説明

構造体

【課題】表面上に導電パターンが形成された筐体の防水性および防塵性を向上させること。
【解決手段】構造物10は、誘電体からなる筐体1、筐体1の面1a上に形成されている導電パターン2、貫通部分3bと、第1部分3aと、第2部分3cとを備え、第1部分3aと第2部分3cとによって、導電パターン2と面1bとを挟持する導電部材3、および弾性体からなるスクィーズパッキン12、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体および導電パターンを備えている構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、表面上に導電パターンが形成された筐体を備える電子装置が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、非電導性の被印刷体に貫通孔を形成する第1工程と、該貫通孔に電導性を有する接点部材を配置する第2工程と、前記被印刷体の一方の面に、前記接点部材の一方の端面の一部に重なるように導電性インクまたは金属粉末含有インクによってアンテナパターンを印刷する第3工程と、該第3工程において形成されたアンテナパターンの表面にメッキを施す第4工程と、を有し、前記第4工程において形成されたメッキの一部が前記接点部材に電気的に接続される印刷アンテナの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−166379号公報(2010年7月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、貫通孔と、該貫通孔に挿入した接点部材との間に微小な隙間が生じ、防水性および防塵性を確保し得ない場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表面上に導電パターンが形成された筐体の防水性および防塵性を向上させるための技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る構造物は、誘電体からなる筐体、該筐体の第1面上に形成されている導電パターン、該筐体を第1面から第1面とは反対側の第2面まで貫通する貫通部分と、該貫通部分から第1面側に延出する第1部分と、該貫通部分から第2面側に延出する第2部分とを備え、第1部分と第2部分とによって、該導電パターンと第2面とを挟持する導電部材、および弾性体からなり、該筐体と該導電部材との間に配置されているスクィーズパッキン、を備えていることを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、導電部材は、筐体を貫通するとともに、筐体および導電パターンを第1部分と第2部分とによって両側から挟む。これによって、導電部材は、筐体に締結される。また、第1部分が導電パターンに当接することによって、導電部材と導電パターンとが電気的に接続され、導電パターンに対して、筐体の第2面側から給電することができる。
【0009】
このとき、上記の構成では、導電部材と筐体との間に弾性体からなるスクィーズパッキンが配置されている。それゆえ、導電部材と筐体との間の隙間を密閉することができるので、構造物の防水性および防塵性を向上させることができる。
【0010】
本発明に係る構造物では、上記スクィーズパッキンが上記筐体と第2部分との間に配置されていることが好ましい。
【0011】
上記の構成によれば、筐体と第2部分との間に配置されたスクィーズパッキンは、その弾性力によって、導電部材の第2部分に対して、第1面から第2面に向かう方向の力を加える。この力が、貫通部分を介して第1部分に伝わり、第1部分が導電パターンを挟持する力が増大する。これによって、第1部分と導電パターンとの導通性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る構造物では、上記スクィーズパッキンが上記筐体と第1部分との間に配置されているものであってもよい。
【0013】
上記の構成によれば、筐体と第1部分との間に配置されたスクィーズパッキンは、該導電パターンと第2面とを挟持する導電部材からの力によって、好適に押しつぶされ、首尾よく筐体と第1部分との間を密閉することができる。これによって、構造物の防水性および防塵性を好適に向上させることができる。
【0014】
本発明に係る構造物では、上記導電パターンが、シート状または板状の導電体からなり、上記スクィーズパッキンと第1部分とが、上記導電パターンを挟んでいるものであってもよい。
【0015】
上記の構成によれば、導電パターンが、シート状または板状の導電体からなるため、スクィーズパッキンと第1部分との間に導電パターンを配置することができる。そして、スクィーズパッキンが、その弾性力によって、導電パターンを第1部分に押しつける。これによって、第1部分と導電パターンとの導通性を向上させることができる。
【0016】
