説明

横ピロー包装機

【課題】簡単な構成でいわゆる麺カスなどの被包装物から落下したものや、その他の各種の異物がセンターシール装置側に混入することを防止する.
【解決手段】連続して供給される帯状フィルム1を、その両側端縁部が下方で合わさるように筒状に形成する製袋器20と、製袋器の下流に配置されたセンターシール装置,エンドシール装置等を備えた横ピロー包装機である。製袋器における帯状フィルムの両側端縁部が合わさる部分の直前に、両側端縁部間に小物品が侵入するのを抑止するための噛み込み防止ガイド50を配置した。噛み込み防止ガイドは、断面がY字状となり、そのY字状のVの部分が本体50aとなり、Y字状のIの部分50bが製袋器における底部41a,42aから下方に垂下した一対の垂直部間に入り込んだ状態で固定され、帯状フィルムの両側端縁部は、垂直部とIの部分の間を通過するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横ピロー包装機に関するものであり、例えば乾燥麺における麺カスのように被包装物の一部が欠けて生じたものや、その他の異物をそのままシールしてしまうことを抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
横ピロー包装機は、以下のような構成を備えている。まず、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋された筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には被包装物搬送供給装置を配置し、その被包装物搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される被包装物が、製袋器内に供給される。
【0003】
これにより、被包装物が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その被包装物は筒状フィルムとともに水平方向に搬送される。そして、その搬送方向に沿って、センターシール装置並びにエンドシール装置が配置されている。センターシール装置は、筒状フィルムのフィルム重合端をシールするものである。エンドシール装置は、筒状フィルムを挟んで配置されたトップシーラを備え、そのトップシーラにて筒状フィルムを進行方向横方向(前後の被包装物が存在していない部分)に挟み込んで、加熱・加圧することで熱シールするとともに、内蔵するカッターでエンドシール部位をカットする。これにより、先端の被包装物が収納された筒状フィルムの部分は、後続の筒状フィルムから分離し、包装体が製造される。
【0004】
係る横ピロー包装機では、従来からエンドシール装置における被包装物の噛み込みの問題がある。すなわち、被包装物を筒状フィルムに供給するタイミングがずれたり、筒状フィルムと共に被包装物を搬送中に被包装物が筒状フィルム内を相対移動したりした結果、被包装物がエンドシール装置における筒状フィルムのシール部位に位置することがある。すると、一対のトップシーラが筒状フィルムを挟み込んでシール処理する際に、その被包装物も一緒に挟み込む事態を生じる。すると、異常状態となるため、横ピロー包装機を一時停止し、所定の復旧作業をする必要があるばかりか、エンドシール装置の故障発生のおそれもある。被包装物の前後の間隔が短くなるほど、係る問題の発生確率が高くなる。
【0005】
また例えば被包装物がインスタントラーメンのような乾燥麺などの場合、被包装物の搬送中で被包装物より分離したいわゆる小さな麺カスが落下することがあり、係る麺カスをトップシーラにて噛み込んでしまい不良品を発生する場合がある。
【0006】
係るエンドシール装置における麺カス等の小物品の噛み込みの抑制については、例えば特許文献1をはじめとして、従来から各種の構成のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−106489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エンドシール装置での麺カスの噛み込みは、主に製袋器を通過後の被包装物が筒状フィルムの所定位置に置かれ、その筒状フィルムの移動とともに搬送される被包装物から落下等した麺カスにより生じる。しかしながら、麺カスの落下は筒状フィルム内の乾燥麺からに限られることはない。例えば、製袋器の上流側に配置された被包装物搬送供給装置の搬送中の被包装物(乾燥麺)から落下した麺カスが製袋器側に移動することがある。また被包装物搬送供給装置から製袋器に移動途中の乾燥麺が、移し替える際の衝撃などによって麺くずが落下するおそれもある。
【0009】
