説明

機能提示システム、端末装置、サーバ装置、プログラム及び機能提示方法

【課題】入力文字列を基に複数機能を提示して、ユーザによる機能選択を支援する。
【解決手段】サーバ装置10は、端末装置20の入力情報を取得し(SA1〜SA3)、登録文字列の意味に基づく分類を示す識別子が記述された音声認識辞書として機能する辞書ファイルを参照して、入力情報を認識し、入力文字列と、入力文字列に含まれる登録文字列の分類を示す第1識別子を特定する(SA5)。サーバ装置10は、特定した入力文字列と第1識別子とを端末装置20に送信する(SA6)。端末装置20は、第1識別子と、提示対象となる機能が属するカテゴリとの関係を記述した機能選択ファイルを参照して、第1識別子に応じた機能が属するカテゴリを選択する(SA7〜SA9)、端末装置20は、選択したカテゴリに属する機能を所定の提示方法で(例えば、他の機能よりも優先して)複数提示する(SA10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによる機能選択を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザから受け付けた入力文字列を基に、ユーザが利用を希望する機能を推定する技術がある。特許文献1は、入力文字列を解析して金額や電話番号等の文字列の種別を判断し、判断した種別に応じたアプリケーションプログラムを自動で起動することを開示している。特許文献2は、検索入力文を構文解析して、複数の検索エンジンの中から、特定の分野に特化した望ましい検索エンジンを選択し、選択した検索エンジンを用いて情報検索を行うことを開示している。
【0003】
特許文献3は、文字列とその文字列の属性との対応関係を記述した複数のデータテーブルを参照して、入力文字列の属性を決定し、決定した文字列の属性と検索方法との対応関係を記述したデータテーブルを参照して、入力文字列の属性に対応した最適な検索方法を決定することを開示している。特許文献3に記載された発明は、入力文字列に含まれる各文字列の属性を決定する際、文字列属性確定順位に従って一の文字列に一の属性を順次決定し、確定済みの文字列の属性とは重複しないように各文字列の属性を決定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−154069号公報
【特許文献2】特開2003−132060号公報
【特許文献3】特開2009−266207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1から特許文献3に記載された発明は、いずれも、ユーザにとって最適な機能を択一的に推定することにより、ユーザに強いられる機能選択に関する負担を減らすことができるものである。しかしながら、スマートフォンや携帯電話端末等の、多くの機能を実現可能な端末装置では、ユーザの希望する機能を1つに絞り込んで推定することが難しい場合があると考えられる。例えば、地名である「横浜」という文字列が入力文字列に含まれる場合、ユーザが現在位置から横浜までの電車での行き方を知りたいときには、電車の乗換案内を提供する機能がユーザにとって最適な機能であるし、ユーザが横浜にある飲食店に関する情報を知りたいときには、グルメ情報を提供するWebサイトを表示するためのブラウザ機能がユーザにとって最適な機能であるし、ユーザが横浜周辺の地理を知りたいときには、地図機能がユーザにとって最適な機能であると考えられる。また、グルメ情報を提供するWebサイトに様々なものがあるように、ユーザの利用目的を達成することができる機能が複数存在する場合がある。この場合、ユーザが利用したい機能はその時時で異なることも考えられる。特許文献1から特許文献3に記載された発明は、ユーザによる利用の可能性を考慮して積極的に複数の機能を提示する、という技術思想の下でなされたものでない。
そこで、本発明は、入力文字列を基に複数機能を提示して、ユーザによる機能選択を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の機能提示システムは、入力情報を取得する情報取得部と、登録文字列の分類を示す識別子を記憶する第1記憶部と、前記情報取得部が取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を、前記第1記憶部を参照して特定する特定部と、前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する第2記憶部と、前記第2記憶部を参照して、前記特定部が特定した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明において、前記第1記憶部は、前記入力情報の認識に用いられ、登録文字列に前記識別子を割り当てた辞書ファイルを記憶し、前記特定部は、前記辞書ファイルを参照して、前記入力情報を認識し、認識した入力文字列と、当該入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子とを特定するようにしてもよい。
本発明において、前記第1記憶部は、少なくとも一部の登録文字列について複数の前記識別子を記憶し、前記特定部は、前記入力文字列に含まれる一の登録文字列の前記識別子が前記第1記憶部に複数記憶されている場合、当該複数の前記識別子を特定するようにしてもよい。
【0008】
本発明において、前記識別子は、前記登録文字列の意味に基づく分類を示し、前記第2記憶部は、前記識別子と、提示対象となる前記機能の種類とを対応付けて記憶し、前記提示部は、前記特定部が特定した識別子に対応付けて前記第2記憶部に記憶された種類の機能を、前記提示方法で複数提示するようにしてもよい。
また、本発明において、前記識別子は、前記登録文字列に対して定められた前記機能の種類を前記分類として示し、前記第1記憶部は、前記機能の種類に対して与えられた重み付けを前記識別子に対応付けて記憶し、前記特定部は、前記第1記憶部を参照して、前記識別子と、当該識別子が示す前記機能の種類に対する重み付けとを特定し、前記提示部は、前記特定部が特定した識別子と重み付けとに応じて、前記提示方法で複数機能を提示するようにしてもよい。
また、本発明において、前記識別子として、前記登録文字列の意味に基づく分類を示す第1識別子と、前記登録文字列の分類として前記登録文字列に対して定められた前記機能の種類を示す第2識別子とがあり、前記第1記憶部は、前記登録文字列毎に、前記第1識別子、前記第2識別子、及び当該第2識別子が示す前記機能の種類に対して与えられた重み付けを記憶し、前記提示部は、前記第2記憶部を参照して、前記特定部が特定した前記第1識別子、又は前記特定部が特定した第2識別子と重み付けとに応じて、前記提示方法で複数機能を提示するようにしてもよい。
【0009】
本発明において、前記提示部は、前記入力文字列に対応する登録文字列の表記方法に応じて、前記提示方法を異ならせるようにしてもよい。
【0010】
本発明において、前記提示部により前記機能が提示された後にユーザにより実現が指示された前記機能に基づいて、前記第1記憶部の記憶内容を更新する第1更新部を備えるようにしてもよい。
また、本発明において、前記提示部により前記機能が提示された後にユーザにより実現が指示された前記機能に基づいて、前記第2記憶部の記憶内容を更新する第2更新部を備えるようにしてもよい。
【0011】
本発明において、前記提示部が提示した前記機能のうち決められた条件を満たす機能を実現する機能実現部を備え、前記提示部は、前記特定部が特定した識別子に応じて提示対象となる複数機能と、前記機能実現部が機能を実現した結果とを提示するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の機能提示システムは、サーバ装置と端末装置とを備える機能提示システムであって、前記サーバ装置は、前記端末装置と通信する第1通信部と、前記端末装置の入力情報を取得する情報取得部と、登録文字列の分類を示す識別子を記憶する第1記憶部と、前記情報取得部が取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を、前記第1記憶部を参照して特定する特定部と、前記特定部が特定した識別子を前記端末装置に送信するよう、前記第1通信部を制御する送信制御部と、を有し、前記端末装置は、前記サーバ装置と通信する第2通信部と、前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する第2記憶部と、前記第2通信部により前記サーバ装置から受信した前記識別子を取得する識別子取得部と、前記第2記憶部を参照して、前記特定部が特定した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示部とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の端末装置は、サーバ装置と通信する通信部と、自端末装置の入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列に対し、当該登録文字列の分類を示す識別子が前記サーバ装置により特定されると、前記通信部の通信により当該識別子を取得する識別子取得部と、前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する記憶部と、前記記憶部を参照して、前記識別子取得部が取得した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明のサーバ装置は、自サーバ装置から受信した識別子に応じた機能を複数提示する端末装置と通信する通信部と、前記端末装置の入力情報を取得する情報取得部と、登録文字列の分類を示す識別子を記憶する記憶部と、前記情報取得部が取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を、前記記憶部を参照して特定する特定部と、前記特定部が特定した識別子を前記端末装置に送信するよう、前記通信部を制御する送信制御部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明のプログラムは、通信部を有する端末装置のコンピュータに、前記端末装置の入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列に対し、当該登録文字列の分類を示す識別子がサーバ装置により特定されると、前記通信部の通信により当該識別子を取得する識別子取得ステップと、前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する記憶部を参照して、前記識別子取得ステップで取得した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示ステップとを実行させるためのものである。
【0016】
本発明のプログラムは、通信部を有するサーバ装置のコンピュータに、当該サーバ装置から受信した識別子に応じた機能を複数提示する端末装置の入力情報を取得する情報取得ステップと、登録文字列の分類を示す識別子を記憶する記憶部を参照して、前記情報取得ステップで取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を特定する特定ステップと、前記特定ステップで特定した識別子を前記端末装置に送信するよう、前記通信部を制御する送信制御ステップとを実行させるためのものである。
【0017】
本発明の機能提示方法は、入力情報を取得する情報取得ステップと、登録文字列の分類を示す識別子を記憶する第1記憶部を参照して、前記情報取得ステップで取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を特定する特定ステップと、前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する第2記憶部を参照して、前記特定ステップで特定した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、入力文字列を基に複数機能を提示して、ユーザによる機能選択を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】機能提示システムの全体構成を示す図。
【図2】サーバ装置の構成を示すブロック図。
【図3】第1実施形態に係る辞書ファイルの構成を示す図。
【図4】端末装置の構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態に係る機能選択ファイルの構成を示す図。
【図6】機能管理テーブルの構成を示す図。
【図7】同実施形態に係るサーバ装置の制御部の機能的構成を示すブロック図。
【図8】同実施形態に係る端末装置の制御部の機能的構成を示すブロック図。
【図9】同実施形態に係る機能提示システムの動作を示すシーケンスチャート。
【図10】機能提示画面を示す図。
