標的を動けなくする装置及び標的を動けなくする方法
【課題】費用、信頼性、射程および有効性の点で改良を加えた標的を動けなくするための装置を提供する。
【解決手段】第1電極と、第2電極と、標的の動きの結果として前記標的と接触するようになる第3の電極と、前記第1の電極、前記第2の電極、および前記第3の電極に選択的に結合されて、前記第3の電極に向かう前記標的の動きを促すために前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を生成して、前記第3の電極を介して動けなくするための刺激信号を供給する波形発生器136とを含む。
【解決手段】第1電極と、第2電極と、標的の動きの結果として前記標的と接触するようになる第3の電極と、前記第1の電極、前記第2の電極、および前記第3の電極に選択的に結合されて、前記第3の電極に向かう前記標的の動きを促すために前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を生成して、前記第3の電極を介して動けなくするための刺激信号を供給する波形発生器136とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概括的には、人又は動物の運動能力を低下させるための電撃発射体を使用する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年10月7日Patrick W Smith他により出願された同時係属出願の米国特許出願第60/509,577号に対する米国特許法第119(e)条に基づく優先権を主張する。
【0003】
本発明は、一部には米国政府後援の研究に関連してなされたものである。従って、米国政府は、本発明の支払済みライセンスを有すると共に、限定された状況下においては、海軍研究局により裁定された契約書第N00O14−02−C−0059号の規約により規定される妥当な条件で、特許所有者に対して、他者にライセンスを供与することを求める権利を有する。
【0004】
電撃発射体を打つ武器が護身用及び法の執行として使用されているが、この場合発射体の標的となるのはヒト又は動物である。従来から使用されているこのような武器の1つの種類として、Coverに発行された米国特許第3,803,463号及び同第4,253,132号に記載されている種類のエネルギー伝導武器がある。通常、エネルギー伝導武器は、約15フィートの範囲に向けて手持ち式の装置から2個の発射体を発射させて標的に刺激信号を与える。発射体は、2本の細い絶縁ワイヤにより手持ち式装置の電源に繋留されたままになる。繋留式発射体はダーツとも呼ばれる。
【0005】
一連の比較的高電圧の連続パルスを含む刺激信号がワイヤを通して標的に送り込まれ、標的に苦痛を生じさせる。刺激信号を送出する際、発射体の電極と標的の導電組織との間には高いインピーダンスギャップが存在する(例えば、空気や衣服)。従来の刺激信号は、2インチまでならそのようなギャップに亘って進路をイオン化する比較的高い電圧(例えば、約50,000ボルト)を含んでいる。結果的に、刺激信号は発射体を組織に貫入させることなく標的の組織内に伝導される。Coverにより述べられている種類の刺激信号の有効性には限界がある。例えば、発射体に打たれ比較的高電圧を受けている間又はその後に、肉体運動的職務を実行する(例えば、武装した者を相手に戦う)ように指示されたヒトの標的の大部分は、この職務を遂行できることが、試験により分っている。
【0006】
火薬推進剤を使用する従来型のエネルギー伝導武器は、用途が限定されている。これらの武器は、銃火器として分類され、米国では厳しい規制を受けており、市場売買が厳しく制限されている。
【0007】
スタンガンとして知られている従来型の他のエネルギー武器は、発射体を省き、標的が武器に接近したときに、本質的に同じ刺激信号を標的に加える。そのような武器は、標的の接近により武器を装備した者の安全性が通常は低下するため、用途が限定されている。
【0008】
銃火器として分類されていないもう1つの従来型のエネルギー伝導武器は、発射体を推進するのに、例えばCoverに発行された米国特許第5,078,117号に記載されているように、圧縮ガスを使用している。この推進システムは、武器内の電荷によって爆発させる比較的小型の従爆薬を使用している。爆発により、窒素などの圧縮ガスのシリンダーが穿刺装置に押圧されると、或る量の圧縮窒素が放出され、発射体を武器から外に推し出す。
【0009】
より最近では、上記エネルギー伝導武器には比較的高エネルギーの波形が使用されている。この波形は、麻酔をかけたブタを使ってエネルギー武器の刺激に曝された哺乳類の筋肉反応を測定する研究から開発されたものである。この高エネルギー波形を使用した装置は、電気筋肉破壊(EMD)装置と呼ばれており、概括的には2001年12月12日出願のPatrick Smithの米国特許出願第10/016,082号に記載されている型式のもので、同特許出願を参考文献として本願に援用する。EMD波形を動物の骨格筋に与えると、通常、骨格筋が激しく収縮する。EMD波形は、標的自身の神経系による筋肉制御に明らかに優先して、骨格筋の動きを非自発的に止め、その結果、標的は完全に動けなくなってしまう。不都合なことに、比較的高エネルギーのEMD波形は、一般的には、高出力容量のエネルギー源から生成される。例えば、この種の武器は、8AAサイズの1.5ボルトバッテリー、即ち大容量コンデンサーと、繋留された発射体(例えば、ダーツ)に対して26ワットのEMD出力を生成する変圧器と、を備えている。
【0010】
2003年2月11日出願のMargne Nerheimの米国特許出願第10/447,447号に記載の2パルス波形型では、比較的高電圧で低アンペア数のパルスを(上記ギャップを超えるアーク形成用として)加えた後に、比較的低電圧で高アンペア数のパルスを(標的を刺激するために)加えている。骨格筋に対する効果は、上記EMD波形に比較して80%少ない電力で達成される。
【0011】
従来型のエネルギー伝導武器では、2個の電極を有効に分離して電極間に流れる電流によって標的に刺激を与えるのには、射程が限られている。或る従来型の武器では、それぞれ電極を備えた2個の発射体を、同じ弾薬筒から分離角度8度で発射する。上方の発射体は武器の視線方向に沿って発射される。下方の発射体は8度下向きに発射される。この角度により両電極は飛行中に分離する。射程21フィートで、下の電極は上の電極の接触点よりも約0.9m(3フィート)下で標的に接触することになる。
【0012】
McNultyに発行された米国特許第6,575,073号に記載のシステムでは、手持ち式装置から標的までの距離に左右されない一貫した電極分離が提供されている。ここでは、第1の電極を運ぶ大径の発射体が射程センサを備えている。標的からの或る感知した距離で、大径の発射体は、第2の電極を運ぶ小径の発射体を発射する。結果的に、費用は高くなり信頼性は低下する。射程感知システムは、視界が狭いために作動不良を起こしかねず、例えば、第2の電極を有効に展開させるには手遅れになるほど標的に接近するまで、射程センサが標的を有効に感知することができないような斜角で、装置が標的に当たってしまう事態も起きかねない。或いは、装置が、標的までの途中に在る障害物の近くを通過しなければならない方向に発射された場合、射程センサは、軌道付近の障害物を検知して第2の電極を過早発射し、第2の電極が的を外してしまうという事態も考えられる。
【0013】
Ragnerに発行された米国特許第5,698、815号では、一体に繋留された電極の配列が記載されている。そのような配列は、飛行中は必然的に空気力学的に不安定になる。このような配列は、標的に当たる精度が上記他の技術に比べて劣る。
【0014】
本発明のシステム及び方法なくしては、エネルギー武器に対して、費用、信頼性、射程及び有効性の点で更に改良を加えるのは実現が困難である。このままでは、エネルギー武器の用途は制限されたままとなり、法の執行が阻まれ、個人の護身能力を高めることはできない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の各種態様によれば、標的を動けなくするための装置において、第1電極と、第2電極と、前記標的の動きの結果として前記標的と接触するようになる第3の電極と、前記第1の電極、前記第2の電極、および前記第3の電極に選択的に結合されて、前記第3の電極に向かう前記標的の動きを促すために前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を生成して、前記第3の電極を介して動けなくするための刺激信号を供給する波形発生器とを含んでいる。
【0016】
また、前記第1の電極は前記第2の電極に近接している。
【0017】
また、前記第1の電極と第2の電極は、標的を動けなくする装置の前方に配置され、前記第3の電極は、前記標的によって掴まれるように配置され露出している。
【0018】
さらに、標的を動けなくする方法において、前記標的へ第1の電極と第2の電極を接触させるステップと、前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を供給するステップと、前記刺激信号に応答した前記標的の動きの結果として、第3の電極を前記標的と接触させるステップと、前記標的を動けなくするために、前記第3の電極を介して前記刺激信号を供給するステップと、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
これより添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明するが、各図面を通して同じ要素は同じ符号を付して示している。
【0020】
当業者には理解頂けるように、説明を明確にするため、図面内の各部分は必ずしも縮尺が合ってはいない。
【0021】
