説明

樹脂組成物及びその硬化物、並びにシート、フィルム及びその硬化物

【課題】液晶性を保持しつつ、かつ硬化反応が可能で、加工性の優れた樹脂組成物及びその硬化物、並びにシート、フィルム及びその硬化物を提供する。
【解決手段】 液晶性ポリエステルセグメント(A)と架橋官能基を有する非晶質のビニル重合体セグメント(B)とからなるブロック共重合体(I)10〜99質量%と、前記架橋官能基と付加重合可能な官能基を有する単量体(II)1〜90質量%とを含む樹脂組成物であって、前記ブロック共重合体(I)中の液晶性ポリエステルセグメント(A)の割合が10〜90質量%であることを特徴とする樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及びその硬化物、並びにシート、フィルム及びその硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル、特に全芳香族ポリエステルや液晶性ポリエステル等は、優れた耐熱性を有する樹脂として近年注目を集めている。その中でも特に液晶性ポリエステルは、液晶構造に起因して特異的な性質(例えば線膨張係数が低い、高周波特性が良い、耐熱性が高いなど)を有するため、多くの検討がなされてきている。しかし、一般的に液晶性ポリエステルは、溶融加工以外の加工方法が困難である、表面自由エネルギーが低く密着性に乏しい、化学的な変性(例えば熱硬化性を付与するなど)が困難であるという問題点を有しているため、例えば半導体用途やディスプレイ用途といった電子材料分野においては、あまり利用されることがなかった。特に溶解性を有し、かつ熱硬化性を有することは、電子材料分野の用途において重要である。溶解性を有することで、薄膜化やフィルム化が簡便なプロセスで可能となり、熱硬化性を有することで、耐熱性を向上することが可能となる。しかしながら、個々の性質を改善したポリエステル系材料は研究例があるものの、両者の性質を備えたポリエステル系材料は少なく、特に液晶性ポリエステル系材料では、極めて少ない。
【0003】
液晶性ポリエステルにおいて溶解性を付与する手法としては、第三成分を共重縮合する方法が知られている。例えば特開平6−220174号公報では、分岐脂肪族型ジオールを共重縮合することでフレキシビリティを導入し、溶解性を付与している。しかしこの手法では脂肪族が導入されることで、耐熱性の低下は免れない。
【0004】
また、特開昭63−012629号公報や特開2002−326312号公報では、芳香族上にアルキル基やハロゲン原子等の置換基を有するヒドロキシ安息香酸を用いることで耐熱性を損なわず溶解性を付与しているが、通常、芳香族上に原子半径の大きい置換基を有すると、配向性の低下は免れず、液晶性が低下してしまう。
【0005】
ポリエステルにおいて硬化性を付与する手法としては、特開平11−21436号公報のように末端のカルボキシル基やヒドロキシル基を架橋反応点として用いる方法が考えられるが、この手法では架橋官能基の量が少ないため、耐熱性をあげるための十分な硬化には至らない。
【0006】
また特開平10−7779号公報では、液晶性ポリエステルの主鎖中に二重結合を導入することで架橋性を付与している。この手法は特開平11−21436号公報に記載の手法に比較し、多くの反応性官能基を導入することができる。しかしこの手法では液晶配向しているポリエステルの主鎖に官能基が位置するため、立体障害が大きく十分な反応性を持たせるのは難しい。また官能基を有するジオール類、ジカルボン酸類を用いてポリエステルを合成する手法は、得られる官能基の構造が制限されやすい欠点も有する。
【0007】
また特開2002−348487号公報では、多分岐型の液晶ポリエステルを用いることで、分散性がよく、他樹脂との反応性に優れたものを得ているが、多分岐型の液晶ポリエステルの場合、必然的にディスコティック液晶のみしか使用できず、また合成手法も難しい。
【0008】
一般の共重縮合法で架橋官能基を導入することは、主鎖の構造に制限があり難しい。そこでまったく異なる性質を有するポリマーとポリエステルとをブロック共重合化する検討も行われている。例えば特開平5−97988号公報ではポリスチレンとポリエステルとを、特開平1−261424号公報ではビニル系ポリマーとポリエステルとを共重合化することで、相溶化剤として利用できることを述べている。しかし、これらの技術では加工性や硬化性について十分な改良がなされていない。
【特許文献1】特開平6−220174号公報
【特許文献2】特開昭63−012629号公報
【特許文献3】特開2002−326312号公報
【特許文献4】特開平11−21436号公報
【特許文献5】特開平10−7779号公報
【特許文献6】特開2002−348487号公報
【特許文献7】特開平5−97988号公報
【特許文献8】特開平1−261424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の従来技術に鑑みてなされたものであり、液晶性を保持しつつ、かつ硬化反応が可能で、加工性の優れた樹脂組成物及びその硬化物、並びにシート、フィルム及びその硬化物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、(1)液晶性ポリエステルセグメント(A)と架橋官能基を有する非晶質のビニル重合体セグメント(B)とからなるブロック共重合体(I)10〜99質量%と、前記架橋官能基と付加重合可能な官能基を有する単量体(II)1〜90質量%とを含む樹脂組成物であって、前記ブロック共重合体(I)中の液晶性ポリエステルセグメント(A)の割合が10〜90質量%であることを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、(2)前記非晶質のビニル重合体セグメント(B)が、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物及びその誘導体、アクリル酸系化合物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を重合して得られるものであることを特徴とする前記(1)に記載の樹脂組成物に関する。
【0012】
また、本発明は、(3)前記架橋官能基が、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、グリシジル基、アリル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の樹脂組成物に関する。
【0013】
また、本発明は、(4)前記架橋官能基が、ブロック共重合体(I)中に0.1mmol/g〜5.0mmol/g含まれていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物に関する。
【0014】
また、本発明は、(5)前記液晶性ポリエステルセグメント(A)の構成単位として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物に関する。
【0015】
また、本発明は、(6)前記ブロック共重合体(I)が、AB型、ABA型、BAB型、(AB)x型(ここで、Aは液晶性ポリエステルセグメント(A)、Bは非晶質のビニル重合体セグメント(B)、(AB)は繰り返し単位、xは繰り返し単位数を表す。またxは平均値であり、1よりも大きい)から選ばれる構造の、単独又は混合物であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の樹脂組成物に関する。
【0016】
また、本発明は、(7)前記ブロック共重合体(I)が、溶液又は溶融状態、或いは双方において液晶性を示すことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物に関する。
【0017】
また、本発明は、(8)前記ブロック共重合体(I)が有機溶媒中で溶解又はリオトロピック液晶性を示すことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物に関する。
【0018】
