説明

機器設定システムおよび機器設定サーバー

【課題】 所属グループに適していない設定値で画像形成装置を使用するユーザーを低減する。
【解決手段】機器設定サーバー5は、画像形成装置2に関連付けられている複数のユーザー端末装置1a〜1eについての、ユーザーの所属グループを含む在席状況を取得する在席状況取得部53と、複数の設定値グループから、在席状況に応じた設定値グループを選択する設定検索部55と、設定値グループの複数の設定値を画像形成装置2に設定するための設定メッセージを作成する設定メッセージ作成部56と、設定メッセージを画像形成装置2へ送信して、選択された設定値グループの複数の設定値を画像形成装置2へ設定させる設定メッセージ配信部57とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器設定システムおよび機器設定サーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置には、プリンター、ファクシミリなどの機能モードが、時間帯や過去の選択回数に応じて自動的に切り換われるものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
また、ユーザー端末におけるユーザーの在席状況に応じて、画像形成装置の操作パネルの表示を自動的に切り換える技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−344257号公報
【特許文献2】特開平11−095894号公報
【特許文献3】特開2009−296389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置には多数の設定項目があり、ユーザーが使用時にこれらの設定項目を1つずつ設定するのは、設定時間が長くなってしまう。このため、デフォルトの設定値が予めセットされており、ユーザーは、許容される範囲内で、使用時に設定値を変更する。
【0006】
一般に、画像形成装置の利用形態は、ユーザーの所属するユーザーグループによって異なる。例えば、営業部門のユーザーには、顧客などの印象のよいカラーの文書を印刷したいという要求がある。一方、開発部門のユーザーにより印刷される文書は、通常、社内で自己または所属グループに属する同僚のみが見ることが多いため、モノクロ印刷で十分である。
【0007】
このため、ユーザーグループごとに画像形成装置が設置されている場合には、ユーザーグループの利用形態に最適な設定値を選択しておけばよい。例えば、営業部門の画像形成装置におけるカラー設定については、カラー印刷が可能な設定値が選択され、開発部門の画像形成装置におけるカラー設定については、モノクロ印刷のみが可能な設定値が選択される。
【0008】
しかしながら、複数のユーザーグループのユーザーにより使用される画像形成装置の場合、時間によって、画像形成装置を主に使用するユーザーグループが変化する可能性がある。その場合、あるユーザーグループに適した設定値に固定してしまうと、他のユーザーグループに所属するユーザーには適していない設定値となっているため、自己の所属グループに適していない設定値で画像形成装置を使用するユーザーの延べ人数が多くなってしまう。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、所属グループに適していない設定値で画像形成装置を使用しているユーザーを低減することができる機器設定システム、およびそのシステムで使用可能な機器設定サーバーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0011】
本発明に係る機器設定システムは、ネットワークに接続された画像形成装置と、ネットワークに接続された複数のユーザー端末装置と、ネットワークに接続されたログインサーバーと、ネットワークに接続された機器設定サーバーとを備える。ログインサーバーは、ユーザーの在席状況として、複数のユーザー端末装置のそれぞれにログインしているユーザーおよびそのユーザーの所属グループを特定する。そして、機器設定サーバーは、画像形成装置に関連付けられている複数のユーザー端末装置についての在席状況をログインサーバーから取得する在席状況取得部と、所定の複数の設定項目の設定値をそれぞれ有する複数の設定値グループから、在席状況に応じた設定値グループを選択する設定検索部と、設定値グループの複数の設定値を画像形成装置に設定するための設定メッセージを作成する設定メッセージ作成部と、設定メッセージを画像形成装置へ送信して、選択された設定値グループの複数の設定値を画像形成装置へ設定させる設定メッセージ配信部とを有する。
【0012】
これにより、設定対象の画像形成装置に関連付けられている複数のユーザー端末装置における各ユーザーグループのユーザーの在席状況に応じて画像形成装置の設定が変更されるため、各時点で適切な設定値が画像形成装置にセットされる。したがって、所属グループに適していない設定値で画像形成装置を使用するユーザーを低減することができる。
【0013】
