説明

機械組立体のホワイトボディモデリング及び仮想評価システム

機械部品の設計、シミュレーション、及び評価に関連する企業向け作業に関わる異なるグループに相互接続される相互作用仮想モデルすなわち「ホワイトボディ」ビルダ(「WBB」)を提供するシステム。所定の部品の、仮想組み立て、テスト、又は評価後のメッシュデータ、組み立てデータ、及び評価データが、常時更新されるマスタデータベースが保持されるネットワークを通して、タスクグループに関連するすべての参加メンバに対して設計を入力し且つ改良するために提供される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、自動車両の衝突テストに使用されるもの等の機械組立体及び部品を仮想事象評価するホワイトボディモデリングに関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
車両の衝突事象の物理的なモデリングは従来、相当な時間、及び様々なスキルセット及びデータ集約に携わる人員を要する工程である。典型的な物理衝突テストタイムラインでは、いくつかの技術スタッフメンバが、数週間又はそれ以上の長い期間にわたって物理テストに向けて物理的な構造を設計して組み立て、その後、構造の法的解析が行われる。物理テストを仮想的に似せたものでは、仮想ホワイトボディが作成され、テストプロトコルが部品リストを編纂し、部品が仮想的にメッシュ化され、組み立てられ、溶接され、仮想衝突事象が実行され、編纂されたデータが評価される。
【0003】
複雑な部品をシミュレートするためのメッシュモデルが既知である。メッシュ技術に関わる特許の例としては、Aftosmis等の米国特許第6,445,390号、Deeringの同第6,429,867号、Furuhata等の同第6,317,704号、Itoh等の同第6,259,453号、及びItoh等の同第6,124,857号が挙げられる。同様に、生産施設での設計情報の配布及び管理を行うとともに、グラフィカルオブジェクトを選択してその表示属性を変更する方法及び装置も既知である。Hazama等の米国特許第6,212,441号及びKinoe等の米国特許第6,337,700号が設計ツールに関連している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想テスト方式において、設計、シミュレーションテスト、及びシミュレーション評価を統合し、それによって衝突事象評価からのフィードバックを鑑みて設計の改良をネットワーク環境において実現することができるメッシュ及び部品管理システムが必要である。本発明では、自動車両開発工程の異種の側面、すなわち設計、組み立て、テスト、再設計、再組み立て、及び再テストを、すべての側面及び人員が相互に関連するシステムに統合し、それによって衝突事象テストの時間及び複雑性を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[発明の概要]
本発明の目的は、車両設計工程に別様に関わる既存の異種のソースからの設計情報及び組み立て情報を統合する仮想ホワイトボディモデルを開発すること、及び衝突事象評価の実現に要する時間を短縮することである。
【0006】
本発明では、シミュレーション技術者がホワイトボディ部品リストを収集して編纂する必要がない。従来のメッシュ部品の手作業での組み立て及び溶接が自動化される。自動メッシングオプション(バッチメッシュ)が提供される。既存のCADソフトウェアが設計工程において用いられ、本明細書に記載のシステムは、自動車両及び/又は車両部品をウィザードガイドにより組み立てられるようにすることができるとともに、モデルを組み立てて、設計及びテスト工程を通して衝突事象フィードバックとホワイトボディ変更の統合が可能なホワイトボディ衝突モデルにすることができる。
【0007】
システムは接続箇所のタグを含み、自動メッシングオプションを実装する。要求されるメッシュサイズは、所定又は所望の精度に調整することが可能である。システムは、ホワイトボディ部品を超えて、シャシ、内装、及び他の組立体に拡張することが可能であり、週単位又は他の定期的な設計変更への対応性を高めることができる。ホワイトボディビルダは、衝突事象等の完全車両シミュレーションでの使用に向けてホワイトボディの有限要素メッシュモデルを準備する。
【0008】
