楽器および演奏システム
【課題】 演奏以外の効果を発生することができる楽器において、当該効果を演奏の変化に合わせる。
【解決手段】 鍵盤楽器1を提供する。鍵盤楽器1は、キーボード11、イオン放出部14およびCPU17を有する。CPU17は、キーボード11から出力されたMIDIデータMDを受け取り、演奏された音符数を算出し、この音符数が予め定められた閾値を超えると、放出を開始させるための制御信号をイオン放出部14に送る。この制御信号を受けて、イオン放出部14はマイナスイオンを放出する。
【解決手段】 鍵盤楽器1を提供する。鍵盤楽器1は、キーボード11、イオン放出部14およびCPU17を有する。CPU17は、キーボード11から出力されたMIDIデータMDを受け取り、演奏された音符数を算出し、この音符数が予め定められた閾値を超えると、放出を開始させるための制御信号をイオン放出部14に送る。この制御信号を受けて、イオン放出部14はマイナスイオンを放出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽器および演奏システムに関する。
【背景技術】
【0002】
楽器を演奏することによって種々の楽しさが得られるが、演奏以外の効果をも与える楽器が開発されている。例えば、特許文献1に記載される楽器においては、本体が陶土で形成されるとともに、その陶土にマイナスイオンを発生する石が混入されている。これにより、演奏者は、演奏しながらマイナスイオンによる心地よさを感じることができる。
【特許文献1】特開2001−209373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の楽器においては、マイナスイオンによる快適さは、演奏とは連動性がなく、仮に演奏の抑揚があっても一定のマイナスイオン効果を与えるだけである。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、演奏以外の効果を発生することができる楽器において、当該効果を演奏の変化に合わせることができる楽器および演奏システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、演奏者によって演奏が行われる楽器体と、前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、前記演奏状態特定手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段とを有する楽器を提供する。
この楽器によれば、楽器の周囲の空気中への微粒子の放出が、楽器体の演奏状態に応じて制御される。したがって、放出される微粒子を、演奏以外の効果をもたらす微粒子とすることにより、当該効果を演奏の変化に合わせることができる。よって、この楽器を用いることにより、演奏の心地よさを向上させることができる。
【0006】
また、本発明は、演奏者によって演奏が行われる楽器体と、前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、前記楽器体から離れたところに設けられるスピーカを有し、前記楽器体の演奏を前記スピーカから放音させる音響装置と、前記楽器体から離れたところに前記スピーカと近接して設けられ、供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、前記演奏状態特定手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段とを具備する演奏システムを提供する。
この楽器によれば、音響装置の周囲の空気中への微粒子の放出が、楽器体の演奏状態に応じて制御される。したがって、放出される微粒子を、演奏以外の効果をもたらす微粒子とすることにより、当該効果を演奏の変化に合わせることができる。よって、この演奏システムを用いることにより、演奏の心地よさを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の第1〜第4実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る鍵盤楽器1の構成を示すブロック図である。
キーボード11は、複数の鍵を備えており、押された鍵のキーコードを含むノートオンメッセージや、離された鍵のキーコードを含むノートオフメッセージ等のMIDI(Musical Instruments Digital Interface)データMDを出力する。
【0008】
音源12はMIDI規格に対応しており、キーボード11からMIDIデータMDを受けて楽音を生成する。より具体的には、MIDIデータMDがノートオンメッセージの場合には当該メッセージ内のキーコードに応じた楽音の生成を開始する一方、ノートオフメッセージの場合には当該メッセージ内のキーコードに応じた楽音の消音処理をする。
スピーカ13は、音源12により生成された楽音を放音する。
【0009】
イオン放出部14は、マイナスイオン(負電荷を帯びた微粒子)を発生させて鍵盤楽器1の外部へ放出するものであり、制御信号を受けて放出を開始/停止する。マイナスイオンの発生方式は任意であり、例えば、水破砕方式(レナード方式)であってもよいし、電子放射方式であってもよいし、コロナ放電方式であってもよい。
【0010】
CPU(中央処理装置)17は、ROM15に記憶されているプログラムP1に基づいて装置各部を制御する。RAM(Random Access Memory)16はデータを一時的に保持し、CPU17のワークエリアとして使用される。タイマTは、スタートしてからの経過時間が予め定められたタイムアウト時間に達するとタイムアウト信号を出力する。
【0011】
図2は、CPU17が行う処理のフローチャートである。この図に示すように、CPU17は、まず、初期設定を行う。初期設定の一つに、RAM16に設定されている音符数レジスタを「0」にする処理がある(ステップS1)。次に、タイマTのタイムアウト信号が出力されたか否かを判定し(ステップS2)、「NO」であれば、ステップS3に移りキーボード11から信号が供給されたか否かを判定する(ステップS3)。この判定が「NO」であればステップS2に戻る。
【0012】
一方、演奏者がキーボード11を用いて演奏を開始すると、キーボード11からは演奏した鍵のキーコードを含むノートオンまたはノートオフのMIDIデータMDが出力されて音源12に入力される。音源12では入力されたMIDIデータMD内のキーコードに応じた楽音の生成および消音処理が適宜行われ、生成された楽音信号がスピーカ13から放音される。
【0013】
上述のように演奏が行われている最中においては、図2に示す処理は、ステップS2→S3→S4へと進む。そして、キーボード11から出力される信号がノートオンであれば、ステップS5に進み、ノートオン以外であれば、再びステップS2に戻る。ステップS5においては、CPU17は音符数レジスタに「1」を加算する。次に、ステップS6に進み、音符数レジスタの値が閾値を超えたか否かが判定され、「NO」であればステップS2に戻り、上述した処理を繰り返す。
以上のステップS2〜S6までの処理を繰り返すことにより、音符数レジスタの値は次第に大きくなってゆく。なお、演奏者が複数の鍵を同時に押した場合は、音符数レジスタの値は押された鍵の数だけ増加する。そして、ステップS6の処理において、音符数レジスタの値が予め設定された閾値(例えば、「1000」)を超えた場合は、ステップS7に進んでタイマをスタートさせ、また、音符数レジスタをリセットする。そして、ステップS9に進み、マイナスイオンを放出させるための制御信号を、イオン放出部14に送ってステップS2に戻る。これにより、マイナスイオンが鍵盤楽器1の外部へ放出され始める。