【図11】機能提示画面を示す図。
【図12】第2実施形態に係る辞書ファイルの構成を示す図。
【図13】同実施形態に係る機能選択ファイルの構成を示す図。
【図14】同実施形態に係る機能提示システムの動作を示すシーケンスチャート。
【図15】第3実施形態に係る辞書ファイルの構成を示す図。
【図16】同実施形態に係る機能選択ファイルの構成を示す図。
【図17】重み付け更新テーブルの構成を示す図。
【図18】第4実施形態に係るサーバ装置の制御部の機能的構成を示す機能ブロック図。
【図19】同実施形態に係る機能提示システムの動作を示すシーケンスチャート。
【図20】同実施形態に係る機能提示システムの動作を示すシーケンスチャート。
【図21】第5実施形態に係る端末装置の制御部の機能的構成を示す機能ブロック図。
【図22】同実施形態に係る機能提示システムの動作を示すシーケンスチャート。
【図23】同実施形態に係る機能提示システムの動作を示すシーケンスチャート。
【図24】変形例1に係る端末装置の動作を示すフローチャート。
【図25】機能提示システムの機能的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、機能提示システム1の全体構成を示す図である。
機能提示システム1は、端末装置20で実現可能な機能の中から、端末装置20のユーザが利用を希望する機能を推定して提示するサービス(以下、「機能提示サービス」という。)を提供するためのシステムである。図1に示すように、機能提示システム1は、サーバ装置10と、端末装置20とを備えている。サーバ装置10と端末装置20とは、ネットワークNW経由で互いに通信可能に接続されている。ネットワークNWは、ここでは、移動体通信網、ゲートウェイ及びインターネットを含む通信網である。
【0021】
端末装置20は、ここではスマートフォンであり、音声(端末装置20のユーザが発する声を想定する。)を検出し、検出した音声を基に機能提示サービスで推定された機能を提示する。サーバ装置10は、端末装置20で検出された音声を認識する音声認識サーバとして機能する一方で、音声認識の結果に基づいて機能提示サービスの提供を支援する。
なお、端末装置20は、スマートフォンに限らず、例えば携帯電話端末やパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する端末装置であってもよい。また、図1には、端末装置20を1つだけ図示しているが、実際にはより多数の端末装置20が機能提示システム1に含まれる。
【0022】
図2は、サーバ装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備えるマイクロコンピュータである。CPUは、ROMや記憶部13に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、サーバ装置10の各部を制御する。通信部12は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースである(第1通信部)。記憶部13は、例えばハードディスク装置を備える、辞書ファイル131及び制御部11により実行される各種プログラムを含むデータを記憶する(第1記憶部)。辞書ファイル131は、音声認識に用いられる音声認識辞書であるとともに、以下に説明する構成を有する辞書ファイルである。
【0023】
図3は、辞書ファイル131の構成を示す図である。辞書ファイル131では、辞書登録された登録文字列に、その登録文字列の意味に基づく分類を示す識別子が対応付けてられている。
図3に示すように、辞書ファイル131は、「登録文字列」と「第1識別子」との各フィールドに記述された情報を対応付けたデータテーブルを含む。「登録文字列」のフィールドには、辞書ファイル131に登録された文字列が記述されている。登録文字列は、典型的には単語であるが、複合語等の任意の文字列(例えば、情報検索に用いられる検索語)を含みうる。また、登録文字列は、漢字、平仮名、片仮名、アルファベット等の、どのような文字で構成されてもよい。「第1識別子」のフィールドには、登録文字列の意味に基づく分類を示す識別子が記述される。第1識別子は、登録文字列の意味(又は概念)に応じて予め決められた分類に従って、各登録文字列に割り当てられている。例えば、登録文字列「表参道」の第1識別子は「地名」であり、登録文字列「会議」の第1識別子は「行事」である。
また、辞書ファイル131では、一の登録文字列に複数の第1識別子が割り当てられることもある。登録文字列「品川」の第1識別子は、「地名,人名」(地名及び人名)である。これは「品川」という文字列が、地名としても解釈しうるし、人名(詳しくは、人の姓)しても解釈しうることによるものである。辞書ファイル131には、少なくとも一部の登録文字列について、複数の第1識別子が記述されている。
なお、図3に示す登録文字列及び第1識別子は一例であり、実際には、より多数の組み合わせが辞書ファイル131に記述されている。例えば、「人名」を更に細分化して、「芸能人名」や「作家名」、「スポーツ選手名」等の第1識別子が用いられてもよい。また、辞書ファイル131に辞書登録されたすべての登録文字列に、第1識別子が割り当てられているとは限らない。
【0024】
図4は、端末装置20の構成を示すブロック図である。図4に示すように、端末装置20は、制御部21と、音声入出力部22と、無線通信部23と、UI(User Interface)部24と、記憶部25とを備える。
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMを備えるマイクロコンピュータである。CPUは、ROMや記憶部25に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、端末装置20の各部を制御する。音声入出力部22は、受話音声等を収音するマイクロホンと送話音声を放音するスピーカとを備え、音声の入出力に関する機能を実現する。音声入出力部22は、マイクロホンによって端末装置20のユーザが発した音声を検出し、音声の検出結果を制御部21に出力する。無線通信部23は、無線通信回路やアンテナを備え、ネットワークNWに無線通信により接続するためのインタフェースである(第2通信部)。UI部24は、画像を表示する表示面と、表示面に重ねられたタッチパネルとを備え、GUI(Graphical User Interface)を提供するものである。すなわち、UI部24は、タッチパネルによりユーザからの操作を受け付ける操作部と、表示面に表示する画像により情報を報知する表示部としての双方の機能を実現する。
なお、端末装置20において、操作部と表示部とがそれぞれ独立したハードウェアで実現されてもよい。
【0025】
記憶部25は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)を備え、機能選択ファイル251、機能管理テーブル252及び各種のアプリケーションソフトウェアを含むデータを記憶する(第2記憶部)。制御部21は、例えば、記憶部25が記憶するアプリケーションソフトウェアを実行することにより、端末装置20における機能を実現する。記憶部25が記憶するアプリケーションソフトウェアは、例えば、メーラやWebブラウザ、地図を表示するための地図アプリ、動画ファイルを再生するための動画アプリ等を含むが、どのようなアプリケーションソフトウェアを含んでいてもよい。また、これらのアプリケーションソフトウェアは、端末装置20にプリインストールされたものや、ユーザによって端末装置20にインストールされたものを含む。
なお、アプリケーションソフトウェアには、そのアプリケーションソフトウェアの実行をユーザが端末装置20に指示する際に、ユーザが指定するアイコン画像を表示するためのアルゴリズムが記述されている。
【0026】
端末装置20で実現可能な機能は、端末装置20が必要な情報処理を実行することにより実現され、機能毎に少なくとも情報処理の内容の一部が異なる。例えば、Webブラウザの実行により実現される機能であっても、アクセス先のURL(Uniform Resource Locator)が異なれば、それぞれ異なる機能として区別される。
なお、端末装置20で各機能の実現に必要な情報(アクセス先のURL等)は、記憶部25に記憶されている。制御部21はその情報を用いた情報処理を実行して、各機能を実現する。
【0027】
図5は、機能選択ファイル251の構成を示す図である。機能選択ファイル251は、第1識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶するデータである。
図5に示すように、機能選択ファイル251は、「第1識別子」と、「カテゴリ」と、「カテゴリ優先度」との各フィールドに記述された情報を対応付けたデータテーブルである。「第1識別子」のフィールドには、辞書ファイル131に記述されたものと共通する第1識別子が、1又は複数の組み合わせで記述されている。「カテゴリ」のフィールドには、端末装置20で実現可能な機能の種類として、機能が属するカテゴリが記述されている。「カテゴリ優先度」のフィールドには、カテゴリに対する優先度が記述されている。カテゴリ優先度は、詳しくは後述するが、機能提示サービスの提供において参照される優先度である。カテゴリ優先度は、ここでは「0.0」以上「1.0」以下の値であり、その値が大きいほど優先度が高いことを示す。
【0028】
機能選択ファイル251には、例えば、第1識別子「地名+食品」(地名及び食品)に対応付けて、カテゴリ「グルメ」及びカテゴリ優先度「0.6」と、カテゴリ「買い物」及びカテゴリ優先度「0.4」とが記述されている。このように、機能選択ファイル251では、複数の第1識別子の組み合わせに対応してカテゴリ及びカテゴリ優先度が記述されていることがある。また、機能選択ファイル251には、第1識別子「地名」に対応付けて、カテゴリ「地図」及びカテゴリ優先度「0.8」と、カテゴリ「グルメ」及びカテゴリ優先度「0.2」とが記述されている。機能選択ファイル251では、第1識別子が示す登録文字列の意味と関連が深いカテゴリが当該弟1識別子に対応付けられ、例えば、その関連が深いほどカテゴリ優先度が高い。
また、複数の第1識別子の組み合わせは、「地名+地名」のように、同一の第1識別子を複数含んでいてもよい。第1識別子「地名+地名」には、カテゴリ「乗換案内」が対応付けられている。これは入力文字列に地名を意味する登録文字列が2つ含まれているということは、例えば、ユーザが電車での乗換を調べるために、出発地点と到着地点とを指定した可能性が考えられることによるものである。
なお、図5に示す第1識別子、カテゴリ及びカテゴリ優先度は一例であり、実際には、より多数の組み合わせが機能選択ファイル251に記述されている。ただし、機能選択ファイル251は、一の第1識別子の組み合わせについて、カテゴリ優先度の総和が「1.0」となるように構成されている。また、どのカテゴリにどの機能が属するかについては、機能提示システム1の設計段階等で決められる。
以上の構成を有する機能選択ファイル251は、詳しくは後述するが、所定の提示方法で提示する機能を選択する際に、端末装置20により参照されるデータである。
【0029】
図6は、機能管理テーブル252の構成を示す図である。機能管理テーブル252は、端末装置20が実現可能な機能と、当該機能が属するカテゴリとの対応関係が記述されたデータテーブルである。
図6に示すように、機能管理テーブル252では、「カテゴリ」と、「機能」と、「機能優先度」との各フィールドに記述された情報が対応付けられている。「カテゴリ」のフィールドには、機能選択ファイル251に記述されたものと共通する情報が記述されている。「機能」のフィールドには、端末装置20で実現可能な機能を識別する情報が記述されている。例えば、「機能」のフィールドに「サイト」と記述された機能は、Webブラウザの実行により実現される。「機能優先度」のフィールドには、機能に対する優先度が記述されている。機能優先度は、詳しくは後述するが、機能提示サービスにおける機能の提示の際に参照される優先度である。機能優先度は、ここではカテゴリ毎に独立して各機能に割り当てられた優先順位であり、その値が小さいほど優先度が高いことを意味する。機能優先度が設定されていない機能(図6で「−」(ハイフン)で示した機能)は、端末装置20で実現可能であるものの、機能提示サービスでは提示の対象とならないものとする。
以上の機能管理テーブル252の機能優先度は、ユーザ設定等に応じて端末装置20により更新されてもよい。また、機能管理テーブル252において全ての機能に機能優先度が設定されていてもよい。
続いて、機能提示システム1の機能的構成を説明する。
【0030】
図7は、サーバ装置10の制御部11の機能的構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、制御部11は、プログラムを実行することにより、情報取得部111と、特定部112と、送信制御部113とに相当する機能を実現する。
