説明

構造部材

【課題】衝突性能や剛性性能等の車両性能を損なうことなく、軽量で高い強度を有する異方性鋼板を用いられるようにする。
【解決手段】本発明は、機械的特性のうち、少なくともヤング率、延性及び降伏強度に関して異方性を有し、圧延方向、圧延方向から45°方向、圧延直角方向で測定したヤング率の最大値が240GPa以上で、かつ、ヤング率の最大値と最小値との比が1.20以上の異方性鋼板により成形した構造部材であって、異方性鋼板を、剛性が必要とされる方向にヤング率の高い方向を、かつ、最も成形が複雑な方向に高い延性を示す方向をそれぞれ指向させて採取している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な形状を有する例えば自動車用車体等に用いる構造部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、「車両の後部車体構造」の名称で特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1に開示された車両の後部車体構造は、車体前後方向に延びる閉断面構造のリヤサイドメンバの後端末を、車幅方向に延びるテールクロスメンバに結合した車両の後部車体構造において、上記リヤサイドメンバの後端末と対向する上記テールクロスメンバの前面に、断面ほぼハット形で、周縁フランジを上記テールクロスメンバの前面に結合してテールクロスメンバとで、テールクロスメンバより前方へ突出する閉断面を形成する補強部材を設け、上記閉断面構造をなすリヤサイドメンバの後端末の端末開口を、上記補強部材の前方へ突出する突出部に嵌合し、上記リヤサイドメンバの後端末の端末開口の周面と上記突出部の外周面とを重ね合わせて溶接結合したものである。
【0003】
ところで、自動車用車体等の構造部材は、軽量化性能の向上を目的として、鋼板の高強度化が進んでいる。
しかし、構造部材の高強度化の弊害として材料の延性低下があるために、形状が複雑な部品については高強度化が困難であり、また、高強度化による板厚低減の軽量化が進むことにより、部品の剛性が低下するという問題がある。
すなわち、車両としての機能、剛性性能を確保しつつ、軽量化することは大変困難であり、従来の高強度材の適用部位は限られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−44352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高強度材の適用拡大の一方策として、鋼板の表面に摺動性の高い材料(有機皮膜・無機皮膜・潤滑性の高いプレス油)を塗布することが知られている。
しかしながら、当該材料の塗布は、溶接性の低下を招くとともに、プレス加工時の作業性の劣化やプレス型の短寿命化といった新たな問題を生起させている。
また、部品の性能確保を目的とした板厚の増加は、車両の軽量化を阻害するものであり、複雑な形状であって剛性を要求される部品には、引張強度500Mpa以下の材料の採用にとどまっている。
【0006】
そこで本発明は、衝突性能や剛性性能等の車両性能を損なうことなく、軽量で高い強度を有する異方性鋼板を用いた構造部材の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る構造部材は、機械的特性のうち、少なくともヤング率、延性及び降伏強度に関して異方性を有し、圧延方向、圧延方向から45°方向、圧延直角方向で測定したヤング率の最大値が240GPa以上で、かつ、ヤング率の最大値と最小値との比が1.20以上の異方性鋼板により成形した構造部材であって、
異方性鋼板を、剛性が必要とされる方向にヤング率の高い方向を、かつ、最も成形が難しい複雑な方向に高い延性を示す方向をそれぞれ指向させて採取していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、衝突性能や剛性性能等の車両性能を損なうことなく、軽量かつ高い強度を有する異方性鋼板を用いることができる。
また、高い延性を示す方向を部品の難成形方向に指向させて異方性鋼板を採取しているので、当該異方性鋼板の適用範囲を拡大することができ、より一層の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(A)は、本発明の第一の実施形態に係る構造部材の平面図、(B)は、その構造部材の斜視図である。
【図2】同上の構造部材に適合するように異方性鋼板を採取するときの説明図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る構造部材の斜視図である。
【図4】(A)は、図3に示すリアサイドメンバにおけるねじり剛性と、ねじり軸に対して45度方向のヤング率との関係を示すグラフ、(B)は、曲げ剛性とヤング率との関係を示すグラフ、(C)は、反力(衝突特性)と降伏強度との関係を示すグラフであり、異方性鋼板を用いたときの衝突性能への効果の解析結果を示している。
【図5】本発明の第三の実施形態に係る構造部材の斜視図である。
【図6】本発明の第四の実施形態に係る構造部材の斜視図である。