【0014】
以降、上述した処理が繰り返されるが、マイナスイオンが演奏者の周囲に放出されるので、その空間においては、マイナスイオン濃度が高くなる。このように、演奏がある程度進むと、マイナスイオンが演奏者の周囲に放出される。
マイナスイオンの放出はタイマTからタイムアウト信号が出力されるまで続くが、タイマTは、MIDIイベントが発生される毎にリセットされるため、演奏中においてはタイムアウト信号が出力されることはない。
【0015】
一方、演奏者が演奏を終了し、タイムアウト時間に達すると、タイマTからタイムアウト信号が出力され、CPU17は、マイナスイオンの放出を停止させるための制御信号をイオン放出部14に送る(ステップS10)。これにより、マイナスイオンの放出が停止する(ステップS2→S10)。
【0016】
以上説明したように、鍵盤楽器1は、演奏された音符数をノートオンメッセージのMIDIデータMDを用いて求め、求めた音符数が予め定められた閾値を超えると、マイナスイオンを鍵盤楽器1の周囲に放出する。ここで、演奏された音符数は演奏の進行度合いに対応しているから、鍵盤楽器1は、演奏の進行度合いを検出し、これにより演奏状態を特定している。演奏状態の特定は、閾値をどのように設定するかによるが、演奏の初めの状態、演奏が中程に進んだ状態、演奏が終盤にさしかかった状態など任意の特定ができる。また、曲がクライマックスに達するときの音符数も事前に分かるから、その値を閾値として設定すれば、演奏状態がクライマックスに達したことを特定することができる。そして、演奏状態の特定結果に応じてマイナスイオンを放出するから、例えば、演奏が中程に進んで演奏者が疲れ始めたときに、マイナスイオンによって演奏者をリラックスさせたり、曲がクライマックスに達したときに、マイナスイオンによって演奏者の緊張を適度に緩和させたり、あるいは、曲が静かな場面に入ったときに、マイナスイオンによって演奏者を心地よくさせ、その演奏を曲調に沿うように導くことができる。
【0017】
[第2実施形態]
図3は第2実施形態に係る鍵盤楽器2の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、鍵盤楽器2は、ROM21、発光部22、表示部23、楽曲選択ボタンB1、開始ボタンB2およびCPU24と、図1と共通の、キーボード11、音源12、スピーカ13、イオン放出部14およびRAM16とを有する。
【0018】
図において、CPU24は、ROM21内のプログラムP2に基づき装置各部を制御する。また、ROM21には、n曲分の楽曲データM1、M2、…、Mnが順に書き込まれており、図4に楽曲データの内容を示す。
図4に示すように、楽曲データは、楽曲の名称を示す曲名E1と、演奏者にどの鍵を押し、どの鍵を離すかという演奏案内のための押離鍵データE2を有している。押離鍵データE2は、押鍵を案内するための音符毎の押鍵データ、および離鍵を案内するための音符毎の離鍵データからなる。この場合、押鍵データは鍵のキーコードと当該鍵が押されるタイミングを示すタイミング情報を有し、離鍵データは鍵のキーコードと当該鍵が離されるタイミングを示すタイミング情報を有する。
また、楽曲データには、マイナスイオンの放出を指示する放出開始情報E3が含まれている。この放出開始情報E3は、楽曲データの開始のタイミングからの経過時間によってマイナスイオンの放出開始タイミングを示す。同様に、楽曲データには、マイナスイオンの放出を停止させる放出停止情報E4が含まれている。この放出停止情報E4は、楽曲データの開始タイミングからの経過時間によってマイナスイオンの停止タイミングを示す。
【0019】
発光部22は、キーボード11の鍵と同数のLED(Light Emitting Diode)を備えており、各LEDは対応する鍵の近傍に設置されている。これらのLEDは、点灯することで押鍵を案内し、消灯することで離鍵を案内する。表示部23は楽曲データの曲名E1を表示するためのものである。
楽曲選択ボタンB1は、楽曲データM1、M2、…、Mnから1つの楽曲データを選択するためのものであり、押下されると選択信号SB1を出力する。
開始ボタンB2は、演奏案内の開始を指示するときに押されるボタンであり、押下されると開始信号SB2を出力する。
【0020】
図5〜図8は、CPU24が行う処理のフローチャートである。
図5に示すように、CPU24は、まず、先頭の楽曲データM1を選択し(ステップS21)、選択した楽曲データM1をROM21から読み出し(ステップS22)、その曲名E1を表示部23に表示させ(ステップS23)、ステップS24に進む。ステップS24では、CPU24に何らかの信号が供給されたか否かが判定され、この判定が「YES」となるまで、ステップS24の判定処理を繰り返す。CPU24に何らかの信号が供給されると、ステップS24の判定が「YES」となり、ステップS25に進む。
【0021】
ステップS25では、CPU24に供給された信号が選択信号SB1であるか否か、すなわち、楽曲選択ボタンB1が押されたか否かが判定される。この判定が「YES」であれば、CPU24は次の楽曲データM2を選択し、ステップS22に戻る。同様にして、楽曲選択ボタンB1が押される毎に、ステップS24→ステップS25→ステップS26の処理が行われるから、楽曲データM3,M4・・・が順次選択され、かつ表示部23にその曲の曲名が表示される。ユーザは、このように楽曲選択ボタンB1を押すことにより、所望の曲を選ぶことができる。
一方、ステップS25の判定が「NO」の場合は、ステップS27に進み、CPU24が受信した信号が開始信号SB2であるか否かが判定される。この判定が「NO」であればステップS24に戻り、「YES」であればステップS28に進む。ステップS28では、CPU24は、図6に示す押離鍵案内処理、図7に示す放出開始処理および図8に示す放出停止処理を並列に実行する。
【0022】
図6の押離鍵案内処理では、CPU24は、その時点で選択されている楽曲データMk(kは1〜n)の押離鍵データE2を読み出し、そこに含まれている各押鍵データ、離鍵データのタイミング情報から処理すべきタイミングが来たか否かを判定する(ステップS32)。この判定が「NO」であれば、処理タイミングが来るまで待機し、「YES」であれば処理を開始する(ステップS33)。
そして、処理すべきタイミングに来た押離鍵データが押鍵データであれば、ステップS34の判定が「YES」となり、CPU24は、この押鍵データで示されるキーコードに対応する鍵の近傍のLEDを点灯させるように、発光部22を制御する(ステップS35)。
【0023】
一方、処理すべきタイミングに来た押離鍵データが離鍵データであれば、ステップS34の判定が「NO」となり、CPU24は、この離鍵データで示されるキーコードに対応する鍵の近傍のLEDを消灯させるように、発光部22を制御する(ステップS36)。 ステップS35またはステップS36の処理の後は、ステップS38を介してステップS32に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、押鍵すべき鍵の近傍のLEDが順次点灯し、また、離鍵すべき鍵の近傍のLEDが順次消灯する。このようにして、LEDが明滅して押離鍵が案内される。演奏者は、案内にしたがって押鍵および離鍵を行うことにより、楽曲データMkに応じた演奏を行うことができる。
以上の押離鍵案内処理は、楽曲データMkの押離鍵データE2内の全てのデータについての処理が済んだ場合に終了する(ステップS38)。
【0024】
