説明

検査用搬送機

【課題】廃棄物処理工場等の限られたスペースにおいて搬入車両が進入するスペースを確保できる検査用搬送機を提供する。
【解決手段】プラットホーム1上にて搬入車両2から投下される搬入物を搬送する検査用搬送機6であって、搬入車両2から投下される搬入物を載せて循環するコンベア20と、このコンベア20を循環可能に支持する本体フレーム57と、この本体フレーム57をプラットホーム1上にて走行させる走行装置14と、本体フレーム57からプラットホーム1上に掛け渡されて搬入車両2が乗り上げるスロープ11と、本体フレーム57にスロープ11が取付けられる複数のスロープ取付部15、16と、を備え、スロープ11の取付位置が換えられる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬入車両から投下される搬入物をコンベアを介して搬送する検査用搬送機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の検査用搬送機として、特許文献1に開示されたものは、例えば廃棄物処理工場等に用いられ、搬入車両から投下される搬入物(廃棄物)をコンベア上に直接受けて、搬送物の点検作業を行った後に、コンベアを循環させて搬送物を処理ピットへと搬送することが行われる。
【0003】
廃棄物処理工場等のプラットホーム上には、検査用搬送機の後方にスロープが設置されている。搬入車両が後向きでスロープ上に乗り上げ、搬入物をコンベア上に投下するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−115230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の検査用搬送機にあっては、スロープが検査用搬送機の後方に設置されているため、搬入車両がスロープに進入する経路が限定され、廃棄物処理工場の限られたスペースにおいて搬入車両が検査用搬送機に進入するスペースを確保することが難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は、この問題点に鑑みてなされたものであり、廃棄物処理工場等の限られたスペースにおいて搬入車両が進入するスペースを確保できる検査用搬送機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プラットホーム上にて搬入車両から投下される搬入物を搬送する検査用搬送機であって、搬入車両から投下される搬入物を載せて循環するコンベアと、このコンベアを循環可能に支持する本体フレームと、この本体フレームをプラットホーム上にて走行させる走行装置と、本体フレームからプラットホーム上に掛け渡されて搬入車両が乗り上げるスロープと、本体フレームにスロープが取付けられる複数のスロープ取付部と、を備え、スロープの取付位置が換えられる構成とした。
【0008】
上記構成に基づき、検査用搬送機が走行装置を介して移動し、スロープが本体フレームからプラットホーム上に掛け渡されることにより、搬入車両がスロープに乗り上げて、搬入車両からコンベア上に搬入物を投下する。コンベアが投下された搬入物を搬送する過程で、搬入物の検査等が行われる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、検査用搬送機は、スロープが取付けられる複数のスロープ取付部を備えるため、廃棄物処理工場のスペースに対応して搬入車両が検査用搬送機に進入する経路を切り換えることができ、廃棄物処理工場が大型化することを避けられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明が適用される検査用搬送機の平面図である。
【図2】検査用搬送機の側面図である。
【図3】検査用搬送機の背面図である。
【図4】本発明の実施形態を示す検査用搬送機の概略平面図である。
【図5】検査用搬送機の概略側面図である。
【図6】スロープ及びスロープ取付部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜3は、本発明が適用される検査用搬送機3の平面図、側面図、背面図である。ここで、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平前後方向、Y軸が略水平左右方向、Z軸が略垂直方向に延びるものとし、以下、検査用搬送機3等の構成を説明する。
【0012】
検査用搬送機3は、廃棄物等の搬入物を処理する処理工場において、搬入車両2から投下される搬入物を受け取って処理ピット4へ投入するものであり、検査用搬送機3上にて搬入物の検査作業が行われる。この検査作業は、搬入物に含まれる例えば金属等の異物を検出するものである。
【0013】
