説明

検水中のアルミニウム濃度測定方法及び自動測定装置、並びにシリカ系スケール付着防止剤濃度の制御方法

【課題】冷却水系、ボイラ水、膜処理、地熱発電所の還元井等で発生するシリカ系スケール付着の要因となるアルミニウム濃度を現地において効率よく測定する方法、及びその装置を提供する。
【解決手段】(1)検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を測定する方法であって、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を検水に添加後、アルミニウム分析波長において測定した吸光度より、アルミニウム濃度を求める検水中のアルミニウム濃度測定方法、(2)検水中のアルミニウム濃度自動測定装置、及び(3)シリカ系スケール付着防止剤濃度の制御方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却水系やボイラ水系等の水系における、処理対象水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度測定方法、好ましくは自動測定方法、及び該アルミニウムの濃度を現地において測定するためのアルミニウム濃度自動測定装置、並びに測定されたアルミニウム濃度に基づいて、該処理対象水に添加されるシリカ系スケール付着防止剤濃度を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却水系、ボイラ水系、膜処理、地熱発電所の還元井において、水と接触する伝熱面、配管、膜面ではスケール障害が発生する。省資源、省エネルギーの立場から、高濃縮運転をした場合(膜処理の場合、回収率を高くした場合)、溶解する塩類が濃縮され難溶性の塩となってスケール化する。熱交換部に生成したスケールは伝熱阻害、配管への付着は流量低下、膜への付着はフラックス低下を引き起こし、また生成したスケールが剥離し、系内を循環し、ポンプ、配管、熱交換部の閉塞や、閉塞に伴う配管、熱交換部でのスケール化の促進を引き起こす。また、地熱発電所の還元井でも同様の現象が起こることが知られている。
【0003】
生成するスケール種としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛等がある。
従来、カルシウム系スケールに対しては、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基が有効で、必要に応じてそれとビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−アリロキシー2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニルモノマーや、アクリルアミド等のノニオン性ビニルモノマーを対象水質に応じて組み合わせたコポリマーがスケール防止剤として一般的に使用されている。また、ヘキサメタリン酸ナトリウムやトリポリリン酸ナトリウム等の無機ポリリン酸類、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸やホスホノブタントリカルボン酸等のホスホン酸類も一般的に使用されている。
【0004】
一方、シリカ系スケールの防止剤として、ポリアクリルアミド(例えば、特許文献1参照)、ポリエチレングリコール(例えば、特許文献2参照)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)(例えば、特許文献3参照)アクリル酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、置換アクリルアミドのターポリマー(例えば、特許文献4参照)、ポリビニルピロリドン(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。
しかしながら、アクリルアミド系ポリマーは、水中のケイ酸濃度が低い場合には効果が認められるものの、ケイ酸濃度が高い場合には、効果が乏しい。ポリエチレングリコールは、ケイ酸濃度が低い場合には、スケールの付着防止効果が認められるが、共存する他種イオンの影響を受けやすいために効果が安定しない、ポリビニルホルムアミドはカチオン性を帯びるため、組成比率の高いものは配管等の水系を構成する金属に吸着されやすい。アクリル酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、置換アクリルアミドのターポリマーは、高温部で生成するシリカ系スケールに対しては有効であるが、低温部で生成するシリカ系スケールに対しては効果が十分でなく、特に低温部に付着するスケールを防止することが困難であった。
【0005】
また、アルミニウムが関与し低温部で生成するシリカ系スケールに対してアクリル酸/スルホン酸/N−ビニルカルボン酸アミドのコポリマー(例えば、特許文献6参照)が提案されている。
