説明

横型製袋充填包装機におけるピロー包装体の耳折り方法及び装置

【課題】ガセットの付いたピロー包装体のエンドシールの耳部を、専用の別装置を用いることなく簡易な方法で折り曲げ、通常のピロー包装体の製造との兼用も可能にする横型製袋充填包装機におけるピロー放送体の耳折り方法及び装置を提供する。
【解決手段】上下のエンドシーラ11a,11bがエンドシール部を形成しカッタがピロー包装体を切断した後、エンドシーラ11a,11bは筒状包装材と等速で水平移動しながら離間動作を途中で停止し互いに一定距離だけ離れる。当該離間動作停止区間内で、ガセット装置のガセット爪が筒状包装材の側面を押し込んでいる状態で、上側のエンドシーラ11aに配設された折り込み板が下降され、エンドシール部を折り曲げる。ガセット爪と協働してエンンドシール部を挟んでエンドシール直後の軟化状態のエンドシール部に折り癖を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水平移動と開閉動作を別々に(別々のサーボモータで)駆動することでエンドシール装置にボックスモーション動作を行わせる横型製袋充填包装機に関し、特に、横型製袋充填包装機においてボックスモーション動作をするエンドシール装置によってエンドシールを形成することで製造される(ガセットの付いた)ピロー包装体の当該エンドシールの耳部を折り曲げる方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続する帯状包装材にセンターシールを施して筒状包装材を形成し、更に順次搬送されてくる製品を筒状包装材内に送り込みつつ当該筒状包装材にエンドシールを施すことにより、製品が内部に収容された袋包装体を順次に製造する製袋包装機が知られており、その一つとして、包装材を横方向(水平方向)に紙送りする中で、製品の充填とセンターシールとエンドシールを施して袋包装体を製造する横型の製袋充填包装機がある。横型製袋充填包装機では、横方向に走行する帯状包装材の両側縁部分をシールして筒状包装材に成形し、その筒状包装材内に包装すべき製品を送り込み、当該製品の前後の位置において筒状包装材にエンドシールを施して、所謂ピロー包装された袋包装体が製造される。
【0003】
横型製袋充填包装機のエンドシール装置の一形態として、横方向に送られる筒状包装材を上下に挟んで配置される一対のエンドシーラ(カッタ刃を内蔵するものがある)と、そのエンドシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのエンドシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構とを備えたものがある。上下のエンドシーラは、駆動機構によって、筒状包装材の所定位置を上下から挟み込んだ状態で筒状包装材とともに一定量だけ横方向に前進移動する。これにより、筒状包装材は、両エンドシーラに挟まれた部位において、挟まれている期間、熱シールされることで包装袋が形成され、包装袋内に製品が収容された袋包装体が製造される。エンドシーラにカッタ刃を内蔵する形式のものでは、エンドシールの位置で筒状包装材がカットされて、個々の袋包装体に切り出される。
【0004】
図6は横型の製袋包装機の一例を示す概略図であり、(a)はその側面図、(b)はその平面図である。横型製袋包装機60においては、巻取り軸61に装填された原反ロール部Frから繰り出された帯状包装材Fwは、幾つかの回転自在なガイドロール62で案内されて、横置きの態様に配置された製筒器(フォーマ)63に送り込まれる。帯状包装材Fwは、製筒器63において略筒状に曲成された後、重ね合わされた両側縁部にセンターシール(縦シール)装置64によって縦シールが施されて筒状包装材Ftに成形される。製筒器63においては、横方向に搬送されてくる製品としての包装物Pが筒状包装材Ftの内部に順次送り込まれる。筒状包装材Ftは、包装物Pを筒状包装材Ftの送り方向の前後に挟む位置で、横切る方向にエンドシール(横シール)装置65によって横シールが施されることで、内部に包装物Bが充填された袋包装体Bpが製造される。エンドシール装置65にカッタ装置66が組み込まれる場合には、カッタ装置66が当該横シール位置に合わせて筒状包装材Ftをカットすることで、袋包装体Bpが個別に切り出される。
【0005】
原反ロール部Frは、製筒器63の送り方向前位置に設けられた、帯状包装材Fwを挟むピンチローラ式の紙送りローラ69によって繰り出される。また、センターシール装置64は、左右一対のシールローラ64a,64bから成っている。センターシール装置64の包装材送り方向上流側には、左右一対のローラ67a,67bから成り、筒状に曲成された包装材の重ね合わされた縁部を両側から挟んで送るローラ式の紙引きローラ67が設けられている。エンドシール装置65は、互いに同期して対称的な動作をする上側のエンドシーラ65aと下側のエンドシーラ65bとを備えている。そして、横型製袋包装機60には、エンドシール装置65に関連して、上下のエンドシーラ65a,65bの動作に合わせて、筒状包装材Ftの側面を内側に折り込むガセット爪68a〜68cを備えたガセット装置68が付設されている。横型製袋包装機60においては、エンドシール装置65、カッタ装置66、紙引きローラ67、ガセット装置68、紙送りローラ69及び包装物Bの搬送装置は、図示しないが、マイコンを備えた制御装置によって互いに関連付けられて駆動される。また、制御装置には、横型製袋包装機60の包装速度を始めとして、各装置の基本的な動作タイミングを入力して設定可能な設定手段が備わっている。
【0006】
この種のエンドシール装置は、ボックスモーションタイプのエンドシール装置とも称されている。このようなボックスモーションタイプのエンドシール装置としては、例えば、特許文献1に開示されたもののように、エンドシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのエンドシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構として溝カムを用いる装置が一般的である。そして、この溝カムの形状として、シール時に水平となって横方向に延びる部分を設けることにより、上下のエンドシーラが筒状包装材を挟み込んだ状態のまま一定距離だけ筒状包装材と等速で横方向に前進移動することで、シール時間を増加させることができる。