動作に当たり、本発明は、まず、データライブラリがデジタルプロトタイプステーションにリンクされ、部品リストが抽出される統合システムを含む。次いで、ユーザが、シミュレーションで評価したい部品を特定し、その部品に印を付けるように促される。印の付された部品はメッシュプロセスを通して処理され、その情報がデータベースに保存される。次いで、選択された個々の部品が、ユーザにより指示された設計又は編成で接続又は組み立てられる。最後に、別個のメッシュモデル部品がコンピュータシミュレーションフォーマットに構築され、エクスポートされる。
【0009】
コンピュータシミュレーションを構築することは、材料特性をメッシュ部品に関連付けて異なる材料を区別することを含む。部品のシミュレーションに必要なメッシュ要素の数は100〜100,000の範囲であり得る。メッシュは、特定の1次元、2次元、又は3次元の幾何学的形状、たとえば線、三角形、正方形、立方体、ボックス、四面体、角柱等を有する、実際の物理的な部品を近似したものである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、仮想完全車両モデル及び大きな下位組立体コンピュータシミュレーションモデルを生成する方法を改良すること、並びに完全車両コンピュータシミュレーションの用途を、衝突テストを超えて、耐久性・疲弊予測、ホワイトボディモデル解析、伝達経路解析・サスペンション解析・ステアリングレスポンスの混成車両モデリング及びフィードバック、並びにホワイトボディ又は下位組立体が必要な他のシミュレーションを含むコンピュータシミュレーションに拡張することである。現在の方法は衝突ホワイトボディを用いており、他のシミュレーションに適切なベースモデルを提供しない。
【0011】
本発明について、図面を鑑みて考える好ましい実施形態の以下の説明においてより完全に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[発明の詳細な説明]
要するに、本発明のホワイトボディビルダ(WBB)は、1)シミュレーションモデル要求を定義し、2)シミュレーションの詳細を指定し、3)シミュレーションモデルの部品リストを選択し、4)特性を指定するメッシュ部品及び溶接ファイルを作成し、5)メッシュデータ及び溶接データを作成し、6)既存のメッシュファイル及び溶接ファイルを(WBBデータベース又は他から)ロードし、7)ホワイトボディを組み立てて評価する全設計工程での都合のよいインタフェースを提供する。
【0013】
本発明は、CAD設計データベースと設計、事象評価・フィードバック、及び改良工程に携わるユーザの間の特定のやりとりを列挙するとともに、そのすべてのやりとりを処理して、シミュレーションモデル構築工程を通してシミュレーション技術者をガイドする。シミュレーションモデルの部品リストと、関連するメッシュ仕様を統合することで、本発明はシミュレーションモデルの作成、テスト、及び改良に関連する作業の開始点である。
【0014】
図1に示す概観では、システムは、機械部品の設計、シミュレーション、及び評価に関連する組織向け作業に関わる異なるグループを有するネットワークにおいて相互接続された相互作用仮想モデルビルダすなわち「ホワイトボディビルダ(「WBB」)を提供する。所定の部品の、仮想テスト又は組み立て及び評価後の評価データが、本質的にモデルが生成された同じデータベースを通して設計の入力及び改良に提供される。図2に示す例では、企業設計活動に関わる各種グループ間でのデータ作成、組み立て、シミュレーション、テスト、及び評価(フィードバック)に部分的に関わる相互作用入出力データの関係が示される。図3は、CADステーション又は部品在庫データベースからインポートされる部品及び/又は部品の関連特性データを示す。組立体の部品が選択され、部品の既存の所定の形状、材料、又は構成に対応する特性が割り当てられる。評価対象の組立体は、溶接、ボルト又はリベット等の固定具等の組み立て特性に従って構築され、組立体は仮想テストで使用される有限要素に分解され、そうして生成される部品ファイル又は組立体ファイルが、物理的に類似するものの仮想的な代理、すなわちホワイトボディ(「WB」)データ記録として保存され、図4に示す各種グループによりシミュレーション及び評価のために出力される。
【0015】
