらないように案内する。
【0031】
左右の壁部26の外側には、階段28と検査台27とがそれぞれ設けられる。作業者が階段28を介して検査台27に上り、検査台27上からコンベア20によって搬送される搬入物を検査するようになっている。
【0032】
左右の壁部26に渡ってベルトコンベア30上の前側を囲む安全柵42が設けられる。この安全柵42により作業者が誤って処理ピットへ転落することを防止するようになっている。
【0033】
検査用搬送機3は、本体フレーム21を走行させる4つの車輪29を備える。本体フレーム21の前部に設けられる左右の車輪29が各処理ピット11、12のゲート6に近い方のレール5に転接し、本体フレーム21の後部に設けられる左右の車輪29が他方のレール5上に転接する。各車輪29は、コンベア20の左右端部より外側に配置され、循環するコンベア20に干渉しないようになっている。
【0034】
車輪29を回転可能に支持する図示しない回転軸(車輪中心軸)は、コンベア20が循環する搬送方向(X軸方向)に延びるように配置される。これにより、検査用搬送機3は、各車輪29を介してコンベア20が循環する搬送方向と略直交する方向(Y軸方向)に走行する。
【0035】
処理工場1のプラットホーム10上に敷設される2本のレール5は、各処理ピット11、12を仕切るゲート6が並ぶ左右方向(Y軸方向)に延びるように配置される。
【0036】
検査用搬送機3は、車輪29がレール5に転接して走行することにより、各検査エリア17、18、格納エリア16の間を直線上にて移動する。このように、検査用搬送機3は、各処理ピット11、12のゲート6に沿って移動することにより、検査用搬送機3の設置位置の切り換えが速やかに行われる。
【0037】
図4に示すように、検査用搬送機3は、車輪29を回転駆動するモータ43と、車輪29を回転を制動するブレーキ44と、検査用搬送機3の停止位置を指示する位置指示手段46と、検査用搬送機3の位置を検出する位置検出手段47と、モータ43及びブレーキ44の作動を制御するコントローラ45と、を備える。
【0038】
位置指示手段46は、作業者に操作される選択スイッチによって構成され、検査用搬送機3の位置を、各検査エリア17、18、格納エリア16のいずれかにするかを指示するものである。コントローラ45は、位置指示手段46を介して各検査エリア17、18、格納エリア16のいずれかへの移動が指示されると、モータ43を作動させ、指示される位置に検査用搬送機3を自動的に移動する制御を行う。そして、コントローラ45は、検査用搬送機3が位置検出手段47の信号に基づいて、検査用搬送機3が所定位置に来たことを判定して、モータ43を停止するととともに、ブレーキ44を制動させ、検査用搬送機3を自動的に停止する制御を行う。
【0039】
なお、検査用搬送機3は、各検査エリア17、18、格納エリア16に限らず、作業者によって操作されることによって任意の位置に移動して停止するように構成してもよい。
【0040】
また、検査用搬送機3は、作業者によって押される推力によって移動する構成してもよい。この場合に、車輪29を回転駆動するモータ等を廃止できる。
【0041】
検査用搬送機3は、車輪29の回転を制動する手動式のブレーキ(図示せず)を備え、作業者がこのブレーキを操作して検査用搬送機3を停止するようにしてもよい。
【0042】
また、処理工場1には、レール5上から出没可能に突出するストッパ(図示せず)が設けられ、車輪29がストッパに当接することによって、検査用搬送機3が、所定の停止位置に保たれる構成としてもよい。
【0043】
検査用搬送機3は、各処理ピット11、12のゲート6に沿って移動する構成のため、コンベア20の前端折り返し部20Cは、各処理ピット11、12のゲート6の手前に配置され、検査用搬送機3の移動時に各処理ピット11、12のゲート6に干渉しないようになっている。このため、検査用搬送機3が各検査エリア17、18に停止した状態では、コンベア20の前端折り返し部20Cから搬出される搬入物がゲート6を越えて各処理ピット11、12内に届かない。
【0044】
この対策として、コンベア20の前方には、スクレーパ40とフラップ41とが並んで設けられる。コンベア20によって搬送された搬入物がスクレーパ40とフラップ41上を滑って搬出されるようになっている。
【0045】
スクレーパ40は、コンベア20の前端折り返し部20Cに摺接して、コンベア20上に付着した搬入物を掻き取るようになっている。
【0046】
折り畳み式であるフラップ41は、スクレーパ40の前端部にヒンジピン(図示せず)を介して回動可能に連結される。
【0047】