【0007】
エンドシーラのボックスモーションの軌跡の例が図7に示されている。上下のエンドシーラ65a,65bが同期して対称的な動作をしており、軌跡70a,70bのうち、筒状包装材を挟み込んだ状態のまま一定距離だけ筒状包装材と等速で横方向に前進移動する区間70c,70dにおいて、エンドシーラ65a’,65b’が筒状包装材Ftにエンドシールを施す。
【0008】
また、溝カムを用いずに、例えば特許文献2に開示されたもののように、エンドシーラの動作を水平方向、即ち筒状包装材の送り方向の動作とエンドシーラの開閉動作をそれぞれ別々のモータで行うことにより、エンドシーラの移動の軌跡をボックスモーションにするエンドシール装置もある。このエンドシーラの水平移動動作と開閉動作を別々のモータで行う方式の場合、両モータの出力パターンを変更することにより様々な軌跡が合成可能であり、用途に応じて最適なエンドシーラのボックスモーションの軌跡が実現できる。
【0009】
図8には、こうしたエンドシーラの水平方向に往復移動する水平移動動作83と、上下方向に往復する開閉動作84とが合成されて形成された軌跡80が示されている。水平移動動作83は、1サイクルで中間位置から最後進位置に至り、そこから中間位置を経て最前進位置に至り、再び中間位置に戻る往復する動作である。開閉動作84は、1サイクルで全開位置から全閉位置に至り、再度全開位置に戻る動作である。これら両動作83,84が合成されることで、両エンドシーラ65a,65bについては、全閉位置にあるときには、筒状包装材Ftを挟みながら筒状包装材Ftの送り速度と等速で前進する軌跡81a、81bが得られ、全閉以外の位置にあるときには、軌跡81a,81bの終端から互いに離れて軌跡81a、81bの始端に戻る弧状の軌跡82a,82bが得られる。
【0010】
ところで、横型製袋充填包装機で製造される包装体については、エンドシールに際してガセット折り込みが施されたガセット付きのピロー包装体がある。ガセット付きのピロー包装体においては、エンドシール装置によって形成されたエンドシール部を耳部として、ピロー包装体の本体に対して折り曲げるものがあり、そうした耳折りの方法及び装置として、特許文献3又は4に示されるものがある。図9には、(a)に、エンドシール部90a,90bを折らない場合のガセット91a,91bが折り込まれたガセット付きピロー包装体Pbの一例が示されており、(b)には、(a)のガセット91a,91bが折り込まれて形成されたエンドシール部90a,90bをピロー包装体Pbに沿って折ることにより、エンドシール部90a’,90b’とした場合のガセット付きピロー包装体Pb’が示されている。
【0011】
特許文献3は、上下それぞれのエンドシーラのシール面を耳部が上方に折れ曲がる方向へ傾斜させた形状にすることにより、耳部に折り癖を施した後、耳部に対して下方から冷却エアを吹き付けることで、冷却して折り癖を固定するものである。特許文献3の装置は、包装機下流に専用の耳折り装置を配設することなく、簡易な構成で耳部に折り癖を付与することができる。しかしながら、当該装置は、折り癖を固定するものであるので、耳部を完全に折り曲げてフラットな面を形成するには不充分な面がある。また、当該装置は、折り癖を付けるためにエンドシーラのシール面の形状を特殊なものにしているため、通常のピロー包装との兼用が難しく、専用機とならざるを得ない。
【0012】
特許文献4は、横型の包装機において、上側エンドシーラのシール面の形状を谷型、下側エンドシーラのシール面の形状を山型とすることで、耳部が上方へ折れ曲がる折り癖を施し、包装機下流に配設した専用の耳折り装置で耳部を包装体に押し付けて耳部を完全に折り曲げてフラットな面を形成するようにしたものである。特許文献4の装置は、専用の耳折り装置を包装機下流に配設することで耳部を包装体に押し付けて耳部を完全に折り曲げてフラットな面を形成できるようにしているが、専用の別装置を設けることになるので構成が複雑になるとともに、設置スペースも必要となり、コストもかかる。また、当該装置は、折り癖の付与については、特許文献3の装置と同様に、エンドシーラのシール面の形状を特殊なものにしているため、通常のピロー包装との兼用が難しく、専用機とならざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−091033号公報
【特許文献2】特開平07−291234号公報
【特許文献3】特開2004−331135号公報
【特許文献4】特開2007−106489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、横型製袋充填包装機においては、耳折りされたガセット付きピロー包装体を簡易な方法で実現し、通常のピロー包装体の製造との兼用も可能にするため、エンドシール装置によってエンドシールを形成するに際して、ガセットの付いたピロー包装体のエンドシールの耳部を、専用の別装置を用いることなく折り曲げ可能にする点で解決すべき課題がある。
【0015】
