説明

構造化された面を印刷技術で形成する方法

【課題】構造化された面を印刷技術で形成する方法であって、液体および粒子を基板に付着させ、表面構造を備えた液体を設ける方法を改良する。
【解決手段】液体5と粒子6とから形成された混合物は、管路10を介して、側方に、スクリーン印刷シリンダ11の内側にガイドされ、そこからスクリーン印刷版(ステンシル)と協働するスキージ12を用いて基板2に付着される。択一的に、液体5を付着させるため液体5の確率論的な表面構造18と確率論的な粒子分布とを、ガス14の吹付によって、硬化されていない液体に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造化された面を印刷技術で形成する方法であって、液体および粒子を基板に付着させ、表面構造を備えた液体を設ける方法に関する。さらに本発明は、被印刷物を加工する機械、たとえば印刷機、特に平版オフセット印刷用のシートを加工する輪転印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から既に、印刷製品または包装製品において、純粋に装飾的な機能および/またはセキュリティ技術的な機能(キーワード:真贋チェックまたは不正行為チェック)を有する光学的(視覚的)な効果を生じさせることが公知である。これに関する例は、ホログラムまたは彩紋である。このような特徴を形成するためにインキおよびラッカを付着させる他に、粒子の使用頻度も増えている。このような粒子は、それ自体がたとえばマイクロバーコード等のセキュリティ特徴を支持することができ、あるいはたとえば光沢または光輝等微粒子の効果によって、偽造防止効果、即ち少なくとも簡単には複写不可能な効果を及ぼすことができる。偽造防止の向上のためには、たとえば紙幣から判るように、多くの場合複数のセキュリティ特徴が組み合わされる。さらに市場は常に新しいセキュリティ特徴を要求している。なぜならば、1つの固有の特徴に基づく偽造または模倣に対する製品の安全性には、しばしば短い時間しか与えられていないからである。製造者と偽造者とは、いわば「競争」状態にある。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006057507号明細書には、偽造から物を保護するための、光学的に可変であり、さらに触覚的に検出可能なセキュリティ要素およびその製作が記載されている。ここでは板状の効果顔料が、場合によっては硬化された基板被覆に用いられ、効果顔料は、好適には既に印刷法または被覆法によって基板に対して略平行に向けられている。被覆は、触覚を改善するためにたとえば手間のかかる圧刻等による高低構造を有し、下地インキも有することができる。印刷法としては、オフセット印刷およびスクリーン印刷が記載されている。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3938055号明細書には、インキによるセキュリティ印刷が記載されており、インキは板状の顔料を有している。たとえば硬化可能な媒体がパール光沢顔料と一緒に使用され、この顔料は、たとえばUV放射または磁界等の外的作用によってその配向(方向性)に影響が及ぼされ、これにより、非位相幾何学的な構造が得られる。インキの表面構造化(高低構造)は記載されていない。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10304805号明細書には、インキ中の効果顔料のランダム分布を用いた、印刷技術で製作されるセキュリティ記号が記載されている。これとは無関係に、たとえば隆起部等の表面構造が、ランダム特徴として説明されている。製作法としては、不均一なラッカ層の吹付が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第102006057507号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3938055号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10304805号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景に基づいて、本発明の課題は、構造化された面を印刷技術で形成するための、従来技術に比べて少なくとも1つの別の組み合わせが可能な、できる限り改善された方法を提供することであり、この方法は、セキュリティ特徴のために役立つ構造化された表面を、簡単かつ廉価に、そしてできるだけ印刷製品の生産プロセスに組み込んで、形成することを可能にする。さらに本発明の別のまたは択一的な課題は、従来技術に比べて改善された、前述のセキュリティ特徴の形成を可能にする機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために本発明の方法によれば、構造化された面を印刷技術で形成する方法であって、液体および粒子を基板に付着させ、表面構造を備えた液体を設ける方法において、液体の確率論的なもしくは偶然的な表面構造と確率論的なもしくは偶然的な粒子分布とを、ガスの吹付によって、硬化されていない液体に形成する。
【0009】