また、本発明に係る機器設定システムは、上記の機器設定システムに加え、次のようにしてもよい。この場合、設定値グループは、ログインユーザーの人数割合の閾値を割り当てられている。そして、設定検索部は、在席状況に基づき、ログインユーザーの最も多い所属グループについて、全ログインユーザーに対するその所属グループのログインユーザーの人数割合が閾値より高い設定値グループを選択する。
【0014】
これにより、各時点で在席人数が最も多いユーザーグループについての設定値グループが適用されるとともに、その人数割合に応じて、設定値グループが切り換えられる。したがって、例えば、在席人数が最も多くても人数割合が低い場合には、他のユーザーグループの業務に支障が出るような設定値を有さない設定値グループが適用される。
【0015】
また、本発明に係る機器設定システムは、上記の機器設定システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、設定値グループは、優先度を割り当てられている。そして、設定検索部は、人数割合が閾値より高い設定値グループが複数存在する場合、優先度が最も高い設定値グループを選択する。
【0016】
これにより、異なる閾値を有する複数の設定値グループについて、人数割合がそれらの閾値より高い場合には、所望の設定値グループを優先して適用させることができる。
【0017】
また、本発明に係る機器設定システムは、上記の機器設定システムのいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、設定値グループは、画像形成装置の機能ごとに分けられた複数のサブ設定値グループにより構成されている。そして、複数のサブ設定値グループは、1つの機能についての複数の設定項目の設定値を有する。
【0018】
本発明に係る機器設定サーバーは、画像形成装置に関連付けられている複数のユーザー端末装置についての、ユーザーの所属グループを含む在席状況を取得する在席状況取得部と、所定の複数の設定項目の設定値をそれぞれ有する複数の設定値グループから、在席状況に応じた設定値グループを選択する設定検索部と、設定値グループの複数の設定値を画像形成装置に設定するための設定メッセージを作成する設定メッセージ作成部と、設定メッセージを画像形成装置へ送信して、選択された設定値グループの複数の設定値を画像形成装置へ設定させる設定メッセージ配信部とを備える。
【0019】
これにより、設定対象の画像形成装置に関連付けられている複数のユーザー端末装置における各ユーザーグループのユーザーの在席状況に応じて画像形成装置の設定が変更されるため、各時点で適切な設定値が画像形成装置にセットされる。したがって、所属グループに適していない設定値で画像形成装置を使用するユーザーを低減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、所属グループに適していない設定値で画像形成装置を使用するユーザーを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る機器設定システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1における機器設定データベースの構造を説明する図である。
【図3】図3は、図1に示すシステムにおいて画像形成装置の設定を行う際の機器設定サーバーの動作について説明するフローチャートである。
【図4】図4は、図1における設定メッセージ作成部による設定メッセージの作成について説明する図である。
【図5】図5は、図1における画像形成装置の設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る機器設定システムの構成を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すシステムでは、ユーザー端末装置1a〜1eと画像形成装置2がネットワーク3に接続されている。ユーザー端末装置1a〜1eと画像形成装置2は、1つのフロアや1つの部屋に設置されている。さらに、ネットワーク3には、監視サーバー4と機器設定サーバー5が接続されている。機器設定サーバー5は、ネットワーク3を介して画像形成装置2を設定する。
【0025】
ユーザー端末装置1a〜1eは、例えば、パーソナルコンピューターなどであり、通信装置11およびログイン処理部12を有する。通信装置11は、ネットワーク3に接続され、ネットワーク3に接続された他の装置(監視サーバー4、画像形成装置2など)との間で所定のプロトコルでデータ通信を行う。通信装置11としては、例えばネットワークインターフェースが使用される。ログイン処理部12は、図示せぬ入力装置に対してユーザーがユーザー識別情報(ユーザーID、ユーザーIDおよびパスワードの対など)を入力すると、通信装置11を使用して、そのユーザー識別情報とログイン要求とを監視サーバー4へ送信し、ログインを行う。ログイン処理部12は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによりプログラムを実行することで実現される。
【0026】