データ記録のマスタファイルには、全設計工程で異なる責務を有する複数のグループ、及び各種部品の設計に関わる複数のユーザがアクセス可能であり得る。探索プロトコルを用いて、メッシュ部品データベースを、たとえば同じ部品種別の異なるモデルを求めて探索し、設計の変更を構築して更新できるようにすることができる。組立体で評価される設計が完全ではない可能性がある場合、たとえば、滑らかな表面が求められる組立体で部品が突き出る場合、接続及び接続部品への変更を行うことができる。組立体もそれに対応して更新される。部品の左右の鏡像(たとえば、左右のテールランプ又はバックミラー、ドア)も同様に仮想的に組み立てることができる。更新タスクリストを保持して、不釣り合い又は故障及びそれに従って必要な設計の改良を決める評価をモニタする。したがって、メッシュ、組立体、及び溶接(結合)に基づいて、部品又は組立体が、異なるモデルの共通部品として、又は一意の用途又はモデルの単一の部品として生産に使用する認可を得ることができるように、部品、モジュール、又は組立体が改良されるポイントを通して、本質的に設計工程の最初から終わりまで一般にアクセス可能な、アクティブに更新される相互作用データベースにおいて、部品及び組立体が改良される。
【0016】
部品構成に応じて、所定のデータ値が、1)エンジンブロック、ロッド、又はパネル等の幾何学形状、2)金属、プラスチック、発泡体に対応する質量及び他の材料密度、及び/又は3)溶接、固定具、又は接着ボンド等の組立体特性に割り当てられ、特性は相互に関連する。たとえば、耐久性評価では、部品が選択され、組み立てられ、適切なメッシュが割り当てられ、時間及び負荷仕様の下で評価される。ノイズの場合、内外部ソースを接続し、内外部ソースから保護する接着剤及びドアシールが同様に、質量、サイズ、及び特性の有限増分でメッシュ化され、組み立てられて評価される。同様にして、車両全体の仮想プロトタイプモデルを、既存の証明済みの部品及びモデルから組み立てられた部品表及び部品リストから、及び/又は新規設計又はモデルのために特に作成された部品表及び部品リストから組み立てることができる。
【0017】
構造解析の場合、CADデータ、メッシュデータ、溶接データ、及び組立体データが入力され、仮想WB構造が出力される。ノイズ、衝突及び耐久性のシミュレーションの場合、シール、エンジンマウント、サスペンションポイント、及びボルト等の接合に関する追加データが入力される。車両シミュレーションモジュールが、トランスミッション、シート、エンジン、ドアロック、ワイパーモータ等の部品を追加することにより生成される。次いで、インパクトバリア等のテストパラメータ及び初期速度等の物理属性定義に合わせて、組立体データとのインタフェースを通してシミュレーションテストがセットアップされる。こうして、システムは仮想プロトタイプモデル(「VPM」)を組み立てる手段を提供する。
【0018】
VPMモデリングシステムは、企業向け設計に関わる既存の異種ソースからの設計情報及び組立体情報を統合するとともに、部品リストに対応するデータファイルを保持するデータライブラリをネットワークシステムにおいて統合する。ネットワークは、データファイルを、機械組立体に対応するVPMの設計に関わるネットワーク企業内の各種グループのメンバのワークステーションにリンクする。
【0019】
企業参加者の各ワークステーションは、参加者が、評価する組立体を選択し、データベースライブラリに保持されている1つ又は複数の部品データリストからの組立体を含む部品の物理特性を表す、関連するデータファイルを組み立てられるようにする。そうするに際して、組立体においてデータファイル内の他の1つ又は複数の部品と接合されるべき1つ又は複数の部品に関連する、ライブラリからの1つ又は複数のデータファイルも識別される。部品及びそれぞれのデータファイルは、メッシュ内の不完全性が識別されて修正されるようにメッシュ手順を通して組立体において関連付けられて処理される。メッシュデータは、ライブラリ内のデータベースに保存され、組立体は、メッシュデータに、結合される部品が組立体内で接合される様式に関連する接合データを関連付けることにより構築される。構築された組立体は、コンピュータシミュレーションフォーマットデータ記録に変換され、それによってシミュレーションテストに用いるためにコンピュータシミュレーションフォーマットデータ記録として保持される。コンピュータシミュレーションフォーマットデータ記録は通常、メッシュ化される部品に対する材料特性の関連を含み、異なる材料を区別する。部品をシミュレートするために記録されるメッシュ要素の数は、オプションとして、サイズ、重要性、及び複雑性等のパラメータに従って決定されるが、通常はおよそ100ポイント〜およそ100,000ポイント以上の範囲を有する。マスタデータベースに含まれるため、コンピュータシミュレーションフォーマットデータ記録には、衝突の影響、耐久性、及びノイズのうちの1つ又は複数に関する評価のためにアクセスすることができ、かかる評価後、組立体のデータ記録を評価事象後に、事象の結果として組立体に関する適切なフィードバックを考慮して変更することができる。