この課題を解決するために本発明の装置によれば、被印刷物を加工する機械、たとえば印刷機、特に平版オフセット印刷用のシートを加工する輪転印刷機であって、粒子を液体に付着させる装置が設けられており、後置された、ガスを吹き付け、したがって硬化されていない液体表面を確率論的にもしくは偶然的に構造化し、粒子を確率論的にもしくは偶然的に分布する装置が設けられており、後置された、確率論的にもしくは偶然的に構造化された液体を定着および/または硬化するための装置が設けられている。
【0010】
本発明の好適な別の構成は、従属請求項ならびに詳細な説明および付属の図面に記載されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明による方法を実施することにより、多数の利点が得られる。この方法は、構造化された面もしくは面上に構成されるセキュリティ特徴の、簡単であると同時に廉価な(なぜならば付加的に吹付しか行われないからである)製作を可能にする。簡単で僅かなステップを有する本発明の実現に基づいて、本発明による方法を生産プロセスに組み込むことも可能になる。前述の利点は、たとえば圧刻等よりも吹付が簡単で廉価な生産ステップであるということに基づいている。それというのも高価で摩耗する圧刻工具を省くことができるからである。
【0012】
ランダム特徴の形成に関して好適であり、したがって本発明による好適な方法によれば、液体へのガスの吹付により、粒子位置の確率論的な分布が形成される。
【0013】
ランダム特徴の形成に関して好適であり、したがって本発明による好適な別の方法によれば、液体へのハウジングの吹付により、粒子配向の確率論的な分布が形成される。
【0014】
良好に視覚可能であり、かつ/または検出可能なランダム特徴の形成に好適であり、したがって本発明による別の好適な方法によれば、液体に、温度調整された、好適には加熱された空気を吹き付けるか、または空気に対して追加的に赤外放射を当て、ここでは液体の粘性が、加熱により低下され、粒子の確率論的な分布(位置および/または配向)の形成が支援される。たとえば確率論的な波形成または気泡形成がもたらされる。さらに粒子の確率論的な分布(位置および/または配向)の形成を支援するレーザ放射源またはマイクロ波放射源も使用可能である。択一的に基板を温度調整する、好適には加熱することも可能である。
【0015】
永続的なランダム特徴を形成するために好適であり、したがって本発明による好適な別の方法によれば、液体を、吹付のあとで、放射、好適には紫外放射、赤外放射または電子放射、レーザ放射、マイクロ波放射および/または熱気を使用して硬化させ、この際確率論的な表面構造および確率論的な粒子分布が定着される。換言すると、前段落の手段は、第1に確率論確率論的な構造および分布の形成に役立つ一方で、本段落の手段は、第1にこの確率論的な構造および分布の永続的な硬化に使用される。
【0016】
光沢または光輝等所望の光学的な効果に関して好適であり、したがって本発明による好適な別の方法によれば、粒子として以下の効果顔料;自然または合成の干渉顔料、パール光沢顔料、金属酸化物で被覆された雲母、被覆されたホウ珪酸塩、液晶、ガラス板、ガラス玉、金属効果顔料、プラスチック板またはプラスチック箔から成る効果顔料を付着させ、粒子により、視覚的および/またはカメラ技術的に認識可能な効果が得られる。
【0017】
セキュリティ特徴または装飾特徴としての利用に関して好適であり、したがって本発明による好適な別の方法によれば、粒子により、視覚的および/またはカメラ技術的に認識可能な効果が得られる。
【0018】
良好に視認可能であり、かつ/または検出可能なランダム特徴の形成に好適であり、したがって本発明による好適な別の方法によれば、追加的にコントラストを高める第2の液体またはコントラストを高める箔転写材料を基板に取り付ける。
【0019】
真正証明のために、印刷製品または包装製品にセキュリティ要素を形成する本発明による方法は、以下のステップを有している:即ち、製品の基板においてスペース的に制限された特徴部分に、本発明に関して説明した方法により、ランダム特徴を有する面を取り付けて、唯一の固有性(原本)が得られる。
【0020】
前述の方法の1つを実施するための、被印刷物を加工する機械、たとえば印刷機、特に平版オフセット印刷用のシートを加工する輪転印刷機では、粒子を液体に付着させる装置が設けられており、後置された、ガスを吹き付け、したがって硬化されていない液体表面を確率論的に構造化し、粒子を確率論的に分布する装置が設けられており、後置された、確率論的に構造化された液体を定着および/または硬化するための装置が設けられている。
【0021】
この本発明による機械の運転では、既に本発明による方法に関して説明した利点と同様の利点が得られる。たとえば構造化された面が、簡単にテストされた手段によって廉価にそして「インライン」に形成可能である。
【0022】
良好に視認可能であり、かつ/または検出可能なランダム特徴の形勢に好適であり、したがって本発明による機械の好適な別の構成によれば、粒子を含む液体を付着させる装置が、スクリーン印刷装置として形成されており、オフセット印刷装置または冷間箔転写装置が前置されており、オフセット印刷装置または冷間箔転写装置は、コントラストを高める第2の液体またはコントラストを高める箔転写材料を付着させる。
【0023】