本発明の各種態様によるシステムは、動物(例えば人間)に刺激信号(stimulus signal)を与えて動物を動けなくする。例えば、動物を危険から救うか、或いは可動性に対してより永続的な拘束を加えるために動物の行動を阻止する目的で動けなくするのは、一時的であるのが適している。電極は、動物自身の動作(例えば、電極に向かう動物の行動)により、動物に向けて電極を推進することにより(例えば、電極を電撃発射体の一部とする)、展開機構により、及び/又は重力により、動物と接触した状態になる。例えば、図1から図9のシステム100は、発射装置102と弾薬筒104を含んでいる。発射装置104は、電力供給装置112、照準装置114、及び推進装置116を含んでいる。推進装置116は、推進起動部118、及び推進薬120を含んでいる。代わりの実施形態では、推進薬120は、弾薬筒104の一部である。
【0022】
発射装置104の製造と操作には、どの様な従来の材料及び技術を採用してもよい。例えば、電力供給装置112としては1つ又は複数の充電式バッテリが、照準装置114としてはレーザー銃照準器が、推進起動部118としては幾つかの点で携帯銃の引き金に似た機械式引き金が、そして推進薬120としては圧縮窒素ガスが、それぞれ挙げられる。作動時には、弾薬筒104を発射装置104に又はその中に装填し、ユーザーによる手動操作で、電極を運ぶ発射体を発射装置104から標的(例えば、人間のような動物)に向けて飛び出させ、電極が標的に電気的に連結した状態になった後、標的の組織の一部を通して刺激信号を送り込む。或る実施形態では、発射装置は手持ち式であり、従来の携帯銃と同様のやり方で操作することができる。
【0023】
弾薬筒104は、電源134、波形発生器(waveform generator)136、及び電極展開装置138を有する発射体132を含んでいる。電極展開装置138は、展開起動部140と1つ又は複数の電極142を含んでいる。電源134は、エネルギー容量対体積比が比較的高くなるように選択されたものであれば、どの様な従来型のバッテリでもよい。波形発生器136は、電源134から電力を受け取り、従来型の回路を使用して従来型の刺激信号を発生させる。
【0024】
刺激信号は、電極を介して標的内を通る経路により完成された回路に送り込まれる。電源134、波形発生器136、電極142は、協働して刺激信号送出回路を形成するが、この回路には、展開起動部142によって展開されない(例えば、発射体132の衝突により配置される)1つ又は複数の追加的電極が更に含まれていてもよい。
【0025】
発射体132は、電源134、波形発生器136用の回路アッセンブリ、及び電極展開装置138を取り付けるための区画又は他の構造を有する本体部を含んでいる。本体部は、弾道学的特性にふさわしい従来型の形状(例えば、濡れた空気力学的形態(wetted aerodymanics form))に形成してもよい。
【0026】
電極展開装置は、電極を格納状態から展開状態に移行させる機構であればどのような機構を含んでいてもよい。例えば、電極142が大気中を進んで標的に至る発射体の一部である実施形態では、格納状態では、発射体を正確に飛行させるための空気力学的な安定性が与えられる。展開状態では、組織を突き刺すことにより直接的に、又はアークを介して組織に入ることにより間接的に、刺激信号送出回路ができあがる。分離距離は約1.5インチよりも約7インチの方がより効果的であることが分っており、一方の電極を大腿部に配置し他方の電極を手に配置するなど、更に長い分離距離も適している。電極を更に遠く離して配置すると、刺激信号はより多くの組織を通過するので、更に効果的な刺激を発生させることは明らかである。
【0027】
本発明の各種態様によれば、電極の展開は、発射体132と標的とが接触した後に起動される。この接触は、展開起動部の向きの変化、展開起動部の発射体本体部に対する位置の変化、展開起動部の方向、速度又は加速度の変化、及び/又は両電極間(例えば、142、又は発射体132の標的への衝突により設置された電極)の導電率の変化、によって判定される。低コストの発射体では、機械的特性によって衝突を検知し、機械的エネルギーの解放又は方向変更によって電極を展開する展開起動部140が好ましい。
【0028】
電極の展開は、本発明の各種態様によれば、標的の挙動により促進される。例えば、発射体の前方に間隔を狭めて設けた1つ又は複数の電極を、標的にくっ付けて標的に苦痛反応を励起する。1つ又は複数の電極を露出させ適した方向に(例えば、標的から離して)向かわせる。露出させるのは飛行中でも衝突後でもよい。標的の苦痛は、電極の棘部が標的の肉に刺さることにより生じ、或いは2個の電極が接近して配置されている場合は、これら接近配置した両電極間に刺激信号を送ることにより生じる。これらの電極は、接近し過ぎていて動きを奪うのには適していないかもしれないが、刺激信号は、十分な苦痛を発生させ方向感覚を失わせる。苦痛に対する典型的な反応動作は、痛みの原因と感じた箇所を手で(又は、動物の場合は口で)掴み、電極を取り除こうとする行為である。これは、いわゆる「ハンドトラップ」手法であり、この典型的な反応行動を利用して1つ又は複数の露出した電極を標的の手(又は口)に埋め込もうするものである。発射体を掴むことにより、1つ又は複数の露出した電極が標的の手(又は口)に突き刺さる。標的の手(又は口)の中の露出した電極は、普通は他方の電極から相当離れているので、この他方の電極の1つと露出した電極の1つの間の刺激により適度に動きを奪うことが可能になる。
【0029】
人間での試験で、手は神経密集度が非常に高いことから、標的の両手が特に効果的な刺激部位であることが分った。このように神経が密集していると、露出した電極の周りの最大電荷密度の領域に大量の神経線維が接近して存在することになるので、全体的な神経刺激効果が増大する。
【0030】
別のシステムの実施形態では、発射装置102、弾薬筒104、及び発射体132は省かれ、電源134、波形発生器136、及び電極展開装置138が、標的に又は標的付近に配置される他の従来型の形態に適合させた動けなくする装置150として形成されている。また別の実施形態では、展開装置138は省かれ、電極142が標的の行動及び/又は重力で設置される。動けなくする装置150は、個人の安全を守るため(例えば、人間の標的では衣服に、動物の場合は皮に埋め込んで将来的に起動する)、設備の安全を守るため(例えば、監視カメラへの時間告知、装置の運転停止、又は緊急応答)、又は軍事目的(例えば、地雷)で、従来技術を用いてパッケージ化してもよい。
【0031】
発射体132は、致死性であっても非致死性であってもよい。別の実施形態では、発射体132は、致命的な力を加えるためのあらゆる従来技術を含んでいる。
【0032】
ここに論じる「動けなくする」とは、標的の自発的な動作のあらゆる拘束を含む。例えば、動けなくすることには、苦痛を発生させること、又は正常な筋肉機能を妨害すること、が含まれる。動けなくすることには、標的の全ての動作又は全ての筋肉を含める必要はない。非自発的な筋肉機能(例えば、循環及び呼吸作用)は阻害されないのが望ましい。電極の配置が局所的な場合、1箇所又はそれ以上の骨格筋の機能損失によって適度に動きを奪うことができる。別の実施形態では、適度な強さの苦痛を発生させて、標的の肉体運動職務を完遂する能力に混乱を来たし、これにより標的の能力を奪い身体的に不自由にする。
【0033】
発射装置102の別の実施形態は、従来から利用可能な武器(例えば、銃火器、擲弾発射機、車載砲)を含んでいるか、或いはそれに置き換わっている。発射体132は、装薬120(例えば、火薬又は黒色火薬)によって送出される。発射体132は、代わりに、圧縮ガス(例えば、窒素又は二酸化炭素)の放出及び/又は急激な圧力の解放(例えば、ばね力、又は自動車のエアバッグ展開に用いられている種類の反応のような化学反応)によって飛び出させてもよい。
【0034】
発射体132は、電源134に代わりの又は補助的な動力を与えること、波形発生器136を始動、再始動、又は制御すること、展開を起動、再起動、又は制御すること、及び/又は発射体132内の機器と協働して電極142から与えられた信号を発射装置102で受信すること、を目的に、どの様な従来の技術を用いて発射装置102及び発射装置102内の適した回路(図示せず)に繋がれてもよい。
【0035】
システム100に使用する発射体132は、1つ又はそれ以上の幾つかの実施形態が考えられる。各実施形態では、以下に論じる展開起動部と電極をどの様に組み合わせてシステム100の上記1つ又は複数の目的に適した発射体を形成してもよい。以下に論じる各種実施形態の展開起動技術と電極の機械的特性を組み合わせることにより、動けなくするのに十分な間隔で2個の電極を互いに離間させて配置する際の成功の確率が上がる。
【0036】
本発明の各種態様によれば、発射体は、標的に衝突した後、発射体の後部から電極を展開する。例えば、図2から図4の発射体200には、4つの状態、即ち(1)フィンと電極が格納位置及び向きにある格納状態(図2A)、(2)飛行状態(図2C)、(3)標的接触後の衝突状態(図4A)、及び(4)電極展開状態(図4B)である。発射体200では、本体部204にプラグ202が取り付けられている(例えば、圧入、成形、クリンプ、又はシールされている)。プラグ202に加えられる前向きの力によって、発射体200が前方に飛び出す。本体部204は、ケーシング206、電極ポッド210、並進要素222、バッテリ224、及び回路アッセンブリ230を含んでいる。
【0037】
プラグ202は、推進薬120(例えば、発射体30グラムに対して火薬約0.2〜0.26グラム(3〜4グレイン)を含んでいる。別の実施形態では、発射装置102の推進薬120又は発射体132は、40mmの擲弾体を含んでいる。発射体200は、気泡ゴムなどの機械的衝撃吸収性先端部(図示せず)を含んでいてもよい。更に別の実施形態では、プラグ202又は発射装置102は、圧縮ガスが放出されると発射体200を押し出す、内蔵型圧縮ガスの装薬を含んでいる。以下に論じるが、推進薬をプラグ202から省いて、発射装置102に含めてもよい。
【0038】
ケーシング206は、発射体200の構成要素用の空気力学的ハウジング200を提供し、並進要素(translating element)222と協働する。ケーシングは、その飛行特性を改善するために1枚又は複数枚のフィン262を支持している。別の実施形態では、費用削減のためフィン262を省いている。或る実施形態では、ケーシング206は、ノリル(NORYL:登録商標)又はABSプラスチックのような重合体で作られ、適したやり方で、所望の発射装置で撃ち出すことのできる形状/寸法に作られている。フィン262は、これもプラスチック製で、展開位置に向けて動かし又は展開位置に保持するため銅又は鋼のばね及び/又はピンを含んでいてもよい。フィンは飛行を安定させるための抗力を作り出す。
