説明

模様付き結晶化ガラス物品及びその製造方法

【課題】模様が大きくて、多様多彩、変化が豊富で、自由である模様付き結晶化ガラス物品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスを使用し、離型剤を塗った耐火物型枠10に結晶性ガラス小体12が集積されており、この集積面にS字の形状にカットされた二枚の結晶性ガラス板14A,14Bがカット面をつき合せた状態で敷いて置かれており、この状態で熱処理される。結晶性ガラス板は任意の形状に切り取り、その切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着させる。得られる結晶化ガラス物品は、天然大理石模様、人間模様、動物模様等様々な模様を付けた模様付き結晶化ガラス物品となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の外装材、内装材や家具のトッププレート材及びオフィステーブルのトッププレート材等に用いられる模様付き結晶化ガラス物品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の外装材、内装材や家具のトッププレート材及びオフィステーブルのトッププレート材として、様々な模様を呈する結晶化ガラス物品が求められている。
【0003】
この用途に使用される結晶化ガラスとして、従来より種々のものが提案されており、例えば特許文献1には主結晶としてβ―ウォラストナイト (CaO・SiO2)を析出してなる結晶化ガラスが提案され、特許文献2には主結晶としてディオプサイド(CaO・MgO・2 SiO2)を析出してなる結晶化ガラスが開示されている。そして、特許文献3には主結晶としてβ―ウォラストナイト (CaO・SiO2)とディオプサイド(CaO・MgO・2 SiO2)とを析出してなる結晶化ガラスが開示されている。
【0004】
ところで上記結晶化ガラスを用いた天然大理石様結晶化ガラス物品は、集積法、即ち、複数個のガラス小体を耐火性型枠内に集積し、熱処理することによって結晶化させるという方法で製造される。これは、上記結晶化ガラスが何れも核形成剤を含有せず、結晶が表面から内部へ向かってほぼ垂直に析出する、所謂表面結晶化タイプの結晶化ガラスであるため、ロールアウト法等によってガラスを板状に成形し、これを熱処理して結晶化させても、表面に模様が現れず、天然大理石模様が得られないためである。
【0005】
しかしながら集積法を用いて作製した天然大理石様結晶化ガラス物品は、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラスが形成されてなり、該結晶化ガラス中の結晶が該ガラス小体の形状によって規制されており、該結晶の存在及びその方向の相違に基づいて模様が現出されているため、模様が小さくて、単調という欠点を有している。
【0006】
【特許文献1】特公昭53-39884号公報
【特許文献2】特開平3-205323号公報
【特許文献3】特開平6-24768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、模様が大きくて、多様多彩、変化が豊富で、自由である模様付き結晶化ガラス物品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の模様付き結晶化ガラス物品は、
【0009】
a. 軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなり、一枚の結晶性ガラス板がその形状に基づいて軟化しながら結晶を析出して模様が現出してなる模様付き結晶化ガラス物品、又は軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなり、複数枚の結晶性ガラス板がそれらの形状及び/又はその合わせ方に基づいて融着しながら結晶を析出して模様が現出してなることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品である。
【0010】
b. 複数個の結晶性ガラス小体及び/又は一枚の結晶性ガラス板A若しくは複数枚の結晶性ガラス板Aが重なって融着してなる結晶化ガラス層Aの面に一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板Bが融着してなる結晶化ガラス層Bから形成されてなり、結晶化ガラス層Bを形成した結晶性ガラス板Bの形状及び/又はその合わせ方に基づいて模様が現出してなる模様付き結晶化ガラス物品であって、結晶化ガラス層Bが軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなることを特徴とする模様付付き結晶化ガラス物品である。
【0011】
本発明の模様付結晶化ガラス物品の製造方法は、
1)複数個の結晶性ガラス小体を集積した表面、又は一枚の結晶性ガラス板A或いは複数枚の結晶性ガラス板Aが重なった表面に、一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板Bを敷いた後、
あるいは
2)一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板Bを敷いた表面に複数個の結晶性ガラス小体を集積又は一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板A或いは複数枚の結晶性ガラス板Aを重ねた後
熱処理することによって、各結晶性ガラス小体又は結晶性ガラス板Aと結晶性ガラス板Bとを融着一体化させるとともに結晶を析出させる模様付き結晶化ガラス物品の製造方法であって、
結晶性ガラス板Bが、軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の模様付き結晶化ガラス物品は、
1)軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなり、一枚の結晶性ガラス板がその形状に基づいて軟化しながら結晶を析出して模様が現出する。又は軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなり、複数枚の結晶性ガラス板がそれらの形状に基づいて軟化しながら結晶を析出して模様が現出する。
この結晶性ガラスは主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラスからなることが好ましく、この場合、模様がより明瞭に現出する。
【0013】
上記のような模様付き結晶化ガラス物品は、結晶性ガラス板の形状やその合わせ方によって、形状の変化部分からその周辺に向かって結晶が析出し、又は結晶性ガラス板の界面からその周辺に向かって結晶が析出し、結晶性ガラス板の形状の変化部分や結晶性ガラス板の界面以外の部分は、表面から裏面、裏面から表面に向かって結晶が析出し、形状の変化部分、合わせ部分に応じて天然大理石模様、人間模様、動物模様等様々な模様を付けた模様付き結晶化ガラス物品を得ることができる。
【0014】
2)複数個の結晶性ガラス小体及び/又は一枚の結晶性ガラス板A若しくは複数枚の結晶性ガラス板Aが重なって融着してなる結晶化ガラス層Aの面に一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板Bが融着してなる結晶化ガラス層Bから形成されている場合、特に結晶化ガラス層Bを形成した結晶性ガラス板Bの形状及び/又はその合わせ方に基づいて模様が現出する。
