説明

樹木水分ストレスの計測装置

【課題】
植物の水分ストレス状態を緑葉分光特性の変化から読み取る方法において、葉の性状などの影響を軽減した水分ストレス状態の推定を行うことにある。
【解決手段】
測定対象物表面の任意の箇所の分光反射特性を計測する装置を用いて、測定対象物である樹木表面の分光反射特性を一文字に走査する。そして、この走査で得られた分光反射特性の並びから、必要な分光反射特性だけを選択して平均化処理することで、樹木全体の緑葉分光反射特性を決定する。さらに、この樹木全体の緑葉分光反射特性から水分ストレス状態を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミカン等の果樹を始めとした木本類についての植物の水分ストレスを評価する指標の一つである水ポテンシャルを、分光計測器を使って計測する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物の水分ストレス状態は、水ポテンシャル値を測定し、その値を使って評価されている。この水ポテンシャルの従来の測定方法には、プレッシャチャンバ法や、緑葉の分光特性の変化から読み取る方法などがある。
【0003】
プレッシャチャンバ法は、葉柄部分のみを外に出して葉を圧力容器に封入した状態を準備し、葉に圧搾空気を使って圧力をかける。このかける圧力を徐々に高めていけば、ある圧力に達したとき、圧力に耐えきれなくなった葉の水分が葉柄部分から吹き出してくる。この時の圧力を葉が水分を保持する力とみなし、その圧力値にマイナス符号を付けた値を水ポテンシャルとする、方法である。 ただし、このプレッシャチャンバ法で水ポテンシャルを測定するには、緑葉裏面の気孔が閉じている深夜に葉をサンプリングして測定することが必要である。
【0004】
緑葉の分光特性の変化から読み取る方法は、本発明者がその基本的方法を発明し、特開2005−308733号公報、ならびに特開2009−109363号公報に開示している。 この方法は、緑葉表面に光を照射し、その反射光あるいは透過光を分光する。そして、おおよそ500nmから800nmの波長域にわたる分光反射率あるいは分光透過率を求め、さらに微分演算をすることで、分光反射率あるいは分光透過率が急激に増加する波長域をレッドエッジ波長域として算出する。このレッドエッジ波長域の中心波長の推移などから、水ポテンシャルの動態を推定するものである。
【0005】
前者のプレッシャチャンバ法は、緑葉の水ポテンシャルを物理的に測定する方法であり、その測定結果の信頼性は高い。しかし、緑葉裏面の気孔が閉じる深夜などに緑葉を摘み取って測定する必要があるため、現場での測定が難しいことや、栽培管理が行われる昼間の測定が難しいことなど、果実栽培の現場で実利用に供するには不向きである。
【0006】
後者の緑葉分光特性の変化から読み取る方法は、果実栽培管理が行われる昼間、緑葉の分光特性を測定するだけで水分ストレス状態(水ポテンシャルの動態)を推定できるため、測定操作が簡便であり、果実栽培現場での実利用に向いている。しかし、分光特性を計測する緑葉の数が少ない場合、日焼けや害虫による食害など、葉の性状の影響を取り除くことが難しく、推定結果に誤差が多く含まれることがある。一方、推定誤差を軽減するため、数多くの緑葉について分光特性を測定する場合、自ずと測定に長い時間を要し、本手法の利点の一つである簡便性が損なわれる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−308733号公報
【特許文献2】特開2009−109363号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】兵頭・外4名:果実育成期間に水分ストレスを与えられたウンシュウミカンの緑葉分光特性とその果実糖度との関係、写真測量とリモートセンシング、Vol.43、No.5、pp.24−35、日本写真測量学会、2004年11月。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
植物の水分ストレス状態を緑葉分光特性の変化から読み取る方法では、分光特性を計測する緑葉の数が少ない場合、日焼けや害虫による食害など、葉の性状の影響を取り除くことが難しく、水分ストレス状態の推定結果に誤差が多く含まれることがある。一方、推定結果に含まれる誤差を軽減するため、数多くの緑葉について分光特性を測定する場合、自ずと測定に長い時間を要し、本手法の利点の一つである簡便性が損なわれる問題がある。 本発明が解決しようとする課題は、植物の水分ストレス状態を緑葉分光特性の変化から読み取る方法において、本手法の利点の一つである簡便性を損なわずに、一度に多数の緑葉分光特性を取得して、葉の性状などの影響を軽減した水分ストレス状態の推定を行う方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、まず、1)測定対象となる樹木の緑葉の大きさに応じて、測定対象物からの散乱反射光を捉える集光器のスポット径を1mmから50mmの範囲から選択された値とする集光器、2)上述1)の集光器で捉えた測定対象物である樹木からの散乱反射光を分光器で分光観測し、これと同時に、太陽光など、測定対象物を照らす光の一部を捉えて分光観測する手段を用いて、測定対象物表面の任意の箇所の分光反射特性を計測する機能部、3)分光反射特性計測の経過時間を調べる機能部、あるいは、角速度センサによって装置の回転角度を求める機能部、あるいは、分光反射特性を取得するために捉えている測定対象物上の箇所を含むその近傍の画像データを一定時間ごとに捉えて、そこで得られた時間的に隣接した画像データについて画像の移動量を算出する機能部、からなる装置を用い、その装置を向ける方向を移動することで、測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで得られる、一定時間間隔ごと、あるいは一定回転角ごと、あるいは一定移動量ごとなどの、分光反射特性の並びを取得する。