説明

横編機の編糸測定装置

【課題】 本発明は横編機に用いる編糸の測定装置である横編機の編糸測定装置を提案する。
【解決手段】 横編機は台座、編針台座、レール及びスライド支持部を具備し、前記スライド支持部にはカム制御ユニットと遮断ボードを設け、編糸測定装置は計数ユニット、センサーユニット及びプログラム可能な演算処理制御ユニットからなり、前記プログラム可能な演算処理制御ユニットは、前記計数ユニット、前記センサーユニット、前記スライド支持部及び前記カム制御ユニットと電気的に接続する。また、双方向で編み目を織る際、測定を行い、測定精度を高め、さらに直接且つ便利に測定値を読み取ることができ、また容易にしかも速やかにカム移動を調整することができる多項目にわたる効果を達成することにより、編糸使用量の総必要量を精確に計算し、反物の品質を向上させ、生産効率を高める目的を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は編糸測定装置(Yarn measuring device)に関し、特に横編機(Flat bed knitting machine)の編糸測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横編機で反物を生産する工場では、各横編機又は毎回織り上げる反物を安定した品質を維持する必要があり、そのキーポイントは編糸を織り上げる編み目(Stitch)の寸法制御にあり、前記編み目の寸法は織針(Needles)が編糸を絡げる量によって決まり、織物工場が同一の反物の大量生産が必要な場合、各横編機が生産する反物の編み目の寸法を出来る限り同様なサイズに制御できなければならないが、異なる横編機が生産する反物の編み目寸法が異なると、編針が編糸を絡げる動作のカム(Cam)の調整が必要なことがわかる。しかし、問題は編み目の寸法は肉眼では容易に見分けられないことから、科学的な測定装置でこれを達成せねばならず、つまり横編機が作動する際の編糸の使用量により、横編機の編み目がどの機械で大きく或いは小さいかを比較し判定することで、どの横編機のカムの高さ位置を調整するべきかがわかり、反物の品質を安定させることができる。
【0003】
従来の特許文献1の「FLAT BED YARN MEASURING DEVICE AND METHOD(横編機の編糸測定装置及びその方法)」では、前記従来特許の図1から図3で示すように、その装置の主な技術的特徴は横編機が作動する際、編糸(Yarn)17がまずロール(Wheel)19を回転させて、ロールと電気的に接続する演算制御ボックス(Logic circuit control box)21を経由して前記ロール19が回転信号を生じた数量を受信且つ集計すると共に、針床(Needle bed)13、14上方のスライド支持部(Carriage)10に設けたセンサー(Sensor)24がレール(Track)15上を移動する際、固定されて動かないバー(Bar)25に固設した三つの予め設定した織針数の間隔(Distance)を有するホームマグネット(Home Magnet)26、第一マグネット(First magnet)27及び第二マグネット(Second magnet)28が反応して、それぞれリセット信号、スタート信号、終了信号を発生させ、これらの信号もまた前記センサー24と電気的に接続する演算制御ボックス21を経由して受信されると共に、前記演算制御ボックス21をゼロにリセットして、前記ロール19から発生する回転信号の集計スタートポイント及び前記ロール19から発生する回転信号の集計終了ポイントを制御する。例えば、前記横編機が12裁断の横編機である場合、前記横編機の各インチは12本の編針の数があることを示しており、従って予め設定した織針数が100本である場合、予め設定した織針数の間隔は約8.33インチ(inch)で、国際単位に換算すると、約21.1センチメートル(cm)となり、前記予め設定した織針数の間隔21.1センチメートルはつまり前記第一マグネット27と第二マグネット28の間隔であり、前記ホームマグネット26は前記予め設定した織針数の間隔の範囲外に固設して前記第一マグネット27に接近させ、前記横編機が作動し始めると、スライド支持部10はまず前記センサー24を前記ホームマグネット26の箇所まで移動させて反応するとゼロにリセットされ、このとき前記編糸17は既にまず前記ロール19を回転させて回転信号を生じさせて前記演算制御ボックス21に送るが、前記演算制御ボックス21はこの回転信号の受信と集計を開始しておらず、前記スライド支持部10が引き続き前記第一マグネット27付近まで移動すると、前記センサー24が反応して信号を前記演算制御ボックス21に発信し、前記