説明

検索システム、画像形成装置およびプログラム

【課題】画像形成装置内に格納された情報を効率的に検索することが可能な検索システムおよびそれに関連する技術を提供する。
【解決手段】検索システム100は、内部の格納領域であるボックスにファイルを格納する画像形成装置10と、画像形成装置10にネットワークを介して接続される検索用の端末装置60とを備える。画像形成装置10は、ボックスに格納されたファイル内の各項目の項目名と当該各項目に対応するリンク先の情報とを含む統合リンク情報ファイルFTを格納する格納手段と、しおり情報を端末装置60に送信する送信手段とを有する。端末装置60は、画像形成装置10から送信されてきたしおり情報を取得し、取得されたしおり情報を用いて画像形成装置10のボックス内のファイルの特定項目に関する情報にアクセスし、当該情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置内に格納された情報を検索する検索システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の進展等に伴い、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル))などの画像形成装置の中には、ハードディスクなどの記憶部を有するものが存在する。当該装置は、当該ハードディスク内の所定の記憶領域(「ボックス」等と称される)において、画像データおよび文書データ等の各種のデータファイルを記憶する。
【0003】
このようなボックス内の情報を有効に活用するため、当該ボックス内の情報を検索する技術が望まれる。
【0004】
画像形成装置に格納された情報を検索する技術としては、例えば特許文献1に記載の技術が存在する。
【0005】
特許文献1においては、画像形成装置に格納された画像データに含まれている文字を抽出しておき、当該文字の文字コードを用いて情報を検索する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−163986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、キーワード等による文字検索を行うことは可能であるが、特許文献1の技術では効率的な検索を行うことができないことがある。たとえば、特許文献1の技術を用いたとしても、如何なる情報が画像形成装置内に存在するかを大まかに知得することは困難である。
【0008】
そこで、この発明の課題は、画像形成装置内に格納された情報を効率的に検索することが可能な検索システムおよびそれに関連する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、画像形成装置に格納された情報を検索する検索システムであって、データ記憶領域であるボックスを有する画像形成装置と、前記画像形成装置にネットワークを介して接続される検索用の端末装置とを備え、前記画像形成装置は、前記ボックスに格納された電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報を含むしおり情報を格納する格納手段と、前記しおり情報を前記端末装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記しおり情報は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれに関する前記一覧情報を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記しおり情報は、前記ボックスに格納された前記電子文書ファイル内の各項目に対応するリンク先の情報をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記しおり情報は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれに関する前記一覧情報と前記複数の電子文書ファイルのそれぞれの各項目に対応するリンク先の情報とを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記画像形成装置は、前記電子文書ファイル内の項目情報を抽出して前記しおり情報を生成するしおり情報生成手段、をさらに有することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る検索システムにおいて、前記しおり情報生成手段は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれに関する前記一覧情報を含むファイル単位しおり情報を前記複数の電子文書ファイルのそれぞれについて生成するとともに、前記複数の電子文書ファイルについて生成された複数のファイル単位しおり情報を統合した統合しおり情報を前記しおり情報として生成することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項5の発明に係る検索システムにおいて、前記しおり情報生成手段は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれについて、各電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報と前記各電子文書ファイル内の各項目に対応するリンク先の情報とに関するファイル単位リンク情報を生成するとともに、前記複数の電子文書ファイルについて生成された複数のファイル単位リンク情報を統合した統合リンク情報を前記しおり情報として生成することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記端末装置は、前記画像形成装置から送信されてきた前記しおり情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記しおり情報に含まれる前記一覧情報を表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、請求項3の発明に係る検索システムにおいて、前記端末装置は、前記画像形成装置から送信されてきた前記しおり情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記しおり情報に含まれる前記一覧情報を表示する表示制御手段とを有し、前記表示制御手段は、前記しおり情報に基づき前記電子文書ファイルに関する複数の項目の項目名を表示して前記複数の項目のうちの特定項目に関する表示指示を受け付け、前記特定項目に対応するリンク先の情報に基づき前記表示指示に応答して前記リンク先の電子文書ファイルにアクセスして得られた前記特定項目に関する情報を表示することを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記送信手段は、前記しおり情報をメール送信によって前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記送信手段は、ネットワーク通信によって、前記しおり情報を前記端末装置の所定フォルダに送信することを特徴とする。
【0020】
請求項12の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記画像形成装置は、前記電子文書ファイル内の複数の項目の中から所望の項目を選択するための項目選択用画面の表示用データを前記しおり情報に基づいて生成する画面生成手段、をさらに有し、前記送信手段は、前記表示用データに変換された前記しおり情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0021】
請求項13の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記送信手段は、前記ボックス内のファイル情報の更新タイミングに同期して、更新後の前記しおり情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0022】
請求項14の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記送信手段は、予め設定された指定時刻に、前記しおり情報を前記端末装置に向けて送信することを特徴とする。
【0023】
請求項15の発明は、請求項1の発明に係る検索システムにおいて、前記送信手段は、前記端末装置のユーザによる送信要求操作入力に基づく送信指示に応答して、前記しおり情報を前記端末装置に向けて送信することを特徴とする。
【0024】
請求項16の発明は、請求項9の発明に係る検索システムにおいて、前記送信手段は、所定の条件が充足されるときには、前記電子文書ファイルのコピーファイルを前記しおり情報とともに前記端末装置に送信し、前記表示制御手段は、前記表示指示に応答して前記コピーファイルにアクセスして得られた前記特定項目に関する情報を表示することを特徴とする。
【0025】