【0039】
並進要素222は、発射体200が標的に当たると、ケーシング206内を滑動して、プラグ202に、ケーシング206から分離し本体部204から飛び去るように力を掛ける。並進要素222は、衝突時には発射体200の前端に向けて進み、その後、発射体200の後端に向けて跳ね返される。どちらの並進運動でプラグ202を放出してもよいが、後方並進運動が望ましい。プラグ202をケーシング206から分離することにより、電極ポッド210が、電極212の展開に向けて起動される。
【0040】
電極ポッド210は、電極212、繋留綱214(例えば、スプール状、ボール状の、又は詰め込まれた絶縁ワイヤ)、及びばね216を含んでいる。繋留綱214は、上に述べた刺激信号送出回路で協働するために電極212と電気的に接続している。展開時、繋留綱214は、ポッド210の格納部から、展開可能な単数又は複数の電極212と電極236の間に適した電極間隔を確保できる長さ(例えば約5インチから18インチ)に伸張する。繋留綱は、電極212と標的の間の衝突の力を改善するために弾性材を含んでいてもよい。ばね216は、圧縮されてポッド210の中に入っており、発射体200が組み立てられると、プラグ202と機械的連動状態になる。プラグ202がケーシングから分離すると、ばね216は、電極212と繋留綱214をケーシング206から推し出して展開させ、標的の電極236から或る距離だけ離れた位置に衝突させる。
【0041】
バッテリ224は、回路アッセンブリ230のための電源134である。別の実施形態では、バッテリ224は、発射装置102の電力供給装置112又は弾薬筒104の電力供給装置(図示せず)が維持していた電荷を有するコンデンサーに置き換えられている。バッテリ224は、1つ又は複数の従来型の電池を含んでいてもよい。或る実施形態では、バッテリ224は、AAAA規格の大きさのユニットの従来型1.5ボルト(公称)電池である。バッテリ224は、ケース206又は並進要素222にどの様な従来様式で固定してもよい。並進要素222に固定すると、バッテリ224の質量が並進要素222の慣性に加えられ、プラグ202をケーシング206から、より効率的に分離させる。
【0042】
回路アッセンブリ230は、バッテリ224を包み込んだ可撓性を有する回路アッセンブリでもよい。回路アッセンブリ230は、波形発生器136を実装し、電極236を支持している。回路アッセンブリ230は、どの様な従来様式でバッテリ224に接続してもよい。電極236は、ステンレス鋼で作られ、標的接触後に標的側に保持されるための棘を含んでいる。衝突後に並進要素222が前方に動くことにより、電極236は前方に推され、電極236が確実に標的へ埋め込まれる。
【0043】
展開可能な電極は、本発明の各種態様によれば、上に述べたように、繋がれた展開及び標的との衝突に適合するように作られている。電極212は、どの様な従来様式でステンレス鋼から形成してもよい。例えば、図3の電極212は、3本の互いに直交する軸上に6つのスパイクを含んでいる。スパイクには、布地及び組織を貫くための鋭利な先端部と、標的から抜けるのを阻止するための後向き棘がある。
【0044】
発射体200は、弾薬筒104の中では格納状態を維持している。発射装置102から適当な距離のところで、フィン262がケーシング206から外に動いて、発射体200は飛行状態に入る。並進要素222は、飛行中は後ろ向きに付勢されている。標的との衝突(図4A)によって、発射体222は衝突状態になり、電極236は標的の内部へと展開し、並進要素222は後方に跳ね返ってプラグ202を外す。プラグ202がケーシング206から分離した後、電極212は繋留綱214に繋がれて無軌道に揺動及び/又は跳ねる。電極212が標的に接した後、発射体200は完全展開状態(図4B)に入り、刺激信号の送出が始まる。
【0045】
第2の例として、本発明の各種態様による発射体は、発射体が標的に衝突した際の衝撃力により少なくとも1つの電極を取り付け、全発射体の質量の相当部分を伴う第2電極を放出することにより少なくとも第2の電極を取り付ける。例えば、図5から図6の発射体500には、4つの状態、即ち(1)フィンと電極が格納位置及び向きにある格納状態(図5A−図5B)、(2)飛行状態(図5Cと図5D)、(3)標的接触後の衝突状態(図6A)、及び(4)電極展開状態(図6B)である。発射体500は、ケーシング502、4つの後部電極504、4枚のフィン506、バッテリ508、後方見返し電極510、回路アッセンブリ512、前部電極514、電極繋留綱516、キャップ放出器518、及びキャップ522を含んでいる。
【0046】
ケーシング502は、発射体500の構成要素用の空気力学的ハウジングである。ケーシング502は、その飛行特性を改善するための1枚又は複数枚のフィン506を支持している。別の実施形態では、費用削減のためフィン506が省かれている。或る実施形態では、ケーシング502は、ノリル(NORYL:登録商標)又はABSプラスチックのような重合体で作られ、適したやり方で、所望の発射装置で撃ち出すことのできる形状/寸法に作られている。フィン506は、これもプラスチック製で、展開位置に向けて動かし又は展開位置に保持するため銅又は鋼のばね及び/又はピンを含んでいてもよい。フィンは飛行を安定させるための抗力を作り出す。
【0047】
後部電極504は、飛行中は、ばね力によってケーシング502から離れた位置に配置されている。
【0048】
バッテリ508は、回路アッセンブリ512用の電源134である。バッテリ508は、1つ又は複数の従来型電池を含んでいる。或る実施形態では、バッテリ508は、AAAA規格の大きさのユニットの従来型1.5ボルト(公称)電池である。バッテリ508は、ケース502に、どの様な従来型の方法で固定してもよい。バッテリ508の質量は、ケーシング502の慣性に加えられ、後部電極の標的との衝突がより効果的になる。
【0049】
前部電極アッセンブリ530は、後方見返し電極510、前部電極514、及び離脱タブ520を含んでいる。前部電極アッセンブリ530は、発射体500が弾薬筒104に装填されているときはケーシング502に固定されており、発射体500が標的に衝突した後、解放される。或る実施形態では、離脱タブ520は、アッセンブリ530をケーシング502に固定している。後方見返し電極510は、例えば、標的に接触した前部電極514を取り除こうとして標的が前部電極アッセンブリに向けて手を伸ばしたときに、その手を刺し貫くことを意図したものである。
【0050】
回路アッセンブリ512は、上に述べた回路アッセンブリ230と同様に機能する。
【0051】
電極繋留綱516は、上に述べたように、前部電極514と後方見返し電極510を、刺激信号送出回路で協働させるために電気的に接続している。繋留綱516の2つ又はそれ以上の導体は、回路アッセンブリ512の波形発生器136からの刺激信号を、(a)前部電極、及び/又は(b)後方見返し電極510に供給する。展開時、繋留綱516は、ケーシング502の格納部から、展開可能な後部電極504と前部電極514の間に適当な電極間隔を確保できる長さ(例えば約5インチから18インチ)に伸張する。繋留綱516は、後部電極504と標的の間の衝突の力を改善するために弾性材料を含んでいてもよい。
【0052】
キャップ放出器は、衝撃で潰れるとき、前部電極アッセンブリと発射体の残り部分との間に分離力を伝える変形可能な(例えばゴム製)要素である。例えば、衝突時、キャップ放出器518は、軸501に沿って縮みケーシング502を前部電極アッセンブリ530から解放する。或る実施形態では、ケーシング502及び/又はバッテリ508の慣性がキャップ放出器518及び/又はキャップ522に作用して離脱タブ520を破壊する。キャップ放出器518及び/又はキャップ522には圧縮エネルギーが貯蔵されており、そのエネルギーが、その後ケーシング502の中に放出されて、ケーシング502を推して前部電極アッセンブリ530から切り離し、繋留綱516をケーシング502から展開させることになる。このとき、少なくとも1つの後部電極540が、標的の前部電極514から或る距離だけ離れた地点に接触する。
【0053】
発射体500の別の実施形態は、並進リングを含んでいる。衝突時、並進リングは、ケーシング502の内側を軸501に沿って滑動し、衝突後まで格納されたままになっている後部電極504を展開させる。このような並進リングは、前部電極を標的の中に押し込む。
【0054】
繋留綱214と513の作用では、繋留されている物体(212又は502)は、重力によって落下し、及び/又は反発エネルギーによって標的から離れる。物体が繋留綱の端に至ると、物体は振り子のように逆に標的に向かって落下する。弾性を有する繋留綱は、物体の標的への接近を更に強める。弾性を有する繋留綱は、伸びるときにエネルギーを貯え、縮むときにそのエネルギーを物体に戻すので、標的に向かう物体が加速され、標的の衣服及び/又は皮膚を効果的に刺し貫く確率が上がる。単数又は複数の前部電極と後部電極の間の距離は12インチから24インチが望ましい。
【0055】
発射体200又は500の他の実施形態では、二次的な推進薬又は機構が、繋留された物体を、標的と衝突するまで無軌道に飛び出させる。二次的推進薬又は機構は、小型ロケットモーターを含んでいる。
【0056】
第3の例として、本発明の各種態様による発射体は、それぞれ1つ又は複数の棘を有する1つ又は複数の展開可能な電極アームを含んでいる。作動時、発射体が標的に衝突すると、これらのアームが発射体本体部から弾き出されて標的に取り付く。例えば、図7から図8の発射体700には、4つの状態、即ち(1)フィンと電極が格納位置及び向きにある格納状態(図7B及び図7C)、(2)飛行状態(図7A及び図7C)、(3)標的に接触した後の衝突状態(図4Aに同じ)、及び(4)電極展開状態(図8)である。発射体700は、ケーシング702、4個の前部電極704、4枚のフィン706、バッテリ708、回路アッセンブリ712、及び解放器710を含んでいる。