このような模様を呈する結晶化ガラスが複数個の結晶性ガラス小体を集積した表面或いは一枚の結晶性ガラス板A若しくは複数枚の結晶性ガラス板Aが重なった表面に、軟化点よりも高い温度で焼成すると、軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなる結晶性ガラス板Bの一枚或いは複数枚を敷き、次いで熱処理することによって、各結晶性ガラス小体及び/又は結晶性ガラス板Aと結晶性ガラス板Bとを融着一体化させるとともに、結晶性ガラス小体は、結晶性ガラス小体の表面から内部に向かって結晶を析出させ、結晶性ガラス板Bは、結晶性ガラス板Bの表面から裏面に、裏面から表面に向かって結晶を析出させると、形状の変化部分からその周辺に向かって結晶が析出し、結晶性ガラス板の界面から結晶性ガラス板の中央部に向かって結晶を析出させることで、天然大理石模様、人間模様、動物模様等様々な模様を付けた模様付き結晶化ガラス物品を得ることができる。このような模様は、結晶性ガラスBが主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラスからなることが好ましく、この場合、模様がより明瞭に現出する。
【0015】
本発明の天然大理石模様、人間模様、動物模様等様々な模様を付けた結晶化ガラス物品は、従来の模様付き結晶化ガラス物品とは趣の違った立体感のある模様付き結晶化ガラス物品であるとともに模様に深さがある。そして、模様の寸法が大きくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の模様付き結晶化ガラス物品において、模様を形成する結晶化ガラスが軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなり、このような特性を有する結晶性ガラスとして、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラスが特に好ましい。
そして、本発明の模様付き結晶化ガラス物品及びその製造方法において、結晶性ガラス板として、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出する性質を有する結晶性ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出する性質を有する結晶性ガラスを用いた理由を述べる。
【0017】
主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス、及び主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラスは、結晶性ガラス小体の表面から内部に向かって結晶を析出させる性質と、結晶性ガラス板の表面から裏面に、裏面から表面に向かって結晶を析出させる性質と、結晶性ガラス板の形状の変化部分からその周辺に向かって結晶を析出させる性質と、結晶性ガラス板の界面から結晶性ガラスの中央部に向かって結晶を析出させる性質との特性を持っているから、天然大理石模様、人間模様、動物模様等様々な模様を付けた模様付き結晶化ガラス物品を得ることができる。
【0018】
次に本発明の天然大理石模様、人間模様、動物模様等様々な模様を付けた模様付き結晶化ガラス物品の製造方法を説明する。
【0019】
まず、(a)主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス、或いは、(b)主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラス組成を有する結晶性ガラスからなる複数個のガラス小体やガラス板Aを一枚或いは複数枚、又はガラス板Bを一枚或いは複数枚用意する。また、(c)結晶を析出してなる結晶化ガラス組成を有する結晶性ガラスからなるガラス小体を複数個用意する、或いはガラス板Aを一枚或いは複数枚,又はガラス板Bを一枚或いは複数枚を用意する。使用する(a)及び(b)のガラスは、軟化点より高い温度で熱処理すると、軟化変形しながら表面から内部に向かって結晶を析出する性質を有する表面結晶化タイプの結晶性ガラスである。なおガラス小体とは、ガラス水砕物、粒体、粉体、小球、小破片、棒状物等を意味している。
【0020】
本発明において、結晶性ガラス板Aとは、厚みが0.1〜30mmが好ましく、より好ましくは1〜15mmであり、結晶性ガラス板Bとは、厚みが0.1〜20mmが好ましく、より好ましくは1〜10mmである。
結晶性ガラス板Aは、一枚でも二枚以上でもよいが、(a)主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス組成、或いは、(b)主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラス組成を有する、又は(C)中の軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する性質を有する表面結晶化タイプの結晶化ガラス組成を有する場合、強度の点から複数枚が好ましい。これらの結晶化ガラス組成を形成しない結晶性ガラス板の場合、一枚又は二枚以上用いることが好ましく、より好ましくは一枚を用いるのがよい。
【0021】
また、(a)又は(b)の組成を有する結晶性ガラスからなる所望の形状に形成されたガラス板を一枚或いは複数枚を用意する。使用する(a)及び(b)のガラスは、軟化点より高い温度で熱処理すると、結晶性ガラス板の表面から裏面に、裏面から表面に向かって結晶を析出させる性質を持っている、所謂表面結晶化タイプの結晶性ガラスである。このような結晶性ガラスは、複数枚のガラス板を合わせて熱処理する場合、結晶性ガラス板の表面から裏面に、裏面から表面に向かって結晶を析出させるとともに、結晶性ガラス板と結晶性ガラス板との界面から結晶性ガラス板の中央部に向かって結晶を析出させる特性を持っている。
【0022】
本発明において、模様付き結晶化ガラス物品は、以下のような種々の方法で作製することができる。例えば、
(1)一枚又は複数枚の所望の形状に形成された(a)又は(b)の組成を有する結晶性ガラス板を離型剤を塗った耐火物型枠に敷いて置く。
(2)複数個の結晶性ガラス小体を離型剤を塗った耐火物型枠に集積し、この集積した表面に一枚又は複数枚の所望の形状に形成された(a)又は(b)の組成を有する結晶性ガラス板を敷いて置く。
(3)一枚又は複数枚の結晶性ガラス板を離型剤を塗った耐火物型枠に敷いて置き、この面に一枚又は複数枚の所望の形状に形成された(a)又は(b)の組成を有する結晶性ガラス板を敷いて置く。
(4)一枚又は複数枚の所望の形状に形成された(a)又は(b)の組成を有する結晶性ガラス板を離型剤を塗った耐火物型枠に敷いて置き、この面に複数個の結晶性ガラス小体を集積する。
(5)一枚又は複数枚の所望の形状に形成された(a)又は(b)の組成を有する結晶性ガラス板を離型剤を塗った耐火物型枠に敷いて置き、この面に一枚又は複数枚の結晶性ガラス板を敷いて置く。
【0023】
上記の(1)〜(5)のいずれかの状態において、結晶性ガラス板、及び結晶性ガラス小体を構成するガラスの軟化点より高い温度で熱処理することによって、結晶性ガラス小体と結晶性ガラス板とを軟化させて各結晶性ガラス小体と結晶性ガラス板とを互いに融着一体化させる。そして、結晶性ガラス板の表面から裏面に、裏面から表面に向かって結晶を析出させるとともに、形状の変化部分からその周辺に向かって結晶が析出し、結晶性ガラス板と結晶性ガラス板との界面から結晶性ガラス板の中央部に向かってβ―ウォラストナイトやディオプサイド結晶を析出させ、これら結晶の存在と方向の相違とガラス板の形状及びその合わせ方に基づいて模様が現出した結晶化ガラス層が形成される。
【0024】