そして、4a)分光反射特性の並びに含まれるそれぞれの分光反射特性について、例えば、およそ400nmから600nmまでの可視光域の反射率がおよそ約25%以下と低く、その中でも緑色に知覚される550nm付近の波長域の反射率が可視光域全体の反射率の平均値よりも高く、さらにクロロフィルの吸収域といわれる650nm付近では低い反射率を呈し、およそ750nmを越える近赤外域では約50%を越える高い反射率を呈するなど、緑葉が持つ分光反射特性の特徴を兼ね備えたもののみを選択する機能部、あるいは、4b)分光反射特性の並びに含まれる全ての分光反射特性を使って平均分光反射特性を求め、さらに、この平均分光反射特性に対する、それぞれの分光反射特性の残差平方和の波長平均値を求める。そして、求められた残差平方和の波長平均値の並びの中で最大値を確認し、その最大値が特定の閾値を越えるなどの条件を満たすとき、さらに別の閾値との大小関係を確認し、その別の閾値を上回るなどの条件を満たすならば、この最大の残差平方和の波長平均値を示す分光反射特性を、分光反射特性の並びから削除して、この処理を分光反射特性の並びに含まれる全ての分光反射特性を使って平均分光反射特性を求めるところから繰り返す。もし、求められた残差平方和の波長平均値の最大値が先に述べた特定の閾値を上回るなどの条件を満たさないとき、削除されないで残っている分光反射特性の並びのみを当初の分光反射特性の並びから選択する機能部、によって、必要な分光反射特性だけを選択し、さらに、その選択された分光反射特性を平均化処理してこれを樹木全体の緑葉分光反射特性とみなし、この樹木全体の緑葉分光反射特性から水分ストレス状態を計測する装置であり、さらに、装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで分光反射特性の並びを取得する際、その移動を2区間に分け、あるいはその移動を往復動作とし、2区間に分ける場合は一区間目で、往復動作とする場合は往路において、分光観側処理に用いる装置内部の分光器で測定対象物ならびに測定対象物を照らす光の最大明るさを特定し、その最大明るさで分光器が適正に作動する絞りと電子シャッタの開放時間を求める機能部をもち、ここで得られた絞りと電子シャッタの開放時間を、分光器を作動させるパラメータとして、その移動を2区間に分ける場合は二区間目において、その移動を往復動作とする場合は復路において、必要な分光反射特性の並びを取得する機能部をもつ装置によって実現する。 なお、樹木全体の緑葉分光反射特性から水分ストレス状態に換算する手段は、特開2005−308733号公報、ならびに特開2009−109363号公報に開示された手段と同じである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、離れたところから測定対象物である樹木の赤道部と呼ばれる枝葉が最も横方向に繁った部分の分光特性を一文字に走査するだけで、数多くの緑葉について分光特性を取得して、樹木全体の平均的な緑葉分光特性の取得を実現する。そして、ここで取得した樹木全体の平均的な緑葉分光特性から水分ストレス状態を計測する装置が実現できる。このことは、果実の栽培管理が行われる昼間、果実栽培の現場で迅速、簡便、かつ精度良く果樹の水分ストレス状態を判定する装置の提供を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の基本的実施例を示す説明図。
【図2】図1中の『分光反射特性の並びの取得処理部』の実施例を示す説明図。
【図3】図1中の『分光反射特性の並びの取得処理部』の実施例を示す説明図。
【図4】実施例1から実施例3で取得される分光反射特性の並びの例を示す説明図。
【図5】分光反射特性の並びの中のそれぞれの分光反射特性の例を示す説明図。
【図6】図2中あるいは図3中の『集光器』の例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図を用いて、実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の基本的な実施例を示している。 『分光反射特性の並びの取得処理部』を向ける方向を移動して、測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで、一定時間間隔ごと、あるいは一定回転角ごと、あるいは一定移動量ごとなどの、分光反射特性の並びを取得する。ここで取得する分光反射特性の並びの例が図4である。この図は、右手前に向かう軸に走査位置、右奥に向かう軸に測定波長、上に向かう軸に相対反射率を示すグラフとして、分光反射特性の並びを3次元的に表現したものである。また図5は、図4に含まれる分光反射特性の中から特徴的なものを抜き出して表示したものである。
