説明

検査装置および検査方法

【課題】
検出対象異物の微小化に対応するためには、放電による検査対象物の破壊や高電圧による危険性の課題があった。また、検査速度を上げるために磁気抵抗体の移動速度を上げると、磁気インピーダンスセンサの応答速度を越えてしまい、異物を検出できないという問題があった。
【解決手段】
金属異物の検査装置であって、被検査対象物である試料を移動させる移動装置と、該試料の表面に対して対向する位置に配置された電極と、前記移動装置により移動中の該試料と前記電極との間の静電容量を測定する測定装置と、前記測定装置により測定された静電容量の変化に基づき、該試料に混入した金属異物を検査する処理部とを備えた検査装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の欠陥検査に関し、特に金属上の金属異物の検査装置および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム電池は、その製造工程において、電極材料を混練した後に、正極電極であるアルミ箔の両面にコバルト酸リチウムなどの正極媒体を塗布および乾燥させ、負極電極である銅箔の両面に炭素材料などの負極媒体を塗布および乾燥させることが知られている。
【0003】
ここで、各媒体を塗布および乾燥させた正極電極および負極電極(以下、これを電池シートと称する)から電池を製造する際に、金属異物が電池シートに混入していると、マイクロショートが発生して、電池性能が著しく低下するという問題がある。また、リチウム電池は近年、電気自動車への適用が期待されているが、金属異物に起因してショートが発生し、発火、あるいは爆発が起こる恐れがあり、リチウム電池に起因した事故防止、信頼性向上の観点から、電池シートに対する金属異物検査の重要性が高まっている。
【0004】
リチウム電池の電極材料中の異物検査方法に関する先行技術として、特許文献1(特開2005−183142号公報)に「磁気インピーダンス効果により磁気乱れを検出する装置を用いて、薄層にしたリチウム二次電池用電極材料中の磁気乱れを発生させる異物の有無を検出することを特徴とするリチウム二次電池用電極材料の磁気乱れを発生させる異物の検出方法」(特許請求の範囲)が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2003−75412号公報)に「フィルムの厚み方向に、立ち上げ時間を遅延させつつ電圧を印加するとともに、このときに流れる電流が所定値を超えたときに、前記フィルムに欠陥があるものと判定することを特徴とするフィルムの欠陥検出方法。」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−183142号公報
【特許文献2】特開2003−75412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の方法では、より微小な異物を検出するためには電圧を上げるしか手段がなく、放電による検査対象物の破壊、高電圧による危険性が危惧される。また、特許文献2に記載の方法では、より微小な異物を検出するために磁気抵抗体の移動速度を上げると、磁気インピーダンスセンサの応答速度を越えてしまい、異物が検出できない問題があった。
【0008】
また、製造した金属の表面あれ、塗布および乾燥させた媒体の厚さ、あるいは媒体の密度むらがある場合、より微小な異物を検出するためには、これらはノイズ成分となり異物の検出が困難となる。特許文献1および特許文献2に記載の方法では、このノイズ成分がある状態での異物の検出方法については具体的に開示されておらず、ノイズ成分を抑制して異物を検出する手段を新たに提供する必要があった。
【0009】
また、高品質な金属を製造するためには製造プロセスを監視する必要がある。製造プロセスを監視するためには、異物の有無に加えて、異物の位置を検出する必要があり、特許文献1および特許文献2に記載の方法では異物の位置検出に関する具体的な方法については開示されておらず、製造プロセスを監視できる手段を新たに提供する必要があった。
【0010】
本発明の目的は、金属上の微細な金属異物を高精度に検出する手段を提供することにより、金属製造の高信頼性化に貢献する検査装置および検査方法を提供することである。また、金属異物の有無と位置とを検出する検査装置および検査方法を提供することにより、金属製造プロセスにおける異物混入の監視を実現し、早期のプロセス見直しによる製造不良削減による低コスト化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば次のとおりである。
(1)金属異物の検査装置であって、被検査対象物である試料を移動させる移動装置と、該試料の表面に対して対向する位置に配置された電極と、前記移動装置により移動中の該試料と前記電極との間の静電容量を測定する測定装置と、前記測定装置により測定された静電容量の変化に基づき、該試料に混入した金属異物を検査する処理部とを備えた検査装置である。
(2)金属異物の検査方法であって、被検査対象物である試料を移動させる移動工程と、前記移動工程において移動中の該試料の表面に対して対向する位置に配置された電極との間の静電容量を測定する測定工程と、前記測定工程により測定された静電容量の変化に基づき、該試料に混入した金属異物を検査する処理工程とを備えた検査方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、金属上の金属異物の高精度検出を実現する検査装置および検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の構成図である。