【0057】
ケーシング702は、発射体700の構成要素の空気力学的ハウジングである。ケーシング702は、その飛行特性を改善するための1枚又は複数枚のフィン706を支持している。別の実施形態は、費用削減のためフィン706を省いている。或る実施形態では、ケーシング702は、ノリル(NORYL:登録商標)又はABSプラスチックのような重合体で作られ、適したやり方で、所望の発射装置で撃ち出すことのできる形状/寸法に作られている。フィン706は、これもプラスチック製で、展開位置に向けて動かし又は展開位置に保持するため銅又は鋼のばね及び/又はピンを含んでいてもよい。フィンは飛行を安定させるための抗力を作り出す。
【0058】
バッテリ708及び回路アッセンブリ712は、上に述べたバッテリ508及び回路アッセンブリ512と同じように作動する。
【0059】
4個の前部電極704は、衝突後、解放器710により解放されると展開する。発射体700と標的との衝突後、解放器710は各電極704のタブ(図示せず)を解放する。或る実施形態では、解放器710は、発射体700に突然の減速度が生じた際に前方に滑動する格納リング(図示せず)を含んでいる。このリングの並進運動により各タブが解放され、各電極は、弧を描いて軸701から離れ、発射体700と標的の間の接触点、又は接触点の前方の展開位置(接触点付近の面形状によって決まる)に展開する。
【0060】
各電極704は、各ヒンジ713のねじりばねによって弧を描くように推し出される。電極704は、発射体700の長さに沿ってケーシング702に形成されたスロット726に格納されている。格納時には、各ねじりばねは圧縮された状態にある。圧縮されたねじりばねの位置エネルギーにより推進力が与えられ、これによって電極704はスロット726から推し出されて標的に刺さる。
【0061】
解放器710は、各電極上のフック722と、ケーシング702の内側を軸701に沿って並進運動するスロット付きシリンダ724とを含んでいる。電極は、各フック722がスロット付きシリンダと摩擦接触状態にあるときには保持されている。スロット付きシリンダ724は、発射装置102からの発射体放出の慣性により後向きに押し付けられ、フック722と確実に摩擦接触する。標的と衝突後、スロット付きシリンダ724は前方に滑動して各フック722を解放し、上に述べたように電極704を展開させる。
【0062】
発射体700の別の実施形態では、4個の電極704の内2個が省かれている。また別の実施形態では、5個以上の電極が軸701の周りに対称に装着されている。加えて、236及び514に関連して先に説明した型式の前部電極は、発射体の前部に固定取り付け又はばね負荷取り付けを有する代わりの発射体に含まれている。
【0063】
発射体200、700、及び上に述べたそのそれぞれの代替案の何れにも、後方見返し電極を付け加えることができる。
【0064】
本発明の各種態様によれば、展開は、発射体の前進運動量を利用して電極を推し出し、標的に接触させる。例えば、或る実施形態では、一次発射体は数個の二次発射体を運んでいる。二次発射体の、標的との衝突後の前進運動量によって、二次発射体が標的へと展開される。二次発射体は、一次発射体の後部に配置され、発射体の飛行軸に対して或る角度(例えば45度)で内径部内に格納されている。内径部の形状と前進運動量のベクトルによって、各二次発射体は、標的に向けて内径部の角度で展開される。何れのやり方であれ二次発射体から展開された電極は、一次発射体の1つ又は複数の前部電極から離れた標的上の位置に接触する。各二次発射体又は電極は、刺激信号を送出するため、導電性ワイヤで一次又は二次発射体に繋留されている。
【0065】
二次発射体又は電極を自身の各内径部内で推し出すためにも推進薬が使用される。例えば、一次発射体は、標的との衝突後に起動される圧縮ガス又は装薬を含んでいる。推進薬は、各二次発射体をその格納場所から標的に撃ち出す。
【0066】
標的に接触した状態の電極同士の間隔を効果的に拡大する方法は、複数の電極を1つ又は複数の集団又は配列に展開する段階を含んでいる。複数の電極は、発射体の弾着点に対する間隔が狭いかもしれないが、それでも、より広い表面積に電荷を送り込むことができる。例として、図9Aと図9Bに示す2通りの異なる構成901及び911による筋肉収縮を測定した。901の構成では、電極902と906を4インチ離して配置した。電極902を刺激用電力供給装置の正端子に接続した。電極906を電力供給装置の負端子に接続した。構成911では、電極を4個使用した。電極912を電極916から4インチ離し、電極915を電極917から4インチ離して配置した。電極912、917、916、915は、点914を中心に方形を形成した。点904と914は、ほぼ発射体の弾着点である。他の展開では、発射体の弾着点は重要ではない。試験結果から、911の構成は901の構成よりも約5%効果が劣る(発生した筋肉収縮が約5%少ない)ことが分った。効果が劣るのは電荷密度が低いからであると思われる。電極の個数を増やせば、より広い表面積に電荷を送り込むことができるが、各電極の総電荷量は概ね半分に減少するので、電極の電荷密度が下がり、体内を通る様々な電流経路の電荷密度が下がる。電荷密度が下がった結果、刺激を受ける神経が少なくなり、筋肉応答が低下する。
【0067】
上記の展開された電極の構成では、電極が特定時に全て一斉に作動することのないように、様々な電極の間で刺激信号が切り替えられる。従って、刺激信号を複数の電極に印可する方法は、順不同に、(a)一対の電極を選択する段階と、(b)選択された電極対に刺激信号を印可する段階と、(c)標的に送り込まれた電荷を監視する段階と、(d)送り込まれた電荷が限界よりも少なければ、選択された電極の少なくとも一方は、刺激信号送出回路を形成するには標的に対する結合が不十分であると結論付ける段階と、(e)選択する段階と印可する段階と監視する段階とを、所定の総電荷量が送り込まれるまで繰り返す段階と、を含んでいる。このような方法を行うマイクロプロセッサは、電極を選択する時間が標的に感じ取られないよう、1ミリ秒以内に適した電極を識別する。
【0068】
「衝突後」という用語は、発射体と標的の間の最初の物理的接触後の何れの瞬間をも意味すると理解されたい。衝突後に遂行すべき動作は、標的が、衝突と同時に発生していると感じ取るほど、衝突後直ちに遂行される。
【0069】
本発明の発明人は、物理的な可能性に反しない限り、本願に記載の方法とシステムは、(i)どの様な順序及び/又は組み合わせでも行うこともでき、(ii)各実施形態の構成要素はどの様に組み合わせてもよいと想定している。
【0070】
以上、この新規な発明の好適な実施形態について説明してきたが、多くの変形及び修正を施すことができ、ここに述べた実施形態は上記特定の開示内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲の内容によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の各種態様による、電撃発射体を使用したシステムの機能ブロック図である。
【図2A】図1のシステムに使用される発射体の格納状態の側断面図である。
【図2B】図2AのA−A面に沿う図2Aの発射体の断面図である。
【図2C】図2Aの発射体の飛行状態の後部端面図である。
【図2D】図2Cの発射体の側断面図である。
【図3】図2の発射体に運ばれる電極の斜視図である。
【図4A】図2の発射体の標的に接触した状態の断面図である。
【図4B】図2の発射体の電極展開後の断面図である。
【図5A】図1のシステムに使用される発射体の格納状態の側断面図である。
【図5B】図5Aの発射体のフィン取り付け用ヒンジの平面図である。
【図5C】図5Aの発射体の飛行状態の後部端面図である。
【図5D】図5Dの発射体の側断面図である。
【図6A】図5の発射体の標的に接触した状態の側断面図である。
【図6B】図5の発射体の電極展開後の側断面図である。
【図7A】図1のシステムに使用される発射体の飛行状態の後部端面図である。
【図7B】図7Aの発射体の側断面図である。
【図7C】図7Aの発射体の図7BのB−B面に沿う断面図である。
【図8】図7の発射体の電極展開後の側断面図である。
【図9A】本発明の各種態様による、発射体の衝突及び電極展開後の標的上の各点の平面図である。
【図9B】本発明の各種態様による、発射体の衝突及び電極展開後の標的上の各点の平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概括的には、人又は動物の運動能力を低下させるための電撃発射体を使用する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年10月7日Patrick W Smith他により出願された同時係属出願の米国特許出願第60/509,577号に対する米国特許法第119(e)条に基づく優先権を主張する。
【0003】
本発明は、一部には米国政府後援の研究に関連してなされたものである。従って、米国政府は、本発明の支払済みライセンスを有すると共に、限定された状況下においては、海軍研究局により裁定された契約書第N00O14−02−C−0059号の規約により規定される妥当な条件で、特許所有者に対して、他者にライセンスを供与することを求める権利を有する。
【0004】
電撃発射体を打つ武器が護身用及び法の執行として使用されているが、この場合発射体の標的となるのはヒト又は動物である。従来から使用されているこのような武器の1つの種類として、Coverに発行された米国特許第3,803,463号及び同第4,253,132号に記載されている種類のエネルギー伝導武器がある。通常、エネルギー伝導武器は、約15フィートの範囲に向けて手持ち式の装置から2個の発射体を発射させて標的に刺激信号を与える。発射体は、2本の細い絶縁ワイヤにより手持ち式装置の電源に繋留されたままになる。繋留式発射体はダーツとも呼ばれる。
【0005】
