説明

樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成形体

【課題】ゴムやプラスチックの曲げ弾性率を低下させずに、耐摩耗性、摩擦係数などのしゅう動特性を向上させ、しゅう動部品の部材に好適な樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成形体を提供する。
【解決手段】
有機ポリマからなるベース樹脂と、ふっ素樹脂に電離性放射線またはプラズマを照射して架橋された改質ふっ素樹脂に、ベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物がグラフトされた分子修飾改質ふっ素樹脂とが少なくとも混和されてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、OA機器、産業機械などのしゅう動部品に用いられる樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車、OA機器、産業機械などでは力、運動、仕事のエネルギーを伝達するため、多数のしゅう動部品が用いられている。
【0003】
一般に、しゅう動部品には金属、セラミックス、ゴム、プラスチックなどが用いられているが、近年、部品の小型化や、伝達するエネルギーの損失をより低減することが求められており、しゅう動部品の軽量化、低摩擦化、さらには耐久性向上が望まれている。
【0004】
このような背景から、従来金属が多用されていたしゅう動部品などの部材に、ゴムやプラスチックなどの高分子材料が適用されるようになってきた。
【0005】
ゴムやプラスチックは、金属に比べ、軽量で賦形しやすいという特徴を有している。また、ゴムやプラスチックに、充てん剤や、カーボン繊維に代表される補強剤を混和したり、あるいはゴムやプラスチックと金属とを複合化することなどが行われている。
【0006】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【0007】
【特許文献1】特開2007−186676号公報
【特許文献2】特開2004−315833号公報
【特許文献3】特開2000−159914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、充てん剤や補強剤を混和する方法では、成形体の曲げ弾性率などの機械強度の低下、摩擦係数の上昇などの問題が生じるため、適用が限定されたものとなってしまい、さらには、加工工程が増加するため、著しいコストアップなどの問題も生じる。
【0009】
また、ゴムやプラスチックに、ふっ素樹脂に融点以上の温度で電離性放射線を照射して架橋させた改質ふっ素樹脂を混和する方法も考えられるが、この方法では、成形体の摩擦係数の上昇を抑制することはできるものの、ゴムやプラスチックからなるベース樹脂と改質ふっ素樹脂の相溶性の問題から、成形体に十分な耐摩耗性を付与することができず、また、曲げ弾性率などの機械強度も低下してしまうという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ゴムやプラスチックの曲げ弾性率を低下させずに、耐摩耗性、摩擦係数などのしゅう動特性を向上させ、しゅう動部品の部材に好適な樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、有機ポリマからなるベース樹脂と、ふっ素樹脂に電離性放射線またはプラズマを照射して架橋された改質ふっ素樹脂に、前記ベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物がグラフトされた分子修飾改質ふっ素樹脂とが少なくとも混和されてなる樹脂組成物である。
【0012】
請求項2の発明は、前記分子修飾改質ふっ素樹脂は、前記ベース樹脂100質量部に対して5〜50質量部の割合で混和されている請求項1記載の樹脂組成物である。
【0013】
請求項3の発明は、前記有機化合物は、スチレン、アクリル酸、アクリロニトリル酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレートのいずれか一種以上を含む請求項1または2記載の樹脂組成物である。
【0014】
請求項4の発明は、前記有機化合物は、前記改質ふっ素樹脂100質量部に対して0.5〜3質量部の割合でグラフトされている請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物である。
【0015】
請求項5の発明は、前記有機化合物は、照射線量が10kGy〜5MGyの電離性放射線で照射された前記改質ふっ素樹脂にグラフトされる請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物である。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物を用いて成形したことを特徴とする樹脂成形体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、改質ふっ素樹脂に、ベース樹脂であるゴムやプラスチックと親和性の高い官能基を有する有機化合物を分子修飾することにより、ベース樹脂と改質ふっ素樹脂の相溶性を改善でき、ゴムやプラスチックの曲げ弾性率を低下させずに、耐摩耗性、摩擦係数などのしゅう動特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0019】
