説明

模型用組立ブロック

【課題】 本発明は、縮尺設定により、図面や構造物、構築物などの精密な模型が容易にできる組立ブロックに関する。
【解決手段】 突起部2と受孔部5の結合により連結および分解が可能な組立ブロックであって、
基準寸法となる所定寸法の正立方形の上面に突起部2を有し、底面に受孔部5を有することを特徴とした模型用組立ブロック1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮尺設定により、図面や構造物、構築物などの精密な模型が容易にできる組立ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の模型および組立ブロックは、それぞれ次の技術で知られている。
【0003】
従来の模型は、目的の構造物、構築物、自動車、飛行機などを作成するセットとして販売されている。これらの組立セットは、成果品の形状が決まっているプラスチックモデル、或いはレイアウトの変更ができる建築モデルなどである。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
凸凹を有する組立ブロックは、プラスチック製のブロック玩具として、幼児等が扱いやすい構造や大きさであり、凸状の突起部と凹状の受孔部の結合により連結および分解が可能なものである。(例えば、特許文献2参照)
【0005】
【特許文献1】特開平7−191600号公報
【特許文献2】特表2002−534240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の模型は、成果品の形状、外観がある程度限定されており、組み替えや分解が難しい。
【0007】
従来の組立ブロックは、自由な発想によるさまざまな目的物の組立が可能であるが、幼児等が扱いやすい大きさであったり、基準寸法が独自なものであり図面からの変換やメートル寸法からの変換が困難であったりするため、模型等の精密な再現に不向きである。
【0008】
この発明は上記事項を解決すべく創案されたものであって、その主たる課題は、自由な発想によるさまざまな模型の組立が可能である、模型用組立ブロックを提供する。また縮尺設定により精密な模型を容易に組み立てることのできる、模型用組立ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
突起部と受孔部の結合により連結および分解が可能な組立ブロックであって、
基準寸法となる所定寸法の正立方形の上面に突起部を有し、底面に受孔部を有する模型用組立ブロックを提供する。
【0010】
請求項2の発明では、
基準寸法を基にして、縦方向の長さが基準寸法と基準寸法の2倍の寸法と、基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された4種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の2倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の2倍の寸法と、基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された3種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の5倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された2種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の10倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の10倍に設定された模型用組立ブロックと、
上記10種類の模型用組立ブロックを基にして、高さが基準寸法と基準寸法の2倍の寸法と、基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された全40種類の模型用組立ブロックと、基準寸法の模型用組立ブロックが突起部を上面として側面方向に連続して形成された基台部からなる請求項1記載の模型用組立ブロックである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は模型用組立ブロックを基準寸法となる所定寸法の正立方形にし、従来の組立ブロックより小さな寸法に設定することで、精密な模型の組立を可能にする。
この模型用組立ブロックと縦方向、横方向、高さ方向の長さが基準寸法の2、5、10倍に設定された全40種類の模型用組立ブロックと、縦、横の側面方向に連続して形成された基台部を組み合せて組み立てられることにより、自由な発想によるさまざまな模型の組立が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0013】
図1から図4に示す、模型用組立ブロック1,6〜44および基台部45は、突起部2と受孔部5の結合によって模型用組立ブロック1,6〜44、基台部45同士を連結し、また分解することができる。
この模型用組立ブロック1,6〜44および基台部45は、合成樹脂やゴム等を用いて作製した一体成形品であり、色や模様については、任意設定できる。
【0014】
図1、図2は基準寸法である模型用組立ブロックを示し、模型用組立ブロック1を縦、横、高さの寸法が同一の正立方形に設定し、上面3の中央に配置された突起部2と、下面4の中央に配置され突起部2よりも長く設定された円柱状の受孔部5よりなる。
模型用組立ブロック1の基準寸法としては、一辺が2mm〜6mmの範囲の正立方形に設定し、従来の組立ブロックより小さな寸法が最適である。
突起部2および受孔部5は、直径を1mm〜5mmの範囲で設定し、突起部2の高さを0.5mm〜5mm、受孔部5の深さを1mm〜5.5mmの範囲で設定する。また、断面形状はほぼ同一とし、断面は円形、四角形、多角形その他任意の形状に設定することができる。
【0015】
図3は、全40種類の模型用組立ブロックを示し、模型用組立ブロック1,6〜44は、
複雑で精密な模型作製に対応するため、また連結による補強、安定性を図るために縦、横、高さをそれぞれ基準寸法の2,5,10倍の倍数で以下に設定される。