演算制御ボックス21は前記ロール19が持続して発生する回転信号を受信、集計し始め、また前記スライド支持部10が前記予め設定した織針数の間隔(100本の織針で約21.1センチメートル)箇所の第二マグネット28まで引き続き移動すると、前記センサー24が反応して、信号を前記演算制御ボックス21に発信し、前記演算制御ボックス21が前記ロール19が持続して発生する回転信号の受信と集計を停止することができ、このとき機械を停止させて前記演算制御ボックス21の表示装置(Display)42を観察すると、前記演算制御ボックス21は事前に前記ロール19に入力設定した中心点により前記編糸17と接触する円周囲で求めた半径(r)に至り、又は事前に入力した円周の長さ(円周の長さの公式:L=2πr、円周率π=3.1416)と、前記ロール19の回転信号が受信した数量合計とで、前記予め設定した織針数の間隔(即ち、100本の織針)で要する前記編糸17の総量を(即ち、円周の長さXが回転信号を受信した総合計量)、或いはさらに100で除すると各織針の編み目に換算した場合に要する編糸量を演算することができ、こうしてその編み目の寸法を判断或いは比較することができ、カムの高さ移動量を調整する判断根拠とするのに便利である。
【特許文献1】米国特許第6112557号明細書
【0004】
然しながら、前記従来の横編機の編糸測定装置の主な技術的特徴から、関連業者によって改善の余地がある若干の欠点と問題が明確且つ実際に存在していることが分かり、下記にこれを列挙する。
【0005】
1、前記従来の横編機の編糸測定装置は一方向測定のみである。前記従来案で開示した装置には、回転信号の受信開始前にゼロにリセットする必要のあるホームマグネット26を具備し、またその技術内容から見て、前記ホームマグネット26を取り去り、又はさらに前記前記第二マグネット28に接近した箇所にホームマグネット26を増設すると、その技術手段によってどのように実施すれば双方向測定が可能かを容易に知ることが出来ない。というのはホームマグネット26を一個も設置せずにゼロにリセットすると、前記演算制御ボックス21は何時までも止むことなく継続して集計し、つまり適度な測定値を演算することが出来ないからである。然しながら、前記第一マグネット27と前記第二マグネット28間以外の両端に共にホームマグネット26を設置すると、前記演算制御ボックス21は前記センサー24の前記第一マグネット27が反応して集計を開始した後、前記センサー24の前記第二マグネット28が反応して集計を終了させる瞬間までに、記演算制御ボックス21がまだ演算をしていないと、前記第二マグネット28の端に近い他方のホームマグネット26が既にゼロにリセットされて、演算できなくなってしまう。従って、前記従来の技術は実質的に毎回測定前にホームマグネット26をゼロにリセットしないと測定を行うことができない一方向の測定装置を開示したに過ぎないと認められる。一方向を提供するだけの測定で生じる欠点は、スライド支持部で織針を動かすためのカムが、往路移動の際に用いるカムと復路移動で用いるカムとでは異なる点にある。然しながら、カムは加工工程で幾許かの許容誤差があり、さらに組立て上のひずみも重なり、このため往路移動で使用する編糸量を測定してカムを調整することができても、復路移動で測定してカムを調整することができなければ、結果として寸法の異なる編み目の反物となってしまう。
【0006】
2、前記従来の横編機の編糸測定装置における測定値誤差の範囲は過大である。つまり編糸17は絶えず作動中の横編機によって糸が運ばれるので、前記ロール19の周囲面と編糸17との摩擦接触で、編糸17は持続してロール19を回転させるが、前記従来のものではどのように前記ロール19が回転する巻数で編糸使用量を測定するかは、上記で既に詳細に説明済みにつき、その測定値誤差の範囲の大きさが、編糸17と摩擦接触するロール19の円周の長さによって完全に決定され、若しくは円周の長さを決めるロール19の半径であるとも言えることがはっきりと分かっている。編糸17とロール19の円周の摩擦接触の長さが不足しているので、スライドを起こしたり、ロール19を回転させたりすることができず、こうした状況が発生すると、測定値は実質的に意味の無いものとなってしまい、このためこうした状況が起きないようにするために、糸線17とロール19の円周の摩擦接触する長さを延ばすのがベストである。即ち、まずロール19の円周の長さ又は半径を伸ばすことに等しいのだが、ロール19の円周の長さを伸ばすと、測定値の誤差の範囲もまた増大することとなり、編糸使用量の測定はロール19の回転する巻数で演算するので、編糸使用量はちょうどロール19を回転させて一巻きに近くなっているものの、まだ一巻きに到達していない場合、この一巻きに到達していない編糸使用量がつまり測定時に生じる誤差値であり、しかも前記従来技術では如何にロール19の円周の長さを短くしてもその測定値の誤差の範囲は依然として過大なままである。例を挙げると、合理的且つ実施可能な最小の半径は0.25cmとすると、その円周の長さは約1.57cmに等しく、つまりその測定値の誤差の範囲は約0〜1.56cm、即ち最大誤差は約1.56cmで、このように大きな誤差値では実際には精度がないものと言える。