また、本発明は、(9)前記液晶性ポリエステルセグメント(A)および前記非晶質のビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量が、それぞれ1000以上であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の樹脂組成物に関する。
【0019】
また、本発明は、(10)前記付加重合可能な官能基が、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、アリル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の樹脂組成物に関する。
【0020】
また、本発明は、(11)前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物に関する。
【0021】
また、本発明は、(12)前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなるシートに関する。
【0022】
また、本発明は、(13)前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなるフィルムに関する。
【0023】
また、本発明は、(14)前記(12)に記載のシートまたは前記(13)に記載のフィルムを硬化して得られる硬化物に関する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、液晶性を保持しつつ、かつ硬化反応が可能で、加工性の優れた樹脂組成物及びその硬化物、並びにシート、フィルム及びその硬化物を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0026】
本発明の樹脂組成物は、液晶性ポリエステルセグメント(A)と架橋官能基を有する非晶質のビニル重合体セグメント(B)とからなるブロック共重合体(I)10〜99質量%と、前記架橋官能基と付加重合可能な官能基を有する単量体(II)1〜90質量%とからなり、前記ブロック共重合体(I)中の液晶性ポリエステルセグメント(A)の割合が10〜90質量%であることを特徴とする。
【0027】
前記ブロック共重合体(I)は、液晶性ポリエステルセグメント(A)と、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物、アクリル酸系化合物から選ばれる少なくとも1種を重合して得られる非晶質のビニル重合体セグメント(B)とを有する。
【0028】
ブロック共重合体(I)中の液晶性ポリエステルセグメント(A)は、ジカルボン酸類とジオール類との組み合わせからなるもの、ヒドロキシカルボン酸類からなるもの、ジカルボン酸類、ジオール類及びヒドロキシカルボン酸類との組み合わせからなるものであり、既知の方法で合成可能である。かかる液晶性ポリエステルセグメント(A)は、例えば下記一般式(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する。
【化1】

【化2】

【化3】

【0029】
前記一般式(1)〜(3)のR〜Rはそれぞれ同じでも異なっていても構わない。またx,y,nは1以上の整数を表す。a,bはモル分率を表し、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b=1.0である。またR及びRは原材料のジカルボン酸類に起因する骨格であり、R及びRはジオール類に起因する骨格であり、R及びRはヒドロキシ酸類に起因する骨格である。ここでR〜Rは特に制限はないが、例えばその一部を例示するのであれば、構造はそれぞれ、下記一般式(4)〜(21)で表される。
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【0030】
(ここでm、pは2〜18の整数であることを表す)
前記一般式(4)のR及び一般式(5)のRは、それぞれ下記一般式(22)〜(28)のいずれかであることが好ましい。またRとRは同じでも異なっていてもかまわない。
【化8】

【0031】
(ここでqは1〜18の整数であることを表す)
前記一般式(10)のR、(15)のR10は、それぞれ下記一般式(29)〜(33)のいずれかであることが好ましい。またRとR10は同じでも異なっていてもかまわない。
【化9】

【0032】
本発明では液晶性ポリエステルセグメント(A)の繰り返し単位中に、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環から選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。セグメント(A)がこのような骨格を有することでブロック共重合体の耐熱性や液晶性をより向上することが可能になる。
【0033】
液晶性ポリエステルは通常、ジオール類及びジカルボン酸類とによる重縮合反応、又はヒドロキシカルボン酸類による重縮合反応、又はジオール類とジカルボン酸類とヒドロキシカルボン酸類とによる重縮合反応により合成される。
【0034】
ジオール類とは、一分子中にヒドロキシル基を二つ有するものであれば特に制限はなく、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシテルフェニル、2,6−ナフタレンジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6−ナフタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族ジオール、またはクロロハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン等の芳香族ジオールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体やこれらの誘導体、これらのジアセテート類、ジベンゾエート類などが挙げられる。これらのなかでも、芳香族ジオールが好ましい。
【0035】
ジカルボン酸類は、一分子中にカルボキシル基を二つ有するものであれば特に制限はなく、例えば、テレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−テルフェニルジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸等で代表される上記芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸、又はそれらのジアルキルエステル類、ジフェニルエステル類、塩化物、アルキル金属塩等が挙げられる。これらのなかでも、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
【0036】
ヒドロキシカルボン酸類とは、一分子中に一つのカルボキシル基と一つのヒドロキシル基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、グリコール酸、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドキシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、これらの誘導体が挙げられる。これらのなかでも、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が好ましい。
液晶性ポリエステルの合成は既知の手法で可能であるが、例えば溶液重合法、界面重縮合法、溶融重縮合法などが利用できる。またこの際、各成分の仕込みモル比を調整することで、両末端にカルボキシル基及びその誘導体、ヒドロキシル基及びその誘導体を導入することが可能である。
【0037】