【図2A】本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の検出原理を示す図である。
【図2B】本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の検出原理を示す図である。
【図2C】本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の検出原理を示す図である。
【図3】本発明に係る異物検査装置の第一の実施例による欠陥検出結果を示すモニター図である。
【図4】本発明に係る異物検査装置の第二の実施例の検出原理を示す図である。
【図5】本発明に係る異物検査装置の第三の実施例の電極構成を示す図である。
【図6A】本発明に係る異物検査装置の第四の実施例の検出原理を示す図である。
【図6B】本発明に係る異物検査装置の第四の実施例の検出原理を示す図である。
【図7】本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の電極の配置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0015】
図1乃至3を用いて本発明に係る異物検査装置の第一の実施例を説明する。
図1は、本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の構成図である。
本実施例の異物検査装置は、被検査対象物である試料(金属1)を搬送するローラー2、3と、ローラー2、3により搬送される金属1の表面と対向する位置に配設した複数の電極4a、4b・・・4nと、複数の電極4a、4b・・・4nと金属1との静電容量により異物の有無を検出する検出回路10と、ローラー3が回転動作することで発生したエンコーダパルス12をもとにパルス数を計数するカウンタ回路13と、検出回路10が出力する異物有無情報11とカウンタ回路13が出力する位置信号(掃引座標)14とを用いて金属1上に異物があるかどうか、また、どの位置に異物があるかをユーザに出力するユーザインタフェース15とを備えて構成される。
【0016】
金属1は被検査対象物であり、本発明は該金属1に存在する欠陥や異物を検出する異物検査装置に係る。ここで、欠陥は傷やクラック等である。
【0017】
ローラー2、3は、金属1を掃引するように回転する。
【0018】
図7は、本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の電極の配置を説明する図である。図7を用いて電極の配置を説明する。複数の電極4a、4b・・・4nは、金属1の表面に対向するように配置されており、ローラー2により掃引される際の掃引方向に対して法線方向に並べて配置されている。
【0019】
検出回路10は、複数の電極4a、4b・・・4nの各々の静電容量値を検出する。静電容量については後述するが、金属1と各々の電極4a、4b・・・4nとの間の距離に応じて得られる容量Cである。また、静電容量値を検出した後、検出値を処理して、金属1に欠陥または異物が存在するか否かを示す異物有無情報11をユーザインターフェース15に送る。
【0020】
カウンタ回路13は、ローラー3が回転動作することで発生したエンコーダパルス12をもとにパルス数を計数する。これにより、複数の電極4a、4b・・・4nで静電容量を検出している金属1の表面の位置を判断し、複数の電極4a、4b・・・4nと対向する掃引座標を位置信号としてユーザインターフェース15に送る。
【0021】
ユーザインタフェース15では、検出回路10より送信された異物有無情報11と、カウンタ回路13から送信された位置信号(掃引座標)14とに基づき、金属1に欠陥または異物が存在するか否か、また、存在する場合の存在位置を表示する。尚、ユーザインターフェース15の出力装置は、一般的なコンピュータに使用されるディスプレーやタッチパネル、あるいは通信手段を介する場合があるが、その装置種類は問わず図示していない。また、図1に示した異物検査装置の構成では、検出回路10における異物判定条件をユーザが該ユーザインタフェース15を介して設定する場合があることは明白でありここでは図示しておらず、さらに該ユーザインタフェース15における入力機能についても、一般的なコンピュータに使用されるキーボードやタッチパネル、あるいは通信手段を介する場合があり、その装置種類は問わず図示していない。
【0022】
図2A乃至図2Cは、本発明に係る異物検査装置の第一の実施例の検出原理を示す図である。
図2A乃至図2Cでは説明を簡略化するため、図1で示した複数の電極4a、4b・・・4nを配設した異物検査装置から、一電極(4a)分の検出回路10の概略構成を示す。金属1と金属1上に存在する異物5と金属1の表面に対向するように配置された電極4aと検出回路10との側面図を示す。
【0023】
搬送される金属1に対向して配設した電極4aは、検出回路10に内蔵される抵抗103を介して電圧源102に接続される。金属1上に金属異物5が存在して電極4aの下を通過している間において、対地電位に接続された金属1と電極4aとの間隔が変化し、金属1と電極4aで構成される容量Cは、図2Bに示されるようにC+△Cに変化する。この容量Cが変化した際に、図2Cに示されるように、電極4aへの充放電電流101が流れ、抵抗103の両端に電圧Vdetが誘起される。
【0024】
検出回路10では、抵抗103の両端に増幅回路104が接続され、容量の変化で誘起した電圧Vdetを増幅し、比較回路105において増幅回路104の出力電圧と比較電圧106とを比較して、例えば比較電圧106よりも増幅回路104の出力電圧が高い場合は異物があったものとして異物有無信号11に異物ありを示す信号を出力する。