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、エンドシール装置によってエンドシールを形成するに際して、製造されるガセットの付いたピロー包装体のエンドシールの耳部を、専用の別装置を用いることなく折り曲げることができ、それによって、耳折りされたガセット付きピロー包装体を簡易な方法で実現し、通常のピロー包装体の製造との兼用も可能にする横型製袋充填包装機におけるピロー放送体の耳折り方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、この発明による横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法は、筒状包装材の送り方向と平行な水平移動動作と前記筒状包装材への開閉動作とがそれぞれ別々の駆動源からの駆動で行われ当該両動作を合成して循環動作が形成される上下のエンドシーラを有しており、互いに最も接近した動作区間において前記両エンドシーラが前記筒状包装材の送り速度と等速で移動しながら前記筒状包装材を挟んでシールを施してエンドシール部を形成するシール動作を行うエンドシール装置と、前記エンドシール装置に組み込まれたカッタ装置と、前記エンドシーラの前記シール動作に同期して前記筒状包装材に対して側方より進退可能に配設されたガセット爪を有しており、前記ガセット爪は前記筒状包装材に押し込まれるときに前記筒状包装材にガセット折り込みを行うガセット装置と、前記上側のエンドシーラの前後少なくとも一方に配設されており昇降可能な折り込み板と、を備えた横型製袋充填包装機において、前記上下のエンドシーラの前記シール動作を行う動作区間を含み且つ前記筒状包装材と等速で水平移動する等速水平移動区間と、前記上下のエンドシーラが前記シール動作の終了時点から開始した互いの離間動作の途中で一定の離間距離を保ったまま当該離間動作を停止する離間動作停止区間とが、それぞれ設定可能であり、前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間を前記等速水平移動区間内に設定し、前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間内で、前記ガセット装置の前記ガセット爪が前記筒状包装材の側面を押し込んでいる状態で、前記折り込み板を下降させて前記カッタ装置で切断された前記エンドシール部を折り曲げることを特徴としている。
【0017】
また、この発明による横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り装置は、筒状包装材の送り方向と平行な水平動作と前記筒状包装材への開閉動作とがそれぞれ別々の駆動源からの駆動で行われ当該両動作を合成して循環動作が形成される上下のエンドシーラを有しており、互いに最も接近した動作区間において前記両エンドシーラが前記筒状包装材の送り速度と等速で移動しながら前記筒状包装材を挟んでシールを施してエンドシール部を形成するシール動作を行うエンドシール装置と、前記エンドシール装置に組み込まれたカッタ装置と、前記エンドシーラの前記シール動作に同期して前記筒状包装材に対して側方より進退可能に配設されたガセット爪を有しており、前記ガセット爪は前記筒状包装材に押し込まれるときに前記筒状包装材にガセット折り込みを行うガセット装置と、前記上側のエンドシーラの前後少なくとも一方に配設されており昇降可能な折り込み板と、を備えた横型製袋充填包装機において、前記上下のエンドシーラの前記シール動作を行う動作区間を含み且つ前記筒状包装材と等速で水平移動する等速水平移動区間と、前記上下のエンドシーラが前記シール動作の終了時点から開始した互いの離間動作の途中で一定の離間距離を保ったまま当該離間動作を停止する離間動作停止区間とを、それぞれ設定可能な設定手段、及び前記上側のエンドシーラに関連して前記折り込み板を上下動させる折り込み板駆動手段を備えており、前記設定手段において、前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間を前記等速水平移動区間内に設定し、前記設定手段における前記離間動作停止区間の設定に応じて、前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間内で、前記カッタ装置で切断された前記エンドシール部を折り曲げるため、前記ガセット装置の前記ガセット爪が前記筒状包装材の側面を押し込んでいる状態で、前記折り込み板駆動手段を作動させて前記折り込み板を下降させることを特徴としている。
【0018】
この横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法及び装置によれば、上下のエンドシーラのシール動作を行う動作区間を含み且つ筒状包装材と等速で水平移動する等速水平移動区間と、上下のエンドシーラがシール動作の終了時点から開始した互いの離間動作の途中で一定の離間距離を保ったまま当該離間動作を停止する離間動作停止区間とは、離間動作停止区間が等速水平移動区間内にあるように設定される。そして、設定された上下のエンドシーラの離間動作停止区間内で、ガセット装置のガセット爪が筒状包装材の側面を押し込んでいる状態で、折り込み板駆動手段を作動させて上側のエンドシーラの前後の少なくとも一方に配設された折り込み板が下降されるので、カッタ装置で切断され且つ折り込み板に対応するエンドシール部を折り曲げることができ、ガセット爪と協働することで折り込み板との間にエンドシール部を挟んでエンドシール直後の軟化状態のエンドシール部に折り癖を付与することができる。上下のエンドシーラの離間動作停止区間では、上下のエンドシーラが互いに一定距離だけ離れており、エンドシール部はカッタ装置によって前後のピロー包装体間で既に切断されているので、ガセット折り込み工程及びエンドシール部の耳折り工程のそれぞれで、エンドシール部の動きに干渉しこれを阻害するというようなことがない。また、上下のエンドシーラは、離間動作停止区間では一定の離間距離を保ったまま離間動作を中断してはいるが大きくは離間していない状態であるとともに、筒状包装材の搬送速度と等速で水平移動をしているので、上側のエンドシーラに関連して設けられている折り込み板は、連続包装動作中にピロー包装体に対して水平方向に相対移動することなく、直ちに下降して耳折り動作が開始される。
【0019】
この横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法において、冷却エア吹き付け装置からエンドシール部の折り癖部分に冷却エアを吹き付けることで、エンドシール部の折り癖部分を硬化させて折り癖を固定することができる。
【0020】
また、この横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り装置は、更にエンドシール部に冷却エアを吹き付ける冷却エア吹き付け装置を備えており、冷却エア吹き付け装置からエンドシール部の折り癖部分に冷却エアを吹き付けることで、エンドシール部の折り癖部分を硬化させ、折り癖を固定することができる。