また、画像形成装置2は、プリンター、コピー機、ファクシミリ機、複合機などであり、通信装置21および設定管理部22を有する。通信装置21は、ネットワーク3に接続され、ネットワーク3に接続された他の装置(機器設定サーバー5、ユーザー端末装置1a〜1eなど)との間で所定のプロトコルでデータ通信を行う。通信装置21としては、例えばネットワークインターフェースが使用される。設定管理部22は、通信装置21を使用して、機器設定サーバー5から設定メッセージを受信し、その設定メッセージで指定されている設定値を当該画像形成装置2に適用する。設定管理部22は、CPUなどのプロセッサによりプログラムを実行することで実現される。
【0027】
また、ネットワーク3は、ローカルエリアネットワークなどのコンピュータネットワークである。ユーザー端末装置1a〜1eおよび画像形成装置2を、構内ネットワークに接続し、その構内ネットワークに接続される広域ネットワーク(インターネットなど)に監視サーバー4および機器設定サーバー5を接続するようにしてもよい。
【0028】
また、監視サーバー4は、ユーザーの在席状況を監視するログインサーバーであって、ユーザーの在席状況として、複数のユーザー端末装置のそれぞれにログインしているユーザーおよびそのユーザーの所属グループを特定する。監視サーバー4は、通信装置41と、サーバー管理部42と、ユーザー管理部43と、記憶装置44とを有する。
【0029】
通信装置41は、ネットワーク3に接続され、ネットワーク3に接続された他の装置(機器設定サーバー5、ユーザー端末装置1a〜1eなど)との間で所定のプロトコルでデータ通信を行う。通信装置41としては、例えばネットワークインターフェースが使用される。
【0030】
サーバー管理部42は、ネットワーク3を介して通信装置41により受信される各種要求を受け付け、受け付けた要求に応じた処理を実行し、その処理結果を応答として送信する。
【0031】
サーバー管理部42は、ユーザー端末装置1a〜1eからのログイン要求、および機器設定サーバー5からの在席状況送信要求を受け付ける。在席状況送信要求は、ユーザー端末装置1a〜1eでログインしているユーザーの有無、およびユーザー端末装置1a〜1eでログインしているユーザーの所属するユーザーグループを送信させるための要求である。
【0032】
ユーザー管理部43は、ユーザー認証処理、およびユーザーのログイン管理(ユーザーのログイン、ログアウト、ログイン状態の保持など)を行う。
【0033】
記憶装置44は、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置であって、ユーザーデータ44aを記憶している。ユーザーデータ44aは、登録ユーザーのユーザー識別情報と、ユーザー識別情報に関連付けた属性情報(ユーザー名、所属するユーザーグループなど)とを有する。ユーザー管理部43は、ログイン要求が受け付けられると、ユーザーデータ44aを参照してユーザー認証処理を実行する。
【0034】
サーバー管理部42およびユーザー管理部43は、CPUなどのプロセッサによりプログラムを実行することで実現される。
【0035】
また、機器設定サーバー5は、通信装置51と、サーバー管理部52と、在席状況取得部53と、記憶装置54と、設定検索部55と、設定メッセージ作成部56と、設定メッセージ配信部57と、ログ管理部58とを有する。
【0036】
通信装置51は、ネットワーク3に接続され、ネットワーク3に接続された他の装置(監視サーバー4、画像形成装置2など)との間で所定のプロトコルでデータ通信を行う。通信装置51としては、例えばネットワークインターフェースが使用される。
【0037】
サーバー管理部52は、機器設定処理のシーケンスを管理するとともに、通信装置51を使用して、ネットワーク3を介して監視サーバー4および画像形成装置2へ各種要求を送信する。
【0038】
在席状況取得部53は、サーバー管理部52で在席状況送信要求を監視サーバー4へ送信させて、画像形成装置2に関連付けられている複数のユーザー端末装置1a〜1eについての在席状況を監視サーバー4から取得する。
【0039】
記憶装置54は、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置であって、機器設定データベース54aを構成する。機器設定データベース54aは、複数の設定値グループを有する。各設定値グループは、画像形成装置2についての所定の複数の設定項目の設定値をそれぞれ有する。
【0040】
機器設定データベース54aは、リレーショナルデータベースである。図2は、図1における機器設定データベース54aの構造を説明する図である。
【0041】
機器設定データベース54aは、優先度設定テーブル61と、機能グループテーブル62と、ジョブ設定グループテーブル63、スキャン設定グループテーブル64、印刷出力設定グループテーブル65などの、機能別の設定値テーブルとを有する。この設定値テーブルは、画像形成装置2の機能についての複数の設定値を有する設定値グループを有する。
【0042】
したがって、設定値グループは、画像形成装置2の機能ごとに分けられた複数のサブ設定値グループにより構成されている。そして、複数のサブ設定値グループは、1つの機能についての複数の設定項目の設定値を有する。つまり、1つの機能グループテーブル62が選択されることで、1つの設定値グループが選択される。
【0043】