本発明に係る構造物では、上記導電パターンが、シート状または板状の導電体からなり、上記スクィーズパッキンが上記筐体と第2部分との間に配置されているものであってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、導電パターンがシート状または板状の導電体である場合にも、筐体と第2部分との間にスクィーズパッキンが配置されていることにより、スクィーズパッキンの弾性力によって、導電部材に第1面から第2面に向かう方向の力が加わるため、第1部分が導電パターンを挟持する力が増大する。これによって、第1部分と導電パターンとの導通性を向上させることができる。
【0018】
本発明に係る構造物では、上記スクィーズパッキンが上記貫通部分に接する位置に配置されていることが好ましい。
【0019】
導電パターンと第2面とを挟持する第1部分および第2部分は、いずれも貫通部分から延出している。第1部分および第2部分が挟持する力は、第1部分および第2部分の撓み等による影響が小さい貫通部分に隣接する部分の方が強くなるため、上記の構成によれば、好適にスクィーズパッキンを押しつぶすことができる。これにより、上述した構造物の防水性および防塵性の向上等の効果をより好適に得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る構造物によれば、導電部材と筐体との間の隙間を密閉することができるので、構造物の防水性および防塵性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る構造物の構成を概略的に示す側方断面図であり、(b)は、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導電部材の構成を概略的に示す側方断面図である。
【図2】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る構造物における力の向を示す側方断面図である。
【図4】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導電部材の変形例を示す側方断面図である。
【図5】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る構造物の変形例を示す側方断面図である。
【図6】本発明の一実施形態(実施形態2)に係る構造物の構成を概略的に示す側方断面図である。
【図7】本発明の一実施形態(実施形態2)に係る導電部材の変形例を示す側方断面図である。
【図8】本発明の一実施形態(実施形態2)に係る構造物の変形例を示す側方断面図である。
【図9】本発明の一実施形態(実施形態3)に係る構造物の構成を概略的に示す側方断面図である。
【図10】本発明の一実施形態(実施形態3)に係る構造物における力の方向を示す側方断面図である。
【図11】本発明の一実施形態(実施形態3)に係る導電部材の変形例を示す側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施形態1〕
図1(a)は、本実施形態に係る構造物10の構成を概略的に示す側方断面図である。図1(b)は、本実施形態に係る導電部材15の構成を概略的に示す側方断面図である。図2は、本実施形態に係る無線装置100の構成を概略的に示す斜視図である。なお、図2では、説明のために一部を切り開いて断面を示している。
【0023】
図2に示すように、本実施形態では、本発明に係る構造物を無線装置に組み込んだ形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明に係る構造物は、アンテナエレメント、信号伝送経路、電力伝送経路等として利用可能な導電パターンを備えており、アンテナエレメント、信号伝送経路または電力伝送経路を必要とする種々の電子装置に好適に組み込むことができる。
【0024】
構造物10は、筐体1、導電パターン2、導電部材3(導電ピン11、ネジ13、および、ナット板金14)、ならびに、スクィーズパッキン12を備えている。また、無線装置100は、構造物10、接続部20および無線回路30を備えている。
【0025】
(筐体)
筐体1は、誘電体からなり、構造物10を備える電子装置(本実施形態では、無線装置100)の筐体を構成するものである。なお、本実施形態では、筐体1は板状の形状を有しているがこれに限定されず、構造物10を備える電子装置に応じた形状を有していればよい。なお、図1(a)において、紙面上側の面1aが筐体1の外部側、紙面下側の面1bが筐体1の内部側に対応する(図2参照)。
【0026】
また、図1(a)に示すように、筐体1において、ナット板金14等が配置される部分を、すり鉢状に凹ませてもよい。このように構成することによって、筐体1の外部側において、ネジ13等の頭が突出することを避け、筐体1の外面を平坦にすることができる。
【0027】
(導電パターン)
導電パターン2は、筐体1の面1a上に形成されている導電体である。導電パターンは、例えば、導電ペーストが筐体1の表面上に塗布されてなる導電膜であってもよいし、フレキシブルプリント基板、導電性を有するシール等の可撓性を有する導電膜であってもよいし、板金、メッキ等によって構成されていてもよい。本実施形態では、導電パターン2は、アンテナエレメントとして使用されるが、本発明はこれに限定されず、電子装置内において、導電パターン2が形成された領域に配置された部材を電気的に接続するために用いてもよい。