情報取得部111は、通信部12の通信により、端末装置20の入力情報を取得する。入力情報は、例えば端末装置20で検出された音声(例えば、音声波形)を示す音声情報である。
特定部112は、辞書ファイル131を参照して、情報取得部111が取得した入力情報が示す入力文字列と、当該入力文字列に対応する登録文字列の第1識別子とを特定する。入力情報が音声情報である場合、特定部112は、辞書ファイル131を参照して、音声情報を認識し、認識した入力文字列とこの入力文字列に対応する登録文字列の第1識別子とを特定する。特定部112は、入力文字列に含まれる登録文字列に対応付けられた1又は複数の第1識別子を、登録文字列毎に辞書ファイル131からすべて特定する。入力文字列は、ここではテキストコードで表される。
送信制御部113は、入力文字列と、入力文字列に対応する登録文字列について特定部112が特定した第1識別子との組を端末装置20に送信するよう、通信部12を制御する。
【0031】
図8は、端末装置20の制御部21の機能的構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、制御部21は、プログラムを実行することにより、識別子取得部211と、提示部212と、機能実現部213とに相当する機能を実現する。
識別子取得部211は、送信制御部113の制御によりサーバ装置10から送信され無線通信部23により受信された入力文字列と、入力文字列に対応する登録文字列の第1識別子との組を取得して、ここから第1識別子を取得する。
提示部212は、機能選択ファイル251及び機能管理テーブル252を参照して、識別子取得部211が取得した第1識別子に応じて提示対象となる機能を、所定の提示方法で複数提示する。例えば、提示部212は、識別子取得部211が取得した第1識別子に応じて提示対象となる機能を、他の機能よりも優先させてUI部24への表示により提示する。
なお、識別子取得部211が取得した第1識別子は、特定部112が特定した第1識別子と同一である。
【0032】
機能実現部213は、提示部212が提示する機能のうち決められた条件を満たす機能を実現する。例えば、機能実現部213は、提示部212が提示する機能のうちのいずれか1つの機能を、ユーザからの当該機能の実現指示を受け付けることなく実現する。提示部212は、提示対象となる複数機能と、機能実現部213が機能を実現した結果とを提示する。
機能実現部213は、端末装置20における機能の実現に関する制御を司るものであり、例えば、UI部24の操作や音声入力によって機能の実現がユーザに指示された場合に、当該機能を実現する。また、例えばユーザによっては自動で機能の実現が開始することを希望しない場合もあると考えられるため、機能実現部213は、提示部212により提示された機能を用いてユーザからの実現指示を受け付けた場合に、その指示に応じて機能を実現するものであってもよい。また、機能実現部213は、入力文字列の全部又は一部を利用して機能を実現する場合もあれば、入力文字列を用いないで機能を実現する場合もある。
次に、機能提示システム1の動作を説明する。
【0033】
図9は、機能提示システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
端末装置20の制御部21は、ユーザによりUI部24が操作されて機能提示サービスの利用が指示されると、音声入力の受付を開始する。端末装置20のユーザは自身が利用したい機能に関する言葉を発する。ここで、ユーザは、品川区にあるラーメン店に関する情報を調べたいと考え、「品川」という言葉と、「ラーメン」という言葉とを発したとする。制御部21は、音声入出力部22により「品川」、「ラーメン」というユーザの発声に応じて音声入力を受け付けて、この音声を示す音声情報を入力情報として受け付ける(ステップSA1)。
【0034】
端末装置20の制御部21は、音声情報である入力情報をサーバ装置10に送信するよう、無線通信部23を制御する(ステップSA2)。
【0035】
サーバ装置10の制御部11は、通信部12によるサーバ装置10との通信により音声情報である入力情報を取得する(ステップSA3)。次に、制御部11は、辞書ファイル131を参照して、音声情報を認識し(ステップSA4)、認識した入力文字列と当該入力文字列に対応する登録文字列の第1識別子とを特定する(ステップSA5)。図3に示すように、辞書ファイル131において、登録文字列「品川」に第1識別子「地名,人名」が割り当てられ、登録文字列「ラーメン」に第1識別子「食品」が割り当てられている。よって、制御部11は、「品川<地名,人名>」及び「ラーメン<食品>」というデータを得る。
なお、「AA<BB>」という形式のデータは、入力文字列に含まれる登録文字列「AA」の第1識別子が「BB」であることを意味する。このデータ形式は一例であり、登録文字列と第1識別子との関係が明らかであれば、これ以外のデータ形式が採用されてもよい。
【0036】
次に、制御部11は、入力文字列と、入力文字列に含まれる登録文字列について特定した第1識別子との組を端末装置20に送信するよう、通信部12を制御する(ステップSA6)。
【0037】
端末装置20の制御部21は、入力文字列と、入力文字列に含まれる登録文字列の第1識別子との組を無線通信部23によって受信すると、ここから第1識別子を取得する(ステップSA7)。制御部11は、「品川<地名,人名>」及び「ラーメン<食品>」というデータをサーバ装置10から取得したから、ここでは、第1識別子として「地名,人名+食品」を取得する。
なお、ここでは、各登録文字列から特定された第1識別子が「+」を用いて区別される。
【0038】
次に、制御部21は、機能選択ファイル251を参照して、ステップSA7の処理で取得した第1識別子に応じて提示対象となる機能が属するカテゴリを選択する(ステップSA8)。
ここで、制御部21は、機能選択ファイル251において、第1識別子「地名,人名+食品」と一致する第1識別子に対応付けられたカテゴリを選択する。この選択の際、制御部21は、第1識別子が部分一致したテゴリよりも、完全一致したカテゴリを優先させる。ここでの完全一致は、サーバ装置10で特定された第1識別子の組み合わせが、機能選択ファイル251に記述されていることを意味する。また、部分一致は、サーバ装置10で特定された第1識別子の組み合わせの一部を構成する第1識別子が、機能選択ファイル251に記述されていることを意味する。ここでは、図5に示すように、サーバ装置10で特定された第1識別子「地名,人名+食品」に完全一致する第1識別子として、「地名+食品」が機能選択ファイル251に記述されている。また、サーバ装置10で特定された第1識別子「地名,人名+食品」に部分一致する第1識別子として、「地名」が機能選択ファイル251に記述されている。
よって、制御部21はカテゴリ「グルメ」、「買い物」及び「地図」を選択し、各カテゴリ優先度をそれぞれ「0.6」、「0.4」、「0.8」と特定する。
なお、カテゴリ「グルメ」は、第1識別子「地名+食品」と、第1識別子「地名」とで選択されるが、この場合、制御部21はカテゴリ優先度が高い方を採用するとよい。
【0039】
次に、制御部21は、ステップSA8の処理で選択したカテゴリに属する、決められた条件を満たす機能を実現する(ステップSA9)。ここでは、制御部21は、サーバ装置10で特定された第1識別子と機能選択ファイル251に記述された第1識別子との一致数、カテゴリ優先度、及び機能優先度に応じて定まる1つの機能を、ユーザからの機能の実現指示を受け付けることなく実現する。制御部21は、第1識別子の一致数が最も多く、且つ、カテゴリ優先度及び機能優先度がそれぞれ最も高い機能を実現する。既に説明したとおり、ここでは、第1識別子の一致数が最も多いカテゴリは「グルメ」及び「買い物」であるが、カテゴリ優先度が最も高いカテゴリは「グルメ」である。そして、カテゴリ「グルメ」に属する機能のうち、機能優先度が最も高い機能は、「グルメサイトA」である。よって、制御部21は、「グルメサイトA」について、「品川」及び「ラーメン」を検索語として用いて情報検索を行う。
なお、この場合において、制御部21は入力文字列に対応する登録文字列のすべてを用いてもよいし、一部の登録文字列を用いてもよい。また、制御部21は、入力文字列の全体を用いて機能を実現してもよいし、入力文字列を用いないで機能を実現してもよい。
【0040】
次に、制御部21は、ステップSA8の処理で選択したカテゴリに属する複数機能を所定の提示方法で提示するとともに、ステップSA9の処理に応じた機能の実現結果を提示する(ステップSA10)。ここでは、制御部21は、図6に示す機能管理テーブル252で機能優先度が設定されたすべての機能を提示対象とし、更に、ステップSA8の処理で選択したカテゴリに属する機能であって、第1識別子に応じて提示対象となった機能を、他の機能よりも優先させて提示する。ステップSA8の処理で、制御部21は、「グルメ」、「買い物」及び「地図」という3つのカテゴリを選択したので、「グルメサイトA」〜「グルメサイトC」→「買い物サイトA」→「買い物サイトC」→「地図アプリ」という順で、これら7つの機能を他の機能よりも優先させて提示する。具体的には、制御部21は、第1識別子に応じて提示対象となった機能に対応するアイコン画像を、サーバ装置10で特定された第1識別子と機能選択ファイル251に記述された第1識別子との一致数、カテゴリ優先度、及び機能優先度に応じた態様で配置するとともに、ステップSA9の処理で機能を実現した結果を配置した機能提示画面を、UI部24に表示させる。制御部21は、アイコン画像がUI部24の操作によりユーザに指定されたことを契機に、そのアイコン画像に対応する機能を実現する。
【0041】
図10は、機能提示画面を示す図である。
図10において、アイコン画像I1〜I7は、それぞれ、他の機能よりも優先させて提示される機能に対応するアイコン画像である。機能提示画面が表示されたとき、アイコン画像I1〜I4は表示面に表示されているので、ユーザは画面を遷移させるための操作をUI部24に行うことなく、これらのアイコン画像を視認し、指定することが可能である。一方で、破線で示したアイコン画像I5〜I7は、機能提示画面が表示されたときには表示面に表示されず、ユーザが画面を遷移させるための操作(例えば、フリック操作)をUI部24に行うことで表示面に表示される。これらのアイコン画像I1〜I7は、第1識別子の一致数が多い順→カテゴリ優先度が高い順→機能優先度が高い順となるように配置される。すなわち、アイコン画像I1〜I7は、順に、「グルメサイトA」〜「グルメサイトC」→「買い物サイトA」〜「買い物サイトC」→「地図アプリ」という配置となる。よって、ユーザにしてみれば、第1識別子の一致数が多い機能、カテゴリ優先度が高い機能、又は機能優先度が高い機能のアイコン画像ほど、より少ない操作量の操作で指定することが可能である。
【0042】
また、制御部21は、アイコン画像I7よりも更に図中右側に、すなわち、アイコン画像I1〜I7よりもアイコン画像を表示させるための操作量が多くなる位置に、機能管理テーブル252で機能優先度が設定された、残りのすべての機能のアイコン画像を表示させる。このようにして制御部21は、第1識別子に応じて提示対象となる機能以外の機能については、カテゴリ優先度及び機能優先度とは無関係にアイコン画像を配置する。例えば、制御部21は、機能管理テーブル252における機能の記述順と同じになるようなアイコン画像の配置としてもよいし、設計段階等で予め決められた配置としてもよいし、ユーザによる過去の利用履歴を反映させた配置(例えば、利用回数や利用頻度が高い機能ほど、アイコン画像を図中左側に表示させる)としてもよい。ここでは、制御部21は、第1識別子に応じて提示対象となった機能のみについて、第1識別子の一致数、カテゴリ優先度及び機能優先度に従って提示する。
なお、制御部21は、第1識別子に応じて提示対象となった機能のみを提示し、それ以外の機能を提示しない、という提示方法を採用してもよい。この場合、アイコン画像I1〜I7のみが機能提示画面で表示される。要するに、制御部21は、予め決められた提示方法に従って、第1識別子に応じて提示対象となった機能を少なくとも提示すればよい。
また、機能提示画面のアイコン画像と同時に、アイコン画像の下側の領域に、制御部21がステップSA9の処理で実現した機能の実現結果が表示される。この機能の実現結果は、アイコン画像I1に対応する機能の実現結果となるはずであり、ここでは「グルメサイトA」である。これにより、ユーザは、機能提示システム1でユーザが最も強く利用を希望すると推定された機能の実現結果を、速やかに確認することができる。
【0043】
