説明

構造物の補強構造

【課題】 施工性が優れる、構造物の補強構造を提供する。
【解決手段】 補強構造3は、構造物1にプレストレスが導入されるように、繊維シート2が緊張した状態で構造物1の周面に巻き付けられて形成される。ここで、繊維シート2の、巻き付けられた両端部分2a、2aは、構造物1に定着される。一方、繊維シート2の、両端部分2a、2aを除く中間部分は、定着されない。こうして、構造物1は、その周面に繊維シート2が緊張した状態で巻き付けられることで補強される。そして、繊維シート2の中間部分が定着されないことから、定着の手間を省くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、繊維シートによって構造物が補強される、構造物の補強構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、コンクリート柱状体の補強方法として、そのコンクリート柱状体に高強度繊維帯状プリプレグを、緊張力を付与することなく全面接着して巻き付けることで、そのコンクリート柱状体を補強する方法があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特公平7−111080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来のコンクリート柱状体の補強方法にあっては、高強度繊維帯状プリプレグを全面接着して巻き付ける必要があり、施工性が良くなかった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、施工性が優れる、構造物の補強構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る構造物の補強構造は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る構造物の補強構造は、繊維シートによって構造物が補強される、構造物の補強構造であって、前記構造物にプレストレスが導入されるように、前記繊維シートが緊張した状態で前記構造物の周面に巻き付けられてなる。そして、この補強構造では、前記繊維シートの、巻き付けられた両端部分が、前記構造物に定着され、前記繊維シートの、前記両端部分を除く中間部分は、定着されない。こうして、構造物は、その周面に繊維シートが緊張した状態で巻き付けられることで補強される。しかも、繊維シートが緊張した状態で構造物の周面に巻き付けられることで、繊維シートの中間部分が構造物に定着されないにもかかわらず、繊維シートを構造物に容易に保持しておくことができる。そして、このように、繊維シートの中間部分が定着されないことから、定着の手間を省くことができ、構造物は、簡単に補強される。さらに、繊維シートの中間部分が定着されないことから、その部分の構造物に亀裂が生じたときに、繊維シートに応力が集中することがなく、繊維シートが破断するのを避けることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明に係る構造物の補強構造は、繊維シートによって構造物が補強される、構造物の補強構造であって、前記構造物にプレストレスが導入されるように、前記繊維シートが緊張した状態で前記構造物の周面に巻き付けられてなる。そして、この補強構造では、前記繊維シートの、巻き付けられた両端部分は、前記構造物に定着され、前記繊維シートの、前記両端部分を除く中間部分は、部分的に定着されて他の部分は定着されない。こうして、構造物は、その周面に繊維シートが緊張した状態で巻き付けられることで補強される。しかも、繊維シートが緊張した状態で構造物の周面に巻き付けられることで、繊維シートの中間部分が一部を除いて構造物に定着されないにもかかわらず、繊維シートを構造物に容易に保持しておくことができる。そして、このように、繊維シートの中間部分が一部を除いて定着されないことから、定着の手間を減ずることができ、構造物は、簡単に補強される。さらに、繊維シートの中間部分が一部を除いて定着されないことから、その部分の構造物に亀裂が生じたときに、繊維シートに応力が集中することがなく、繊維シートが破断するのを避けることができる。その上、繊維シートの中間部分が部分的に定着しているため、万が一繊維シートが破断した場合であっても、その影響は、中間部分の定着した箇所で止まる。したがって、その繊維シートの破断の影響は、繊維シートの全体に及ぶことがない。
【0008】
また、請求項3に記載の発明に係る構造物の補強構造は、請求項1または2に記載の構造物の補強構造であって、前記繊維シートは、合成樹脂を含浸していない無含浸の繊維シートであることを特徴とする。このように、繊維シートが、合成樹脂を含浸していない無含浸の繊維シートであることから、この繊維シートを構造物に容易に巻き付けることができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る構造物の補強構造によれば、次の効果がある。
【0010】
請求項1に記載された構造物の補強構造によれば、構造物は、その周面に繊維シートが、緊張した状態で、中間部分が定着されないで巻き付けられることから、繊維シートの定着の手間を省くことができ、その巻き付けの施工性が優れる。
【0011】