このようにシリカ系スケール防止剤として種々の薬剤が提案されているが、シリカ系スケールの生成には、マグネシウム、アルミニウム等の共存物質が関与するため、各水系において影響する共存物質に応じた薬剤を適用する必要がある。しかし、シリカ系スケールの生成に関与する共存物質を事前に調査して薬剤を適用することは行われていないのが現状である。
【0006】
ところで、最近シリカ系スケールの生成に関与する共存物質の一つとしてアルミニウムが報告されており、冷却水系において負電荷のシリカと静電的相互作用する正電荷のアルミニウムがシリカ系スケール生成のバインダーであることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、その報告においては、孔径の異なるろ紙による分画及びゼータ電位による測定によって、正電荷のアルミニウムを特定しており、水系においてシリカ系スケール生成に関与するアルミニウム濃度をモニタリングする方法として適用することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−107998号公報
【特許文献2】特開平2−31894号公報
【特許文献3】特開平11−57783号公報
【特許文献4】特許第3055815号明細書
【特許文献5】特許第4048580号明細書
【特許文献6】特開2008−36562号広報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Journal of Colloid and Interface Science 335, 18-23 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況下になされたもので、冷却水系、ボイラ水、膜処理、地熱発電所の還元井等で発生するシリカ系スケール付着の要因となるアルミニウムの濃度を現地において効率よく測定する方法、及びその装置、並びに測定されたアルミニウム濃度に基づいて、処理対象水に添加されるシリカ系スケール付着防止剤濃度を制御する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
シリカ系スケールの生成の要因となるアルミニウムは、正電荷を有し、負電荷のシリカと静電的相互作用することによりシリカ系スケールが生成し、正電荷を有するアルミニウムは、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と瞬時に反応することに着目し、さらに研究を重ね、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を検水に添加後、アルミニウムが吸収を示す波長における吸光度を測定することにより、該アルミニウム濃度を求め得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明は、上記の(1)〜(10)を提供するものである。
(1)検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を測定する方法であって、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を検水に添加後、アルミニウム分析波長において測定した吸光度より、アルミニウム濃度を求めることを特徴とする検水中のアルミニウム濃度測定方法。
(2)反応試薬を検水に添加後、アルミニウム分析波長及び鉄分析波長において、それぞれ吸光度を測定し、鉄分析波長における吸光度より鉄濃度を求め、この鉄濃度を基にアルミニウム分析波長における鉄寄与分の吸光度を求め、アルミニウム分析波長における吸光度より前記鉄寄与分の吸光度を除いた吸光度よりアルミニウム濃度を求める請求項1に記載の検水中のアルミニウム濃度測定方法。
(3)反応試薬添加後、1分以内に吸光度を測定する上記(1)又は(2)の検水中のアルミニウム濃度測定方法。
(4)反応試薬添加後の吸光度の経時変化を測定し、各時間におけるアルミニウム濃度を算出し、得られたアルミニウム濃度の経時変化を非線形解析することで、求めた0分におけるアルミニウム濃度を算出する上記(1)又は(2)の検水中のアルミニウム濃度測定方法。
(5)検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を自動測定する方法であって、検水を光学測定部に連続通水させる工程、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を、前記検水に添加して測定用試料液を形成する工程、及び該測定用試料液中のアルミニウム濃度を、前記光学測定部において自動測定する工程、を少なくとも有することを特徴とする検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
(6)反応試薬添加後、1分以内に吸光度を測定する上記(5)の検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