以上説明した第1実施形態では、サーバ装置10は、辞書ファイル131を参照して、端末装置20の入力情報を認識し、入力文字列とこの入力文字列に対応する登録文字列の第1識別子とを特定する。そして、端末装置20は、サーバ装置10から提供された第1識別子と、機能選択ファイル251及び機能管理テーブル252とに応じて複数機能を提示する。このような機能提示システム1では、単にユーザにとって好ましいと思われる機能を択一的に推定し提示するのではなく、ユーザの端末装置20の様々な利用目的の可能性に鑑みて、ユーザにとって有用と推定される機能の候補を複数提示する。また、端末装置20は、第1識別子の一致数、カテゴリ優先度及び機能優先度に応じた態様で、機能提示画面を表示する。これにより、端末装置20は、ユーザが利用を強く希望すると推定される機能ほど、ユーザに強いる操作負担を少なくして、選択した複数機能や機能の実現結果を提示することが可能である。
【0044】
また、機能提示システム1では、構文解析等の複雑な解析処理を入力文字列に対して行わないで、音声認識に用いられる辞書ファイル131を参照して第1識別子を特定する。このように、機能提示システム1では、構文解析や、入力文字列を得た後に第1識別子を特定するためのデータベース参照に係る処理を必要としないので、入力情報が端末装置20に入力されてから機能提示までに要する時間の増大が抑えられる。また、機能提示システム1では、この第1識別子の特定に多数のデータテーブルを参照することはなく、また、入力文字列に含まれる登録文字列の第1識別子はそれぞれ独立して特定されるので、他の登録文字列の第1識別子の確定状況の影響を受けない。よって、機能提示システム1では、入力文字列の各登録文字列の本来の意味を正確に反映させて、機能提示サービスを提供することができる。
【0045】
<第1実施形態の変形例>
上述した第1実施形態の構成を、以下の(1−1)〜(1−6)で説明する構成に変形してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(1−1)機能提示システム1において、機能選択ファイル251に記述された第1識別子の組み合わせ(例えば、「地名+食品」)の一部を構成する第1識別子が、サーバ装置10で特定された場合(例えば、「地名」のみが特定された場合)に、これらが部分一致すると扱われてもよい。この場合、制御部21は、部分一致した第1識別子に機能選択ファイル251で対応付けられたカテゴリについては、カテゴリ優先度を小さくするよう補正する。例えば、制御部21は、部分一致したカテゴリについては、カテゴリ優先度を1/2にする。よって、入力文字列が「品川 ラーメン」のときには、制御部21は、カテゴリ「グルメ」、「買い物」、及び「地図」について、カテゴリ優先度を「0.6」、「0.4」、「0.4」とする。
なお、制御部21は、部分一致の程度に応じてカテゴリ優先度の補正の内容を異ならせてもよい。例えば、制御部21は、一致度が低いほどカテゴリ優先度を大きく減じるように補正する。
【0046】
(1−2)機能提示システム1が表示する機能提示画面を以下のように変形してもよい。
図11は、機能提示画面の別の態様を示す図である。
提示対象のアイコン画像の数が多くなった場合、図10に示す機能提示画面では、第1識別氏の一致数やカテゴリ優先度、機能優先度が相対的に低い機能のアイコン画像が表示されるまでに、ユーザに強いられる操作の量が多くなる。そこで、制御部21は、図11(a)に示す機能提示画面をまずUI部24に表示させる。ここで、アイコン画像I1〜I3は、図10に示したアイコン画像と同じものである。制御部21は、アイコン画像I1〜I3の右側に配置したアイコン画像Ietcがユーザにより指定されると、図11(b)に示す機能提示画面に遷移させる。ここでは、制御部21は、機能の実現結果を表示させないで、UI部24の表示面のほぼ全体を使ってアイコン画像を表示させる。これにより、図10の機能提示画面よりも表示面に配置可能なアイコン画像が増えるので、カテゴリ優先度が低いカテゴリに属する機能のアイコン画像も、ユーザは指定しやすくなる。制御部21は、図11(b)に示す機能提示画面では、図10に示す機能提示画面の場合と同じ規則に従ってアイコン画像を配置してもよいし、この規則とは無関係にアイコン画像を配置してもよい。制御部21は、図11(b)に示す機能提示画面でのアイコン画像の配置を任意のものとすることが可能である。
なお、制御部21は、図11(a)に示す機能提示画面において機能に対応するアイコン画像を表示させていたが、提示対象の機能が属するカテゴリに対応するアイコン画像を表示させてもよい。この場合、アイコン画像の配置は、第1識別子の一致数が多い→カテゴリ優先度が高い、という順にすればよい。制御部21は、いずれかのカテゴリに対応するアイコン画像がユーザに指定されると、図11(b)示す機能提示画面において、指定されたカテゴリに属する各機能のアイコン画像を表示させるとよい。
なお、制御部21は、提示対象の機能の数が閾値未満であれば、図10に示すような機能提示画面を表示させ、提示対象の機能の数が閾値以上であれば、図11に示すような機能提示画面を表示させてもよい。
なお、以上説明した機能提示画面におけるアイコン画像の配置の態様は一例であり、表示面で一度に表示されるアイコン数やそれらの配置位置などは、前掲の態様に限定されない。
【0047】
(1−3)上述した第1実施形態の機能提示システム1において、端末装置20の制御部21は、アイコン画像I1に対応する機能をユーザの指示なしに実現し、それ以外の機能についてはユーザによりアイコン画像が指定されたことを契機に実現していた。これに代えて、制御部21は、アイコン画像I2〜I7に対応する機能で、第1識別子に応じて提示対象となった機能のうち、ステップSA9の処理で実現しなかった機能を、予めバックグラウンドで実現してもよい。この構成によれば、制御部21は、アイコン画像がユーザに指定されたことを契機に、迅速にその実現結果を提示することができる。この場合において、制御部21は、カテゴリ優先度や機能優先度が一定レベル以上高い(例えば、上位の3つ)機能など、アイコン画像を提示する機能のうちの一部の機能について、予めバックグラウンドで実現してもよい。
なお、バックグラウンドでの機能の実現の際、制御部21は、Webブラウザの実行によるwebサイトの表示のように、通信を伴う機能については、アプリケーションソフトウェアを実行し、更に、その機能の実現に必要なデータをダウンロードしてキャッシュしておく。一方、制御部21(機能実現部213)は、通信を伴う機能以外の機能については、アプリケーションソフトウェアをRAMに読み出しておく。このバックグラウンドでの機能の実現については、制御部21がアイコン画像が指定されてから対応する機能の実現を開始するよりも、機能の実現できるまでに要する時間を短くできればよいので、処理の内容は前掲のものに限定されない。制御部21は、機能の実現に必要な情報処理の一部を予め実行しておけばよい。
【0048】
(1−4)機能提示システム1において、辞書ファイル131に記述された第1識別子に、当該第1識別子が示す分類に対する重み係数が対応付けられていてもよい。この場合、機能提示システム1では、重み係数が大きい第1識別子をより重視する。例えば、登録文字列「品川」について、仮に、地名としての認知度が低く、人名として認知度が高いとした場合に、地名の重み係数を「0.3」とし、人名の重み係数を「1.0」とする。端末装置20に第1識別子を送信する際、サーバ装置10の制御部11は、この第1識別子に重み係数を対応付けておく。端末装置20は、第1識別子とともに重み係数を取得し、この第1識別子から特定したカテゴリのカテゴリ優先度に重み係数を作用させて(ここでは、乗算する)、最終的なカテゴリ優先度を算出する。
サーバ装置10が第1識別子「地名」を特定した場合、以下のように端末装置20は動作する。
【0049】
端末装置20の制御部21は、地図のカテゴリ優先度「0.8」に、地名の重み係数「0.3」を乗算して、カテゴリ優先度「0.24」を算出する。また、制御部21は、グルメのカテゴリ優先度「0.2」に、地名の重み係数「0.3」を乗算して、カテゴリ優先度「0.06」を算出する。また、制御部21は、Web検索のカテゴリ優先度「0.5」に、人名の重み係数「1.0」を乗算して、カテゴリ優先度「0.5」を算出する。このようにすれば、カテゴリ優先度は、「Web検索」>「地図」>「グルメ」となる。一方、上述したような重み係数を用いない構成では、「Web検索」のカテゴリ優先度が「0.5」となり、「地図」のカテゴリ優先度が「0.8」となり、「グルメ」のカテゴリ優先度が「0.2」となるので、カテゴリ優先度は「地図」>「Web検索」>「グルメ」となり、端末装置20で第1識別子に対する重み付けを用いた場合と異なる結果になる。
以上のように、機能提示システム1では、第1識別子に対応する重み付けの有無やその重み付けの程度によって、カテゴリの提示の態様を異ならせることも可能である。ここでは、登録文字列の意味としての認知度が高いほど、重み付けが大きくなるようにしていたが、これ以外の指標で重み付けが決められていてもよい。
【0050】
(1−5)機能提示システム1において、機能の種類として、機能が属するカテゴリを用いていたが、機能そのものを用いてもよい。また、この場合において、端末装置20では、機能選択ファイル251の内容と機能管理テーブル252の内容を一体化したデータを参照して、入力文字列から特定した第1識別子に応じて提示対象となる機能を特定することも可能である。
【0051】
(1−6)機能提示システム1において、機能優先度をカテゴリ優先度のように数値化し、この値が大きくなるほど優先度を高くするようにしてもよい。その際、端末装置20は、図5に示す機能選択ファイル251で特定したカテゴリ優先度に機能優先度を作用させて(例えば、乗じて)機能毎の優先度を算出し、この優先度を上述の機能優先度に代えて用いてもよい。
【0052】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態の機能提示システム1では、辞書ファイル及び機能選択ファイルの構成が上述した第1実施形態と相違する。これに伴い、サーバ装置10及び端末装置20の構成及び動作も上述の第1実施形態とは相違する。以下の説明において、本実施形態の機能提示システム1の構成のうち、第1実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。また、第1実施形態と対応する構成について符号の末尾に「a」を付して表し、適宜その説明を省略する。
サーバ装置10は、音声認識辞書として用いられる辞書ファイル131aを記憶部13に記憶している。
【0053】
図12は、辞書ファイル131aの構成を示す図である。
図12に示すように、辞書ファイル131aは、「登録文字列」と「機能情報」との各フィールドに記述された情報を対応付けたデータテーブルである。「登録文字列」のフィールドには、辞書ファイル131と同様、辞書ファイル131aに登録された文字列が記述される。「機能情報」のフィールドには、第2識別子と重み係数との組が記述される。第2識別子は、登録文字列に対して定められた機能の種類を当該登録文字列の分類として示すものである。機能の種類は、上述した第1実施形態のように機能が属するカテゴリを指す場合もあれば、機能そのものを指す場合もある。図12に示す例では、「地図」や「グルメ」はカテゴリに相当し、「スケジューラ」や「メモ帳」は機能そのものに相当する。
【0054】
図12では、AA「BB」というデータ形式で記述されているが、これは第2識別子「AA」という機能の種類に対して、重み係数「BB」が与えられていることを意味する。図12の第4行には、“http://www.〜.com”と記述されているが、これは、登録文字列に関連する情報を提供するWebサイトのURLを意味する。これは、Web閲覧において参照されるアドレス情報であり、機能そのものを示す情報に相当する。重み係数は、ここでは「0.0」以上「1.0」以下の値であり、その値が大きいほど機能の種類に対する重み付けが大きいことを示す。また、辞書ファイル131aは、一の登録文字列について、重み係数の総和が「1.0」となるように構成されている。
辞書ファイル131aでは、登録文字列の意味と関連が深い機能の種類を示す第2識別子が当該登録文字列に対応付けられ、例えば、その関連が深いほど重み係数が大きい。なお、辞書ファイル131aに辞書登録されたすべての登録文字列に、機能情報が割り当てられているとは限らない。
【0055】
図13は、機能選択ファイル251aの構成を示す図である。
端末装置20は、入力文字列から特定される第2識別子と、提示対象となる機能との関係を記述した機能選択ファイル251aを、記憶部25に記憶している。図13に示すように、機能選択ファイル251aには、“重み係数の総和が上位3位の種類の機能を、重み付け順の配置とする”という内容が記述されている。ただし、機能選択ファイル251aのこの内容は一例であり、重み係数の総和が上位5位等とされてもよいし、ユーザにより設定された内容であってもよい。このように機能選択ファイル251aは、入力文字列に対応する登録文字列の機能情報に応じて提示対象となる機能の規則を記述したデータである。
以上の構成を有する機能選択ファイル251aは、詳しくは後述するが、所定の提示方法で提示する機能を選択する際に、端末装置20により参照されるデータである。