また、請求項2に記載された構造物の補強構造によれば、構造物は、その周面に繊維シートが、緊張した状態で、中間部分が一部を除いて定着されないで巻き付けられることから、繊維シートの定着の手間を減ずることができ、その巻き付けの施工性が優れる。その上、繊維シートの中間部分は、部分的に定着しているため、万が一繊維シートが破断した場合であっても、その影響は、中間部分の定着した箇所で止まり、繊維シートの全体に及ぶことがない。
【0012】
また、請求項3に記載された構造物の補強構造によれば、加えて、繊維シートは、合成樹脂を含浸していない無含浸の繊維シートであることから、この繊維シートを構造物に容易に巻き付けることができ、その巻き付けの施工性が一層優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明に係る構造物の補強構造を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る構造物の補強構造の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、補強の対象となる、タンク、橋脚、柱等の構造物であって、特に、コンクリート製(鉄筋コンクリート製)の構造物である。2は、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維シート、炭素繊維シート、ガラス繊維シート、アラミド繊維シート等の、繊維シート、特に、連続繊維シートであって、図示実施の形態においては、合成樹脂を含浸していない無含浸の繊維シートである。3は、前記繊維シート2によって構造物1が補強される、構造物1の補強構造である。
【0015】
この補強構造3は、前記構造物1にプレストレスが導入されるように、繊維シート2が緊張した状態で構造物1の周面に巻き付けられて形成される。ここで、繊維シート2の、巻き付けられた両端部分2a、2aは、構造物1に定着され、繊維シート2の、前記両端部分2a、2aを除く中間部分は、定着されていない。繊維シート2の両端部分2a、2aの、構造物1への定着方法は、例えば、繊維シート2を、合成樹脂等からなる接着材を用いて構造物1へ貼り付ける方法が採られる。その他の定着方法としては、繊維シート2にあらかじめ固定具(例えば、鉄板等の固定板)を取り付けておき、その固定具を構造物1に固定する方法とか、繊維シート2を押え具(例えば、鉄板等の押え板)により押えつけて、構造物1に固定する方法とかがある。そして、繊維シート2に付与する緊張力は、繊維シート2の引張り強度(破断強度)の1%を下限とし、繊維シート2の引張り強度(破断強度)の30%を上限とするのが望ましいが、その範囲に限定されるものではない。
【0016】
図示実施の形態においては、繊維シート2は、例えば、構造物1の下端部分1a(または上端部分1b)から、上端部分1b(または下端部分1a)まで、螺旋状に巻き付けられている。そして、繊維シート2の、巻き付けられた両端部分2a、2a(具体的には、下端部および上端部)は、構造物1に定着されて、シート端部定着部201、201となっている。ここで、繊維シート2は、構造物1にほとんど隙間なく巻き付けられているが、一部が重なるように巻き付けられてもよく、また、反対に、間隔を開けて巻き付けられてもよい。また、繊維シート2は、構造物1に、一重に巻き付けられているが、二重あるいは三重等、複数重ねて巻き付けられてもよい。そして、この場合には、巻き付けの向きを、右上がりと右下がりとのいずれかの向きに統一してもよいが、一重目と、二重目等で、その向きを変えてもよい。また、構造物1に比して繊維シート2が短い場合には、他の繊維シート2が継ぎ足されて巻き付けられる。そして、この場合には、繊維シート2、2の継目部分は、構造物1に定着されても定着されなくともいずれでもよい。
【0017】
次に、第一の実施の形態に示す補強構造3の作用効果について説明する。この補強構造3によると、構造物1は、その周面に繊維シート2が緊張した状態で巻き付けられることで補強される。しかも、繊維シート2が緊張した状態で構造物1の周面に巻き付けられることで、繊維シート2の中間部分が構造物1に定着(接着)されないにもかかわらず、繊維シート2を構造物1に容易に保持しておくことができる。そして、このように、繊維シート2の中間部分が定着されないことから、定着の手間を省くことができ、構造物1は、簡単に補強される。すなわち、この補強構造3は、繊維シート2の中間部分の定着の手間を省くことで、巻き付けの施工性が優れた補強構造となっている。ここにおいて、定着されない部分においては、構造物1の下地処理も不要となり、定着のための最小限のアンカー工(接着材とか固定具等を用いる)で済むこととなる。しかも、繊維シート2は、合成樹脂を含浸していない無含浸の繊維シートであることから、繊維シート2は、柔軟性が高く、この繊維シート2を構造物1に容易に巻き付けることができ、その巻き付けの施工性が一層優れる。さらに、繊維シート2の中間部分が定着されないことから、その部分の構造物1に亀裂が生じたときに、繊維シート2に応力が集中することがなく、繊維シート2が破断するのを避けることができる。
【0018】
図2は、本発明に係る構造物の補強構造の第二の実施の形態を示す。この実施の形態に示す補強構造10は、第一の実施の形態に示す補強構造3と、ほぼ同様であるが、繊維シート2の定着部が異なるため、以下に、その異なる部分を主に説明する。