優先度設定テーブル61は、ユーザーグループIDと、機能グループIDと、閾値と、優先度とを有する。このユーザーグループIDは、設定値グループ(つまり、機能グループIDにより指定される機能グループ)の使用に適したユーザーグループを示す。この閾値値は、設定値グループ(つまり、機能グループIDにより指定される機能グループ)に割り当てられている、ログインユーザーの人数割合の閾値である。この優先度は、設定値グループ(つまり、機能グループIDにより指定される機能グループ)に割り当てられている。優先度設定テーブル61の機能グループIDは、機能グループテーブル62の機能グループIDにリンクされている。
【0044】
機能グループテーブル62は、機能グループIDと、機能グループ名と、ジョブ設定グループID、スキャン設定グループID、印刷出力設定グループIDなどの機能別の設定値テーブルのIDとを有する。
【0045】
機能グループテーブル62の設定値テーブルのIDは、設定値テーブル内のIDにリンクされている。ここでは、機能グループテーブル62のジョブ設定グループIDは、ジョブ設定グループテーブル63のジョブ設定グループIDにリンクされている。また、機能グループテーブル62のスキャン設定グループIDは、スキャン設定グループテーブル64のスキャン設定グループIDにリンクされている。また、機能グループテーブル62の印刷出力設定グループIDは、印刷出力設定グループテーブル65の印刷出力設定グループIDにリンクされている。
【0046】
ジョブ設定グループテーブル63は、ジョブ設定グループ名と、画像形成装置2のジョブ管理機能についての設定項目の設定値とを有する。ジョブ管理機能についての設定項目には、ジョブ名設定、ジョブ終了通知設定、文書自動消去設定、優先印刷設定などがある。
【0047】
スキャン設定グループテーブル64は、スキャン設定グループ名と、画像形成装置2のスキャン機能についての設定項目の設定値とを有する。スキャン機能についての設定項目には、拡大縮小設定、原稿設定、カラー設定などがある。
【0048】
印刷出力設定グループテーブル65は、印刷出力設定グループ名と、画像形成装置2の印刷出力機能についての設定項目の設定値とを有する。印刷出力機能についての設定項目には、印刷部数設定、エコプリント設定、用紙・給紙設定などがある。
【0049】
図1に戻り、設定検索部55は、機器設定データベース54aを参照して、複数の設定値グループから、在席状況取得部53により取得された在席状況に応じた設定値グループを選択する。設定検索部55は、SQLなどのデータベースエンジンである。具体的には、設定検索部55は、在席状況に基づき、ログインユーザーの最も多い所属グループについて、全ログインユーザーに対するその所属グループのログインユーザーの人数割合が閾値より高い設定値グループを選択する。また、設定検索部55は、人数割合が閾値より高い設定値グループが複数存在する場合、優先度が最も高い設定値グループを選択する。
【0050】
設定メッセージ作成部56は、設定値グループに含まれる複数の設定値を画像形成装置2に設定するための設定メッセージを作成する。この実施の形態では、設定メッセージは、SOAP(Simple Object Access Protoco)メッセージとして作成される。
【0051】
設定メッセージ配信部57は、サーバー管理部52を使用して、設定メッセージ作成部56により作成された設定メッセージを画像形成装置2へ送信して、選択された設定値グループの複数の設定値を画像形成装置2へ設定させる。
【0052】
ログ管理部58は、画像形成装置2へ設定メッセージが送信されるたびに、そのときの在席状況および選択された設定値グループ(後述の優先度設定テーブル61)を示すログを記憶装置54に記憶させる。
【0053】
サーバー管理部52、在席状況取得部53、設定検索部55、設定メッセージ作成部56、設定メッセージ配信部57、およびログ管理部58は、CPUなどのプロセッサによりプログラムを実行することで実現される。
【0054】
次に、上記システムにおいて画像形成装置2の設定を行う際の機器設定サーバー5の動作について説明する。図3は、図1に示すシステムにおいて画像形成装置2の設定を行う際の機器設定サーバー5の動作について説明するフローチャートである。
【0055】
例えば図1に示す状態では、3人のユーザー101,102,103が、ユーザー端末装置1b〜1dでログインしており、監視サーバー4は、3人のユーザー101,102,103のログイン状態を保持している。ユーザー101,102は開発グループに所属し、ユーザー103は営業グループに所属する。
【0056】
機器設定サーバー5は、定期的に、以下の処理を実行して、各時点で適した設定値を画像形成装置2にセットする。
【0057】
機器設定サーバー5では、サーバー管理部52は、在席状況取得部53に、ユーザー端末装置1a〜1eの在席状況を取得させる。在席状況取得部53は、通信装置51を使用して、監視サーバー4へ在席状況送信要求を送信してその在席状況を問い合わせる(ステップS1)。
【0058】