検査用搬送機3は、搬入物の検査時等に搬入車両2から投下される搬入物を受けて搬送する無端ベルト状のコンベア20と、このコンベア20を循環可能に支持する本体フレーム21と、この本体フレーム21を走行させる左右の走行装置(クローラ)10とを備える。
【0014】
検査用搬送機3は、コンベア20の前端折り返し部20C、後端折り返し部20Dでそれぞれの裏面に転接する前後のローラ22、23を備える。この前後のローラ22、23は、本体フレーム21に回転可能に支持される。前のローラ22は、油圧モータ(図示せず)よって回転駆動され、コンベア20を循環させる。
【0015】
検査用搬送機3には、図示しないエンジンによって駆動される油圧ユニットが搭載される。前のローラ22を駆動する油圧モータは、油圧ユニットから供給される作動油圧によって回転作動する。
【0016】
コンベア20は、前後のローラ22、23に渡って本体フレーム21の上方を循環する搬送部20Aと、本体フレーム21の下方を循環する循環部20Bとを備える。すなわち、コンベア20は本体フレーム21の上下を通って循環し、コンベア20上のスペースを開放し、コンベア20の搬送経路を低く抑える構成とする。
【0017】
後のローラ23は、プラットホーム1等に干渉しない範囲でできるだけ低い位置に設けられる。一方、前のローラ22は、後ローラ32より高い位置に設けられる。
【0018】
本体フレーム21の下部にはコンベア20の裏面に転接する複数のキャリアローラ34と、コンベア20の表面に転接する複数のキャリアローラ35とが設けられ、コンベア20が本体フレーム21の下部及びプラットホーム1等に干渉しないように案内される。
【0019】
本体フレーム21の上部には、コンベア20の裏面に摺接するガイドレール(図示せず)が設けられるとともに、コンベア20の裏面に転接する複数のキャリアローラ37と、コンベア20の表面両側部に摺接する左右のサイドプレート39とが設けられる。
【0020】
本体フレーム21の左右端部には、コンベア20の左右端部に沿って左右の壁部26が立設される。左右のサイドプレート39は、その基端部が左右の壁部26に回動可能に連結され、このキャリアローラ37との間にコンベア20を挟むようにしてコンベア20の表面に摺接し、コンベア20によって搬送される搬入物が左右に拡がらないように案内する。
【0021】
検査用搬送機3に、折り畳み式のスロープ11を備える。このスロープ11は、その基端部が本体フレーム21の後部に支持ピン12を介して回動可能に連結され、一対のアクチュエータ(油圧シリンダ)13によって駆動される。
【0022】
図1、2に示すように、スロープ11が展開されてプラットホーム1に接地した状態において、搬入車両2がスロープ11上に乗り上げ、搬入物をコンベア20上に投下するようになっている。
【0023】
左右の壁部26の外側には、階段28と検査台27とがそれぞれ設けられる。作業者が階段28を介して検査台27に上り、検査台27上からコンベア20によって搬送される搬入物を検査するようになっている。
【0024】
左右の壁部26に渡ってコンベア20上の前側を囲む安全柵41が設けられる。この安全柵41によって作業者が誤って処理ピット4へ転落することが防止される。
【0025】
コンベア20の前端折り返し部20Cに対向するスクレーパ40が設けられる。このスクレーパ40は、コンベア20の前端折り返し部20Cに摺接して、コンベア20の表面に付着した物を掻き取る。
【0026】
搬入物の検査作業は、以下の手順で行われる。
【0027】
・検査用搬送機3を処理ピット4の手前に移動して、コンベア20の前端折り返し部20Cを処理ピット4に臨ませる。
【0028】
・検査用搬送機3の後部からスロープ11を展開し、搬入車両2を後向きでスロープ11に乗り上げた位置で停車させ、搬入車両2の排出部を検査用搬送機3のコンベア20上に臨ませる。
【0029】
・搬入物を搬入車両2の排出部からコンベア20上に投下し、コンベア20上で搬入物の検査作業が行われる。
【0030】
・この検査作業が終わると、コンベア20を循環させ、コンベア20上の搬入物を処理ピット4へと搬出する。
【0031】
・上記検査作業が終了すると、展開したスロープ11を格納し、検査用搬送機3を自走させて撤去する。これにより、搬入車両2が処理ピット4の手前に乗り入れ、搬入物を搬入車両2の排出部から処理ピット4に直接投下する通常の搬入作業が行われる。この結果、廃棄物処理工場において、処理ピット4の稼働率を高められる。
【0032】
以上説明した検査用搬送機3にあっては、スロープ11がコンベア20の後方に延びるように展開するため、搬入車両2がスロープ11に進入する経路が限定され、廃棄物処理工場の限られたスペースにおいて搬入車両2が検査用搬送機3に進入するスペースを確保することが難しいという問題点があった。
【0033】