【0019】
この補強構造10においては、繊維シート2の、巻き付けられた両端部分2a、2aは、第一の実施の形態と同様に、構造物1に定着されるが、繊維シート2の、前記両端部分2a、2aを除く中間部分は、第一の実施の形態とは異なり、部分的に定着されて他の部分は定着されない。すなわち、繊維シート2の、巻き付けられた両端部分2a、2a(具体的には、下端部および上端部)は、構造物1に定着されて、シート端部定着部201、201となっている。そして、繊維シート2の、両端部分2a、2aを除く中間部分は、部分的に定着されたシート中間定着部202、202を有している。このシート中間定着部202は、例えば、接着材とか固定具等によって定着されるのが好ましい。ここで、この構造物1の補強にあたっては、例えば、繊維シート2の一方側を緊張させてその緊張させた両端を順に構造物1に定着し、その作業を、繊維シート2の一方側から他方側まで順次繰り返しながらその繊維シート2を構造物1に巻き付ける。こうして、繊維シート2の、巻き付けられた両端部分2a、2aは、構造物1に定着され、繊維シート2の両端部分2a、2aを除く中間部分は、構造物1に部分的に定着されて他の部分は定着されない補強構造10が完成する。そして、この方法を用いることで、補強の対象となる構造物1が大きく、施工範囲が長く、一括巻きができない場合等においても、施工可能な長さの範囲で順次定着し巻き付けることができる。
【0020】
この第二の実施の形態に示す補強構造10の作用効果は、第一の実施の形態に示す補強構造3と同様であるが、さらに、以下に示す作用効果を有する。この補強構造10によると、繊維シート2の中間部分が部分的に定着しているため、万が一繊維シート2が破断した場合であっても、その影響は、中間部分の定着した箇所(シート中間定着部202)で止まる。したがって、その繊維シート2の破断の影響は、繊維シート2の全体に及ぶことがなく、この破断の影響を最小限に抑えることができる。
【0021】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、補強の対象となる構造物1は、タンク、橋脚、柱等の立設した構造物、すなわち、縦方向に延びる構造物に限らず、管路を形成するパイプ等の横方向に延びる構造物であってもよい。さらに、この構造物1は、コンクリート製でなくとも、金属製等であってもよく、また、それらの複合構造からなる構造物であってもよい。
【実施例1】
【0022】
図3および図4は、本発明に係る補強構造の実施例1の、補強対象物となるコンクリート柱110(構造物1に相当)、および、そのコンクリート柱110が繊維シート2によって補強された供試体310(補強構造3に相当)を示す。コンクリート柱110は、直径300mm、高さ900mmのコンクリート円柱であって、内部には、鉄筋比約1%の軸方向鉄筋(異形鉄筋D10mm×10本)および体積比0.18%の帯鉄筋(丸鋼φ6mm、ピッチ225mm)が配置されている(図3参照)。繊維シート2は、合成樹脂を含浸していない無含浸のPBO繊維シート210(物性値を表1に示す。)であって、50mm幅で、コンクリート柱110の周面の全面に巻き付けられる(図4参照)。PBO繊維シート210の補強量は体積比0.128%で実橋脚を想定した場合に直径2.5mの橋脚に繊維目付量(=単位面積当りの繊維質量)600g/m2の繊維シートを2層巻き付けた補強量に相当する。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
表2において、供試体名には、PBO繊維シート210の公称引張強度(3500Mpa)に対する導入緊張力の比率がパラメータとして記載されており、C1、C7.5、C15、C30は、PBO繊維シート210への導入緊張力が、公称引張強度に対して、各々1%、7.5%、15%、30%である供試体を意味する。これらC1〜C30で示される供試体310は、図4に示すように、コンクリート柱110の下端部分1aでPBO繊維シート210が樹脂接着(定着)され、緊張巻き付けのみで中間部が巻きつけられ、再びコンクリート柱110の上端部分1bで樹脂接着(定着)されている。こうして、PBO繊維シート210の両端部分2a、2aは、シート端部定着部201、201となっている。なお、C0で示される供試体は、PBO繊維シートによる補強をしない供試体であり、C0−付着で示される供試体は、PBO繊維シート210が緊張されることなく、かつ、その全体が樹脂接着されて巻き付けられた供試体である。
【0026】
試験は、図5に示すように、載荷試験機を使用して、変位制御方式(約1.0mm/分)により一軸圧縮載荷を行った。図6に、各供試体の軸方向応力とひずみ関係の試験結果を示す。本結果より無補強供試体(C0)に比較して補強供試体310(C1〜C30)が耐力および変形性能も高いことがわかる。PBO繊維シート210を全面樹脂接着により付着させた供試体C0−付着とC1とが同様の軸方向応力−ひずみ関係を示すことにより、付着のないPBO繊維シート緊張巻き付け補強は、全面樹脂接着によるシート補強と同様の効果が得られると考えられる。供試体(C0−付着)は、PBO繊維シート210が合成樹脂により接着(樹脂含浸接着)されている為、シートが10〜20mmの幅で一度に破断し、急激な応力低下が発生するのに対し、供試体310(C1〜C30)は、付着がないことにより終局時にゆるやかな応力低下を示し、急激な応力低下は示していない。また、供試体310(C1〜C30)の比較より導入緊張力が大きいほど最大圧縮応力度が増大することがわかる。これは導入緊張力が大きいほど拘束効果が高まるためであると考えられる。しかし、終局時においては導入緊張力が小さいほど終局時の軸方向ひずみが増大する傾向となった。