請求項17の発明は、ネットワークを介して検索用の外部装置に接続される画像形成装置であって、電子文書ファイルの記憶領域であるボックスを有する格納手段と、前記電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報を含むしおり情報を生成する生成手段と、前記しおり情報を前記外部装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
請求項18の発明は、画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、前記画像形成装置内の記憶領域であるボックスに格納された電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報を含むしおり情報を生成するステップと、前記しおり情報をネットワークを介して検索用の外部装置に送信するステップとを実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0027】
請求項19の発明は、画像形成装置に格納された情報を検索する検索システムであって、その内部の格納領域であるボックスに情報を格納する画像形成装置と、前記画像形成装置にネットワークを介して接続される検索用の端末装置とを備え、前記画像形成装置は、前記ボックス内の各ファイルの属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記端末装置からの送信指令に応答して、前記各ファイルの前記属性情報を前記端末装置に送信する送信手段とを有し、前記端末装置は、抽出すべきファイルの属性である特定属性の指定入力を受け付ける入力手段と、前記画像形成装置から送信されてきた前記属性情報と前記入力手段により入力された前記特定属性とに基づいて、前記ボックス内の複数のファイルの中から、前記特定属性を有するファイルを検索する検索手段とを有することを特徴とする。
【0028】
請求項20の発明は、画像形成装置に格納された情報を検索する検索システムであって、複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置にネットワークを介して接続される検索用の端末装置とを備え、前記複数の画像形成装置は、それぞれ、ファイルの記憶領域であるボックスを有する格納手段と、前記ボックス内の各ファイルの属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記端末装置からの送信指令に応答して、前記各ファイルの前記属性情報を前記端末装置に送信する送信手段とを有し、前記端末装置は、抽出すべきファイルの属性である特定属性の指定入力を受け付ける入力手段と、前記複数の画像形成装置からそれぞれ送信されてきた前記属性情報と前記入力手段により入力された前記特定属性とに基づいて、前記ボックス内の複数のファイルの中から、前記特定属性を有するファイルを検索する検索手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
請求項1ないし請求項18に記載の発明によれば、ユーザは、画像形成装置に格納された電子文書ファイルに関する検索動作を、当該電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報を用いて効率的に実行することが可能である。すなわち、画像形成装置内に格納された情報を効率的に検索することが可能である。
【0030】
請求項19に記載の発明によれば、属性情報を利用した検索動作を行うことが可能であるので、画像形成装置内に格納された情報を効率的に検索することが可能である。
【0031】
請求項20に記載の発明によれば、属性情報を利用して複数の画像形成装置に亘る検索動作を行うことが可能であるので、複数の画像形成装置内に格納された情報を効率的に検索することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態に係る検索システムの概要を示す概念図である。
【図2】第1実施形態に係る検索システムの概要を示す概念図である。
【図3】MFPの概略構成を示すブロック図である。
【図4】統合リンク情報ファイルの生成動作を示すフローチャートである。
【図5】各項目に関するリンク先の指定例を示す図である。
【図6】統合リンク情報ファイルの表示状態を示す図である。
【図7】リンク先のファイルが表示された状態を示す図である。
【図8】項目選択用画面を示す図である。
【図9】項目選択用画面での選択結果に応じて、リンク先のファイルが表示された状態を示す図である。
【図10】第1実施形態の変型例に係るシステム構成を示す図である。
【図11】第2実施形態に係る検索システムの概要を示す概念図である。
【図12】第2実施形態に係るMFP(画像形成装置)に関する概略構成を示す図である。
【図13】検索用ダイアログを示す図である。
【図14】単一のMFPに関する検索結果を示す図である。
【図15】複数のMFPに亘る検索動作を説明するための概念図である。
【図16】複数のMFPに関する検索結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
<1.第1実施形態>
<1−1.概要>
図1および図2は、第1実施形態に係る検索システム100(100Aとも称する)の概要を示す概念図である。図1および図2に示すように、検索システム100は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))10とコンピュータ60とを備えている。MFP10とコンピュータ60とは、ネットワークNWを介して接続されており、ネットワーク通信を実行することが可能である。なお、ネットワークNWは、LAN、WAN、インターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWへの接続形態は、有線接続であってもよく或いは無線接続であってもよい。
【0035】
MFP10は、電子文書ファイルDMiを蓄積する機能を有している。そして、この検索システム100においては、コンピュータ60からの操作入力に応じて、MFP10の内部に格納された情報を検索することが可能である。より詳細には、MFP10のボックス(データ記憶領域)BX内に格納された電子文書ファイル(データファイル)DMiに含まれる情報を検索することが可能である。なお、このコンピュータ60は、検索用の外部装置、あるいは検索用の端末装置などとも表現される。
【0036】
具体的には、図1に示すように、MFP10は、複数の電子文書ファイル(たとえば文書作成ソフト用の特定形式データファイル、および表計算ソフト用の特定形式データファイル等)DMiを、その内部のボックスBXに格納している。なお、電子文書ファイルは、PDF(Portable Document Format)形式のデータファイル等であってもよい。また、電子文書ファイルは、原稿のスキャン動作によって生成されたPDF形式データファイル等であってもよい。
【0037】
また、MFP10は、各電子文書ファイルDMiに対して、それぞれ、リンク情報ファイルFSiを生成し、当該リンク情報ファイルFSiをMFP10内に格納する。また、MFP10は、各リンク情報ファイルFSiを統合した統合リンク情報ファイルFTをも生成し、当該統合リンク情報ファイルFTをMFP10内に格納する。各リンク情報ファイルFSiおよび統合リンク情報ファイルFTは、しおり情報生成部11(図3参照)によって生成される。
【0038】
ここにおいて、各リンク情報ファイルFSi(および統合リンク情報ファイルFT)には、いわゆるリンク情報が含まれている。なお、このリンク情報は、「しおり情報」とも称される。
【0039】
当該リンク情報(しおり情報)は、各電子文書ファイル内の各項目の項目名(詳細にはその一覧情報)と当該各項目に対応するリンク先の情報とを含む情報である。
【0040】
たとえば、図1に示すように、電子文書ファイルDM1は、複数の見出し項目(単に「項目」とも称する)を有している。詳細には、電子文書ファイルDM1は、「1.はじめに」、「2.××製品の概要」、...、「5.おわりに.」...などの項目を有している(図2も参照)。このとき、リンク情報ファイルFS1は、当該複数の項目の項目名の一覧情報(項目名情報)と、当該複数の項目のそれぞれに対応するリンク先の情報(リンク先情報LA(図5参照))とを含む情報として生成される(後述)。
【0041】
同様に、リンク情報ファイルFS2は、電子文書ファイルDM2内の複数の項目の項目名の一覧情報(項目名情報)と、当該複数の項目のそれぞれに対応するリンク先の情報(リンク先情報)とを含む情報として生成される。リンク情報ファイルFS3も同様にして生成される。
【0042】
このように、各リンク情報ファイルFSi内のしおり情報は、対応電子文書ファイルDMi内の複数の項目の項目名の一覧情報(項目名情報)と、当該複数の項目のそれぞれに対応するリンク先の情報(リンク先情報)とを含む情報として生成される。
【0043】
また、これらのリンク情報ファイルFSiが統合されて、統合リンク情報ファイルFTが生成される(図1参照)。
【0044】
この結果、統合リンク情報ファイルFT内のしおり情報は、ボックスBX内の全電子文書ファイルDMに含まれる複数の項目の項目名の一覧情報(項目名情報)と、当該複数の項目のそれぞれに対応するリンク先の情報(リンク先情報)とを含む情報として生成される。