次に、制御部11の機能的構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態における機能的構成との相違点を主に説明する。
【0056】
情報取得部111は、通信部12の通信により端末装置20の入力情報を取得する。特定部112は、辞書ファイル131aを参照して、情報取得部111が取得した入力情報が示す入力文字列と、当該入力文字列に対応する登録文字列の機能情報(つまり、第2識別子及び重み係数)とを特定する。入力情報が音声情報である場合、特定部112は、辞書ファイル131aを参照して、音声情報を認識し、認識した入力文字列と入力文字列に対応する登録文字列の機能情報とを特定する。送信制御部113は、入力文字列と、入力文字列に対応する登録文字列について特定部112が特定した機能情報との組を端末装置20に送信するよう、通信部12を制御する。
制御部11のこれ以外の機能は、上述した第1実施形態と同じである。
次に、制御部21の機能的構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態における機能的構成との相違点を主に説明する。
【0057】
識別子取得部211は、無線通信部23により受信された入力文字列と、入力文字列に対応する登録文字列の機能情報との組を取得し、ここから機能情報を取得する。
提示部212は、機能選択ファイル251a及び機能管理テーブル252を参照して、識別子取得部211が取得した機能情報に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する。例えば、提示部212は、識別子取得部211が取得した機能情報と、機能選択ファイル251aに記述された内容とに応じて定まる機能を、他の機能よりも優先させて提示する。
制御部21のこれ以外の機能は、上述した第1実施形態と同様である。
次に、機能提示システム1の動作を説明する。
【0058】
図14は、機能提示システム1の動作を示すシーケンスチャートである。図14に示すステップSB1〜SB3の処理ステップは、上述した第1実施形態のSA1〜SA3と同じであるから、ここではその説明を省略する。以下の説明において、ユーザは「品川」及び「ラーメン」を音声入力したものとする。
サーバ装置10の制御部11は、辞書ファイル131aを参照して、音声情報を認識し(ステップSB4)、認識した入力文字列とこの入力文字列に対応する登録文字列の機能情報とを特定する(ステップSB5)。図12に示すように、辞書ファイル131aにおいて、登録文字列「品川」には、機能情報“地図「0.7」、グルメ「0.2」、電話「0.1」”が対応付けられ、登録文字列「ラーメン」には、機能情報“グルメ「0.4」、レシピ「0.3」、買い物「0.3」”が対応付けられている。
次に、制御部11は、入力文字列と、入力文字列に含まれる登録文字列について特定した機能情報との組を端末装置20に送信するよう、通信部12を制御する(ステップSB6)。
【0059】
端末装置20の制御部21は、入力文字列と、入力文字列に含まれる登録文字列について特定した機能情報との組を無線通信部23によって受信すると、ここから機能情報を取得する(ステップSB7)。ここで、制御部21は、機能情報<地図「0.7」、グルメ「0.2」、電話「0.1」>及び<グルメ「0.4」、レシピ「0.3」、買い物「0.3」>をそれぞれ取得する。
次に、制御部21は、機能選択ファイル251aを参照して、機能の種類毎に重み係数の総和を算出する(ステップSB8)。ここでは、制御部21は、<地図「0.7」、グルメ「0.6」、レシピ「0.3」、買い物「0.3」、電話「0.1」>を算出する。
【0060】
次に、制御部21は、ステップSB8の処理で重み係数を算出した種類の機能から、決められた条件を満たす機能を実現する(ステップSB9)。ここでは、制御部21は、重み係数が最大であった種類の機能を実現する。重み係数が最大であった機能の種類がカテゴリであった場合、制御部21は、そのカテゴリに属する機能優先度が最も高い機能を実現する。それ以外は、制御部21は、第1実施形態のステップSA9の処理と同様にすればよい。
【0061】
次に、制御部21は、機能選択ファイル251a及び機能管理テーブル252を参照して、ステップSB7で取得した機能情報に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で提示させるとともに、ステップSB9の処理に応じた機能の実現結果を提示する(ステップSB10)。ここでは、制御部21は、図6に示す機能管理テーブル252で機能優先度が設定されたすべての機能を提示対象とし、かつ、機能情報に応じて提示対象となる機能を、他の機能よりも優先させて提示する。ここでは、制御部21は、機能選択ファイル251aに記述された“重み係数の総和が上位3位の種類の機能を、重み付け順の配置とする”という内容に従って、重み係数の総和が上位3位の種類の機能(ここでは、カテゴリ「グルメ」、「買い物」及び「地図」に属する機能)について、重み係数の総和が高い順→機能優先度が高い順となるようにアイコン画像を配置して、機能提示画面をUI部24に表示させる。制御部21は、機能管理テーブル252で機能優先度が設定されたそれ以外の機能については、機能優先度や重み係数の総和とは無関係にアイコン画像を配置して、機能提示画面を表示させる。
なお、本実施形態においても、制御部21は、機能選択ファイル251aで規定される条件を満たす機能のアイコン画像のみを提示し、機能管理テーブル252で機能優先度が設定された他の機能については提示しない、という提示方法を採用してもよい。要するに、制御部21は、予め決められた提示方法に従って、機能情報に応じて提示対象となった機能を少なくとも提示すればよい。
【0062】
以上説明した第2実施形態の機能提示システム1では、登録文字列の分類として登録文字列に定められた機能の種類を用いる点で、上述の第1実施形態と相違する。これにより、例えば、登録文字列と機能の種類との関係が多数のユーザによって利用される組み合わせであるほど、重み係数が大きくなるように設定されていれば、機能提示システム1では、多数のユーザの実際の利用状況の統計に応じた機能提示サービスを提供することが可能となる。また、サーバ装置10で辞書ファイル131aが管理されるので、入力文字列に応じて好ましい機能が時々刻々と変化することがあっても、サーバ装置10側での調整により、機能提示システム1において現在の状況に応じた機能の提示が可能となる。
これ以外にも、本実施形態の機能提示システム1によれば、上述した第1実施形態と同等の作用効果を奏する。
【0063】
<第2実施形態の変形例>
上述した第2実施形態の構成を、以下の(2−1)〜(2−3)で説明する構成に変形してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(2−1)機能提示システム1において、辞書ファイル131aに記述された重み係数をそのまま用いるのではなく、登録文字列毎の重要度に応じて重み係数を変化させてから、制御部21が重み係数の総和を算出するようにしてもよい。例えば、登録文字列「品川」に対して登録文字列「ラーメン」が2倍重要であったとすると、制御部21は、登録文字列「ラーメン」の重み係数を2倍にしてから、重み係数の総和を算出する。この場合、制御部21は、<地図「0.7」、グルメ「0.2」、電話帳「0.1」>、及び<グルメ「0.8」、レシピ「0.6」、買い物「0.6」>で加算するので、ステップSB10の処理では、カテゴリ「グルメ」、「地図」、「レシピ」の順で機能を優先させて提示する。
登録文字列毎の重要度は、サーバ装置10の管理者や端末装置20のユーザにより設定されてもよいし、サーバ装置10や端末装置20により、入力文字列における登録文字列の入力頻度の希少度(例えば、入力文字列としての利用が少ない登録文字列)や、tf−idf(Term Freaquency-Inverse Document Frequency)等の指標を用いて算出されてもよい。tf−idfは、文書中の単語に関する重みの一種であり、主に情報検索や文章要約等の分野で利用されるものであるが、例えば、これまで利用された入力文字列を用いて算出されればよい。これにより、例えば、「表参道」等のような利用頻度が高い登録文字列については、重要度が低く設定され、店舗名等のように、利用頻度が低い登録文字列については、重要度が高く設定される。
【0064】
(2−2)機能提示システム1では、機能の種類毎に重み係数を合算しているが、例えばカテゴリ「グルメ」と、機能「グルメサイトA」との重み係数を合算するなど、機能と、その機能が属するカテゴリとの重み係数を合算してもよい。また、本実施形態の機能提示システム1では、重み係数の総和に応じて機能を提示しているが、これ以外にも、重み付けを反映させるための周知の方法を用いて機能を提示してもよい。
(2−3)機能提示システム1で、機能の種類として、機能が属するカテゴリ又は機能そのもののどちらか一方が採用されてもよい。
【0065】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
この第3実施形態の機能提示システム1では、上述した第1実施形態のように第1識別子に応じて機能を提示する「第1の提示方法」と、上述した第2実施形態のように機能情報(第2識別子)に応じて機能を提示する「第2の提示方法」とを択一的に採用して、機能を提示する。第1及び第2の提示方法のアルゴリズムは、上述した第1、第2実施形態と同じである。以下の説明において、本実施形態の機能提示システム1の構成のうち、第1実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。また、第1実施形態と対応する構成について符号の末尾に「b」を付して表し、適宜その説明を省略する。
【0066】
ところで、ある入力文字列に対して第1及び第2の提示方法のいずれかを採用しようとした場合、以下のような事情が存在すると発明者は考えた。
例えば有名人の名前が入力文字列に含まれている場合、第1の提示方法のように登録文字列の意味的な分類に基づいて機能を提示する構成では、どの有名人でも結果が同じになることがある。一方で、有名人の名前であっても、その名前によって、ユーザにとって好ましい機能は異なると考えられる。例えば、ユーザにしてみれば、ウェブログを開設している有名人であればそのウェブログを閲覧したいと考えることがあるし、有名人が歌手であればその有名人の音楽を聴きたいと考える場合があるし、有名人によってはその有名人の画像を閲覧したいと考える場合もある、という具合である。このような事情を考慮すると、第2の提示方法を採用するのが好ましいと考えられる。しかしながら、第2の提示方法で好ましい機能の提示結果をユーザが得るには、辞書ファイル131aにおいてユーザの利用状況に関して十分な統計結果が反映されていなければならず、統計量が不足していると、好ましい提示結果をユーザが得られない場合がある。また、入力文字列に複数の登録文字列が含まれている場合には、その組み合わせ次第で重み係数が様々に変化しうるので、必ずしもユーザにとって好ましい機能が提示されるとは限らない。このような事情に照らして、本実施形態の機能提示システム1では、上記第1又は第2の提示方法の一方を択一的に採用する。
【0067】
図15は、辞書ファイル131bの構成を示す図である。サーバ装置10は、音声認識辞書として用いられる辞書ファイル131bを記憶部13に記憶している。
図15に示すように、辞書ファイル131bは、「登録文字列」と、「第1識別子」と、「機能情報」との各フィールドに記述された情報を対応付けたデータテーブルである。「登録文字列」のフィールドには、辞書ファイル131と同様、辞書ファイル131bに登録された文字列が記述される。「第1識別子」のフィールドには、辞書ファイル131と同様の第1識別子が記述される。「機能情報」のフィールドには、辞書ファイル131aと同様の情報が記述される。
【0068】
図16は、機能選択ファイル251bにあっては、上述した機能選択ファイル251,251aの双方の内容が記述されている。端末装置20は、機能選択ファイル251bを、記憶部25に記憶している。
この実施形態の機能提示システム1において、第1又第2の提示方法のどちらを採用するかを決定するための仕組みとして、以下のようなものがある。
【0069】
例えば、特定部112は、入力文字列に対応する登録文字列が1つだけである場合、第2の提示方法を採用するように機能情報を特定し、登録文字列が2つ以上である場合には、第1の提示方法を採用するように第1識別子を特定する。以降、サーバ装置10及び端末装置20は、特定部112が特定した識別子に応じて、上述した第1、2実施形態のいずれかと同様にして機能する。例えば、入力文字列に「品川」又は「ラーメン」の一方のみが含まれていれば、機能提示システム1では、第2の提示方法が採用される。また、入力文字列に「品川」及び「ラーメン」の2つが含まれていれば、機能提示システム1では、第1の提示方法が採用される。このようにすれば、第1又は第2の提示方法のそれぞれの長所を活かすことができると考えられる。