【0028】
導電パターン2を、導電ペーストが筐体1の表面上に塗布されてなる導電膜として構成する場合、導電ペーストとしては、粘性を有する導電体材料であり、少なくとも、金属粉および溶剤からなるものであり、好ましくは、金属粉、バインダー樹脂および溶剤からなるものを用いることができる。導電ペーストが塗布されてなる導電膜は、例えば、乾燥により溶剤が除去されていてもよく、溶剤が一部残留していてもよい。導電ペーストの塗布方法としては種々の方法を採ることができるが、好適には、筐体1の形状に適合するように、可撓性を有する印刷版を用いた印刷(例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷、パッド印刷等)により塗布することが好ましい。
【0029】
導電パターン2を、導電ペーストを塗布することにより形成することにより、導電パターンを薄くすることが可能であり、また、容易に曲面的な形状とすることができるので、設計の自由度をより向上させることができる。
【0030】
また、可撓性を有する印刷版を用いた印刷(フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷、パッド印刷等)により、導電ペーストを塗布することにより、筐体等の形状に合わせて首尾よく導電パターンの印刷を行うことができ、構造物の大量生産等にも寄与することができる。
【0031】
なお、導電パターン2を、フレキシブルプリント基板、導電性を有するシールのような可撓性を有する導電膜から構成した場合であっても、導電パターン2を、自由な形状に固定することができるので、設計の自由度を向上させることができる。
【0032】
すなわち、導電パターン2を、フレキシブルプリント基板等の可撓性を有する導電膜、または、導電ペーストが塗布されてなる導電膜等の、それ自体では保形性を有さない(自己保形性を有さない)導電膜によって構成することにより、設計の自由度を向上させることができる。
【0033】
また、所望の形状に形成した板金によって導電パターン2を構成してもよいし、メッキによって導電パターン2を構成してもよい。
【0034】
(導電部材)
図1(b)に示すように、導電部材3は、第1部分3a、貫通部分3bおよび第2部分3cから構成される。貫通部分3bは、筐体1を面1aから面1bまで貫通する貫通部分3bである。第1部分3aは、貫通部分3bから面1a側に延出する部分である。第2部分3cは、貫通部分3bから面1b側に延出する部分である。導電部材3は、第1部分3aと第2部分3cとによって、導電パターン2と面1bとを挟持する。これによって、導電部材3は、筐体1に締結されるとともに、第1部分1aが導電パターン2に当接することによって、導電部材3と導電パターン2とが電気的に接続され、導電パターン2に対して、筐体1の面1b側から給電することができる。
【0035】
本実施形態において、導電部材3は、導電ピン11、ネジ13、および、ナット板金14によって構成される。すなわち、ネジ13の一部およびナット板金14によって第1部分3aが構成され、導電ピン11の一部およびネジ13の一部によって貫通部分3bが構成され、導電ピン11の一部によって第2部分3cが構成される。
【0036】
導電部材3では、第2部分3cの内部側の面(すなわち、導電ピン11の面11a)と、第1部分3aの導電パターン2に当接する部分(すなわち、ナット板金14)とが導通していればよく、必ずしも全体が導電体で構成されている必要はない。本実施形態では、導電ピン11およびナット板金14が導電体であればよい。なお、本明細書において、金属等の導電体によってメッキされた絶縁体(例えば樹脂)も、導電体に含まれる。
【0037】
導電ピン11における、ネジ13が挿入される部分にはねじ穴が形成されており、これによって、ネジ13と導電ピン11とが締結され、筐体1および導電パターン2を挟持することができる。
【0038】
また、面11aが、導電パターン2に対して筐体1の内部側から給電するための給電接点となる。面11aへの給電は、例えば、バネ等を用いてもよい。
【0039】
(スクィーズパッキン)
スクィーズパッキン12は、Oリング、角リング等のように、つぶししろを与えて使用する成形パッキンを指す。スクィーズパッキン12は、ゴム、シリコン等の弾性体によって形成することができる。
【0040】
このようなスクィーズパッキン12を、導電部材3と筐体1との間に配置することにより、導電部材3と筐体1との間の隙間を密閉することができるので、構造物10の防水性および防塵性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、スクィーズパッキン12は、筐体1の内部側(紙面下側)に配置されている。言い換えれば、スクィーズパッキン12は、筐体1と第2部分3cとの間に配置されている。
【0042】