一方、図7の放出開始処理では、CPU24は、押離鍵案内処理が開始されてからの経過時間が、選択されている楽曲データMkの放出開始情報E3で示される放出開始時間に達するのを待つ(ステップS41)。そして、経過時間が放出開始時間に達すると、ステップS41の判定結果が「YES」となり、CPU24は、イオン放出部14にマイナスイオンの放出を行わせる。
【0025】
また、図8に示す放出停止処理では、CPU24は、押離鍵案内処理が開始されてからの経過時間が、選択されている楽曲データMkの放出開始情報E3で示される放出停止時間に達するのを待つ(ステップS51)。そして、経過時間が放出停止時間に達すると、ステップS51の判定結果が「YES」となり、CPU24は、イオン放出部14に指示を出し、マイナスイオンの放出を停止する。
【0026】
以上の処理により、放出開始時間から放出停止時間までマイナスイオンが放出される。したがって、前述した第1実施形態と同様に、演奏がどれだけ進行されたか、あるいは演奏がどの部分にあるかという演奏状態を、放出開示時間および放出停止時間で特定し、この特定結果に応じてマイナスイオンを放出する。
【0027】
[第3実施形態]
図9は第3実施形態に係る鍵盤楽器3の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、鍵盤楽器3は、脈波検出センサ31、ROM32、RAM33およびCPU34と、図1と共通の、キーボード11、音源12、スピーカ13およびイオン放出部14とを有する。
【0028】
脈波検出センサ31は、耳朶から容積脈波を検出して出力するものであり、演奏者の耳朶に装着するためのクリップを有する。脈波検出センサ31と鍵盤楽器3の本体とは、脈波検出センサ31から出力された容積脈波を伝送するための信号線で接続されている。
CPU34は、ROM32からプログラムP3を読み出して実行し、装置各部を制御する。RAM33はデータを一時的に保持するためのものである。実施形態においては、CPU34は、演奏者の耳朶に装着された脈波検出センサ31から出力された容積脈波を受け取ってRAM33に書き込む処理と図10に示す放出制御処理とを並列に実行する。
【0029】
放出制御処理では、CPU34は、まず、RAM33の記憶領域にフラグFを確保し、確保したフラグFに「0」を書き込む(ステップS61)。次に、CPU34は、演奏者の気持ちの高潮度を求めるに十分な期間の容積脈波がRAM33に書き込まれているか否かを判定する(ステップS62)。脈波検出処理の開始直後では、この判定結果は「NO」となり、ステップS62の判定が繰り返される。
【0030】
ある程度の時間が経過し、ステップS62の判定結果が「YES」となると、CPU34は、RAM33に書き込まれた最新期間の容積脈波に対して周波数解析を行い、高周波成分(例えば0.04〜0.15Hzの成分)に対する低周波成分(例えば0.15〜0.4Hz)の比であるLF/HFを算出し、これを、演奏者の気持ちの高潮度とみなす(ステップS63)。次に、算出した高潮度が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する(ステップS64)。
【0031】
ステップS64の判定結果が「NO」であれば、CPU34は、フラグFが「1」であるか否かを判定する(ステップS65)。フラグFにはステップS61の処理によって「0」が書き込まれているから、この判定結果は「NO」となる。よって、処理はステップS63に戻る。
【0032】
以降、ステップS64の判定結果が「NO」となっている間、すなわち、演奏者の気持ちが高潮しておらず、平静な状態にある間は、ステップS63→ステップS64→ステップS65を循環する。
【0033】
ここで、演奏者が曲のクライマックスや思い入れのある部分の演奏に入ると、演奏者の気持ちは高潮してくる。この結果、ステップS64の判定結果が「YES」となる。そして、CPU34は、フラグFが「0」であるか否かを判定し(ステップS66)、この判定結果が「YES」となって、CPU34は、イオン放出部14にマイナスイオンの放出を行わせる(ステップS9)。次に、CPU34は、フラグFに「1」を書き込んで(ステップS67)、ステップS63に戻る。
【0034】
以降、演奏者の気持ちが高潮している間は、ステップS64の判定結果は「YES」となり続けるから、ステップS64→ステップS66→ステップS9→ステップS67の処理を循環し、イオン放出部14からマイナスイオンが放出され続ける。
【0035】
そして、演奏者の気持ちが静まると、LF/HFの値が下がる。この値が閾値以下になると、ステップS64の判定結果が「NO」となり、ステップS65においてフラグFが「1」か否かが判定される。この判定は「YES」となり、ステップS10の処理を行う。これにより、マイナスイオンの放出が停止する。次に、CPU34は、フラグFに「0」を書き込み(ステップS68)、ステップS63に戻る。以上の処理により、演奏者の気持ちが高潮している期間においてはマイナスイオンが放出される。この場合、曲のどの部分で高潮するか、また、何回高潮するかは演奏者の個性によるが、本実施形態においては、演奏者に合わせてマイナスイオンを放出することができる。
【0036】
以上説明したように、鍵盤楽器3は、演奏者の容積脈波を検出して演奏者の気持ちの高潮度を求め、この高潮度が閾値を超えると、マイナスイオンを鍵盤楽器3の周囲に放出する。演奏者の気持ちの高潮度は演奏状態(例えば、激しさ/穏やかさ)を示しているから、鍵盤楽器3は、高潮度を検出することによって演奏状態を特定し、その特定結果に応じてマイナスイオンを放出する。
【0037】
[第4実施形態]
図11は第4実施形態に係る演奏システム4の構成を示す図である。演奏システム4は、コンサート会場にて聴衆の近くに配置されたスピーカ装置5、ステージ上の鍵盤楽器6、鍵盤楽器6が発した楽音を集音するマイク7、およびマイク7で集音された楽音を増幅してスピーカ装置5へ供給するアンプ8を有する。
【0038】
スピーカ装置5は、スピーカ51および受信部52と、イオン放出部14とを有する。 スピーカ51はアンプ8から供給された楽音を放音し、受信部52は、鍵盤楽器6からの信号を受信し、受信した信号をイオン放出部14へ転送する。
【0039】
鍵盤楽器6は、送信部61、ROM62およびCPU63と、図1と共通のキーボード11、音源12、スピーカ13、RAM16およびタイマTとを有する。
送信部61は、CPU63から供給された制御信号を、イオン放出部14に宛てて、スピーカ装置5へ送信する。
CPU63は、ROM62からプログラムP4を読み出して実行し、装置各部を制御する。本実施形態においては、CPU63は、図2と同様の処理を行う。ただし、CPU63は、イオン放出部14へ制御信号を送る処理を、送信部61を用いて行う。
【0040】
この演奏システム4によれば、演奏者が鍵盤楽器6を演奏すると、この演奏に応じた楽音が音源12により生成され、スピーカ13、マイク7およびアンプ8を通じてスピーカ装置5に供給され、スピーカ51から放音される。
【0041】
その一方、鍵盤楽器6のCPU63は、鍵盤楽器6を用いて演奏された音符数(音符数レジスタの値)が閾値を超えたときに、放出を開始させるための制御信号を送信部61に供給する。この制御信号は、送信部61から送信され、スピーカ装置5の受信部52により受信されてイオン放出部14へ転送される。これにより、マイナスイオンがスピーカ装置5の周囲に放出される。そして、マイナスイオンの放出は、演奏が終了してタイマTがタイムアウトするまで続く。
【0042】
以上説明したように、演奏システム4は、鍵盤楽器6の演奏状態を検出し、検出結果に応じてマイナスイオンをスピーカ装置5の周囲に放出することによって演奏の心地よさを向上させることができる。