本発明において、複数枚の結晶性ガラス板の合わせ方の一実施の形態を図1に示す。図1(A)は側面図、図1(B)は結晶性ガラス板面の平面図である。図1において、離型剤を塗った耐火物型枠10に結晶性ガラス小体12が集積されており、この集積面にS字の形状にカットされた二枚の結晶性ガラス板14A,14Bがカット面をつき合せた状態で敷いて置かれており、この状態で熱処理される。
なお、結晶性ガラス板は任意の形状に切り取り、その切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着してもよく、結晶性ガラス板の切り取り面(結晶性ガラスの外周端面)を間隙を有する状態で配置し、その間隙に結晶性ガラス小体を充填した後、熱処理しても良い。
図2中、20は耐火物型枠、22は結晶性ガラス小体、24A,24Bは結晶性ガラス板を示しており、結晶性ガラス板24A,24Bの切り取り面(ガラスの外周端面)を間隙を有する状態で配置し、その間隙に結晶性ガラス小体22を充填した後、熱処理しても良い。
【0025】
使用するガラス小体とガラス板Aとガラス板Bは、熱処理後の熱膨張係数が略同一になるように組み合わせることが重要であり、ガラス小体とガラス板Aとガラス板Bとの熱処理後の熱膨張係数の差は0〜10×10-7/℃が好ましく、より好ましくは0〜3×10-7/℃である。
【0026】
熱処理の条件は1030℃〜1130℃が好ましく、1050℃〜1100℃がより好ましい。昇温速度は60℃/時間〜600℃/時間が好ましく、 60℃/時間〜360℃/時間がより好ましい。
【0027】
上記した実施の形態では、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aとガラス板からなる結晶化ガラス層Bを積層した例を説明したが、本発明は二層のガラス板Bからなる結晶化ガラス層Bの間に複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aをサンドイッチ状にした構造であってもよい。尚、場合によって、複数個のガラス小体の代わりに複数枚の薄いガラス板Aを積層してなることもできる。
【0028】
次に本発明において、模様付き結晶化ガラス物品における結晶化ガラス層A及びB、ガラス小体、ガラス板A、ガラス板Bの好ましい組成は下記の通りである。
【0029】
(1)質量百分率で、SiO2 50〜65 %、Al2O3 3〜13 %、CaO 15〜25 %、ZnO 2〜10 %を必須成分からなる組成やこの組成に、少なくとも1種類の着色性酸化物5%以下の有効な量だけ添加することからなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0030】
(2)質量百分率で、SiO2 45〜75 %、Al2O3 1〜13 %、CaO 6〜14.5 %、Na2O+K2O 1〜13%、BaO 0〜20 %、ZnO 0〜18 %、BaO+ZnO 4〜24 %を必須成分からなる組成やこの組成に、少なくとも1種類の着色性酸化物10%以下の有効な量を添加することからなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0031】
(3)質量百分率で、SiO2 45〜75 %、Al2O3 1〜15 %、CaO 8〜20 %、Na2O+K2O 1〜15%、BaO 0〜18 %、ZnO 0〜18 %、BaO+ZnO 4〜25 %、Fe2O3 2〜8%、TiO2 0.1〜7%、MnO2 0.1〜5%、CoO 0〜2%、 B2O3 0〜3 %、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %からなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0032】
(4)質量百分率で、SiO2 48〜68 %、Al2O3 0.5〜17 %、CaO 6〜22 %、Na2O+K2O 5〜22%、MgO 0.2〜8%、BaO 0〜8 %、ZnO 0〜9 %、BaO+ZnO <15 %、B2O3 0〜6 %、着色性酸化物0〜10%からなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0033】
(5)質量百分率で、SiO2 40〜75 %、Al2O3 2〜15 %、CaO 3〜15 %、ZnO 0〜15 %、BaO 0〜20 %、B2O3 0〜10 %、Na2O+K2O+Li2O 2〜20 %、着色性酸化物0〜10%、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %からなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0034】
(6) 質量百分率で、SiO2 45〜75 %、Al2O3 1〜25 %、CaO 1〜12.5 %、MgO 0.5〜12 %、CaO+MgO 1.5〜13%、BaO 0〜18 %、ZnO 0〜18 %、Na2O 1〜15 %、K2O 0〜7 %、Li2O 0〜5 %、B2O3 0〜10 %、P2O5 0〜10 %、着色性酸化物0〜10%、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %からなり、主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラス。
【0035】
(7)質量百分率で、SiO2 40〜75 %、Al2O3 2〜15 %、CaO 3〜20 %、ZnO 0〜15 %、BaO 0〜20 %、B2O3 0〜10 %、Na2O+K2O+Li2O 2〜20 %、着色性酸化物0〜10%、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %からなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0036】
(8) 質量百分率で、SiO2 45〜75 %、Al2O3 1〜25 %、CaO 1〜20 %、MgO 0.5〜17 %、BaO 0〜18 %、ZnO 0〜18 %、Na2O 1〜15 %、K2O 0〜7 %、Li2O 0〜5 %、B2O3 0〜10 %、P2O5 0〜10 %、着色性酸化物0〜10%、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %からなり、主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラス。
【0037】
(9)質量百分率で、SiO2 45〜70%、Al2O3 1〜13 %、CaO 6〜25 %、Na2O+K2O+Li2O 0.1〜20 %、BaO 0〜20 %、ZnO 0〜18 %、BaO+ZnO 4〜24%、V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、CoO、NiO、CuO等の着色性酸化物をそれぞれ0〜10%を添加することからなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0038】
(10) 質量百分率で、SiO2 45〜75 %、Al2O3 1〜25 %、CaO 1〜20 %、MgO 0.5〜17 %、BaO 0〜18 %、ZnO 0〜18 %、Na2O 1〜15 %、K2O 0〜7 %、Li2O 0〜5 %、B2O3 0〜10 %、P2O5 0〜10 %、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %、V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、CoO、NiO、CuO等の着色性酸化物を少なくとも一つを添加し、添加量は0〜10%であることからなり、主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラス。