一方、非晶質のビニル重合体セグメント(B)は、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物、アクリル酸系化合物から選ばれる少なくとも1種を重合して得られる。これらの単量体を用いると、分子末端の構造を制御しやすく、様々な官能基を容易に導入することが可能となる。ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物、アクリル酸系化合物としては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド(ここで、(メタ)アクリルとは、メタクリル及びアクリルであることを表す)、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルマレイミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、3−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクロイルモルホリンなどの(メタ)アクリルアミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−フルオロスチレン、4−メトキシスチレン、4−アミノスチレン、4−ニトロスチレン、4−ビニルフェノール、ビニルナフタレン等に代表されるビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等に代表される(メタ)アクリレート系単量体、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等に代表される(メタ)アクリロキシシラン系単量体、メタクリロニトリル、アクリロニトリルに代表されるシアノビニル系化合物、酢酸ビニル、塩化ビニル、弗化ビニル等に代表されるビニル系単量体、スチレンスルホン酸アルカリ金属塩、ビニルスルホン酸アルカリ金属塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピルアルカリ金属塩、末端スルホン酸塩変性ポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート等の金属塩型単量体などが挙げられる、これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
非晶質のビニル重合体を得る重合方法は一般に既知の重合方法、すなわち溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が利用でき、重合反応としてはラジカル重合、イオン重合、配位重合等が利用できる。
【0039】
本発明のブロック共重合体(I)は、液晶性ポリエステルセグメント(A)と非晶質のビニル重合体セグメント(B)とが結合したものである。かかるブロック共重合体(I)の合成法は特に制限はなく、既知の手法を用いて合成可能である。例えば、片末端又は両末端に官能基を有する液晶性ポリエステルと、末端又は両末端に官能基を有する非晶質のビニル重合体を別途合成し、これらを末端間で反応させる方法(以下、手法1と記す)や、液晶性ポリエステルに重合性官能基を導入し、これをマクロイニシエーターとして、非晶質のビニル重合体の構成単量体であるビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物又はアクリル酸系化合物を重合する手法(以下、手法2と記す)などが挙げられる。いずれの手法においてもブロック共重合体は合成可能であり、手法1の方法ではAB型や(AB)x型、ABA型、BAB型のブロック共重合体が得られ、手法2の方法では主にABA型ブロック共重合体が得られる。
【0040】
以下にブロック共重合体(I)の各合成手法について詳細を述べる。
【0041】
手法1は、まず、末端に官能基を有する液晶性ポリエステルと末端に官能基を有する非晶質のビニル重合体とをそれぞれ合成する。液晶性ポリエステルの末端に官能基を導入する方法としては、ポリエステルを得る一般的な重合法を行うことでポリエステルの両末端にカルボキシル基又はその誘導体、ヒドロキシル基又はその誘導体を導入することが可能であるが、非晶質のビニル重合体との反応性を高めるために末端カルボキシル基を塩化チオニル等を用いて酸クロリド化してもよいし、あるいはジイソシアナート類を用いてイソシアネート化してもよいし、ジアミン化合物を用いてアミノ化してもよい。非晶質のビニル重合体の末端に官能基を導入する方法としては、一般に既知の手法が利用可能である。例えば、特公平05−062125号公報記載の方法のように、官能基を有する連鎖移動剤、例えばメルカプトプロピオン酸を用いてエチレン性不飽和単量体をラジカル重合することによりカルボキシル基を片末端に有する重合体を合成することができる。また、停止剤を用いたリビングラジカル重合法(上垣外ら、Polymer Preprints,Japan,48(7),(1999))も利用できる。また、特開平05−155995号公報記載の方法のように、カルボキシル基を有するラジカル重合開始剤を用いて単量体を重合することによりカルボキシル基を有する重合体を合成することができる。カルボキシル基以外の例えば水酸基などの官能基を有するラジカル重合開始剤は、和光純薬工業株式会社より市販されており、これらを用いて上記方法を行うことにより簡便に官能基を導入することができる。更にこれら方法の組み合わせ、すなわち官能基を有する重合開始剤と官能基を有する連鎖移動剤の組み合わせにより両末端に官能基が導入された非晶質のビニル重合体も容易に得ることが可能である。
【0042】
末端に官能基を有する液晶性ポリエステルと末端に官能基を有する非晶質のビニル重合体とを末端間で反応させる方法としては制限はなく、溶融重合、溶液重合、界面重縮合等が利用できる。この際、必要に応じて熱安定剤や縮合触媒、脱水剤、脱ハロゲン化水素剤等を用いても良い。
【0043】
末端間の反応で形成される結合形式は特に制限はなく、既知の二分子間反応で形成される結合形式である。例えば、縮合反応系で形成されるエステル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、尿素結合、エーテル結合などの他、Diels−Alder反応、マイケル付加反応、カップリング反応等の一般的に既知の二分子間反応で形成される結合形式などが挙げられる。
【0044】
手法2においては、まず液晶性ポリエステルを合成する。この際、液晶性ポリエステルの末端、分子内のいずれか又は双方に重合性官能基を導入し、これをマクロイニシエーターとして用いて、非晶質のビニル重合体の構成単量体であるビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物又はアクリル酸系化合物を重合しうる官能基であれば特に制限はないが、例えば、アゾ基、パーオキシル基、パーエステル基、チオール基、ジスルフィド基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化フェニル基などが挙げられる。これらのなかでも、アゾ基を有するマクロイニシエーターを用いるのが好ましい。
液晶性ポリエステルへ重合性官能基を導入する方法としては様々な方法が挙げられるが、例えば、液晶性ポリエステルを合成する際に重合性官能基を有するジオール類又はその誘導体を共重合してもよいし、または液晶性ポリエステルの末端に重合性官能基を有するアルコール類及びその誘導体、フェノール類及びその誘導体、カルボン酸類及びその誘導体等を用いて導入しても良い。
【0045】
このようにして得られたマクロイニシエーターを用いて非晶質のビニル重合体の構成単量体であるビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物又はアクリル酸系化合物を重合することで、簡便にブロック共重合体を合成することができる。この際用いる手法に制限はなく、溶液重合や懸濁重合、乳化重合、塊状重合等が利用できる。
【0046】
本発明のブロッ重合体は、非晶質のビニル重合体セグメント(B)が架橋官能基を有することが重要である。かかる架橋官能基は、架橋性を有する官能基であれば特に限定されず、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、グリシジル基、アリル基から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。これらのなかでも、メタクリル基、グリシジル基がより望ましい。本発明では非晶質のビニル重合体セグメント(B)に架橋官能基を導入することにより、ブロック共重合体を容易に硬化することが可能になる。