【0043】
[変形例]
なお、上述した第1〜第4実施形態を以下に列記するように変形してもよい。
例えば、鍵盤楽器またはスピーカ装置に、香り微粒子を放出する香り放出部を設け、マイナスイオンに代えて、香り微粒子を放出するようにしてもよい。この態様において放出される香り微粒子を、健康に良い影響を与える「ジャスミン」や「ミント」等の香り微粒子とすれば、演奏の心地よさが向上する。また、香り放出部に、香り微粒子を収容することができる複数のチャンバーと、いずれかのチャンバーの選択を指示する操作子とを設け、この香り放出部が、CPUからの制御信号を受けて、操作子によって選択されているチャンバーから香り微粒子を放出させる、というようにしてもよい。また、香り放出部に、上記の複数のチャンバーと、検出された演奏状態に応じていずれかのチャンバーの選択を指示する香り選択手段を設け、この香り放出部が、CPUからの制御信号を受けて、香り選択手段によって選択されているチャンバーから香り微粒子を放出させる、というようにしてもよい。
【0044】
また、例えば、鍵盤楽器またはスピーカ装置に、酸素濃度が30%程度の高濃度酸素空気を発生させて放出する空気放出部を設け、マイナスイオンに代えて、上記の高濃度酸素空気を放出させるようにしてもよい。高濃度酸素空気の発生方式は任意であり、例えば、酸素富化膜を用いた方式であってもよいし、濃縮酸素のスプレーを用いた方式であってもよい。高濃度酸素空気は健康に良い影響を与えるから、高濃度酸素空気を構成する気体分子もまた、健康に良い影響を与える。
【0045】
また例えば、マイナスイオン、香り微粒子、高濃度酸素空気に限らず、任意の癒し効果のある微粒子を放出するようにしてもよい。「癒し効果のある微粒子」とは、人に「癒し」を感じさせるものであり、空気中の匂い分子を吸着して無臭化する微粒子を含む概念である。また例えば、演奏状態に応じてマイナスイオン等の放出量を変化させてもよい。
また、鍵盤楽器以外の任意の楽器に適用してもよい。例えば、ギター、バイオリンなどのアコースティックの弦楽器にも適用することができる。この場合、これらの楽器の音をマイクで収音し、その検出結果から演奏状態を特定することができる。そして、演奏の継続時間や音量などに応じて微粒子の放出を制御する。
【0046】
また例えば、第1および第4実施形態において、第3実施形態と同様に、マイナスイオンの放出を演奏の激しさに応じて制御するようにしてもよい。なお、MIDIデータMDを用いて演奏の激しさを検出する方法としては、例えば、単位時間内に演奏された音符数を求めて演奏の激しさとする方法や、打鍵の強度から演奏の激しさを求める方法などがある。なお、この場合においても第1および第4実施形態においても、MIDIデータとは異なる楽音信号を用いて演奏状態を検出するようにしてもよい。
また、第2および第3実施形態を変形し、第4実施形態のように、鍵盤楽器およびスピーカ装置を有する演奏システムとしてもよく、第3実施形態において、鍵盤楽器3をアコースティック鍵盤楽器に変更してもよい。
以上のように演奏状態は、演奏者の生態情報から特定してもよく、また、アコースティック楽器であればマイクやその他のピックアップ(圧電センサなど)を用いて特定してもよい。また、MIDIデータ生成する電子楽器であれば、生成されるMIDIデータそのものが楽音信号となるから、MIDIデータ中のキーオンやキーベロシティを用いて種々の演奏状態の特定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鍵盤楽器1の構成を示すブロック図である。
【図2】鍵盤楽器1のCPU17が行う処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る鍵盤楽器2の構成を示すブロック図である。
【図4】鍵盤楽器2が用いる楽曲データの構造を模式的に示す図である。
【図5】鍵盤楽器2のCPU24が行う処理のフローチャートである。
【図6】CPU24が行う押鍵案内処理のフローチャートである。
【図7】CPU24が行う放出開始処理のフローチャートである。
【図8】CPU24が行う放出停止処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態に係る鍵盤楽器3の構成を示すブロック図である。
【図10】鍵盤楽器3のCPU34が行う放出制御処理のフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係る演奏システム4の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1,2,3,6…鍵盤楽器、4…演奏システム、5…スピーカ装置、11…キーボード、14…イオン放出部、15,21,32,62…ROM、16,33…RAM、17,24,34,63…CPU、31…脈波検出センサ、51…スピーカ、52…受信部、61…送信部、B1…楽曲選択ボタン、B2…開始ボタン、T…タイマ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽器および演奏システムに関する。
【背景技術】
【0002】
楽器を演奏することによって種々の楽しさが得られるが、演奏以外の効果をも与える楽器が開発されている。例えば、特許文献1に記載される楽器においては、本体が陶土で形成されるとともに、その陶土にマイナスイオンを発生する石が混入されている。これにより、演奏者は、演奏しながらマイナスイオンによる心地よさを感じることができる。
【特許文献1】特開2001−209373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の楽器においては、マイナスイオンによる快適さは、演奏とは連動性がなく、仮に演奏の抑揚があっても一定のマイナスイオン効果を与えるだけである。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、演奏以外の効果を発生することができる楽器において、当該効果を演奏の変化に合わせることができる楽器および演奏システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、演奏者によって演奏が行われる楽器体と、前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、前記演奏状態特定手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段とを有する楽器を提供する。
この楽器によれば、楽器の周囲の空気中への微粒子の放出が、楽器体の演奏状態に応じて制御される。したがって、放出される微粒子を、演奏以外の効果をもたらす微粒子とすることにより、当該効果を演奏の変化に合わせることができる。よって、この楽器を用いることにより、演奏の心地よさを向上させることができる。
【0006】
また、本発明は、演奏者によって演奏が行われる楽器体と、前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、前記楽器体から離れたところに設けられるスピーカを有し、前記楽器体の演奏を前記スピーカから放音させる音響装置と、前記楽器体から離れたところに前記スピーカと近接して設けられ、供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、前記演奏状態特定手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段とを具備する演奏システムを提供する。