説明した本発明の方法および装置、ならびに説明した本発明の好適な方法および装置は、互いに組み合わせても、本発明の好適な構成を成すものである。好適には、たとえば黒色のオフセットインキによる基板の前処理、スクリーン印刷により行われるパール光沢粒子と共に液体の付着、加熱された空気の吹付およびUV放射による最終的な硬化である。
【0024】
以下に、図面につき、少なくとも1つの好適な構成に基づいて本発明の構造的かつ/または機能的に好適な実施の形態を詳説する。図面には、対応する構成要素には同じ符号を設けた。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に従って被印刷物を加工する機械の好適な実施の形態を示す概略断面図である。
【図2】付着され構造化された本発明による液体−粒子−層を示す拡大断面図である。
【図3】本発明による好適な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。
【0027】
図1には、本発明に従った、被印刷物を加工する機械1の好適な実施の形態を概略断面図で示す。ウェブまたはシート状の被印刷物2もしくは基板、好適には紙(択一的に厚紙またはプラスチック)が、加工機械1内で、本発明に従って、構造化された面3を印刷技術で形成するために用いられる一連のプロセスステーションを通走する。
【0028】
加工機械1は、液体5を付着させるため、かつ粒子6を付着させるための装置4を備えている。好適には、この装置4は、スクリーン印刷装置4として、特に好適には内側の液体供給路を備えたロータリースクリーン印刷装置4として形成されている。液体5は、容器7に貯蔵されており、粒子6は、個別の容器8に貯蔵されており、そこから液体5および粒子6は、混合器9に供給される。液体5と粒子6とから形成された混合物は、管路10を介して、側方に、スクリーン印刷シリンダ11の内側にガイドされ、そこからスクリーン印刷版(ステンシル)と協働するスキージ12を用いて基板2に付着される。択一的に、液体5を付着させるため、かつ粒子6を付着させるための別の装置を用いてもよく、たとえばフレキソ印刷装置またはレーザ印刷装置である。いずれにせよこの装置は、後続の構造化のために、十分な厚さを有する、好適には約50μm〜500μmの厚さを有する液体の層13を付着できることが重要である。
【0029】
液体として、好適にはインキ5またはラッカ5が用いられる。粒子6として、好適にはパール光沢顔料、金属酸化物で被覆された雲母6、被覆されたホウ珪酸塩6、液晶6、ガラス板6、(たとえば様々な色の)ガラス玉6、金属効果顔料6、プラスチック板6またはプラスチック箔片6が用いられる。用いられる粒子6により、視覚的に検出可能な、つまり目視で認識可能な、またはカメラ技術により検出可能な、つまり光学的なスペクトル範囲で検出可能な効果が得られる。換言すると、粒子6は、付着される液体5の光学的な印象を変化させる。
【0030】
本発明によれば、付着される液体5の層13に、ガス14が吹き付けられる。このために加工機械1には、層13にガス14を吹き付ける装置15が設けられている。用いられるガス14は、好適には空気14である。温度調整するため、ひいては加熱により液体5の粘性を低下させるために、ガス14は、吹付前に加熱される。このために加熱装置16を、好適には送風装置15の内側に設けてよい。加熱され、したがって低粘性の液体5は、吹き付けられるガス14により良好に凹凸状に構造化することができ、つまり液体もしくは層13の表面17に十分に強い構造物を形成するために、ガス14の比較的低い圧力または比較的低い流速が必要である。本発明に関して、「十分に強い」とは、形成される凹凸18(択一的に山/谷、高さ−深さ−構造または粗い構造)が、構造化による光学的な印象が少なくとも一部で認識可能に変化されるように、形成されていることを意味する。
【0031】
本発明によれば、硬化されていない、ひいては変形可能な液体表面17にガス14を吹き付けることにより、液体5の確率論的なもしくは偶然的な表面構造18および確率論的なもしくは偶然的な粒子分布、つまり2つのランダム(不規則)な特徴もしくはまとめて唯一のものとしての固有物が形成される(図2参照)。確率論的なもしくは偶然的な粒子分布は、粒子位置の確率論的なもしくは偶然的な分布および/または粒子配向の確率論的なもしくは偶然的な分布である。板状または平らにされた粒子6を用いると、基板2に対する位置および基板2に対する角度(板の)に影響を及ぼすことができる。
【0032】
さらに加熱装置16に対して追加的または選択的に別個の加熱装置19、好適には赤外放射19が設けられており、赤外放射19は、吹出装置15の作用域にある液体5を加熱する。
【0033】
構造化された液体被覆13は、次いで下流側で、つまり後置して、液体を硬化させるための装置20に供給される。硬化装置20は、好適には、i)紫外放射、赤外放射または電子放射および/またはii)熱気を形成する装置である。形成される放射21または熱気21の作用によって、液体5が硬化され、確率論的な表面構造18および確率論的な粒子分布が硬化された液体5に定着される。
【0034】
液体粒子層13の光学的な効果を支援するために、上流側に、したがって前置して、オフセット印刷装置22または冷間箔転写装置22が設けられており、オフセット印刷装置22または冷間箔転写装置22は、コントラストを高める第2の液体23またはコントラストを高める箔転写材料23を付着させる。好適には、暗色または黒色のインキが付着される。択一的に、暗色または黒色の色料または被覆を備えた基板を用いてもよい。