【0039】
(11)質量百分率で、SiO2 45〜75%、Al2O3 1〜15 %、CaO 6〜20 %、Na2O+K2O 1〜15 %、BaO 0〜18 %、ZnO 0〜18 %、BaO+ZnO 4〜25%、 NiO 0.05〜5%、CoO 0.01〜5%からなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0040】
(12)質量百分率で、SiO2 50〜75%、Al2O3 1〜15 %、CaO 6〜16.5 %、Li2O 0.1〜5 %、B2O3 0〜1.5 %、CaO +Li2O +B2O3 10〜17.5 %、ZnO 2.5〜12%、BaO 0〜12 %、Na2O+K2O 0.1〜15 %、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %、MgO 0〜1.5%、SrO 0〜1.5%、TiO2 0〜1%、ZrO2 0〜1%、P2O5 0〜1%、着色性酸化物0〜10%、着色性酸化物は、V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、CoO、NiO、CuOの少なくとも一つであることからなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス。
【0041】
(13)質量百分率で、SiO2 45〜77%、Al2O3 1〜25 %、CaO 2〜25 %、ZnO 0〜18%、BaO 0〜20 %、MgO 0〜17%、Na2O 1〜15%、K2O 0〜7 %、Li2O 0〜5 %、B2O3 0〜1.5 %、着色性酸化物(V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、CoO、NiO、CuO 等)0〜10%、As2O3 0〜1 %、Sb2O3 0〜1 %、SrO 0〜1.5%、TiO2 0〜1%、ZrO2 0〜1%、P2O5 0〜1%からなり、主結晶としてβ―ウォラストナイトやディオプサイドを析出してなる結晶化ガラス。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明する。
まず質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、10mmの厚みを有するガラス板を得た。ガラス板の中央部に深さ5mm凹んだZ文字を付けた。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0043】
次に、作製したZ文字を付けた一枚の結晶性ガラス板を離型剤を塗布した耐火物型枠に敷いて置き、その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1100℃で2時間保持することによって、Z文字模様付き結晶化ガラス物品を得た。
【0044】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約10mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、白色のZ文字付き天然大理石模様が現れた。Z文字模様の深さが約5 mm程度である。従来の白色天然大理石模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある白色Z文字付き天然大理石模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出していた。両面を研磨したところ、上に述べた特徴以外に透明感と立体感と両方とも強く表現することができる。
【0045】
(実施例2)
まず質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、10 mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0046】
次に、作製した結晶性ガラス板をウォタージェットでS字のような曲線に沿って切り、二枚の結晶性ガラス板となる。
【0047】
次に、作製した二枚の結晶性ガラス板を離型剤を塗布した耐火物型枠に敷いて置くと、二枚の結晶性ガラス板の外周端面を合わせるところがS曲線になる。その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1,100℃で2時間保持することによって、S曲線模様付き結晶化ガラス物品を得た。
【0048】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約10mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、白色のS曲線付き天然大理石模様が現れた。S曲線模様の深さが約10mm程度である。従来の白色天然大理石模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある白色S曲線付き天然大理石模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出していた。両面を研磨したところ、上に述べた特徴以外に透明感と立体感と両方とも強く表現することができる。
【0049】
(実施例3)
まず質量%でSiO2 51.0 %、Al2O3 19.0 %、MgO 4.7%、ZnO 4.1%、TiO2 2.2%、ZrO2 1.5%、B2O3 6.0%、Na2O 8.5%、K2O 2.8%、CaO 0.2%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、10mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてフォルステライト(2MgO・SiO2)を析出し、30〜380℃における熱膨張係数が67×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0050】
また質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、5mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7/℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットでS字のような曲線に沿って切り、二枚のガラス板となる。
【0051】
次に、作製したフォルステライト(2MgO・SiO2)を析出する結晶性ガラス板Aを離型剤を塗布した耐火物型枠に敷いて置き、結晶性ガラス板Aの厚みは約10mmであった。結晶性ガラス板Aの表面を完全に覆うように、上述した二枚の作製したβ−ウォラストナイト(CaO・SiO2)を析出する結晶性ガラス板Bを敷いて置き、二枚の結晶性ガラス板Bを合わせるところがS字の曲線になる。その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1,100℃で2時間保持することによって、フォルステライト(2MgO・SiO2)を析出する結晶性ガラス板Aとβ−ウォラストナイト(CaO・SiO2)を析出する結晶性ガラス板Bが軟化、融着しながら、結晶が析出された。フォルステライト(2MgO・SiO2)を析出する結晶性ガラス板Aからなる結晶化ガラス層Aの上に二枚のβ−ウォラストナイト(CaO・SiO2)を析出する結晶性ガラス板Bからなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