この楽器によれば、音響装置の周囲の空気中への微粒子の放出が、楽器体の演奏状態に応じて制御される。したがって、放出される微粒子を、演奏以外の効果をもたらす微粒子とすることにより、当該効果を演奏の変化に合わせることができる。よって、この演奏システムを用いることにより、演奏の心地よさを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の第1〜第4実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る鍵盤楽器1の構成を示すブロック図である。
キーボード11は、複数の鍵を備えており、押された鍵のキーコードを含むノートオンメッセージや、離された鍵のキーコードを含むノートオフメッセージ等のMIDI(Musical Instruments Digital Interface)データMDを出力する。
【0008】
音源12はMIDI規格に対応しており、キーボード11からMIDIデータMDを受けて楽音を生成する。より具体的には、MIDIデータMDがノートオンメッセージの場合には当該メッセージ内のキーコードに応じた楽音の生成を開始する一方、ノートオフメッセージの場合には当該メッセージ内のキーコードに応じた楽音の消音処理をする。
スピーカ13は、音源12により生成された楽音を放音する。
【0009】
イオン放出部14は、マイナスイオン(負電荷を帯びた微粒子)を発生させて鍵盤楽器1の外部へ放出するものであり、制御信号を受けて放出を開始/停止する。マイナスイオンの発生方式は任意であり、例えば、水破砕方式(レナード方式)であってもよいし、電子放射方式であってもよいし、コロナ放電方式であってもよい。
【0010】
CPU(中央処理装置)17は、ROM15に記憶されているプログラムP1に基づいて装置各部を制御する。RAM(Random Access Memory)16はデータを一時的に保持し、CPU17のワークエリアとして使用される。タイマTは、スタートしてからの経過時間が予め定められたタイムアウト時間に達するとタイムアウト信号を出力する。
【0011】
図2は、CPU17が行う処理のフローチャートである。この図に示すように、CPU17は、まず、初期設定を行う。初期設定の一つに、RAM16に設定されている音符数レジスタを「0」にする処理がある(ステップS1)。次に、タイマTのタイムアウト信号が出力されたか否かを判定し(ステップS2)、「NO」であれば、ステップS3に移りキーボード11から信号が供給されたか否かを判定する(ステップS3)。この判定が「NO」であればステップS2に戻る。
【0012】
一方、演奏者がキーボード11を用いて演奏を開始すると、キーボード11からは演奏した鍵のキーコードを含むノートオンまたはノートオフのMIDIデータMDが出力されて音源12に入力される。音源12では入力されたMIDIデータMD内のキーコードに応じた楽音の生成および消音処理が適宜行われ、生成された楽音信号がスピーカ13から放音される。
【0013】
上述のように演奏が行われている最中においては、図2に示す処理は、ステップS2→S3→S4へと進む。そして、キーボード11から出力される信号がノートオンであれば、ステップS5に進み、ノートオン以外であれば、再びステップS2に戻る。ステップS5においては、CPU17は音符数レジスタに「1」を加算する。次に、ステップS6に進み、音符数レジスタの値が閾値を超えたか否かが判定され、「NO」であればステップS2に戻り、上述した処理を繰り返す。
以上のステップS2〜S6までの処理を繰り返すことにより、音符数レジスタの値は次第に大きくなってゆく。なお、演奏者が複数の鍵を同時に押した場合は、音符数レジスタの値は押された鍵の数だけ増加する。そして、ステップS6の処理において、音符数レジスタの値が予め設定された閾値(例えば、「1000」)を超えた場合は、ステップS7に進んでタイマをスタートさせ、また、音符数レジスタをリセットする。そして、ステップS9に進み、マイナスイオンを放出させるための制御信号を、イオン放出部14に送ってステップS2に戻る。これにより、マイナスイオンが鍵盤楽器1の外部へ放出され始める。
【0014】
以降、上述した処理が繰り返されるが、マイナスイオンが演奏者の周囲に放出されるので、その空間においては、マイナスイオン濃度が高くなる。このように、演奏がある程度進むと、マイナスイオンが演奏者の周囲に放出される。
マイナスイオンの放出はタイマTからタイムアウト信号が出力されるまで続くが、タイマTは、MIDIイベントが発生される毎にリセットされるため、演奏中においてはタイムアウト信号が出力されることはない。
【0015】
一方、演奏者が演奏を終了し、タイムアウト時間に達すると、タイマTからタイムアウト信号が出力され、CPU17は、マイナスイオンの放出を停止させるための制御信号をイオン放出部14に送る(ステップS10)。これにより、マイナスイオンの放出が停止する(ステップS2→S10)。
【0016】
以上説明したように、鍵盤楽器1は、演奏された音符数をノートオンメッセージのMIDIデータMDを用いて求め、求めた音符数が予め定められた閾値を超えると、マイナスイオンを鍵盤楽器1の周囲に放出する。ここで、演奏された音符数は演奏の進行度合いに対応しているから、鍵盤楽器1は、演奏の進行度合いを検出し、これにより演奏状態を特定している。演奏状態の特定は、閾値をどのように設定するかによるが、演奏の初めの状態、演奏が中程に進んだ状態、演奏が終盤にさしかかった状態など任意の特定ができる。また、曲がクライマックスに達するときの音符数も事前に分かるから、その値を閾値として設定すれば、演奏状態がクライマックスに達したことを特定することができる。そして、演奏状態の特定結果に応じてマイナスイオンを放出するから、例えば、演奏が中程に進んで演奏者が疲れ始めたときに、マイナスイオンによって演奏者をリラックスさせたり、曲がクライマックスに達したときに、マイナスイオンによって演奏者の緊張を適度に緩和させたり、あるいは、曲が静かな場面に入ったときに、マイナスイオンによって演奏者を心地よくさせ、その演奏を曲調に沿うように導くことができる。
【0017】
[第2実施形態]
図3は第2実施形態に係る鍵盤楽器2の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、鍵盤楽器2は、ROM21、発光部22、表示部23、楽曲選択ボタンB1、開始ボタンB2およびCPU24と、図1と共通の、キーボード11、音源12、スピーカ13、イオン放出部14およびRAM16とを有する。
【0018】
図において、CPU24は、ROM21内のプログラムP2に基づき装置各部を制御する。また、ROM21には、n曲分の楽曲データM1、M2、…、Mnが順に書き込まれており、図4に楽曲データの内容を示す。
図4に示すように、楽曲データは、楽曲の名称を示す曲名E1と、演奏者にどの鍵を押し、どの鍵を離すかという演奏案内のための押離鍵データE2を有している。押離鍵データE2は、押鍵を案内するための音符毎の押鍵データ、および離鍵を案内するための音符毎の離鍵データからなる。この場合、押鍵データは鍵のキーコードと当該鍵が押されるタイミングを示すタイミング情報を有し、離鍵データは鍵のキーコードと当該鍵が離されるタイミングを示すタイミング情報を有する。
また、楽曲データには、マイナスイオンの放出を指示する放出開始情報E3が含まれている。この放出開始情報E3は、楽曲データの開始のタイミングからの経過時間によってマイナスイオンの放出開始タイミングを示す。同様に、楽曲データには、マイナスイオンの放出を停止させる放出停止情報E4が含まれている。この放出停止情報E4は、楽曲データの開始タイミングからの経過時間によってマイナスイオンの停止タイミングを示す。