したがって、部品又は組立体のデータファイルは本質的に、工程のいずれの段階で行われる部品又は組立体の変更も統合して保存され、続くテスト及び改良サイクルの各段階でアクセス可能な設計、テスト、及び改良に関する連続ループに保持される。異種の各グループが、グループ及び設計工程でのグループの役割に固有に結び付いた別個のデータファイル及びプロトコルを保持する従来のシステムと比較して、時短化及び設計調整での大きな改良が本発明のネットワークシステムにより実現する。本システムでは、異なる機能の分離性が解消され、各種設計段階において生成されるデータが統合され、すべての人がすぐにアクセス可能なマスタデータベースに保持され、結果として部品及び組立体の設計及びテストでの調整及び正確性がよりよくなる。
【0020】
(例I)
以下は、衝突モデリングシーケンスに採用される場合のプログラムの概観である。1)VPMの車両構造情報及び3次元部品表現を収集し、2)別個の接触部品間の結合箇所及び接合箇所を識別する3次元表現を作成し、3)ホワイトボディを組み立てて溶接し、4)部品及び溶接の問題がないか各組立体を検査し、5)VPM機能を利用して、シミュレーション後に設計変更した車両構造シミュレーションを比較し、5)ホワイトボディ仮想モデルの設計変更更新方法を提供する。
【0021】
他のモデリングでは、代替のメッシュ部品がカスタムニーズのためにマスタデータベースに記憶され、既存のメッシュデータを再利用して代替のホワイトボディを素早く構築できるようにする。システムの恩恵は、ホワイトボディVPMモデルをおよそ2週間以内で生成することができることである。シミュレーション技術者は、ホワイトボディ部品リストを収集して編纂する必要がない。仮想メッシュ部品の手作業での組立及び溶接は自動化され、自動メッシング(バッチメッシュ)がオプションとして可能である。
【0022】
(例II)
以下の例では、本発明のシステムを「WBBアシスタント」と呼ぶ。WBBアシスタントのプロンプトに従い、ユーザは、a)シミュレーションモデルを記述することで開始され、b)次いで、モデルを組み立てて評価する後述の順番に従って仮想モデルを構築する。
A)ユーザはまず、シミュレーションモデルを記述する:
1)最初のタスクは、開発コード、目的、及びソルバを選択することによってシミュレーションモデルを記述することである。ユーザはまた、記述情報を入力し、作成ボタンをクリックすることによってプロセスを開始する。
2)シミュレーション部品リストを得る:WBBアシスタントは、利用可能なセクション及びゾーンについてVPMデータベースに問い合わせる。WBBアシスタントはこのデータを処理し、ドロップボックスを埋める。ユーザは、セクション、ゾーン、部品番号、又はそれらすべてを選択して、シミュレーションモデルに所望の構造部品リストを指定する。
3)シミュレーション部品を選択する:WBBアシスタントは検索された部品リストを表示する。作業を行うために、部品のラジオボタンをアクティブ化させて、追加ボタン、削除ボタン、又は伝搬ボタンをクリックする。シミュレーションモデルに含める部品を選択するには、部品番号の前にあるボックスをチェックする。
4)シミュレーション部品を追加する:部品が追加される場合、この画面を用いて必要な情報を供給する。
5)メッシュ特性を指定する:メッシュ特性を設定するには、部品のラジオボタンをアクティブに設定し、メッシュ仕様をクリックする。これは、デフォルト値、たとえば、CATIA材料を許容できない場合のみ必要である。この画面を用いて、デフォルトメッシュ仕様が変更されるか、又は非標準メッシュタイプが選択される。サイズ、タイプ、材料、及び厚さは、部品リストからデフォルト値が得られる。
6)メッシュファイルを作成する:メッシュを作成するには、部品のラジオボタンをアクティブに設定し、HM開始又はCATIA開始をクリックする。これにより、選択されたモデルがロードされた状態でHMセッション又はCATIAセッションが開かれる。メッシュ化に進み、次いでHM添付又はCATIA添付をクリックしてメッシュをデータベースに保存する。メッシング作業中、HMファイル又はCATIAファイルは、ローカルディスク又はDFSデータストレージに保存しておくことができる。
7)メッシュファイルを見つける:既存のメッシュファイルを添付するには、部品のラジオボタンをアクティブに設定し、メッシュファイル発見をクリックする。これを用いて、任意のアプリケーションで作成された任意のタイプのメッシュファイルを随時ロードすることができる。