一連の比較的高電圧の連続パルスを含む刺激信号がワイヤを通して標的に送り込まれ、標的に苦痛を生じさせる。刺激信号を送出する際、発射体の電極と標的の導電組織との間には高いインピーダンスギャップが存在する(例えば、空気や衣服)。従来の刺激信号は、2インチまでならそのようなギャップに亘って進路をイオン化する比較的高い電圧(例えば、約50,000ボルト)を含んでいる。結果的に、刺激信号は発射体を組織に貫入させることなく標的の組織内に伝導される。Coverにより述べられている種類の刺激信号の有効性には限界がある。例えば、発射体に打たれ比較的高電圧を受けている間又はその後に、肉体運動的職務を実行する(例えば、武装した者を相手に戦う)ように指示されたヒトの標的の大部分は、この職務を遂行できることが、試験により分っている。
【0006】
火薬推進剤を使用する従来型のエネルギー伝導武器は、用途が限定されている。これらの武器は、銃火器として分類され、米国では厳しい規制を受けており、市場売買が厳しく制限されている。
【0007】
スタンガンとして知られている従来型の他のエネルギー武器は、発射体を省き、標的が武器に接近したときに、本質的に同じ刺激信号を標的に加える。そのような武器は、標的の接近により武器を装備した者の安全性が通常は低下するため、用途が限定されている。
【0008】
銃火器として分類されていないもう1つの従来型のエネルギー伝導武器は、発射体を推進するのに、例えばCoverに発行された米国特許第5,078,117号に記載されているように、圧縮ガスを使用している。この推進システムは、武器内の電荷によって爆発させる比較的小型の従爆薬を使用している。爆発により、窒素などの圧縮ガスのシリンダーが穿刺装置に押圧されると、或る量の圧縮窒素が放出され、発射体を武器から外に推し出す。
【0009】
より最近では、上記エネルギー伝導武器には比較的高エネルギーの波形が使用されている。この波形は、麻酔をかけたブタを使ってエネルギー武器の刺激に曝された哺乳類の筋肉反応を測定する研究から開発されたものである。この高エネルギー波形を使用した装置は、電気筋肉破壊(EMD)装置と呼ばれており、概括的には2001年12月12日出願のPatrick Smithの米国特許出願第10/016,082号に記載されている型式のもので、同特許出願を参考文献として本願に援用する。EMD波形を動物の骨格筋に与えると、通常、骨格筋が激しく収縮する。EMD波形は、標的自身の神経系による筋肉制御に明らかに優先して、骨格筋の動きを非自発的に止め、その結果、標的は完全に動けなくなってしまう。不都合なことに、比較的高エネルギーのEMD波形は、一般的には、高出力容量のエネルギー源から生成される。例えば、この種の武器は、8AAサイズの1.5ボルトバッテリー、即ち大容量コンデンサーと、繋留された発射体(例えば、ダーツ)に対して26ワットのEMD出力を生成する変圧器と、を備えている。
【0010】
2003年2月11日出願のMargne Nerheimの米国特許出願第10/447,447号に記載の2パルス波形型では、比較的高電圧で低アンペア数のパルスを(上記ギャップを超えるアーク形成用として)加えた後に、比較的低電圧で高アンペア数のパルスを(標的を刺激するために)加えている。骨格筋に対する効果は、上記EMD波形に比較して80%少ない電力で達成される。
【0011】
従来型のエネルギー伝導武器では、2個の電極を有効に分離して電極間に流れる電流によって標的に刺激を与えるのには、射程が限られている。或る従来型の武器では、それぞれ電極を備えた2個の発射体を、同じ弾薬筒から分離角度8度で発射する。上方の発射体は武器の視線方向に沿って発射される。下方の発射体は8度下向きに発射される。この角度により両電極は飛行中に分離する。射程21フィートで、下の電極は上の電極の接触点よりも約0.9m(3フィート)下で標的に接触することになる。
【0012】
McNultyに発行された米国特許第6,575,073号に記載のシステムでは、手持ち式装置から標的までの距離に左右されない一貫した電極分離が提供されている。ここでは、第1の電極を運ぶ大径の発射体が射程センサを備えている。標的からの或る感知した距離で、大径の発射体は、第2の電極を運ぶ小径の発射体を発射する。結果的に、費用は高くなり信頼性は低下する。射程感知システムは、視界が狭いために作動不良を起こしかねず、例えば、第2の電極を有効に展開させるには手遅れになるほど標的に接近するまで、射程センサが標的を有効に感知することができないような斜角で、装置が標的に当たってしまう事態も起きかねない。或いは、装置が、標的までの途中に在る障害物の近くを通過しなければならない方向に発射された場合、射程センサは、軌道付近の障害物を検知して第2の電極を過早発射し、第2の電極が的を外してしまうという事態も考えられる。
【0013】
Ragnerに発行された米国特許第5,698、815号では、一体に繋留された電極の配列が記載されている。そのような配列は、飛行中は必然的に空気力学的に不安定になる。このような配列は、標的に当たる精度が上記他の技術に比べて劣る。
【0014】
本発明のシステム及び方法なくしては、エネルギー武器に対して、費用、信頼性、射程及び有効性の点で更に改良を加えるのは実現が困難である。このままでは、エネルギー武器の用途は制限されたままとなり、法の執行が阻まれ、個人の護身能力を高めることはできない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の各種態様によれば、標的を動けなくするための装置において、第1電極と、第2電極と、前記標的の動きの結果として前記標的と接触するようになる第3の電極と、前記第1の電極、前記第2の電極、および前記第3の電極に選択的に結合されて、前記第3の電極に向かう前記標的の動きを促すために前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を生成して、前記第3の電極を介して動けなくするための刺激信号を供給する波形発生器とを含んでいる。
【0016】
また、前記第1の電極は前記第2の電極に近接している。
【0017】
また、前記第1の電極と第2の電極は、標的を動けなくする装置の前方に配置され、前記第3の電極は、前記標的によって掴まれるように配置され露出している。
【0018】
さらに、標的を動けなくする方法において、前記標的へ第1の電極と第2の電極を接触させるステップと、前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を供給するステップと、前記刺激信号に応答した前記標的の動きの結果として、第3の電極を前記標的と接触させるステップと、前記標的を動けなくするために、前記第3の電極を介して前記刺激信号を供給するステップと、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
これより添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明するが、各図面を通して同じ要素は同じ符号を付して示している。
【0020】
当業者には理解頂けるように、説明を明確にするため、図面内の各部分は必ずしも縮尺が合ってはいない。
【0021】
本発明の各種態様によるシステムは、動物(例えば人間)に刺激信号(stimulus signal)を与えて動物を動けなくする。例えば、動物を危険から救うか、或いは可動性に対してより永続的な拘束を加えるために動物の行動を阻止する目的で動けなくするのは、一時的であるのが適している。電極は、動物自身の動作(例えば、電極に向かう動物の行動)により、動物に向けて電極を推進することにより(例えば、電極を電撃発射体の一部とする)、展開機構により、及び/又は重力により、動物と接触した状態になる。例えば、図1から図9のシステム100は、発射装置102と弾薬筒104を含んでいる。発射装置104は、電力供給装置112、照準装置114、及び推進装置116を含んでいる。推進装置116は、推進起動部118、及び推進薬120を含んでいる。代わりの実施形態では、推進薬120は、弾薬筒104の一部である。
【0022】
発射装置104の製造と操作には、どの様な従来の材料及び技術を採用してもよい。例えば、電力供給装置112としては1つ又は複数の充電式バッテリが、照準装置114としてはレーザー銃照準器が、推進起動部118としては幾つかの点で携帯銃の引き金に似た機械式引き金が、そして推進薬120としては圧縮窒素ガスが、それぞれ挙げられる。作動時には、弾薬筒104を発射装置104に又はその中に装填し、ユーザーによる手動操作で、電極を運ぶ発射体を発射装置104から標的(例えば、人間のような動物)に向けて飛び出させ、電極が標的に電気的に連結した状態になった後、標的の組織の一部を通して刺激信号を送り込む。或る実施形態では、発射装置は手持ち式であり、従来の携帯銃と同様のやり方で操作することができる。
【0023】
弾薬筒104は、電源134、波形発生器(waveform generator)136、及び電極展開装置138を有する発射体132を含んでいる。電極展開装置138は、展開起動部140と1つ又は複数の電極142を含んでいる。電源134は、エネルギー容量対体積比が比較的高くなるように選択されたものであれば、どの様な従来型のバッテリでもよい。波形発生器136は、電源134から電力を受け取り、従来型の回路を使用して従来型の刺激信号を発生させる。
【0024】
刺激信号は、電極を介して標的内を通る経路により完成された回路に送り込まれる。電源134、波形発生器136、電極142は、協働して刺激信号送出回路を形成するが、この回路には、展開起動部142によって展開されない(例えば、発射体132の衝突により配置される)1つ又は複数の追加的電極が更に含まれていてもよい。
【0025】
発射体132は、電源134、波形発生器136用の回路アッセンブリ、及び電極展開装置138を取り付けるための区画又は他の構造を有する本体部を含んでいる。本体部は、弾道学的特性にふさわしい従来型の形状(例えば、濡れた空気力学的形態(wetted aerodymanics form))に形成してもよい。
【0026】