本発明は、この問題点に鑑みてなされたものであり、廃棄物処理工場等の限られたスペースにおいて搬入車両2が進入するスペースを確保できる検査用搬送機3を提供するものである。
【0034】
以下、本発明の実施形態を説明する。図4、5は、本発明の検査用搬送機6の概略構成を示す平面図、側面図である。これは図1〜3の検査用搬送機3と基本的に同じ構成を有し、相違する部分のみを説明する。なお、図1〜3の検査用搬送機3と同一構成部には同一符号を付す。
【0035】
検査用搬送機6は、スロープ11が取付けられる複数のスロープ取付部15、16を備え、スロープ11の取付位置が換えられる構成とする。
【0036】
コンベア20は、左右の走行装置14より後方に延びるコンベア延長部20Eを有する。本体フレーム57には左右の走行装置14の後方に並んで左右のスロープ取付部15、16がそれぞれ設けられ、スロープ取付部15、16に取付けられたスロープ11がコンベア延長部20Eの側方に延びるように展開される構成とする。
【0037】
走行装置14は、コンベア20の重心G(コンベア20の中央部)より前側に配置され、コンベア20の前部の重量を支持する。図4に示す平面図上において、中心線Cは、左右の走行装置14の中央部を通る直線であり、この中心線Cがコンベア20の重心Gより前方に配置される。
【0038】
コンベア20の後部の重量を支持するために、コンベア20の後方に左右のキャスタ17が設けられる。
【0039】
キャスタ17は、プラットホーム1上を転接する車輪19と、この車輪19を垂直軸(Z軸)まわりに回動可能に支持する旋回アーム18とを備える。
【0040】
本体フレーム57は、コンベア20の左右端に沿って前後方向(X軸方向)に延びる左右のサイドメンバ57Aと、この左右のサイドメンバ57Aの後端部に渡って掛け渡されるクロスメンバ57Bとを備える。
【0041】
クロスメンバ57Bは、検査用搬送機6の左右方向(Y軸方向)に延び、コンベア20の後端折り返し部20Dより後方に配置される。クロスメンバ57Bの左右端部に左右のキャスタ17がそれぞれ取付けられる。
【0042】
コンベア20の左右端部に沿って左右の壁部56が立設されるとともに、コンベア20の後端部に沿って後の壁部29が立設される。コンベア20の左の壁部56に開口する開口部56Aが設けられる。コンベア20の右の壁部56に開口する開口部56Bが設けられる。
【0043】
図4に実線で示すように、スロープ11が左のスロープ取付部15に取付けられた場合に、スロープ11上に乗り上げる搬入車両2の後部が開口部56Aに臨むようにする。このとき、右の壁部56に設けられた開口部56Bは、閉塞される。
【0044】
一方、図4に2点鎖線で示すように、スロープ11が右のスロープ取付部16に取付けられた場合に、スロープ11上に乗り上げる搬入車両2の後部が開口部56Bに臨むようにする。このとき、左の壁部56に設けられた開口部56Aは、閉塞される。
【0045】
図6は、図4の矢印D方向から見たスロープ11及びスロープ取付部15の背面図である。
【0046】
スロープ11の取付位置が換えられる構成として、スロープ取付部15は、スロープ11の基端部が一対の支持ピン12を介して着脱可能に連結される一対のスロープ取付ブラケット51と、一対のアクチュエータ13の上端部が支持ピン52を介して着脱可能に連結される一対のアクチュエータ取付ブラケット53とを備える。
【0047】
本体フレーム57は、開口部56Aの前後に一対のポスト57Cが立設される。スロープ取付ブラケット51とアクチュエータ取付ブラケット53は、各ポスト57Cから突出するように設けられる。
【0048】
スロープ11は、各支持ピン12を介して水平軸(X軸)まわりに回動可能に支持されるメインパネル61と、このメインパネル61に複数のヒンジピン63を介して所定の角度範囲で揺動(回動)可能に連結されるエントリパネル62とを備える。
【0049】
メインパネル61とエントリパネル62は、格子状のフレーム材と、このフレーム材にはられるメッシュ材とによって形成される。エントリパネル62は、その両端に突出する三角形の張り出し傾斜部62Aを有する。旋回しながら進入する搬入車両2の車輪が、張り出し傾斜部62Aを介してスロープ11に乗り上げるようになっている。これにより、後向きで移動する搬入車両2の旋回半径を小さくすることができる。
【0050】
メインパネル61は、複数のエンド側支持脚64と複数の中間支持脚65を介してプラットホーム1上に接地する。各エンド側支持脚64は、支持ピン12が設けられるスロープ11の回動中心軸の近傍に配置される。各中間支持脚65は、ヒンジピン63が設けられるスロープ11の回動中心軸の近傍に配置される。
【0051】
スロープ取付ブラケット51の支持ピン12を挿通させる穴54は、垂直方向に延びる長穴状に形成される。これにより、プラットホーム1の起伏(凹凸)に対応してメインパネル61の基端部が垂直方向に変位することができる。