【0045】
なお、リンク情報ファイルFSiに含まれる情報は、リンク情報(しおり情報)を電子文書ファイル単位で纏めたものであることから、「ファイル単位リンク情報」(あるいは「ファイル単位しおり情報」)であるとも表現される。また、統合リンク情報ファイルFTに含まれる情報は、ファイル単位リンク情報を統合した情報であることから、「統合リンク情報」(あるいは「統合しおり情報」)とも称される。
【0046】
その後、適宜のタイミングで、統合リンク情報ファイルFTがMFP10からコンピュータ60へと送信される。例えば、MFP10は、統合リンク情報ファイルFTを所定の送付先ユーザUAに電子メールML等を用いて送信する。具体的には、統合リンク情報ファイルFTは、電子メールMLの添付ファイルとして送信されればよい。
【0047】
一方、当該送付先ユーザUAは、コンピュータ60を用いて当該電子メールMLをネットワークを介して受信させ、当該電子メールMLの内容をコンピュータ60の表示部66bに表示させる(図2参照)。そして、後に詳述するように、当該送付先ユーザUAは、受信した統合リンク情報ファイルFTを用いて、MFP10内の電子文書ファイルの情報を検索し、当該情報に効率的にアクセスすることが可能である。すなわち、コンピュータ60の操作者(送付先ユーザUA)は、効率的な情報検索を行うことが可能である。
【0048】
<1−2.MFPの構成>
図3は、MFP10の概略構成を示すブロック図である。
【0049】
図3の機能ブロック図に示すように、このMFP10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10は、画像形成装置であるとも表現される。
【0050】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0051】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0052】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、通信ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。また、MFP10は、この通信部4を用いて、電子メールの送受信を行うことも可能である。
【0053】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。格納部5は、1つ又は複数のボックスを有している。各ボックスは、MFP10内に設けられる格納領域(記憶領域)である。当該ボックスの中には、各種のデータファイル(電子文書ファイル)が格納される。
【0054】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP10には操作パネル6c(図1参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)6cは、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。
【0055】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムは、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワーク等を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0056】
図3に示すように、コントローラ9は、しおり情報生成部11と通信制御部12とを含む各種の処理部を実現する。
【0057】
しおり情報生成部11は、MFP10のボックス内の各電子文書ファイルに関する「しおり情報」を生成する処理部である。しおり情報生成部11は、各リンク情報ファイルFSiおよび統合リンク情報ファイルFT等を生成する。
【0058】
通信制御部12は、「しおり情報」(具体的には、統合リンク情報ファイルFT等)をコンピュータ60に送信する動作等を制御する処理部である。
【0059】
<1−3.コンピュータ(検索用端末装置)の構成>
また、コンピュータ60は、CPU、RAMおよびROMなどを備えたパーソナルコンピュータ等として構成される。当該コンピュータ60は、ネットワーク通信部を備えており、他の装置(MFP10等)とネットワーク通信することが可能である。
【0060】
コンピュータ60のCPU等において、所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)が実行されることによって、各種の処理部が実現される。具体的には、通信制御部61としおり情報取得部62と表示制御部63とを含む各種の処理部が実現される。
【0061】
通信制御部61は、MFP10との通信動作を制御する処理部である。通信制御部61は、MFP10との間で「しおり情報」に関する通信動作を行う。
【0062】
しおり情報取得部62は、MFP10から送信されてきた「しおり情報」を取得する処理部である。しおり情報取得部62は、統合リンク情報ファイルFT等を取得する。
【0063】
表示制御部63は、コンピュータ60の表示部66b(図1参照)の表示動作を制御する処理部である。表示制御部63は、取得された「しおり情報」に基づく一覧情報を表示部66bに表示させるとともに、当該一覧情報を利用した検索結果等をも表示部66bに表示させる。具体的には、表示制御部63は、一覧情報内の特定項目に関する表示指示を操作入力部66aを用いて受け付け、当該表示指示に応答して、当該特定項目に対応するリンク先の情報を「しおり情報」に基づいて取得し、リンク先の電子文書ファイルにアクセスして当該特定項目に関する情報を表示させる。
【0064】
<1−4.しおり情報生成動作>
図4は、MFP10における統合リンク情報ファイルFTの生成動作を示すフローチャートである。また、図5は、統合リンク情報ファイルFT内の各項目に関するリンク先の指定例を示す図である。これらの図を参照しながら、統合リンク情報ファイルFTの生成動作について説明する。ここでは、まず複数のリンク情報ファイルFSiがそれぞれ作成され、その後、当該複数のリンク情報ファイルFSiが統合されることによって統合リンク情報ファイルFTが生成される場合について例示する。
【0065】
MFP10は、まず、ステップS11において、格納部5内の所定のボックス(たとえば、ユーザUAのユーザボックス)BXに格納されている複数の電子文書ファイルDMi(i=1,...,N;ただし、値Nは、ボックス内の全電子文書ファイル数)の中から、処理対象の電子文書ファイルDMpを特定する。
【0066】
そして、ステップS12において、MFP10のしおり情報生成部11は、当該処理対象の電子文書ファイルDMpから、しおり情報を抽出する。
【0067】
具体的には、しおり情報生成部11は、電子文書ファイルDMp内の文字情報(文字データ)から、所定の基準でしおり項目(見出し項目)を抽出する。詳細には、所定の見出し形式を有する文字列が、見出し項目の文字列として抽出される。所定の見出し形式を有する文字列としては、たとえば、文頭(左端)に数字(「1.」、「1.1」、「1.1.1」等)を有する行の文字列(数字から始まる左詰め文字列)、または太字属性を有する一行の文字列(太字属性を有する左詰文字列)等が例示される。
【0068】
そして、このような見出し項目の抽出動作が電子文書ファイルDMpの全てについて行われると、複数のしおり項目の項目名の一覧情報(項目一覧情報)が抽出される。例えば、電子文書ファイルDM1から、「1.はじめに」、「2.××製品の概要」、...、「5.おわりに.」などの項目名が抽出される。
【0069】
また、各しおり項目は、階層化されて抽出される。たとえば、項目「1.1 ...」は、項目「1....」の下位階層項目として取得され、項目「1.1.1 ...」は、項目「1.1...」のさらに下位階層の項目として取得される。
【0070】
なお、ここでは、電子文書ファイルDMiが文字情報(文字データ)を含む場合を例示しているが、これに限定されない。例えば、当該電子文書ファイルDMiが文字データを含まない場合には、MFP10は、文字認識技術を用いて文字データを生成するようにしてもよい。具体的には、MFP10は、電子文書ファイルDMi(スキャン画像等)内に含まれる文字情報を光学的文字読取技術(OCR(Optical Character Reader)処理)によって文字データ(文字コード等)として抽出し、抽出された文字データを用いて項目名等をさらに抽出するようにしてもよい。
【0071】
また、しおり情報生成部11は、各しおり項目に対応する各リンク先(詳細には、各しおり項目に対応する情報の存在位置)を特定して、当該各リンク先に関する情報を取得する。具体的には、各しおり項目(見出し項目)の文字列の配置場所(位置)を示す位置情報が、当該見出し項目に対応するリンク先の情報LAとして取得される。図5に示すように、特定のしおり項目に対しては、当該特定のしおり項目を含む電子文書ファイルDMiのファイルパス名(MFP10のアドレス情報を含む)、電子文書ファイルDMiのファイル名、ならびに、電子文書ファイルDMi内におけるページ番号および行番号等が、当該リンク先の情報LAとして取得される。たとえば、電子文書ファイルDM1のしおり項目「1.はじめに」に関しては、電子文書ファイルDM1内のリンク位置(「第1ページの第1行」)が、ボックスBX1に関するファイルパスと電子文書ファイルDM1のファイル名とに加えて、リンク先情報LAとして取得される。なお、当該情報LAは、非可視化された状態(見えない状態)で、当該しおり項目に付随していることが好ましい。
