説明

機器制御システム、制御装置、電気機器、及び機器制御方法

【課題】多種多様な電気機器に対して運転状態確認を適切に行うことができるようにする。
【解決手段】スマートゲートウェイ200と、スマートゲートウェイ200により指示される動作を実行するHP給湯器320と、を有する機器制御システムにおいて、HP給湯器320は、HP給湯器320に係る複数の運転状態を管理しており、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320に対して動作を指示した後、HP給湯器320の運転状態をHP給湯器320に問い合わせ、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からの状態問い合わせに応じて、管理している全ての運転状態をスマートゲートウェイ200に通知し、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320から全ての運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、指示した動作に関連する運転状態を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理を行うための機器制御システム、制御装置、電気機器、及び機器制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の観点から省エネルギー(省電力)に対する関心が高まっており、住宅単位で電力管理を行うためのHEMS(Home Energy Managemant System)や、ビル単位で電力管理を行うためのBEMS(Building Energy Managemant System)といった電力管理システムが注目されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような電力管理システムは、省電力を実現するために、住宅内又はビル内の各電気機器との通信を行うことによって、各電気機器の運転状態を監視(及び表示)したり、各電気機器の動作を制御したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−259125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力管理システムは、電気機器に対して動作を指示した後、当該動作に関連する電気機器の運転状態を確認できることが望ましい。
【0006】
しかしながら、電力管理システムは多種多様な電気機器を電力管理の対象とする必要があるものの、電気機器の運転状態を確認するための通信手順は確立されていないのが現状であり、電力管理システムが電気機器の運転状態確認を適切に行うことができない問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、多種多様な電気機器に対して運転状態確認を適切に行うことができる機器制御システム、制御装置、電気機器、及び機器制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
まず、本発明に係る機器制御システムの特徴は、電力管理を行うための機器制御システムであって、制御装置(スマートゲートウェイ200)と、前記制御装置により指示される動作を実行する電気機器(HP給湯器320)と、を有し、前記電気機器は、前記電気機器に係る複数の運転状態を管理しており、前記制御装置は、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせ、前記電気機器は、前記制御装置からの状態問い合わせに応じて、管理している全ての運転状態を前記制御装置に通知し、前記制御装置は、前記電気機器から前記全ての運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得することを要旨とする。
【0009】
このような特徴によれば、制御装置は、取得したい運転状態を指定して問い合わせる必要がなく、かつ電気機器は、管理している複数の運転状態の中から指定された運転状態を選別して通知する必要がない。よって、運転状態確認の通信手順を共通化することができるため、多種多様な電気機器に対して運転状態確認を適切に行うことができる。
【0010】
本発明に係る機器制御システムの他の特徴は、上記特徴において、電力管理を行う管理装置(HEMS100)をさらに有し、前記管理装置は、前記電気機器に対する動作要求を前記制御装置に送信し、前記制御装置は、前記動作要求を受信すると、該受信した動作要求により要求される動作を前記電気機器に指示し、前記制御装置は、前記電気機器から前記複数の運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得して、該取得した運転状態を前記管理装置に通知することを要旨とする。
【0011】
本発明に係る機器制御システムの他の特徴は、上記特徴において、前記管理装置は、前記電気機器に対する状態確認を前記制御装置に送信し、前記制御装置は、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記管理装置から前記状態確認を受信したことに応じて、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせることを要旨とする。
【0012】
本発明に係る機器制御システムの他の特徴は、上記特徴において、前記制御装置は、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記管理装置から状態確認を受信しない場合であっても、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に自律的に問い合わせることを要旨とする。
【0013】
本発明に係る機器制御システムの他の特徴は、上記特徴において、前記制御装置は、前記電気機器から通知される運転状態に基づいて、前記管理装置から受信した前記動作要求により要求される動作を維持不能であると判定した場合に、警報情報を前記管理装置に送信することを要旨とする。
【0014】