すると、麺カス等の小物品は、製袋器内を移動し被包装物とともに筒状フィルム内に移し替えられるものもあるが、一部は、製袋器の内周面に沿って筒状に製袋される帯状フィルムの両側端縁部のフィルム重合部の間に挟み込まれてしまうものもある。さらに被包装物搬送供給装置がフィンガーコンベアの場合には、搬送面に形成されたスリットから麺カスが落下することがあるが、例えばフィンガーコンベアの移動速度が速いと、落下した麺カスは完全に被包装物搬送供給装置の下に落下せずに斜め下前方に向けて移動することがある。すると、その斜め下前方に向けて移動した麺カスは、筒状に形成された帯状フィルムの両側端縁部のフィルム重合部の間に入り込むおそれがある。そして、係る麺カスは、そのままセンターシール装置にてセンターシールされてしまい不良品となる。
【0010】
乾燥麺の麺カスの例で説明したが、菓子その他の食品、さらには食品以外のものも同様の問題がある。さらには、小物品は、被包装物から分離落下したものに限られず、何かしらの原因で被包装物以外の異物が入り込むおそれもある。
【0011】
本発明は、簡単な構成でいわゆる麺カスなどの被包装物から落下した小さな物品や、その他の各種の異物がセンターシール装置側に混入することを防止することができる横ピロー包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明は、(1)連続して供給される帯状フィルムを、その両側端縁部が下方で合わさるように筒状に形成する製袋器と、その筒状に形成された筒状フィルムの重合端にシールを施すセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配置され、前記筒状フィルムを挟んで上下に配置されるトップシーラにて、前記筒状フィルムの幅方向にシールするエンドシール装置を備えた横ピロー包装機であって、前記製袋器における前記帯状フィルムの両側端縁部が合わさる部分の直前に位置させて、当該両側端縁部間に小物品が侵入するのを抑止する噛み込み防止ガイドを設けた。
【0013】
被包装物が例えば乾燥麺のように一部が欠けて生じる麺カスのような小物品が製袋器で筒状に製袋される帯状フィルム内で発生した場合、帯状フィルムの両側端縁部が合わされる部分に入り込みそのまま製袋器内に進もうとした場合、その両側端縁部が合わされる部分の直前に配置された噛み込み防止ガイドに当たりそれ以上の前進が阻止される。よって、係る小物品は帯状フィルムの両側端縁部間に入り込むことが無く、後段のセンターシール装置で噛み込みシールされることを未然に防止できる。被包装物は、乾燥麺に限ることはなく、例えば菓子などの脆弱なものや、表面にデコレーションが施されているものなどもある。これらのものも菓子の本体の一部が欠けたり、デコレーション部分の一部または全部が落下したりして本発明の噛み込み防止・排除対象とする小物品となることある。さらにこのように食品に限ることはなく、非食品も対象となる。また、噛み込み防止対象の小物品は、被包装物から落下したものに限ることはなく、何かしらの原因で混入したものでもよい。
【0014】
(2)前記噛み込み防止ガイドは、平断面がV字状の本体を備え、その本体がV字状の奥側頂点を下流側に向くように配置されるようにするとよい。(3)前記噛み込み防止ガイドは、平断面がY字状となり、そのY字状のIの部分が前記製袋器における底面から下方に垂下した一対の垂直部間に入り込んだ状態で固定され、前記帯状フィルムの両側端縁部は、前記垂直部と前記Iの部分の間を通過するように構成してもよい。
【0015】
(4)前記噛み込み防止ガイドは、搬送方向に沿って下方傾斜状にした落下案内部を備え、当該噛み込み防止ガイドで侵入を阻止された前記小物品は、その落下案内部に案内されて落下するようにするとよい。このようにすると、噛み込み防止ガイドで進入が阻止された小物品をスムーズに落下を案内することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、製袋器にて筒状に製袋される帯状フィルムの両側端縁部が合わされる部分の直前に噛み込み防止ガイドを設けたので、係る両側端縁部が合わされる前に生じた小物品は、当該噛み込み亡児ガイドに当たりそれ以上の前進が阻止されるので、いわゆる麺カスなどの被包装物から落下した小さなものや、その他の各種の異物が当該両側端縁部間に入り込むことが無く、ひいてはセンターシール装置側に混入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る横ピロー包装機の好適な一実施形態を示す正面図である。
【図2】製袋器の部分を示す斜視図である。
【図3】その底面図である。
【図4】製袋器の一部(噛み込み防止ガイドが装着された部分)を拡大して示す斜視図である。
【図5】製袋器の部分を示す平面図である。
【図6】噛み込み防止ガイドを示す図である。
【図7】別の実施例の製袋器の部分を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施の形態の横ピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して被包装物13を所定間隔毎に供給する被包装物搬送供給装置14とを備えている。
【0019】
