説明

機器、画像形成装置

【課題】 取っ手によって複数台の機器を連結した状態で輸送するのでぶつかり合って破損することを防ぐことができるようにする。
【解決手段】 スライド式の取っ手4を備え、画像形成装置10を運搬する状態では、画像形成装置10から4個の取っ手4を引き出し、運搬操作者が手で持ち上げ、降ろす、移動させる等の操作を行う。画像形成装置10は、同じ側面についている取っ手4のうち、片方の取っ手4aは先端部が細くなっており、他方の取っ手4bは太くかつ中空で、対向する取っ手4aを内部に差し込むことができる。トラック等で複数の画像形成装置10を輸送する際には、取っ手4で複数の画像形成装置を列状に連結する一方で、連結していない画像形成装置10同士の間に緩衝材を入れてぶつかり合うことを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置、その他の例えば比較的重量の大きい機器に関し、運搬用の取っ手を備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機等の画像形成装置をリサイクルするために、ユーザーから回収して回収センターへ、回収センターから再生センターへと画像形成装置の輸送を行っている。このようなリサイクルのために輸送される画像形成装置等は、新品の画像形成装置機とは異なり、輸送の際には梱包されずにほぼ裸荷同然の状態で輸送されているのが実情である。そのため輸送中に隣り合った画像形成装置同士がぶつかり合い、外装カバーにキズがついたり、手差しユニットや両面ユニット等のオプション類が破損してしまったりして、リサイクルする上での大きな妨げになっている。
【0003】
そこで複数の画像形成装置を連結し、輸送中に機械同士がぶつかり合うことを防止する方法が提案されている(特許文献1ないし4参照)。
【特許文献1】特開2001−337500号公報
【特許文献2】特開2003−226355号公報
【特許文献3】特開2002−255232号公報
【特許文献4】特開2001−114330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の方法は、いずれの方法もネジよりもコストの高い連結部材が必要になるため、リサイクルが高コストになり、解決が望まれていた。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点にかんがみ、輸送中に機械同士がぶつかり合って破損しないように連結すること可能ととする機器や、複写機等の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る機器は、持ち上げ用の取っ手を複数個有する機器において、前記取っ手が他の機器との連結手段を兼ねることを特徴とする。
【0007】
同請求項2に係るものは、請求項1の機器において、前記取っ手を少なくとも形状の異なる2種類有することを特徴とする。
【0008】
同請求項3に係るものは、請求項2の機器において、一方の種類の取っ手の形状を、前記形状の異なる他の種類の取っ手を差し込み可能として前記連結手段を構成してなることを特徴とする。
【0009】
同請求項4に係るものは、請求項1ないし3のいずれかの機器において、対角線上に位置する取っ手の形状を同一としてなることを特徴とする。
【0010】
同請求項5に係るものは、請求項1ないし4のいずれかの機器において、前記取っ手がネジ穴を有することを特徴とする。
【0011】
同請求項6に係るものは、請求項5の機器において、前記ネジ穴を複数個有することを特徴とする。
【0012】
同請求項7に係るものは、請求項1ないし6のいずれかの機器において、前記取っ手を機器本体に対して出没可能に設けたことを特徴とする。
【0013】
同請求項8に係るものは、請求項1ないし7のいずれかの機器において、前記複数の取っ手を連結対象とする他の機器の複数の取っ手と同じ配置に備えることを特徴とする。
【0014】
同請求項9に係るものは、請求項8の機器において、前記複数の取っ手を連結対象とする他の機器の複数の取っ手と同じ高さ位置に備えることを特徴とする。
【0015】
同請求項10に係るものは、請求項8または9の機器において、前記複数の取っ手を連結対象とする他の機器の取っ手と同じ幅寸法で配置して備えることを特徴とする。
【0016】
同請求項11に係る画像形成装置は、請求項1ないし10のいずれかの機器を含んでなることを特徴とする。
【0017】
同請求項12に係るものは、請求項1ないし10のいずれかの機器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の機器は、取っ手によって複数台の機器を連結した状態で輸送するのでぶつかり合って破損することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明を実施するための最良の形態を、図に示す実施例を参照して説明する。なお以下では、
【実施例1】
【0020】
図1はスライド式の取っ手を有する画像形成装置の運搬状態を示す斜視図である。この画俊形成装置10は、画像読取部1、給紙部2、画像形成部3等からなり、4本の取っ手4を備えている。取っ手4は、長尺棒状(例えば、板金を断面コ字状に加工したもの)であり、図示は省略するが、画像形成装置10の本体内の適所、例えば給紙部2と画像形成部3間の間隙に出没可能となるように支持してある。即ち、取っ手4が画像形成装置10から外方へ突出することにより、運搬時にこれを把持して使用可能となる。もちろん取っ手4の配置場所は、図示の位置に限定されるわけではない。また本発明は引き出し式の取っ手だけでなく、その他の構造の取っ手についても適用できるので、図に示す構造のものには限定されない。
【0021】
上述した取っ手4を利用して画像形成装置10を運搬する状態では、図示のように画像形成装置10から4個の取っ手4を引き出し、運搬操作者が手で持ち上げ、降ろす、移動させる等の操作を行う。なお図示の例では、取っ手4の向きを、画像形成装置10の手前側に設けてある操作部1a側に位置する2個については、断面コ字状の取っ手4が横向きとなるように、また画像形成装置10の奥側のものについては取っ手4が上向きとなるように設けてあるが、後述もするように、取っ手4は特にこのような向きに設けなければならないと言うわけではない。