本発明に係る機器制御システムの他の特徴は、上記特徴において、前記制御装置は、正常状態に復帰し得る異常の発生を示す警告情報を前記電気機器から受信すると、前記電気機器を初期化するための初期化指示を前記電気機器に送信し、前記制御装置は、前記初期化指示を送信した後、前記電気機器が正常状態に復帰しないと判定した場合に、警報情報を前記管理装置に送信することを要旨とする。
【0015】
本発明に係る機器制御システムの他の特徴は、上記特徴において、前記制御装置は、正常状態に復帰不能な異常の発生を示す異常報告を前記電気機器から受信すると、前記電気機器に異常が発生した旨を前記管理装置に報告することを要旨とする。
【0016】
本発明に係る制御装置の特徴は、電力管理を行うための機器制御システムにおいて、電気機器(HP給湯器320)に対して動作を指示する制御装置(スマートゲートウェイ200)であって、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせる問い合わせ部(制御部240)と、前記電気機器が管理している全ての運転状態を前記電気機器から通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得する取得部(制御部240)と、を有することを要旨とする。
【0017】
本発明に係る電気機器の特徴は、電力管理を行うための機器制御システムにおいて、制御装置(スマートゲートウェイ200)により指示される動作を実行する電気機器(HP給湯器320)であって、前記電気機器に係る複数の運転状態を管理する管理部(制御部323)と、前記制御装置からの状態問い合わせに応じて、前記管理部が管理している全ての運転状態を前記制御装置に通知する通知部(制御部323)と、を有することを要旨とする。
【0018】
本発明に係る機器制御方法の特徴は、電力管理を行うための機器制御方法であって、制御装置が、電気機器に対して動作を指示する工程と、前記電気機器が、前記制御装置により指示される動作を実行する工程と、前記電気機器が、前記電気機器に係る複数の運転状態を管理する工程と、前記制御装置が、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせる工程と、前記電気機器が、前記制御装置からの状態問い合わせに応じて、管理している全ての運転状態を前記制御装置に通知する工程と、前記制御装置が、前記電気機器から前記全ての運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得する工程と、を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、多種多様な電気機器に対して運転状態確認を適切に行うことができる機器制御システム、制御装置、電気機器、及び機器制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る機器制御システムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスマートゲートウェイのブロック構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るHP給湯器のブロック構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るHP給湯器が送信する状態通知のメッセージ構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るHP給湯器が送信する状態通知のメッセージ構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るHP給湯器のON/OFF動作時のシーケンス図である。
【図7】本発明の実施形態に係るHP給湯器の沸き上げ温度設定時のシーケンス図である。
【図8】本発明の実施形態に係るHP給湯器の沸き上げ開始時のシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態に係るHP給湯器の沸き上げ中のシーケンス図である。
【図10】本発明の実施形態に係るHP給湯器の沸き上げ停止時のシーケンス図である。
【図11】本発明の実施形態に係るHP給湯器の沸き上げ終了時のシーケンス図である。
【図12】本発明の実施形態に係る警報処理時のシーケンス図である。
【図13】本発明の実施形態に係る警報処理時のシーケンス図である。
【図14】本発明の実施形態に係る異常処理時のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明の実施形態について、(1)機器制御システムの構成、(2)スマートゲートウェイの構成、(3)HP給湯器の構成、(4)状態通知メッセージの構成、(5)電力制御システムの動作、(6)実施形態の効果、(7)その他の実施形態の順に説明する。以下の実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0022】
(1)機器制御システムの構成
図1は、本実施形態に係る機器制御システムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る機器制御システムは、電力会社の電力系統1から電力の供給を受ける需要家(家庭)内に構築されるものであって、HEMS100と、スマートゲートウェイ200と、ハイブリッドコントローラ310と、ヒートポンプ(HP)給湯器320と、エアコン330と、冷蔵庫340と、LED照明350と、スマートメータ410と、太陽電池(PV)420と、蓄電池430と、配電盤440とを有する。
【0023】
HEMS100は、省電力を実現するために、住宅内の各電気機器(ハイブリッドコントローラ310、HP給湯器320、エアコン330、冷蔵庫340、LED照明350)の運転状態を監視及び表示したり、当該各電気機器の動作を制御したりする。本実施形態においてHEMS100は管理装置に相当する。また、HEMS100は、各電気機器の運転スケジュールを決定し、当該運転スケジュールに従った制御を行う。
【0024】
スマートゲートウェイ200は、HEMS100と接続されると共に、住宅内の各電気機器と接続される。スマートゲートウェイ200は、HEMS100からの要求に従って住宅内の各電気機器を制御する機能と、各電気機器の運転状態を取得してHEMS100に通知する機能とを有する。HEMS100は、スマートゲートウェイ200に対して、抽象化された要求(コマンド)を行えばよく、各電気機器の個別具体的な制御はスマートゲートウェイ200が行うことになる。これにより、HEMS100の負荷が軽減される。