結晶化ガラス層Bを形成した二枚の結晶性ガラス板Bが融着したところでは、主結晶であるβ−ウォラストナイト結晶がガラス板とガラス板との界面からガラス板の中央部に向かって析出されるとともに、ガラス板とガラス板との界面以外の部分よりβ−ウォラストナイト結晶の析出速度が速かったため、比較的に顕著な色になっている。ガラス板とガラス板との界面以外の部分にはβ−ウォラストナイト結晶がガラス板の表面からガラス板の裏面に、ガラス板の裏面からガラス板の表面に向かって析出される。
【0052】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約15mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、S字の曲線を付いた白色の結晶化ガラス物品を得た。模様の深さが約5mm程度である。従来の模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある白色S曲線付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、結晶化ガラス層Aは主結晶としてフォルステライト(2MgO・SiO2)を析出し、結晶化ガラス層Bは主結晶としてβ−ウォラストナイト(CaO・SiO2)を析出していた。
【0053】
(実施例4)
まず質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmのガラス小体を得た。このガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0054】
また、質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、5mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットでS字のような曲線に沿って切り、二枚のガラス板となる。
【0055】
次に、作製したガラス小体を離型剤を塗布した耐火物型枠に集積する。集積したガラス小体の厚みは約12mm程度であった。集積したガラス小体を平らにするようにして、ガラス小体の表面を完全に覆うようにして二枚の作製したガラス板を敷いて置き、二枚のガラス板を切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着させたところがS曲線になる。その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1100℃で2時間保持することによって、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aの上に二枚のガラス板が融着してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
【0056】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約16mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、図3(A)に示すように 白色のS曲線付き天然大理石模様が現れた。S曲線模様の深さが約5mm程度である。従来の白色天然大理石模様付き結晶化ガラス物品[図3(B)に示す。]とは、趣の違った立体感のある白色S曲線付き天然大理石模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとの主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出していた。両面を研磨したところ、上に述べた特徴以外に透明感と立体感と両方とも強く表現することができる。
なお、従来の白色天然大理石模様付き結晶化ガラス物品[図3(B)に示す。]は、ガラス小体を離型剤を塗布した耐火物型枠に集積し、集積したガラス小体を平らにするようにした後、焼成、研磨したものである。
【0057】
(実施例5)
まず質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmのガラス小体を得た。このガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0058】
また、質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、5mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットでS字のような曲線に沿って切り、二枚のガラス板となる。
【0059】
次に、作製した二枚のガラス板を離型剤を塗布した耐火物型枠に敷いて置き、二枚のガラス板を切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着させたところがS字の曲線になる。二枚のガラス板の表面を完全に覆うようにして作製したガラス小体を集積する。集積したガラス小体の厚みは約12mm程度であった。集積したガラス小体を平らにするようにした。その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1100℃で2時間保持することによって、二枚のガラス板が融着してなる結晶化ガラス層Bの上に複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aが形成された結晶化ガラス物品を得た。
【0060】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約16mmの厚みを有しており、裏表面を研磨したところ、白色のS曲線付き天然大理石模様が現れた。S曲線模様の深さが約5mm程度である。従来の白色天然大理石模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある白色S曲線付き天然大理石模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとの主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出していた。両面を研磨したところ、上に述べた特徴以外に透明感と立体感と両方とも強く表現することができる。
【0061】
( 実施例6)
まず質量%でSiO2 62.2 %、Al2O3 5.9 %、CaO 12.9%、Na2O 4.6%、K2O 2.1%、Li2O 1.0%、BaO 6.0%、ZnO 5.2%、NiO 0.1%の組成を有するように調合したガラス原料を1450℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスを水砕し、乾燥した後、分級し、粒径3〜7mmのガラス小体を得た。このガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が69×10-7 /℃であるベージュ色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0062】
また、質量%でSiO2 62.2 %、Al2O3 5.9 %、CaO 12.9%、Na2O 4.6%、K2O 2.1%、Li2O 1.0%、BaO 6.0%、ZnO 5.2%、NiO 0.1%の組成を有するように調合したガラス原料を1450℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、3mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が69×10-7 /℃であるベージュ色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットで綺麗な女性の輪郭を切り出して、二枚のガラス板となる。
