説明

樹脂製クリップ

【課題】 クリップの全体を二つの樹脂成形素材から成形することにより、成形材料の少量化、組立工程の簡素化を図り、設備投資を抑制し得る樹脂製クリップの提供。
【解決手段】 樹脂製のクリップ本体1とクリップ操作体2とからなり、何れか一方が両側にピン係合孔11を有する突起13を備え、他方が両側に係合ピン21を備え、両部材1,2の一方か両方が側面視くの字形に形成され、これら両部材1,2の一方か両方が基部31から背面側に向かって斜め方向に突出する弾性片30を備え、両部材1,2の何れか一方が連接部41を下側にして上方に向かって開口42するフック体40を備え、前記ピン係合孔11と係合ピン12との係合姿勢において、弾性片30が両部材1,2間に位置し、他方の部材1,2の上半部14,24と接当して挟持部15,25を弾性的に圧接させる構造とされているもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの樹脂成形部材のみによって成形されたクリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、書類等の物品挟持用や携帯電話等の落下防止ために使用するクリップ、例えば、コイルばね等を使用しそのバネの力を利用した洗濯バサミ形としたクリップや、金属板を略コの字型や略Uの字形に加工して金属復元弾力性を利用したクリップや、樹脂成形素材と金属バネを組み合わせたクリップ等が開発され使用されている。
【0003】
樹脂成形品を主体としたクリップの例として、例えば、特開2001−50219号公報には、弾性力を利用するために板バネ14を利用したクリップが、また、特開平6−27887号公報には、衣服等への取り付け部材として金属製ゼムクリップ21を使用する樹脂製クリップが開示されている。
【特許文献1】特開2001−50219
【特許文献2】特開平6−27887
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら何れのクリップも、金属製品を必要とすることのみならず、クリップを構成する部品点数が多く、成形単価が高く、組み立てが複雑で多くの人手と時間を必要とするものとなっていた。そのため、当然市場価格が高くなり、ディスプレイ用とか価格表示用等の営業用に使用されることが多く、一時使用ではなく、長期使用を目的としたものとなっていた。
【0005】
しかしながら、このようなクリップは、全てが長期使用を目的としたものばかりではなく、例えば、各種のイベント会場や集会場・展示会場等への入場者に配布して、法人名や個人名を記載した名札を吊り下げてもらうために使用するクリップもあり、当該会場からの退場時には出入り口の内外で関係者が回収しそのまま廃棄処分するという、一時使用に供されるクリップもある。
【0006】
そこで、本発明は、金属を使用しないで樹脂素材のみによって製造し、好ましくは廃棄後に地中埋設処分としたとき、容易に生分解する樹脂素材を用いて製造することにより、また、構成部品点数を2個という最小限構成のものとすることによって、設備投資のコストを抑制し、組み立て工程を簡素化させることができる樹脂製クリップを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために講じた本発明にいうところの樹脂製クリップの構成を、実施例を示す図面に使用した共通の符号を用いて説明すると、請求項1に記載した第1の構成は、樹脂製のクリップ本体1と、同じく樹脂製のクリップ操作体2との二つの成形部材からなり、これら両部材1,2の何れか一方が長手方向ほぼ中間部の両側にピン係合孔11,11を有する突起13,13または係合ピン12,12を備え、何れか他方が長手方向ほぼ中間部の両側に前記ピン係合孔11,11と係合する係合ピン21,21または前記係合ピン12,12と係合するピン係合孔22,22を有する突起23,23を備え、かつ、これら両部材1,2の何れか一方が平板状で他方が側面視くの字形に形成されているか、双方1,2が側面視くの字形に形成され、更に、これら両部材1,2の何れか一方または両方が基部31から背面側に向かって斜め方向に突出する弾性片30を備え、更には、これら両部材1,2の何れか一方が連接部41を下側にして上方に向かって開口42するフック体40を備え、前記ピン係合孔11,22と係合ピン12,21との係合姿勢において、前記弾性片30が両部材1,2間に位置し、他方の部材1,2の上半部14,24と接当し両部材1,2における下方の挟持部15,25を弾性的に圧接させ、前記フック体40が外側に向かって突出する構造としたものである。