図2Aでは、検出原理の説明を簡略化するため、抵抗103の誘起電圧Vdetを増幅回路104で増幅する構成として説明したが、電流電圧変換回路で構成しても良いことは言うまでもない。また、図2Aでは比較回路105において一つの比較電圧106と増幅回路104の出力電圧を比較する例を図示したが、複数の電圧との比較を用いても、あるいはA/D変換回路を用いてサンプリングデータで比較演算をしてもよい。
【0025】
図3は、本発明に係る異物検査装置の第一の実施例による欠陥検出結果を示すモニター図である。
横軸の電極座標は、電極4a、4b・・・4nの位置である電極座標にそれぞれ対応し、掃引座標はカウンタ回路13からの位置信号(掃引座標)14をもとにした、掃引された金属1上の電極位置に対応する。
画面中、黒い部分は検出回路10において異物が存在すると判定された箇所であり、白い部分は異物が存在しないと判定された箇所を示す。このように、ユーザーインターフェース15によって、金属1における異物の有無および異物の座標位置を知ることが可能である。
【実施例2】
【0026】
図4A乃至図4Cを用いて、本発明に係る異物検査装置の第二の実施例を説明する。
図4A乃至図4Cは、本発明に係る異物検査装置の第二の実施例の検出原理を示す図である。
【0027】
以下では、図2A乃至図2Cで説明した第一の実施形態の検出原理との相違点を中心に説明する。図4Aに示した異物検査装置では、金属1と対向した面を周期的な間隔で凹凸形状に形成した電極4aを配設し、電極4aからの出力を電流電圧変換回路107に接続する。異物1が電極4aの下を通過すると、電極4aと金属1とで形成された容量は図4Bに示したようにCとC+△Cの間で周期的に変化し、電極4aと電流電圧変換回路107の間に流れる充放電電流101は図4Cに示した周期信号となる。
【0028】
検出回路10では、電流電圧変換回路107の出力信号をA/D変換回路108でサンプリングし、信号処理回路109内に配設した遅延回路110a、110b、110cを介して加算回路111で加算処理を行う。微小な異物の場合、充放電電流が微小でありノイズの影響で検出が困難となる。
一般的に、ノイズの影響を抑制するために信号を加算処理することが効果的であることが知られており、一つの異物から生成した周期信号をもとに遅延回路110a、110b、110cで順次信号を遅延させて加算処理することで、信号検出におけるノイズの影響を抑制することが出来る。その後、判定回路112において、加算回路111の出力をユーザインタフェース15(図示せず)からの異物閾値16と比較判定し、異物有無情報11をユーザインタフェース15に出力する。
【実施例3】
【0029】
図5を用いて、本発明に係る異物検査装置の第三の実施例を説明する。
図5は、本発明に係る異物検査装置の第三の実施例の電極構成を示す図である。
【0030】
以下では、図4で説明した第二の実施形態の検出原理との相違点を中心に説明する。図5に示す電極4aは、金属1と対向した側を周期的な間隔で凹凸形状に形成し、さらにリング状に形成したものであり、電極4aへの充放電電流101を電圧電流変換回路107で電圧に変換する。ここで、電極4aの下を金属1が通過する時間を△t、金属1と電極4aで構成される容量の変化分を△C、金属1と電極4aの間の電位差をVとすると、電極4aに流れる充放電電流△iは以下の数1で表される。
(数1)
△i=△C×V/△t
従って、異物が電極4aの下を通過した際に異物が微小である場合、電位差V、通過時間△tが一定であると、容量の変化分△Cが小さくなり、それにより充放電電流△iが小さくなるため異物の検出が困難となる。本実施形態では、リング状に形成した電極4aを回転機構(図示せず)により金属1の掃引方向と逆方向に回転動作させ、電極4aの下を異物が通過する時間△tを小さくすることで、異物が微小であっても充放電電流△iを大きくすることができ、微小異物の検出が実現可能となる。
【実施例4】
【0031】
図6A、6Bを用いて、本発明に係る異物検査装置の第四の実施例を説明する。
図6A、6Bは、本発明に係る異物検査装置の第四の実施例の検出原理を示す図である。
【0032】
図6Aに示した検出回路10では、複数の電極(図示せず)に接続した電流電圧変換回路107a、107b、107cを配設し、充放電電流101a、101b、101cをそれぞれ電圧に変換する。その後、減算回路113a、113b、113cにおいて電流電圧変換回路107a、107b、107cの出力電圧を減算処理する。
例えば、減算回路113bでは、電流電圧変換回路107aの出力電圧V1と電流電圧変換回路107bの出力電圧V2とから減算処理により電圧Vaを得る。比較回路114a、114b、114cでは、減算回路113a、113b、113cの各出力電圧と比較電圧115とを比較し、比較回路114a、114b、114cの出力をもとに異物判定部116で異物の有無を判定して異物有無情報11をユーザインタフェース15(図示せず)に出力する。
金属1の表面にあれがある場合や、金属1に塗布および乾燥させた媒体に厚さむらや密度むらがある場合、電流電圧変換回路107a、107b、107cの出力電圧は、図6BのV1、V2、V3で示すような信号となり、微小な異物の検出が困難となる。減算回路113a、113b、113cにおいて、隣接した電極間での検出信号V1、V2、V3の差分をとることで、異物以外の信号成分を抑制した信号Va、Vbを生成し、比較回路114a、114b、114cでの比較電圧115との比較結果であるVcmp_a、Vcmp_bから異物判定部116で異物の有無を検出することが可能となる。
【0033】
本発明に係る異物検査装置および検査方法によっては、金属上の微小な金属異物の高精度検出を実現し、金属製造の高信頼性化ができる。また、金属製造プロセスにおける異物混入の監視を実現し、早期のプロセス見直しによる製造不良削減による低コスト化を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 被検査対象の金属