電極展開装置は、電極を格納状態から展開状態に移行させる機構であればどのような機構を含んでいてもよい。例えば、電極142が大気中を進んで標的に至る発射体の一部である実施形態では、格納状態では、発射体を正確に飛行させるための空気力学的な安定性が与えられる。展開状態では、組織を突き刺すことにより直接的に、又はアークを介して組織に入ることにより間接的に、刺激信号送出回路ができあがる。分離距離は約1.5インチよりも約7インチの方がより効果的であることが分っており、一方の電極を大腿部に配置し他方の電極を手に配置するなど、更に長い分離距離も適している。電極を更に遠く離して配置すると、刺激信号はより多くの組織を通過するので、更に効果的な刺激を発生させることは明らかである。
【0027】
本発明の各種態様によれば、電極の展開は、発射体132と標的とが接触した後に起動される。この接触は、展開起動部の向きの変化、展開起動部の発射体本体部に対する位置の変化、展開起動部の方向、速度又は加速度の変化、及び/又は両電極間(例えば、142、又は発射体132の標的への衝突により設置された電極)の導電率の変化、によって判定される。低コストの発射体では、機械的特性によって衝突を検知し、機械的エネルギーの解放又は方向変更によって電極を展開する展開起動部140が好ましい。
【0028】
電極の展開は、本発明の各種態様によれば、標的の挙動により促進される。例えば、発射体の前方に間隔を狭めて設けた1つ又は複数の電極を、標的にくっ付けて標的に苦痛反応を励起する。1つ又は複数の電極を露出させ適した方向に(例えば、標的から離して)向かわせる。露出させるのは飛行中でも衝突後でもよい。標的の苦痛は、電極の棘部が標的の肉に刺さることにより生じ、或いは2個の電極が接近して配置されている場合は、これら接近配置した両電極間に刺激信号を送ることにより生じる。これらの電極は、接近し過ぎていて動きを奪うのには適していないかもしれないが、刺激信号は、十分な苦痛を発生させ方向感覚を失わせる。苦痛に対する典型的な反応動作は、痛みの原因と感じた箇所を手で(又は、動物の場合は口で)掴み、電極を取り除こうとする行為である。これは、いわゆる「ハンドトラップ」手法であり、この典型的な反応行動を利用して1つ又は複数の露出した電極を標的の手(又は口)に埋め込もうするものである。発射体を掴むことにより、1つ又は複数の露出した電極が標的の手(又は口)に突き刺さる。標的の手(又は口)の中の露出した電極は、普通は他方の電極から相当離れているので、この他方の電極の1つと露出した電極の1つの間の刺激により適度に動きを奪うことが可能になる。
【0029】
人間での試験で、手は神経密集度が非常に高いことから、標的の両手が特に効果的な刺激部位であることが分った。このように神経が密集していると、露出した電極の周りの最大電荷密度の領域に大量の神経線維が接近して存在することになるので、全体的な神経刺激効果が増大する。
【0030】
別のシステムの実施形態では、発射装置102、弾薬筒104、及び発射体132は省かれ、電源134、波形発生器136、及び電極展開装置138が、標的に又は標的付近に配置される他の従来型の形態に適合させた動けなくする装置150として形成されている。また別の実施形態では、展開装置138は省かれ、電極142が標的の行動及び/又は重力で設置される。動けなくする装置150は、個人の安全を守るため(例えば、人間の標的では衣服に、動物の場合は皮に埋め込んで将来的に起動する)、設備の安全を守るため(例えば、監視カメラへの時間告知、装置の運転停止、又は緊急応答)、又は軍事目的(例えば、地雷)で、従来技術を用いてパッケージ化してもよい。
【0031】
発射体132は、致死性であっても非致死性であってもよい。別の実施形態では、発射体132は、致命的な力を加えるためのあらゆる従来技術を含んでいる。
【0032】
ここに論じる「動けなくする」とは、標的の自発的な動作のあらゆる拘束を含む。例えば、動けなくすることには、苦痛を発生させること、又は正常な筋肉機能を妨害すること、が含まれる。動けなくすることには、標的の全ての動作又は全ての筋肉を含める必要はない。非自発的な筋肉機能(例えば、循環及び呼吸作用)は阻害されないのが望ましい。電極の配置が局所的な場合、1箇所又はそれ以上の骨格筋の機能損失によって適度に動きを奪うことができる。別の実施形態では、適度な強さの苦痛を発生させて、標的の肉体運動職務を完遂する能力に混乱を来たし、これにより標的の能力を奪い身体的に不自由にする。
【0033】
発射装置102の別の実施形態は、従来から利用可能な武器(例えば、銃火器、擲弾発射機、車載砲)を含んでいるか、或いはそれに置き換わっている。発射体132は、装薬120(例えば、火薬又は黒色火薬)によって送出される。発射体132は、代わりに、圧縮ガス(例えば、窒素又は二酸化炭素)の放出及び/又は急激な圧力の解放(例えば、ばね力、又は自動車のエアバッグ展開に用いられている種類の反応のような化学反応)によって飛び出させてもよい。
【0034】
発射体132は、電源134に代わりの又は補助的な動力を与えること、波形発生器136を始動、再始動、又は制御すること、展開を起動、再起動、又は制御すること、及び/又は発射体132内の機器と協働して電極142から与えられた信号を発射装置102で受信すること、を目的に、どの様な従来の技術を用いて発射装置102及び発射装置102内の適した回路(図示せず)に繋がれてもよい。
【0035】
システム100に使用する発射体132は、1つ又はそれ以上の幾つかの実施形態が考えられる。各実施形態では、以下に論じる展開起動部と電極をどの様に組み合わせてシステム100の上記1つ又は複数の目的に適した発射体を形成してもよい。以下に論じる各種実施形態の展開起動技術と電極の機械的特性を組み合わせることにより、動けなくするのに十分な間隔で2個の電極を互いに離間させて配置する際の成功の確率が上がる。
【0036】
本発明の各種態様によれば、発射体は、標的に衝突した後、発射体の後部から電極を展開する。例えば、図2から図4の発射体200には、4つの状態、即ち(1)フィンと電極が格納位置及び向きにある格納状態(図2A)、(2)飛行状態(図2C)、(3)標的接触後の衝突状態(図4A)、及び(4)電極展開状態(図4B)である。発射体200では、本体部204にプラグ202が取り付けられている(例えば、圧入、成形、クリンプ、又はシールされている)。プラグ202に加えられる前向きの力によって、発射体200が前方に飛び出す。本体部204は、ケーシング206、電極ポッド210、並進要素222、バッテリ224、及び回路アッセンブリ230を含んでいる。
【0037】
プラグ202は、推進薬120(例えば、発射体30グラムに対して火薬約0.2〜0.26グラム(3〜4グレイン)を含んでいる。別の実施形態では、発射装置102の推進薬120又は発射体132は、40mmの擲弾体を含んでいる。発射体200は、気泡ゴムなどの機械的衝撃吸収性先端部(図示せず)を含んでいてもよい。更に別の実施形態では、プラグ202又は発射装置102は、圧縮ガスが放出されると発射体200を押し出す、内蔵型圧縮ガスの装薬を含んでいる。以下に論じるが、推進薬をプラグ202から省いて、発射装置102に含めてもよい。
【0038】
ケーシング206は、発射体200の構成要素用の空気力学的ハウジング200を提供し、並進要素(translating element)222と協働する。ケーシングは、その飛行特性を改善するために1枚又は複数枚のフィン262を支持している。別の実施形態では、費用削減のためフィン262を省いている。或る実施形態では、ケーシング206は、ノリル(NORYL:登録商標)又はABSプラスチックのような重合体で作られ、適したやり方で、所望の発射装置で撃ち出すことのできる形状/寸法に作られている。フィン262は、これもプラスチック製で、展開位置に向けて動かし又は展開位置に保持するため銅又は鋼のばね及び/又はピンを含んでいてもよい。フィンは飛行を安定させるための抗力を作り出す。
【0039】
並進要素222は、発射体200が標的に当たると、ケーシング206内を滑動して、プラグ202に、ケーシング206から分離し本体部204から飛び去るように力を掛ける。並進要素222は、衝突時には発射体200の前端に向けて進み、その後、発射体200の後端に向けて跳ね返される。どちらの並進運動でプラグ202を放出してもよいが、後方並進運動が望ましい。プラグ202をケーシング206から分離することにより、電極ポッド210が、電極212の展開に向けて起動される。
【0040】
電極ポッド210は、電極212、繋留綱214(例えば、スプール状、ボール状の、又は詰め込まれた絶縁ワイヤ)、及びばね216を含んでいる。繋留綱214は、上に述べた刺激信号送出回路で協働するために電極212と電気的に接続している。展開時、繋留綱214は、ポッド210の格納部から、展開可能な単数又は複数の電極212と電極236の間に適した電極間隔を確保できる長さ(例えば約5インチから18インチ)に伸張する。繋留綱は、電極212と標的の間の衝突の力を改善するために弾性材を含んでいてもよい。ばね216は、圧縮されてポッド210の中に入っており、発射体200が組み立てられると、プラグ202と機械的連動状態になる。プラグ202がケーシングから分離すると、ばね216は、電極212と繋留綱214をケーシング206から推し出して展開させ、標的の電極236から或る距離だけ離れた位置に衝突させる。
【0041】
バッテリ224は、回路アッセンブリ230のための電源134である。別の実施形態では、バッテリ224は、発射装置102の電力供給装置112又は弾薬筒104の電力供給装置(図示せず)が維持していた電荷を有するコンデンサーに置き換えられている。バッテリ224は、1つ又は複数の従来型の電池を含んでいてもよい。或る実施形態では、バッテリ224は、AAAA規格の大きさのユニットの従来型1.5ボルト(公称)電池である。バッテリ224は、ケース206又は並進要素222にどの様な従来様式で固定してもよい。並進要素222に固定すると、バッテリ224の質量が並進要素222の慣性に加えられ、プラグ202をケーシング206から、より効率的に分離させる。
【0042】
