説明

樹脂組成物

【課題】光硬化性樹脂中における強化繊維の分散性を高め、かつ両者間の接着性を高めた樹脂成形品を提供する。
【解決手段】セルロース系繊維3としてフィブリル化した竹繊維(竹セルロースミクロフィブリル)を光硬化性樹脂2に配合する。竹セルロースミクロフィブリルが光硬化性樹脂2中に均一に分散した状態の樹脂組成物7に光照射手段6から光を照射し、被照射領域8の光硬化性樹脂2を硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂を有する樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形品は、光硬化性樹脂の硬化特性を利用して、スポット径を小さくしたレーザ等の照射により微細かつ精緻な形状に成形可能であることから、最近では、マイクロマシンやナノデバイスの構造部品としての利用が検討されている。
【0003】
その一方で、光硬化性樹脂は、一般に、他のエンプラや金属材料と比べて脆く、剛性にも乏しい。また、強度の面でも不十分である。そのため、かかる樹脂成形品を上記構造部品として使用するには機械的特性の改善が不可欠である。
【0004】
上記問題点を解決する手段として、光硬化性樹脂にガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を配合したものが知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【特許文献1】特許第2891138号公報
【特許文献2】特許第2746235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの繊維は、一般に光硬化性樹脂と比べその比重が大きいため、液状の光硬化性樹脂中に上記繊維を配合すると、沈殿して均一に分散しない。また、上記繊維は、その製造方法にもよるが、光硬化性樹脂との界面接着性を向上させるための表面処理を必要とする場合が多く、別途表面処理を施すことで製造コストの高騰を招き、好ましくない。特に、繊維が小サイズ化するにつれて表面処理を均一に行うことは困難となるため、光硬化性樹脂との接着性改善は難しいのが現状である。
【0006】
本発明の課題は、光硬化性樹脂中における強化繊維の分散性を高め、かつ両者間の接着性を高めた樹脂成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、光硬化性樹脂に強化繊維を配合した樹脂組成物であって、セルロース系繊維を強化繊維として配合したことを特徴とする樹脂組成物を提供する。
【0008】
セルロース系繊維の見かけの比重は光硬化性樹脂のそれと比べてそれほど差がないので、かかるセルロース系繊維を光硬化性樹脂に配合することで、セルロース系繊維が沈殿することなく光硬化性樹脂中で均一に分散する。そのため、かかる樹脂組成物を光硬化して得られる樹脂成形品ごとの機械的特性(強度や剛性等)のばらつきを小さく抑えて、より安定した機械的特性を示す信頼性の高い樹脂成形品を提供することができる。
【0009】
また、セルロース系繊維は一般に親水性を示すため、光硬化性樹脂との間で高い界面接着力を発揮し得る。これにより、樹脂成形品の機械的特性(強度や剛性など)を改善することができる。
【0010】
セルロース系繊維としては、例えばジュートやケナフ等の植物系天然繊維が使用可能であり、その中でも、特に他の天然繊維と比べて強度や剛性に優れた竹繊維が好適に使用可能である。
【0011】
また、セルロース系繊維の繊維径は、一般に数μm〜数十μmであるから、上記樹脂成形品の更なる小サイズ化を考えた場合、強化繊維として繊維径のより小さいものが必要となる。かかる観点から、本発明者らは、より好適なセルロース系繊維として、セルロース系繊維をフィブリル化したものを見出した。フィブリル化されたセルロース系繊維は、幹となる部分と、幹部から枝分かれした多くの枝部とからなり、枝分かれした繊維部分を分離したものはナノサイズの繊維径を有する。そのため、このフィブリル化されたセルロース系繊維を光硬化性樹脂に配合することで、かかるフィブリル化セルロース系繊維が均一に分散し、かつ高い割合で含有された樹脂成形品を得ることができ、さらなる機械的特性の改善が可能となる。また、より小サイズの樹脂成形品を得ることができ、マイクロマシンのみならずナノデバイス用部材としての使用も可能となる。