非晶質のビニル重合体セグメント(B)に架橋官能基を導入する方法としては特に制限されず、例えば前述の手法1を用いる場合は、非晶質のビニル重合体の合成時に架橋官能基を有する単量体を共重合してもよく、手法2を用いる場合は、マクロイニシエーターに作用させる非晶質のビニル重合体の構成単位として架橋官能基を有する単量体を重合してもよい。また、手法1または2などの方法によりブロック共重合体を合成後に高分子反応を用いて架橋官能基を導入してもよい。
【0047】
架橋官能基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、グリシジル(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、2−イソシアニルエチル(メタ)アクリレート、ビニルフェノール、アリル(メタ)アクリレート、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−ヨードスチレンなどが挙げられ、これらのなかでも(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが賞用され、特に(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレートは、架橋官能基の導入しやすさ、価格などを考慮すると好ましい。これらは単独で用いても、二種類以上を併用してもよい。
【0048】
本発明では、架橋官能基がブロック共重合体(I)中に0.1mmol/g〜5.0mmol/g含まれていることが好ましい。0.1mmol/g未満ではブロック共重合体が十分に硬化できない可能性がある。一方、5.0mmol/g超ではブロック共重合体の合成が困難となる傾向にある。
【0049】
本発明のブロック共重合体(I)は、AB型、ABA型、BAB型、(AB)x型から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。ここで、Aは液晶性ポリエステルセグメント(A)、Bは非晶質のビニル重合体セグメント(B)、(AB)は繰り返し単位、xは繰り返し単位数を表す。またxは平均値であり、1よりも大きい値である。このような構造にすることにより液晶性を保持しつつ、硬化性に優れたブロック共重合体を得ることができる。
【0050】
本発明では、ブロック共重合体(I)中の液晶性ポリエステルセグメント(A)の質量割合は10〜90質量%であり、好ましくは30〜70質量%である。液晶性ポリエステルセグメント(A)の質量割合を10〜90質量%にすることで液晶性を保持しつつ、硬化反応が可能で加工性にすぐれたブロック共重合体を得ることができる。液晶性ポリエステルセグメント(A)の質量割合が10質量%未満である場合はブロック共重合体の液晶性が低下し、その結果、硬化物も液晶性を保持できなくなる。一方、90質量%超である場合はブロック共重合体全体の硬化性が低下してしまう。
【0051】
ブロック共重合体(I)は、溶融状態、溶液状態のいずれか、または両方の状態において、液晶性を示すことが好ましい。液晶性を示すことで、特異的な特徴、例えば、低級水性や低透湿性、低線膨張性などを発現させることが可能となる。ブロック共重合体は、例えば、スメクティック液晶、ネマティック液晶、ディスコティック液晶、コレスティック液晶などの液晶構造を有することにより液晶性を発現する。液晶構造が存在するか否かの判断は、通常は偏光顕微鏡による観察や広角X線回折スペクトル、DSC(示差走査熱量計)などで容易に判定可能である。
【0052】
また、ブロック共重合体(I)は有機溶媒中で溶解又はリオトロピック液晶性を示すことが好ましい。その結果、容易に薄膜化やフィルム化、シート化などの加工が可能となる。この際用いる有機溶媒とは、常圧又は減圧下で揮発可能な溶媒であれば特に制限はなく、例えば、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノールなどのハロゲン化ベンゼン、m−クロロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、クロロナフタレン、p−クロロビフェニルなどの特殊な溶媒や、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの汎用溶媒などが利用できる。
前記液晶性ポリエステルセグメント(A)及び前記非晶質のビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量は、それぞれ1000以上であることが好ましい。重量平均分子量を前記範囲に設定することで、各セグメントの特徴が発揮されるようになる。重量平均分子量が1000未満では、各セグメントの特徴が発揮されにくくなるだけでなく、ブロック共重合体の機械的強度も損なわれる可能性がある。
【0053】
本発明の樹脂組成物は、前記ブロック共重合体(I)と単量体(II)とを含む。該単量体(II)は、前記ブロック共重合体(I)中の非晶質のビニル重合体セグメント(B)が有する架橋官能基と付加重合可能な官能基を有している。付加重合可能な官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、などが挙げられる。単量体(II)は前記付加重合可能な官能基を少なくとも一つ有する化合物であれば特に制限はされず、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド(ここで、(メタ)アクリルとは、メタクリル又はアクリルを表す)、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルマレイミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、3−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクロイルモルホリンなどの(メタ)アクリルアミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−フルオロスチレン、4−メトキシスチレン、4−アミノスチレン、4−ニトロスチレン、4−ビニルフェノール、ビニルナフタレン等に代表されるビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)コポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等に代表される(メタ)アクリレート系単量体、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等に代表される(メタ)アクリロキシシラン系単量体、メタクリロニトリル、アクリロニトリルに代表されるシアノビニル系化合物、酢酸ビニル、塩化ビニル、弗化ビニル等に代表されるビニル系単量体、スチレンスルホン酸アルカリ金属塩、ビニルスルホン酸アルカリ金属塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピルアルカリ金属塩、末端スルホン酸塩変性ポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート等の金属塩型単量体などの単官能性単量体のほかエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,3−[(メタ)アクリロキシプロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−[(メタ)アクリロキシプロピル]−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−[(メタ)アクリロキシプロピル]−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、α,ω−[(メタ)アクリロキシプロピル]−ポリジメチルシロキサン、α,ω−[(メタ)アクリロキシプロピル]−ポリジフェニルシロキサン、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、1、3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2´−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2´−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量体も挙げられる。これらのなかでも、多官能性単量体1種以上を単独で、または併用して用いると、硬化性が更に良くなるので好ましい。また、これら単量体(II)は1種類を用いても、2種以上を用いても良い。