フィルム供給装置12は、帯状フィルム15をロール状に巻き取った原反ロール16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロール16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、原反ロール16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラ17を配置し、原反ロール16から送り出された帯状フィルム15は、そのローラ17に掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。もちろん、本発明では、必ずしも原反ロール16に駆動モータを連係する必要はなく、包装フィルムの搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0020】
被包装物搬送供給装置14は、前後に配置されたスプロケット17(図では、進行方向前方のみ記載)と、その複数のスプロケット17に掛け渡されたエンドレスチェーン18と、そのエンドレスチェーン18に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー19とにより構成される。これにより、被包装物13の後面に押送フィンガー19が突き当たると、押送フィンガー19の移動に伴い、被包装物13も前進移動する。
【0021】
包装機本体11は、供給される帯状フィルム15を筒状フィルム21に製袋する製袋器20と、その製袋器20の下流側に配置され、重合された帯状フィルム15の両側端縁部15aを両側から挟み込んで搬送力を与える一対のローラからなるピンチローラ23と、そのピンチローラ23の下流側に配置され、その両側端縁部15aをシールするセンターシール装置24と、そのセンターシール装置24の下流側に配置された搬送コンベア25と、その搬送コンベア25の上方に配置された上側抑えベルト26と、搬送コンベア25の下流側に配置されたエンドシール装置30と、エンドシール装置30の下流側に配置された搬出コンベア27を備えている。センターシール装置24は、本形態では左右一対の加熱ローラから構成され、その加熱ローラにして両側端縁部15aに所定の圧力を加えつつ熱シールする。
【0022】
製袋器20は、フィルム供給装置12から連続して供給される帯状フィルム15を通過させることで、帯状フィルム15の両側端縁部15a同士を接触(重合)させるとともに、筒状となった筒状フィルム21に製袋するものである。また、被包装物搬送供給装置14から包装機本体11に対して順次供給される被包装物13は、製袋器20内に挿入される。これにより、製袋器20に供給された被包装物13は、筒状フィルム21内に所定間隔毎に配置されることになる。また、このように筒状フィルム21内に被包装物13が内包されることから、ベルトコンベア23は、その被包装物13を内包した筒状フィルム21を搬送することになる。
【0023】
上側抑えベルト26は、エンドシール装置30の上流側の直近に配置されており、筒状フィルム21内の被包装物13が上方に持ち上がるのを抑制し、水平状態を保持しながら搬送できるようにしている。
【0024】
エンドシール装置30は、筒状フィルム21に対し、進行方向と直交する方向、つまり、横断する方向にシールすると共にカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の被包装物13の間の所定位置である。これにより、エンドシール装置30を通過することで、筒状フィルム21の先頭部分は、後続から分離され、包装体28が製造される。
【0025】
エンドシール装置30は、筒状フィルム21を挟んで上下に対向配置される一対のトップシーラ31,32を備え、そのトップシーラ31,32のシール面31a,32aを対向させた状態を保持しながらそれぞれを所定の軌跡で公転移動させるようになっている。このトップシーラ31,32を所定の軌跡で公転移動させるための機構は、いわゆるボックスモーションと称される公知の機構を用いることができる。このボックスモーションは、トップシーラ31,32同士が噛み合って筒状フィルム21を挟んでいるときは、筒状フィルム21と同一速度で前進移動し、その後、トップシーラ31,32が筒状フィルム21から離反すると所定の軌跡で後進移動することを繰り返すものである。これにより、一定期間、筒状フィルム12を両トップシーラ31,32で挟み込んで加圧・加熱した状態を維持できるので確実に熱シールできるとともに、筒状フィルムを連続移動させることができる。もちろん、筒状フィルムを間欠移動させる場合には、トップシーラ31,32は上下移動のみする機構にし、筒状フィルムが一時停止しているときにトップシーラ31,32を1回上下移動させシール・カットすることもできる。また、搬出コンベア27や搬送コンベア25等は、トップシーラ31,32の前後進移動にあわせてエンドシール装置30側の先端を前後方向に移動させるようにしても良い。係る技術は、例えば特開平9−286413号公報に開示された機構を用いることができる。なおエンドシール装置30は、本実施形態のようにボックスモーションに限ることはなく回転式のものでもよい。