【0052】
アクチュエータ13の下端部は、支持ピン55を介してメインパネル61に回動可能に連結される。アクチュエータ13の上端部が支持ピン52を介してアクチュエータ取付ブラケット53に連結された状態では、アクチュエータ13が伸縮作動するのに伴って、スロープ11が支持ピン12を支点として回動する。
【0053】
スロープ11の取付位置が換えられる構成として、アクチュエータ13には、油圧ユニットから導かれる作動油を給排する油圧ホース(図示せず)が着脱可能に接続される。図4に示すようにスロープ11が展開された状態から、アクチュエータ13が収縮作動するのに伴って、スロープ11が支持ピン12を支点として上方に回動し、垂直方向に延びる格納位置に保持される。逆に、この格納位置からアクチュエータ13が伸長作動するのに伴って、スロープ11が支持ピン12を支点として下方に回動して展開され、プラットホーム1に接地する。
【0054】
以上のように、左側部のスロープ取付部15に取付けられるスロープ11は、コンベア延長部20Eの左側方に延びるように展開する。一方、右側部のスロープ取付部16は、前述したスロープ取付部15と同様の構成を有する。右側部のスロープ取付部16に取付けられるスロープ11は、コンベア延長部20Eの右側方に延びるように展開する。
【0055】
搬入物の検査作業は、以下の手順で行われる。
【0056】
・検査用搬送機6を処理ピット4の手前に移動して、コンベア20の前端折り返し部20Cを処理ピット4に臨ませる。
【0057】
・検査用搬送機6の左側部からスロープ11を展開する。左側部のスロープ取付部15に取付けられるスロープ11は、コンベア延長部20Eの左側方に延びる。
【0058】
・搬入車両2を後向きで右方向(Y軸方向)に移動させ、スロープ11に乗り上げた位置で停車させ、搬入車両2の排出部を検査用搬送機6のコンベア20上に臨ませる。
【0059】
このとき、スロープ11がコンベア20の循環方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に延びているため、搬入車両2が検査用搬送機6に進入する経路が、図4に矢印Aで示すように、処理ピット4のゲート5と平行に延びる直線状にとられる。これにより、搬入車両2の進入経路が処理ピット4のゲート5と平行方向に取られる場合に、図4に矢印Bで示すように、搬入車両2がスロープ11の手前で旋回する必要がなく、搬入車両2が検査用搬送機6に進入するのに必要とするスペースが大きくならないで済む。
【0060】
一方、搬入車両2の進入経路が検査用搬送機6の右側方に確保される場合には、右側部のスロープ取付部16にスロープ11が付け替えられ、スロープ11がコンベア延長部20Eの右側方に延びるように展開される。
【0061】
スロープ11の取付位置を検査用搬送機6の左側部または右側部に付け替えられるため、廃棄物処理工場のスペースに対応して搬入車両2が検査用搬送機6に進入する経路を切り換えることできる。
【0062】
なお、これに限らず、検査用搬送機6の後部にスロープ11が取付けられるスロープ取付部を設けてもよい。
【0063】
・搬入物を搬入車両2の排出部からコンベア20上に投下し、コンベア20上で搬入物の検査作業が行われる。
【0064】
・この検査作業が終わると、コンベア20を循環させ、コンベア20上の搬入物を処理ピット4へと搬出する。
【0065】
・上記検査作業が終了すると、展開したスロープ11を格納し、検査用搬送機6を自走させて撤去する。これにより、搬入車両2が処理ピット4の手前に乗り入れ、搬入物を搬入車両2の排出部から処理ピット4に直接投下する通常の搬入作業が行われる。この結果、廃棄物処理工場において、処理ピット4の稼働率を高められる。
【0066】
以下、本発明の要旨と作用、効果を説明する。
【0067】
(ア)本発明は、プラットホーム1上にて搬入車両2から投下される搬入物を搬送する検査用搬送機6であって、搬入車両2から投下される搬入物を載せて循環するコンベア20と、このコンベア20を循環可能に支持する本体フレーム57と、この本体フレーム57をプラットホーム1上にて走行させる走行装置14と、本体フレーム57からプラットホーム1上に掛け渡されて搬入車両2が乗り上げるスロープ11と、本体フレーム57にスロープ11が取付けられる複数のスロープ取付部15、16と、を備え、スロープ11の取付位置が換えられる構成とする。
【0068】
上記構成に基づき、搬入物の検査時に、検査用搬送機6が走行装置14を介して処理ピット4の手前に移動して設置される。スロープ11が本体フレーム57からプラットホーム1上に掛け渡されることにより、搬入車両2がスロープ11に乗り上げて、搬入車両2からコンベア20上に搬入物を投下する。コンベア20が搬入物を処理ピット4へと搬送する過程で、搬入物の検査等が行われる。一方、通常の搬入時に、検査用搬送機6が処理ピット4の手前から撤去され、処理ピットの稼働率を高められる。