(7)反応試薬添加後の吸光度の経時変化を測定し、各時間におけるアルミニウム濃度を算出し、得られたアルミニウム濃度の経時変化を非線形解析することで、求めた0分におけるアルミニウム濃度を算出する上記(5)の検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
(8)測定用試料水中のアルミニウム濃度が、光学測定用の検量線が直線性を示す定量範囲となるように、予め希釈した反応試薬溶液と検水とを混合する手段、を備える上記(5)の検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
(9)検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を自動測定する装置であって、検水を光学測定部に連続通水させる手段、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を、前記検水に添加して測定用試料液を形成する手段、及び該測定用試料液中のアルミニウム濃度を、前記光学測定部において自動測定する手段、を少なくとも備えたことを特徴とする検水中のアルミニウム濃度自動測定装置。
(10)上記(1)〜(4)のいずれかの検水中のアルミニウム濃度測定方法又は上記(5)〜(8)のいずれかの検水中のアルミニウム濃度自動測定方法によって得られた、検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度測定データに基づいて、検水源の処理対象水に添加されるシリカ系スケール付着防止剤の量を制御することを特徴とするシリカ系スケール付着防止剤濃度の制御方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、冷却水系やボイラ水系等における、処理対象水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度測定方法、好ましくは自動測定方法、及び該アルミニウムの濃度を現地において測定するためのアルミニウム濃度自動測定装置、並びに測定されたアルミニウム濃度に基づいて、該処理対象水に添加されるシリカ系スケール付着防止剤濃度を制御する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明における検水中のアルミニウム濃度自動測定装置の一例のフロー図である。
【図2】実施例3における、経過時間による吸光度変化[(a)]及びAl濃度変化[(b)]を、それぞれ示すグラフである。
【図3】実施例5における、経過時間による波長370nmの吸光度変化[(a)]及び波長600nmの吸光度変化[(b)]、並びに吸光度解析結果[(c)]及びAl濃度算出[(d)]をそれぞれ示すグラフである。
【図4】実施例1、実施例3と比較例1との相関性を示すグラフである。
【図5】熱交換器を有する保有水量100Lの模擬冷却水系の装置模式図である。
【図6】Al濃度の自動測定装置を用いて制御した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明の検水中のアルミニウム濃度測定方法について説明する。
[検水中のアルミニウム濃度測定方法]
検水、特に処理対象水又は処理対象水の給水(補給水)中のアルミニウム濃度測定方法(以下、単に「Al濃度測定方法」と略記することがある。)は、検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を測定する方法であって、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を検水に添加後、アルミニウムが吸収を示す波長(アルミニウム分析波長)において測定した吸光度より、アルミニウム濃度を求めることを特徴とする。
【0015】
(吸光度測定用試料液の調製)
当該Al濃度測定方法においては、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を検水に添加して、吸光度測定用試料液を調製する。
この吸光度測定用試料液の具体的な調製方法について、全量を10mLにメスアップする場合の仕様を以下に示すが、メスアップする量を変化させる場合は、試薬量や検水量を比例量用いればよい。
【0016】
<反応試薬>
当該Al濃度測定方法においては、反応試薬として、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液、好ましくはpH4.5〜5.5の緩衝液、例えばpH5の酢酸緩衝液との組み合わせを用いる。
7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸は、通常1〜5mmol/L濃度の水溶液の形態で用いられ、その量は検水1mL当たり、2.5mmol/L濃度の水溶液で、通常1mL以上、好ましくは1mLである。
一方、pH4.5〜5.5の緩衝液、例えばpH5の酢酸緩衝液は、酢酸と酢酸塩(Na塩、K塩、アンモニウム塩等)とのモル比1:2程度の混合物を、0.1〜1mol/L程度の濃度で含む水溶液の形態で用いられる。その量は、検水1mL当たり、1mol/L濃度の酢酸緩衝液で、通常2mL以上、好ましくは2mLである。