【0025】
ハイブリッドコントローラ310は、PV420の発電及び蓄電池430の放電により得られた直流電力を交流に変換して配電盤440に出力する機能と、電力系統1から配電盤440を介して入力される交流電力を直流に変換して蓄電池430に供給(充電)する機能とを有する。
【0026】
ハイブリッドコントローラ310、HP給湯器320、エアコン330、冷蔵庫340、及びLED照明350のそれぞれは、配電盤440からの交流電力によって動作する電気機器である。HP給湯器320、エアコン330、冷蔵庫340、及びLED照明350のそれぞれは、通信機能を有しており、スマートゲートウェイ200との通信を行う。以下の説明においては、これらの電気機器の代表としてHP給湯器320を主として説明する。
【0027】
スマートメータ410は、電力使用状況を計測してHEMS100に通知する機能と、ネットワークから電気料金情報を取得してHEMS100に通知する機能とを有する。
PV420は、太陽光を受けて発電する。蓄電池430は、電力を蓄えるものであり、ハイブリッドコントローラ310により充放電が制御される。配電盤440は、ハイブリッドコントローラ310が出力する交流電力と電力系統1から入力(買電)された交流電力を各電気機器に配分する機能と、ハイブリッドコントローラ310が出力する交流電力を電力系統1に出力(売電)する機能とを有する。
【0028】
(2)スマートゲートウェイの構成
図2は、スマートゲートウェイ200のブロック構成図である。
図2に示すように、スマートゲートウェイ200は、第1通信部210と、第2通信部220と、記憶部230と、制御部240とを有する。
第1通信部210は、HEMS100との通信を行うための通信インターフェイスである。第2通信部220は、各電気機器との通信を行うための通信インターフェイスである。
【0029】
記憶部230は、例えばメモリ等を用いて構成されており、スマートゲートウェイ200の制御等に使用される各種情報を記憶する。制御部240は、例えばCPU等を用いて構成されており、スマートゲートウェイ200の各種機能を制御する。本実施形態において、制御部240は、電気機器に対して運転状態を問い合わせる問い合わせ部としての機能と、及び電気機器の運転状態を取得する取得部としての機能とを有する。
【0030】
(3)HP給湯器の構成
図3は、HP給湯器320のブロック構成図である。
図3に示すように、HP給湯器320は、通信部321と、記憶部322と、制御部323と、圧縮機324と、電気ヒーター(ブースターヒーター)325と、温度計326と、ポンプ327とを有する。
【0031】
通信部321は、スマートゲートウェイ200との通信を行うための通信インターフェイスである。
【0032】
記憶部322は、例えばメモリ等を用いて構成されており、HP給湯器320の制御等に使用される各種情報を記憶する。また、記憶部322は、HP給湯器320に係る複数の運転状態を記憶する。本実施形態では、複数の運転状態は、異常の有無、圧縮機324の運転有無(運転中又は停止)、凍結防止運転の運転有無(運転中又は停止)、電気ヒーター325の運転有無(運転中又は停止)、ポンプ327の運転有無(運転中又は停止)、殺菌運転の状態(運転中又は停止)、給湯設定温度、給油タンク内温度、外気温度を含む。
【0033】
制御部323は、例えばCPU等を用いて構成されており、HP給湯器320の各種機能を制御する。制御部323は、スマートゲートウェイ200から指示された動作を実行するよう制御する。また、制御部323は、HP給湯器320に係る複数の運転状態を管理する管理部としての機能と、スマートゲートウェイ200からの状態問い合わせに応じて、管理している全ての運転状態をスマートゲートウェイ200に通知する通知部としての機能を有する。HP給湯器320に係る複数の運転状態の管理とは、制御部323が、HP給湯器320の各ブロックの状況を取得して、記憶部322に記憶されている複数の運転状態を適宜更新することを指す。
【0034】
圧縮機324及びポンプ327はヒートポンプ(HP)による沸き上げ動作を行うものであり、電気ヒーター325は急速沸き上げ動作を行うためのものである。温度計326は、給湯設定温度、給油タンク内温度、外気温度を計測する。
【0035】
(4)状態通知メッセージの構成
図4及び図5は、HP給湯器320が送信する状態通知のメッセージ構成例を示す図である。状態通知は、スマートゲートウェイ200からの状態問い合わせに応じてHP給湯器320がスマートゲートウェイ200に送信するものである。
【0036】
図4に示すように、状態通知メッセージは、本メッセージが状態通知に関するものであることを示すコマンドフィールドと、HP給湯器320に係る複数の運転状態毎に設けられたデータフィールドとを有する。データフィールドにはデータ1〜データ8がある。
【0037】
図5に示すように、データ1は正常/異常を示し、データ2は圧縮機運転中/停止中を示し、データ3は凍結防止運転・電気ヒーター(ブースターヒーター)・ポンプ・殺菌運転の各運転の運転中/停止中を示し、データ4は給湯設定温度を示し、データ5は給湯タンク内温度の小数部を示し、データ6は給湯タンク内温度の整数部を示し、データ7は外気温度の小数部を示し、データ8は外気温度の整数部を示す。
【0038】
(5)電力制御システムの動作
次に、図6〜図14を参照して、HEMS100、スマートゲートウェイ200、及びHP給湯器320の動作を説明する。
【0039】
図6は、HP給湯器320のON/OFF動作時のシーケンス図である。
ON動作時においては、図6に示すように、ステップS11において、HEMS100は、HP給湯器320に対するON要求をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0040】
ステップS12において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からのON要求に応じて、コントロール有効指示をHP給湯器320に送信する。
【0041】