【0012】
光硬化性樹脂として、例えば光硬化型エポキシ樹脂を使用することができる。光硬化型エポキシ樹脂は、他の光硬化性樹脂と比べて比較的機械的特性に優れた材料であり、またセルロース系繊維との接着性に富んだ材料であるため、好ましい。
【0013】
上記構成の樹脂組成物は、例えばかかる樹脂組成物を光硬化させることで成形される樹脂成形品として好適に提供可能である。
【0014】
また、前記課題を解決するため、本発明は、光硬化性樹脂に強化繊維を配合した樹脂組成物に光を照射し、被照射領域の光硬化性樹脂を硬化させることで樹脂成形品を得る樹脂成形品の製造方法において、セルロース系繊維を含むアルコール液を光硬化性樹脂と混合して分散させ、アルコールを除去して得た樹脂組成物に光を照射することを特徴とする樹脂成形品の製造方法を提供する。
【0015】
セルロース系繊維の中でも、竹繊維、特に竹モノフィラメントや、フィブリル化された状態の竹繊維(以下、竹セルロースミクロフィブリルという。)などは、アスペクト比が大きく、乾燥状態では互いに絡まりあって塊になり易い。これに対して、上述の方法によれば、アルコール液中で均一に分散した状態のセルロース系繊維を、低粘度を保った状態で光硬化性樹脂と混合することで、セルロース系繊維が光硬化性樹脂内に均一に分散した状態を容易に実現し得る。従って、この状態で光を照射して光硬化性樹脂を硬化させることで、内部にセルロース系繊維が均一に分散した樹脂成形品を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、光硬化性樹脂中に強化繊維が均一に分散し、かつ両者間の接着性を改善した樹脂成形品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図1および図2に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂成形品1の一例を示す。樹脂成形品1は、光硬化性樹脂2と、光硬化性樹脂2内に配合されるセルロース系繊維3とからなる。セルロース系繊維3には、植物系天然繊維の中でも比較的優れた機械的特性を有する竹繊維、例えば竹モノフィラメントあるいは竹セルロースミクロフィブリルなどが好適に使用可能である。以下、セルロース系繊維3に竹モノフィラメントを使用する場合(i)と、竹セルロースミクロフィブリルを使用する場合(ii)とにおける、樹脂成形品の製造方法をそれぞれ説明する。
【0019】
(i)竹モノフィラメントを配合した樹脂成形品
竹モノフィラメントは、以下のステップを経て竹材から取り出される。すなわち爆砕処理(A)、機械的解繊処理(B)、化学的解繊処理(C)、詳解繊処理(D)のステップを順に経ることで竹モノフィラメントが取り出される。
【0020】
(A)爆砕処理
まず、竹材を爆砕装置に入れ、爆砕を行う。爆砕は、高温高圧水蒸気下に対象物質を一定時間保持した後、圧力を瞬時に解放することにより物質成分を分解する手段である。水蒸気圧を一気に解放することにより、竹内部の水分が急膨張するため、木質の細胞壁が破裂する一方、繊維部分には大きな空孔がなく、また繊維強度が高いため物理的破壊には至らない。従って、竹材より繊維部分(竹繊維束)を取り出すことが可能となる。
【0021】
また、爆砕装置中で竹材を高温高圧水蒸気で蒸すことにより、竹材の主成分である、セルロース、リグニン、ヘミセルロースのうち、リグニンおよびヘミセルロースの加水分解が進行する。これにより、主にセルロースからなる繊維部分の取出しがより容易となる。この際の温度(爆砕温度)は、リグニン、ヘミセルロースの加水分解を促進し、かつセルロースの劣化を回避する観点から、165℃〜190℃の範囲とするのがよい。また、上記温度範囲でのヘミセルロースの加水分解速度を考慮して、爆砕回数は5回〜10回、その時の内部圧力を7気圧〜10気圧とするのがよい。
【0022】
(B)機械的解繊処理