【0054】
本発明の樹脂組成物はブロック共重合体(I)と単量体(II)とを含むことにより、ブロック共重合体(I)の非晶質のビニル重合体セグメント(B)が有する架橋官能基と単量体(II)が有する官能基とが反応し付加重合を起す結果、非常に緻密な硬化物を得ることができる。樹脂組成物の調製方法は特に制限されず、例えば、ブロック共重合体(I)と単量体(II)を有機溶媒に溶解した後で溶媒を蒸発させる方法、単量体(II)にブロック共重合体(I)を溶解する方法、単量体(II)をブロック共重合体(I)に含浸する方法などが挙げられる。
【0055】
樹脂組成物のブロック共重合体(I):単量体(II)の割合は、10〜99質量%:90〜1質量%であり、50〜99質量%:50〜1質量%であることが好ましい。ブロック共重合体(I)の割合が99質量%超では硬化性に劣り、逆に10質量%未満ではブロック共重合体の液晶性が損なわれる。単量体(II)の割合が90質量超%ではブロック共重合体の液晶性がそこなわれ、逆に1質量%未満では硬化性に劣る。
本発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物はより優れた耐熱性を発揮する。硬化方法は特に制限はないが、例えば、ブロック共重合体(I)に単量体(II)とラジカル発生剤を混合後加熱すれば、架橋官能基と付加重合可能な官能基とが反応し付加重合することで、十分に架橋が進行した硬化物を得ることができる。ラジカル発生剤としては、2,2‘−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2‘−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス(メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2‘−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2‘−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2‘−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2‘−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2‘−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾ化合物や、アゾ基含有ポリジメチルシロキサン、アゾ基含有ポリエチレングリコールなどの高分子アゾ化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、p−メンタンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン−3、ジイソブチルパーオキシド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジラウリルパーオキシド、ジマロン酸パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジ−(3−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジ−n−プロピルパーオキシカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジーsec−ブチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどの過酸化物類などが挙げられる。また、硬化の際には必要に応じて、熱硬化性樹脂や無機フィラーを添加することもできる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などが挙げられる。無機フィラーとしては、例えば、タルク、ワラストナイト、カオリン、マイカ、セリサイト、クレー、アルミナシリケート、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられる。
また、硬化に先立って、樹脂組成物を成形してもよい。成形体としては、例えばフィルムまたはシートなどが挙げられる。ここで、フィルムとは厚さ0.5mm未満の成形体をいい、シートとは厚さ0.5〜10mm程度の成形体をいう。成形体らに成形する方法としては特に限定されず、例えば、樹脂組成物とラジカル発生剤を有機溶媒に溶解又は分散させ、これを流延後、当該有機溶媒を蒸発させることによりブロック共重合体のシートやフィルムを作成することができる。有機溶媒としては、例えば、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノールなどのハロゲン化ベンゼン、m−クロロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、クロロナフタレン、p−クロロビフェニルなどの特殊な溶媒や、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチル尿素、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールモノチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの汎用溶媒などが挙げられる。このように作成したシートやフィルムを加熱などの方法により硬化して得られる硬化物は、耐熱性に優れたシート又はフィルムである。また硬化の際には、必要に応じて他の熱硬化性樹脂、無機フィラー、添加剤、安定剤などを添加することもできる。
【0056】
かくして得られる硬化物は耐熱性に優れているため、各種配線板用材料や電子材料用の部材、機械部品など種々の用途に有用である。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらに制限されるものではない。また実施例で用いた材料、各種物性の測定法、評価法は以下の通りである。なお使用した材料は断りのない限り、試薬を使用した。
【0058】
[加工性の評価方法]
ブロック共重合体及び樹脂組成物の加工性の評価として、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はピリジン(Py)に対する溶解性を評価した。容量約8mlのネジ口サンプル瓶に硬化前のブロック共重合体1gとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)10g又はピリジン(Py)10gを加え溶解し、溶液外観を観察した。その際さらに直交ニコル法により溶液を観察し、偏光の有無を確認した。評価は以下の4段階にて行なった。また、樹脂組成物の場合は、同様にネジ口サンプル瓶に硬化前のブロック共重合体1gとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)10g又はピリジン(Py)10gを加え溶解し、その後さらに所定量の単量体を加え撹拌した後、溶液外観を観察した。その際さらに直交ニコル法により溶液を観察し、偏光の有無を確認した。評価は以下の4段階にて行なった。
【0059】
◎が最も優れており、実用上は○又は☆でも問題ない。
【0060】
◎:室温付近で溶解し、透明な溶液が得られる。また直交ニコル法による偏向は見られない
○:80℃に加熱すると溶解するが、室温では不透明になる。また直交ニコル法による偏光はみられない
☆:80℃に加熱すると溶解するが、室温では不透明になる。また直交ニコル法により偏光が確認できる。
【0061】
△:80℃以上で加熱しても溶解しきれず、濁る。
【0062】
[液晶性の評価方法]