【0007】
3、前記従来の横編機の編糸測定装置は測定値を読み取る際に相当不便である。前記従来技術の演算制御ボックス21はスライド支持体10上に設置し、演算結果を表示する表示装置42もまた演算制御ボックス21上に設置するので、表示装置42が表示する演算結果を読み取るには、前記スライド支持体10が移動した後の位置に到達していなければ表示装置42を見ることが出来ず、ユーザーにとって不便この上ない。
【0008】
4、前記従来の横編機の編糸測定装置はカムを調整する際非常に煩雑である。前記従来技術のカムは、スライド支持部10が移動動作を停止してからでないと、前記演算制御ボックス21の演算結果を読み取り、またカムを静止状態で調整することができず、しかもカム調整後の結果もまた次のスライド支持部10が移動動作を停止してからでないと、さらに前記演算制御ボックス21の演算結果を読み取って、次のカム調整を行うことが出来ず、ユーザーには非常に煩雑であり、この種のスライド支持部10が絶えず移動動作をする際に、前記演算結果を直接読み取り且つカムを直接速やかに動態調整する装置は、市場ニーズに全く適合していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明に係る横編機の編糸測定装置の主な目的は、双方向で編み目を織る際、測定を行い、測定精度を高め、さらに直接且つ便利に測定値を読み取り、また容易にしかも速やかにカム移動を調整することができるという多項目にわたる効果を達成することにより、編糸使用の総必要量を精確に計算し、反物の品質を向上させ、生産効率を高める目的を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達するために、本発明は横編機の編糸測定装置の技術方案を提案し、所謂横編機は台座と、前記台座の上に水平に設置した編針台座と、前記編針台座と平行で且つその丁度上方に設置したレールと、前記レール上に跨設し水平移動可能なスライド支持部であって、前記スライド支持部の両端にはそれぞれカム制御ユニットを設け、且つ一端にさらに遮断ボードを延設するものとを具備し、所謂編糸測定装置はさらに、前記台座の上に設置し、且つ前記レール末端に接近した計数ユニットであって、前記計数ユニットは円形マトリクス状で等距離に複数のホールを設けた回折格子ロールを軸設し、前記回折格子ロールは延伸してメインロールとU字型のセンサーを固設し、また前記回折格子ロールは前記センサー両端の間に伸入させるものと、前記編針台座と平行に且つ前記遮断ボードに対向して前記台座の上に設けたセンサーユニットであって、前記センサーユニットは予め設定した間隔でU字型の第一センサーと第二センサーをそれぞれ設置するものと、前記台座に設置したプログラム可能な演算処理制御ユニットであって、前記プログラム可能な演算処理制御ユニットは相互に電気的に接続する演算処理装置、表示装置及びプログラム可能な制御インターフェイスを具備し、前記プログラム可能な演算処理制御ユニットは前記計数ユニット、前記センサーユニット、前記スライド支持部及び前記カム制御ユニットと電気的に接続するものとを含む。
【発明の効果】
【0011】
前記技術方案により、本発明は従来の技術と比較して下記の長所があることが分かる。
1、本発明に係る横編機の編糸測定装置は双方向測定が可能である。
2、本発明に係る横編機の編糸測定装置の測定値は誤差の範囲が小さい。
3、本発明に係る横編機の編糸測定装置は直接且つ便利に作動中の測定値を読み取ることが出来る。
4、本発明に係る横編機の編糸測定装置は容易く且つ速やかに作動中にカムの移動を調整することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
まず、本発明は編糸測定装置に関し、特に横編機の編糸測定装置に関する。
【0013】
本発明に係る横編機の編糸測定装置の好ましい実施例と技術内容は、図面を合わせて以下に説明する。
【0014】