【0072】
その後、しおり情報生成部11は、リンク情報ファイルFSpにおいて、各しおり項目に対応するリンク先の情報LAを当該各しおり項目に関連づけて記述する。これにより、各しおり項目に関するジャンプ先の情報がリンク情報ファイルFSpに付与される。すなわち、各しおり項目に対するリンクが張られる。
【0073】
このように、複数のしおり項目の項目名の一覧情報(項目一覧情報)と、当該複数の項目のそれぞれに対応するリンク先の情報(リンク先情報)とを含む「しおり情報」が取得され、電子文書ファイルDMpに対するリンク情報ファイルFSpが生成される。
【0074】
上記のような処理(ステップS11,S12)は、処理対象の電子文書データDMpを更新しつつ繰り返し実行される。具体的には、所定ボックス内の全ての電子文書ファイルDMiについて当該処理が終了したことがステップS13で判定されるまで、当該処理は繰り返される。この結果、所定ボックスBX内の全ての電子文書データDMiについて、それぞれ、リンク情報ファイルFSiが生成される。
【0075】
その後、ステップS14において、これら複数のリンク情報ファイルFSiに基づいて統合リンク情報ファイルFTが生成される。統合リンク情報ファイルFTは、たとえば3つのリンク情報ファイルFS1,FS2,FS3を統合して生成される。
【0076】
統合リンク情報ファイルFT内のしおり項目等に関する階層構造は、各しおり項目に関する階層構造の情報を利用して、再構築される。また、電子文書ファイルDMiの文書名が、各電子文書ファイルDMiのしおり項目の最上位項目よりもさらに上位の階層に記載される。
【0077】
具体的には、統合リンク情報ファイルFTにおいては、各電子文書ファイルDMiのファイル名が最上位の階層に設定され、その下位の階層において、各電子文書ファイルDMiに対応するリンク情報ファイルFSiの内容が設定される。たとえば、図1の統合リンク情報ファイルFTにおいては、電子文書ファイルDM1のファイル名が最上位に記述されるとともに、その下位に電子文書ファイルDM1の各項目名「1.×××」、「2.×××」、...が記述されている。また、電子文書ファイルDM2のファイル名が最上位に記述されるとともに、その下位に電子文書ファイルDM2の各項目名「1.×××」、「2.×××」、...が記述されている。
【0078】
このように、統合リンク情報ファイルFTは、各電子文書ファイルDMiのしおり情報と各電子文書ファイルDMiの各ファイル名とを含めて階層化された状態で生成される。
【0079】
また、統合リンク情報ファイルFT内の各項目に対するリンク先情報LAとしては、各リンク情報ファイルFSiにおける対応リンク先情報LAと同じ内容の情報が用いられる。当該各リンク先情報LAは、非可視化された状態(見えない状態)で、当該しおり項目に関連づけられていることが好ましい。換言すれば、統合リンク情報ファイルFTが表示部66bに表示される際には、各リンク先情報LAは非可視化されることが好ましい。なお、後述するように、操作ユーザUAによって、統合リンク情報ファイルFT内の或るしおり項目が選択されると、上記の情報LAに基づいてリンク先の位置が特定され、当該しおり項目のリンク先の内容(情報)が当該選択操作に応じて表示される。すなわち、当該選択操作に応じて、対応ファイルの対応ページの対応位置(行)にジャンプする動作が実行される。
【0080】
<1−5.しおり情報送信動作>
上述のようにして、統合リンク情報ファイルFTが生成されると、MFP10は、適宜のタイミングで、コンピュータ60に当該統合リンク情報ファイルFTを送信する。
【0081】
例えば、MFP10は、ユーザUAによって指定された時刻(指定時刻)に統合リンク情報ファイルFTをコンピュータ60へと送信するようにすればよい。具体的には、ユーザUAは、まず当該指定時刻(設定時刻)として、電子文書ファイル検索動作(後述)を開始する予定時刻よりも所定時間(5分程度)前の時刻を、MFP10において予め設定しておく。そして、MFP10は、当該指定時刻の到来に応答して、統合リンク情報ファイルFTをコンピュータ60へと送信する。これによれば、ユーザUAは、指定時刻における最新の統合リンク情報ファイルFTを効率的に取得できる。そして、当該ユーザUAは、当該最新情報を用いて電子文書ファイル検索動作を実行することができる。なお、当該指定処理は、1回の送信動作の実行時刻のみが指定されるものであってもよく、複数回の送信動作の実行時刻が指定されるものであってもよい。また、複数回の送信動作の実行時刻は、定期的な時刻(1日に1回、午前9時等)として指定されるようにしてもよく、あるいは、非定期的な時刻として指定されるようにしてもよい。
【0082】
また、MFP10は、統合リンク情報ファイルFTを所定の送付先ユーザUAに電子メールML(図1参照)等を用いて送信する。たとえば、統合リンク情報ファイルFTは、電子メールMLの添付ファイルとして送信される。
【0083】
<1−6.電子文書ファイル検索動作および電子文書ファイル閲覧動作>
一方、送付先ユーザUAは、コンピュータ60を用いて電子メールMLをネットワークを介して受信させ、電子メールMLの内容をコンピュータ60の表示部66bに表示させる。具体的には、送付先ユーザUAは、受信した統合リンク情報ファイルFT内のしおり情報を用いて、MFP10内の電子文書ファイルの中から所望の情報を検索する。詳細には、統合リンク情報ファイルFTに含まれる項目一覧情報(MFP10の電子文書ファイルに関する各項目の項目名の一覧情報)を閲覧して所望の情報を検索することができる。また、当該項目一覧内の所望の項目が選択されることによって、当該項目のリンク先の情報が表示される。これにより、コンピュータ60の操作者(送付先ユーザUA)は、MFP10内に格納された情報を効率的に検索することが可能である。
【0084】
以下では、このような検索動作等について説明する。
【0085】
図6は、電子メールMLに添付された統合リンク情報ファイルFTを、コンピュータ60にてオープンし、統合リンク情報ファイルFTの情報がコンピュータ60の表示部66bに表示されている状態を示す図である。
【0086】
図6に示すように、統合リンク情報ファイルFTにおいては、MFP10の所定ボックス内の複数の電子文書ファイルDMiのそれぞれに関する「しおり情報」(詳細には項目名等)が表示されている。
【0087】
これによれば、或る電子文書ファイルDMk内の複数の項目の項目名が一覧表示されているので、操作ユーザUAは、当該電子文書ファイルDMk内にどのような情報が存在するかをより効率的に知得することができる。詳細には、如何なる情報が電子文書ファイルDMk内に存在するかを大まかに知得することが可能である。端的に言えば、電子文書ファイルDMk内の項目名称が一覧表示されるため、操作ユーザUAは、MFP10に記憶された電子文書ファイルDMkの情報を大まかに把握し易い。
【0088】
特に、図6においては、ボックスBXに記憶された複数の電子文書ファイルDMiについての複数の項目の項目名が一覧表示されているので、操作ユーザUAは、複数の電子文書ファイルDM内にどのような情報が存在するかをより効率的に知得することができる。端的に言えば、ボックスBX内の電子文書ファイルDMiの項目名称が一覧表示されるため、操作ユーザUAは、MFP10のボックスBX内に記憶された情報を大まかに把握し易い。また特に、当該複数の項目の項目名が階層化された状態で表示されるので、操作者は効率的な検索作業を行うことが可能である。
【0089】
このように、操作ユーザUAは、統合リンク情報ファイルFTを参照して、どのような内容がMFP10の所定ボックス内に存在するかを項目名を目視で確認しつつ、項目名に基づいて所望の情報の有無等を検索することができる。
【0090】
また、各項目名にはリンクが張られており、所望の項目名がマウス等でクリックされると、当該項目名に対応するリンク先へのジャンプ動作が実現される。
【0091】
具体的には、コンピュータ60の表示部66bに表示されていた一覧情報内の複数の項目のうちの特定項目に関する表示指示がコンピュータ60の操作入力部66a等によって受け付けられる。そして、コンピュータ60は、当該特定項目に関する表示指示に応答して、当該特定項目に対応するリンク先の情報LAを統合リンク情報ファイルFTに基づいて取得し、リンク先の電子文書ファイルにアクセスして当該特定項目に関する情報を表示する。
【0092】