ステップS13において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からのコントロール有効指示を正常に受信すると、正常受信の旨の通知をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0042】
ステップS14において、スマートゲートウェイ200は、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。ここで、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320に対する状態確認をHEMS100から受信しなくても状態問い合わせをHP給湯器320に送信することに留意すべきである。
【0043】
ステップS15において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320からの状態通知を受信すると、状態通知に含まれる正常/異常(データ1)を取得する。ここでは、正常/異常(データ1)が正常を示すものとする。
【0044】
ステップS16において、HEMS100は、HP給湯器320に対する状態確認をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0045】
ステップS17において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100から受信した状態確認に応じて、ステップS15で取得したデータ1を示すON通知をHEMS100に送信する。
【0046】
OFF動作時においては、図6に示すように、ステップS21において、HEMS100は、HP給湯器320に対するOFF要求をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0047】
ステップS22において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からのOFF要求に応じて、コントロール無効指示をHP給湯器320に送信する。
ステップS23において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からのコントロール無効指示を正常に受信すると、正常受信の旨の通知をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0048】
ステップS24において、HEMS100は、HP給湯器320に対する状態確認をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0049】
ステップS25において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100から受信した状態確認に応じて、OFF通知をHEMS100に送信する。
【0050】
図7は、HP給湯器320の沸き上げ温度設定時のシーケンス図である。
図7に示すように、ステップS31において、HEMS100は、HP給湯器320に対する沸き上げ温度設定要求をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0051】
ステップS32において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からの沸き上げ温度設定要求に応じて、沸き上げ温度を設定するための設定温度指示をHP給湯器320に送信する。
【0052】
ステップS33において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からの設定温度指示を正常に受信すると、正常受信の旨の通知をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0053】
ステップS34において、スマートゲートウェイ200は、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。ここで、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320に対する状態確認をHEMS100から受信しなくても状態問い合わせをHP給湯器320に送信することに留意すべきである。
【0054】
ステップS35において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320からの状態通知を受信すると、状態通知に含まれる給湯設定温度(データ4)を取得する。
【0055】
ステップS36において、HEMS100は、HP給湯器320に対する状態確認をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0056】
ステップS37において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100から受信した状態確認に応じて、ステップS35で取得したデータ4を示す沸き上げ温度通知をHEMS100に送信する。
【0057】
図8は、HP給湯器320の沸き上げ開始時のシーケンス図である。
図8に示すように、ステップS41において、HEMS100は、HP給湯器320に対する沸き上げ開始要求をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0058】
ステップS42において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からの沸き上げ開始要求に応じて、沸き上げ開始指示(給湯運転指示)をHP給湯器320に送信する。
【0059】
ステップS43において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からの給湯運転指示を正常に受信すると、正常受信の旨の通知をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0060】
ステップS44において、スマートゲートウェイ200は、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。ここで、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320に対する状態確認をHEMS100から受信しなくても状態問い合わせをHP給湯器320に送信することに留意すべきである。