【0017】
吸光度測定用試料液は、メスフラスコ、比色管、蓋付き測定セル等の一定容量を計測できる蓋付き容器に、前記の7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸水溶液と、緩衝液とをそれぞれ所定量加え、次いで検水1〜8mLを加えて、全量を一定量にメスアップすることにより、調製することができる。
なお、本発明においては、反応試薬として、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸水溶液と、緩衝液とを、予め所定の割合で混合した溶液を用いてもよい。
【0018】
(吸光度測定によるアルミニウム濃度の算出)
当該Al濃度測定方法においては、前記のようにして調製された吸光度測定用試料液について、アルミニウムが吸収を示す波長(アルミニウム分析波長)及び鉄が吸収を示す波長(鉄分析波長)における吸光度を測定し、これらの吸光度の値からアルミニウム濃度を算出する。その手順を以下に示す。
まず、純水に反応試薬を添加して、得られた水溶液を測定セルに入れ、アルミニウムが吸収を示す波長(アルミニウム分析波長)、具体的には350〜400nm、好ましくは370nm及び鉄が吸収を示す波長(鉄分析波長)、具体的には500〜700nm、好ましくは600nmにおける吸光度をそれぞれ測定し、ゼロ補正を行う。次に、吸光度測定用試料液を測定セルに入れ、アルミニウム分析波長及び鉄分析波長における吸光度をそれぞれ測定する。この際、前記吸光度測定用試料液は、調製後、直ちに、好ましくは1分以内に吸光度の測定、又は吸光度の経時変化を測定する。
なお、鉄分析波長については、波長500〜700nm、好ましくは600nmにおける吸光度の代わりに、波長400〜600nm、好ましくは450nmにおける吸光度を用いることもできる。
【0019】
(1)前記の1分以内に測定した吸光度を基に解析してAl濃度を算出する場合には、予め作成した3つの検量線、すなわち、アルミニウム分析波長におけるAlの検量線、鉄分析波長におけるFeの検量線、アルミニウム分析波長におけるFeの検量線より下記手順で試料液中のAl濃度を算出する。
Fe濃度:鉄分析波長において測定した吸光度および鉄分析波長におけるFeの検量線より試料液中のFe濃度を算出する。
Al濃度:上記で算出したFe濃度およびアルミニウム分析波長におけるFeの検量線より、アルミニウム分析波長においてFeが示す吸光度を算出する。
アルミニウム分析波長において測定した吸光度より上記Feが示す吸光度を差し引くことによりAl由来の吸光度を求める。このAl由来の吸光度及びアルミニウム分析波長におけるAlの検量線から試料液中のAl濃度を算出する。
(2)一方、前記の吸光度の経時変化を基に、時間ゼロにおけるAl濃度を算出する場合には、予め作成したAl、Feの検量線より上記(1)と同様の手順で、各測定時間におけるAl濃度を算出する。この算出したAl濃度の経時変化を下記式に基づいて非線形解析を行い、時間ゼロにおけるAl濃度(Al0)を算出する。
Al0+Al1+Al2 = Al0+Al1(1−et/t1)+Al2(1−et/t2
【0020】
[検水中のアルミニウム濃度自動測定方法]
本発明はまた、検水中のシリカスケールの要因となるアルミニウムの濃度を自動測定する方法であって、検水を光学測定部に連続通水させる工程、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を、前記検水に添加して測定用試料液を形成する工程、及び該測定用試料液中のアルミニウム濃度を、前記光学測定部において自動測定する工程、を少なくとも有することを特徴とする検水中のアルミニウム濃度自動測定方法、を提供する。
このAl濃度自動測定方法における、吸光度測定によるアルミニウム濃度の算出については、前述で示したとおりである。
また、このAl濃度自動測定方法においては、測定用試料液中のAl濃度が、光学測定用の検量線が直線性を示す定量範囲となるように、予め希釈した反応試薬溶液と検水とを混合する手段を備えていることが望ましい。
【0021】
[Al濃度自動測定装置]
本発明の検水中のアルミニウム濃度自動測定装置(以下、単に「Al濃度自動測定装置」と略記することがある。)は、検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を自動測定する装置であって、検水を光学測定部に連続通水させる手段、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を、前記検水に添加して測定用試料液を形成する手段、及び該測定用試料液中のアルミニウム濃度を、前記光学測定部において自動測定する手段、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明のAl濃度自動測定装置について、添付図面に従い、さらに詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明のAl濃度自動測定装置の一例のフロー図である。