【図7】同上のリアサイドメンバを異方性鋼板によって採取成形するときの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1(A)は、本発明の第一の実施形態に係る構造部材の平面図、(B)は、その構造部材の斜視図、図2は、その構造部材に適合するように異方性鋼板を採取するときの説明図である。なお、図1(A),(B)及び図2に示す構造部材は、理解を容易にするために、その構造を簡略化して示している。
【0011】
本発明の一実施形態に係る構造部材A1は、異方性鋼板10(図2参照)を、剛性が必要とされる方向にヤング率の高い方向、かつ、成形が難しい方向に高い延性を示す方向にそれぞれ指向させて採取成形したものである。
【0012】
すなわち、構造部材A1は、上壁20の両側に側壁21,21を断面略台形にしたハット部22を、また、それら側壁21,21の下端辺縁21a,21aに水平な一定幅のフランジ23,23をそれぞれ外方に折曲形成した長尺体として形成されている。
その長手方向β1に対し、異方性鋼板10のヤング率の高い方向α1を所要の角度で交差させて採取成形している。
【0013】
異方性鋼板10は、機械的特性のうち、少なくともヤング率、延性及び降伏強度に関して異方性を有するものであり、それは、例えば特開2007−51313号公報において開示されている下記の組成からなるものである。
「質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:1.5%以下、N:0.01%以下、Nb:0.01〜0.40%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、[Nb]−(93/14)×[N]≧0.005を満足し、フェライトと相と低温変態相からなるミクロ組織を有し、かつ低温変態相の体積率が1〜60%であり、引張強度が590MPa以上で、かつ下記の式(1)のXが230GPa以上である剛性の高い高強度冷延鋼板;
X=0.005×TS/(ε2−ε1)[GPa]…(1)
ここで、[M]は元素Mの含有量[質量%]を表し、TSは鋼板の引張強度[MPa]、ε1は公称応力が0.40×TSのときの公称歪[%]、ε2は公称応力が0.45×TSのときの公称歪[%]を表す。」
【0014】
また、その製造方法は、次のとおりである。
「950℃以下における総圧下量を30%以上とし、Ar3変態点〜900℃の仕上温度で熱間圧延し、650℃以下で巻取り、40%以上の圧下率で冷間圧延後、(875−400×[C]−30×[Mn])〜(915−400×[C]−30×[Mn])℃で1〜600s加熱し、次いで冷却して700〜500℃の温度域に20s以上滞留させるとともに200〜500℃の温度域に60s以上滞留させて焼戻すか、あるいは前記700〜500℃の温度域での滞留の後200℃以下に冷却し、再加熱して200〜500℃の温度域に60s以上滞留させて焼戻す条件で焼鈍する。ここで、[M]は元素Mの含有量[質量%]を表す。」
【0015】
図1,2に示す構造部材A1は、最も高い延性を示す方向α3と、最も高い降伏強度を示す方向α2が互いに直交し、かつ、それらの方向α3,α2と45度をなす方向α1において最も高いヤング率を示すように上記結晶方位を制御したものである。
【0016】
上記の異方性鋼板10は、最も高いヤング率を示す方向α1におけるヤング率が、通常のヤング率(206GPa)に比して10%〜30%、また、最も高い延性を示す方向α3における伸び値が、従来材の590DP鋼(YP360MPa、TS590MPa、EL30%)に比して15〜40%、最も高い降伏強度を有する方向α2における降伏強度を10%〜40%、それぞれ向上させたものである。また、単位重量当たり約10%の軽量化を実現している。
【0017】
本実施形態においては、上記した異方性鋼板10の最も高いヤング率を示す方向α1を、(長手方向)β1と45度で交差し、最も高い延性を示す方向α3が長手方向β1と直交し、かつ、最も高い降伏強度を示す方向α2を、その長手方向β1と平行になるように採取している。
換言すると、剛性が必要とされる方向に鋼材のヤング率の最も高い方向を、かつ、難成形方向に最も高い延性を示す方向をそれぞれ指向させて採取成形している。
【0018】
すなわち、部品捩り軸に対して45度方向にヤング率が高い方向を配しているので、構造部材A1の捩り角を減少させるとともに、剛性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、異方性鋼板10のヤング率の高い方向α1を構造部材A1の長手方向β1に対して45度となるように採取形成しているが、40度〜50度の角度範囲に設定すればよい。
【0019】
以上のように、異方性鋼板を、その強度性能をつかさどる部材方向には材料の高強度方向を配し、また複雑な形状のために成形性を必要とする部材方向には低強度・高伸び方向を配しているので、より高強度材を複雑な形状部品に適用することができる。
【0020】
図3は、本発明の第二の実施形態に係る構造部材の斜視図である。
本発明の第二の実施形態に係る構造部材A2は、自動車用のリアサイドメンバに適用したものであり、それは、自動車の車体後部(図示しない)の左右両側に設置され、車体前後方向に延びる長尺体として、上記したものと同等の異方性鋼板10によって一体成形したものである。