詳細には、統合リンク情報ファイルFT内の或るしおり項目が選択されると、当該しおり項目に対応するリンク先情報LAに基づいてリンク先の位置が特定され、当該しおり項目のリンク先の内容(情報)が当該選択操作に応じて表示される。より詳細には、コンピュータ60は、リンク先情報LA内の「ファイルパス」と「ファイル名」とに関する情報に基づいて、電子文書ファイルDMの存在場所(格納場所)を特定し、当該電子文書ファイルDMをオープンすることができる。さらに、コンピュータ60は、リンク先情報LA内に記述された、「ページ番号」および「行番号」に関する情報に基づいて、当該電子文書ファイルDMiでのリンク先を特定し、当該電子文書ファイルDMの項目に対応する部分を表示させることができる。
【0093】
たとえば、統合リンク情報ファイルFT(図6)において、文書DM1に関するしおり項目「2.××製品の概要」がマウスでクリックされると、コンピュータ60は、当該しおり項目のリンク先情報LAに従ってリンク先の電子文書ファイルDM1(MFP10のボックスBX内のファイル)にアクセスする。そして、コンピュータ60は、当該電子文書ファイルDM1内の所定位置(例えば第2ページの第10行)付近の情報を表示する(図7参照)。なお、図7は、リンク先の電子文書ファイルDM1のしおり項目「2.××製品の概要」を含むページが表示部66bに表示されている状態、を示す図である。
【0094】
このような操作によれば、操作ユーザUAは、しおり情報を参照しながら、より効率的に情報にアクセスすることが可能である。
【0095】
<1−7.第1実施形態の変型例>
上記第1実施形態においては、コンピュータ60が、MFP10から受信した統合リンク情報ファイルFTに基づいて一覧情報を表示部66bに表示するとともに、一覧情報内の特定項目に対する選択操作に応答して当該特定項目に対応するリンク先の情報を表示部66bに表示する場合を例示した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。
【0096】
たとえば、コンピュータ60のユーザからの要求に応じて、MFP10が、当該MFP10内に格納されている統合リンク情報ファイルFTを用いて項目選択用画面(一覧情報表示画面)の表示用データを作成し、当該表示用データをコンピュータ60に転送して、コンピュータ60の表示部66bに項目選択用画面を表示させるようにしてもよい。換言すれば、統合リンク情報ファイルFT内のしおり情報が、項目選択用画面の表示用データに変換された状態で、コンピュータ60に送信されるようにしてもよい。そして、当該表示用データに基づく項目選択用画面を用いて特定項目の選択操作が行われ、当該選択操作に応じた情報がコンピュータ60の表示部66bに表示されるようにしてもよい。
【0097】
図8〜図10は、このような変形例を示す図である。図8は、項目選択用画面GCを示す図である。また、図9は、項目選択用画面GCでの選択結果に応じて、コンピュータ60の表示部66bに表示される表示画面GDを示す図である。さらに、図10は、当該変型例に係るシステム100(100C)の構成を示す図である。
【0098】
この変型例においては、以下のような動作が実行される。
【0099】
まず、コンピュータ60の操作ユーザが、統合リンク情報ファイルFTを用いて文書DM3内の任意の項目を選択する。コンピュータ60は、当該文書DM3のしおり情報を表示すべき旨の指示が付与されたものとみなして、MFP10に対して文書DM3のしおり情報の表示指令を送信する。
【0100】
一方、MFP10は、当該表示指令を受信すると、MFP10内に格納されている統合リンク情報ファイルFTを用いて、文書DM3(「仕様書.doc」)に関する項目選択用画面GC(図8)の表示用データを作成し、当該表示用データをコンピュータ60に転送する。当該表示用データは、画面生成部15(図10参照)によって生成され、通信制御部12等によってコンピュータ60へと送信される。このように、この変型例では、コンピュータ60の操作ユーザによる文書DM3内の任意項目の選択操作は、当該項目の表示指示ではなく、文書DM3に関する項目選択用画面GCの表示指示であるとみなされるものとする。
【0101】
コンピュータ60は、当該表示用データを受信すると、当該表示用データに基づいて、コンピュータ60の表示部66bに項目選択用画面GCを表示する(図8)。この項目選択用画面GCにおいては、表示用データに変換された「しおり情報」に基づいて、MFP10内の電子文書ファイル(DM3)に関する複数の項目の項目名(一覧情報)が表示される。図8においては、電子文書ファイルDM3に関する、「1.概要」、「2.目的」、「3.お知らせ」、「4.ニュース」などの複数の項目が表示されている。
【0102】
以後、項目選択用画面GCを用いて、上記第1実施形態と同様の動作が実行される。
【0103】
具体的には、これら複数の項目名のうちの特定項目に関する表示指示がコンピュータ60によって受け付けられる。具体的には、コンピュータ60の操作ユーザが、項目選択用画面GCに表示された複数の項目(選択肢)の中から文書DM3内の所望の項目(例えば「4.ニュース」)をマウスクリック等によって選択する。当該選択操作に応じて、コンピュータ60は、当該文書DM3内の選択項目の詳細情報を表示すべき旨の指示が付与されたものとみなして、MFP10に対して文書DM3の特定項目(「4.ニュース」等)の表示指令を送信する。
【0104】
MFP10は、当該特定項目に関する表示指示に応答して、MFP10内の統合リンク情報ファイルFTに基づいて、当該特定項目に対応するリンク先の情報LAをコンピュータ60に返信する。一方、コンピュータ60は、受信した情報LAに基づいて、リンク先の電子文書ファイルにアクセスして当該特定項目(「4.ニュース」等)に関する情報を表示する(図9参照)。
【0105】
このような操作によれば、操作ユーザUAは、MFP10によって作成された表示用データを「しおり情報」として参照しながら、効率的に情報を検索することが可能である。
【0106】
なお、ここでは、コンピュータ60で受信された統合リンク情報ファイルFTを介して、項目選択用画面GCの表示用データの送信要求を送信する場合を例示しているが、これに限定されない。統合リンク情報ファイルFTを介することなくコンピュータ60からMFP10へと直接的に項目選択用画面GCの表示用データの送信要求を送信するようにしてもよい。たとえば、コンピュータ60側での特定文書DM3の指定操作(詳細には、所定画面内の「しおり項目表示ボタン」(不図示)を押下し、特定文書DM3に関する「しおり項目」を表示すべき旨を要求するユーザ操作等)に応じて、文書DM3に関する項目選択用画面GCの表示用データの送信要求がコンピュータ60からMFP10へと送信されるようにしてもよい。そして、MFP10は、上記と同様にして、当該送信要求に応じて、当該MFP10内に格納されている統合リンク情報ファイルFTを用いて、文書DM3に関する項目選択用画面GC(図8)の表示用データを作成し、当該表示用データをコンピュータ60に転送するようにすればよい。
【0107】
また、上記第1実施形態においては、統合リンク情報ファイルFTが電子メールを用いて送信される場合(メール送信される場合)を例示したが、これに限定されない。たとえば、統合リンク情報ファイルFTが、ネットワーク通信を用いて、ネットワークを介してMFP10からコンピュータ60内の所定のフォルダへと送信されるようにしてもよい。当該ネットワーク通信としては、FTP(File Transfer Protocol)通信あるいはSMB(Server Message Block)通信等の各種プロトコルによるものが例示される。
【0108】
また、上記第1実施形態においては、統合リンク情報ファイルFTが送信される場合を例示したが、これに限定されない。例えば、各リンク情報ファイルFSiが個別に送信されるようにしてもよい。そして、各リンク情報ファイルFSiをそれぞれ用いて、各電子文書ファイルDMi内の情報検索動作等を行うようにしてもよい。
【0109】
また、上記第1実施形態においては、統合リンク情報ファイルFTがユーザUAによる指定時刻に送信される場合を例示したが、これに限定されない。
【0110】
例えば、MFP10の所定ボックス内のファイル情報の更新タイミングに同期して、更新後のしおり情報がコンピュータ60に送信されるようにしてもよい。詳細には、MFP10は、ボックスBX内のファイル情報の更新の有無を常時検出し、ファイル情報が更新された際に、当該更新ファイル(追加ファイル、変更ファイル、および/または削除ファイル)に対応するリンク情報ファイルFSiを更新する。また、MFP10は、更新されたリンク情報ファイルFSiを用いて、統合リンク情報ファイルFTを更新し、更新された統合リンク情報ファイルFTを直ちにMFP10からコンピュータ60へと送信する。これによれば、ユーザUAは、更新後のしおり情報をボックス内の電子文書ファイルの更新タイミングごとに受信することができる。したがって、最新の情報に基づいて情報検索動作を行うことが可能である。
【0111】
あるいは、ユーザUAが所望のタイミングでコンピュータ60を用いて送信要求指令をMFP10に送信するとともに、MFP10が、コンピュータ60からの当該送信要求指令に応答して、統合リンク情報ファイルFT等をコンピュータ60に向けて送信するようにしてもよい。換言すれば、コンピュータ60のユーザによる送信要求操作入力に基づく送信指示に応答して、統合リンク情報ファイルFT等がコンピュータ60に向けて送信されるようにしてもよい。