【0070】
制御部21が第2の提示方法を採用する場合、図17に示す重み付け更新テーブル132を参照して、第1識別子が示すカテゴリに応じた更新係数を重み係数に作用させて(ここでは、乗じて)から、重み係数の総和を算出するようにしてもよい。重み付け更新テーブル132は、例えばサーバ装置10で管理され記憶部13に記憶されている。制御部21は、重み付け更新テーブル132の内容を基に、例えば第1識別子「地名+食品」に対応付けられたカテゴリ「グルメ」に属する機能について、重み係数に更新係数を乗じて2倍にしてから、重み係数の総和を算出する。このようにすれば、第2の提示方法の採用時においても、第1の提示方法で用いた意味的な分類による作用を反映させることができる。
【0071】
また、特定部112は、入力文字列に対応する登録文字列に、第1識別子又は第2識別子の一方しか対応付けられていない場合、識別子が記述されている方の提示方法を採用してもよい。これにより、機能提示システム1では、辞書ファイル131bにおける識別子の有無に応じて、適切な提示方法を選択し、より適切な機能を提示できることができる。
これら以外にも、機能提示システム1において、辞書ファイル131bにおいてユーザの利用状況の統計が十分に反映されている登録文字列が入力文字列に含まれる場合には、第2の提示方法が採用されるようにし、それ以外の場合は、第1の提示方法が採用されてもよい。例えば、サーバ装置10が辞書ファイル131bに記述された登録文字列が入力文字列に含まれていた回数を数えておき、この回数が閾値以上になれば、統計量が十分と判断して第2の提示方法を優先して採用し、それ以外の場合は、第1の提示方法を採用する。
機能提示システム1において第1又は第2の提示方法のどちらを採用するかの判定条件は、前掲以外のものであってもよい。また、以上の第3実施形態の機能提示システム1によれば、上述した第1、第2実施形態と同等の効果も奏する。
【0072】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
この第4実施形態の機能提示システム1は、上述した第1〜3実施形態で説明した辞書ファイルを更新する機能を有している。本実施形態の機能提示システム1の構成のうち、第1,2実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。
【0073】
図18は、サーバ装置10の制御部11の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図18に示すように、制御部11は、プログラムを実行することにより、情報取得部111と、特定部112と、送信制御部113と、更新データ取得部114と、第1更新部115とに相当する機能を実現する。情報取得部111、特定部112及び送信制御部113は、上述した第1又は第2実施形態と同等に機能する。更新データ取得部114は、提示部212により複数機能が提示された後にユーザにより実現が指示された機能を特定するための更新データを取得する。更新データ取得部114は、UI部24が操作されていずれかの機能の実現が指示されると、その指示がなされた機能の通知を更新データとして、通信部12の通信により取得する。ユーザにより実現が指示される機能は、機能提示画面において提示された機能もあれば、機能提示画面において提示されなかった機能もある。
【0074】
第1更新部115は、更新データ取得部114が取得した更新データに基づいて、辞書ファイル131,131aを更新する。第1更新部115は、更新データ取得部114が取得した更新データで特定される機能が提示部212により提示されやすくなるように、辞書ファイル131,131aを更新する。
次に、機能提示システム1の動作を説明する。以下、第1識別子に基づいて機能を提示する第1の提示方法の場合と、第2実施形態のように機能情報に基づいて機能を提示する第2の提示方法の場合とに分けて動作を説明する。
【0075】
図19は、第1の提示方法を採用した機能提示システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
ステップSA1〜SA10までの処理ステップは、上述した第1実施形態と同じであるから、ここではその説明を省略する。
端末装置20の制御部21は、ステップSA10の処理で機能提示画面をUI部24に表示させた後、アイコン画像のユーザの指定等によって、機能の実現の指示を受け付ける(ステップSA11)。ここでは、登録文字列「品川」、「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリの実行により実現される機能が指示されたものとする。この「動作アプリ」は、機能提示画面において提示されていない機能に該当するものである。
制御部21は、登録文字列「品川」及び「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリに関する機能の実現指示があった旨を、無線通信部23によりサーバ装置10に通知する(ステップSA12)。
【0076】
サーバ装置10の制御部11は、通信部12より実現指示があった旨の通知を受信すると、この通知を更新データとして取得する(ステップSA13)。次に、制御部11は、取得した更新データに基づいて、辞書ファイル131を更新する(ステップSA14)。辞書ファイル131の更新方法として、以下のようなものがある。
例えば、制御部11は、登録文字列「品川」及び「ラーメン」を組み合わせて一の登録文字列として、「品川ラーメン」という登録文字列を辞書ファイル131に新たに記述する。そして、制御部11は、登録文字列「品川ラーメン」が入力文字列に含まれる場合に、機能「動作アプリ」が提示されるように、第1識別子を決定する。この場合の第1識別子には、図5に示す機能選択ファイル251で、動作アプリが属するカテゴリ「動画再生」と対応付けられた「映画名」がある。
このように制御部11は、入力文字列に含まれる登録文字列を複数組み合わせて一の登録文字列とする。そして、制御部11は、ステップSA13の処理で取得した更新データに基づいて、端末装置20で実現された機能が属するカテゴリを特定する。そして、制御部11は、特定したカテゴリに機能選択ファイル251において対応付けられた第1識別子を、組み合わせた登録文字列に対応付けるよう、辞書ファイル131を更新する。
【0077】
また、制御部11は、既登録の登録文字列「品川」及び「ラーメン」のそれぞれの第1識別子を書き換えるように、辞書ファイル131を更新してもよい。この場合、制御部11は、辞書ファイル131において、登録文字列「品川」及び「ラーメン」の双方又は一方に第1識別子「映画名」を追加するように更新する。
このように制御部11は、ステップSA13の処理で取得した更新データに基づいて、端末装置20で実現された機能が属するカテゴリを特定する。そして、制御部11は、特定したカテゴリに機能選択ファイル251において対応付けられた第1識別子を登録文字列に対応付けるように、辞書ファイル131を更新する。
【0078】
図20は、第2の提示方法を採用した機能提示システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
ステップSB1〜SB10までの処理ステップは、上述した第2実施形態と同じであるから、ここではその説明を省略する。端末装置20の制御部21は、ステップSB10の処理で機能提示画面をUI部24に表示させた後、アイコン画像のユーザの指定等によって、機能の実現の指示を受け付ける(ステップSB11)。ここでは、登録文字列「品川」、「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリの実行により実現される機能の実現が指示されるものとする。制御部21は、登録文字列「品川」、「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリに関する機能の実現指示があった旨を、無線通信部23によりサーバ装置10に通知する(ステップSB12)。
【0079】
サーバ装置10の制御部11は、通信部12より実現指示があった旨の通知を受信すると、この通知を更新データとして取得する(ステップSB13)。次に、端末装置20の制御部21は、取得した更新データに基づいて、辞書ファイル131aを更新する(ステップSB14)。辞書ファイル131aの更新方法として、以下のようなものがある。
例えば、制御部11は、登録文字列「品川」及び「ラーメン」を一の登録文字列「品川ラーメン」として辞書ファイル131aに記述する。そして、制御部11は、この登録文字列「品川ラーメン」が入力文字列に含まれる場合に、機能選択サービスにおいて機能「動画アプリ」が提示されやすくなるように、機能情報を設定する。例えば、制御部11は、カテゴリ「動作再生」の重み係数を「1.0」としたり、機能「動画アプリ」の重み係数を「1.0」にしたりする。
このように制御部11は、入力文字列に含まれる登録文字列を複数組み合わせて一の登録文字列とするとともに、ステップSB13の処理で取得した更新データに基づいて、端末装置20で実現された機能の種類(機能そのものと、機能が属するカテゴリのどちらでもよい。)を、当該一の登録文字列に対応付けるよう、辞書ファイル131aを更新する。
【0080】
また、制御部11は、既登録の登録文字列「品川」及び「ラーメン」のそれぞれの機能情報を書き換えるように、辞書ファイル131aを更新してもよい。この場合、制御部11は、辞書ファイル131aにおいて、登録文字列「品川」及び「ラーメン」の双方に、第2識別子「映画名」と重み係数とが対応付けられるように更新する。ここでは、制御部11は、登録文字列「品川」及び「ラーメン」の第2識別子「動画再生」について、重み係数を「0.1」だけ加算するという具合に、決められた値を加算して新たな重み係数とするとよい。また、制御部11は、上述した稀少性やtf−idfの指標を用いて、稀少性の高いものやtf−idfが大きいほど、重み係数の増加量を大きくするようにしてもよい。また、制御部11は、登録文字列「品川」及び「ラーメン」の第2識別子として、機能「動画アプリ」を追加してもよい。
このように制御部11が、ステップSB13の処理で取得した更新データに基づいて、端末装置20で実現された機能の種類を、入力文字列に含まれる一の登録文字列に新たに対応付けたり、当該登録文字列が既登録であれば当該機能の種類の重み係数を大きくしたりして、辞書ファイル131aを更新する。
【0081】
なお、機能提示システム1における辞書ファイルの更新は、ユーザにより機能提示サービスが利用されるたびに行われてもよいし、サーバ装置10で機能提示サービスの利用履歴が管理され、同じ利用が閾値以上の回数又は頻度行われたことを契機に更新されてもよい。また、機能提示システム1において、機能提示サービスの利用履歴に基づいて、同じ利用をした端末装置20の数又は割合が閾値以上となったことを契機に辞書ファイルが更新されてもよい。機能提示サービスの利用履歴を管理するために、例えば、更新データ取得部114は、取得した更新データで特定される機能の実現履歴(例えば、機能の種類や機能の実現日時、機能を実現した端末装置を識別する情報を含む。)を記憶部13に記憶(蓄積)させる。そして、第1更新部115は、記憶部13に蓄積された機能の実現履歴に基づいて、辞書ファイルを更新する。
【0082】
以上説明した第4実施形態の機能提示システム1では、実際のユーザの機能の利用状況を学習して、辞書ファイルを更新することができる。また、この機能提示システム1によれば、機能提示サービスの利用回数が増えるほど、より好ましい機能提示サービスを提供することができるし、登録文字列が自動で辞書ファイルに蓄積されるという効果も奏する。このようにして、本実施形態の機能提示システム1によれば、多数のユーザの利用状況に応じて、世間の動向や流行等を反映したサービスの提供が可能となる。
なお、本実施形態の辞書ファイルの更新に係る構成は、上述した第3実施形態の機能提示システム1における辞書ファイル131bの更新にも適用可能である。
【0083】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
この第5実施形態の機能提示システム1は、機能選択ファイル251,251aを更新する機能を有している。以下の説明において、本実施形態の機能提示システム1の構成のうち、第1,2実施形態と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明及び図示を適宜省略する。
【0084】