【0061】
ステップS45において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320からの状態通知を受信すると、状態通知に含まれるデータ2及びデータ3を取得する。
【0062】
ステップS46において、HEMS100は、HP給湯器320に対する状態確認をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0063】
ステップS47において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100から受信した状態確認に応じて、ステップS45で取得したデータ2及びデータ3を示す沸き上げ開始通知をHEMS100に送信する。
【0064】
図9は、HP給湯器320の沸き上げ中のシーケンス図である。
図9に示すように、ステップS51において、HEMS100は、HP給湯器320に対する状態確認をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0065】
ステップS52において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からの状態確認に応じて、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。
【0066】
ステップS53において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320からの状態通知を受信すると、状態通知に含まれるデータ2〜6を取得し。タンク内温度が設定値より低いことと、圧縮器または、電気ヒータが運転中であることを確認する。
【0067】
ステップS54において、スマートゲートウェイ200は、ステップS53で取得したデータ2〜6に基づく沸き上げ中通知をHEMS100に送信する。
【0068】
図10は、HP給湯器320の沸き上げ停止時のシーケンス図である。
図10に示すように、ステップS61において、HEMS100は、HP給湯器320に対する沸き上げ停止要求をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0069】
ステップS62において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からの沸き上げ停止要求に応じて、沸き上げ停止指示をHP給湯器320に送信する。
【0070】
ステップS63において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からの沸き上げ停止指示を正常に受信すると、正常受信の旨の通知をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0071】
ステップS64において、スマートゲートウェイ200は、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。ここで、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320に対する状態確認をHEMS100から受信しなくても状態問い合わせをHP給湯器320に送信することに留意すべきである。
【0072】
ステップS65において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320からの状態通知を受信すると、状態通知に含まれるデータ2〜4を取得し、圧縮機と電気ヒータが停止したことを確認する。
【0073】
ステップS66において、スマートゲートウェイ200は、ステップS65で取得したデータ2〜4を示す沸き上げ停止通知をHEMS100に送信する。
【0074】
図11は、HP給湯器320の沸き上げ終了時のシーケンス図である。
図11に示すように、ステップS71において、HEMS100は、HP給湯器320に対する状態確認をスマートゲートウェイ200に送信する。
ステップS72において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からの状態確認に応じて、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。
【0075】
ステップS73において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からの状態問い合わせに応じては、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320からの状態通知を受信すると、状態通知に含まれるデータ2〜8に基づき、タンク温度が設定温度に到達していることと、圧縮機と電気ヒータが停止しているこを確認し、沸き上げを終了すると判断する。
【0076】
ステップS74において、スマートゲートウェイ200は、運転停止指示をHP給湯器320に送信する。
【0077】
ステップS75において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200HEMS100からの沸き上げ停止指示を正常に受信すると、正常受信の旨の通知をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0078】
ステップS76において、スマートゲートウェイ200は、沸き上げ終了通知をHEMS100に送信する。
【0079】
図12は、警報処理時のシーケンス図である。
図12に示すように、ステップS81において、スマートゲートウェイ200は、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。
【0080】