【0063】
次に、作製したガラス小体を離型剤を塗布した耐火物型枠に集積する。集積したガラス小体の厚みは約14mm程度であった。集積したガラス小体を平らにするようにして、ガラス小体の表面を完全に覆うように、上述した二枚の作製したガラス板を敷いて置き、二枚のガラス板を切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着させたところは綺麗な女性の輪郭になっている。その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1050℃で2時間保持することによって、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aの上に二枚のガラス板が融着してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。二枚のガラス板が融着したところでは、主結晶であるβ―ウォラストナイト結晶がガラス板とガラス板との界面からガラス板の中央に向かって析出されるとともに、ガラス板とガラス板との界面以外の部分よりβ―ウォラストナイト結晶の析出速度が速かったため、比較的に顕著な色になっている。ガラス板とガラス板との界面以外の部分には、β―ウォラストナイト結晶がガラス板の表面からガラス板の裏面に、ガラス板の裏面からガラス板の表面に向かって析出される。
【0064】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約16mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、綺麗な女性の輪郭を付いたベージュ色の結晶化ガラス物品を得た。模様の深さが約3mm程度である。従来の模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある綺麗な女性の輪郭模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとの主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出していた。
【0065】
(実施例7)
まず質量%でSiO2 62.0 %、Al2O3 9.0 %、CaO 9.0%、MgO 4.5%、BaO 4.6%、Na2O 5.0%、K2O 3.0%、B2O3 0.5%、P2O5 2.0%、Sb2O3 0.4%、CoO 0.05%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスを水砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmのガラス小体を得た。このガラス小体は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が71×10-7 /℃のグレー色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0066】
また、質量%でSiO2 62.0 %、Al2O3 9.0 %、CaO 9.0%、MgO 4.5%、BaO 4.6%、Na2O 5.0%、K2O 3.0%、B2O3 0.5%、P2O5 2.0%、Sb2O3 0.4%、CoO 0.05%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、3mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が71×10-7 /℃のグレー色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットで車メーカのベンツのマークを切り出して、三枚のガラス板となる。
【0067】
次に、作製したガラス小体を離型剤を塗布した耐火物型枠に集積する。集積したガラス小体の厚みは約14mm程度であった。集積したガラス小体を平らにするようにして、ガラス小体の表面を完全に覆うように、上述した三枚の作製したガラス板を敷いて置き、三枚のガラス板を切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着させたところはベンツのマークになっている。その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1050℃で2時間保持することによって、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aの上に三枚のガラス板が融着してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。三枚のガラス板が融着したところでは、主結晶であるディオプサイド結晶がガラス板とガラス板との界面からガラス板の中央に向かって析出されるとともに、ガラス板とガラス板との界面以外の部分よりディオプサイド結晶の析出速度が速かったため、比較的に顕著な色になっている。ガラス板とガラス板との界面以外の部分には、ディオプサイド結晶がガラス板の表面からガラス板の裏面に、ガラス板の裏面からガラス板の表面に向かって析出される。
【0068】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約16mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、綺麗なベンツのマークを付いたグレー色の結晶化ガラス物品を得た。模様の深さが約3mm程度である。従来の模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある綺麗なベンツのマークを付いた模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとの主結晶としてディオプサイドを析出していた。
【0069】
(実施例8)
まず質量%でSiO2 60.0 %、Al2O3 6.0 %、CaO 7.6%、MgO 3.8%、BaO 3.5%、ZnO 6.5%、Na2O 3.8%、K2O 2.5%、Li2O 0.4%、B2O3 5.4%、As2O3 0.3%、NiO 0.2%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをフィルム状に成形した後、粉砕、分級し、粒径1〜3mmのガラス小体を得た。このガラス小体は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が73×10-7 /℃であるベージュ色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0070】
また、質量%でSiO2 60.0 %、Al2O3 6.0 %、CaO 7.6%、MgO 3.8%、BaO 3.5%、ZnO 6.5%、Na2O 3.8%、K2O 2.5%、Li2O 0.4%、B2O3 5.4%、As2O3 0.3%、NiO 0.2%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、5mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が73×10-7 /℃のベージュ色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットで(公序良俗違反につき、不掲載)という文字を切り出して、数枚のガラス板となる。