本実施の形態に係る樹脂組成物は、有機ポリマからなるベース樹脂に、分子修飾改質ふっ素樹脂を混和したものである。
【0020】
有機ポリマからなるベース樹脂としては、ゴムやプラスチックを用いる。
【0021】
本実施の形態でベース樹脂として用いるゴムとしては、ニトリルゴム、ふっ素ゴムなどが挙げられ、プラスチックとしては、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。
【0022】
分子修飾改質ふっ素樹脂は、ふっ素樹脂に電離性放射線またはプラズマを照射して架橋させた改質ふっ素樹脂に、ベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物がグラフト(グラフト共重合)されたものである。
【0023】
改質ふっ素樹脂のベースとなるふっ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン共重合体(PTFE)、テトラフルオロエチレン−フルオロアルコキシトリフルオロエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキシソール共重合体(THF/PDD)などが挙げられ、PTFEが最も好ましい。
【0024】
PTFEは、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロトリフルオロエチレンなどの共重合性モノマーに基づく重合単位を0.2モル%以下含有していてもよい。また、その分子構造中に少量の第3成分を含んでいてもよい。
【0025】
改質ふっ素樹脂は、上述のふっ素樹脂を酸素分圧1333Pa(10torr)以下の不活性ガス雰囲気化で、かつその融点以上に加熱した状態とし、電離性放射線を照射線量1kGy〜10MGyの範囲で照射することにより得られる。
【0026】
酸素分圧が1333Pa(10torr)を超える雰囲気下では、十分な架橋効果を達成できない。また、電離性放射線の照射線量が1kGy未満では十分な架橋効果を達成できず、10MGyを超えると伸びなどの著しい低下を招く。
【0027】
電離性放射線としては、γ線、電子線、X線、中性子線、あるいは高エネルギーイオンなどを用いるとよい。
【0028】
電離性放射線の照射を行う際は、ふっ素樹脂をその融点以上に加熱しておく必要がある。ふっ素樹脂として、例えばPTFEを用いる場合には、融点である327℃以上の温度とする必要がある。また、ふっ素樹脂としてPFAを用いる場合には310℃以上、FEPを用いる場合には275℃以上と、融点よりも高い温度に加熱する。
【0029】
ふっ素樹脂をその融点以上に加熱するのは、ふっ素樹脂を構成する主鎖の分子運動を活発化させることにより、分子間の架橋反応を効率よく促進させるためである。ただし、過度の加熱は逆に分子主鎖の切断や分解を招くようになるので、加熱温度はふっ素樹脂の融点よりも10〜30℃高い温度以下の温度範囲内に抑えるべきである。
【0030】
この改質ふっ素樹脂にベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物(グラフト材)をグラフトさせると、分子修飾改質ふっ素樹脂が得られる。
【0031】
具体的には、酸素が存在しない雰囲気(あるいは酸素がほとんど存在しない雰囲気)下で、改質ふっ素樹脂に電離性放射線またはプラズマを照射してグラフトの基点となるラジカルを生成させ、その後、100℃前後の温度に加熱しながら、ラジカルを生成させた改質ふっ素樹脂にベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物(グラフト材)を接触させてグラフトを行う。
【0032】
グラフトを行う際の雰囲気としては、酸素分圧を133Pa(1torr)以下にすることが好ましく、これを超えるとグラフト効率が低下する。酸素分圧を下げるには、真空雰囲気とするか、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気とすればよい。
【0033】
グラフトを行う際の電離性放射線としては、γ線、電子線、X線、陽子線などを用いるとよい。また、グラフトを行う際の電離性放射線の照射線量は10kGy〜5MGyが好ましい。これは、10kGy未満では官能基の特性が有効に作用する程度のグラフト反応効果が達成されにくい傾向にあり、5MGyを超えると伸びなどの著しい低下を招く傾向にあるためである。電離性放射線を照射する際の温度が高くなるとラジカルの消滅が起こるので、照射時の温度は室温ないしそれ以下が好ましい。
【0034】
ベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物(グラフト材)としては、スチレン、アクリル酸、アクリロニトリル酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレートなどが代表的である。
【0035】
改質ふっ素樹脂に対する有機化合物(グラフト材)の配合割合については特に規定しないが、改質ふっ素樹脂100質量部に対して、有機化合物(グラフト材)が0.5〜3質量部の割合で配合されるのが好ましい。
【0036】
改質ふっ素樹脂を用いる理由としては、ベース樹脂に改質ふっ素樹脂を混和することにより、摩擦係数を大幅に上げることなく、耐摩耗性を著しく向上できるためである。また、電離性放射線またはプラズマを照射しラジカルを生成させる工程で、電離性放射線またはプラズマによりポリマ分子の切断が起こり機械強度が低下しやすいが、ふっ素樹脂を改質(架橋)した改質ふっ素樹脂を用いることでこれを抑制できる。
【0037】
この分子修飾改質ふっ素樹脂を有機ポリマからなるベース樹脂100質量部に対して5〜50質量部、好ましくは10〜20質量部の割合で混和することが好ましい。
【0038】
ベース樹脂100質量部に対して分子修飾改質ふっ素樹脂を5〜50質量部とするのは、分子修飾改質ふっ素樹脂が5質量部未満では、しゅう動特性への効果が期待できず、50質量部を超えると機械的強度や伸びの著しい低下を招くためである。
【0039】
本発明では特に言及しないが、これらに加え、有機充てん剤あるいは無機充てん剤や加工助剤、架橋剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤などを添加してもよい。
【0040】
本実施の形態に係る樹脂成形体は、本実施の形態に係る樹脂組成物を用い、例えば、圧縮成形などにより成形されるものである。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態に係る樹脂組成物は、有機ポリマからなるベース樹脂と、ふっ素樹脂に電離性放射線またはプラズマを照射して架橋された改質ふっ素樹脂にベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物がグラフトされた分子修飾改質ふっ素樹脂とが少なくとも混和されている。
【0042】
これにより、ベース樹脂と改質ふっ素樹脂の相溶性を向上させることができるため、ベース樹脂であるゴムやプラスチックの機械強度(曲げ弾性率など)を低下させずに、摩擦係数、耐摩耗性などのしゅう動特性を向上させることができる。
【0043】
本実施の形態に係る樹脂組成物を用いて成形された樹脂成形体は、例えば、自動車、OA機器、産業機械などのしゅう動部品に用いられる。
【実施例】
【0044】
(1)配合剤
ベース樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびエポキシ樹脂を用いた。ポリブチレンテレフタレート(PBT)には、三菱エンジニアプラスチックス(株)社製のノバデュラン(登録商標)5010R3を用い、エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン(株)社製のエポン828を用いた。
【0045】
改質ふっ素樹脂のベースとなるふっ素樹脂としては、PTFE(旭硝子(株)社製、商品名P−192)を用いた。このPTFEを酸素分圧133Pa(1torr)、窒素雰囲気下、340℃の温度のもとで電子線(加速電圧1.5MeV)を100kGy照射し、改質ふっ素樹脂として改質PTFEを得た。
【0046】
得られた改質PTFEをジェットミルにより平均粒径20μmに微粉砕した後、この改質PTFEのパウダに常温、窒素雰囲気中でさらに電子線(加速電圧1.5MeV)を10kGy照射してラジカルを生成させた。
【0047】
ラジカルを生成させた改質PTFEを、窒素雰囲気の下、有機化合物であるメタクリル酸メチル中に浸漬させ、改質PTFEと有機化合物とを接触させた後、これを80℃に保持した窒素雰囲気の熱処理炉に30分間保持し、取り出してグラフト共重合を完了させ、分子修飾改質ふっ素樹脂として分子修飾改質PTFE−Aを得た。
【0048】
同様にして、グラフト材にグリシジルメタクリレートを使用した分子修飾改質PTFE−Bを得た。
【0049】
また、比較のため、分子修飾PTFE−Aと同様の方法で、改質していないPTFEを分子修飾した分子修飾PTFEを作製した。
【0050】
以上の樹脂成分を表1に示す配合量で混和し、実施例1〜5、および比較例1〜5の樹脂組成物を作製した。表1において、PTFEは未改質のもの(旭硝子社製P−192そのもの)であり、無水メチルヘキサヒドロフタル酸はエポキシ樹脂硬化剤である。
【0051】
【表1】

【0052】
(2)混合、成形
表1に示したPBT系の樹脂組成物(実施例1、2、比較例1〜4)は、280℃に保持した40mm2軸混練機(L/D=30)を用い、回転数40rpmで混合し、その後冷却しながらφ2mmの円柱状のペレットを作製した。
【0053】