ステップS82において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。ここで、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320から通知される状態通知に基づいて、HEMS100からの動作要求により要求される動作を維持不能であると判定したものとする。具体的には、沸き上げ開始指示を受けた時点での沸き上げ設定温度と取得した外気温度から、電気ヒータを必要としない設定となっていると判断され、その後沸き上げ中に外気温度が変動し、電気ヒータ運転が開始された場合、消費電力が増大するため、要求される動作維持不能と判定する。
【0081】
ステップS83において、スマートゲートウェイ200は、HEMS100からの動作要求により要求される動作を維持不能である旨の警報情報をHEMS100に送信する。
【0082】
図13は、警報処理時のシーケンス図である。
図13に示すように、ステップS91において、スマートゲートウェイ200は、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。
【0083】
ステップS92において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。ここで、スマートゲートウェイ200は、データ1に基づき警告情報を検出したものとする。
データ1が自動復帰要請であった場合、ステップS93において、スマートゲートウェイ200は、初期化指示をHP給湯器320に送信する。データ1が手動復帰要請の場合、正常復帰しないと判断し、警報情報をHEMS100に送信する。
【0084】
ステップS94において、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からの初期化指示を正常に受信すると、正常受信の旨の通知をスマートゲートウェイ200に送信する。ここで、HP給湯器320は、初期化処理を行い、正常状態への復帰を試みる。
【0085】
ステップS95において、スマートゲートウェイ200は、状態問い合わせをHP給湯器320に送信する。
【0086】
ステップS96において、HP給湯器320は、管理している全ての運転状態を含む状態通知(図4及び図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。ここで、スマートゲートウェイ200は、データ1が自動復帰要請または、手動復帰要請の場合、警告情報を検出したものとする。
【0087】
ステップS97において、スマートゲートウェイ200は、正常状態へ復帰しないと判断して、警報情報をHEMS100に送信する。
【0088】
図14は、異常処理時のシーケンス図である。
図14に示すように、ステップS101において、HP給湯器320は、正常状態に復帰不能な異常の発生を示す異常報告(図5参照)をスマートゲートウェイ200に送信する。
【0089】
ステップS102において、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320からの異常報告の受信に応じて、HP給湯器320に異常が発生した旨をHEMS100に報告する。
【0090】
(6)実施形態の効果
以上説明したように、HP給湯器320は、HP給湯器320に係る複数の運転状態を管理しており、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320に対して動作を指示した後、HP給湯器320の運転状態をHP給湯器320に問い合わせ、HP給湯器320は、スマートゲートウェイ200からの状態問い合わせに応じて、管理している全ての運転状態をスマートゲートウェイ200に通知し、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320から全ての運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、指示した動作に関連する運転状態を取得する。これにより、スマートゲートウェイ200は、取得したい運転状態を指定して問い合わせる必要がなく、かつHP給湯器320は、管理している複数の運転状態の中から指定された運転状態を選別して通知する必要がない。よって、運転状態確認の通信手順を共通化することができる。
【0091】
また、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320に対して動作を指示した後、HEMS100から状態確認を受信しない場合であっても、HP給湯器320の運転状態をHP給湯器320に自律的に問い合わせることにより、HEMS100からスマートゲートウェイ200への状態確認を省略できるため、HEMS100の処理負荷、及び、HEMS100とスマートゲートウェイ200との間のトラヒック量を削減できる。
【0092】
本実施形態では、スマートゲートウェイ200は、HP給湯器320から通知される運転状態に基づいて、HEMS100から受信した動作要求により要求される動作を維持不能であると判定した場合に、警報情報をHEMS100に送信する。これにより、HEMS100は、要求した動作が維持不能であることを知ることができ、要求を変更したり中止したりすることができる。
【0093】
本実施形態では、スマートゲートウェイ200は、正常状態に復帰し得る異常の発生を示す警告情報をHP給湯器320から受信すると、HP給湯器320を初期化するための初期化指示をHP給湯器320に送信し、スマートゲートウェイ200は、初期化指示を送信した後、HP給湯器320が正常状態に復帰しないと判定した場合に、警報情報をHEMS100に送信する。これにより、スマートゲートウェイ200により復帰を試みることができると共に、復帰しない場合にはその旨をHEMS100が知ることができる。
【0094】
本実施形態では、スマートゲートウェイ200は、正常状態に復帰不能な異常の発生を示す異常報告をHP給湯器320から受信すると、HP給湯器320に異常が発生した旨をHEMS100に報告する。これにより、HEMS100は、HP給湯器320に異常が発生したことを知ることができ、各電気機器の運転スケジュールを変更する等の処理を行うことができる。
【0095】
(7)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0096】
上述した実施形態では、HP給湯器320についての制御・監視を主として説明したが、上述した各種シーケンスと同様のシーケンスによって他の電気機器も制御・監視することができる。
【0097】