【0071】
次に、作製したガラス小体を離型剤を塗布した耐火物型枠に集積する。集積したガラス小体の厚みは約12mm程度であった。集積したガラス小体を平らにするようにして、ガラス小体の表面を完全に覆うように、上述した数枚の作製したガラス板を敷いて置き、数枚のガラス板を切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着させたところは(公序良俗違反につき、不掲載)になっている。その後、1時間に60℃の速度で昇温し、1000℃で4時間保持することによって、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aの上に数枚のガラス板が融着してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。数枚のガラス板が融着したところでは、主結晶であるディオプサイド結晶がガラス板とガラス板との界面からガラス板の中央に向かって析出されるとともに、ガラス板とガラス板との界面以外の部分よりディオプサイド結晶の析出速度が速かったため、比較的に顕著な色になっている。ガラス板とガラス板との界面以外の部分には、ディオプサイド結晶がガラス板の表面からガラス板の裏面に、ガラス板の裏面からガラス板の表面に向かって析出される。
【0072】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約16mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、綺麗な(公序良俗違反につき、不掲載)という字を付いたベージュ色の結晶化ガラス物品を得た。模様の深さが約5mm程度である。従来の模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある綺麗な(公序良俗違反につき、不掲載)という字を付いた模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、結晶化ガラス層Aと結晶化ガラス層Bとの主結晶としてディオプサイドを析出していた。
【0073】
(実施例9)
まず質量%でSiO2 62.0 %、Al2O3 9.0 %、CaO 9.0%、MgO 4.5%、BaO 4.6%、Na2O 5.0%、K2O 3.0%、B2O3 0.5%、P2O5 2.0%、Sb2O3 0.4%、CoO 0.05%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスを水砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmのガラス小体を得た。このガラス小体は、熱処理すると主結晶としてディオプサイドを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が71×10-7 /℃のグレー色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0074】
また、質量%でSiO2 62.2 %、Al2O3 5.9 %、CaO 12.9%、Na2O 4.6%、K2O 2.1%、Li2O 1.0%、BaO 6.0%、ZnO 5.2%の組成を有するように調合したガラス原料を1450℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、3mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が69×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットで白鶴の飛んでいる綺麗な姿の輪郭を切り取って、一枚のガラス板となる。
【0075】
次に、作製したガラス小体を離型剤を塗布した耐火物型枠に集積する。集積したガラス小体の厚みは約14mm程度であった。集積したガラス小体を平らにするようにして、デザインに従って、ガラス小体の表面の良い場所に、上述した一枚の作製したガラス板を敷いて置き、ガラス板の周りから耐火物型枠までガラス小体を集積する。その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1050℃で2時間保持することによって、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aの上に一枚のガラス板と複数個のガラス小体とが融着してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。一枚のガラス板が複数個のガラス小体が融着したところでは、主結晶であるβ−ウォラストナイト結晶がガラス板とガラス小体との界面からガラス板の中央に向かって析出されるとともに、ガラス板とガラス小体との界面以外のガラス板部分よりβ−ウォラストナイト結晶の析出速度が速かったため、比較的に顕著な色になっている。ガラス板とガラス小体との界面以外のガラス板部分には、β−ウォラストナイト結晶がガラス板の表面からガラス板の裏面に、ガラス板の裏面からガラス板の表面に向かって析出される。
【0076】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約16mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、雨が降る前の灰色空模様に白鶴の飛んでいる綺麗な姿の付いた結晶化ガラス物品を得た。模様の深さが約3mm程度である。従来の模様付き結晶化ガラス物品とは、趣の違った立体感のある綺麗な白鶴の輪郭模様付き結晶化ガラス物品を得た。さらにX線回折の結果、結晶化ガラス層Aは主結晶としてディオプサイドを析出し、結晶化ガラス層Bは主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出していた。
【0077】
(比較例)
まず質量%でSiO2 65.1 %、Al2O3 6.6 %、CaO 12.0%、Na2O 3.3%、K2O 2.3%、BaO 4.1%、ZnO 6.6%の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスを水砕し、乾燥後、分級し、粒径1〜3mmのガラス小体を得た。このガラス小体は、熱処理すると主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出し、30〜380℃における熱膨張係数が65×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。
【0078】
また、質量%でSiO2 51.0 %、Al2O3 19.0 %、MgO 4.7%、ZnO 4.1%、TiO2 2.2%、ZrO2 1.5%、B2O3 6.0%、Na2O 8.5%、K2O 2.8%、CaO 0.2%、の組成を有するように調合したガラス原料を1500℃で16時間溶融した。次いでこの溶融ガラスをロールアウト法によって板状に成形し、5mmの厚みを有するガラス板を得た。このガラス板は、熱処理すると主結晶としてフォルステライト(2MgO・SiO2)を析出し、30〜380℃における熱膨張係数が67×10-7 /℃の白色の結晶化ガラスとなる結晶性ガラスである。このガラス板をウォタージェットでS字のような曲線に沿って切り、二枚のガラス板となる。
【0079】