ブロック共重合体および樹脂組成物の硬化物の液晶性は、株式会社リガク製、X線回折装置 ATX−Gを用いて評価した。ブロック共重合体の測定試料にはピリジン溶液からキャスト法を用いて得たブロック共重合体フィルム(厚さ0.5mm、大きさ20mm×20mm)を用いた。また硬化物の測定試料には、実施例及び比較例に記載の方法によって得られた硬化物をそのまま評価に用いた。Cu−Kα線を用い、出力電圧50kV、S1:1mm×10mm、S2:1mm×10mm、RS:なし、YD:0.5mm×10mmの各スリットを用い、1〜60°まで2°/minにて2ω/Θスキャンを実施した。2Θ=20°付近に観察されるベンゼン環の配列に起因するピークの明瞭さから、液晶性を以下の3段階で評価した。◎がもっとも優れており、実用上は○以上であることが望ましい。
【0063】
◎:ピークが明瞭でベースラインから独立しており、良好な液晶性を示す。
【0064】
○:やや不明瞭なピークが確認でき、液晶性を確認できる。
【0065】
△:明瞭なピークが全く確認されず、液晶性が確認できない。
【0066】
[ガラス転移温度の評価方法]
測定試料にはブロック共重合体フィルム(厚さ0.5mm、大きさ4x30mm)を用いた。セイコーインスツルメンツ株式会社製 動的粘弾性測定装置 SII EXSTAR DMS6100を用い、測定は引っ張りモードとし、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、振幅5μmにて実施した。得られたtanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
【0067】
[重量平均分子量の測定]
ポンプに東ソー株式会社TOSOH製 DP8020、検出器に示差屈折計RI8020、カラムに日立化成工業株式会社(株)製 GPCカラムGLA150Sを2本用い、カラム温度25℃、溶離液にテトラヒドロフラン、又はN,N−ジメチルホルムアミドを用いTHF、流速1.0ml/minにて実施した。重量平均分子量の算出はポリスチレン標準を用いた。
【0068】
[樹脂組成物の硬化性]
硬化物のゲル分率から、硬化性を3段階で評価した。樹脂組成物の硬化物1gをm−クレゾール20g中に分散し、120℃で2時間加熱した。その後、残存固形分を分離した。この固形分をアセトンで洗浄し、100℃で一晩真空乾燥を実施した。その後、残存固形分の量から下記式を用いてゲル分率を算出した。
【0069】
(ゲル分率)=(残存固形分量)/(仕込み固形分量)×100%
このゲル分率が80質量%以上のものを◎、50〜80質量%のものを○、50質量%未満のものを△とした。◎がもっとも好ましく、実用上は○以上であれば問題ない。△では硬化性が足りないため好ましくない。
【0070】
[ブロック共重合体中の架橋官能基の含有量]
ブルカー・バイオスピン株式会社製多核NMR測定装置、AV300Mを用いた。重溶媒にはブロックピリジンd−5を用い、積算回数1064回にて1H−NMR測定を行い、メタクリル基に起因するシグナルと全芳香族に起因するシグナルの積分比から求めた。
【0071】
[ブロック共重合体中の液晶性ポリエステルの質量割合]
ブルカー・バイオスピン株式会社製多核NMR測定装置、AV300Mを用いた。重溶媒にはブロックピリジンd−5を用い、積算回数1064回にて1H−NMR測定を行い、ビニル成分に起因するシグナルと、全芳香族に起因するシグナルの積分比から求めた。
【0072】
[ブロック共重合体(I)の合成(合成例1〜8)]
(合成例1)
1−(1)両末端ヒドロキシ化アクリルポリマー(ポリマーB1)の合成
200mlの三口フラスコにスリーワンモーター、フッ素樹脂製攪拌翼、ジムロート、滴下漏斗を取り付けた。別に、200mlビーカーを用意し、これに2−エチルヘキシルメタクリレート35.0g、メタクリル酸15.0g、ジチオエタノール10.0g、及び2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬工業株式会社製、VA−086)を配合し、均一になるまで良く撹拌した。これを滴下漏斗に入れ、110〜120℃にて1時間かけてフラスコに滴下した。滴下後、更に3時間加熱撹拌し、非常に粘調なポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をガラス板上にキャストし、100℃で2時間乾燥させたところ、外観は透明であり、また直交ニコル法による観察を行ったところ、全く偏光は確認されなかったことから、このポリマは非晶質であることが確認された。前記ポリマー溶液を大量のメタノール・水混合溶液(メタノール:水=2:1vol比)にて沈澱させ、再度メタノール・水混合溶液にて洗浄したあと、80℃真空にて乾燥した。得られたポリマーの収率は77.5質量%、GPCより算出した分子量は1.1万であった。得られたポリマーを以下、ポリマーB1と記載する。
【0073】
1−(2)末端カルボキシル化ポリエステル(ポリマーA1)の合成
100ml三口フラスコにスリーワンモーター、三方コック付きジムロートを取り付け、これに4,4’−ジヒドロキシビフェニル3.385gと9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン4.052gを仕込み、フラスコ内を窒素置換した。これにジオキサン28.0mlとピリジン12.0mlを加え、材料を溶解した。次にN−メチルー2−ピロリドン21.0mlにテレフタル酸ジクロリド3.179g及びイソフタル酸ジクロリド3.244gを溶解した溶液を一気にフラスコへ加え、室温(25℃)にて1時間反応させ、末端がカルボキシル化ポリエステル(ポリマーA1)の重合溶液を得た。得られたポリマーA1の重量平均分子量は8,000であった。この重合溶液をそのまま用いた。
【0074】
1−(3)ブロック共重合体(ポリマーC1)の合成
100ml二口フラスコにラバーセプタム、スターラーチップを取り付け、これに前記ポリマーB1 10.0gを入れ窒素置換を実施した。これにN−メチル−2−ピロリドン27.0mlを加え、60℃で加熱しつつ溶解した。この溶液を上述のポリマーA1の入っている三口フラスコへ一気に添加後、120℃に加熱し、24時間撹拌した。得られたポリマー溶液は薄白濁で液晶状態を呈していた。ポリマー溶液を大量の水中に入れてポリマーを析出させた後、メタノールで2回洗浄し、100℃にて真空乾燥してブロック共重合体(ポリマーC1)を得た。収率は92.5%であった。ポリマーC1はポリマーA1及びポリマーB1からなる2元ブロック共重合体であった。
【0075】
1−(4)架橋官能基を導入したブロック共重合体(ポリマーD1)の合成
100mlの三口フラスコにスリーワンモーター、フッ素樹脂製撹拌翼、三方コック付きジムロート及びラバーセプタムを取り付け、これに前記ポリマーC1 10.0gを入れ、窒素置換を実施した。これにN−メチル−2−ピロリドン90mlを加えて120℃で溶解後、70℃に冷却した。その後、2−メタクリロキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)13.485gを加え、70℃で3時間撹拌した。反応後、反応溶液を大量のメタノール中に入れてポリマーを析出させた後、メタノールで2回洗浄後、40℃で真空乾燥してメタクリル基が導入したブロック共重合体(ポリマーD1)を得た。
【0076】
ポリマーD1の収率は108.5%、ポリマーD1中のメタクリル基の導入量は1.75mmol/g、でまた、ポリマーD1中のポリマーA1の質量割合は50質量%であった。
【0077】
(合成例2)
前記合成例1で得たポリマーA1とポリマーB1を用いた。ポリマーB1の量を4.0gに変えること以外は前記1−(3)と同様に操作してポリマーC2を合成した。次いで、2−メタクリロキシエチルイソシアネートの量を5.394gに変えること以外は前記1−(4)と同様に操作してブロック共重合体(ポリマーD2)を得た。ポリマーD2の収率は104.2%、ポリマーD2中のメタクリル基の導入量は1.05mmol/g、また、ポリマーD2中のポリマーA1の質量割合は70質量%であった。
【0078】
(合成例3)