【0019】
発光部22は、キーボード11の鍵と同数のLED(Light Emitting Diode)を備えており、各LEDは対応する鍵の近傍に設置されている。これらのLEDは、点灯することで押鍵を案内し、消灯することで離鍵を案内する。表示部23は楽曲データの曲名E1を表示するためのものである。
楽曲選択ボタンB1は、楽曲データM1、M2、…、Mnから1つの楽曲データを選択するためのものであり、押下されると選択信号SB1を出力する。
開始ボタンB2は、演奏案内の開始を指示するときに押されるボタンであり、押下されると開始信号SB2を出力する。
【0020】
図5〜図8は、CPU24が行う処理のフローチャートである。
図5に示すように、CPU24は、まず、先頭の楽曲データM1を選択し(ステップS21)、選択した楽曲データM1をROM21から読み出し(ステップS22)、その曲名E1を表示部23に表示させ(ステップS23)、ステップS24に進む。ステップS24では、CPU24に何らかの信号が供給されたか否かが判定され、この判定が「YES」となるまで、ステップS24の判定処理を繰り返す。CPU24に何らかの信号が供給されると、ステップS24の判定が「YES」となり、ステップS25に進む。
【0021】
ステップS25では、CPU24に供給された信号が選択信号SB1であるか否か、すなわち、楽曲選択ボタンB1が押されたか否かが判定される。この判定が「YES」であれば、CPU24は次の楽曲データM2を選択し、ステップS22に戻る。同様にして、楽曲選択ボタンB1が押される毎に、ステップS24→ステップS25→ステップS26の処理が行われるから、楽曲データM3,M4・・・が順次選択され、かつ表示部23にその曲の曲名が表示される。ユーザは、このように楽曲選択ボタンB1を押すことにより、所望の曲を選ぶことができる。
一方、ステップS25の判定が「NO」の場合は、ステップS27に進み、CPU24が受信した信号が開始信号SB2であるか否かが判定される。この判定が「NO」であればステップS24に戻り、「YES」であればステップS28に進む。ステップS28では、CPU24は、図6に示す押離鍵案内処理、図7に示す放出開始処理および図8に示す放出停止処理を並列に実行する。
【0022】
図6の押離鍵案内処理では、CPU24は、その時点で選択されている楽曲データMk(kは1〜n)の押離鍵データE2を読み出し、そこに含まれている各押鍵データ、離鍵データのタイミング情報から処理すべきタイミングが来たか否かを判定する(ステップS32)。この判定が「NO」であれば、処理タイミングが来るまで待機し、「YES」であれば処理を開始する(ステップS33)。
そして、処理すべきタイミングに来た押離鍵データが押鍵データであれば、ステップS34の判定が「YES」となり、CPU24は、この押鍵データで示されるキーコードに対応する鍵の近傍のLEDを点灯させるように、発光部22を制御する(ステップS35)。
【0023】
一方、処理すべきタイミングに来た押離鍵データが離鍵データであれば、ステップS34の判定が「NO」となり、CPU24は、この離鍵データで示されるキーコードに対応する鍵の近傍のLEDを消灯させるように、発光部22を制御する(ステップS36)。 ステップS35またはステップS36の処理の後は、ステップS38を介してステップS32に戻り、上述した処理を繰り返す。すなわち、押鍵すべき鍵の近傍のLEDが順次点灯し、また、離鍵すべき鍵の近傍のLEDが順次消灯する。このようにして、LEDが明滅して押離鍵が案内される。演奏者は、案内にしたがって押鍵および離鍵を行うことにより、楽曲データMkに応じた演奏を行うことができる。
以上の押離鍵案内処理は、楽曲データMkの押離鍵データE2内の全てのデータについての処理が済んだ場合に終了する(ステップS38)。
【0024】
一方、図7の放出開始処理では、CPU24は、押離鍵案内処理が開始されてからの経過時間が、選択されている楽曲データMkの放出開始情報E3で示される放出開始時間に達するのを待つ(ステップS41)。そして、経過時間が放出開始時間に達すると、ステップS41の判定結果が「YES」となり、CPU24は、イオン放出部14にマイナスイオンの放出を行わせる。
【0025】
また、図8に示す放出停止処理では、CPU24は、押離鍵案内処理が開始されてからの経過時間が、選択されている楽曲データMkの放出開始情報E3で示される放出停止時間に達するのを待つ(ステップS51)。そして、経過時間が放出停止時間に達すると、ステップS51の判定結果が「YES」となり、CPU24は、イオン放出部14に指示を出し、マイナスイオンの放出を停止する。
【0026】
以上の処理により、放出開始時間から放出停止時間までマイナスイオンが放出される。したがって、前述した第1実施形態と同様に、演奏がどれだけ進行されたか、あるいは演奏がどの部分にあるかという演奏状態を、放出開示時間および放出停止時間で特定し、この特定結果に応じてマイナスイオンを放出する。
【0027】
[第3実施形態]
図9は第3実施形態に係る鍵盤楽器3の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、鍵盤楽器3は、脈波検出センサ31、ROM32、RAM33およびCPU34と、図1と共通の、キーボード11、音源12、スピーカ13およびイオン放出部14とを有する。
【0028】
脈波検出センサ31は、耳朶から容積脈波を検出して出力するものであり、演奏者の耳朶に装着するためのクリップを有する。脈波検出センサ31と鍵盤楽器3の本体とは、脈波検出センサ31から出力された容積脈波を伝送するための信号線で接続されている。
CPU34は、ROM32からプログラムP3を読み出して実行し、装置各部を制御する。RAM33はデータを一時的に保持するためのものである。実施形態においては、CPU34は、演奏者の耳朶に装着された脈波検出センサ31から出力された容積脈波を受け取ってRAM33に書き込む処理と図10に示す放出制御処理とを並列に実行する。
【0029】
放出制御処理では、CPU34は、まず、RAM33の記憶領域にフラグFを確保し、確保したフラグFに「0」を書き込む(ステップS61)。次に、CPU34は、演奏者の気持ちの高潮度を求めるに十分な期間の容積脈波がRAM33に書き込まれているか否かを判定する(ステップS62)。脈波検出処理の開始直後では、この判定結果は「NO」となり、ステップS62の判定が繰り返される。
【0030】
ある程度の時間が経過し、ステップS62の判定結果が「YES」となると、CPU34は、RAM33に書き込まれた最新期間の容積脈波に対して周波数解析を行い、高周波成分(例えば0.04〜0.15Hzの成分)に対する低周波成分(例えば0.15〜0.4Hz)の比であるLF/HFを算出し、これを、演奏者の気持ちの高潮度とみなす(ステップS63)。次に、算出した高潮度が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する(ステップS64)。
【0031】
ステップS64の判定結果が「NO」であれば、CPU34は、フラグFが「1」であるか否かを判定する(ステップS65)。フラグFにはステップS61の処理によって「0」が書き込まれているから、この判定結果は「NO」となる。よって、処理はステップS63に戻る。
【0032】
以降、ステップS64の判定結果が「NO」となっている間、すなわち、演奏者の気持ちが高潮しておらず、平静な状態にある間は、ステップS63→ステップS64→ステップS65を循環する。