回路アッセンブリ230は、バッテリ224を包み込んだ可撓性を有する回路アッセンブリでもよい。回路アッセンブリ230は、波形発生器136を実装し、電極236を支持している。回路アッセンブリ230は、どの様な従来様式でバッテリ224に接続してもよい。電極236は、ステンレス鋼で作られ、標的接触後に標的側に保持されるための棘を含んでいる。衝突後に並進要素222が前方に動くことにより、電極236は前方に推され、電極236が確実に標的へ埋め込まれる。
【0043】
展開可能な電極は、本発明の各種態様によれば、上に述べたように、繋がれた展開及び標的との衝突に適合するように作られている。電極212は、どの様な従来様式でステンレス鋼から形成してもよい。例えば、図3の電極212は、3本の互いに直交する軸上に6つのスパイクを含んでいる。スパイクには、布地及び組織を貫くための鋭利な先端部と、標的から抜けるのを阻止するための後向き棘がある。
【0044】
発射体200は、弾薬筒104の中では格納状態を維持している。発射装置102から適当な距離のところで、フィン262がケーシング206から外に動いて、発射体200は飛行状態に入る。並進要素222は、飛行中は後ろ向きに付勢されている。標的との衝突(図4A)によって、発射体222は衝突状態になり、電極236は標的の内部へと展開し、並進要素222は後方に跳ね返ってプラグ202を外す。プラグ202がケーシング206から分離した後、電極212は繋留綱214に繋がれて無軌道に揺動及び/又は跳ねる。電極212が標的に接した後、発射体200は完全展開状態(図4B)に入り、刺激信号の送出が始まる。
【0045】
第2の例として、本発明の各種態様による発射体は、発射体が標的に衝突した際の衝撃力により少なくとも1つの電極を取り付け、全発射体の質量の相当部分を伴う第2電極を放出することにより少なくとも第2の電極を取り付ける。例えば、図5から図6の発射体500には、4つの状態、即ち(1)フィンと電極が格納位置及び向きにある格納状態(図5A−図5B)、(2)飛行状態(図5Cと図5D)、(3)標的接触後の衝突状態(図6A)、及び(4)電極展開状態(図6B)である。発射体500は、ケーシング502、4つの後部電極504、4枚のフィン506、バッテリ508、後方見返し電極510、回路アッセンブリ512、前部電極514、電極繋留綱516、キャップ放出器518、及びキャップ522を含んでいる。
【0046】
ケーシング502は、発射体500の構成要素用の空気力学的ハウジングである。ケーシング502は、その飛行特性を改善するための1枚又は複数枚のフィン506を支持している。別の実施形態では、費用削減のためフィン506が省かれている。或る実施形態では、ケーシング502は、ノリル(NORYL:登録商標)又はABSプラスチックのような重合体で作られ、適したやり方で、所望の発射装置で撃ち出すことのできる形状/寸法に作られている。フィン506は、これもプラスチック製で、展開位置に向けて動かし又は展開位置に保持するため銅又は鋼のばね及び/又はピンを含んでいてもよい。フィンは飛行を安定させるための抗力を作り出す。
【0047】
後部電極504は、飛行中は、ばね力によってケーシング502から離れた位置に配置されている。
【0048】
バッテリ508は、回路アッセンブリ512用の電源134である。バッテリ508は、1つ又は複数の従来型電池を含んでいる。或る実施形態では、バッテリ508は、AAAA規格の大きさのユニットの従来型1.5ボルト(公称)電池である。バッテリ508は、ケース502に、どの様な従来型の方法で固定してもよい。バッテリ508の質量は、ケーシング502の慣性に加えられ、後部電極の標的との衝突がより効果的になる。
【0049】
前部電極アッセンブリ530は、後方見返し電極510、前部電極514、及び離脱タブ520を含んでいる。前部電極アッセンブリ530は、発射体500が弾薬筒104に装填されているときはケーシング502に固定されており、発射体500が標的に衝突した後、解放される。或る実施形態では、離脱タブ520は、アッセンブリ530をケーシング502に固定している。後方見返し電極510は、例えば、標的に接触した前部電極514を取り除こうとして標的が前部電極アッセンブリに向けて手を伸ばしたときに、その手を刺し貫くことを意図したものである。
【0050】
回路アッセンブリ512は、上に述べた回路アッセンブリ230と同様に機能する。
【0051】
電極繋留綱516は、上に述べたように、前部電極514と後方見返し電極510を、刺激信号送出回路で協働させるために電気的に接続している。繋留綱516の2つ又はそれ以上の導体は、回路アッセンブリ512の波形発生器136からの刺激信号を、(a)前部電極、及び/又は(b)後方見返し電極510に供給する。展開時、繋留綱516は、ケーシング502の格納部から、展開可能な後部電極504と前部電極514の間に適当な電極間隔を確保できる長さ(例えば約5インチから18インチ)に伸張する。繋留綱516は、後部電極504と標的の間の衝突の力を改善するために弾性材料を含んでいてもよい。
【0052】
キャップ放出器は、衝撃で潰れるとき、前部電極アッセンブリと発射体の残り部分との間に分離力を伝える変形可能な(例えばゴム製)要素である。例えば、衝突時、キャップ放出器518は、軸501に沿って縮みケーシング502を前部電極アッセンブリ530から解放する。或る実施形態では、ケーシング502及び/又はバッテリ508の慣性がキャップ放出器518及び/又はキャップ522に作用して離脱タブ520を破壊する。キャップ放出器518及び/又はキャップ522には圧縮エネルギーが貯蔵されており、そのエネルギーが、その後ケーシング502の中に放出されて、ケーシング502を推して前部電極アッセンブリ530から切り離し、繋留綱516をケーシング502から展開させることになる。このとき、少なくとも1つの後部電極540が、標的の前部電極514から或る距離だけ離れた地点に接触する。
【0053】
発射体500の別の実施形態は、並進リングを含んでいる。衝突時、並進リングは、ケーシング502の内側を軸501に沿って滑動し、衝突後まで格納されたままになっている後部電極504を展開させる。このような並進リングは、前部電極を標的の中に押し込む。
【0054】
繋留綱214と513の作用では、繋留されている物体(212又は502)は、重力によって落下し、及び/又は反発エネルギーによって標的から離れる。物体が繋留綱の端に至ると、物体は振り子のように逆に標的に向かって落下する。弾性を有する繋留綱は、物体の標的への接近を更に強める。弾性を有する繋留綱は、伸びるときにエネルギーを貯え、縮むときにそのエネルギーを物体に戻すので、標的に向かう物体が加速され、標的の衣服及び/又は皮膚を効果的に刺し貫く確率が上がる。単数又は複数の前部電極と後部電極の間の距離は12インチから24インチが望ましい。
【0055】
発射体200又は500の他の実施形態では、二次的な推進薬又は機構が、繋留された物体を、標的と衝突するまで無軌道に飛び出させる。二次的推進薬又は機構は、小型ロケットモーターを含んでいる。
【0056】
第3の例として、本発明の各種態様による発射体は、それぞれ1つ又は複数の棘を有する1つ又は複数の展開可能な電極アームを含んでいる。作動時、発射体が標的に衝突すると、これらのアームが発射体本体部から弾き出されて標的に取り付く。例えば、図7から図8の発射体700には、4つの状態、即ち(1)フィンと電極が格納位置及び向きにある格納状態(図7B及び図7C)、(2)飛行状態(図7A及び図7C)、(3)標的に接触した後の衝突状態(図4Aに同じ)、及び(4)電極展開状態(図8)である。発射体700は、ケーシング702、4個の前部電極704、4枚のフィン706、バッテリ708、回路アッセンブリ712、及び解放器710を含んでいる。
【0057】
ケーシング702は、発射体700の構成要素の空気力学的ハウジングである。ケーシング702は、その飛行特性を改善するための1枚又は複数枚のフィン706を支持している。別の実施形態は、費用削減のためフィン706を省いている。或る実施形態では、ケーシング702は、ノリル(NORYL:登録商標)又はABSプラスチックのような重合体で作られ、適したやり方で、所望の発射装置で撃ち出すことのできる形状/寸法に作られている。フィン706は、これもプラスチック製で、展開位置に向けて動かし又は展開位置に保持するため銅又は鋼のばね及び/又はピンを含んでいてもよい。フィンは飛行を安定させるための抗力を作り出す。
【0058】
バッテリ708及び回路アッセンブリ712は、上に述べたバッテリ508及び回路アッセンブリ512と同じように作動する。
【0059】
4個の前部電極704は、衝突後、解放器710により解放されると展開する。発射体700と標的との衝突後、解放器710は各電極704のタブ(図示せず)を解放する。或る実施形態では、解放器710は、発射体700に突然の減速度が生じた際に前方に滑動する格納リング(図示せず)を含んでいる。このリングの並進運動により各タブが解放され、各電極は、弧を描いて軸701から離れ、発射体700と標的の間の接触点、又は接触点の前方の展開位置(接触点付近の面形状によって決まる)に展開する。
【0060】
各電極704は、各ヒンジ713のねじりばねによって弧を描くように推し出される。電極704は、発射体700の長さに沿ってケーシング702に形成されたスロット726に格納されている。格納時には、各ねじりばねは圧縮された状態にある。圧縮されたねじりばねの位置エネルギーにより推進力が与えられ、これによって電極704はスロット726から推し出されて標的に刺さる。
【0061】
解放器710は、各電極上のフック722と、ケーシング702の内側を軸701に沿って並進運動するスロット付きシリンダ724とを含んでいる。電極は、各フック722がスロット付きシリンダと摩擦接触状態にあるときには保持されている。スロット付きシリンダ724は、発射装置102からの発射体放出の慣性により後向きに押し付けられ、フック722と確実に摩擦接触する。標的と衝突後、スロット付きシリンダ724は前方に滑動して各フック722を解放し、上に述べたように電極704を展開させる。
【0062】
発射体700の別の実施形態では、4個の電極704の内2個が省かれている。また別の実施形態では、5個以上の電極が軸701の周りに対称に装着されている。加えて、236及び514に関連して先に説明した型式の前部電極は、発射体の前部に固定取り付け又はばね負荷取り付けを有する代わりの発射体に含まれている。