対象水の水路1から流量調整バルブ2によって流量が調整されて、試料水が取り込まれる。測定時のみに試料水を取り込む場合には、測定開始時に流量調整バルブ2を解放し、測定終了時には閉めるという操作を行えばよい。また、定量ポンプ(図示せず)を用いて測定時のみに試料水を取り込む場合には測定開始時に定量ポンプを運転し、測定終了時には停止するという操作を行うこともできる。
取り込まれた試料水はストレーナ3によって混入している夾雑物の粒子が除去され、後続の本発明に係る処理薬剤濃度の自動測定装置4に向けて通水される。なお、ストレーナ3は必須ではない。
【0023】
自動測定装置4は、まず前記ストレーナ3に連設された試料水供給流路401を備えている。この試料水供給経路401(以下「供給流路」)には、前記試料水中に含まれているアルミニウムと化学反応し、反応生成物をつくる性質を備える反応試薬Rが貯蔵されている反応試薬槽402に連結されている反応試薬注入経路403(以下「注入経路」)が開口している。なお、試料水中に反応試薬を添加する反応試薬槽402及び注入経路403は複数設けることが可能である。
注入経路403の途中には、反応試薬Rの注入量を調節するための注入ポンプP1が敷設されている、反応試薬Rは、測定時に前記注入ポンプP1によって添加量が調整されながら供給経路401に注入される。なお、反応試薬Rの添加量は、試料水中のアルミニウム濃度の程度に応じて定めるようにする。
【0024】
供給経路401に注入された反応試薬Rは、供給経路401中を通水されている試料水に混合され、測定用試料液となる。混合方法は、試料水の流れの作用による攪拌でもよく、オリフィス状の構造、渦流を形成するような羽構造、静的混合器(スタティックミキサー)、ラインミキサー、スラーター攪拌等別途攪拌部位を設けてもよい。
続いて、前記した測定用試料液は、供給経路401を通じて、光学測定内部404に設けられた測定セル405に導入され、この測定セル405内を通過して排出経路408から排出される。光学測定部404の測定手段は、公知の吸光光度分析の常法の光学測定手段を適宜採用することができる。
ここで、本発明では、アルミニウム濃度のオンストリーム監視に適するものであるから、長期間の連続的な測定を可能とするために、測定セル405を自動洗浄できるように工夫してもよい。すなわち測定セル405に洗浄液注入装置(図示せず)を付設して、一定時間毎に洗浄液を測定セル405内に注入できるようにする。
【0025】
なお、符号406は、測定セル405中の測定用試料液に光を照射するための光源、符号407は測定セル405中の試料液に照射された光の透過光の強度を検知し、この強度を電気信号として捕捉する受光部を表しており、符号409は、前記受光部407に接続する解析部を表している。
ここで、本発明においては、前記解析部409で得られたアルミニウム濃度値を電気信号に変換してCPU等が内蔵された制御部5に送信し、水処理剤(スケール防止剤)が貯蔵されている水処理剤貯留槽6に連結する処理剤添加経路7の途中に付設された処理剤注入ポンプP2の注入量を自動制御するようにすることができる。
【0026】
[シリカ系スケール付着防止剤濃度の制御方法]
本発明のシリカ系スケール付着防止剤濃度の制御方法は、前述した本発明のAl濃度測定方法又はAl濃度自動測定方法によって得られた、検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウム濃度測定データに基づいて、検水源の処理対象水に添加されるシリカ系スケール付着防止剤の量を制御することを特徴とする。
【0027】
(シリカ系スケール付着防止剤)
検水源の処理対象水に添加されるシリカ系スケール付着防止剤としては、例えば、トリポリリン酸ナトリウムやヘキサメタリン酸ナトリウム等の無機ポリリン酸類;アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸/アクリル酸、マレイン酸/スルホン酸、アクリル酸/スルホン酸等をモノマー成分とするコポリマー;アクリル酸/スルホン酸/ノニオン基含有モノマー等をモノマー成分とするコポリマー等が挙げられる。また、必要に応じてさらに有機ホスホン酸、塩化亜鉛等の防食剤、ヒドラジン、Cl−MIT、次亜塩素酸+スルファミン酸等の殺菌剤等と、同じ溶液に混合して添加することもできる。
なお、本発明を適用する場合の水質条件及び運転条件には特に制限はない。
【0028】