図21は、端末装置20の制御部21の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図21に示すように、制御部21は、プログラムを実行することにより、識別子取得部211と、提示部212と、機能実現部213と、更新データ取得部214と、第2更新部215とに相当する機能を実現する。識別子取得部211、提示部212、及び機能実現部213は、上述した第1又は第2実施形態と同等に機能する。更新データ取得部214は、提示部212により複数機能が提示された後にユーザにより実現が指示された機能を特定するための更新データを取得する。更新データ取得部214は、UI部24が操作されていずれかの機能の実現が指示されると、その指示がなされた機能の更新データを取得する。
【0085】
第2更新部215は、更新データ取得部214が取得した更新データで特定される機能に基づいて機能選択ファイル251,251aを更新する。第2更新部215は更新データ取得部214が取得した更新データで特定される機能が提示部212で提示されやすくなるように、機能選択ファイル251,251aを更新する。
次に、機能提示システム1の動作を説明する。以下、第1実施形態の提示方法の場合と第2実施形態の提示方法の場合とに分けて動作を説明する。
【0086】
図22は、第1の提示方法を採用した機能提示システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
ステップSA1〜SA10までの処理ステップは、上述した第1実施形態と同じであるから、ここではその説明を省略する。
端末装置20の制御部21は、ステップSA10の処理で機能提示画面をUI部24に表示させた後、アイコン画像のユーザの指定等により、機能の実現の指示を受け付ける(ステップSA11)。ここでは、登録文字列「品川」、「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリ実行が指示されるものとする。
【0087】
制御部21は、登録文字列「品川」、「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリにより実現される機能を特定するための更新データを取得する(ステップSA15)。次に、制御部21は、取得した更新データに基づいて、機能選択ファイル251を更新する(ステップSA16)。機能選択ファイル251の更新方法として、以下のようなものがある。
例えば、制御部21は、登録文字列「品川」+「ラーメン」に対応して、第1識別子「地名+食品」に対応するカテゴリを書き換えるように、機能選択ファイル251を更新する。この場合、制御部21は、機能選択ファイル251において、第1識別子「地名+食品」又は「人名+食品」に、カテゴリ「動画再生」を対応付けるように更新する。
これにより、入力文字列に「品川」及び「ラーメン」が含まれる場合に、カテゴリ「動画再生」に属する機能が提示されることになる。この場合、登録文字列「大阪」+「ハンバーグ」の場合も、第1識別子「地名+食品」又は「人名+食品」となるので、カテゴリ「動画再生」に属する機能が提示されやすくなる。
このように制御部21は、ステップSA15の処理で取得した更新データに基づいて、端末装置20で実現された機能が属するカテゴリを特定する。そして、制御部21は、特定したカテゴリにステップSA7の処理で取得した第1識別子を新たに対応付けたり、この第1識別子に対応付けられたカテゴリ優先度を高くしたりして、機能選択ファイル251を更新する。
【0088】
図23は、第2の提示方法を採用した機能提示システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
ステップSB1〜SB10までの処理ステップは、上述した第2実施形態と同じであるから、ここではその説明を省略する。端末装置20の制御部21は、ステップSB10の処理で機能提示画面をUI部24に表示させた後、アイコン画像のユーザの指定等により、機能の実現の指示を受け付ける(ステップSB11)。ここでは、登録文字列「品川」、「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリ実行が指示されるものとする。制御部21は、登録文字列「品川」、「ラーメン」である場合の提示結果に対し、動画アプリにより実現される機能を特定するための更新データを取得する(ステップSB15)。次に、制御部21は、取得した更新データに基づいて、機能選択ファイル251aを更新する(ステップSB16)。機能選択ファイル251aの更新方法として、以下のようなものがある。
【0089】
例えば、制御部21は、登録文字列「品川」+「ラーメン」に対応して、カテゴリ「グルメ」、「地図」および「レシピ」を選択するが、ここに強制的に、カテゴリ「動画再生」を含めるように、機能選択ファイル251a更新する。これにより、以降、入力文字列に「品川」及び「ラーメン」が含まれる場合に、機能提示システム1では、カテゴリ「動画再生」に属する機能「動画アプリ」が提示される。また、機能提示システム1において、重み係数に関わらず、カテゴリ「動画再生」や機能「動画アプリ」の機能優先度を最も高い優先度として扱う内容が機能選択ファイル251aに記述されていてもよい。
このように制御部11は、ステップSB13の処理で取得した更新データに基づいて、端末装置20で実現された機能の種類を特定し、特定した機能の種類がステップSB7の処理で取得した機能情報と同じものが取得されたときにこの種類が提示されやすくなるよう、機能選択ファイル251aを更新する。
【0090】
なお、機能提示システム1における機能選択ファイルの更新は、ユーザにより機能提示サービスが利用されるたびに行われてもよいし、サーバ装置10で機能提示サービスの利用履歴が管理され、同じ利用が閾値以上の回数又は頻度行われたことを契機に更新されてもよい。また、機能提示システム1において、機能提示サービスの利用履歴に基づいて、同じ利用をした端末装置20の数又は割合が閾値以上となったことを契機に更新されてもよい。機能提示サービスの利用履歴を管理するために、例えば、更新データ取得部214は、取得した更新データで特定される機能の実現履歴(上述した第4実施形態と同じデータでよい。)を記憶部25に蓄積させる。そして、第2更新部215は、記憶部25に蓄積された機能の実現履歴に基づいて、機能選択ファイルを更新する。
【0091】
以上説明した第5実施形態の機能提示システム1では、実際のユーザの機能の利用状況を学習して、機能選択ファイルを更新することができる。また、この機能提示システム1によれば、機能提示サービスの利用回数が増えるほど、より好ましい機能提示サービスを提供することができる。このようにして、本実施形態の機能提示システム1によれば、多数のユーザの利用状況に応じて、世間の動向や流行等を反映したサービスの提供が可能となる。
なお、本実施形態の機能選択ファイルの更新に係る構成は、上述した第3実施形態の機能提示システム1の機能選択ファイル251bの更新にも適用可能である。また、第4,第5実施形態の更新の機能を両方備えた機能提示システム1としてもよい。
【0092】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
[変形例1]
上述した各実施形態では、端末装置20は辞書ファイル及び機能選択ファイルに基づいて提示する機能を特定していたが、端末装置20が以下のように動作するようにしてもよい。なお、本変形例では、端末装置20は、サーバ装置10により識別子が特定される前に入力文字列を取得する。端末装置20は、例えば、自装置の音声認識機能で入力文字列を取得する。
なお、以下では、制御部11がサーバ装置10から取得する入力文字列を用いて行う制御の説明を省略する。
【0093】
図24は、端末装置20の動作を示すフローチャートである。
制御部21は、入力文字列を取得する(ステップSC1)。次に、制御部21は、入力文字列に特定の登録文字列が含まれるか否かを判断する(ステップSC2)。特定の登録文字列は、ここでは、「(検索サイトAの名称) ○○」や「地図 △△」のように、ユーザが利用を希望する機能を特定可能な予め決められた文字列である。このような文字列が入力文字列に含まれていれば、実質的に、利用したい機能をユーザが指定したことに近いといえる。
制御部21は、特定の登録文字列が含まれると判断した場合(ステップSC2;YES)、この登録文字列に対応して定められた機能を実現する。入力文字列が「(検索サイトA) ○○」であれば、制御部21は、検索サイトAで検索語を「○○」として情報検索を行い、入力文字列が「地図 品川」であれば、制御部21は、地図アプリを実行して品川区付近の地図を表示する、という具合である。
このような特定の登録文字列と、実現対象となる機能との対応関係は記憶部25等に記憶され、制御部21はこの対応関係を参照するとよい。
【0094】
制御部21は、ステップSC3の処理を実行した後、又はステップSC2で特定の登録文字列が含まれないと判断した場合(ステップSC2;NO)、無線通信部23により入力文字列をサーバ装置10に送信する(ステップSC4)。そして、上述した各実施形態の手順で、サーバ装置10によりこの入力文字列を入力情報として第1識別子又は機能情報が特定されると、制御部21は無線通信部23により第1識別子又は機能情報を受信する(ステップSC5)。そして、制御部21は、受信した第1識別子又は機能情報と、機能選択ファイル及び機能管理テーブル252とに基づいて機能の種類を特定し(ステップSC6)、提示対象の機能があるか否かを判断する(ステップSC7)。
【0095】
ここで、制御部21は、提示対象の機能がある場合には(ステップSC7;YES)、上述した各実施形態と同様にして、機能管理テーブル252に従って機能を提示する(ステップSC8)。一方、制御部21は、提示対象の機能がない場合には(ステップSC7;NO)、標準設定の機能を提示する(ステップSC9)。ここでは、制御部21は、所定の情報検索サイトやメモ帳等、適切な機能が提示できなかった場合においてユーザが希望する可能性の高いと推定される所定の機能を提示する。この機能は、ユーザ設定や設計段階等で決められてもよいし、制御部21が、ユーザの過去の利用履歴に基づいて、利用回数や頻度が閾値以上となった機能を提示してもよい。
本変形例の構成によれば、端末装置20は、入力文字列に含まれる文字列そのものから、ユーザの希望する機能を推定して提示することが可能である。また、提示対象の機能がない場合であっても、何の機能も提示されないで、ユーザが不便に感じてしまうことを抑えることができる。
【0096】
[変形例2]
上述した各実施形態では、入力文字列に対して辞書ファイル及び機能選択ファイルを参照して機能提示していたので、登録文字列の表記方法がいかようであっても、登録文字列が同一であれば提示結果が同一になることがある。例えば、入力文字列に「ラーメン」という1つの登録文字列が含まれる場合、「ラーメンが食べたい」、「ラーメンの作り方」のどちらであっても、提示結果が同じになるということである。しかしながら、前者の入力文字列であれば、カテゴリ「グルメ」の機能がユーザにとって好適であるといえるし、後者の入力文字列であれば、カテゴリ「レシピ」の機能がユーザにとって好適であるといえる。このように、入力文字列における登録文字列の表記方法は、入力文字列における当該登録文字列以外の文字列(又は文字)によって変化しうるものである。
そこで、本変形例では、提示部212は、識別子取得部211から識別子とともに入力文字列を取得し、入力文字列における登録文字列の表記方法に従って、機能の提示方法を異ならせる。例えば、「食べたい」や「作り方」のような文字列に対応するカテゴリ又は機能を示す情報が記憶部25に記憶されていて、提示部212はこの情報に従って、他の機能よりも優先させて提示する機能を特定する。提示部212は、アイコン画像の配置順を変更するようにして機能の提示方法を異ならせてもよいし、優先させて提示する機能のみを提示してもよい。
【0097】
また、提示部212は、入力文字列を解析して、入力文字列において文字数、登録文字列数又は形態素数が閾値以上である場合には、機能選択ファイルを参照しないで機能を提示するようにしてもよい。例えば、入力文字列が「ラーメンを最初に発明したのは誰か」の場合、提示部212は、予め決められた機能として、カテゴリ「Web検索」に属する機能や「メモ帳」を選択する、という具合である。
【0098】
[変形例3]
上述した各実施形態では、情報取得部111、特定部112及び送信制御部113に相当する機能がサーバ装置10で実現され、識別子取得部211、提示部212及び機能実現部213に相当する機能が端末装置20で実現されていたが、前掲した各機能を実現する装置は、この態様に限定されるものではない。要するに、機能提示システム1により実現される機能的構成が、例えば図25に示す構成になればよい。
例えば、サーバ装置10が、情報取得部111、特定部112及び識別子取得部211に相当する機能を実現してもよい。この場合、サーバ装置10は、辞書ファイル及び機能選択ファイルの双方を記憶する。サーバ装置10は、機能選択ファイルを参照して提示対象となる機能の種類を選択すると、その内容を端末装置20に通知する。そして、端末装置20において、提示部212は、通知された種類の機能を、機能管理テーブルを参照して提示する。