監視サーバー4では、サーバー管理部42は、在席状況送信要求を受け付けると、ユーザー端末装置1a〜1eでログインしているユーザーの有無、およびユーザー端末装置1a〜1eでログインしているユーザーの所属するユーザーグループを示す在席状況を、応答として送信する。在席状況取得部53は、その応答を受信する。
【0059】
在席状況が取得されると、サーバー管理部52は、設定検索部55に、その在席状況に適した設定値グループを検索させる。設定検索部55は、まず、ログインしているユーザーの所属するユーザーグループごとに、ログインユーザー数を特定し、ユーザーグループごとの人数割合を計算する(ステップS2)。例えば、図1に示す状態の場合、全ログインユーザー数が3であり、開発グループのログインユーザー数が2であり、営業グループのログインユーザー数が1であるので、開発グループの人数割合が、67パーセント(=2/3)であり、営業グループの人数割合が、33パーセント(=1/3)である。
【0060】
次に、設定検索部55は、最も人数割合が多いユーザーグループのユーザーグループIDとその人数割合とを指定して、設定値グループを検索する(ステップS3)。
【0061】
例えば、在席状況が、人事グループ20パーセント、営業グループ30パーセント、開発グループ50パーセントである場合、「select 機能グループID, 優先度 from 優先度設定テーブル where 閾値<=50, ユーザーグループID='DEV'」といったクエリが使用される。なお、DEVは、開発グループのユーザーグループIDである。
【0062】
これにより、検索クエリで指定されたユーザーグループIDに一致するユーザーグループIDを有し、検索クエリで指定された人数割合が閾値より高い優先度設定テーブル61が、発見される。
【0063】
優先度設定テーブル61が1つだけ発見された場合、設定検索部55は、その優先度設定テーブル61にリンクしている機能グループテーブル62を選択する。
【0064】
一方、複数の優先度設定テーブル61が発見された場合、設定検索部55は、優先度が最も高い優先度設定テーブル61にリンクしている機能グループテーブル62を選択する。
【0065】
次に、サーバー管理部52は、設定メッセージ作成部56に、設定メッセージを作成させる。設定メッセージ作成部56は、設定検索部55により選択された機能グループテーブル62にリンクしている設定値テーブル63,64,65から設定値グループを読み出し、読み出した設定値グループから設定メッセージを作成する(ステップS4)。
【0066】
図4は、図1における設定メッセージ作成部56による設定メッセージの作成について説明する図である。
【0067】
設定メッセージ作成部56は、選択された機能グループテーブル62の機能グループIDを指定して、図4(A)に示すようなクエリで、機能グループテーブル62にリンクしている設定値テーブル63,64,65から、図4(B)に示すような設定値グループを読み出す。
【0068】
そして、設定メッセージ作成部56は、その設定値グループから、図4(C)に示すような設定メッセージを作成する。図4(C)に示す設定メッセージは、SOAPメッセージであり、1つの設定項目の設定値が、SOAPメッセージのBody要素内で、1つのXML(Extensible Markup Language)要素で記述されている。
【0069】
そして、このように設定メッセージが作成されると、サーバー管理部52は、設定メッセージ配信部57に、設定メッセージを送信させる。設定メッセージ送信部57は、その設定メッセージを画像形成装置2へ送信する(ステップS5)。画像形成装置2では、設定管理部22は、その設定メッセージを受信すると、その設定メッセージで指定された設定値をセットする。
【0070】
また、設定メッセージが送信されると、サーバー管理部52は、ログ管理部58に、ログを記録させる。ログ管理部58は、このときの在席状況および選択された設定値グループ(優先度設定テーブル61)を示すログを記憶装置54に記憶させる(ステップS6)。
【0071】
図5は、図1における画像形成装置2の設定例を示す図である。図5(A)は、営業グループの人数割合が最も高い場合の設定例であり、営業活動を支援するための機能の利用が許可される。図5(B)は、開発グループの人数割合が最も高い場合の設定例であり、情報漏洩を原因となり得る機能の利用が制限される。
【0072】
以上のように、上記実施の形態によれば、機器設定サーバー5では、(a)在席状況取得部53は、画像形成装置2に関連付けられている複数のユーザー端末装置1a〜1eについての、ユーザーの所属グループを含む在席状況を取得し、(b)設定検索部55は、複数の設定値グループから、在席状況に応じた設定値グループを選択し、(c)設定メッセージ作成部56は、設定値グループの複数の設定値を画像形成装置2に設定するための設定メッセージを作成し、(d)設定メッセージ配信部57は、設定メッセージを画像形成装置2へ送信して、選択された設定値グループの複数の設定値を画像形成装置2へ設定させる。
【0073】
これにより、設定対象の画像形成装置2に関連付けられている複数のユーザー端末装置1a〜1eにおける各ユーザーグループのユーザーの在席状況に応じて画像形成装置2の設定が変更されるため、各時点で適切な設定値が画像形成装置2にセットされる。したがって、所属グループに適していない設定値で画像形成装置2を使用するユーザーを低減することができる。