この場合、図3に示すように、スクィーズパッキン12は、その弾性力によって、導電部材3の第2部分3c(導電ピン11)に対して、面1aから面1bに向かう方向の力Aを加える。この力は、導電ピン11に締結されたナット板金14にも伝わるため、ナット板金14と導電パターン2との接合部Bにおいて、ナット板金14が導電パターン2を押圧する力が増大する。これによって、導電部材3(ナット板金14)と導電パターン2との導通性を向上させることができる。
【0043】
(導電部材の変形例)
図4は、導電部材3のバリエーションを示す図である。図4(a)に示すように、導電ピン11とネジ13との配置が逆になっていてもよい。この場合、導電パターン2に対して、筐体1の内部側から給電するための給電接点は、ナット板金14としてもよいし、ネジ13としてもよい。
【0044】
また、図4(b)に示すように、ナット板金14とネジ13とが一体となった部材13’を用いてもよい。
【0045】
また、図4(c)に示すように、ネジ13を設ける替わりに、外部側の面11’bをカシメることによって、筐体1に固定する導電ピン11’を用いてもよい。
【0046】
また、図4(d)に示すように、図4(a)の構成において、ナット板金14とネジ13とが一体となった部材13’を用いてもよいし、図4(e)に示すように、図4(c)の構成において、ナット板金14と導電ピン11’とが一体となった導電ピン11’’を用いてもよい。
【0047】
(スクィーズパッキンの配置の変形例)
また、図5に示すように、スクィーズパッキン12は、必ずしも貫通部分3b(導電ピン11の上部)に隣接するように配置しなくともよい。少なくとも、筐体1と導電部材3との間に配置すれば、構造物10における防水性および防塵性を向上させることができる。また、筐体1と第2部分3cとの間に配置すれば、導電部材3と導電パターン2との導通性を向上させることができる。
【0048】
但し、図1(a)に示すように、スクィーズパッキン12を貫通部分3b(導電ピン11の上部)に隣接するように配置した場合、上述した構造物10の防水性および防塵性の向上、導電部材3と導電パターン2との導通性の向上等の効果をより好適に得ることができる。なぜなら、導電ピン11の下部およびナット板金14の撓みを考慮すれば、スクィーズパッキン12を貫通部分3bに隣接するように配置することによって、より好適にスクィーズパッキンを押しつぶすことができるからである。
【0049】
(無線装置)
無線装置100は、構造物10を備えているとともに、無線回路30、および、無線回路30と導電部材3の第2部分3cとを接続するための接続部20を備えている。これによって、導電パターン2をアンテナエレメントとして利用して、無線通信を行うことができる。
【0050】
なお、無線装置100は、図示したものの他、無線装置100の用途に応じた種々の部材を備え得る。例えば、無線装置100を、携帯電話端末として構成する場合には、受話部、発話部、入力部、表示部、電源部等をさらに備えていてもよい。
【0051】
(その他)
また、構造物10の外部側(導電パターン2が設けられている側)に対して、保護層をさらに設けてもよい。保護層を設けることによって、導電パターン2が損傷(断線、剥離等)することを防ぐことができるとともに、導電パターン2を目隠しすることができる。本実施形態において、保護層は、導電パターン2を保護するだけの強度を有し、アンテナの性能に影響を与えない材質のもの(例えば、誘電体樹脂)であればよい。ここでアンテナの性能に影響を与えないとは、保護層の有無でアンテナの性能が著しく劣化しないものである。
【0052】
保護層は、貼り付け、塗布、噴き付けなどで導電パターン2上に設けられるものであればよく、例えば、コーティング剤(例えば、樹脂溶液)によって形成されるものを好適に用いることができる。また、このコーティング剤の塗布は、筐体1の塗装を兼ねていてもよい。また、保護層はシート状のものであって、シールのように貼り付けたり熱や圧力で圧着できるものであってもよい。
【0053】
〔実施形態2〕
次に、本発明の他の実施形態(実施形態2)について説明する。本実施形態では、図6に示すように、スクィーズパッキン12は、筐体1の外部側(紙面上側)に配置されている。言い換えれば、スクィーズパッキン12は、筐体1と第1部分3aとの間に配置されている。
【0054】
筐体1とナット板金14(第1部分3a)との間に配置されたスクィーズパッキン12は、導電パターン2と面1bとを挟持する導電部材3からの力によって、好適に押しつぶされ、首尾よく筐体1とナット板金14との間を密閉することができる。これによって、構造物の防水性および防塵性を好適に向上させることができる。
【0055】
なお、実施形態1と同様、図7に示すように、導電部材3は種々の形態をとることができる。例えば、図7(a)に示すように、導電ピン11とネジ13との配置が逆になっていてもよい。この場合、導電パターン2に対して、筐体1の内部側から給電するための給電接点は、ナット板金14としてもよいし、ネジ13としてもよい。
【0056】
また、図7(b)に示すように、ナット板金14とネジ13とが一体となった部材13’を用いてもよい。