【0112】
また、上記第1実施形態においては、統合リンク情報ファイルFTを送信する一方で、MFP10のボックスBX内の電子文書ファイルDMiは、コンピュータ60に送信されない場合を例示したが、これに限定されない。
【0113】
例えば、所定の条件が充足される場合には、統合リンク情報ファイルFTとともにリンク先の電子文書ファイル(MFP10の所定ボックス内の電子文書ファイルDMi(厳密には当該電子文書ファイルDMiのコピーファイル))もが、コンピュータ60に送信されるようにしてもよい。そして、MFP10から送信されてきたリンク先ファイル(厳密には当該リンク先ファイルのコピーファイル)と統合リンク情報ファイルFTとを用いて、MFP10のボックス内の電子文書ファイルにアクセスすることなく、当該電子文書ファイル(コピーファイル)の特定項目に関する情報を表示するようにしてもよい。これによれば、コンピュータ60は、情報表示時にMFP10にアクセスすることを要しないので、当該情報を即時に表示することが可能である。
【0114】
詳細には、送信すべき電子文書ファイルのデータ量が所定の閾値よりも小さいとの条件が充足されるときに、当該電子文書ファイルのコンピュータ60への送信が許可されることが好ましい。一方、送信すべき電子文書ファイルのデータ量が所定の閾値よりも大きいときには、当該電子文書ファイルのコンピュータ60への送信が行われないようにすることが好ましい。このときには、上記第1実施形態と同様に、MFP10内の電子文書ファイルへの直接アクセスが行われればよい。
【0115】
なお、このような変形例においては、統合リンク情報ファイルFTにおけるリンク先情報LA内のファイルパス名は適宜に変更されることが好ましい。具体的には、当該リンク先情報LAにおいては、送信先の所定フォルダ(コンピュータ60のフォルダ)内に格納された電子文書ファイルが、リンク先として指定されることが好ましい。たとえば、ネットワーク通信(FTP通信等)を用いてMFP10からコンピュータ60内の所定のフォルダ(送信先フォルダ)へと電子文書ファイルDMiが送信される状況を想定すると、次のようなファイルパス名が設定されることが好ましい。具体的には、リンク先情報LA内のファイルパス名としては、電子文書ファイルDMiの格納元のMFP10のファイルパス名に代えて、電子文書ファイルDMiの送信先フォルダ(送信先のコンピュータ60内の所定フォルダ)のファイルパス名が記述されればよい。
【0116】
<2.第2実施形態>
<2−1.画像形成装置内のデータ検索動作>
この第2実施形態においては、MFPのボックス内に格納された電子文書ファイルの検索技術について説明する。
【0117】
図11は、第2実施形態に係る検索システム100Bの概要を示す概念図であり、図12は、検索システム100B内のMFP(画像形成装置)10Bに関する概略構成を示すブロック図である。検索システム100Bは、第1実施形態に係る検索システム100Aと類似の構成を有しており、図12においては、同一構成部分に対しては同一符号を付して示している。以下では、検索システム100Aとの相違点を中心に説明する。
【0118】
検索システム100Bは、MFP10B内に格納された情報をコンピュータ60Bを用いて検索するシステムである。詳細には、検索システム100Bは、MFP10Bのボックスに格納された複数の電子文書ファイルの中から、所望の属性を有する電子文書ファイルを検索する検索システムである。この検索システム100Bにおいては、後述するように、MFP10B内の各電子文書ファイルDMiに関する属性情報LBiを纏めた属性情報ファイルFXが生成され、当該属性情報ファイルFXを用いて検索処理(絞り込み検索処理)が実行される。これにより、効率的な検索処理が実行される。
【0119】
図12に示すように、MFP10Bのコントローラ9(9B)は、属性情報生成部21と通信制御部22とを備える。
【0120】
属性情報生成部21は、MFP10Bのボックス内の各電子文書ファイルDMiの属性情報LBiを取得して、属性情報ファイルFX(後述)を生成する処理部である。また、通信制御部22は、コンピュータ60(60B)からの送信指令に応答して、当該属性情報ファイルFX(属性情報)を端末装置に送信する処理部である。
【0121】
また、コンピュータ60Bは、操作入力部66a(図11)と通信制御部71と検索部72と表示制御部73とを備える。通信制御部71と検索部72と表示制御部73とは、コンピュータ60BのCPU等においてプログラムを実行することによって機能的に実現される処理部である。
【0122】
操作入力部66aは、抽出すべき電子文書ファイルの属性である特定属性の指定入力を受け付ける処理部である。
【0123】
通信制御部71は、MFP10Bとの通信動作を制御する処理部であり、MFP10Bのボックス内の電子文書ファイルに関する属性情報(後述)を取得する。
【0124】
検索部72は、ボックス内の複数の電子文書ファイルの中から所望の電子文書ファイルを検索する検索処理を実行する処理部である。検索部72は、操作入力部66aにより入力された指定属性(後述)と通信制御部71により取得された属性情報とを用いて、指定属性を有する電子文書ファイルを検索する。
【0125】
表示制御部73は、表示部66bにおける表示動作を制御する処理部である。表示制御部73は、検索部72による検索結果を表示部66b(図11)に表示する表示動作等を制御する。
【0126】
図11に示すように、MFP10Bの格納部5内のボックスBX(BX1とも称する)には、複数の電子文書ファイルDM1〜DM6等が格納されている。なお、これらの複数の電子文書ファイルとしては、第1実施形態と同様、種々の型式のデータファイルが想定される。また、ここでは、属性情報ファイルFXを用いて、単一のMFP10B内の複数の電子文書ファイルの中から、適宜の電子文書ファイルを検索する処理について説明する。
【0127】
当該検索処理に先立って、MFP10Bにおいて、各電子文書ファイルDMに関する属性情報を纏めた属性情報ファイルFXがMFP10によって予め生成される。
【0128】
以下では、まず、この属性情報ファイルFXの生成処理について説明する。
【0129】
この属性情報ファイルFXは、属性情報生成部21(図12)によって生成される。具体的には、属性情報生成部21は、MFP10Bのボックス内の各ファイルの属性情報LBiを取得して、属性情報ファイルFXを生成する。
【0130】
各電子文書ファイルDMiの属性情報LBiとしては、「ファイル名」、「ファイル形式」、「ファイルサイズ」、「ファイル生成時刻」、「生成ユーザ名」および「ジョブ種別」などの各種の情報が例示される。なお、「生成ユーザ名」は、当該ファイルを生成したユーザ名であり、「ジョブ種別」は、当該ファイル生成時に実行されたジョブ種別(たとえば、ファクシミリ通信ジョブ、コピージョブ、スキャンジョブ、メール送信ジョブ等)を示す情報である。「ジョブ種別」は、ファイル生成原因に係るジョブ種別であるとも表現される。
【0131】
属性情報生成部21は、各電子文書ファイルDMiの属性情報LBiをそれぞれ取得するとともに、各属性情報LBiを纏めて属性情報ファイルFXを生成する。属性情報ファイルFXは、種々の型式のファイルとして形成され得るが、ここでは、テキスト形式のファイルとして形成される場合を例示する。
【0132】
たとえば、テキスト形式の属性情報ファイルFXにおいては、各電子文書ファイルDMiの属性情報LBiがそれぞれ同一行内に羅列されて記載される。また、同一の属性情報LBi内において、複数の種類の属性がカンマ(,)等で区分されて記載される。
【0133】
詳細には、第1の電子文書ファイルDM1の属性情報LB1が属性情報ファイルFX内の第1行に記載され、第2の電子文書ファイルDM2の属性情報LB2が属性情報ファイルFX内の第2行に記載される。同様に、第i番目の電子文書ファイルDMiの属性情報LBiは、属性情報ファイルFXの第i行に記載される。また、第i行においては、電子文書ファイルDMiの複数の種類の属性情報(「ファイル名」、「ファイル形式」、「ファイルサイズ」、「ファイル生成時刻」、「生成ユーザ名」および「ジョブ種別」など)がカンマで区分されて記述される。
【0134】
属性情報生成部21は、このようにして属性情報ファイルFXを生成し、当該属性情報ファイルFXを格納部5に格納する。
【0135】
つぎに、この属性情報ファイルFXを用いた検索動作について説明する。
【0136】
コンピュータ60Bにおいては、検索用アプリケーションソフトウエアプログラムが起動しており、図13に示す検索用ダイアログALが表示部66bに表示されているものとする。そして、この検索用ダイアログALを用いて検索処理が実行される。なお、ここでは、MFP10Bが検索対象装置であることが予め設定されており、且つ、検索実行ユーザUBによる予めMFP10Bへのログイン動作が完了しているものとする。
【0137】