【0021】
この横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法及び装置において、前記ガセット爪は、前記折り込み板と平行で且つ前記折り込み板と協働して前記エンドシール部を挟む板材から形成することができる。エンドシール直後の軟化状態のエンドシール部を、板材から成るガセット爪と折り込み板との間に挟んで、折り癖を付与することができる。
また、前記上下のエンドシーラの前記水平移動と前記開閉動作とを駆動する前記両駆動源は共にサーボモータであり、前記循環動作は、合成動作としてボックスモーション動作であるとすることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明による横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法及び装置は、上記のように構成されているので、設定された上下のエンドシーラの離間動作停止区間内では、ガセット装置のガセット爪が筒状包装材の側面を押し込んでいる状態で、折り込み板駆動手段を作動させて上側のエンドシーラに関連して配設された折り込み板が下降されるので、エンドシール部を折り曲げることができ、ガセット爪と折り込み板との間にエンドシール部を挟んでエンドシール直後の軟化状態のエンドシール部に折り癖を付与することができる。上下のエンドシーラの離間動作停止区間では上下のエンドシーラが互いに一定距離だけ離れているので、シールが施されたエンドシール部は、既にカッタ装置によって前後のピロー包装体間で切断されており、ガセット折り込み及びエンドシール部の耳折りという折り込み工程を前後のピロー包装体間で互いに干渉することなく行うことができる。また、上下のエンドシーラは、離間動作停止区間では大きくは離間していない一定の離間距離を保っている状態であるとともに、筒状包装材の搬送速度と等速で水平移動をしているので、上側のエンドシーラに関連して設けられている折り込み板は、連続包装動作中にピロー包装体に対して水平方向に相対移動することなく、直ちに下降して耳折り動作を開始することができる。したがって、本方法及び装置によれば、専用の別装置を用いることなく、上側エンドシーラの前後少なくとも一方に下方へ下降可能な折り込み板を配設するだけの簡易な構成で、ガセットの付いたエンドシール部を折り曲げて確実に耳折りを実現して、ピロー包装体の端部にフラットな面を形成することができる。また、エンドシーラのシール面は通常のピロー包装と同じ形状なので、エンドシール部の耳折りを必要としないときは、折り込み板を動作させないだけで、複雑な交換作業等を必要とせずに作業が行え、通常のピロー包装体の製造との兼用も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明による横型製袋充填包装機の一実施例を示す図である。
【図2】図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置の動作を説明する図である。
【図3】図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置に関連するエンドシール部の耳折り動作設定画面の一例を示す図である。
【図5】図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置によるエンドシール部の形成とその耳折りの工程を説明する図である。
【図6】従来の横型製袋充填包装機の一例を示す図である。
【図7】図6に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置の軌跡を説明する図である。
【図8】図6に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置の作動の合成を説明する図である。
【図9】エンドシール部の耳折りについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法及び装置の実施例を説明する。図1はこの発明によるガセット付ピロー包装体の耳折り方法及び装置が適用される横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置の一例を示す図であり、中央の(a)は当該エンドシール装置の側面図、(b)は(a)の左正面図、(c)は(a)の右正面図である。エンドシール装置を備える横型製袋充填包装機の基本的な構成は図6に示す横型製袋充填包装機60と同等であるので、当該構成についての再度の説明を省略する。
【0025】
図1に示す横型製袋充填包装機のエンドシール装置10は、上下に対向して配置された上下のエンドシーラ11a,11bを備えている。エンドシーラ11a,11bは、上下の開閉方向に同期して駆動され、最も閉じたときに、間に筒状包装材を加圧状態に挟み込み、挟まれた包装材の部位を加熱して溶着することで、ヒートシールされたエンドシール部90a,90b(図9参照)を形成する。上側のエンドシーラ11aにはカッタ12aが内蔵されており、エンドシーラ11bにはカッタ12aに対応した位置にカッタ12aが入り込む溝12bが形成されている。上側のエンドシーラ11aには、カッタ12aを下側のエンドシーラ11bに向けて突き出すカッタ用駆動装置13が設けられている。カッタ用駆動装置13は、例えば公知のエアアクチュエータから構成されており、上下のエンドシーラ11a,11bの動作、即ち、両エンドシーラ11a,11bの閉じ動作に合わせて作動して、カッタ12aを下側のエンドシーラ11bに向けて突き出し、筒状包装材を切断する。カッタ12a、溝12b及びカッタ用駆動装置13で、エンドシール装置10に組み込まれたカッタ装置が構成されている。
【0026】