【0015】
『分光反射特性の選択機能部』では、分光反射特性の並びに含まれるそれぞれの分光反射特性について、例えば、およそ400nmから600nmまでの可視光域の反射率がおよそ約25%以下と低く、その中でも緑色に知覚される550nm付近の波長域の反射率が可視光域全体の反射率の平均値よりも高く、さらにクロロフィルの吸収域といわれる650nm付近では低い反射率を呈し、およそ750nmを越える近赤外域では約50%を越える高い反射率を呈するなど、緑葉が持つ分光反射特性の特徴を兼ね備えたもののみを選択することで、例えば、図5中の実線で示された分光反射特性と同様の特徴を兼ね備えたものを選択する。
【0016】
あるいは、葉が生い茂った樹木の分光反射特性を調べる場合、その殆どが緑葉のものであり、その中に、不要な枝や幹、果実、さらには虫食いなどの被害を受けた不良な葉のものなどが混入する。このため、『分光反射特性の選択機能部』では、分光反射特性の並びに含まれる全ての分光反射特性を使って平均分光反射特性を求め、さらに、この平均分光反射特性に対する、それぞれの分光反射特性の残差平方和の波長平均値を求める。そして、求められた残差平方和の波長平均値の並びの中で最大値を確認し、その最大値が特定の閾値を越えるなどの条件を満たすとき、さらに別の閾値との大小関係を確認し、そ
の別の閾値を上回るなどの条件を満たすならば、この最大の残差平方和の波長平均値を示す分光反射特性を、分光反射特性の並びから削除して、この処理を分光反射特性の並びに含まれる全ての分光反射特性を使って平均分光反射特性を求めるところから繰り返す。もし、求められた残差平方和の波長平均値の最大値が先に述べた特定の閾値を上回るなどの条件を満たさないとき、削除されないで残っている分光反射特性の並びのみを当初の分光反射特性の並びから選択することで、例えば、図5中の実線で示された分光反射特性と同様の特徴を兼ね備えたものを選択する。
【0017】
そして、『分光反射特性の平均化機能部』において、その選択された分光反射特性を平均化処理し、これを樹木全体の緑葉分光反射特性とみなす。
【0018】
さらに、ここで得られた樹木全体の緑葉分光反射特性を用いて、『水分ストレスの評価機能部』によって、水分ストレス状態に換算する。この換算の手段は、特開2005−308733号公報、ならびに特開2009−109363号公報に開示された手段と同じである。
【実施例2】
【0019】
図2は、本発明の基本的な実施例である図1に含まれる『分光反射特性の並びの取得処理部』を詳しく示したものである。
【0020】
『分光反射特性の並びの取得処理部』を向ける方向を移動して、測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査する際、装置内部に設けられた『時計』、あるいは『角速度センサ』によって、装置内部の経過時間、あるいは装置の向きの変化を読みとる。
【0021】
そして、予め設定された時間間隔、あるいは予め設定された角度変化に同期して、『分光反射特性の並びの取得機能部』が『分光反射特性の算出機能部』から分光反射特性を取り出し、これを、分光反射特性の並びに追加登録する。
【実施例3】
【0022】
図3は、本発明の基本的な実施例である図1に含まれる『分光反射特性の並びの取得処理部』について、実施例2とは異なる実施例を詳しく示したものである。
【0023】
『近傍画像の取得機能部』によって、集光器が向く方向の画像が時間的に短い周期で連続して取得する。
【0024】
さらに、『時間的隣接画像の比較機能部』によって時間的に隣接する画像同士の比較を行い、画像を構成する画素のズレ量を読み取り、『移動量の算出機能部』によって画素のズレ量から装置の移動量に換算する。
【0025】
そして、予め設定された装置の移動量に同期して、分光反射特性の並びの取得機能部が分光反射特性の算出機能部から分光反射特性を取り出し、これを、分光反射特性の並びに追加登録する。
【実施例4】
【0026】
図6は、図2中、あるいは図3中に含まれる『集光器』の実施例を示したものである。
【0027】
測定対象となる樹木緑葉は、その品種や樹種によって、様々である。このため、分光器に光を取り入れる部分、すなわち、図6では『光ファイバ』の端面を『集光用のレンズ』の焦点位置に配置する。そして、『集光用のレンズ』の前面に設けた開口部の大きさを変化させることにより、測定対象物表面での『集光器』のスポット系を変化させることができる。
【0028】
あるいは、『光ファイバ』の開口数(NA)が一定と考えれば、『集光用のレンズ』の焦点距離を変えることによっても、測定対象物表面での『集光器』のスポット系を変化させることができる。
【0029】
なお、ここで述べた『集光用のレンズ』は、放物面鏡など、集光用レンズとして機能する他の光学部品でも構成できる。
【実施例5】
【0030】
また、装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで分光反射特性の並びを取得する際、その移動を2区間に分け、その一区間目で、分光観側処理に用いる装置内部の分光器で測定対象物ならびに測定対象物を照らす光の最大明るさを特定し、その最大明るさで分光器が適正に作動する絞りと電子シャッタの開放時間を求める機能部をもち、ここで得られた絞りと電子シャッタの開放時間を、分光器を作動させるパラメータとして、二区間目において、必要な分光反射特性の並びを取得する。