8)メッシュファイルを選択する:ブラウズボタンをクリックして外部メッシュファイルを探索し、次いでメッシュファイル選択をクリックする。又は、探索基準を設定して、メッシュ照会ボタンをクリックし、WBB内にすでにある前のシミュレーションモデルからメッシュを探索する。照会が選択される場合、WBBアシスタントは基準に合うすべてのメッシュファイルを列挙する。使用するメッシュファイルの前にあるラジオボタンを設定し、メッシュファイル選択ボタンをクリックする。
9)メッシュファイルを添付する:必要であれば、設定を変更してメッシュファイル添付ボタンをクリックしてメッシュファイルを記憶する。
10)溶接特性を指定する:溶接特性を設定するには、部品のラジオボタンをアクティブに設定し、溶接仕様をクリックする。これは、デフォルト値を許容できない場合のみ必要である。この画面を用いて、デフォルトの溶接仕様が変更される。デフォルト値は、選択されるシミュレーションのタイプに基づく。
11)溶接ファイルを作成する:溶接ファイルを作成するには、部品のラジオボタンをアクティブに設定し、溶接ファイル作成をクリックする。これにより、バックグラウンドCATIAスクリプトが開始されて溶接ファイルが生成される。既存の溶接ファイルを編集するには、部品のラジオボタンをアクティブに設定し、溶接ファイル編集をクリックする。これにより、現在の溶接ファイルがロードされた状態でテキストエディタが開始される。
12)溶接ファイルを見つける:既存の溶接ファイルを添付するには、部品のラジオボタンをアクティブに設定し、溶接ファイル発見をクリックする。
13)溶接ファイルを選択する:ブラウズボタンをクリックして外部溶接ファイルを探索し、次いで溶接ファイル選択をクリックする。又は、探索基準を設定し、溶接照会ボタンをクリックし、WBB内にすでにある前のシミュレーションモデルから溶接ファイルを探索する。照会が選択される場合、WBBアシスタントは基準に合うすべての溶接ファイルを列挙する。使用する溶接ファイルの前にあるラジオボタンを設定し、溶接ファイル選択ボタンをクリックする。
14)溶接ファイルを添付する:必要であれば、設定を変更して溶接ファイル添付ボタンをクリックして溶接ファイルを記憶する。
B)シミュレーションモデルを組み立て、評価する:
15)構築する:アクティブ部品のラジオボタンを設定し、構築をクリックしてアクティブ部品及びその下にあるすべての下位部品を組み立て、溶接する。
16)組み立て/評価する:部品を選択し、部品検査をクリックしてHMにロードする。目視検査及びゼロタイムステップランを行う。組立体に伴ういずれの問題も修正する。部品保存をクリックしていずれの変更も保存する。注意:このようにして保存されるデータは、構築ボタンが次回この部品に対して選択されるときに上書きされる。部品更新をクリックして、元のメッシュ部品及び溶接ファイルに変更を保存する。
17)部品を添付する:部品添付をクリックして、個々のメッシュ部品に代えてHM部品ファイルを保存する。将来の構築コメントは部品メッシュを無視し、HM部品を代わりに使用する。
18)HMでの変更を検証する:部品更新機能は組立体を元の基本要素に分割する必要があるため、変更レベルにいくつかの制限がある。可能な変更としては、i)形状=>同じメッシュファイル、及びii)厚さ、材料=>メッシュタイプを変更するように促す、が挙げられる。無効な変更としては、部品コレクタ及び溶接の追加、削除、名前変更が挙げられる。
【0023】
したがって、本発明のシステムは、機械部品の設計、シミュレーション、及び評価に関連する企業向け作業に関わる異なるグループに相互接続される相互作用仮想モデルホワイトボディビルダを提供する。所定の部品の、仮想組み立て、テスト、又は評価後のメッシュデータ、組み立てデータ、及び評価データが、常時更新されるマスタデータベースが保持されるネットワークを通して、タスクグループに関連するすべての参加メンバに対して設計の入力及び改良のために提供される。組立体の部品がマスタデータベース又は既存の部品のデータベースから選択され、その部品の所定の形状、材料、又は構成に対応する属性が割り当てられる。評価対象の組立体は、溶接、ボルト又はリベット等の固定具等の組み立て特性に従って構築され、組立体は仮想テストで使用される有限要素に分解される。そうして生成されるホワイトボディ組立体ファイルは、物理的な部品の仮想的な代理としてマスタデータベースに保存され、各種企業グループにより改良、テスト、及び評価のために検索され、組立体へのこの改良(フィードバック)は、常時更新されるプロセスでマスタデータベース内の組立体に関連付けられ、最終的に、販売認可を受ける、テスト及び改良の成された部品又は組立体になる。