前記合成例1で得たポリマーA1とポリマーB1を用いた。ポリマーB1の量を2.0gに変えること以外は前記1−(3)と同様に操作してポリマーC3を合成した。次いで、2−メタクリロキシエチルイソシアネートの量を2.697gに変えること以外は前記1−(4)と同様に操作してブロック共重合体(ポリマーD3)を得た。ポリマーD3の収率は102.2%、ポリマーD3中のメタクリル基の導入量は0.35mmol/g、また、ポリマーD3中のポリマーA1の質量割合は90質量%であった。
【0079】
(合成例4)
前記合成例1で得たポリマーA1とポリマーB1を用いた。ポリマーB1の量を27.0gに変えること以外は前記1−(3)と同様に操作してポリマーC4を合成した。次いで、2−メタクリロキシエチルイソシアネートの量を18.20gに変えること以外は前記1−(4)と同様に操作してブロック共重合体(ポリマーD4)を得た。ポリマーD4の収率は116.2%、ポリマーD4中のメタクリル基の導入量は2.44mmol/g、また、ポリマーD4中のポリマーA1の質量割合は30質量%であった。
【0080】
(合成例5)
前記合成例1で得たポリマーA1とポリマーB1を用いた。ポリマーB1の量を88.0gに変えること以外は前記1−(3)と同様に操作してポリマーC5を合成した。次いで、2−メタクリロキシエチルイソシアネートの量を5.394gに変えること以外は前記1−(4)と同様に操作してブロック共重合体(ポリマーD5)を得た。ポリマーD5の収率は136.2%、ポリマーD5中のメタクリル基の導入量は3.32mmol/g、また、ポリマーD5中のポリマーA1の質量割合は10質量%であった。
【0081】
(合成例6)
前記合成例1で得たポリマーA1とポリマーB1を用いた。ポリマーB1の量を1.0gに変えること以外は前記1−(3)と同様に操作してポリマーC6を合成した。次いで、2−メタクリロキシエチルイソシアネートの量を1.348gに変えること以外は前記1−(4)と同様に操作してブロック共重合体(ポリマーD6)を得た。ポリマーD6の収率は96.5%、ポリマーD6中のメタクリル基の導入量は0.175mmol/g、また、ポリマーD6中のポリマーA1の質量割合は95質量%であった。
【0082】
(合成例7)
前記合成例1で得たポリマーA1とポリマーB1を用いた。ポリマーB1の量を121.5gに変えること以外は前記1−(3)と同様に操作してポリマーC7を合成した。次いで、2−メタクリロキシエチルイソシアネートの量を36.4gに変えること以外は前記1−(4)と同様に操作してブロック共重合体(ポリマーD7)を得た。ポリマーD7の収率は140.1%、ポリマーD7中のメタクリル基の導入量は3.32mmol/g、また、ポリマーD7中のポリマーA1の質量割合は5質量%であった。
【0083】
(合成例8)
8−(1)両末端ヒドロキシ化アクリルポリマー(ポリマーB2)の合成
200mlの三口フラスコにスリーワンモーター、フッ素樹脂製攪拌翼、ジムロート、滴下漏斗を取り付けた。別に、200mlビーカーを用意し、これに2−エチルヘキシルメタクリレート50.0g、ジチオエタノール10.0g、及び2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬工業株式会社製、VA−086)を配合し、均一になるまで良く撹拌した。これを滴下漏斗に入れ、110〜120℃にて1時間かけてフラスコに滴下した。滴下後、更に3時間加熱撹拌し、非常に粘調なポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をガラス板上にキャストし、100℃で2時間乾燥させたところ、外観は透明であり、また直交ニコル法による観察を行ったところ、全く偏光は確認されなかったことから、このポリマは非晶質であることが確認された。前記ポリマー溶液を大量のメタノール・水混合溶液(メタノール:水=2:1vol比)にて沈澱させ、再度メタノール・水混合溶液にて洗浄したあと、80℃真空にて乾燥した。得られたポリマーの収率は90.5質量%、GPCより算出した分子量は8,000であった。得られたポリマーを以下、ポリマーB2と記載する。
【0084】
8−(2)末端カルボキシル化ポリエステル(ポリマーA2)の合成
前記合成例1−(2)と全く同じ手法を用い、末端がカルボキシル化ポリエステル(ポリマーA2)の重合溶液を得た。得られたポリマーA2の重量平均分子量は8,000であった。この重合溶液をそのまま用いた。
【0085】
8−(3)ブロック共重合体(ポリマーD8)の合成
100ml二口フラスコにラバーセプタム、スターラーチップを取り付け、これに前記ポリマーB2 10.0gを入れ窒素置換を実施した。これにN−メチル−2−ピロリドン27.0mlを加え、60℃で加熱しつつ溶解した。この溶液を上述のポリマーA2の入っている三口フラスコへ一気に添加後、120℃に加熱し、24時間撹拌した。得られたポリマー溶液は薄白濁で液晶状態を呈していた。ポリマー溶液を大量の水中に入れてポリマーを析出させた後、メタノールで2回洗浄し、100℃にて真空乾燥してブロック共重合体(ポリマーC8)を得た。収率は92.5%であった。ポリマーC8はポリマーA2及びポリマーB2からなる2元ブロック共重合体であった。本ブロック共重合体はビニル重合体セグメントに官能基を有していないので、メタクリル基導入量は0mmol/gである。
【0086】
合成例1〜8で得られたブロック共重合体D1〜D8の合成組成及び特性一覧表を表1に示した。
【表1】

[樹脂組成物の調整と硬化物の作成]
(実施例1)
前記合成例1で得られたブロック共重合体(ポリマーD1)1.0gをピリジン9.0mlに溶解した。これに1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(表2中ではHDMAと記す。)1.0g、ベンゾイルパーオキシド0.02gを配合して樹脂組成物を得た。樹脂組成物の加工性を評価した。次いで、当該樹脂組成物を、内径50mmのフッ素樹脂製シャーレ上に流延し、室温(25℃)で6時間乾燥した。その後、更に40℃で真空乾燥を行ない、膜厚0.5mmのフィルムを成形した。得られたフィルムをフッ素樹脂製シャーレから剥がした後、フィルムを130℃で2時間加熱し、熱硬化を実施し硬化物を得た。得られた硬化物について硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例2)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例2で得られたポリマーD2を用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例3)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例3で得られたポリマーD3を用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例4)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例4で得られたポリマーD4を用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例5)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例5で得られたポリマーD5を用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例6)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例3で得られたポリマーD3を0.2g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを1.8gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例7)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例5で得られたポリマーD5を1.8g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを0.2gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例8)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例5で得られたポリマーD5を1.98g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを0.02gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例9)