図1A、図1B、図2、図3、図5及び図6に示す様に、横編機10は台座11と、前記台座11の上に水平に設置した編針台座12と、前記編針台座12と平行で且つその丁度上方に設置したレール13と、前記レール13上に跨設し水平移動可能なスライド支持部20であって、前記スライド支持部20の両端にはそれぞれカム制御ユニット21を設け、その上にカム211を設け、図6では前記カム制御ユニット21下方に幾セットものカム211を設けてあるのがはっきりと見られ、且つ一端にさらに遮断ボード212を延設するものとを具備し、また、所謂編糸測定装置はさらに、前記台座11の上に設置し、且つ前記レール13末端に接近した計数ユニット30であって、前記計数ユニット30は円形マトリクス状で等距離に複数のホール321を設けた回折格子ロール32を軸設し、前記回折格子ロール32は延伸してメインロール31とU字型のセンサー33を固設し、前記メインロール31の両側には補助ロール34を対称的に設置し、そして前記回折格子ロール32は前記センサー33両端の間に伸入させ、このほか前記台座11と前記計数ユニット30の間の台座11の上に糸フィーダー14を設け、前記編針台座12と平行に且つ前記遮断ボード212に対向して前記台座11の上に設けたセンサーユニット40であって、前記センサーユニット40は予め設定した間隔X(図7A〜図7B)でU字型の第一センサー41と第二センサー42をそれぞれ設置するものと、前記台座11に設置したプログラム可能な演算処理制御ユニット50であって、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50は相互に電気的に接続する(図示せず)演算処理装置51、表示装置52及びプログラム可能な制御インターフェイス53を具備し、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50は前記計数ユニット30、前記センサーユニット40、前記スライド支持部20及び前記カム制御ユニット21と電気的に接続する(図示せず)ものとを含む。
【0015】
図4A、図4Bによると、作動を開始すると、編糸60は絶えず作動中の横編機10によって糸が運ばれるので、前記計数ユニット30のメインロール31の周囲面は編糸60と摩擦接触し、編糸60が持続して前記メインロール31を回転させて前記回折格子ロール32と同時回転させる。然しながら、注意する必要があるのは、本発明の回折格子ロール32上に円形マトリクス状で等距離に複数のホール321を設け、センサー33のセンサーポイント331が光源を受信するのに用い、ホール321とホール321間の不透光部分でセンサーポイント331が光源を受信するのを遮り、センサー33が信号を生じてこれと電気的に接続する前記演算処理装置51に送信し、これによって、本発明の横編機の編糸測定装置の誤差は、ホール321とホール321間の不透光部分(図には記号なし)が、隣接する不透光部分に至る弧状の間隔にあるのみで、前記メインロール31が編糸60と接触する円周の長さが摩擦力に影響するのを減らしたことでスライド状況が生じるので、本発明のメインロール31は、大きめの半径で好ましい摩擦力を維持するだけでなく、さらに誤差値を非常に小さな範囲内に効果的に抑えることができることがわかる。実際の数字を例に取ると、前記メインロール31が編糸60に接触する円周面の半径が1.0cmであれば、円周の長さの公式:L=2πrにより、前記メインロール31と編糸60の接触する円周の長さが約6.28cmであることがわかり、該円周の長さはまた11個の円形マトリクス状に等距離な複数のホール321によって11個の不透光部分に分割され、従って、本発明の誤差値の範囲は不透光部分が、隣接する不透光部分に至る弧状の間隔、即ち、誤差値の範囲が約0〜0.57cmにあり、測定精度は確実に顕著に高まったことがわかる。本発明の前記回折格子ロール32の両側に補助ロール34を対称的に設置し、前記補助ロール34が編糸60のメインロール31の周囲面の糸進入と糸排出の角度を変えて、前記メインロール31の周囲面に接触する安定度を高めることができ、またさらに前記メインロール31の周囲面と接触する長さを伸ばして、前記メインロール31と編糸60間の摩擦力を強化したことで、滑って測定精度に影響を及ぼさないようにすることは取り上げる価値がある。
【0016】