なお、これに限らず、スクレーパ40を廃止して、フラップ41を間隙を持ってコンベア20の前端折り返し部20Cに対峙するように設けてもよい。
【0048】
フラップ41は、図3に2点鎖線で示すように、斜め下方に延びるように展開された状態にて、その前端部がゲート6を越えて処理ピット12内に臨む。このようにフラップ41が展開位置に切り換えられた状態にて、コンベア20が循環してコンベア20上の搬入物が、コンベア20の前端折り返し部20Cへと運ばれると、スクレーパ40及びフラップ41上を滑って処理ピット12へと搬出される。
【0049】
フラップ41は、後述するように、検査用搬送機3が移動する際には、図3に実線で示すように、略垂直方向に延びる位置に格納される。フラップ41がこの格納位置に切り換えられることにより、フラップ41がプラットホーム10から立設されたゲート6に干渉することが回避される。なお、ゲート6の処理ピット11〜14に連通する開口部には、これを開閉するゲート扉4が設けられている。
【0050】
処理工場1のプラットホーム10上には、各検査エリア17、18の手前にスロープ7、8が設けられる。搬入車両2は、後向きに進んでスロープ7、8上に乗り上げることにより、搬入車両2の排出部が検査用搬送機3のコンベア20上に臨むようになっている。スロープ7、8のY軸方向の通路幅を十分に大きくとることにより、図中2点鎖線で示すように、後向きで移動する搬入車両2の旋回半径を小さくすることができる。
【0051】
なお、これに限らず、検査用搬送機3に、折り畳み式のスロープを設け、搬入車両2が検査用搬送機3から展開されたスロープ上に乗り上げる構成としてもよい。これにより、プラットホーム10上に、スロープ7、8を設ける必要がなくなる。
【0052】
処理工場1のプラットホーム10上には、スロープ7、8の端部に沿って排水ビット19が形成される。排水ビット19は、排水路9を介して処理ピット11、12内に連通される。これにより、検査用搬送機3のコンベア20上を流下する排水が、排水ビット19、排水路9を通って処理ピット11、12内に排出される。
【0053】
搬入物の検査作業は、次の手順で行われる。
【0054】
・作業者が位置指示手段46を操作することによって、コントローラ45が検査用搬送機3を例えば図1に実線で示すように指示された検査エリア18に移動して停止させる。これにより、コンベア20の後端折り返し部20Dがスロープ11の端部に対峙し、コンベア20の前端折り返し部20Cが処理ピット12に連通するゲート6の開口部に対峙する。そして、フラップ41を展開して、フラップ41の前端部をゲート6を越えて処理ピット12内に臨ませる。
【0055】
・搬入車両2を後向きでスロープ11に乗り上げた位置で停車させる。これにより、搬入車両2の排出部が検査用搬送機3のコンベア20上に臨む。
【0056】
・搬入車両2からコンベア20上に搬入物を落下させ、コンベア20上で搬入物の検査作業が行われる。
【0057】
・この検査作業が終わると、コンベア20を循環させ、コンベア20上の搬入物を処理ピット12へと搬出する。このとき、コンベア20上の搬入物は、コンベア20の前端折り返し部20Cから、スクレーパ40及びフラップ41上を滑り落ちて処理ピット12へと搬出される。
【0058】
・上記検査作業が終了すると、フラップ41を格納した後に、作業者が位置指示手段46を操作することによって、コントローラ45が検査用搬送機3を自走させ、上記の検査エリア18から指示された格納エリア16に移動して停止させる。これにより、搬入物の検査作業が行われない通常の搬入時には、処理ピット12の手前の検査エリア18に搬入車両2が乗り入れ、搬入車両2からの収集物を処理ピット12に直接投入する、通常の搬入作業が行われる。この結果、検査エリア17、18が設けられる処理ピット11、12の稼働率を高められる。
【0059】
以下、本発明の要旨と作用、効果を説明する。
【0060】
(ア)本発明は、搬入物を処理ピット11、12へと搬送する検査用搬送機3であって、搬入物を載せて循環するコンベア20と、このコンベア20を循環可能に支持する本体フレーム21と、この本体フレーム21を走行させる複数の車輪29と、を備え、この車輪29が処理ピット11、12の手前に敷設されるレール5に転接する構成とする。
【0061】
上記構成に基づき、車輪29がレール5に転接して検査用搬送機3が移動し、搬入物の検査時に、処理ピット11、12の手前に設置された後に、コンベア20が搬入物を処理ピット11、12へと搬送する過程で搬入物の検査が行われる。一方、通常の搬入時に、検査用搬送機3が処理ピット11、12の手前から撤去され、処理ピットの稼働率を高められる。
【0062】