【0035】
図2には、本発明に従って付着され構造化された液体粒子層13を拡大図で示す。看取されるように、吹付により液体隆起部24が形成されており、液体隆起部24に粒子6が含まれる。隆起部6における粒子の位置および配向は、吹出により影響を及ぼして、したがって変化させることができる。本発明に従って用いられるプロセスにより、位置および配向に関する粒子6の確率論的な分布が得られる。
【0036】
位置および配向の両方は、構造化された面17の光学的な外見に影響を及ぼし、光学的な構造化のために用いることができる。
【0037】
さらに看取されるように、被覆13の下位部分25における粒子6は、基板に対して大体において平行であり、したがって確率論的というよりは規則的に形成されており、つまり、構造化および確率論的な操作は、被覆13の上位部分26において行われる。換言すると、吹付による粒子6の主要部分の操作により、少なくとも単なる付着により得られる狭い角度分布に対して変化された、基板に対する各粒子平面の配向の広い角度分布が得られ、特にフラットな粒子6において光学的に認識可能になる。その効果によれば、たとえば構造隆起部24またはいわゆる「山」が、いわゆる「谷」に対して明るく、または色変化して表れ、したがって光学的により良好に認識するか、検出することができる。別の構成では、少なくとも概ね平らな液体層13における、基板2に対して略平行に向けられて大体において平らな粒子6が、吹付によって、形成された構造隆起部24にもたらされ、そこで配向に関して影響が及ぼされ、粒子6の大部分がもはや基板2に対して非平行に方向付けされている。
【0038】
板状の粒子6(粒子の配向は吹付により確率論的に広く分布される)の使用により、広く分布された様々な角度位置に基づく光学的な効果が生じ、これにより視覚的な印象に影響が及ぼされる。
【0039】
形成される効果は、印刷製品の装飾的な特徴を形成するために用いるだけでなく、印刷製品または包装製品にセキュリティ要素27を形成する方法の範囲内で、真正証明のために用いることができ、その際空間的に制限された特徴範囲において製品の基板2に、ランダム特徴を有する面が取り付けられ、これにより固有物が形成される。ランダム特徴は、液体5の表面17の確率論的な構造ならびに液体における粒子6の確率論的な分布から得られる。本発明に従って形成されるセキュリティ特徴27は、潜在的な偽造者が模造するのは極めて困難である。なぜならばセキュリティ特徴27は、表面17の外側の開いた3D構造(山−谷−効果)および粒子分布の内側の覆われた構造(可変の「光沢−効果」)を有しているからである。したがって現在において一般的な複写機による特徴27の簡単なコピーは排除されている。
【0040】
図示していない制御ユニットは、ガス14の供給(圧力、量、ガス種)および/または液体5の温度ひいては得られる効果を制御するために用いることができる。たとえば比較的高いインパルスでのガス放出によって、比較的高い構造隆起部24および比較的強い光学的な効果を形成することができる。
【0041】
液体の表面の構造化によって、光学的な効果の他に、触覚的な効果も形成され、触覚による効果も同様に、はじめの簡単な製品の真贋検査に用いられる。
【0042】
図3には、本発明による、構造化された面を印刷技術式に形成する好適な方法をフローチャートで示しており、ここでは液体および粒子は、基板に付着され、液体は、表面構造を備える。
【0043】
方法ステップA(付着)では、液体5および粒子6が基板2に付着され、好適にはまとめて、たとえば混合物として、ロータリースクリーン印刷ユニット4により付着される。
【0044】
方法ステップB(吹付)では、液体層13もしくは液体層13の表面17にガス14が吹き付けられ、その際、表面17の確率論的な構造18および粒子6の確率論的な分布が、少なくとも層13の表面に近い部分26に形成される。
【0045】
方法ステップC(硬化)では、予め処理された液体層13が、好適にはUVユニット20により硬化され、これにより表面17の構造部18(トポグラフィ)および含有する粒子6の分布も定着され、つまりほぼ持続的に固定される。
【0046】
選択的な方法ステップD(混合)では、粒子6は、液体5に混合され、方法ステップAに従って付着させるための装置4に供給される。
【0047】
選択的な方法ステップE(加熱)では、液体5が加熱され、直接に熱源19たとえば赤外放射または間接的に加熱されたガス14を介して加熱される。
【0048】
選択的な方法ステップF(前処理)では、コントラストを高める第2の液体23またはコントラストを高める箔転写材料23が基板2に付着され、場合によっては依然として液体−粒子−層13の付着前に硬化され、好適にはUV放射で硬化される。
【符号の説明】
【0049】