前記のスルホン酸としては、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−アリロキシー2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2―メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸4−スルホブチル、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸及びそれらの金属塩等が挙げられ、また、前記のノニオン基含有モノマーとしては、例えば、炭素数1〜5のアルキルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、付加モル類1〜30の(ポリ)エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのモノ(メタ)アクリレート、付加モル数1〜30の(ポリ)エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのモノビニルエーテル等が挙げられる。
【実施例】
【0029】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
ポリ塩化アルミニウムを用いAl濃度がAlとして4mg/L、メタケイ酸ナトリウムを用いSiO2濃度が0、25、50mg/L、pH8.5となるように調製した各溶液を試料水とした。
2.5mmol/Lの7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸(以下、「Ferron」と略記する。)1mLと1mol/Lの酢酸緩衝液(pH5.0)を2mL加えた溶液に、試料水を2mL添加し、10mLにメスアップした溶液の370nmにおける吸光度を、反応試薬添加後1分以内に、10mmセルにて測定した。そして、予め作成した検量線より、試料水中のAl濃度を算出した。結果を第1表に示す。
【0030】
実施例2
ポリ塩化アルミニウムを用いAl濃度がAlとして4mg/L、メタケイ酸ナトリウムを用いSiO2濃度が25mg/L、pH8.5となるように調製した溶液を試料水とした。
反応試薬(2.5mmol/Lの7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸:1mol/Lの酢酸緩衝液(pH5.0、容量比=1:2で混合)溶液3mLに、試料水を2mL添加し、10mLにメスアップした溶液の370nmにおける吸光度を、反応試薬添加後1分以内に10mmセルにて測定した。そして、予め作成した検量線より、試料水中のAl濃度を算出した。結果を第1表に示す。
【0031】
実施例3
ポリ塩化アルミニウムを用いAl濃度がAlとして4mg/L、メタケイ酸ナトリウムを用いSiO2濃度が0、25、50mg/L、pH8.5となるように調製した各溶液を試料水とした。
反応試薬(1mmol/Lの7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸:1mol/Lの酢酸緩衝液(pH5.0、容量比=1:2で混合)溶液3mLに、試料水を2mL添加し、10mLにメスアップした溶液の370nmにおける吸光度の経時変化を10mmセルにて測定した。そして、各時間における試料水中のAl濃度を、予め作成した検量線より算出し、下記式を用いて、Al0を算出した。結果を第1表に示す。
Al0+Al1+Al2 =Al0+ Al1(1−et/t1) +Al2(1−et/t2)
図2に、経過時間による吸光度変化[(a)]及びAl濃度変化[(b)]をそれぞれグラフで示す。
【0032】
実施例4
ポリ塩化アルミニウムを用いAl濃度が、Alとして4mg/L、メタケイ酸ナトリウムを用いSiO2濃度が25mg/L、塩化鉄を用いFe濃度が、Feとして4mg/L、pH8.5となるように調製した溶液を試料水とした。
反応試薬(2.5mmol/Lの7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸:1mol/Lの酢酸緩衝液(pH5.0、容量比=1:2で混合)溶液3mLに、試料水を1mL添加し、10mLにメスアップした溶液の370nm、600nmにおける吸光度を、反応試薬添加後1分以内に10mmセルにて測定した。そして、予め作成したFeの検量線(600nm)より、試料水中のFe濃度を算出した。
算出したFe濃度及び予め作成したFeの検量線(370nm)より、370nmにおいてFeが示す吸光度を算出した。370nmにおいて測定した吸光度より、Feが示す吸光度を減算し、Al由来の吸光度を得た。予め作成したAlの検量線及びAl由来の吸光度より試料水中のAl濃度を求めた。結果を第1表に示す。
【0033】
実施例5
ポリ塩化アルミニウムを用いAl濃度が、Alとして4mg/L、メタケイ酸ナトリウムを用いSiO2濃度が25mg/L、塩化鉄を用いFe濃度が、Feとして4mg/L、pH8.5となるように調製した溶液を試料水とした。
反応試薬(2.5mmol/Lの7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸:1mol/Lの酢酸緩衝液(pH5.0、容量比=1:2で混合)溶液3mLに、試料水を1mL添加し、10mLにメスアップした溶液の370nm、600nmにおける吸光度の経時変化を、10mmセルにて測定した。そして、各時間における試料水中のAl濃度を実施例4と同様に算出し、下記式を用いて、Al0を算出した。結果を第1表に示す。