次いで爆砕処理(A)で得られた竹繊維束を、例えばカード機やローラ、あるいはカッターなどの解繊装置により解繊する。この解繊処理で付与されたせん断力により、竹繊維束が解繊され、より細い竹繊維束、あるいは竹モノフィラメントを一部含む竹繊維束が取り出される。
【0023】
(C)化学的解繊処理
機械的解繊処理(B)により解繊された竹繊維束を、例えば低濃度(1%〜2%程度)の水酸化ナトリウム溶液中に浸漬させる。これにより、解繊された竹繊維束表面の付着物(リグニンなど)が除去され、また、竹モノフィラメント間の結着物が除去され、単体としての竹モノフィラメントが得られる。
【0024】
(D)詳解繊処理
上記(A)〜(C)の処理を経て得られた竹モノフィラメント、あるいは竹繊維束を、例えばミキサーやディスクリファイナー等でさらに解繊する。これにより、上記処理工程で除去し切れなかった付着物が取り除かれ、また、解繊が充分に行われていない部分が解繊され、光硬化性樹脂に供給可能な竹モノフィラメントが得られる。同処理の後、必要に応じて、水洗浄や選別を行ったものを光硬化性樹脂に供給してもよい。
【0025】
上述のようにして取り出された竹モノフィラメントは、他の天然繊維(ジュート、ケナフ等)と比べ2割以上高い強度を有し、かつ剛性も30GPa〜40GPaと高い。また。繊維径がφ10μm〜φ20μmで、繊維長が1mm〜2mmであることから高いアスペクト比を示す。そのため、かかる竹モノフィラメントは光硬化性樹脂2中で強化繊維としての要求特性を充分に満たし得る。
【0026】
上述のようにして取り出された竹モノフィラメントを光硬化性樹脂2に配合し、これに光を照射することで、被照射領域の光硬化性樹脂2を硬化させ、所定形状の樹脂成形品1を得る。
【0027】
図2は、樹脂成形品1の成形工程(光造形工程)を概念的に示すもので、同工程に使用される光造形装置は、成形すべき樹脂組成物7を収容する容器4と、容器4内に配設され、液面に対して直交する方向(同図では上下方向)にストローク可能なテーブル5と、テーブル5上にある液状の樹脂組成物7に対して光を照射可能な光照射手段6とを主に備える。光照射手段6は、この実施形態ではレーザ照射装置であり、液面に沿って走査可能なように構成されている。
【0028】
ここで、容器4に収容される樹脂組成物7は、主として光硬化性樹脂2としての光硬化型エポキシ樹脂(比重:1.1〜1.2)と、光硬化型エポキシ樹脂に配合されるセルロース系繊維3、ここでは竹モノフィラメント(見かけの比重:1.1〜1.3)とからなる。竹モノフィラメントを使用する場合、これを含水率0.1%以下に乾燥させ、粉体状とした後、光硬化型エポキシ樹脂に配合する。そして、ホモジナイザ(超音波式、高圧式など。形式は問わない)により竹モノフィラメントを光硬化型エポキシ樹脂中に均一に分散させる。これにより、竹モノフィラメントが沈殿することなく、光硬化型エポキシ樹脂中に均一に分散した状態を保つことができる。竹モノフィラメントの配合割合は、重量含有率で2wt%〜50wt%である。また、竹モノフィラメントは、先に容器4内に供給された光硬化型エポキシ樹脂に後から供給されてもよいし、予め光硬化型エポキシ樹脂に配合した状態で容器4内に供給されるものであってもよい。
【0029】
この状態から、光照射手段6を成形すべき形状に合わせて二次元方向に走査しながら、テーブル5上の樹脂組成物7に光(ここではレーザ光)を照射して、樹脂組成物7の被照射領域8を硬化させる。そして、次操作で成形すべき領域の厚みに応じてテーブル5を下降させた上で、上述の操作を繰り返すことにより、既硬化領域9が積層され、所望の形状を有する樹脂成形品1が完成する。
【0030】
このように、強化繊維として光硬化型エポキシ樹脂との間で比重の差が小さい竹モノフィラメントを配合することで、竹モノフィラメントが光硬化型エポキシ樹脂中に均一に分散した状態の樹脂組成物7を光硬化により成形することができる。これにより、樹脂成形品1ごとの機械的特性(強度や剛性等)のばらつきを小さく抑えて、より安定した機械的特性を示す信頼性の高い樹脂成形品1を提供することが可能となる。
【0031】