【0008】
また、請求項2に記載した第2の構成は、樹脂製のクリップ本体1と、同じく樹脂製のクリップ操作体2との二つの成形部材からなり、これら両部材1,2の何れか一方が長手方向ほぼ中間部の両側にピン係合孔11,11を有する突起13,13を備え、何れか他方が長手方向ほぼ中間部の両側に前記ピン係合孔11,11と係合する係合ピン21,21を備え、かつ、前記クリップ本体1がほぼ平板状で前記クリップ操作体2が側面視くの字形に形成され、更に、前記クリップ本体1が基部31から背面側に向かって斜め上方向に突出する弾性片30を備え、更には、該クリップ本体1が該弾性片30の突出方向の面とは反対側の面において下端を連接部41として上方に向かって開口42するフック体40を備え、前記ピン係合孔11と係合ピン21との係合姿勢において、前記弾性片30がクリップ操作体2の上半部と接当し、両部材1,2における下方の挟持部15,25を弾性的に圧接させ、前記フック体40が外側に向かって突出する構造としたものである。
【0009】
請求項3として記載した補助的な構成は、クリップ体1,2を、セルロース,リグニン,トーモロコシや芋類から形成した植物澱粉などを主原料とした天然高分子系の生分解性プラスチック、微生物が生産した有機酸を利用した微生物系の生分解性プラスチック、アミノ酸,糖,ポリエステルなどの原料を醗酵させたバイオケミカル高分子系の生分解性プラスチックの何れかによって成形した易生分解性製品としたことである。
【発明の効果】
【0010】
本発明にいう請求項1に記載の樹脂製クリップにあっては、クリップとしての挟持力を得るための金属部材を一切使用することなく、樹脂成形品としてのクリップ本体1と同じく樹脂成形品としてのクリップ操作体2の二つの成形部材によって形成したものであり、これら二つの樹脂成形品の一方または両方に弾性力を発生させるための弾性片を一体的に備えているものとすることによって、そしてこの弾性片をこれら二つの成形部材間に位置させて互いの接近を阻止する働きをさせることによって、二つの部材自体でクリップとしての弾発挟持力を得ることができるという顕著な効果を期待することができるに至ったのである。また、構成部品の点数が僅かに2個という最小限構成のものとしてあるので、設備投資のコストを抑制し、組み立てのための時間の短縮と工程の簡素化を図ることができるに至ったのである。そのため、一回きりの一時使用であっても充分に使用可能な低コストで市場に提供できるという優れた利点をも期待できるに至ったのである。
【0011】
また、請求項2に記載の樹脂製クリップにあっても、同様に、二つの樹脂成形部材からなり、金属製品を一切使用しないので、前記のクリップと同様の効果を有すると同時に、水分等による錆の発生を配慮することなくどこでも使用することができるという優れた効果をも有しているものである。
【0012】
また、請求項3に記載の樹脂製クリップにあっては、クリップ体1,2の製造素材を、セルロース,リグニン,トーモロコシや芋類から形成した植物澱粉などを主原料とした天然高分子系の生分解性プラスチック、微生物が生産した有機酸を利用した微生物系の生分解性プラスチック、アミノ酸,糖,ポリエステルなどの原料を醗酵させたバイオケミカル高分子系の生分解性プラスチックのような易生分解性製品としたことによって、廃棄後に地中埋設処分に付しても容易に生分解するので、各種のイベント会場や集会場・展示会場等への入場者に入場時に配布し、入場者の法人名や個人名を記載した名札を吊り下げてもらって使用し、当該会場からの退場時には出入り口の付近で関係者が回収しそのまま廃棄処分するという一時使用に供することもできるという従来にはなかった顕著な効果を期待できるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明にいうところの樹脂製クリップを実施するに当たっては、後述するように、二つのクリップ体1,2の一方に形成した、ピン係合孔11,11を備えた二つの突起13,13どうしの対向する面の上半部を斜めカット16,16して突起13,13の先端側程肉厚が薄くなる形状としたり、係合ピン21,21の突起13,13と対向する先端部を斜めカット26,26してあるものとして実施することができる。このことによって、両クリップ体1,2のピン係合孔11,11と係合ピン21,21との組立て操作を、突起13,13の斜めカット16,16の面に対して係合ピン21,21の斜めカット26,26の面を当て付けて押圧するという極めて単純なワンタッチ操作によって完了させることができるという点で好ましい。