【0063】
発射体200、700、及び上に述べたそのそれぞれの代替案の何れにも、後方見返し電極を付け加えることができる。
【0064】
本発明の各種態様によれば、展開は、発射体の前進運動量を利用して電極を推し出し、標的に接触させる。例えば、或る実施形態では、一次発射体は数個の二次発射体を運んでいる。二次発射体の、標的との衝突後の前進運動量によって、二次発射体が標的へと展開される。二次発射体は、一次発射体の後部に配置され、発射体の飛行軸に対して或る角度(例えば45度)で内径部内に格納されている。内径部の形状と前進運動量のベクトルによって、各二次発射体は、標的に向けて内径部の角度で展開される。何れのやり方であれ二次発射体から展開された電極は、一次発射体の1つ又は複数の前部電極から離れた標的上の位置に接触する。各二次発射体又は電極は、刺激信号を送出するため、導電性ワイヤで一次又は二次発射体に繋留されている。
【0065】
二次発射体又は電極を自身の各内径部内で推し出すためにも推進薬が使用される。例えば、一次発射体は、標的との衝突後に起動される圧縮ガス又は装薬を含んでいる。推進薬は、各二次発射体をその格納場所から標的に撃ち出す。
【0066】
標的に接触した状態の電極同士の間隔を効果的に拡大する方法は、複数の電極を1つ又は複数の集団又は配列に展開する段階を含んでいる。複数の電極は、発射体の弾着点に対する間隔が狭いかもしれないが、それでも、より広い表面積に電荷を送り込むことができる。例として、図9Aと図9Bに示す2通りの異なる構成901及び911による筋肉収縮を測定した。901の構成では、電極902と906を4インチ離して配置した。電極902を刺激用電力供給装置の正端子に接続した。電極906を電力供給装置の負端子に接続した。構成911では、電極を4個使用した。電極912を電極916から4インチ離し、電極915を電極917から4インチ離して配置した。電極912、917、916、915は、点914を中心に方形を形成した。点904と914は、ほぼ発射体の弾着点である。他の展開では、発射体の弾着点は重要ではない。試験結果から、911の構成は901の構成よりも約5%効果が劣る(発生した筋肉収縮が約5%少ない)ことが分った。効果が劣るのは電荷密度が低いからであると思われる。電極の個数を増やせば、より広い表面積に電荷を送り込むことができるが、各電極の総電荷量は概ね半分に減少するので、電極の電荷密度が下がり、体内を通る様々な電流経路の電荷密度が下がる。電荷密度が下がった結果、刺激を受ける神経が少なくなり、筋肉応答が低下する。
【0067】
上記の展開された電極の構成では、電極が特定時に全て一斉に作動することのないように、様々な電極の間で刺激信号が切り替えられる。従って、刺激信号を複数の電極に印可する方法は、順不同に、(a)一対の電極を選択する段階と、(b)選択された電極対に刺激信号を印可する段階と、(c)標的に送り込まれた電荷を監視する段階と、(d)送り込まれた電荷が限界よりも少なければ、選択された電極の少なくとも一方は、刺激信号送出回路を形成するには標的に対する結合が不十分であると結論付ける段階と、(e)選択する段階と印可する段階と監視する段階とを、所定の総電荷量が送り込まれるまで繰り返す段階と、を含んでいる。このような方法を行うマイクロプロセッサは、電極を選択する時間が標的に感じ取られないよう、1ミリ秒以内に適した電極を識別する。
【0068】
「衝突後」という用語は、発射体と標的の間の最初の物理的接触後の何れの瞬間をも意味すると理解されたい。衝突後に遂行すべき動作は、標的が、衝突と同時に発生していると感じ取るほど、衝突後直ちに遂行される。
【0069】
本発明の発明人は、物理的な可能性に反しない限り、本願に記載の方法とシステムは、(i)どの様な順序及び/又は組み合わせでも行うこともでき、(ii)各実施形態の構成要素はどの様に組み合わせてもよいと想定している。
【0070】
以上、この新規な発明の好適な実施形態について説明してきたが、多くの変形及び修正を施すことができ、ここに述べた実施形態は上記特定の開示内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲の内容によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の各種態様による、電撃発射体を使用したシステムの機能ブロック図である。
【図2A】図1のシステムに使用される発射体の格納状態の側断面図である。
【図2B】図2AのA−A面に沿う図2Aの発射体の断面図である。
【図2C】図2Aの発射体の飛行状態の後部端面図である。
【図2D】図2Cの発射体の側断面図である。
【図3】図2の発射体に運ばれる電極の斜視図である。
【図4A】図2の発射体の標的に接触した状態の断面図である。
【図4B】図2の発射体の電極展開後の断面図である。
【図5A】図1のシステムに使用される発射体の格納状態の側断面図である。
【図5B】図5Aの発射体のフィン取り付け用ヒンジの平面図である。
【図5C】図5Aの発射体の飛行状態の後部端面図である。
【図5D】図5Dの発射体の側断面図である。
【図6A】図5の発射体の標的に接触した状態の側断面図である。
【図6B】図5の発射体の電極展開後の側断面図である。
【図7A】図1のシステムに使用される発射体の飛行状態の後部端面図である。
【図7B】図7Aの発射体の側断面図である。
【図7C】図7Aの発射体の図7BのB−B面に沿う断面図である。
【図8】図7の発射体の電極展開後の側断面図である。
【図9A】本発明の各種態様による、発射体の衝突及び電極展開後の標的上の各点の平面図である。
【図9B】本発明の各種態様による、発射体の衝突及び電極展開後の標的上の各点の平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的を動けなくするための装置において、
第1電極と、
第2電極と、
前記標的の動きの結果として前記標的と接触するようになる第3の電極と、
前記第1の電極、前記第2の電極、および前記第3の電極に選択的に結合されて、前記第3の電極に向かう前記標的の動きを促すために前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を生成して、前記第3の電極を介して動けなくするための刺激信号を供給する波形発生器とを含む装置。
【請求項2】
前記第1の電極は前記第2の電極に近接している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の電極と第2の電極は、標的を動けなくする装置の前方に配置され、
前記第3の電極は、前記標的によって掴まれるように配置され露出している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
標的を動けなくする方法において、
前記標的へ第1の電極と第2の電極を接触させるステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を供給するステップと、
前記刺激信号に応答した前記標的の動きの結果として、第3の電極を前記標的と接触させるステップと、
前記標的を動けなくするために、前記第3の電極を介して前記刺激信号を供給するステップと、を含む標的を動けなくするための方法。
【請求項1】
標的を動けなくするための装置において、
第1電極と、
第2電極と、
前記標的の動きの結果として前記標的と接触するようになる第3の電極と、
前記第1の電極、前記第2の電極、および前記第3の電極に選択的に結合されて、前記第3の電極に向かう前記標的の動きを促すために前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を生成して、前記第3の電極を介して動けなくするための刺激信号を供給する波形発生器とを含む装置。
【請求項2】
前記第1の電極は前記第2の電極に近接している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の電極と第2の電極は、標的を動けなくする装置の前方に配置され、
前記第3の電極は、前記標的によって掴まれるように配置され露出している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
標的を動けなくする方法において、
前記標的へ第1の電極と第2の電極を接触させるステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極を介して刺激信号を供給するステップと、
前記刺激信号に応答した前記標的の動きの結果として、第3の電極を前記標的と接触させるステップと、
前記標的を動けなくするために、前記第3の電極を介して前記刺激信号を供給するステップと、を含む標的を動けなくするための方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2007−292455(P2007−292455A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157292(P2007−157292)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【分割の表示】特願2006−534303(P2006−534303)の分割
【原出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505305422)テイサー・インターナショナル・インコーポレーテッド (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【分割の表示】特願2006−534303(P2006−534303)の分割
【原出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505305422)テイサー・インターナショナル・インコーポレーテッド (22)
【Fターム(参考)】
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