また、図7A、図7Dに示す様に、上記では回折格子ロール32が回転して前記センサー33に信号を生じさせて、これと電気的に接続するプログラム可能な演算処理装置50に送信するが、スライド支持部20の一端に延設した前記遮断ボード212はセンサーユニット40を遮断するまでは、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50は受信や集計を開始しておらず、前記遮断ボード212が第一センサー41を遮断すると、前記第一センサー41が信号を前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50に発信して、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50は前記計数ユニット30が持続して生じる信号を受信及び集計し始め、前記スライド支持部20が引続き移動して前記遮断ボード212を予め設定した間隔X(100本の織針の間隔とする)の箇所の第二センサー42に至ると、前記第二センサー42は前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50に信号を発信し、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50は前記計数ユニット30が持続して生じる信号に対して受信及び集計を停止する。このとき集計された信号は既に前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50の演算処理装置51が演算を完成させており、プログラム可能な演算処理制御ユニット50のレジスター(図示せず)に記憶されると共に、表示装置52に表示される。然しながら、前記スライド支持部20はなおも移動を続け、プログラム可能な制御インターフェイス53で事前に入力した反物幅の箇所まで移動すると直ちに逆方向に移動し、このときの逆方向移動が信号をフィードバックして、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50の演算処理装置51をリセットするが、前記センサー33は、なおも回折格子ロール32が絶えず編糸60の進入によって動かされるので、継続して信号を発生させ、前記遮断ボード212がセンサーユニット40を遮蔽するまでは依然として、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50も受信及び集計を開始せず、前記遮断ボード212が第二センサー42を遮蔽すると、前記第二センサー42が信号を前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50に発信し、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50は前記計数ユニと30が継続して発信する信号を受信及び集計することができ、前記スライド支持部20が移動し続け、前記遮断ボード212を前記第一センサー41へ至らしめると、前記第一センサー41は信号を前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50に発信し、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50は前記計数ユニと30が継続して発信する信号の受信及び集計を停止することができる。このとき集計された信号はまた、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50の演算処理装置51が演算して、プログラム可能な演算処理制御ユニット50のもう一方のレジスター(図示せず)に記憶されると共に、上述の異なる方向の演算結果とは別に表示装置52に表示し、このようにして双方向の測定を完成させることができる。また、本発明のプログラム可能な演算処理制御ユニット50は前記台座11に設置されるので、スライド支持部20の移動につれて表示装置52の測定値を読み取るという不便な問題は引き起こされない。従って、本発明の横編機の編糸測定装置はユーザーが直接操作する際に測定値を読み取るという利便性を実質的に提供している。本発明のプログラム可能な演算処理制御ユニット50は前記台座11に設置されるので、スライド支持部20が移動動作中に、前記プログラム可能な制御インターフェイス53に直接入力して、前記カム制御ユニット21のカムの高さ位置を調整することで、ユーザーが直接操作する際にカム移動を容易く調整するという効率を実質的に提供したことは、さらに取り上げる価値がある。
【0017】
前記回折格子ロール32は絶えず編糸60の進入によって動かされて継続して遮光信号の数量を発生させ、前記プログラム可能な演算処理制御ユニット50が受信集計し、前記演算処理装置51によって前記予め設定した間隔X(つまり100本の織針)で使用する編糸60の総量(即ち、回折格子ロール32の不透光部分が隣接する不透光部分までの弧状の間隔に、受信した信号の総合計量を乗じる)を演算し、又はさらに100で除すると各織針の編み目で使用した編糸量に換算することができ、このことによりその編目の寸法を判断若しくは比較することができ、カム高さの移動量調整の判断の根拠とするのに便利である。このほか、図1Aに示す様に、生産工場が生産量を高めるために、さらに同一の横編機10に1セットのスライド支持部20’を増設して同時に実施する所以は、増設したスライド支持部20’もまた前記の技術方案によって、同時に同様の品質、布幅及び数量の反物を完成させることができ、しかも編糸の総需要量、反物品質の向上及び生産効率の向上という目的を達することができるからである。