【0021】
上記の構造部材(以下、単に「リアサイドメンバ」という。)A2は、前端半部30aを略凸形にしているとともに、後端半部30b側に異形のハット部30を形成し、また、両側辺縁部に一定幅のフランジ31,31を連成したものである。
【0022】
ハット部30は、前端部側から他端部に向けて次第に拡幅するとともに、高さ方向にも高くなるように、平坦な上壁30c,起立壁30d、湾曲した起立壁30e,30fにより膨出して成型されている。
起立壁30eは、長手方向β1と45度の角度で交差するように形成されている。
【0023】
異方性鋼板10の採取は、リアサイドメンバA2の幅方向に高い延性を示す方向α3を、車体の前後方向に、換言すると長手方向β1に高い降伏強度を示す方向α2を、また、ハット部30の起立壁30eと平行に高いヤング率を示す方向α1が指向するようにしている。
【0024】
上記のリアサイドメンバA2は、2つ以上の湾曲(起立壁30e,30f)を有するものであって、成形深さも深く、難成形部品として位置付けられている。
このようなリアサイドメンバA2は、伸び40%を持った440MPa級鋼板でしか成形が可能でなかったのに対し(伸び30%の590DP鋼では成形不可能)、異方性鋼板10を適用することにより、590MPa級の機械的特性を有する異方性鋼板の適用が可能となった。
【0025】
図4(A)は、図3に示すリアサイドメンバにおけるねじり剛性と、ねじり軸に対して45度方向のヤング率との関係を示すグラフ、(B)は、曲げ剛性とヤング率との関係を示すグラフ、(C)は、反力(衝突特性)と降伏強度との関係を示すグラフであり、異方性鋼板を用いたときの衝突性能への効果の解析結果を示している。なお、(A)の赤色で示すものが異方性鋼板、また、青色で示すものが従来材をそれぞれ示している。
【0026】
(A)に示すように、部品捩り軸に対して45度方向にヤング率が高い方向を配することにより、部品の捩り角が減り、剛性が向上するという結果が得られた。
また、(B)に示すように、部品長手方向にヤング率が高い方向を平行に指向させたときには、部品の曲げ剛性が向上するという結果が得られた。
【0027】
さらに、(C)に示すように、590DP(Dual Phase)鋼と比較し、同強度クラスおいても高降伏強度方向を衝突入力と平行に指向させることにより、初期反力が590DP鋼と比較して高くなるという結果が得られた。それは、特に反力が必要な部位への適用が大いに効果がもたらすと考えられる。
上記の構成からなる構造部材においては、高強度な異方性鋼板の適用拡大による軽量化の促進に加え、従来材と比較して剛性性能、衝突性能を向上させることができる。
【0028】
図5は、本発明の第三の実施形態に係る構造部材の斜視図である。
本発明の第三の実施形態に係る構造部材A3は、FR−L系(FrontエンジンRR駆動)自動車のリアサイドメンバに適用したものである。
【0029】
すなわち、構造部材(以下、単に「リアサイドメンバ」という。)A3は、上壁40aの両側辺縁に起立壁40b,40bを形成した断面コ形のハット部40と、起立壁40b,40bの下辺縁に一定の幅にして形成したフランジ41,41とを有するものであり、平面視において略弧状に形成されている。
【0030】
リアサイドメンバA3の材料特性値は、圧延方向に対し45度方向:ヤング率195GPa、降伏強度YP410MPa、引張強度TS578MPa、伸びEL38.1%であり、圧延直角方向:ヤング率240GPa、YP480MPa、TS640MPa、EL24.7%という異方性鋼板を用いて、長手方向β1に本材料の圧延斜め方向に指向させて採取成型したものである。
【0031】
本車種における本部品への主変形モードは、捩りモードとなっている。また、ハット部40の縦壁の単軸伸びが35%以上40%未満であり、かつハット部の高さを120mmとしている。また、2つ以上の方向に連続した湾曲の絞り形状を有し、ポンチ底R・肩ダイRをR10mm〜R20mmとしている。
【0032】
剛性・衝突・軽量化の性能を向上させるため、上記した異方性鋼板を用い、リアサイドメンバA3の長手方向に圧延斜めに向けて採取している。
ここで、圧延斜め方向とは、コイル圧延方向に対し45度である。
【0033】
コイルに対する部品採取イメージは、上記図2に示したものと同様である。このようにして部品を採取することにより、ハット部40の縦壁における難成形方向に、高い伸び方向である圧延45度方向を配することができるとともに、長手方向に対して45度方向に、ヤング率の高い圧延直角方向を指向させて、捩り剛性を向上させることができる。
【0034】
以上の構成によれば、板厚を10%提言することが可能となり、捩り剛性性能・衝突性能ともに、従来の590DP鋼の適用時よりも優れるという結果が得られた。特に捩り剛性においては、8.5%程度向上する。
【0035】
図6は、本発明の第四の実施形態に係る構造部材の斜視図、図7は、そのリアサイドメンバを異方性鋼板によって採取成形するときの説明図である。
本発明の第四の実施形態に係る構造部材A4は、FF系(FrontエンジンFront駆動)自動車のリアサイドメンバに適用したものである。