1 機械、 2 被印刷物、 3 構造化された面、 4 液体および粒子を付着させる装置、 5 液体、 6 粒子、 7,8 容器、 9 混合器、 10 管路、 11 スクリーン印刷シリンダ、 12 スキージ、 13 層/被覆、 14 ガス、 15 層にガスを吹き付ける装置、 16 加熱装置、 17 液体層の表面、 18 表面の構造(山−谷)、 19 加熱装置、 19.1 赤外放射、 20 液体を硬化する装置、 21 放射または熱気、 22 オフセット印刷または冷間箔転写、 23 コントラストを高める第2の液体またはコントラストを高める箔転写材料、 24 液体隆起部、 25 下位部分、 26 上位部分、 27 セキュリティ要素、 A 方法ステップ(付着)、 B 方法ステップ(吹付)、 C 方法ステップ(硬化)、 D 選択的な方法ステップ(混合)、 E 選択的な方法ステップ(加熱)、 F 選択的な方法ステップ(前処理)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化された面を印刷技術で形成する方法であって、
液体(5)および粒子(6)を基板に付着(A)し、表面構造(18)を備えた液体(5)を設ける方法において、
液体(5)の確率論的な表面構造(18)と確率論的な粒子分布とを、ガス(14)の吹付(B)によって、硬化されていない液体に形成することを特徴とする、構造化された面を印刷技術で形成する方法。
【請求項2】
液体(5)へのガス(14)の吹付(B)により、粒子位置の確率論的な分布を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
液体(5)へのガス(14)の吹付(B)により、粒子配向の確率論的な分布を形成する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
液体(5)に、加熱された空気(14)を吹き付けるか、または空気(14)に追加して赤外放射(19.1)を当て、液体(6)の粘性を、加熱により低下させる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
液体(5)を、吹付(B)のあとで、放射(21)、好適には紫外放射、赤外放射または電子放射および/または熱気(21)を使用して硬化させ、確率論的な表面構造(18)および確率論的な粒子分布を定着させる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
粒子(6)として以下の効果顔料;自然または合成の干渉顔料、パール光沢顔料、金属酸化物で被覆された雲母、被覆されたホウ珪酸塩、液晶、ガラス板、ガラス玉、金属効果顔料、プラスチック板またはプラスチック箔から成る効果顔料を付着し、粒子(6)により、視覚的および/またはカメラ技術的に認識可能な効果が得られる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
追加的にコントラストを高める第2の液体(23)またはコントラストを高める箔転写材料(23)を基板(2)に取り付ける、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
真正証明のために印刷製品または包装製品にセキュリティ要素を形成する方法において、
空間的に制限された特徴部分で、製品の基板(2)に、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法に従ってランダム特徴(27)を面に取り付け、これにより固有物を形成することを特徴とする、印刷製品または包装製品にセキュリティ要素を形成する方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法を実施するための、被印刷物を加工する機械、たとえば印刷機、特に平版オフセット印刷用のシートを加工する輪転印刷機であって、
粒子(6)を含む液体(5)を付着させる装置(4)が設けられており、
ガス(14)を吹き付け(B)、したがって硬化されていない液体表面(17)を確率論的に構造化し、粒子(6)を確率論的に分布する装置(15)が後置して設けられており、確率論的に構造化された液体を定着および/または硬化(C)するための装置(20)がさらに後置して設けられていることを特徴とする、被印刷物を加工する機械。
【請求項10】
粒子(6)を含む液体(5)を付着させる装置(4)が、スクリーン印刷装置として形成されており、オフセット印刷装置(22)または冷間箔転写装置(22)が前置されており、該オフセット印刷装置(22)または冷間箔転写装置(22)は、コントラストを高める第2の液体(23)またはコントラストを高める箔転写材料(23)を付着させる、請求項9記載の加工機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−194890(P2011−194890A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59161(P2011−59161)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(390009232)ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト (347)
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten−Anlage 52−60, Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】