また、この実施形態では、互いに高い接着性を示す竹モノフィラメントと光硬化型エポキシ樹脂との組合わせで樹脂組成物7を構成しているので、かかる樹脂組成物7を光造形して得られる樹脂成形品1の界面接着力を高めて機械的特性を改善することができる。
【0032】
また、竹モノフィラメント自体は、それほど高い光透過性を有する訳ではないが、黄白色でかつ滑らかな表面形状を有するので、炭素繊維のように光を吸収することなく反射する。そのため、スキャン深さが0.1mm〜1mm程度であれば上記レーザ光による高精度な光造形が可能である。
【0033】
(ii)竹セルロースミクロフィブリルを配合した樹脂成形品
竹セルロースミクロフィブリルは、例えば上述の工程を経て取り出された竹モノフィラメントを砥石式高速ディスクリファイナー(高圧式なども使用可能)でくもの巣状にフィブリル化することで得られる。かかる竹セルロースミクロフィブリルは、ナノサイズ径の繊維を含むものであり、数重量%程度のリグニン、へミセルロースを含む場合もある。
【0034】
また、竹セルロースミクロフィブリルは、上述の方法に限らず、例えばアルカリ処理等の化学的処理でリグニンを除去した竹パルプ、あるいは竹パルプを含むパルプ状素材を高圧ホモジナイザ等により高精度にフィブリル化することによっても得られる。
【0035】
上述のようにして得られた竹セルロースミクロフィブリルを光硬化性樹脂2に配合し、この樹脂組成物に光を照射することで、被照射領域の光硬化性樹脂2を硬化させ、所定形状の樹脂成形品1を得る。
【0036】
この場合、樹脂成形品1の成形工程(光造形工程)には、例えば図2と同様の構成をなす光造形装置が使用される。なお、上記実施形態(i)と同一の構成、作用を有する部材には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0037】
容器4に収容される樹脂組成物7は、主として光硬化性樹脂2としての光硬化型エポキシ樹脂と、セルロース系繊維3としての竹セルロースミクロフィブリルとからなる。竹セルロースミクロフィブリルを使用する場合、このセルロースミクロフィブリルを、流動性が高くかつ揮発性を有する液体、例えばアルコールに混ぜる。そして竹セルロースミクロフィブリルを含むアルコール液を光硬化型エポキシ樹脂に配合し、これをホモジナイザ等により光硬化型エポキシ樹脂と混合攪拌し、分散させる。このように、アルコールで十分に希釈して低粘度とすることで、容易に竹セルロースミクロフィブリルを光硬化型エポキシ樹脂中で均一に分散させることができる。これにより、光硬化型エポキシ樹脂中に竹セルロースミクロフィブリルが高含有され、かつ均一に分散した状態の樹脂組成物7を得ることができる。
【0038】
この状態から、加熱等により樹脂組成物7中のアルコール成分を蒸発させる。そして、上述のように、光照射手段6を成形すべき形状に合わせて二次元方向に走査しながら、テーブル5上の樹脂組成物7にレーザ光を照射して、樹脂組成物7の被照射領域8を硬化させる。そして、次操作で成形すべき領域の厚みに応じてテーブル5を下降させた上で、上述の操作を繰り返すことにより、既硬化領域9が積層され、所望の形状を有する樹脂成形品1が完成する。
【0039】
このように、セルロース系繊維3として光硬化型エポキシ樹脂との間で比重の差が小さい竹セルロースミクロフィブリルを配合することで、竹セルロースミクロフィブリルが光硬化型エポキシ樹脂中に均一に分散し、かつ高含有化された状態の樹脂組成物7を光硬化により所定形状に成形することができる。これにより、かかる樹脂組成物7を光硬化して得られる樹脂成形品1の機械的特性を大幅に改善することができる。
【0040】
例えば、本発明者らが行った比較試験により、以下のことが明らかとなった。
(1)セルロース系繊維として竹セルロースミクロフィブリルを光硬化型エポキシ樹脂に5wt%配合した樹脂成形品の破壊じん性は、竹セルロースミクロフィブリルを含まない光硬化型エポキシ樹脂単体の成形品のそれと比べて3倍に増加した。
(2)竹セルロースミクロフィブリルを10wt%以上配合することで、かかる樹脂成形品の強度、剛性は共に、光硬化型エポキシ樹脂単体の成形品のそれぞれと比べて向上した。例えば、竹セルロースミクロフィブリルを光硬化型エポキシ樹脂に50wt%配合した成形品の曲げ強度は200MPa、曲げ弾性率は25GPaを示した。