エンドシーラ11a,11bは、支持ブロック15に対して上下方向にスライド可能に配設されている。即ち、支持ブロック15は、左右方向の両端部において、スライド軸16a,16bを上下方向に摺動可能に保持しており、スライド軸16a,16bの両端部は、上下の各側において上側エンドブロック17aと下側エンドブロック17bによって連結されている。上側エンドシーラ11aとカッタ用駆動装置13とは、上側エンドブロック17aにおいて、それぞれ下側と上側に配設されている。スライド軸16a,16bには、その長手方向中間領域において、中間ブロック18がスライド可能に支持されており、中間ブロック18の上側には下側エンドシーラ11bが取り付けられている。
【0027】
支持ブロック15には、エンドシーラ11a,11bを上下方向に開閉するための駆動機構として、サーボモータ19が配設されている。開閉用のサーボモータ19の出力軸20にはレバー21が取り付けられており、レバー21の一方端部には上側リンク22aを介して上側ブラケット23aに揺動可能に連結されており、上側ブラケット23aが中間ブロック18に連結されている。また、レバー21の他方端部には下側リンク22bを介して下側ブラケット23bに揺動可能に連結されており、下側ブラケット23bは下側エンドブロック17bに連結されている。したがって、サーボモータ19が駆動されて出力軸20が回転されるとき、その回転方向に応じて下側リンク22b、下側エンドブロック17b、スライド軸16a,16b及び上側エンドブロック17aを介して上側エンドシーラ11aが開閉され、そして上側リンク22a及び中間ブロック18を介して下側エンドシーラ11bが上側エンドシーラ11aと同期して開閉される。即ち、駆動源としてのサーボモータ19の駆動により、上下のエンドシーラ11a,11bは、それらの間を水平方向に送られる筒状包装材への開閉動作を行う。
【0028】
エンドシール装置10は、エンドシーラ11a,11bの開閉方向とは直交する前後方向(包装材の紙送り方向)にスライド可能とされている。即ち、エンドシール装置10の支持ブロック15は、その左右において、機械の固定フレームに支持されている前後ガイド25a,25bによって、スライド可能に支持されている。図1の(a)に示すように、固定フレームには、前後駆動用の駆動源としてのサーボモータ26が配設されており、サーボモータ26の出力軸27にはアーム28が取り付けられており、アーム28の先端部と支持ブロック15(上下方向の駆動用のサーボモータ19でもよい)のブラケット30との間は、リンク29を介して連結されている。したがって、前後駆動用のサーボモータ26が駆動されるときには、その回転方向に応じて、アーム28、リンク29及びブラケット30を介して、支持ブロック15が前後ガイド25a,25bによって案内されて、前後方向に駆動される。即ち、駆動源としてのサーボモータ26の駆動により、上下のエンドシーラ11a,11bは、筒状包装材の送り方向と平行な水平動作を行う。
【0029】
上下のエンドシーラ11a,11bを上下方向に駆動する開閉用サーボモータ19と、エンドシール装置10を支持ブロック15ごと前後方向に駆動する前後駆動用サーボモータ26とは、横型製袋充填包装機のエンドシール制御装置によって、それぞれ、上下のエンドシーラ11a,11bの筒状包装材への開閉動作と、筒状包装材の送り方向と平行な水平動作として、別々に(独立して)制御可能である。具体的には、前後駆動用サーボモータ26の制御によって、上下のエンドシーラ11a,11bが筒状包装材と等速で水平移動する区間が設定可能であり、また開閉用サーボモータ19の制御によって、上下のエンドシーラ11a,11bが互いに接近を開始し完全に閉じるまでの間に途中停止する区間が設定可能である。
【0030】
図2には、図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置の動作が説明されている。(a)にはモータとカムとによる従来の制御方式が示されている。図で、Aは、包装材送り速度と同一となる区間FSがエンドシール実施区間ESと同じになる区間であり、そのため、耳折り装置が行う耳折り作業区間(エンドシール後作業区間)MOは、包装材送り速度と非同期の速度を呈する区間Dにおいて行わざるを得ない。
【0031】
これに対して、図2の(b)には、本発明によるエンドシール装置の動作が説明されている。開閉用サーボモータ19及び前後駆動用サーボモータ26によって、上下のエンドシーラ11a,11bの水平移動動作と開閉動作とが別々に制御され、両動作が合成されてエンドシーラ11a,11bの循環動作が形成される。エンドシーラ11a,11bの水平移動が包装材送り速度と同じ速度で行われる区間Bは、実際にエンドシーラ11a,11bが完全に閉じてシール動作を行うエンドシール実施区間B1と、それに後続しておりエンドシーラ11a,11bがその完全閉じが終了して後、互いに離間を開始してその途中で離間動作を停止して一定の間隔を保って開いた区間B2とから成るように、その制御が行われる。即ち、上下のエンドシーラ11a,11bの水平移動と開閉との合成において、エンドシール実施区間B1は、両エンドシーラ11a,11bが互いに最も接近し、両エンドシーラ11a,11bが筒状包装材の送り速度と等速で移動しながら筒状包装材を挟んでシール動作を行ってエンドシール部を形成する動作区間であり、それに後続する区間B2は、両エンドシーラ11a,11bが離間動作を停止して一定の間隔を保って開いており、エンドシール部に耳折りを行う耳折り作業区間(エンドシール後作業区間)MOに当てることができる。この区間MOでは、両エンドシーラ11a,11bは互いに離間して開いているのでエンドシール部を拘束しておらず、また耳折りを行う折り込み板のような部材は、包装材送り速度と同じ速度で移動しているので、従来のような同期していない部材が包装材に対してストレスを与えることがなく、シワの発生や製品の位置ずれを生じることもない。
【0032】
図3には、図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置の要部が斜視図として示されている。上下のエンドシーラ11a,11bに関連して、筒状包装材Ftの送り方向前後の位置には、筒状包装材Ftの両側方からその内部に向かって押し込まれ、筒状包装材Ftにガセットを折り込む四つのガセット爪35を有するガセット装置が配設されている。ガセット装置は、図示しないが、これらのガセット爪35を駆動するエアシリンダのようなアクチュエータを備えている。各ガセット爪35は、エンドシーラ11a,11bと共にボックスモーションをするものであり、更にエンドシーラ装置10のシール動作に同期して作動し、設定されたタイミングで筒状包装材Ftに対して進退駆動され、エンドシールが開始される前に筒状包装材Ftに対して側方より押し込まれて筒状包装材Ftにガセット折り込みをし、エンドシールが完了した後に筒状包装材Ftから抜け出す動作をする。