このダイアログALには、第1の条件指定領域R1が設けられている。第1の条件指定領域R1は、属性種類指定欄RA1と属性名称指定欄RB1とを有している。属性種類指定欄RA1では、「ファイル名」、「ファイル形式」、「ファイルサイズ」、「ファイル生成年月日」、「ファイル生成時刻」、「生成ユーザ名」および「ジョブ種別」などの複数の種類のうちのいずれかの内容が指定され得る。属性名称指定欄RB1では、属性種類指定欄RA1で指定された属性種類に関する具体的な内容(属性)が指定される。
【0138】
また、このダイアログALには、第2の条件指定領域R2がさらに設けられている。第2の条件指定領域R2は、属性種類指定欄RA2と属性名称指定欄RB2と有している。属性種類指定欄RA2は、属性種類指定欄RA1と同様の指定欄(入力欄)であり、属性名称指定欄RB2は、属性名称指定欄RB1と同様の指定欄(入力欄)である。この第2の条件指定領域R2と第1の条件指定領域R1とを用いることによって、2つの条件の論理積による検索動作(いわゆるAND検索)が実行され得る。
【0139】
このようなダイアログALと操作入力部66aとを用いて、操作ユーザUBは、抽出すべきファイルの属性を指定することができる。換言すれば、コンピュータ60Bは、抽出すべきファイルの属性の指定入力を操作入力部66a等を用いて受け付けることができる。図13においては、属性種類指定欄RA1において「ジョブ種別」が指定され、属性種類指定欄RB1において「ファクシミリ通信ジョブ」が指定され、属性種類指定欄RA2おいて「作成日付」が指定され、属性種類指定欄RB1において「2010年3月15日」が指定されている状態が示されている。
【0140】
操作ユーザUBがこのような指定入力を行った後に、検索開始ボタンBN21を押下すると、コンピュータ60Bは次のような動作を実行する。
【0141】
具体的には、まず、コンピュータ60Bは、MFP10Bに対して、属性情報ファイルFXを自機(コンピュータ60B)へ向けて送信すべき旨の送信指令を送出する。
【0142】
一方、MFP10Bは、コンピュータ60Bからの当該送信指令に応答して、属性情報ファイルFXをコンピュータ60Bに送信する。
【0143】
コンピュータ60は、属性情報ファイルFXを受信すると、当該属性情報ファイルFXを用いて検索動作を実行する。具体的には、MFP10Bから送信されてきた属性情報ファイルFXと操作入力部66a等により入力された指定属性(「ファクシミリ通信ジョブ」且つ「2010年3月15日」)とを用いて、ボックスBX内の複数の電子文書ファイルの中から、当該指定属性を有するファイルを検索(絞り込み検索)する。そして、コンピュータ60は、その検索結果を表示部66bに表示する(図14参照)。
【0144】
図14においては、MFP10BのボックスBX内の複数の電子文書ファイルのうち、「ファクシミリ通信ジョブ」によって「2010年3月15日」に生成された電子文書ファイルを抽出する検索動作の検索結果RE10が示されている。
【0145】
以上のような態様によれば、MFP10BのボックスBXの各電子文書ファイルDMの属性情報を纏めた属性情報ファイルFXを用いて、ユーザによって指定された特定属性に対応する電子文書ファイルが適切に抽出される。したがって、より効率的な検索動作が可能である。特に、MFP10Bに特有の属性情報(「生成ユーザ名」および「ジョブ種別」など)に基づく検索動作が実行されるため、より有用な検索動作を実行することが可能である。
【0146】
<2−2.複数の画像形成装置内のデータ検索動作>
上記においては、単一のMFP(画像形成装置)10B内のデータを検索する場合を例示したが、これに限定されない。以下では、複数のMFP10B内のデータを検索する場合を例示する(図15参照)。
【0147】
ここでも、検索用ダイアログAL(図13)を用いて検索処理が実行される場合を例示する。ただし、ここでは、別途の設定画面(不図示)を用いて複数(2台)のMFP10Bが検索対象装置として予め設定されているとともに、検索実行ユーザUBによって複数のMFP10Bのそれぞれへのログイン動作が完了しているものとする。なお、コンピュータ60Bと複数のMFP10Bとはそれぞれネットワークを介して接続されており、ネットワーク通信を行うことが可能である。
【0148】
また、一方のMFP10Bにおいて属性情報ファイルFX(FX1)が生成され格納されているとともに、他方のMFP10Bにおいても属性情報ファイルFX(FX2)が生成され格納されているものとする。属性情報ファイルFX2は、当該他方のMFP10BのボックスBX(BX2)に格納された複数の電子文書ファイルDMjに関する属性情報を纏めたファイルである。
【0149】
さて、上記と同様にして操作ユーザUBがダイアログAL等を用いた指定入力を行った後に、検索開始ボタンBN21を押下すると、コンピュータ60Bは次のような動作を実行する。
【0150】
具体的には、まず、コンピュータ60Bは、複数(ここでは2台)のMFP10Bのそれぞれに対して、属性情報ファイルFXを自機(コンピュータ60B)へ向けて送信すべき旨の送信指令を送出する。
【0151】
一方、各MFP10Bは、それぞれ、コンピュータ60Bからの当該送信指令に応答して属性情報ファイルFX(詳細には、FX1,FX2)をコンピュータ60Bに送信する。具体的には、一方のMFP10Bは属性情報ファイルFX1をコンピュータ60Bに送信し、他方のMFP10Bは属性情報ファイルFX2をコンピュータ60Bに送信する。
【0152】
コンピュータ60は、各MFP10Bからそれぞれ属性情報ファイルFX(FX1,FX2)を受信すると、当該各属性情報ファイルFX(FX1,FX2)を用いて検索動作を実行する。具体的には、複数のMFP10Bから送信されてきた属性情報ファイルFX1,FX2と操作入力部66a等により入力された指定属性(「ファクシミリ通信ジョブ」且つ「2010年3月15日」)とを用いて、2つのMFP10Bの各ボックスBX(BX1,BX2)に格納された複数の電子文書ファイルの中から、当該指定属性を有するファイルを検索する。そして、コンピュータ60は、その検索結果を表示部66bに表示する(図16参照)。
【0153】
図16においては、ボックスBX1,BX2内の複数の電子文書ファイルのうち、「ファクシミリ通信ジョブ」によって「2010年3月15日」に生成された電子文書ファイルを抽出する検索動作の検索結果が示されている。詳細には、一方のMFP10BのボックスBX1に関する検索結果RE21が画面内上側に示されており、他方のMFP10BのボックスBX2に関する検索結果RE22が画面内下側に示されている。
【0154】
以上のように、上記のような態様によれば、複数のMFP10BのボックスBXの各電子文書ファイルDMの属性情報を纏めた属性情報ファイルFX1,FX2を用いて、ユーザによって指定された特定属性に対応する電子文書ファイルが適切に抽出される。したがって、より効率的な検索動作が可能である。特に、MFP10Bに特有の属性情報(「生成ユーザ名」および「ジョブ種別」など)に基づく検索動作が実行されるため、より有用な検索動作を実行することが可能である。また特に、一回の検索開始指示に応じて、複数のMFP10Bに亘る検索動作が実行され、その検索結果が一覧表示されるので、効率的な検索動作が実現される。
【0155】
なお、ここでは、2台のMFP10Bに亘る検索動作を行う場合について説明したが、これに限定されず、3台以上のMFP10Bに亘る検索動作を行うようにしてもよい。
【0156】
<2−3.第2実施形態の変型例>
上記第2実施形態においては、2つの条件に関する「AND検索」を行う場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、3つ以上の条件に関する「AND検索」を行うようにしてもよい。あるいは逆に、単一の条件のみに基づく検索動作を行うようにしてもよい。
【0157】
また、「AND検索」ではなく、複数の条件に関する「OR検索」(複数の条件に関する論理和による検索)を行うようにしてもよい。さらには、「AND検索」と「OR検索」とを組み合わせて実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0158】
6a,66a 操作入力部
6b,66b 表示部
10,10B MFP(画像形成装置)
60,60B コンピュータ
100,100A,100B,100C 検索システム
AL 検索用ダイアログ
BN21 検索開始ボタン
BX,BX1,BX2 ボックス
DMi 電子文書ファイル
FSi リンク情報ファイル
FT 統合リンク情報ファイル
FX,FX1,FX2 属性情報ファイル
GC 項目選択用画面
LAi リンク先情報
LBi 属性情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に格納された情報を検索する検索システムであって、
データ記憶領域であるボックスを有する画像形成装置と、
前記画像形成装置にネットワークを介して接続される検索用の端末装置と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記ボックスに格納された電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報を含むしおり情報を格納する格納手段と、