(3)竹セルロースミクロフィブリルを5wt%以上配合することで、かかる樹脂組成物を例えばレーザスキャンにより複層状に成形した成形品の層間強度(はく離強度)は、母材(光硬化型エポキシ樹脂)単体のそれを2倍以上上回った。
(4)竹セルロースミクロフィブリルを配合することで、かかる樹脂成形品の熱的性質が改善された。すなわち、光硬化型エポキシ樹脂単体の成形品と比べガラス転移温度(Tg)が見かけ上30度以上高まると共に、ガラス転移温度以上での剛性の低下が緩やかとなった。
【0041】
なお、上記実施形態では、光硬化性樹脂2として、光硬化型エポキシ樹脂を使用した場合を説明したが、特にこれに限ることなく他の光硬化性樹脂を使用することもできる。また、光硬化性樹脂は、それ単体で使用する(セルロース系繊維と混ぜて使用する)他、母材自体の特性改善のため、他の添加剤を添加した状態で使用しても構わない。また、上記実施形態では、光照射手段6としてレーザ照射装置を例示したが、光を所定領域に照射可能である限り、他の光照射手段を使用することも可能である。
【0042】
また、上記実施形態では、セルロース系繊維3として、竹モノフィラメントや竹セルロースミクロフィブリルを使用した場合を説明したが、セルロースを主成分とする繊維状体であれば、これらに限ることなく使用可能である。
【0043】
また、上記実施形態では、フィブリル化したセルロース系繊維3として、竹セルロースミクロフィブリルを例示したが、もちろん、他のセルロース系繊維3をフィブリル化したものも強化繊維として好ましく使用できる。
【0044】
また、上記実施形態では、竹セルロースミクロフィブリルを一旦アルコール液に混合し、これを光硬化性樹脂2に供給する場合を説明したが、アルコール液を利用した光硬化性樹脂2への混合手法は、セルロース系繊維3が竹モノフィラメントである場合をはじめ、他のセルロース系繊維である場合にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂成形品の斜視図である。
【図2】光造形工程を概念的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 樹脂成形品
2 光硬化性樹脂
3 セルロース系繊維
4 容器
5 テーブル
6 光照射手段
7 樹脂組成物
8 被照射領域
9 既硬化領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化性樹脂に強化繊維を配合した樹脂組成物であって、セルロース系繊維を強化繊維として配合したことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
セルロース系繊維が竹繊維である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
セルロース系繊維がフィブリル化されたものである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
光硬化性樹脂が光硬化型エポキシ樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4何れかに記載の樹脂組成物を光硬化させることで成形される樹脂成形品。
【請求項6】
光硬化性樹脂に強化繊維を配合した樹脂組成物に光を照射し、被照射領域の光硬化性樹脂を硬化させることで樹脂成形品を得る樹脂成形品の製造方法において、
セルロース系繊維を含むアルコール液を光硬化性樹脂と混合して分散させ、アルコールを除去して得た樹脂組成物に光を照射することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−119636(P2007−119636A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314645(P2005−314645)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(503027931)学校法人同志社 (346)
【Fターム(参考)】