ブロック共重合体としてD1を0.2g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを1.8gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例10)
ブロック共重合体としてD1を1.98g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを0.02gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例11)
ブロック共重合体としてD1を1.0g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートの代りにスチレン(表2中ではStと表記)を1.0gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例12)
ブロック共重合体としてD1を1.0g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートの代りにメチルメタクリレート(表2中ではMMAと表記)を1.0gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例13)
ブロック共重合体としてD1を1.0g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートの代りにジビニルベンゼン(表2中ではDVBと表記)を1.0gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
(実施例14)
ブロック共重合体としてD1を1.0g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートの代りにスチレン0.5gとジビニルベンゼン0.5gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表2に表す。
【表2】

【0087】
(比較例1)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例6で得られたポリマーD6を用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表3に表す。
(比較例2)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例7で得られたポリマーD7を用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表3に表す。
(比較例3)
ブロック共重合体としてポリマーD1の代りに合成例8で得られたポリマーD8を用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表3に表す。
(比較例4)
ブロック共重合体としてポリマーD1を0.1g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを1.9gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表3に表す。
(比較例5)
ブロック共重合体としてポリマーD1を1.99g、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート0.01gを用いること以外は実施例1と同様に操作を行い、樹脂組成物及び硬化物を得た。樹脂組成物の加工性、硬化物の硬化性及び液晶性を評価した。結果を表3に表す。
【表3】

【0088】
上記の表2及び3からわかるように、本発明の樹脂組成物を用いた実施例1〜14は加工性、液晶性及び硬化性に優れていることが分かる。これに対し、ブロック共重合体中の液晶性ポリエステルの割合が95質量%のポリマーD6を用いた比較例1は加工性及び硬化性に劣っていた。ブロック共重合体中の液晶性ポリエステルの割合が5質量%のポリマーD7を用いた比較例2は液晶性に劣っていた。ブロック共重合体中のビニル重合体セグメントが架橋官能基を有しないポリマーD8を用いた比較例3は、硬化性に劣っていた。ブロック共重合体と単量体の比率が5/95である比較例4は液晶性に劣っていた。ブロック共重合体と単量体の比率が99.5/0.5である比較例5は、十分な硬化性に劣っていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶性ポリエステルセグメント(A)と架橋官能基を有する非晶質のビニル重合体セグメント(B)とからなるブロック共重合体(I)10〜99質量%と、前記架橋官能基と付加重合可能な官能基を有する単量体(II)1〜90質量%とを含む樹脂組成物であって、前記ブロック共重合体(I)中の液晶性ポリエステルセグメント(A)の割合が10〜90質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記非晶質のビニル重合体セグメント(B)が、ビニル系化合物、ビニリデン系化合物、メタクリル酸系化合物及びその誘導体、アクリル酸系化合物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を重合して得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記架橋官能基が、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、グリシジル基、アリル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記架橋官能基が、ブロック共重合体(I)中に0.1mmol/g〜5.0mmol/g含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記液晶性ポリエステルセグメント(A)の構成単位として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ブロック共重合体(I)が、AB型、ABA型、BAB型、(AB)x型(ここで、Aは液晶性ポリエステルセグメント(A)、Bは非晶質のビニル重合体セグメント(B)、(AB)は繰り返し単位、xは繰り返し単位数を表す。またxは平均値であり、1よりも大きい)から選ばれる構造の、単独又は混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ブロック共重合体(I)が、溶液又は溶融状態、或いは双方において液晶性を示すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ブロック共重合体(I)が有機溶媒中で溶解又はリオトロピック液晶性を示すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記液晶性ポリエステルセグメント(A)および前記非晶質のビニル重合体セグメント(B)の重量平均分子量が、それぞれ1000以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記付加重合可能な官能基が、ビニル基、メタクリル基、アクリル基、アリル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなるシート。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなるフィルム。
【請求項14】
請求項12に記載のシートまたは請求項13に記載のフィルムを硬化して得られる硬化物。

【公開番号】特開2007−246899(P2007−246899A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39498(P2007−39498)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】