【0033】
上側のエンドシーラ11aに関しては、筒状包装材Ftの送り方向前後の位置に、昇降可能に駆動され、下方にエンドシール部を折り込み板36が配設されている。図示しないが、上側のエンドシーラ11aには、折り込み板36を上下動させる折り込み板駆動手段(例えば、エアシリンダのようなアクチュエータ)が設けられている。折り込み板36は、基本的には上側のエンドシーラ11aと共にボックスモーション等の循環動作をし、折り込み板駆動手段によって後述する設定されたタイミングで上側のエンドシーラ11aに対して昇降動作をし、下降の際に、筒状包装材Ftに形成されてカッタ装置で切断されたエンドシール部90a,90bに対して耳折り動作をする。図示の例では、折り込み板36は上側のエンドシーラ11aを取り囲む枠体の形状を有しているが、これに限られない。各ガセット爪35は、好ましくは、折り込み板36と平行で且つ折り込み板36と協働してエンドシール部90a,90bを挟む板材から形成されている。エンドシール直後の軟化状態のエンドシール部90a,90bを、ガセット爪35と折り込み板36との間に挟んで、折り癖を付与することができる。また、先行するピロー包装体と後続のピロー包装体のエンドシール部90a,90bのいずれか一方のみを耳折りするのであれば、送り方向の前後両側のうち対応する側にのみ折り込み板を配設することができる。
【0034】
図4には、図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置に関連した設定手段として、エンドシール部の耳折り動作設定画面の一例が示されている。図4に示す耳折り動作設定においては、閉じ動作、ヒートシール区間、開き動作1、開き停止区間及び開き動作2から成る基本的なタイミングと、フィルム同期区間に関連してガセット、耳折り板及びエア吹きの各タイミングとが設定される。フィルム同期区間は、上下のエンドシーラ11a,11bのシール動作を行う動作区間であるヒートシール区間を含んでおり、筒状包装材と等速で水平移動する等速水平移動区間である。図示の開き停止区間が、上下のエンドシーラ11a,11bがシール動作の終了時点から開始した互いの離間動作の途中で一定の離間距離を保ったまま当該離間動作を停止する離間動作停止区間である。等速水平移動区間と離間動作停止区間の開始と終了のタイミングが設定可能である。また、設定手段において、上下のエンドシーラ11a,11bの離間動作停止区間(開き停止区間)は、等速水平移動区間(フィルム同期区間)内に設定される。
【0035】
図示の設定例では、1サイクルの期間が00〜100とされ、エンドシーラ11a,11bの閉じ動作は、タイミング00で開始し、タイミング30で終了する。その終了時点でフィルム(包装材)同期期間(即ち、エンドシーラの移動速度が包装材送り速度と同期する期間)が開始され、当該期間はタイミング65まで継続する。ガセットの動作は、フィルム同期期間の開始タイミングよりも僅かに早くタイミング27で開始し、フィルム同期期間の終了よりも少し前のタイミング60まで行われる。エンドシーラ11a,11bの開き動作1は、フィルム同期期間の中程のタイミング50で開始され、開き動作が僅かの期間継続した後のタイミング55で終了する。エンドシーラ11a,11bの閉じ動作が終了したタイミング30と開き動作1が開始されるタイミング50との間がヒートシール区間である。開き動作1が終了したタイミング55からタイミング65までが開き停止区間であり、この間、エンドシーラ11a,11bは、僅かの一定した開き状態を維持する。開き停止区間の開始と共に耳折り板(折り込み板36)の下降動作がタイミング60まで行われ、その後、開き停止区間の終了のタイミング65までエア吹きの動作が行われる。開き動作2は、開き停止区間の終了のタイミング65で開始され、タイミング100まで行われる。図示されているように、閉じ動作、フィルム同期期間、ガセット、開き動作1、耳折り板、エア吹き及び開き閉じ動作2の各区間が、時間軸に沿ってオペレータが認識しやすいように、開始と終了のタイミングを数値(1サイクル中の時間相当)で設定することができる。
【0036】
本発明においては、上下のエンドシーラ11a,11bの離間動作停止区間内で、ガセット装置のガセット爪35が筒状包装材Ftの側面を押し込んでいる状態で、折り込み板36を下降させて、カッタ装置で切断されたエンドシール部90a,90b(図9)を折り曲げる。上下のエンドシーラ11a,11bは、離間動作停止区間内では、完全に閉じた状態から互いに離間を開始して一定距離だけ離間した状態で停止しているので、カッタ装置で切断されたばかりのエンドシール部90a,90bを拘束していない。したがって、ガセット爪35の押し込みが最終段階に移行するときに、エンドシール部90a,90bがそれぞれの包装体の本体側に引き寄せられるのを妨げない。また、折り込み板36が下降するときも、エンドシーラ11a,11bは離間動作停止区間内にあって折り込み板36によるエンドシール部90a,90bの耳折り動作を妨げることがない。
【0037】
図5は、図1に示す横型製袋充填包装機に備わるエンドシール装置によるエンドシール部の形成とその耳折りの工程を説明する図である。図5は工程(1)〜(4)を順に並べたものであり、各工程において、(a)要部の側面図と(b)正面図が示されている。図5に概略を示すように、ガセット付ピロー包装体のエンドシール部を折り込む耳折り装置は、上側のエンドシーラ11aに関連して、エンドシール部に冷却エアを吹き付ける冷却エア吹き付け装置38,38を備えている。冷却エア吹き付け装置38,38は、エンドシーラ11aの包装材送り方向の前後においてエンドシーラ11aに沿い且つ折り込み板36の外側で延びる細長エアノズルである。冷却エア吹き付け装置(以下、「エアノズル」という)38,38は、折り込み板36によってエンドシール部に形成された折り癖部分に冷却エアを吹き付けることで、エンドシール部の折り癖部分を硬化させ、折り癖を固定する。