【0022】
図2は本発明に係る機器の第1実施例を示す図で、図1に示したような画像形成装置10を一対組み合わせるように配した状態の平面図(A)と、それら画像形成装置10が有する取っ手4を拡大して示す斜視図(B)である。なお取っ手4はそれぞれの画像形成装置10の一側のみを引き出した状態で示してある。図示のように、本実施例の画像形成装置10は、同じ側面についている取っ手4のうち、片方の取っ手4aは先端部が細くなっており、他方の取っ手4bは太くかつ中空で、対向する取っ手4aを内部に差し込むことができるようになっている。
【0023】
図3は、図2に示した構造の画像形成装置10の取っ手4a、4bを連結した状態を真上から見た平面図である。トラック等で複数の画像形成装置10を輸送する際には、図示のように複数の画像形成装置を列状に連結する一方で、連結していない画像形成装置10同士の間(図示の例では連結していない画像形成装置の列の間)に緩衝材11を間に入れ、連結されていない画像形成装置10同士あるいは画像形成装置の列同士がぶつかり合って破損することを防ぐ。
【0024】
なお取っ手4a、4bにはそれぞれ複数個のネジ穴12が開けてある。取っ手4a、4bのネジ穴12の位置、間隔はもちろん対応させてあり、図4に示すように、画像形成装置10に装着してあるオプション(手差しユニット13や両面ユニット14等)に応じて、すなわちサイズ等に応じて取っ手4a、4bの連結する長さを調節し、ネジで固定するを変えることにより、最適な連結を行えるようになっている。
【実施例2】
【0025】
図5は本発明の第2実施例を示す図で、異なる種類の画像形成装置10a、10bを並べて真上から見た平面図(A)と真横から見たと側面図(B)である。図示のように、異なる種類の画像形成装置10a、10bが、取っ手4の幅方向での間隔(a、a’)と高さ(b、b’)が等しく(a=a’、b=b’)なっている。このような構成とすれば、先の実施例と同様に複数の画像形成装置を連結して搬送できる。
【実施例3】
【0026】
図6は本発明の第3実施例を示す図で、複数の(図では3台の)画像形成装置10を並べて真上から見た平面図である。画像形成装置10が異なる種類のものであっても、あるいは同一の種類のものであっても、図示のように取っ手4a、4bの配置を等しくして、機械を同じ向きに並べれば連結することができるようになっている。すなわち、取っ手4a、4bを引き出して、太い、細い等の取っ手の種類の確認をしなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】スライド式の取っ手を有する画像形成装置の運搬状態を示す斜視図
【図2】図2は本発明に係る機器の第1実施例を示す図
【図3】図2に示した構造の画像形成装置の連結状態の平面図
【図4】図2に示した構造の画像形成装置のオプションに応じて連結する長さを調節た状態の平面図
【図5】本発明の第2実施例を示す図
【図6】本発明の第3実施例を示す図
【符号の説明】
【0028】
1 画像読取部
1a 操作部
2 給紙部
3 画像形成部
4、4a、4b 取っ手
10、10a、10b 画像形成装置
11 緩衝材
12 ネジ穴
13 手差しユニット
14 両面ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち上げ用の取っ手を複数個有する機器において、前記取っ手が他の機器との連結手段を兼ねることを特徴とする機器。
【請求項2】
請求項1の機器において、前記取っ手を少なくとも形状の異なる2種類有することを特徴とする機器。
【請求項3】
請求項2の機器において、一方の種類の取っ手の形状を、前記形状の異なる他の種類の取っ手を差し込み可能として前記連結手段を構成してなることを特徴とする機器。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかの機器において、対角線上に位置する取っ手の形状を同一としてなることを特徴とする機器。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの機器において、前記取っ手がネジ穴を有することを特徴とする機器。
【請求項6】
請求項5の機器において、前記ネジ穴を複数個有することを特徴とする機器。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかの機器において、前記取っ手を機器本体に対して出没可能に設けたことを特徴とする機器。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかの機器において、前記複数の取っ手を連結対象とする他の機器の複数の取っ手と同じ配置に備えることを特徴とする機器。
【請求項9】
請求項8の機器において、前記複数の取っ手を連結対象とする他の機器の複数の取っ手と同じ高さ位置に備えることを特徴とする機器。
【請求項10】
請求項8または9の機器において、前記複数の取っ手を連結対象とする他の機器の取っ手と同じ幅寸法で配置して備えることを特徴とする機器。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかの機器を含んでなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1ないし10のいずれかの機器であることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−60529(P2006−60529A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240389(P2004−240389)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】