基準寸法を基にして、縦方向の長さが基準寸法の模型用組立ブロック1と、基準寸法の2倍の寸法で設定された模型用組立ブロック6と、基準寸法の5倍の寸法で設定された模型用組立ブロック7と、基準寸法の10倍の寸法で設定された模型用組立ブロック8の4種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の2倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の2倍の寸法で設定された模型用組立ブロック9と、基準寸法の5倍の寸法で設定された模型用組立ブロック10と基準寸法の10倍の寸法で設定された模型用組立ブロック11の3種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の5倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の5倍の寸法で設定された模型用組立ブロック12と、基準寸法の10倍の寸法で設定された模型用組立ブロック13の2種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の10倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の10倍の寸法で設定された模型用組立ブロック14と、
上記10種類の模型用組立ブロック1,6〜14を基にして、高さが基準寸法の模型用組立ブロック1,6〜14と、基準寸法の2倍の寸法で設定された模型用組立ブロック15〜24と、基準寸法の5倍の寸法で設定された模型用組立ブロック25〜34と、基準寸法の10倍の寸法で設定された模型用組立ブロック35〜44の全40種類の模型用組立ブロック1,6〜44。
この模型用組立ブロック1,6〜44同士を連結、分解することができる。
【0016】
図4は、基台部を示し、基台部45は基準寸法の模型用組立ブロック1が突起部を上面にして縦、横の側面方向に連続して形成することができる、また必要であれば高さ方向に連続して形成することもできる。
【0017】
図5は、図3に示した模型用組立ブロック1,6〜44の中から用いた単純な組立例を示す。
この組立例のように、下段の模型用組立ブロック44の突起部2を中段の模型用組立ブロック33の受孔部5に結合し、中段の模型用組立ブロック33の突起部2を上段の模型用組立ブロック20の受孔部5に結合して組み立てていくことができる。
【0018】
図6は、図3に示した模型用組立ブロック1,6〜44の中から用いた組立例を示す。
この組立例は、簡単な建築模型であり、基台部45の上に模型用組立ブロック42を四隅の支柱として配置し、壁面は主に模型用組立ブロック41を配置し、調整用に模型用組立ブロック11、21、31、39、40を配置している。また、窓の部分は模型用組立ブロック26、30、31、35を用いて配置した。
上記のように、模型用組立ブロック同士を組み合せていくことで容易に目的の模型を組み立てることができる。
【0019】
一例として、模型用組立ブロック1を一辺の長さが2mmの正立方形に設定すると、これを最小単位とし、縦方向、横方向、高さ方向の長さを2、5、10倍した4mm、10mm、20mmで設定される全40種類の模型用組立ブロック1,6〜44と、2mmの正立方形を縦、横の側面方向に連続して形成された基台部45で構成される模型用組立ブロックとなる。
【0020】
上記一例の模型用組立ブロックを縮尺設定する。
1:50の縮尺設定で模型を組み立てる場合、最小単位となる模型用組立ブロック1は2mm×50倍で、一辺が100mmの正立方形として変換できる。
1:100の縮尺設定で模型を組み立てる場合、最小単位となる模型用組立ブロック1は2mm×100倍で、一辺が200mmの正立方形として変換できる。
1:200の縮尺設定で模型を組み立てる場合、最小単位となる模型用組立ブロック1は2mm×200倍で、一辺が400mmの正立方形として変換できる。
このように、目的物の精度により任意で縮尺設定を行うことで、精密な模型を組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】基準寸法の模型用組立ブロックを示す斜視図である。
【図2】基準寸法の模型用組立ブロックを示す断面図である。
【図3】全40種類の模型用組立ブロックを示す斜視図である。
【図4】基台部の斜視図である。
【図5】図3の模型用組立ブロックを用いた、単純な組立例を示す斜視図である。
【図6】図3の模型用組立ブロックと図4の基台部を用いた、組立例を示す斜視図(突起部省略)である。
【符号の説明】
【0022】
1、6〜44 模型用組立ブロック
2 突起部
5 受孔部
45 基台部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起部と受孔部の結合により連結および分解が可能な組立ブロックであって、
基準寸法となる所定寸法の正立方形の上面に突起部を有し、底面に受孔部を有することを特徴とした模型用組立ブロック。
【請求項2】
基準寸法を基にして、縦方向の長さが基準寸法と基準寸法の2倍の寸法と、基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された4種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の2倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の2倍の寸法と、基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された3種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の5倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された2種類の模型用組立ブロックと、
横方向の長さが基準寸法の10倍の寸法であり縦方向の長さが基準寸法の10倍に設定された模型用組立ブロックと、
上記10種類の模型用組立ブロックを基にして、高さが基準寸法と基準寸法の2倍の寸法と、基準寸法の5倍の寸法と、基準寸法の10倍の寸法に設定された全40種類の模型用組立ブロックと、基準寸法の模型用組立ブロックが突起部を上面にして側面方向に連続して形成された基台部からなることを特徴とした請求項1記載の模型用組立ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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