2、3 ローラー
4a、4b・・・4n 電極
5 異物
10 検出回路
11 異物有無情報
12 エンコーダパルス
13 カウンタ回路
14 位置信号
15 ユーザインタフェース
16 異物閾値
101、101a、101b、101c 充放電電流
102 電圧源
103 抵抗
104 増幅回路
105 比較回路
106 比較電圧
107、107a、107b、107c 電流電圧変換回路
108 A/D変換回路
109 信号処理回路
110a、110b、110c 遅延回路
111 加算回路
112 判定回路
113a、113b、113c 減算回路
114a、114b、114c 比較回路
115 比較電圧
116 異物判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属異物の検査装置であって、
被検査対象物である試料を移動させる移動装置と、
該試料の表面に対して対向する位置に配置された電極と、
前記移動装置により移動中の該試料と前記電極との間の静電容量を測定する測定装置と、
前記測定装置により測定された静電容量の変化に基づき、該試料に混入した金属異物を検査する処理部とを備えた検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の検査装置であって、
前記電極は複数個あり、
前記処理部では前記複数の電極の各々から測定した複数の静電容量を加算して該金属異物を検査することを特徴とする検査装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検査装置であって、
前記処理部では、金属異物の有無および位置を検査することを特徴とする検査装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の検査装置であって、
前記移動装置は、前記電極が該試料の表面の薄膜に対応するように並進移動することを特徴とする検査装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の検査装置であって、
前記移動装置により移動される該試料と前記電極とは非接触であることを特徴とする検査装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の検査装置であって、
さらに、異物位置を表示する表示装置を有することを特徴とする検査装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の検査装置であって、
前記測定装置では、該試料と前記電極との間の静電容量の変化に応じた充放電電流を検出することを特徴とする検査装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の検査装置であって、
前記電極は該試料に対向する面に周期的な凹凸を有することを特徴とする検査装置。
【請求項9】
請求項2記載の検査装置であって、
前記複数の電極が常時薄膜に対向するよう歯車式に配置されて回転することを特徴とする検査装置。
【請求項10】
金属異物の検査方法であって、
被検査対象物である試料を移動させる移動工程と、
前記移動工程において移動中の該試料の表面に対して対向する位置に配置された電極との間の静電容量を測定する測定工程と、
前記測定工程により測定された静電容量の変化に基づき、該試料に混入した金属異物を検査する処理工程とを備えた検査方法。
【請求項11】
請求項10記載の検査方法であって、
前記処理工程では複数の電極の各々から測定した複数の静電容量を加算して該金属異物を検査することを特徴とする検査方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の検査方法であって、
前記処理工程では、金属異物の有無および位置を検査することを特徴とする検査方法。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれかに記載の検査方法であって、
前記移動工程では、前記電極が該試料の表面の薄膜に対応するように並進移動することを特徴とする検査方法。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれかに記載の検査方法であって、
前記移動工程により移動される該試料と前記電極とは非接触であることを特徴とする検査方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれかに記載の検査方法であって、
さらに、異物位置を表示する表示工程を有することを特徴とする検査方法。
【請求項16】
請求項10乃至15のいずれかに記載の検査方法であって、
前記測定工程では、該試料と前記電極との間の静電容量の変化に応じた充放電電流を検出することを特徴とする検査方法。
【請求項17】
請求項10乃至16のいずれかに記載の検査方法であって、
前記電極は該試料に対向する面に周期的な凹凸を有することを特徴とする検査方法。
【請求項18】
請求項11記載の検査方法であって、
前記複数の電極が常時薄膜に対向するよう歯車式に配置されて回転することを特徴とする検査方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−47653(P2012−47653A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191632(P2010−191632)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】