【0018】
以上の記述は本発明の好ましい実施例に過ぎず、これをもって本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許範囲の範囲において実施した均等な変化若しくは修飾についても、全て本発明による特許の範囲内とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の外観概略図である。
【図1B】本発明に係る図1Aの局部拡大概略図である。
【図2】本発明に係る計数ユニットの外観局部の分解概略図である。
【図3】本発明に係る計数ユニットの側面局部の断面概略図である。
【図4A】本発明に係る計数ユニットの動作概略図である。
【図4B】本発明に係る図4Aの連続動作概略図である。
【図5】本発明の信号伝送ブロック図である。
【図6】本発明に係る遮断ボードとセンサーユニットとの相互位置の概略図である。
【図7A】本発明に係る遮断ボードとセンサーユニットの動作概略図である。
【図7B】本発明に係る図7Aの連続動作概略図である。
【図7C】本発明に係る図7Bの連続動作概略図である。
【図7D】本発明に係る図7Cの連続動作概略図である。
【符号の説明】
【0020】
10 横編機
11 台座
12 編針台座
13 レール
14 糸フィーダー
20、20’ スライド支持部
21 カム制御ユニット
211 カム
212 遮断ボード
30 計算ユニット
31 メインロール
32 回折格子ロール
321 ホール
33 センサー
331 センサーポイント
34 補助ロール
40 センサーユニット
41 第一センサー
42 第二センサー
50 プログラム可能な演算処理制御ユニット
51 演算処理装置
52 表示装置
53 プログラム可能な制御インターフェイス
60 編糸
X 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横編機の編糸測定装置であって、横編機は
台座と、
前記台座の上に水平に設置した編針台座と、
前記編針台座と平行で且つその丁度上方に設置したレールと、
前記レール上に跨設し水平移動可能なスライド支持部であって、前記スライド支持部の両端にはそれぞれカム制御ユニットを設け、且つ一端にさらに遮断ボードを延設するものと、
を具備し、編糸測定装置はさらに、
前記台座の上に設置し、且つ前記レール末端に接近した計数ユニットであって、前記計数ユニットは円形マトリクス状で等距離に複数のホールを設けた回折格子ロールを軸設し、前記回折格子ロールは延伸してメインロールとU字型のセンサーを固設し、また前記回折格子ロールは前記センサー両端の間に伸入させるものと、
前記編針台座と平行に且つ前記遮断ボードに対向して前記台座の上に設けたセンサーユニットであって、前記センサーユニットは予め設定した間隔でU字型の第一センサーと第二センサーをそれぞれ設置するものと、
前記台座に設置したプログラム可能な演算処理制御ユニットであって、前記プログラム可能な演算処理制御ユニットは相互に電気的に接続する演算処理装置、表示装置及びプログラム可能な制御インターフェイスを具備し、前記プログラム可能な演算処理制御ユニットは前記計数ユニット、前記センサーユニット、前記スライド支持部及び前記カム制御ユニットと電気的に接続するものと、
を含むことを特徴とする横編機の編糸測定装置。
【請求項2】
前記カム制御ユニットにはカムを設けることを特徴とする請求項1に記載する横編機の編糸測定装置。
【請求項3】
前記メインロールの両側に補助ロールを対称させて設けることを特徴とする請求項2に記載する横編機の編糸測定装置。
【請求項4】
前記台座と前記計数ユニット間の台座上に糸フィーダーを設けることを特徴とする請求項3に記載する横編機の編糸測定装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公開番号】特開2009−280924(P2009−280924A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131554(P2008−131554)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(393010101)佰龍機械廠股▲ふん▼有限公司 (33)
【Fターム(参考)】