【実施例】
【0014】
以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本願発明の第1実施例の樹脂製クリップを示す図であって、図1は組立状態の背面側を示した斜視図、図2はその分離状態を示した斜視図、図3は組立状態の正面側を示した図、図4はその背面側を示した図、図5は同左側の状態を示した図である。また、図6は使用状態を例示した正面図である。
【0015】
該第1実施例に示した樹脂製クリップは、トーモロコシや芋類から生成した植物澱粉を主原料として乳酸菌を混合して得た天然高分子系の生分解性プラスチックを成型素材として、クリップ本体1とクリップ操作体2の二つの成形部材を、例えば射出成形機のような樹脂成形手段によって成形する。
【0016】
このクリップ本体1は、図にみられるように、上下長の長方形とした板状体であって、図6にみられるように、首掛け用の吊下げリボンrを通す横長穴50を上部に備え、中程から上方部分にかけて正面視上下逆U字形の切り溝32を有し、その内部の爪状部分が、図5のように、基部31から背面側に向かって斜め上方に突出する 弾性片30としてある。また、下方部分には、下端部41から前面側に突出した後上方に向かって突出するフック体40を備え、更に、背面側において、上下方向ほぼ中間部分の左右両側に背面側に向かって突出する板状の突起13,13を備え、そのほぼ中央部分に厚さ方向に貫通するピン係合孔11,11が形成されている。また、これらの突起13,13は、突起13,13どうしの対向面の上半部を上側ほど薄肉となるように斜めカット16,16してある。即ち、両突起13,13どうしの対向面間の間隔が上側ほど広くなるようにしてある。
【0017】
また、この実施例に示したクリップ操作体2は、左右幅をクリップ本体1よりも少し細幅とし、上下を円弧状とした上下長の長円形板状体であって、図5のように、上下方向ほぼ中間部を屈曲点として側面視で略くの字形に形成してあり、この屈曲点の両側に横幅方向の外側に向かって、即ち、図において左右方向の外側に向かって突出する係合ピン21,21を形成してある。そして、この係合ピン21,21も前記突起13,13と対向する面の先端部を斜めカット26,26して、先端側ほど薄肉となる傾斜面を備えているものとしてある。
【0018】
このような構造としてあるクリップ本体1とクリップ操作体2とを組み付けるには、図2に示したように、クリップ本体1の背面側に突出させた突起13,13の斜めカット16,16してあるカット面に対して、クリップ操作体2の係合ピン21,21の斜めカット26,26してあるカット面を当て付けて上方からクリップ操作体2を押圧するという操作によって、カット面どうしが接当して突起13,13を瞬間的に押し広げながらピンが押し込まれてピン係合孔11,11の部分に至ると突起13,13の復元力によってピン係合孔11,11と自動的に嵌合することとなる。このように、クリップ本体1に対するクリップ操作体2の押し付けという極めて単純なワンタッチ操作によって、図1に示したように、両クリップ体1,2の組み付けを完了させることができる。
【0019】
この組み付け状態において、クリップ本体1から背面側に向かって斜め上方向に突出させてある弾性片30が、この実施例では図5に示したクリップ操作体2のクリップ本体1側の面に形成した接当突部33と、弾性的に初期応力が付与された状態で接当する。このことによって、クリップ本体1とクリップ操作体2とは、常時その下方部分15,25が弾性的に圧接し挟持力を付与された状態を維持する。
【0020】
このようにしたクリップを使用する例としては、図6に示したように、クリップ本体1の上方部分に形成してある横長穴50に首掛け用の吊下げリボンrを通し、下方のに突出させたフック体40にネームカードCの切り抜き穴cを通して吊り下げ状とし、首から吊り下げて使用することができる。
【0021】
図7乃至図9は本願発明にいうところの樹脂製クリップの第2実施例を示したものであって、このクリップは前記第1実施例に示したクリップ本体1の形状を、首掛け用の吊下げリボンrを通す穴50を備えていないものとし、上下長さを少し小さくした実施例について示したものである。また、この実施例に示したクリップの弾性片30は、図9に示したように、弾性片30がその上端部に背面側に向かって突出する接当突部33を備えている構造としたものである。その他の構造については、前記第1実施例に準じた構造としたものである。