これを40t電熱プレス成形機を用い、成形圧10MPa、成形温度280℃、成形時間5分の条件で、樹脂成形体として厚さ1mm、φ30mmの円盤状シート、および長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの板状シートを作製した。
【0054】
エポキシ樹脂系の樹脂組成物(実施例3〜5、比較例5)については、温度60℃で5分間混練した後、減圧下で脱泡し、金型に流し込んで、焼却炉で100℃で3時間、次いで140℃で3時間加熱し、これを硬化させて、厚さ1mm、φ30mmの円盤状シート、および長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの板状シートを作製した。
【0055】
(3)評価
作製した各シートを用い、しゅう動試験および曲げ試験を行った。
【0056】
しゅう動試験はJIS K7218のリングオンディスク法に準拠し、また曲げ試験はJIS K7171に準拠し測定を行い、比摩耗量、摩擦係数、曲げ弾性率を求めた。測定温度は、いずれも24℃で空気中である。
【0057】
しゅう動試験では、SUS304製の円筒リング(外径25.6mm、内径20.6mm)に試験片(外径25.6mm、内径20.6mm、厚さ1mm)を貼り合わせ、相手材にはSUS304板(縦30mm、横30mm、厚さ5mm、表面粗さRa=0.2μm)を用い、圧力0.4MPa、速度60m/min、しゅう動時間50時間の条件で行い、比摩耗量(×10-8mm3/Nm)を算出すると共に摩擦係数を求めた。曲げ試験では、速度10mm/minで歪を加え、曲げ弾性率を求めた。
【0058】
(4)評価結果
表1に実施例および比較例の評価結果を示す。
【0059】
表1に示すように、PBTまたはエポキシ樹脂と分子修飾改質ふっ素樹脂(分子修飾改質PTFE−A、分子修飾改質PTFE−B)を混和した実施例1〜5は、いずれも比摩耗量が小さく、耐摩耗性が良好である。曲げ弾性率も大きな低下は見られない。
【0060】
これに対し、分子修飾された改質PTFEを混和していない、PBT単独の比較例1は、比摩耗量が大きく、摩擦係数も高い。
【0061】
改質PTFEではなく、分子修飾されたPTFE(分子修飾PTFE)を混和した比較例2では、実施例1〜5と比較して比摩耗量が大きくなり、曲げ弾性率の低下も大きい。これは、分子修飾されたPTFE自体の機械的強度が著しく低下しているためと考えられる。
【0062】
分子修飾していない改質PTFEを混和した比較例3は、比摩耗量および摩擦係数は低くなり、混和効果が認められるものの、曲げ弾性率の低下が大きい。
【0063】
また、PTFEを混和した比較例4は、比摩耗量がPBT単独と大差が見られず、曲げ弾性率の低下も大きいことが分かる。
【0064】
また、エポキシ樹脂にPTFEを混和した比較例5は、エポキシ樹脂を用いた実施例3〜5と比較して比摩耗量が大きく、耐摩耗性に劣る。
【0065】
以上の評価結果から明らかなように、本実施の形態に係る樹脂組成物及びそれを用いた樹脂成形体は、しゅう動特性に優れしかも曲げ弾性率に代表される機械強度の大幅な低下を抑制することができるため、しゅう動部品の部材に好適に用いることができ、また、高分子材料の応用範囲を広げる上で大きく貢献するものである。
【0066】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ポリマからなるベース樹脂と、
ふっ素樹脂に電離性放射線またはプラズマを照射して架橋された改質ふっ素樹脂に、前記ベース樹脂と親和性の高い官能基を有する有機化合物がグラフトされた分子修飾改質ふっ素樹脂とが少なくとも混和されてなることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記分子修飾改質ふっ素樹脂は、前記ベース樹脂100質量部に対して5〜50質量部の割合で混和されている請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記有機化合物は、スチレン、アクリル酸、アクリロニトリル酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレートのいずれか一種以上を含む請求項1または2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記有機化合物は、前記改質ふっ素樹脂100質量部に対して0.5〜3質量部の割合でグラフトされている請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記有機化合物は、照射線量が10kGy〜5MGyの電離性放射線で照射された前記改質ふっ素樹脂にグラフトされる請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物を用いて成形したことを特徴とする樹脂成形体。

【公開番号】特開2010−59246(P2010−59246A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223849(P2008−223849)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】