【0038】
図5の工程(1)はエンドシール装置10が作動前の状態を示しており、上下のエンドシーラ11a,11bは全開位置にあり、エンドシーラ11a,11bの水平移動速度は包装材送り速度と非同期である。全ガセット爪35は後退位置にあり、折り込み板36は上昇(開き)位置にあり、ガセット折り込み及びエンドシール部の耳折りは行われていない。エアノズル38,38からの冷却エアは停止中である。
【0039】
次に、工程(2)では、上下のエンドシーラ11a,11bは全閉位置にあり、等速水平移動区間にあって、その水平移動速度は包装材送り速度と同期しており、筒状包装材Ftにシールを施してエンドシール部を形成している。全ガセット爪35は前進位置にあって筒状包装材Ftにガセット折り込みを行っているが、折り込み板36は上昇(開き)位置にあってエンドシール部の耳折りは行われていない。エアノズル38,38からの冷却エアはなおも停止中である。
【0040】
次に、工程(3)では、上下のエンドシーラ11a,11bは、筒状包装材Ftへのエンドシール部90a,90bの形成、及び筒状包装材Ftに形成された両エンドシール部90a,90b間でのカッタ装置によるカットを終了し、シール動作の終了時点から開始した互いの離間動作の途中で一定の離間距離を保ったまま当該離間動作を停止する離間動作停止区間にある。エンドシーラ11a,11bは、開き動作を途中で停止して僅かに開いた位置を占めており、その水平移動速度は等速の包装材送り速度と同期している。全ガセット爪35は前進位置にあってガセット折り込みに際して、既に切断されているエンドシール部90a,90bがそれぞれ各ピロー包装体の本体側に引き寄せられるが、エンドシーラ11a,11bは僅かに開いた位置を占めているので、エンドシーラ11a,11bがそうした動きに干渉して妨げることはない。折り込み板36は上昇(開き)位置から下降を開始する。なお、エアノズル38,38からの冷却エアはなおも停止中である。
【0041】
更に、工程(4)では、上下のエンドシーラ11a,11bは、なおも離間動作停止区間にあり、開き動作を途中で停止して僅かに開いた位置を占めており、その水平移動速度は等速の包装材送り速度と同期している。全ガセット爪35はなおも前進位置にあるが、折り込み板36は下降位置まで下降して、エンドシーラ11a,11bが形成しカッタ装置で切断されたエンドシール部90a,90bをそれぞれ下側へ折り込む耳折り動作を行う。エンドシーラ11a,11bは、僅かに開いた位置を占めているので、折り込み板36によるエンドシール部90a,90bの耳折り動作に干渉してこの動作を妨げることはない。離間動作停止区間にあるエンドシーラ11a,11bは大きくは離間していない状態であり且つ筒状包装材Ftの送り速度と等速で水平移動をしているので、上側のエンドシーラ11aに関連して設けられている折り込み板36は、連続包装動作中のピロー包装体に対して水平方向に相対移動することなく、直ちに下降して耳折り動作を開始する。また、折り込み板36は、板状のガセット爪35と協働することで、ガセット爪35との間にエンドシール直後の軟化状態にあるエンドシール部90a,90bを挟んでエンドシール部90a,90bに折り癖を付与する。エアノズル38,38から冷却エアが噴射され、耳折り動作によって形成されたエンドシール部90a,90bの折り癖部分を冷却して折り癖を固定している。耳折り動作の終了と共にガセットの折り込みも終了し、折り癖部分の冷却が完了してエア噴射が終了すると、エンドシーラ11a,11bは、開き停止区間を終了して開き動作2に移り、工程(1)に戻る。
【0042】
また、上下のエンドシーラ11a,11bの水平移動と開閉動作とを駆動する両駆動源については、モータ、特に制御性の良好なサーボモータとすることが好ましい。また、上下のエンドシーラ11a,11bの循環動作は、合成動作として、ボックスモーション動作とすることができる。
【0043】
この横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法及び装置においては、ガセット爪35を備えたガセット装置を外す又は非作動にする、或いはエンドシール部の耳折りを行う折り込み板36を上側エンドシーラ11aから外す又は非作動にすることにより、ガセット折り込みをしない、或いはガセット折り込みとエンドシール部の耳折りを行わない通常のピロー包装体を製造する横型製袋充填包装機と兼用することができる。
【符号の説明】
【0044】
10 エンドシール装置
11a 上側エンドシーラ 11b 下側エンドシーラ
12a カッタ 12b 溝
13 カッタ用駆動装置
15 支持ブロック
16a,16b スライド軸
17a 上側エンドブロック 17b 下側エンドブロック
18 中間ブロック
19 開閉用サーボモータ
20 出力軸 21 レバー
22a 上側のリンク 22b 下側のリンク
23a 上側ブラケット 23b 下側ブラケット
25a,25b 前後ガイド
26 前後駆動用サーボモータ
27 出力軸 28 アーム
29 リンク 30 ブラケット
35 ガセット爪 36 折り込み板
38 冷却エア吹き付け装置
90a,90b エンドシール部
Fw 帯状包装材 Ft 筒状包装材
Fr 原反ロール部 Bp 袋包装体
FS 包装材送り速度と同一となる区間
ES エンドシール実施区間
SS エンドシール前作業区間
B エンドシーラの水平移動が包装材送り速度と同じ速度で行われる区間
B1 エンドシール実施区間
B2 エンドシーラが開く途中で離間動作を停止して一定の間隔を保つ区間
MO 耳折り作業区間 D 包装材送り速度と非同期の速度を呈する区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状包装材の送り方向と平行な水平移動動作と前記筒状包装材への開閉動作とがそれぞれ別々の駆動源からの駆動で行われ当該両動作を合成して循環動作が形成される上下のエンドシーラを有しており、互いに最も接近した動作区間において前記両エンドシーラが前記筒状包装材の送り速度と等速で移動しながら前記筒状包装材を挟んでシールを施してエンドシール部を形成するシール動作を行うエンドシール装置と、