【0036】
すなわち、構造部材(以下、単に「リアサイドメンバ」という。)A4は、上壁50aの両側辺縁に起立壁50b,50cを形成した断面コ形のハット部50と、起立壁50bの下辺縁にフランジ51とを有するものであり、略ほぼ直線状に形成されている。
【0037】
このリアサイドメンバA4は、圧延方向:ヤング率215GPa、YP410MPa、TS610MPa、EL25.5%であり、圧延直角方向:ヤング率240GPa、YP480MPa、TS640MPa、EL24.7%という異方性鋼板を用い、ハット構造部品の長手方向に本材料の圧延直角方向を配したものである。
【0038】
本車種における本部品への主変形モードは、曲げ変形である。また、ハット部50の起立壁50bの単軸伸びが25%以上30%未満であり、直線的な絞り形状を有し、且つ絞り深さが120mmである。
【0039】
剛性・衝突・軽量化の性能を向上させるため、上記の異方性鋼板を用い、部品の長手方向β1に圧延直角方向を採取している。
圧延直角方向とは、コイル圧延方向β2に対して90度とする。コイル1,1に対する部品採取イメージは、図7に示すとおりである。
【0040】
このようにリアサイドメンバA4を採取することにより、ハット部50の縦壁における難成形方向に、高伸び方向である圧延方向を配することができ、かつ長手方向に対して、ヤング率の高い圧延直角方向を配することが可能となり、曲げ剛性を向上させることができる。
【0041】
これにより、板厚を10%低減することが可能となり、捩り剛性性能・衝突性能ともに、従来の590DP鋼の適用時よりも優れるという結果が得られた。特に曲げ剛性においては、10%程度向上する。
【0042】
以上、詳述したように、本発明にかかる上記各構造部材によれば、高延性方向を部品の難成形方向に配することで、高強度材の適用部品の拡大が可能となり、車両軽量化への貢献が可能となる。
また、等方性の従来材の590DP鋼の適用時と比較して、部品剛性・衝突性能を向上させられる。
さらに、圧延斜め方向に部品の長手方向を配することで、圧延コイル幅が狭くすることが可能となり、鋼板の使用量と生産時材料ロスが少なくでき、従ってまた、コストダウンを図ることができる。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・異方性鋼板の低い降伏強度を示す方向を、吸収エネルギー特性を要する方向に指向させて採取した構造としてもよい。この場合、吸収エネルギー性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0044】
10 異方性鋼板
30,40,50 ハット部
A1〜A4 構造部材
α1 ヤング率の高い方向
α2 高い降伏強度を示す方向
α3 高い延性を示す方向
β1 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的特性のうち、少なくともヤング率、延性及び降伏強度に関して異方性を有し、圧延方向、圧延方向から45°方向、圧延直角方向で測定したヤング率の最大値が240GPa以上で、かつ、ヤング率の最大値と最小値との比が1.20以上の異方性鋼板により成形した構造部材であって、
異方性鋼板を、剛性が必要とされる方向にヤング率の高い方向を、かつ、最も成形が複雑な方向に高い延性を示す方向をそれぞれ指向させて採取していることを特徴とする構造部材。
【請求項2】
長尺体として形成されており、
その長尺体の長手方向に対し、異方性鋼板のヤング率の高い方向を所要の角度で交差させて採取していることを特徴とする請求項1に記載の構造部材。
【請求項3】
長尺体として形成されており、
その長尺体の長手方向に、異方性鋼板のヤング率の高い方向を指向させて採取していることを特徴とする請求項1に記載の構造部材。
【請求項4】
異方性鋼板の高い降伏強度を示す方向を、反力特性を要する方向に指向させて採取していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造部材。
【請求項5】
異方性鋼板の低い降伏強度を示す方向を、吸収エネルギー特性を要する方向に指向させて採取していることを特徴とする請求項4に記載の構造部材。
【請求項6】
縦壁を有するハット部が形成されており、
その縦壁の単軸伸びが25%以上40%未満であり、かつ、高さが80mm〜120mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造部材。
【請求項7】
ハット部が形成されており、
そのハット部が直線的な絞り形状を有し、かつ、絞り深さが80mm〜120mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造部材。
【請求項8】
ハット部が形成されており、
そのハット部が二つ以上の方向に連続した湾曲の絞り形状を有し、かつ、絞り深さが80mm〜120mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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