【0022】
本願発明にいうところの樹脂製クリップは、このような構造として実施することができるものであって、図示は省略するが、使用に当たって下方前面のフック体40に、例えば携帯電話機のストラップを吊り下げ、クリップを洋服やシャツの胸ポケットに取り付けて係止しておくことによって、胸ポケット等から電話機等が滑り落ちようとした場合でも、クリップによって、落下を未然に防止できるようにして使用することができる。
【0023】
図10,11及び12の一部は、クリップ本体1の変形例について示したもので、ここに示したクリップ本体1は、フック体40に対応するクリップ本体1の壁面に貫通穴43を形成してフック体40の背面側を金型成形することによって表裏の二面型で成形できる構造としたものである。
【0024】
図12及び図13は、第3実施例及び第4実施例のクリップを示したものであって、図12のクリップは、弾性片30の側面視形状を弧状とし、その先端部をクリップ操作体2に接当する接当突部33としたものであり、図13に示したクリップは、弾性片30のクリップ本体1からの背面側への突出角度を、組立姿勢におけるクリップ操作体2の上半部の傾斜角よりも大きい角度とし、その先端部をクリップ操作体2に接当する接当突部33としたものであ
【0025】
図14乃至図16は、本願発明にいうところの樹脂製クリップの第5実施例を示したもので、クリップ本体1の形状とクリップ操作体2の形状とを同形同大の縦長長方形状のものとし、クリップ本体1がその長手方向ほぼ中間部の両側に横外側に向かって突出する係合ピン12,12を備え、クリップ操作体2が長手方向ほぼ中間部の両側に該係合ピン12,12と係合するピン係合孔22,22を有する突起23,23をクリップ本体1側に向かって突出させてある構造としたものである。また、該実施例に示したクリップは、クリップ操作体2側からクリップ本体1に向かって斜め上方に向かって突出する弾性片30を備えているものとし、その上端にクリップ本体1側に向かって突出する接当突部33を有するものとしたものである。
【0026】
図17、18,19及び20は、それぞれ第6,第7,第8及び第9実施例のクリップを示したものであって、図17に示したクリップは、クリップ本体1とクリップ操作体2とを共に側面視形状において、上下方向中間部から屈曲し上半部が外広がりとなるくの字形に形成してある構造としたものであり、その他の構造は前記第5実施例と同様の構造としたものである。
【0027】
図18に示したクリップは、クリップ本体1とクリップ操作体2との両方から斜め上方に向かって突出する弾性片30,30を備えたものとし、その上端部分どうしが互いに接当する構造としたものであり、図19に示したクリップは、両体1,2から斜め上方に向かって突出した弾性片30,30がそれぞれ上端部に互いに相手方の方向に突出する突出端部を有している構造としたものである。
【0028】
更に、図20に示したクリップは、弾性片30を、クリップ操作体2側から(クリップ本体1側からでもよい)上側を連接基点として一旦下降した後折り返して上昇する形状、即ち側面視で略U字形若しくはV字形となる弾性片30をクリップ操作体2と一体的に連接形成してある構造としたものである。そして、このU字形若しくはV字形とした弾性片30の遊端側の上端部がクリップ本体1の背面と接触するようにしたものである。このようにすることによって、クリップ操作体2と連接する基点部分から折り返した後の遊端側上端部までの弾性片30の全体が弾性反発体として作用するようにしたものである。
【0029】
以上本発明の代表例と思われる実施例について説明したが、本発明の樹脂製クリップはこれらの各実施例構造のもののみに限定されるものではなく、本発明にいう構成要件を備え、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の樹脂製クリップは、最低部材としての二つの成形部材のみによって形成してあるので、極めて廉価に市場に提供できるため、使い捨てのクリップとして重宝に使用することができ、市場において大いに注目され利用されるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施例のクリップの背面側を示す斜視図。
【図2】同クリップの分解状態を示す斜視図。