【0074】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0075】
例えば、上記実施の形態では、ログイン状態から在席状況が特定されるが、入退室システムと監視サーバー4とを接続し、監視サーバー4は、ユーザー端末装置1a〜1eの設置されている部屋へのユーザーの入室状態を保持し、機器設定サーバー5は、ユーザーの入室状態に基づいて在席状況を特定するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態において、監視サーバー4と機器設定サーバー5は、1台のサーバー装置で動作させるようにしてもよい。その場合、通信装置41,51は、1つの通信装置とされ、サーバー管理部42,52は、1つのサーバー管理部とされる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、例えば、画像形成装置の設定を行うマネージド・プリント・サービスなどに適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1a〜1e ユーザー端末装置
2 画像形成装置
3 ネットワーク
4 監視サーバー(ログインサーバーの一例)
5 機器設定サーバー
53 在席状況取得部
55 設定検索部
56 設定メッセージ作成部
57 設定メッセージ配信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された画像形成装置と、
前記ネットワークに接続された複数のユーザー端末装置と、
前記ネットワークに接続されたログインサーバーと、
前記ネットワークに接続された機器設定サーバーとを備え、
前記ログインサーバーは、ユーザーの在席状況として、前記複数のユーザー端末装置のそれぞれにログインしているユーザーおよびそのユーザーの所属グループを特定し、
前記機器設定サーバーは、前記画像形成装置に関連付けられている複数のユーザー端末装置についての前記在席状況を前記ログインサーバーから取得する在席状況取得部と、所定の複数の設定項目の設定値をそれぞれ有する複数の設定値グループから、前記在席状況に応じた設定値グループを選択する設定検索部と、前記設定値グループの複数の設定値を前記画像形成装置に設定するための設定メッセージを作成する設定メッセージ作成部と、前記設定メッセージを前記画像形成装置へ送信して、選択された前記設定値グループの複数の設定値を前記画像形成装置へ設定させる設定メッセージ配信部とを有すること、
を特徴とする機器設定システム。
【請求項2】
前記複数の設定値グループは、所属グループごとに、ログインユーザーの人数割合に応じた設定値グループを含み、
前記設定検索部は、前記在席状況に基づき、ログインユーザーの最も多い所属グループについて、全ログインユーザーに対するその所属グループのログインユーザーの人数割合に対応する設定値グループを選択すること、
を特徴とする請求項1記載の機器設定システム。
【請求項3】
前記設定値グループは、ログインユーザーの人数割合の閾値を割り当てられており、
前記設定検索部は、前記在席状況に基づき、ログインユーザーの最も多い所属グループについて、全ログインユーザーに対するその所属グループのログインユーザーの人数割合が前記閾値より高い設定値グループを選択すること、
を特徴とする請求項2記載の機器設定システム。
【請求項4】
前記設定値グループは、優先度を割り当てられており、
前記設定検索部は、前記人数割合が前記閾値より高い設定値グループが複数存在する場合、優先度が最も高い設定値グループを選択すること、
を特徴とする請求項3記載の機器設定システム。
【請求項5】
前記設定値グループは、前記画像形成装置の機能ごとに分けられた複数のサブ設定値グループにより構成され、
前記複数のサブ設定値グループは、1つの機能についての複数の設定項目の設定値を有すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の機器設定システム。
【請求項6】
画像形成装置に関連付けられている複数のユーザー端末装置についての、ユーザーの所属グループを含む在席状況を取得する在席状況取得部と、
所定の複数の設定項目の設定値をそれぞれ有する複数の設定値グループから、前記在席状況に応じた設定値グループを選択する設定検索部と、
前記設定値グループの複数の設定値を前記画像形成装置に設定するための設定メッセージを作成する設定メッセージ作成部と、
前記設定メッセージを前記画像形成装置へ送信して、選択された前記設定値グループの複数の設定値を前記画像形成装置へ設定させる設定メッセージ配信部と、
を備えることを特徴とする機器設定サーバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−250150(P2011−250150A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121399(P2010−121399)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】