検査用搬送機3は、車輪29がレール5に転接して移動するため、従来のクローラ(走行装置)を介して旋回しながら移動するものに比べて、検査用搬送機3の移動に要するスペースが小さくて済み、処理工場1の小型化が可能となる。また、検査用搬送機3が所定の軌道を移動するため、検査用搬送機3を移動する操作が容易に行える。
【0063】
(イ)本発明は、車輪29の回転軸がコンベア20が循環する搬送方向に延びるように配置される構成とする。
【0064】
上記構成に基づき、検査用搬送機3の移動方向と、コンベア20が搬入物を搬送する搬送方向とが直交するため、複数の処理ピット11、12が並ぶ場合に、検査用搬送機3を各処理ピット11、12のゲート6に沿って移動することが可能となり、検査用搬送機3の設置位置の切り換えが速やかに行われる。
【0065】
(ウ)コンベア20によって搬送された搬入物を処理ピット11、12へと落下させるフラップ41を備え、このフラップ41は処理ピット11、12内に臨む展開位置と処理ピット11、12を仕切るゲート6に干渉しない格納位置とに切り換えられる構成とする。
【0066】
上記構成に基づき、フラップ41を展開してコンベア20によって搬送された搬入物をゲート6を越えて処理ピット11、12へと搬送することと、フラップ41を格納してフラップ41がゲート6に干渉することなく各処理ピット11、12に沿って検査用搬送機3を移動することとを両立できる。
【0067】
(エ)車輪29を回転駆動するモータ43と、車輪29を回転を制動するブレーキ44と、検査用搬送機3の停止位置を指示する位置指示手段46と、検査用搬送機3の位置を検出する位置検出手段47と、この位置検出手段47によって検出される検査用搬送機3の位置に応じて検査用搬送機3を指示された位置に移動して停止するようにモータ43及びブレーキ44の作動を制御するコントローラ45と、を備える。
【0068】
上記構成に基づき、検査用搬送機3の運転がコントローラ45によって自動的に行われるため、検査用搬送機3を移動する操作が容易に行える。
【0069】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0070】
1 処理工場
2 搬入車両
3 検査用搬送機
5 レール
6 ゲート
10 プラットホーム
11〜14 処理ピット
16 格納エリア
17、18 検査エリア
20 コンベア
29 車輪
41 フラップ
43 モータ
44 ブレーキ
45 コントローラ
46 位置指示手段
47 位置検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入物を処理ピットへと搬送する検査用搬送機であって、
搬入物を載せて循環するコンベアと、
前記コンベアを循環可能に支持する本体フレームと、
前記本体フレームを走行させる複数の車輪と、を備え、
前記車輪が前記処理ピットの手前に敷設されるレールに転接することを特徴とする検査用搬送機。
【請求項2】
前記車輪の回転軸が前記コンベアが循環する搬送方向に延びるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の検査用搬送機。
【請求項3】
前記コンベアによって搬送された搬入物を前記処理ピットへと落下させるフラップを備え、
前記フラップは前記処理ピット内に臨む展開位置と前記処理ピットを仕切るゲートに干渉しない格納位置とに切り換えられることを特徴とする請求項1または2に記載の検査用搬送機。
【請求項4】
前記車輪を回転駆動するモータと、
前記車輪を回転を制動するブレーキと、
前記検査用搬送機の停止位置を指示する位置指示手段と、
前記検査用搬送機の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段によって検出される前記検査用搬送機の位置に応じて前記検査用搬送機を指示された位置に移動して停止するように前記モータ及び前記ブレーキの作動を制御するコントローラと、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の検査用搬送機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−100164(P2013−100164A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244781(P2011−244781)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(304039065)カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)
【Fターム(参考)】