【図3】同クリップの正面図。
【図4】同クリップの背面図。
【図5】同クリップの側面図。
【図6】同クリップの使用状態を示す正面図。
【図7】第2実施例のクリップを示す正面図。
【図8】同クリップの背面図。
【図9】同クリップの側面図。
【図10】第1実施例におけるクリップ本体の変形例を示す正面図。
【図11】同クリップ本体の背面図。
【図12】第3実施例のクリップを示す一部破断側面図。
【図13】第4実施例のクリップを示す側面図。
【図14】第5実施例のクリップを示す正面図。
【図15】同クリップの背面図。
【図16】同クリップの側面図。
【図17】第6実施例のクリップを示す側面図。
【図18】第7実施例のクリップを示す側面図。
【図19】第8実施例のクリップを示す側面図。
【図20】第9実施例のクリップを示す一部破断側面図。
【符号の説明】
【0032】
1 クリップ本体
11 ピン係合孔
12 係合ピン
13 突起
14 上半部
15 挟持部
2 クリップ操作体
21 係合ピン
22 ピン係合孔
23 突起
24 上半部
25 挟持部
30 弾性片
31 基部
40 フック体
41 連接部
42 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製のクリップ本体1と、同じく樹脂製のクリップ操作体2との二つの成形部材からなり、これら両部材1,2の何れか一方が長手方向ほぼ中間部の両側にピン係合孔11,11を有する突起13,13または係合ピン12,12を備え、何れか他方が長手方向ほぼ中間部の両側に前記ピン係合孔11,11と係合する係合ピン21,21または前記係合ピン12,12と係合するピン係合孔22,22を有する突起23,23を備え、かつ、これら両部材1,2の何れか一方が平板状で他方が側面視くの字形に形成されているか、双方1,2が側面視くの字形に形成され、更に、これら両部材1,2の何れか一方
または両方
が基部31から背面側に向かって斜め方向に突出する弾性片30を備え、更には、これら両部材1,2の何れか一方が連接部41を下側にして上方に向かって開口42するフック体40を備え、前記ピン係合孔11,22と係合ピン12,21との係合姿勢において、前記弾性片30が両部材1,2間に位置し、他方の部材1,2の上半部14,24と接当し両部材1,2における下方の挟持部15,25を弾性的に圧接させ、前記フック体40が外側に向かって突出する構造とされている樹脂製クリップ。
【請求項2】
樹脂製のクリップ本体1と、同じく樹脂製のクリップ操作体2との二つの成形部材からなり、これら両部材1,2の何れか一方が長手方向ほぼ中間部の両側にピン係合孔11,11を有する突起13,13を備え、何れか他方が長手方向ほぼ中間部の両側に前記ピン係合孔11,11と係合する係合ピン21,21を備え、かつ、前記クリップ本体1がほぼ平板状で前記クリップ操作体2が側面視くの字形に形成され、更に、前記クリップ本体1が基部31から背面側に向かって斜め上方向に突出する弾性片30を備え、更には、該クリップ本体1が該弾性片30の突出方向の面とは反対側の面において下端を連接部41として上方に向かって開口42するフック体40を備え、前記ピン係合孔11と係合ピン21との係合姿勢において、前記弾性片30がクリップ操作体2の上半部と接当し、両部材1,2における下方の挟持部15,25を弾性的に圧接させ、前記フック体40が外側に向かって突出する構造とされている樹脂製クリップ。
【請求項3】
クリップ体1,2が、セルロース,リグニン,トーモロコシや芋類から形成した植物澱粉などを主原料とした天然高分子系の生分解性プラスチック、微生物が生産した有機酸を利用した微生物系の生分解性プラスチック、アミノ酸,糖,ポリエステルなどの原料を醗酵させたバイオケミカル高分子系の生分解性プラスチックの何れかによって成形したものである請求項1または2に記載の樹脂製クリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−316952(P2006−316952A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142274(P2005−142274)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(390027915)ナックス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】