【0033】
ここで、演奏者が曲のクライマックスや思い入れのある部分の演奏に入ると、演奏者の気持ちは高潮してくる。この結果、ステップS64の判定結果が「YES」となる。そして、CPU34は、フラグFが「0」であるか否かを判定し(ステップS66)、この判定結果が「YES」となって、CPU34は、イオン放出部14にマイナスイオンの放出を行わせる(ステップS9)。次に、CPU34は、フラグFに「1」を書き込んで(ステップS67)、ステップS63に戻る。
【0034】
以降、演奏者の気持ちが高潮している間は、ステップS64の判定結果は「YES」となり続けるから、ステップS64→ステップS66→ステップS9→ステップS67の処理を循環し、イオン放出部14からマイナスイオンが放出され続ける。
【0035】
そして、演奏者の気持ちが静まると、LF/HFの値が下がる。この値が閾値以下になると、ステップS64の判定結果が「NO」となり、ステップS65においてフラグFが「1」か否かが判定される。この判定は「YES」となり、ステップS10の処理を行う。これにより、マイナスイオンの放出が停止する。次に、CPU34は、フラグFに「0」を書き込み(ステップS68)、ステップS63に戻る。以上の処理により、演奏者の気持ちが高潮している期間においてはマイナスイオンが放出される。この場合、曲のどの部分で高潮するか、また、何回高潮するかは演奏者の個性によるが、本実施形態においては、演奏者に合わせてマイナスイオンを放出することができる。
【0036】
以上説明したように、鍵盤楽器3は、演奏者の容積脈波を検出して演奏者の気持ちの高潮度を求め、この高潮度が閾値を超えると、マイナスイオンを鍵盤楽器3の周囲に放出する。演奏者の気持ちの高潮度は演奏状態(例えば、激しさ/穏やかさ)を示しているから、鍵盤楽器3は、高潮度を検出することによって演奏状態を特定し、その特定結果に応じてマイナスイオンを放出する。
【0037】
[第4実施形態]
図11は第4実施形態に係る演奏システム4の構成を示す図である。演奏システム4は、コンサート会場にて聴衆の近くに配置されたスピーカ装置5、ステージ上の鍵盤楽器6、鍵盤楽器6が発した楽音を集音するマイク7、およびマイク7で集音された楽音を増幅してスピーカ装置5へ供給するアンプ8を有する。
【0038】
スピーカ装置5は、スピーカ51および受信部52と、イオン放出部14とを有する。 スピーカ51はアンプ8から供給された楽音を放音し、受信部52は、鍵盤楽器6からの信号を受信し、受信した信号をイオン放出部14へ転送する。
【0039】
鍵盤楽器6は、送信部61、ROM62およびCPU63と、図1と共通のキーボード11、音源12、スピーカ13、RAM16およびタイマTとを有する。
送信部61は、CPU63から供給された制御信号を、イオン放出部14に宛てて、スピーカ装置5へ送信する。
CPU63は、ROM62からプログラムP4を読み出して実行し、装置各部を制御する。本実施形態においては、CPU63は、図2と同様の処理を行う。ただし、CPU63は、イオン放出部14へ制御信号を送る処理を、送信部61を用いて行う。
【0040】
この演奏システム4によれば、演奏者が鍵盤楽器6を演奏すると、この演奏に応じた楽音が音源12により生成され、スピーカ13、マイク7およびアンプ8を通じてスピーカ装置5に供給され、スピーカ51から放音される。
【0041】
その一方、鍵盤楽器6のCPU63は、鍵盤楽器6を用いて演奏された音符数(音符数レジスタの値)が閾値を超えたときに、放出を開始させるための制御信号を送信部61に供給する。この制御信号は、送信部61から送信され、スピーカ装置5の受信部52により受信されてイオン放出部14へ転送される。これにより、マイナスイオンがスピーカ装置5の周囲に放出される。そして、マイナスイオンの放出は、演奏が終了してタイマTがタイムアウトするまで続く。
【0042】
以上説明したように、演奏システム4は、鍵盤楽器6の演奏状態を検出し、検出結果に応じてマイナスイオンをスピーカ装置5の周囲に放出することによって演奏の心地よさを向上させることができる。
【0043】
[変形例]
なお、上述した第1〜第4実施形態を以下に列記するように変形してもよい。
例えば、鍵盤楽器またはスピーカ装置に、香り微粒子を放出する香り放出部を設け、マイナスイオンに代えて、香り微粒子を放出するようにしてもよい。この態様において放出される香り微粒子を、健康に良い影響を与える「ジャスミン」や「ミント」等の香り微粒子とすれば、演奏の心地よさが向上する。また、香り放出部に、香り微粒子を収容することができる複数のチャンバーと、いずれかのチャンバーの選択を指示する操作子とを設け、この香り放出部が、CPUからの制御信号を受けて、操作子によって選択されているチャンバーから香り微粒子を放出させる、というようにしてもよい。また、香り放出部に、上記の複数のチャンバーと、検出された演奏状態に応じていずれかのチャンバーの選択を指示する香り選択手段を設け、この香り放出部が、CPUからの制御信号を受けて、香り選択手段によって選択されているチャンバーから香り微粒子を放出させる、というようにしてもよい。
【0044】
また、例えば、鍵盤楽器またはスピーカ装置に、酸素濃度が30%程度の高濃度酸素空気を発生させて放出する空気放出部を設け、マイナスイオンに代えて、上記の高濃度酸素空気を放出させるようにしてもよい。高濃度酸素空気の発生方式は任意であり、例えば、酸素富化膜を用いた方式であってもよいし、濃縮酸素のスプレーを用いた方式であってもよい。高濃度酸素空気は健康に良い影響を与えるから、高濃度酸素空気を構成する気体分子もまた、健康に良い影響を与える。
【0045】
また例えば、マイナスイオン、香り微粒子、高濃度酸素空気に限らず、任意の癒し効果のある微粒子を放出するようにしてもよい。「癒し効果のある微粒子」とは、人に「癒し」を感じさせるものであり、空気中の匂い分子を吸着して無臭化する微粒子を含む概念である。また例えば、演奏状態に応じてマイナスイオン等の放出量を変化させてもよい。
また、鍵盤楽器以外の任意の楽器に適用してもよい。例えば、ギター、バイオリンなどのアコースティックの弦楽器にも適用することができる。この場合、これらの楽器の音をマイクで収音し、その検出結果から演奏状態を特定することができる。そして、演奏の継続時間や音量などに応じて微粒子の放出を制御する。
【0046】
また例えば、第1および第4実施形態において、第3実施形態と同様に、マイナスイオンの放出を演奏の激しさに応じて制御するようにしてもよい。なお、MIDIデータMDを用いて演奏の激しさを検出する方法としては、例えば、単位時間内に演奏された音符数を求めて演奏の激しさとする方法や、打鍵の強度から演奏の激しさを求める方法などがある。なお、この場合においても第1および第4実施形態においても、MIDIデータとは異なる楽音信号を用いて演奏状態を検出するようにしてもよい。
また、第2および第3実施形態を変形し、第4実施形態のように、鍵盤楽器およびスピーカ装置を有する演奏システムとしてもよく、第3実施形態において、鍵盤楽器3をアコースティック鍵盤楽器に変更してもよい。
以上のように演奏状態は、演奏者の生態情報から特定してもよく、また、アコースティック楽器であればマイクやその他のピックアップ(圧電センサなど)を用いて特定してもよい。また、MIDIデータ生成する電子楽器であれば、生成されるMIDIデータそのものが楽音信号となるから、MIDIデータ中のキーオンやキーベロシティを用いて種々の演奏状態の特定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鍵盤楽器1の構成を示すブロック図である。