【実施例6】
【0031】
あるいは、装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで分光反射特性の並びを取得する際、その移動を往復動作とし、往路において、分光観側処理に用いる装置内部の分光器で測定対象物ならびに測定対象物を照らす光の最大明るさを特定し、その最大明るさで分光器が適正に作動する絞りと電子シャッタの開放時間を求める機能部をもち、ここで得られた絞りと電子シャッタの開放時間を、分光器を作動させるパラメータとして、続く復路において、必要な分光反射特性の並びを取得する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、植物の平均的な緑葉分光特性を取得する方法、およびその装置の製造方法として産業に寄与するとともに、さらに果実生産における水分ストレスを指標とした灌水管理への活用できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物である樹木からの散乱反射光を集光器で捉えて分光器で分光観測し、これと同時に、測定対象物を照らす光の一部を捉えて分光観測する手段を用いて、測定対象物表面の任意の箇所の分光反射特性を計測する機能を実現する装置を使い、その装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで得られる分光反射特性の並びから、必要な分光反射特性だけを選択し、さらに、その選択された分光反射特性を平均化処理してこれを樹木全体の緑葉分光反射特性とみなし、この樹木全体の緑葉分光反射特性から水分ストレス状態を計測する装置。
【請求項2】
測定対象物である樹木からの散乱反射光を捉える集光器のスポット径を1mmから50mmの範囲から選択された値とする請求項1の装置。
【請求項3】
測定対象物表面上の分光特性を一文字に走査することで得られる分光反射特性の並びから、必要な分光反射特性だけを選択する際、それぞれの分光反射特性の特徴を確認し、緑葉が持つ分光反射特性の特徴を兼ね備えたもののみを選択する方式とする請求項1の装置。
【請求項4】
測定対象物表面上の分光特性を一文字に走査することで得られる分光反射特性の並びから、必要な分光反射特性だけを選択する際、全ての分光反射特性から得られる平均の分光反射特性から逸脱した個別の分光反射特性を削除し、残る平均的な分光反射特性のみを選択する方式とする請求項1の装置。
【請求項5】
装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで分光反射特性の並びを取得する際、装置内で一定時間経過ごと、あるいは角速度センサを用いて装置の回転角度を求めることで一定角度の回転ごとに、分光反射特性を記録することで必要な分光反射特性の並びを取得する方式の請求項1の装置。
【請求項6】
装置が分光反射特性を取得するために捉えている測定対象物上の箇所を含むその近傍の画像データを一定時間ごとに捉える機能を併せ持ち、さらに、そこで得られた時間的に隣接した画像データについて画像の移動量を算出する機能を有しており、装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで分光反射特性の並びを取得する際、同時に算出されている画像の移動量が一定値となるタイミングごとに、分光反射特性を記録することで必要な分光反射特性の並びを取得する方式の請求項1の装置。
【請求項7】
装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで分光反射特性の並びを取得する際、その移動を2区間に分け、一区間目において、分光観側処理に用いる装置内部の分光器で測定対象物ならびに測定対象物を照らす光の最大明るさを特定し、その最大明るさで分光器が適正に作動する絞りと電子シャッタの開放時間を求める手段を有し、ここで得られた絞りと電子シャッタの開放時間を、分光器を作動させるパラメータとして、二区間目において、必要な分光反射特性の並びを取得する方式の請求項1の装置。
【請求項8】
装置を向ける方向を移動することによって測定対象物表面上の分光反射特性を一文字に走査することで分光反射特性の並びを取得する際、その移動を往復動作とし、往路において、分光観側処理に用いる装置内部の分光器で測定対象物ならびに測定対象物を照らす光の最大明るさを特定し、その最大明るさで分光器が適正に作動する絞りと電子シャッタの開放時間を求める手段を有し、ここで得られた絞りと電子シャッタの開放時間を、分光器を作動させるパラメータとして、復路において、必要な分光反射特性の並びを取得する方式の請求項1の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−189339(P2012−189339A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50811(P2011−50811)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 研究集会名 写真測量学会平成22年度秋季学術講演会 主催者名 社団法人 日本写真測量学会 開催日 平成22年10月14日、15日
【出願人】(000214191)長崎県 (106)
【Fターム(参考)】