【0026】
図2以降に示すように製袋器20は、左ガイド板41と右ガイド板42を備える。左ガイド板41は、底部41aと底部41aの左側端から起立する左側壁41bと底部41aの右側端から垂下する垂直部41cを有する。右ガイド板42は、底部42aと底部42aの右側端から起立する右側壁42bと底部42aの左側端から垂下する垂直部42cを有する。これら左ガイド板41と右ガイド板42は、底部41a,42aが同一平面上に位置し、垂直部41c,42cが近接状態で対向配置する。そして、左ガイド板41と右ガイド板42は、左側壁41bと右側壁42bの上流側上方部位にて連結板43で連結し、一体化している。また、左ガイド板41の底部41aは、上流側(搬入側)の右側端が下流(搬送方向)に行くに従って徐々に外側に突出する傾斜辺41a′となり、右ガイド板42の底部42bは、上流側(搬入側)の左側端が下流(搬送方向)に行くに従って徐々に外側に突出する傾斜辺42a′となる。これにより、両傾斜41a′,42a′の間隔は、上流側端が最も広く、下流に行くに従って接近する。傾斜辺41a′,42a′に続く直線状の側端に垂直部41c,42cがそれぞれ形成される。また垂直部41c,42cの上流側端縁は、下方傾斜状になっている。すなわち、上流側端縁が、下方に行くほど下流側に位置する形状をとる。
【0027】
係る構成の製袋器20に、上流側の斜め上方から帯状フィルム1が当該製袋器20内に供給されると、帯状フィルム1は両ガイド板41,42の内周面に沿って筒状に形成される。そして、帯状フィルム1の搬送方向と直交する幅方向の両サイドは、傾斜辺41a′,42a′に案内されて製袋器20の下方中央に導かれ、最終的に両側端縁部は合わされた状態で両垂直部41c,42c間の隙間に至りそのまま搬送される。そして、係る両側端縁分が重ね合わされた状態のまま製袋器20の下流に配置されたセンターシール装置でセンターシールされる。係る製袋器20の構成は、従来のものと同様である。
【0028】
そして、本実施形態では、製袋器20における帯状フィルムの両側端縁部が合わさる部分の直前に、噛み込み防止ガイド50を配置した。噛み込み防止ガイド50は、平面が略Y字状となり、Y字状のVの部分からなる本体50aを垂直部41c,42cから上流側に向けて突出するように配置し、Y字状のIの部分からなる連結部50bを垂直部41c,42c間に挟み込んでボルト55とナット56を用いて固定している。
【0029】
図5に示すように、連結部50bと垂直部41c,42cの間には所定の隙間が形成されている。この隙間は、帯状フィルム1のフィルム厚よりも広くしており、帯状フィルム1の左右の側端縁部はそれぞれ連結部50bと垂直部41c,42c間に形成される間隙内を通過する。そして、V字状の本体50aが垂直部41c,42cの上流側端縁の手前に配置されているため、係る垂直部41c,42cの隙間部分の上流側開口部を覆うため、麺カス等の小物品は、噛み込み防止ガイド50の本体50aに当たりそれ以上の前進(垂直部41c,42c内への進入)が阻止されて落下する。よって、帯状フィルム1の両側端縁部間に麺カス、粉等の小物品が挟み込まれてしまう異常事態の発生を未然に抑制することができる。
【0030】
しかも、本体50aの奥は、下方傾斜状にし、進行方向前方に行くに従ってその位置が下がるような落下案内部としたため、係る小物品は下方傾斜状の落下案内部に沿って案内され、より確実に下方に落下・排除することができる。
【0031】
本実施形態の噛み込み防止ガイド50は、2枚の第1,第2帯板部材51,52から構成される。第1,第2帯板部材51,52は、いずれもステンレス製の平板を折曲げで形成する。つまり、図6に示すように、片台形の平板の1つの斜辺に沿った平行なラインLに沿って、当該ラインLと斜辺の間の平行四辺形の部分が外に開くように所定角度折り曲げる。この平行四辺形の部分が、本体50aを構成する。また、第1,第2帯板部材51,52の所定位置には搬送方向に沿って長孔の貫通孔51a,52aが形成されている。この貫通孔51a,52aは、ボルト55を挿入するための孔部であり、長孔にすることで、噛み込み防止ガイド50を取り付ける際に搬送方向の位置調整ができる。
【0032】
さらに、ボルト55・ナット56を用いて第1,第2帯板部材51,52を固定する際に、両帯板部材51,52と垂直部41c,42cとの間にワッシャー58を配置している。このワッシャー58を設けることで、両帯板部材51,52と垂直部41c,42cの間に少なくともワッシャー58の厚さ分の空隙が確保され係る空隙により帯状フィルム1が通過できるようになる。また、ボルト55・ナット56による締結力がワッシャー58を介して両帯板部材51,52に伝わることで、両帯板部材51,52も密着状態となり、接触面に隙間が生じない。麺カス等が両帯板部材51,52間に入り込んでくることもない。
【0033】