【図2】鍵盤楽器1のCPU17が行う処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る鍵盤楽器2の構成を示すブロック図である。
【図4】鍵盤楽器2が用いる楽曲データの構造を模式的に示す図である。
【図5】鍵盤楽器2のCPU24が行う処理のフローチャートである。
【図6】CPU24が行う押鍵案内処理のフローチャートである。
【図7】CPU24が行う放出開始処理のフローチャートである。
【図8】CPU24が行う放出停止処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態に係る鍵盤楽器3の構成を示すブロック図である。
【図10】鍵盤楽器3のCPU34が行う放出制御処理のフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係る演奏システム4の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1,2,3,6…鍵盤楽器、4…演奏システム、5…スピーカ装置、11…キーボード、14…イオン放出部、15,21,32,62…ROM、16,33…RAM、17,24,34,63…CPU、31…脈波検出センサ、51…スピーカ、52…受信部、61…送信部、B1…楽曲選択ボタン、B2…開始ボタン、T…タイマ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏者によって演奏が行われる楽器体と、
前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、
供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、
前記演奏状態検出手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段と
を有する楽器。
【請求項2】
前記楽器体は演奏に応じて楽音信号を生成する生成手段を有し、
前記演奏状態特定手段は、前記生成手段によって生成された楽音信号を用いて演奏状態を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽器。
【請求項3】
前記演奏状態特定手段は、前記楽器体から発音される音を収音するマイクを有し、前記マイクの出力信号を用いて演奏状態を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽器。
【請求項4】
前記演奏状態特定手段は、前記演奏者の生体情報を検出する検出手段を有し、前記検出手段により検出された生体情報を用いて演奏状態を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽器。
【請求項5】
前記放出手段は、微粒子を収容することができる複数のチャンバーと、いずれかのチャンバーの選択を指示する操作子とを有し、前記制御手段から制御信号が供給されると、前記操作子によって選択されているチャンバーから前記微粒子を放出させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の楽器。
【請求項6】
前記放出手段は、微粒子を収容することができる複数のチャンバーと、前記演奏状態特定手段の特定結果に応じていずれかのチャンバーの選択を指示する選択手段とを有し、前記制御手段から制御信号が供給されると、前記選択手段によって選択されているチャンバーから微粒子を放出させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の楽器。
【請求項7】
演奏者によって演奏が行われる楽器体と、
前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、
前記楽器体から離れたところに設けられるスピーカを有し、前記楽器体の演奏を前記スピーカから放音させる音響装置と、
前記楽器体から離れたところに前記スピーカと近接して設けられ、供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、
前記演奏状態特定手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段と
を具備する演奏システム。
【請求項1】
演奏者によって演奏が行われる楽器体と、
前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、
供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、
前記演奏状態検出手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段と
を有する楽器。
【請求項2】
前記楽器体は演奏に応じて楽音信号を生成する生成手段を有し、
前記演奏状態特定手段は、前記生成手段によって生成された楽音信号を用いて演奏状態を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽器。
【請求項3】
前記演奏状態特定手段は、前記楽器体から発音される音を収音するマイクを有し、前記マイクの出力信号を用いて演奏状態を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽器。
【請求項4】
前記演奏状態特定手段は、前記演奏者の生体情報を検出する検出手段を有し、前記検出手段により検出された生体情報を用いて演奏状態を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の楽器。
【請求項5】
前記放出手段は、微粒子を収容することができる複数のチャンバーと、いずれかのチャンバーの選択を指示する操作子とを有し、前記制御手段から制御信号が供給されると、前記操作子によって選択されているチャンバーから前記微粒子を放出させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の楽器。
【請求項6】
前記放出手段は、微粒子を収容することができる複数のチャンバーと、前記演奏状態特定手段の特定結果に応じていずれかのチャンバーの選択を指示する選択手段とを有し、前記制御手段から制御信号が供給されると、前記選択手段によって選択されているチャンバーから微粒子を放出させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の楽器。
【請求項7】
演奏者によって演奏が行われる楽器体と、
前記楽器体において行われている演奏状態を特定する演奏状態特定手段と、
前記楽器体から離れたところに設けられるスピーカを有し、前記楽器体の演奏を前記スピーカから放音させる音響装置と、
前記楽器体から離れたところに前記スピーカと近接して設けられ、供給される制御信号に応じて微粒子を放出する放出手段と、
前記演奏状態特定手段によって特定された演奏状態に応じて前記制御信号を生成し、前記放出手段に供給する制御手段と
を具備する演奏システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−38937(P2006−38937A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214464(P2004−214464)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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