【実施例2】
【0027】
図7は、本発明に係る補強構造の実施例2の、補強対象物となるコンクリート柱110(構造物1に相当)を示す。コンクリート柱110は、直径400mm、高さ1600mmのコンクリート円柱であって、内部には、鉄筋比1.21%の軸方向鉄筋(異形鉄筋D13mm×12本)および、体積比0.248%の帯鉄筋(異形鉄筋D6mm、ピッチ150mm)が配置されている。繊維シート2は、実施例1と同様に、合成樹脂を含浸していない無含浸のPBO繊維シート210(物性値を表1に示す。)である。
【0028】
【表3】

【0029】
表3において、供試体名には、実施例1と同様に、PBO繊維シート210の公称引張強度(3500Mpa)に対する導入緊張力の比率がパラメータとして記載されており、C1、C15、C30は、PBO繊維シート210への導入緊張力が、公称引張強度に対して、各々1%、15%、30%である供試体を意味する。これらC1〜C30で示される供試体310は、PBO繊維シート210が、コンクリート柱110の周面の全面に、実施例1と同様の方法で、すなわち、PBO繊維シート210が、コンクリート柱110の下端部分および上端部分のみで、そのコンクリート柱110に樹脂接着(定着)され、中間部分は接着(定着)されることなく巻き付けられる。C0で示される供試体は、PBO繊維シート210による補強をしない供試体である。
【0030】
試験は、図8に示すように、載荷試験装置を使用し、橋脚天端に上部構造重量として、橋脚断面のコンクリート応力度が1.5MPaに相当する一定軸力(=188.5kN)を作用させた状態で、水平ジャッキにより正負交番載荷を行った。水平荷重の加力方式は、橋脚基部断面の最外縁にある軸方向引張鉄筋のひずみが降伏ひずみに達したときの載荷位置での水平変位を初降伏変位δy0として、初降伏変位までは荷重制御方式、初降伏変位以降は変位制御による変位漸増方式とした。また、各変位振幅において繰返し回数を3回とした(図9参照)。
【0031】
図10に、水平力−水平変位履歴曲線の包絡線を示す。コンクリート柱110をPBO繊維シート210で補強することで、水平力が低下するまでの水平変位が大幅に増加した。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明に係る構造物の補強構造の第一の実施の形態の概略図である。
【図2】この発明に係る構造物の補強構造の第二の実施の形態の概略図である。
【図3】実施例1における、コンクリート柱を示す概略図である。
【図4】同じく、供試体を示す概略図である。
【図5】同じく、載荷試験機を示す概略図である。
【図6】同じく、軸方向応力−ひずみ関係を示すグラフである。
【図7】実施例2における、コンクリート柱を示す概略図である。
【図8】同じく、載荷試験装置を示す概略図である。
【図9】同じく、供試体に与える地震動モデルを示すグラフである。
【図10】同じく、水平力−水平変位履歴曲線の包絡線を示すグラフである。
【符号の説明】
【0033】
1 構造物
2 繊維シート
2a 両端部分
3 補強構造
10 補強構造
110 コンクリート柱(構造物)
210 PBO繊維シート(繊維シート)
310 供試体(補強構造)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維シートによって構造物が補強される、構造物の補強構造であって、
前記構造物にプレストレスが導入されるように、前記繊維シートが緊張した状態で前記構造物の周面に巻き付けられてなり、
前記繊維シートの、巻き付けられた両端部分が、前記構造物に定着され、前記繊維シートの、前記両端部分を除く中間部分は、定着されないことを特徴とする、構造物の補強構造。
【請求項2】
繊維シートによって構造物が補強される、構造物の補強構造であって、
前記構造物にプレストレスが導入されるように、前記繊維シートが緊張した状態で前記構造物の周面に巻き付けられてなり、
前記繊維シートの、巻き付けられた両端部分は、前記構造物に定着され、前記繊維シートの、前記両端部分を除く中間部分は、部分的に定着されて他の部分は定着されないことを特徴とする、構造物の補強構造。
【請求項3】
前記繊維シートは、合成樹脂を含浸していない無含浸の繊維シートであることを特徴とする請求項1または2に記載の、構造物の補強構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−219951(P2006−219951A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36278(P2005−36278)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年9月1日に社団法人土木学会より発行の、第59回年次学術講演会講演概要集CD−ROM(DISC1)
【出願人】(591121111)株式会社安部工業所 (38)
【Fターム(参考)】