【0057】
また、図7(c)に示すように、ネジ13を設ける替わりに、外部側の面11’bをカシメることによって、筐体1に固定する導電ピン11’を用いてもよい。
【0058】
また、図7(d)に示すように、図7(a)の構成において、ナット板金14とネジ13とが一体となった部材13’を用いてもよいし、図7(e)に示すように、図7(c)の構成において、ナット板金14と導電ピン11’とが一体となった導電ピン11’’を用いてもよい。
【0059】
また、図8に示すように、スクィーズパッキン12は、必ずしも貫通部分3bに隣接するように配置しなくともよい。
【0060】
〔実施形態3〕
次に、本発明のさらに他の実施形態(実施形態3)について説明する。本実施形態では、図9に示すように、スクィーズパッキン12は、筐体1の外部側(紙面上側)に配置され、スクィーズパッキン12とナット板金14(第1部分3a)とが、導電パターン2を挟んでいる。
【0061】
なお、本実施形態では、導電パターン2をシート状または板状の導電体から構成することが好ましい。このように、導電パターン2をシート状または板状の導電体から構成することにより、スクィーズパッキン12とナット板金14との間に導電パターン2を好適に配置することができる。
【0062】
そして、図10に示すように、スクィーズパッキン12とナット板金14とが、導電パターン2を挟むことによって、スクィーズパッキン12の弾性力Aによって、導電パターン2がナット板金14に押しつけられる。これによって、ナット板金14と導電パターン2との導通性を向上させることができる。
【0063】
なお、実施形態1と同様、図11に示すように、導電部材3は種々の形態をとることができる。例えば、図11(a)に示すように、導電ピン11とネジ13との配置が逆になっていてもよい。この場合、導電パターン2に対して、筐体1の内部側から給電するための給電接点は、ナット板金14としてもよいし、ネジ13としてもよい。
【0064】
また、図11(b)に示すように、ナット板金14とネジ13とが一体となった部材13’を用いてもよい。
【0065】
また、図11(c)に示すように、ネジ13を設ける替わりに、外部側の面11’bをカシメることによって、筐体1に固定する導電ピン11’を用いてもよい。
【0066】
また、図11(d)に示すように、図11(a)の構成において、ナット板金14とネジ13とが一体となった部材13’を用いてもよいし、図11(e)に示すように、図11(c)の構成において、ナット板金14と導電ピン11’とが一体となった導電ピン11’’を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、無線装置を始めとした、内部に導電パターンが形成される電子装置の製造分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 筐体
2 導電パターン
3 導電部材
3a 第1部分
3b 貫通部分
3c 第2部分
10 構造物
11 導電ピン
12 スクィーズパッキン
13 ネジ
14 ナット板金
20 接続部
30 無線回路
100 無線装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体からなる筐体、
該筐体の第1面上に形成されている導電パターン、
該筐体を第1面から第1面とは反対側の第2面まで貫通する貫通部分と、該貫通部分から第1面側に延出する第1部分と、該貫通部分から第2面側に延出する第2部分とを備え、第1部分と第2部分とによって、該導電パターンと第2面とを挟持する導電部材、および
弾性体からなり、該筐体と該導電部材との間に配置されているスクィーズパッキン、を備えていることを特徴とする構造物。
【請求項2】
上記スクィーズパッキンが上記筐体と第2部分との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物。
【請求項3】
上記スクィーズパッキンが上記筐体と第1部分との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物。
【請求項4】
上記導電パターンが、シート状または板状の導電体からなり、
上記スクィーズパッキンと第1部分とが、上記導電パターンを挟んでいることを特徴とする請求項3に記載の構造物。
【請求項5】
上記導電パターンが、シート状または板状の導電体からなり、
上記スクィーズパッキンが上記筐体と第2部分との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物。
【請求項6】
上記スクィーズパッキンが上記貫通部分に接する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−98661(P2013−98661A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237999(P2011−237999)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】