Al0+Al1+Al2= Al0+Al1(1−et/t1) +Al2(1−et/t2)
図3に、経過時間による波長370nmの吸光度変化[(a)]、波長600nmの吸光度変化[(b)]、並びに吸光度解析結果[(c)]及びAl濃度算出[(d)]を、それぞれグラフで示す。
【0034】
比較例1
ポリ塩化アルミニウムを用いAl濃度がAlとして4mg/L、メタケイ酸ナトリウムを用いSiO2濃度が0、25、50mg/L、pH8.5となるように調製した各溶液を試料水とした。
0.2μmのろ紙でろ過したろ液のアルミニウム濃度をICP−MSにて測定し、ゼータ電位を測定した。その結果、アルミニウム濃度は、Alとして2.76mg/L(SiO2=0mg/L)、Alとして1.37mg/L(SiO2=25mg/L)、Alとして0.97mg/L(SiO2=50mg/L)であり、ゼータ電位は+5mVであった。
図4に、実施例1、実施例3と比較例1の相関性をグラフで示す。
【0035】
【表1】

【0036】
第1表及び図4から、下記のことが分かる。
実施例1と比較例1を比較すると、相関係数(R2=1)が高く、実施例1の手法と0.2μm以下のAl濃度と相関性があることを確認できた。実施例1(SiO2=25mg/L)と実施例2を比較すると同等のAl濃度が得られたことから、Ferronと、酢酸緩衝液を予め混合した溶液を用いてもよいことが分かる。
実施例3と比較例1を比較すると、高い相関性(R2=0.96)が得られたことから、実施例3の手法と0.2μm以下のAl濃度と相関性があることを確認できた。
実施例4と、実施例1(SiO2=25mg/L)、実施例5と、実施例3(SiO2=25mg/L)を比較すると同等のAl濃度が得られたことから、Feが共存しても600nmの吸光度を測定することで、目的とするAl濃度を測定できることが分かった。
【0037】
実施例6
図5は、熱交換器を有する保有水量100Lの模擬冷却水系の装置模式図である。
伝熱面積0.25m2熱交換器を有する保有水量100Lの模擬冷却水系(装置模式図参照)を用いた。熱交換器14の材質はSUS304、外径19mmのチューブを用い、非伝熱の評価チューブ(SUS304、外径19mm)13を系内に設けた。
実際の工業用水(川崎工業用水)を補給水として加え、運転した。なお、シリカ濃度は25mg/L、アルミニウム濃度は、Alとして0.5mg/Lであった。
運転は濃縮倍数が5倍になるように、ブロー水(循環水の系外排出)をコントロールしながら30日間行った。
この間、循環水の熱交換器入口温度は30℃、出口温度は40℃に保った。また、循環水の非伝熱評価チューブ13を通過する流速は0.5m/sとした。
カルシウム系スケール付着防止剤として、ヒドロキシジエチリデンホスホン酸を、PO4として6mg/Lとなるように、シリカ系スケール付着防止剤としてアクリル酸/スルホン酸/N−ビニルピロリドンコポリマーを、薬注制御装置を用いて添加した。スライムコントロール処理は次亜塩素酸ナトリウムを、Cl2として0.5〜1.0mg/Lになるように薬注ポンプを用いて冷却水系に添加し、30日間運転した。
薬注添加量は、シリカ系スケール生成に関与するアルミニウム濃度が、Alとして0.09mg/L以下の場合は固体として10mg/L、Alとして0.1〜0.14mg/Lの場合は固体として12.5mg/L、Alとして0.15〜0.19mg/Lの場合は固体として15mg/L添加した。
また、Al濃度自動測定装置においては実施例2の方法でAl濃度測定を実施した。
その後、非伝熱チューブに付着したスケールの量を測定し、汚れ防止効果を評価した。結果を第2表に示す。
図6に、Al濃度の自動測定装置を用いて制御した結果をグラフに示す。
【0038】
比較例2
シリカ系スケール付着防止剤の添加方法以外は、実施例6と同様に模擬冷却水系にて評価し、シリカ系スケール付着防止剤は、5mg/L、10mg/L、15mg/Lとなるように定量注入添加した。結果を第2表に示す。
【0039】
【表2】

【0040】
第2表から、実施例6と比較例2を比較すると、比較例2では、15mg/L添加することによるスケール付着を低減できていることが分かる。しかし10mg/L以下では、スケール付着速度は十分に低減できていない。
一方実施例6では、薬注制御装置を用いることによる、少ないスケール防止剤の使用量にて、15mg/L添加と同等のスケール付着速度に低減できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のアルミニウム濃度測定方法は、冷却水系やボイラ水系等における、処理対象水中のシリカ系スケール付着の要因となるアルミニウムの濃度を効果的に測定することができ、また、該アルミニウム濃度に基づいて、処理対象に添加されるシリカ系スケール付着防止剤濃度を制御することができる。また、本発明のアルミニウム濃度測定方法は自動化が可能である。さらに本発明のアルミニウム濃度自動測定装置は、該アルミニウム濃度を現地において測定することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 対象水の水路 2 流量調整バルブ