次に、作製した二枚のガラス板を離型剤を塗布した耐火物型枠に集積する。集積したガラス小体の厚みは約12mm程度であった。集積したガラス小体を平らにするようにしてガラス小体の表面を完全に覆うようにして二枚の作製したガラス板を敷いて置き、二枚のガラス板を切り取り面(ガラスの外周端面)同士を密着させたところがS字のような曲線になる。
その後、1時間に120℃の速度で昇温し、1100℃で2時間保持することによって、複数個のガラス小体が融着してなる結晶化ガラス層Aの上に二枚のガラス板が融着してなる結晶化ガラス層Bが形成された結晶化ガラス物品を得た。
【0080】
このようにして得られた結晶化ガラス物品は約16mmの厚みを有しており、表面を研磨したところ、上に述べた本発明で得られた白色のS字のような曲線付き天然大理石模様が現れなかった。また、本発明のS曲線模様のような深さを得ることができなかった。更にX線回折の結果、結晶化ガラスAは主結晶としてβ−ウォラストナイト結晶を析出していた。結晶化ガラス層Bは主結晶として
フォルステライトを析出していた。
【0081】
また、裏表面を研磨したところ、従来の白色天然大理石模様付き結晶化ガラス物品を得た。従来の白色天然大理石模様は、β−ウォラストナイトやディオプサイトがガラス小体の形状によって規制されており、これら結晶の存在及びその方向の相違に基づいて天然大理石模様が現出する。この方法の模様では、ガラス小体の形状、寸法に制限されて、大らかな模様を現出することができない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】(A)は本発明の模様付き結晶化ガラス物品の製造方法の一実施の形態を示す側面図、(B)は(A)の概略平面図である。
【図2】(A)は本発明の模様付き結晶化ガラス物品の製造方法の他の実施の形態を示す側面図、(B)は(A)の概略平面図である。
【図3】(A)は実施例4で得られた模様付き結晶化ガラス物品の写真、(B)は従来の結晶化ガラス物品の写真である。
【符号の説明】
【0083】
10,20 耐火物型枠
12、22 結晶性ガラス小体
14A(24A),14B(24B) 結晶性ガラス板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなり、一枚の結晶性ガラス板がその形状に基づいて軟化しながら結晶を析出して模様が現出してなる模様付き結晶化ガラス物品、又は軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなり、複数枚の結晶性ガラス板がそれらの形状及び/又はその合わせ方に基づいて融着しながら結晶を析出して模様が現出してなることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品。
【請求項2】
前記結晶性ガラスが、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶性ガラス又は主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶性ガラスであることを特徴とする請求項1に記載の模様付き結晶化ガラス物品。
【請求項3】
複数個の結晶性ガラス小体及び/又は一枚の結晶性ガラス板A若しくは複数枚の結晶性ガラス板Aが重なって融着してなる結晶化ガラス層Aの面に一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板Bが融着してなる結晶化ガラス層Bから形成されてなり、結晶化ガラス層Bを形成した結晶性ガラス板の形状及び/又はその合わせ方に基づいて模様が現出してなる模様付き結晶化ガラス物品であって、結晶化ガラス層Bが軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなることを特徴とする模様付付き結晶化ガラス物品。
【請求項4】
結晶化ガラス層Bが、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項3に記載の模様付き結晶化ガラス物品。
【請求項5】
結晶化ガラス層AとBが、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出してなる結晶化ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出してなる結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項3に記載の模様付き結晶化ガラス物品。
【請求項6】
結晶性ガラス小体及び結晶性ガラス板Aと結晶性ガラス板Bとの熱処理後の熱膨張係数の差が0〜10×10-7/℃であることを特徴とする請求項3に記載の模様付き結晶化ガラス物品。
【請求項7】
1)複数個の結晶性ガラス小体を集積した表面、又は一枚の結晶性ガラス板A或いは複数枚の結晶性ガラス板Aが重なった表面に、一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板Bを敷いた後、
あるいは
2)一枚或いは複数枚の結晶性ガラス板Bを敷いた表面に複数個の結晶性ガラス小体を集積又は一枚の結晶性ガラス板A或いは複数枚の結晶性ガラス板Aを重ねた後
熱処理することによって、各結晶性ガラス小体又は結晶性ガラス板Aと結晶性ガラス板Bとを融着一体化させるとともに結晶を析出させる模様付き結晶化ガラス物品の製造方法であって、
結晶性ガラス板Bが、軟化点よりも高い温度で焼成すると結晶性ガラスの表面から内部に向かって結晶を析出する結晶性ガラスからなることを特徴とする模様付き結晶化ガラス物品の製造方法。
【請求項8】
結晶性ガラス板Bが、主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出する性質を有する結晶性ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出する性質を有する結晶性ガラスを使用することを特徴とする模様付き請求項7に記載の模様付き結晶化ガラス物品の製造方法。
【請求項9】
結晶性ガラス小体、結晶性ガラス板A及び結晶性ガラス板Bが、それぞれ主結晶としてβ―ウォラストナイトを析出する性質を有する結晶性ガラス、又は主結晶としてディオプサイドを析出する性質を有する結晶性ガラスを使用することを特徴とする請求項7に記載の模様付き結晶化ガラス物品の製造方法。
【請求項10】
複数個の結晶性ガラス小体を集積した表面に複数枚の結晶性ガラス板Bをその外周端面の少なくとも一部同士を密着させて熱処理することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の模様付き結晶化ガラス物品の製造方法。
【請求項11】
複数枚の結晶性ガラス板Bをその外周端面の少なくとも一部同士が間隙を有するように配置し、その間隙に複数個の結晶性ガラス小体を充填し、熱処理することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の模様付き結晶化ガラス物品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−91575(P2007−91575A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146549(P2006−146549)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により明細書の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(505327516)建權玻璃開発股▲はん▼有限公司 (5)
【出願人】(505327491)
【Fターム(参考)】