前記しおり情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記しおり情報は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれに関する前記一覧情報を含むことを特徴とする検索システム。
【請求項3】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記しおり情報は、前記ボックスに格納された前記電子文書ファイル内の各項目に対応するリンク先の情報をさらに含むことを特徴とする検索システム。
【請求項4】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記しおり情報は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれに関する前記一覧情報と前記複数の電子文書ファイルのそれぞれの各項目に対応するリンク先の情報とを含むことを特徴とする検索システム。
【請求項5】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記電子文書ファイル内の項目情報を抽出して前記しおり情報を生成するしおり情報生成手段、
をさらに有することを特徴とする検索システム。
【請求項6】
請求項5に記載の検索システムにおいて、
前記しおり情報生成手段は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれに関する前記一覧情報を含むファイル単位しおり情報を前記複数の電子文書ファイルのそれぞれについて生成するとともに、前記複数の電子文書ファイルについて生成された複数のファイル単位しおり情報を統合した統合しおり情報を前記しおり情報として生成することを特徴とする検索システム。
【請求項7】
請求項5に記載の検索システムにおいて、
前記しおり情報生成手段は、前記ボックスに格納された複数の電子文書ファイルのそれぞれについて、各電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報と前記各電子文書ファイル内の各項目に対応するリンク先の情報とに関するファイル単位リンク情報を生成するとともに、前記複数の電子文書ファイルについて生成された複数のファイル単位リンク情報を統合した統合リンク情報を前記しおり情報として生成することを特徴とする検索システム。
【請求項8】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記端末装置は、
前記画像形成装置から送信されてきた前記しおり情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記しおり情報に含まれる前記一覧情報を表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする検索システム。
【請求項9】
請求項3に記載の検索システムにおいて、
前記端末装置は、
前記画像形成装置から送信されてきた前記しおり情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記しおり情報に含まれる前記一覧情報を表示する表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、
前記しおり情報に基づき前記電子文書ファイルに関する複数の項目の項目名を表示して前記複数の項目のうちの特定項目に関する表示指示を受け付け、
前記特定項目に対応するリンク先の情報に基づき前記表示指示に応答して前記リンク先の電子文書ファイルにアクセスして得られた前記特定項目に関する情報を表示することを特徴とする検索システム。
【請求項10】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記送信手段は、前記しおり情報をメール送信によって前記端末装置に送信することを特徴とする検索システム。
【請求項11】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記送信手段は、ネットワーク通信によって、前記しおり情報を前記端末装置の所定フォルダに送信することを特徴とする検索システム。
【請求項12】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記電子文書ファイル内の複数の項目の中から所望の項目を選択するための項目選択用画面の表示用データを前記しおり情報に基づいて生成する画面生成手段、
をさらに有し、
前記送信手段は、前記表示用データに変換された前記しおり情報を前記端末装置に送信することを特徴とする検索システム。
【請求項13】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記送信手段は、前記ボックス内のファイル情報の更新タイミングに同期して、更新後の前記しおり情報を前記端末装置に送信することを特徴とする検索システム。
【請求項14】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記送信手段は、予め設定された指定時刻に、前記しおり情報を前記端末装置に向けて送信することを特徴とする検索システム。
【請求項15】
請求項1に記載の検索システムにおいて、
前記送信手段は、前記端末装置のユーザによる送信要求操作入力に基づく送信指示に応答して、前記しおり情報を前記端末装置に向けて送信することを特徴とする検索システム。
【請求項16】
請求項9に記載の検索システムにおいて、
前記送信手段は、所定の条件が充足されるときには、前記電子文書ファイルのコピーファイルを前記しおり情報とともに前記端末装置に送信し、
前記表示制御手段は、前記表示指示に応答して前記コピーファイルにアクセスして得られた前記特定項目に関する情報を表示することを特徴とする検索システム。
【請求項17】
ネットワークを介して検索用の外部装置に接続される画像形成装置であって、
電子文書ファイルの記憶領域であるボックスを有する格納手段と、
前記電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報を含むしおり情報を生成する生成手段と、
前記しおり情報を前記外部装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、
前記画像形成装置内の記憶領域であるボックスに格納された電子文書ファイル内の各項目の項目名の一覧情報を含むしおり情報を生成するステップと、
前記しおり情報をネットワークを介して検索用の外部装置に送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
画像形成装置に格納された情報を検索する検索システムであって、
その内部の格納領域であるボックスに情報を格納する画像形成装置と、
前記画像形成装置にネットワークを介して接続される検索用の端末装置と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記ボックス内の各ファイルの属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記端末装置からの送信指令に応答して、前記各ファイルの前記属性情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記端末装置は、
抽出すべきファイルの属性である特定属性の指定入力を受け付ける入力手段と、
前記画像形成装置から送信されてきた前記属性情報と前記入力手段により入力された前記特定属性とに基づいて、前記ボックス内の複数のファイルの中から、前記特定属性を有するファイルを検索する検索手段と、
を有することを特徴とする検索システム。
【請求項20】
画像形成装置に格納された情報を検索する検索システムであって、
複数の画像形成装置と、
前記複数の画像形成装置にネットワークを介して接続される検索用の端末装置と、
を備え、
前記複数の画像形成装置は、それぞれ、
ファイルの記憶領域であるボックスを有する格納手段と、
前記ボックス内の各ファイルの属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記端末装置からの送信指令に応答して、前記各ファイルの前記属性情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記端末装置は、
抽出すべきファイルの属性である特定属性の指定入力を受け付ける入力手段と、
前記複数の画像形成装置からそれぞれ送信されてきた前記属性情報と前記入力手段により入力された前記特定属性とに基づいて、前記ボックス内の複数のファイルの中から、前記特定属性を有するファイルを検索する検索手段と、
を有することを特徴とする検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−239174(P2011−239174A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108901(P2010−108901)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】