3 ストレーナ 4 自動測定装置
5 制御部 6 水処理剤貯槽
7 処理剤添加経路
11 循環水ピット 12 循環ポンプ
13 非伝熱チューブ 14 熱交換器
15 レベルセンサー 16 導電率計
17 ブロー配管 18、19 薬注ポンプ
20 補給水ポンプ 21 スケール付着防止剤
22 次亜塩素酸ナトリウム槽 23 補給水槽
24 アルミニウム濃度自動測定装置
401 供給経路 402 反応試薬層
403 試薬注入経路 404 光学測定部
405 測定セル 406 光源
407 受光部 408 排出経路
409 解析部
P1 反応試薬注入ポンプ P2 処理剤注入ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を測定する方法であって、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を検水に添加後、アルミニウム分析波長において測定した吸光度より、アルミニウム濃度を求めることを特徴とする検水中のアルミニウム濃度測定方法。
【請求項2】
反応試薬を検水に添加後、アルミニウム分析波長及び鉄分析波長において、それぞれ吸光度を測定し、鉄分析波長における吸光度より鉄濃度を求め、この鉄濃度を基にアルミニウム分析波長における鉄寄与分の吸光度を求め、アルミニウム分析波長における吸光度より前記鉄寄与分の吸光度を除いた吸光度よりアルミニウム濃度を求める請求項1に記載の検水中のアルミニウム濃度測定方法。
【請求項3】
反応試薬添加後、1分以内に吸光度を測定する請求項1又は2に記載の検水中のアルミニウム濃度測定方法。
【請求項4】
反応試薬添加後の吸光度の経時変化を測定し、各時間におけるアルミニウム濃度を算出し、得られたアルミニウム濃度の経時変化を非線形解析することで、求めた0分におけるアルミニウム濃度を算出する請求項1又は2に記載の検水中のアルミニウム濃度測定方法。
【請求項5】
検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を自動測定する方法であって、検水を光学測定部に連続通水させる工程、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を、前記検水に添加して測定用試料液を形成する工程、及び該測定用試料液中のアルミニウム濃度を、前記光学測定部において自動測定する工程、を少なくとも有することを特徴とする検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
【請求項6】
反応試薬添加後、1分以内に吸光度を測定する請求項5に記載の検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
【請求項7】
反応試薬添加後の吸光度の経時変化を測定し、各時間におけるアルミニウム濃度を算出し、得られたアルミニウム濃度の経時変化を非線形解析することで、求めた0分におけるアルミニウム濃度を算出する請求項5に記載の検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
【請求項8】
測定用試料水中のアルミニウム濃度が、光学測定用の検量線が直線性を示す定量範囲となるように、予め希釈した反応試薬溶液と検水とを混合する手段、を備える請求項5に記載の検水中のアルミニウム濃度自動測定方法。
【請求項9】
検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度を自動測定する装置であって、検水を光学測定部に連続通水させる手段、7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸と、緩衝液との組み合わせからなる反応試薬を、前記検水に添加して測定用試料液を形成する手段、及び該測定用試料液中のアルミニウム濃度を、前記光学測定部において自動測定する手段、を少なくとも備えたことを特徴とする検水中のアルミニウム濃度自動測定装置。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかに記載の検水中のアルミニウム濃度測定方法又は請求項5〜8のいずれかに記載の検水中のアルミニウム濃度自動測定方法によって得られた、検水中のシリカ系スケールの要因となるアルミニウムの濃度測定データに基づいて、検水源の処理対象水に添加されるシリカ系スケール付着防止剤の量を制御することを特徴とするシリカ系スケール付着防止剤濃度の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−11287(P2012−11287A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148402(P2010−148402)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】