前記エンドシール装置に組み込まれたカッタ装置と、
前記エンドシーラの前記シール動作に同期して前記筒状包装材に対して側方より進退可能に配設されたガセット爪を有しており、前記ガセット爪は前記筒状包装材に押し込まれるときに前記筒状包装材にガセット折り込みを行うガセット装置と、
前記上側のエンドシーラの前後少なくとも一方に配設されており昇降可能な折り込み板と、を備えた横型製袋充填包装機において、
前記上下のエンドシーラの前記シール動作を行う動作区間を含み且つ前記筒状包装材と等速で水平移動する等速水平移動区間と、前記上下のエンドシーラが前記シール動作の終了時点から開始した互いの離間動作の途中で一定の離間距離を保ったまま当該離間動作を停止する離間動作停止区間とが、それぞれ設定可能であり、
前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間を前記等速水平移動区間内に設定し、 前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間内で、前記ガセット装置の前記ガセット爪が前記筒状包装材の側面を押し込んでいる状態で、前記折り込み板を下降させて前記カッタ装置で切断された前記エンドシール部を折り曲げること
を特徴とする横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法。
【請求項2】
前記エンドシール部に前記折り込み板によって形成された折り癖部分に冷却エア吹き付け装置から冷却エアを吹き付けることで、前記エンドシール部の前記折り癖部分を硬化させて折り癖を固定することを特徴とする請求項1に記載の横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法。
【請求項3】
前記ガセット爪は、前記折り込み板と平行で且つ前記折り込み板と協働して前記エンドシール部を挟む板材から形成されており、エンドシール直後の軟化状態の前記エンドシール部を前記ガセット爪と前記折り込み板との間に挟んで折り癖を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り方法。
【請求項4】
筒状包装材の送り方向と平行な水平動作と前記筒状包装材への開閉動作とがそれぞれ別々の駆動源からの駆動で行われ当該両動作を合成して循環動作が形成される上下のエンドシーラを有しており、互いに最も接近した動作区間において前記両エンドシーラが前記筒状包装材の送り速度と等速で移動しながら前記筒状包装材を挟んでシールを施してエンドシール部を形成するシール動作を行うエンドシール装置と、
前記エンドシール装置に組み込まれたカッタ装置と、
前記エンドシーラの前記シール動作に同期して前記筒状包装材に対して側方より進退可能に配設されたガセット爪を有しており、前記ガセット爪は前記筒状包装材に押し込まれるときに前記筒状包装材にガセット折り込みを行うガセット装置と、
前記上側のエンドシーラの前後少なくとも一方に配設されており昇降可能な折り込み板と、を備えた横型製袋充填包装機において、
前記上下のエンドシーラの前記シール動作を行う動作区間を含み且つ前記筒状包装材と等速で水平移動する等速水平移動区間と、前記上下のエンドシーラが前記シール動作の終了時点から開始した互いの離間動作の途中で一定の離間距離を保ったまま当該離間動作を停止する離間動作停止区間とを、それぞれ設定可能な設定手段、
及び前記上側のエンドシーラに関連して前記折り込み板を上下動させる折り込み板駆動手段を備えており、
前記設定手段において、前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間を前記等速水平移動区間内に設定し、
前記設定手段における前記離間動作停止区間の設定に応じて、前記上下のエンドシーラの前記離間動作停止区間内で、前記カッタ装置で切断された前記エンドシール部を折り曲げるため、前記ガセット装置の前記ガセット爪が前記筒状包装材の側面を押し込んでいる状態で、前記折り込み板駆動手段を作動させて前記折り込み板を下降させること
を特徴とする横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り装置。
【請求項5】
前記エンドシール部の折り癖部分に冷却エアを吹き付けて前記エンドシール部の折り癖部分を硬化・固定するため、前記エンドシール部に冷却エアを吹き付ける冷却エア吹き付け装置を備えていることを特徴とする請求項3に記載の横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り装置。
【請求項6】
前記ガセット爪は、前記折り込み板と平行で且つ前記折り込み板と協働して前記エンドシール部を挟む板材から形成されており、エンドシール直後の軟化状態の前記エンドシール部を前記ガセット爪と前記折り込み板との間に挟んで折り癖を付与することを特徴とする請求項4又は5に記載の横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り装置。
【請求項7】
前記上下のエンドシーラの前記水平移動と前記開閉動作とを駆動する前記両駆動源は共にサーボモータであり、前記循環動作は、ボックスモーション動作であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の横型製袋充填包装機におけるガセット付ピロー包装体の耳折り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−86840(P2013−86840A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228385(P2011−228385)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】