また、本実施形態では、両帯板部材51,52を接触させてボルトナットによる締結により固定するようにしたが、溶接その他の手段により予め両帯板部材51,52を一体化しても良い。
【0034】
上述した各種の実施形態・変形例では、第1,第2帯板部材51,52を重ね合わせたため、V字状の本体50aの奥は、奥に入り込んだ溝が形成される。そこで、当該溝内に麺カス等の小物品が留まるおそれがある。係る場合でも製袋器20内部に進入しないので、不良品の発生は防止できるものの、細い隙間に入り込んだ小物品を除去する清掃処理が煩雑となる。
【0035】
そこで、例えば図7に示すように、第1,第2帯板部材51,52の開いた対向する面に対し、奥部で折り曲げられたV字状の保護部材59を装着する。このようにすると、V字状の本体50aの奥に隙間が無くなるので、両帯板部材51,52間の隙間で入り込むこともなく、より衛生的で清掃処理も容易となる。この保護部材59としては例えばシール部材など、裏面に接着部材が塗布されているものを用いると、簡単に両帯板部材51,52に接着できるので好ましい。もちろん、保護部材59は、シール部材のように接着剤が塗布されているものにかぎることはなく、ステンレスその他の材料からなる板材をV字状に折り曲げたものでも良いし、その他各種のもので実用できる。
【0036】
さらに、本発明の噛み込み防止ガイドは、適宜折り曲げた第1,第2帯板部材51,52を用いるというように本体50aを複数の部材を組み合わせて構成するものに限るものではない。例えば、本体を構成するV字状の板部材と、平板を用意し、V字状の板部材の先端に平板を溶接し、その平板で噛み込み防止ガイドを固定するようにしても良い。また、1枚の平板を適宜折り曲げることで、V字状の本体と、その本体の奥側から伸びる連結部を備えるようにしてもよい。
【0037】
さらに、連結部は、上述した各種の実施形態・変形例では、製袋器20の垂直部に挟み込む配置としたが、本発明はこれに限ることは無く、垂直部以外の場所に連結してももちろん良い。
【0038】
上述した各種の実施形態・変形例では、本体50aの形状はV字状としたが、本発明はこれに限ることはない。例えば上流側の位置が前後にずれているものでも良いし、V字状でなくても三角形等のその他の各種形状をとれる。
その他各種の形状をとれる。
【符号の説明】
【0039】
10 横ピロー包装機
11 包装機本体
12 フィルム供給装置
13 被包装物
14 被包装物搬送供給装置
21 筒状フィルム
24 センターシール装置
30 エンドシール装置
31,32 トップシーラ
41 左ガイド板
41a 底部
41c 垂直部
42 右ガイド板
42a 底部
42c 垂直部
50 噛み込み防止ガイド
50a 本体
51 第1帯板部材
52 第2帯板部材
59 保護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して供給される帯状フィルムを、その両側端縁部が下方で合わさるように筒状に形成する製袋器と、
その筒状に形成された筒状フィルムの重合端にシールを施すセンターシール装置と、
そのセンターシール装置の下流側に配置され、前記筒状フィルムを挟んで上下に配置されるトップシーラにて、前記筒状フィルムの幅方向にシールするエンドシール装置を備えた横ピロー包装機であって、
前記製袋器における前記帯状フィルムの両側端縁部が合わさる部分の直前に位置させて、当該両側端縁部間に小物品が侵入するのを抑止する噛み込み防止ガイドを設けたことを特徴とする横ピロー包装機。
【請求項2】
前記噛み込み防止ガイドは、平断面がV字状の本体を備え、その本体がV字状の奥側頂点を下流側に向くように配置されることを特徴とする請求項1に記載の横ピロー包装機。
【請求項3】
前記噛み込み防止ガイドは、平断面がY字状となり、そのY字状のIの部分が前記製袋器における底面から下方に垂下した一対の垂直部間に入り込んだ状態で固定され、
前記帯状フィルムの両側端縁部は、前記垂直部と前記Iの部分の間を通過するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の横ピロー包装機。
【請求項4】
前記噛み込み防止ガイドは、搬送方向に沿って下方傾斜状にした落下案内部を備え、
当該噛み込み防止ガイドで侵入を阻止された前記小物品は、その落下案内部に案内されて落下するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の横ピロー包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−112354(P2013−112354A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258370(P2011−258370)
【出願日】平成23年11月26日(2011.11.26)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】