【0069】
検査用搬送機6は、スロープ11が取付けられる複数のスロープ取付部15、16を備えるため、廃棄物処理工場のスペースに対応して搬入車両2が検査用搬送機6に進入する経路を切り換えることができ、廃棄物処理工場が大型化することを避けられる。
【0070】
(イ)スロープ取付部15、16には、スロープ11の基端部を本体フレーム57に支持する支持ピン12が着脱可能に連結され、支持ピン12を外してスロープ11の取付位置が換えられる構成とする。
【0071】
上記構成に基づき、スロープ11の基端部が支持ピン12を介してスロープ取付部15、16に選択的に連結され、スロープ11の取付位置が換えられる。
【0072】
(ウ)スロープ取付部15、16は、本体フレーム57の側部に設けられ、スロープ11がコンベア20の循環方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に延びるように取付けられる構成とする。
【0073】
上記構成に基づき、搬入車両2がスロープ11に乗り上げて検査用搬送機6に進入する経路が廃棄物処理工場に並ぶ処理ピット4のゲート5と平行に配置され、搬入車両2が進入するのに必要とするスペースをコンベア20の循環方向(X軸方向)について削減することが可能となる。
【0074】
(エ)スロープ取付部15、16は、走行装置14の後方に並んで設けられ、走行装置14は、コンベア20の重心Gより前側に配置され、プラットホーム1上に転接して本体フレーム57を支持するキャスタ17をコンベア20の後方に配置する構成とする。
【0075】
上記構成に基づき、スロープ11を走行装置14の上方に配置することがなく、スロープ11の設置高さを低く抑えられ、搬入車両2の進入が円滑に行われる。
【0076】
そして、コンベア20の後部にかかる重量がキャスタ17によって支持されるため、走行装置14をスロープ11と干渉しないようにコンベア20の前部に配置することと、コンベア20の後部がプラットホーム1に接触しないようすることを両立できる。
【0077】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0078】
6 検査用搬送機
14 走行装置
11 スロープ
12 支持ピン
15、16 スロープ取付部
17 キャスタ
20 コンベア
57 本体フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホーム上にて搬入車両から投下される搬入物を搬送する検査用搬送機であって、
前記搬入車両から投下される搬入物を載せて循環するコンベアと、
前記コンベアを循環可能に支持する本体フレームと、
前記本体フレームを前記プラットホーム上にて走行させる走行装置と、
前記本体フレームから前記プラットホーム上に掛け渡されて搬入車両が乗り上げるスロープと、
前記本体フレームに前記スロープが取付けられる複数のスロープ取付部と、を備え、
前記スロープの取付位置が換えられることを特徴とする検査用搬送機。
【請求項2】
前記スロープ取付部には、前記スロープの基端部を前記本体フレームに支持する支持ピンが着脱可能に連結され、
前記支持ピンを外して前記スロープの取付位置が換えられることを特徴とする請求項1に記載の検査用搬送機。
【請求項3】
前記スロープ取付部は、前記本体フレームの側部に設けられ、
前記スロープは、前記コンベアの循環方向と直交する方向に延びるように取付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の検査用搬送機。
【請求項4】
前記スロープ取付部は、前記走行装置の後方に並んで設けられ、
前記走行装置は、前記コンベアの重心より前側に配置され、
前記プラットホーム上に転接して前記本体フレームを支持するキャスタを前記コンベアの後方に配置することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の検査用搬送機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−86945(P2013−86945A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230830(P2011−230830)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(304039065)カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)
【Fターム(参考)】