また、上述した実施形態では、HEMS100が電力管理を行う一例を説明したが、BEMSや、需要家外のEMSが電力管理を行う構成としてもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0098】
1…電力系統、100…HEMS、200…スマートゲートウェイ、210…第1通信部、220…第2通信部、230…記憶部、240…制御部、310…ハイブリッドコントローラ、320…給湯器、320…HP給湯器、321…通信部、322…記憶部、323…制御部、324…圧縮機、325…電気ヒーター、326…温度計、327…ポンプ、330…エアコン、340…冷蔵庫、350…LED照明、410…スマートメータ、420…PV、430…蓄電池、440…配電盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理を行うための機器制御システムであって、
制御装置と、
前記制御装置により指示される動作を実行する電気機器と、
を有し、
前記電気機器は、前記電気機器に係る複数の運転状態を管理しており、
前記制御装置は、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせ、
前記電気機器は、前記制御装置からの状態問い合わせに応じて、管理している全ての運転状態を前記制御装置に通知し、
前記制御装置は、前記電気機器から前記全ての運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得することを特徴とする機器制御システム。
【請求項2】
電力管理を行う管理装置をさらに有し、
前記管理装置は、前記電気機器に対する動作要求を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記動作要求を受信すると、該受信した動作要求により要求される動作を前記電気機器に指示し、
前記制御装置は、前記電気機器から前記複数の運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得して、該取得した運転状態を前記管理装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記電気機器に対する状態確認を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記管理装置から前記状態確認を受信したことに応じて、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせることを特徴とする請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記管理装置から状態確認を受信しない場合であっても、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に自律的に問い合わせることを特徴とする請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記電気機器から通知される運転状態に基づいて、前記管理装置から受信した前記動作要求により要求される動作を維持不能であると判定した場合に、警報情報を前記管理装置に送信することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、正常状態に復帰し得る異常の発生を示す警告情報を前記電気機器から受信すると、前記電気機器を初期化するための初期化指示を前記電気機器に送信し、
前記制御装置は、前記初期化指示を送信した後、前記電気機器が正常状態に復帰しないと判定した場合に、警報情報を前記管理装置に送信することを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記制御装置は、正常状態に復帰不能な異常の発生を示す異常報告を前記電気機器から受信すると、前記電気機器に異常が発生した旨を前記管理装置に報告することを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載の機器制御システム。
【請求項8】
電力管理を行うための機器制御システムにおいて、電気機器に対して動作を指示する制御装置であって、
前記電気機器に対して動作を指示した後、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせる問い合わせ部と、
前記電気機器が管理している全ての運転状態を前記電気機器から通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得する取得部と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
電力管理を行うための機器制御システムにおいて、制御装置により指示される動作を実行する電気機器であって、
前記電気機器に係る複数の運転状態を管理する管理部と、
前記制御装置からの状態問い合わせに応じて、前記管理部が管理している全ての運転状態を前記制御装置に通知する通知部と、
を有することを特徴とする電気機器。
【請求項10】
電力管理を行うための機器制御方法であって、
制御装置が、電気機器に対して動作を指示する工程と、
前記電気機器が、前記制御装置により指示される動作を実行する工程と、
前記電気機器が、前記電気機器に係る複数の運転状態を管理する工程と、
前記制御装置が、前記電気機器に対して動作を指示した後、前記電気機器の運転状態を前記電気機器に問い合わせる工程と、
前記電気機器が、前記制御装置からの状態問い合わせに応じて、管理している全ての運転状態を前記制御装置に通知する工程と、
前記制御装置が、前記電気機器から前記全ての運転状態が通知されると、該通知された複数の運転状態の中から、前記指示した動作に関連する運転状態を取得する工程と、
を有することを特徴とする機器制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−222631(P2012−222631A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86823(P2011−86823)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】