【0024】
本発明について詳細に説明したが、本開示から、本明細書において説明した本発明の概念の精神から逸脱することなく、変更を本発明に対して行うことができることを当業者は理解するであろう。したがって、本発明の範囲を、説明した特定の好ましい実施形態例に限定する意図はない。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ホワイトボディモデルビルダシステムに関する各種設計、組み立て、及びテストのデータ及びソースのネットワーク編成での相互関係を示す。
【図2】ホワイトボディモデルビルダシステムに関する各種設計、組み立て、及びテストのデータ及び人員ソースのネットワークでのデータ入出力相互関係の相互作用するアクセス、入力、及びフィードバックの側面を示す。
【図3】各種ソースからのデータが組み立てられて、評価のための仮想モデルが生成される、ホワイトボディ仮想モデルビルダに関する各種入出力データ基準を示す。
【図4】データファイルにアクセスし、評価が行われ、評価からのフィードバックが戻されてモデルビルダへの入力に用いられるテストに仮想モデルを使用する例を示す。
【図5】ホワイトボディビルダシステムの動作例でのステップを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械組立体の企業向け設計工程に関わる既存の異種ソースからの設計情報及び組み立て情報を統合する仮想ホワイトボディモデリングシステムであって、
部品リストに対応するデータファイルを保持するデータライブラリを含む統合システムと、
機械組立体の設計に関わる前記企業内の各種グループの1つ又は複数のメンバのワークステーションに前記データファイルをリンクするネットワークと、
前記ワークステーションにおいて、1)部品、及び前記ライブラリに保持される1つ又は複数の部品データリストから前記部品の物理的な特性を表す関連する前記データファイルを選択し、2)組立体において前記データファイル内の1つ又は複数の他の部品と結合すべき1つ又は複数の部品に関連する1つ又は複数のデータファイルを前記ライブラリから抽出し、3)組立体において前記部品と該部品のデータファイルとを関連付け、4)メッシュプロセスを通して前記選択された部品を処理し、(5)前記組立体メッシュデータを前記ライブラリ内のデータベースに保存し、6)メッシュデータに、結合される部品が前記組立体において接合される様式に関する接合データを関連付けることにより前記組立体を構築し、7)該構築された組立体をコンピュータシミュレーションフォーマットデータ記録に変換する手段と、
を備える、仮想ホワイトボディモデリングシステム。
【請求項2】
前記組立体に対してコンピュータシミュレーションを行うステップと、該シミュレーションを鑑みて前記組立体を改良するステップと、前記ライブラリに保持される前記部品データリストにおいて前記組立体に関連するデータを更新するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の仮想ホワイトボディモデリングシステム。
【請求項3】
前記コンピュータシミュレーションフォーマットデータ記録は、前記メッシュ化された部品への材料特性の関連付けを含み、異なる材料を区別する、請求項1に記載の仮想ホワイトボディモデリングシステム。
【請求項4】
前記部品をシミュレーションするために記録されるメッシュ要素の数は、およそ100〜およそ100,000、若しくはそれ以上の範囲を有する、請求項1に記載の仮想ホワイトボディモデリングシステム。
【請求項5】
前記コンピュータシミュレーションフォーマットデータ記録は、衝突の影響、耐久性、及びノイズのうちの1つ又は複数に関して評価するためにアクセスされる、請求項2に記載の仮想ホワイトボディモデリングシステム。
【請求項6】
前記組立体のデータ記録は評価後に変更される、請求項4に記載の仮想ホワイトボディモデリングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−527049(P2007−527049A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518404(P2006−518404)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002449
【国際公開番号】WO2005/006220
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】