【0099】
また、上述したすべての機能が端末装置20で実現されてもよい。この場合、端末装置20は、入力情報を取得すると、辞書ファイルを参照して、入力情報が示す入力文字列と識別子(つまり、第1又は第2識別子)とを特定する。そして、端末装置20は、特定した識別子と、機能選択ファイル及び機能管理テーブルとに応じて、機能を提示する。この場合、端末装置20が辞書ファイル及び機能選択ファイルの双方を記憶する。この構成であっても、サーバ装置10が端末装置20に更新データを送信する等して、上述した第4,5実施形態と同様にして、端末装置20が辞書ファイル及び機能選択ファイルを更新することも可能である。また、この場合において、辞書ファイル及び機能選択ファイルをサーバ装置10が記憶し、端末装置20がサーバ装置10に問い合わせて、機能選択ファイルを参照した処理を行うようにしてもよい。
【0100】
[変形例4]
上述した各実施形態の機能提示システム1において、参照される辞書ファイルや機能選択ファイルが状況に応じて異なるようにしてもよい。
例えば、機能提示システム1において、端末装置20のユーザのユーザ属性に応じて、参照される辞書ファイルや機能選択ファイルを異ならせてもよい。この場合、端末装置20は、ユーザの性別や年齢、出身地、趣味等のユーザ属性を示す属性情報を、入力情報の送信時等にサーバ装置10に送信する。サーバ装置10の制御部11(情報取得部111)は、ユーザ属性を示す属性情報を取得する。そして、制御部11(特定部112)は、取得した属性情報が示すユーザ属性に対応した辞書ファイルを参照して、識別子を特定する。一方、端末装置20の制御部11(提示部212)は、ユーザ属性に対応した機能選択ファイルを参照して機能を提示する。このようにすれば、ユーザ属性に応じて利用機能の傾向が異なる場合であっても、この傾向を機能提示サービスへ反映させることが可能となる。
また、機能提示システム1において、辞書ファイルや機能選択ファイルをユーザ毎に異ならせるようにしてもよい。
【0101】
また、端末装置20の位置に応じて、機能提示システム1で参照される辞書ファイルや機能選択ファイルを異ならせてもよい。例えば、端末装置20のユーザが東京に居て大阪の情報を調べるときは、定番の観光地を調べることを希望する場合が多いと推定される。一方、端末装置20のユーザが大阪に居て大阪の情報を調べるときは、電車の乗換案内を調べることを希望する場合が多いと推定される。このように、ある入力文字列に対する利用機能の傾向は、ユーザの居る場所に応じて異なることが考えられる。そこで、端末装置20はGPS(Global Positioning System)測位や基地局測位等を行って自装置の位置を特定してサーバ装置10に通知する。そして、サーバ装置10及び端末装置20は、この位置に応じた辞書ファイルや機能選択ファイルを選択して機能を提示するようにしてもよい。
【0102】
また、時刻に応じて、機能提示システム1で参照される辞書ファイルや機能選択ファイルを異ならせてもよい。例えば、昼間や夜間に「ハンバーグ」という登録文字列が含まれる入力文字列が使用された場合、ハンバーグを食べたいとユーザが考えていると推定されるので、カテゴリ「グルメ」の機能が好適であると推定される。一方、夕方に「ハンバーグ」という登録文字列が含まれる入力文字列が使用された場合、ハンバーグのレシピをユーザが調べたいと考えていて、カテゴリ「レシピ」の機能が好適であると推定される。そこで、サーバ装置10はタイマの計時時刻から現在時刻を特定して、特定した現在時刻に応じた辞書ファイルを選択して参照する。端末装置20においても、タイマの計時時刻から現在時刻を特定して、特定した時刻に応じた機能選択ファイルを選択して機能を提示するとよい。
また、端末装置20の位置や時刻に応じて参照される辞書ファイルや機能選択ファイルを異ならせる構成は、カテゴリ優先度や重み係数を端末装置20の位置や時刻に応じて変化させることでも実現可能である。
【0103】
[変形例5]
上述した各実施形態の機能提示システム1では、「カテゴリ優先度」や「機能優先度」という情報が存在していたが、本発明は、これらを扱うことを必須とするものではない。この場合であっても、端末装置20では機能の提示を行うことは可能である。「カテゴリ優先度」がない構成であれば、端末装置20は、第1識別子に基づいて特定した複数のカテゴリを平等に扱うが、例えば、機能選択ファイル251における記述順が先のカテゴリを、カテゴリ優先度が高いカテゴリと同じようにして扱ってもよい。また、「機能優先度」がない構成であれば、端末装置20は、各カテゴリ内に属する複数機能を平等に扱うが、例えば、機能管理テーブル252における記述順が先の機能ほど、機能優先度が高い機能と同じようにして扱ってもよい。
【0104】
[変形例6]
また、端末装置20は、ステップSA9又はステップSB9の処理で、ユーザからの指示なしに機能を実現していたが、これを実現しない構成であってもよい。この場合、制御部21は機能実現部213に相当する機能を実現しなくてよい。このような場合、サーバ装置10が、入力文字列に対して特定した識別子を端末装置20に提供するものの、入力文字列については提供しない構成とすることも可能である。もちろん、機能実現部213が、ユーザからの指示なしに機能を実現する場合に入力文字列を用いないのであれば、サーバ装置10が入力文字列を端末装置20に提供しなくてもよい。
また、端末装置20は、複数の機能の実現結果を機能提示画面において並べて提示できる場合、ユーザによる機能の実現指示を受け付けることなく、決められた条件を満たす複数機能を実現し、その結果を提示してもよい。この場合、例えば、端末装置20は、カテゴリ優先度が閾値以上であるカテゴリに属する機能をすべて実現する。
【0105】
[変形例7]
上述した各実施形態では、サーバ装置10が、入力文字列に含まれる登録文字列と、辞書ファイルに記述された登録文字列とが一致した場合に識別子を特定していたが、例えばいわゆる表記ゆれを考慮して、入力文字列に含まれる登録文字列「コンピュータ」に対し、辞書ファイルに辞書登録された登録文字列「コンピューター」の識別子を特定してもよい。また、サーバ装置10は、略語の利用を考慮して、入力文字列に含まれる登録文字列「パソコン」に対し、辞書ファイルに辞書登録された登録文字列「パーソナルコンピュータ」の識別子を特定してもよい。このように、サーバ装置10では、取得した入力文字列に対応する登録文字列の識別子を、辞書ファイルを参照して特定すればよい。
【0106】
[変形例8]
上述した各実施形態において、端末装置20の入力情報は音声情報に限らない。入力情報は、端末装置20の撮影装置で撮影された内容を示す画像情報であってもよい。この場合、例えば、文字列(例えば、手書き文字)が含まれる原稿が撮影装置で撮影される。サーバ装置10の制御部11は、文字認識辞書として用いられ、登録文字列に識別子を割り当てた辞書ファイルを参照して、画像情報である入力情報を認識し、認識した入力文字列とこの入力文字列に対応する登録文字列の識別子とを特定する。
このように、入力情報が辞書ファイルを参照して入力文字列を認識できる情報であり、かつ、この辞書ファイルにおいて登録文字列に識別子が割り当てられていれば、サーバ装置10は、入力文字列を得た後に識別子を特定するためのデータベース参照に係る処理を必要としない。よって、上述した各実施形態と同様、入力情報が端末装置20に入力されてから機能提示までに要する時間の増大が抑えられる。
【0107】
また、ユーザによりUI部24が操作されて、文字情報が入力情報として端末装置20に入力されてもよい。この場合、端末装置20は、入力情報として入力文字列を受け付けて、この入力文字列をサーバ装置10に提供することとなる。このような場合、識別子の特定に用いられる辞書ファイルは、入力情報の認識に用いられる辞書でなくてよい。このように、サーバ装置10が、入力情報を認識して入力文字列を特定する機能を有していなくてよい。
また、入力情報が音声情報である場合であっても、端末装置20に実装された音声認識機能を用いて端末装置20が音声認識を行って入力文字列を特定し、これをサーバ装置10に提供してもよい。また、端末装置20及びサーバ装置10以外の装置(例えば、汎用の音声認識サーバ)によって音声認識が行われてもよい。
【0108】
[変形例9]
また、第1識別子及び第2識別子は、それぞれ登録文字列の分類を識別するものであればよいから、通し番号や無意味文字によって表されてもよい。
また、上述した各実施形態の機能提示システム1では、1つのカテゴリに複数の機能が属していたが、1つのカテゴリに1つの機能が属していてもよい。この場合、本発明の機能の種類は、必然的に機能そのものに対応することとなる。
また、端末装置20における機能の提示の態様は、アイコン画像の表示に限らず、「検索サイトA」という文字列を表示する等、別の態様であってもよい。また、端末装置20は、提示結果から機能の実現を指示できる態様で表示するのではなく、機能の通知のみを目的とした提示を行ってもよい。
また、サーバ装置10の制御部11や端末装置20の制御部21が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現されうる。
【符号の説明】
【0109】
1…機能提示システム、10…サーバ装置、11…制御部、111…情報取得部、112…特定部、113…送信制御部、114…更新データ取得部、115…第1更新部、12…通信部、13…記憶部、131,131a,131b…辞書ファイル、132…重み付け更新テーブル、20…端末装置、21…制御部、211…識別子取得部、212…提示部、213…機能実現部、214…更新データ取得部、215…第2更新部、22…音声入出力部、23…無線通信部、24…UI部、25…記憶部、251,251a,251b…機能選択ファイル、252…機能管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力情報を取得する情報取得部と、
登録文字列の分類を示す識別子を記憶する第1記憶部と、
前記情報取得部が取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を、前記第1記憶部を参照して特定する特定部と、
前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部を参照して、前記特定部が特定した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示部と
を備えることを特徴とする機能提示システム。
【請求項2】
前記第1記憶部は、前記入力情報の認識に用いられ、登録文字列に前記識別子を割り当てた辞書ファイルを記憶し、
前記特定部は、前記辞書ファイルを参照して、前記入力情報を認識し、認識した入力文字列と当該入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子とを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の機能提示システム。
【請求項3】
前記第1記憶部は、少なくとも一部の登録文字列について複数の前記識別子を記憶し、
前記特定部は、前記入力文字列に含まれる一の登録文字列の前記識別子が前記第1記憶部に複数記憶されている場合、当該複数の前記識別子を特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の機能提示システム。
【請求項4】
前記識別子は、前記登録文字列の意味に基づく分類を示し、
前記第2記憶部は、前記識別子と、提示対象となる前記機能の種類とを対応付けて記憶し、
前記提示部は、前記特定部が特定した識別子に対応付けて前記第2記憶部に記憶された種類の機能を、前記提示方法で複数提示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の機能提示システム。
【請求項5】
前記識別子は、前記登録文字列に対して定められた前記機能の種類を前記分類として示し、
前記第1記憶部は、前記機能の種類に対して与えられた重み付けを前記識別子に対応付けて記憶し、
前記特定部は、前記第1記憶部を参照して、前記識別子と、当該識別子が示す前記機能の種類に対する重み付けとを特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した識別子と重み付けとに応じて、前記提示方法で複数機能を提示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の機能提示システム。
【請求項6】
前記識別子として、前記登録文字列の意味に基づく分類を示す第1識別子と、前記登録文字列の分類として前記登録文字列に対して定められた前記機能の種類を示す第2識別子とがあり、
前記第1記憶部は、前記登録文字列毎に、前記第1識別子、前記第2識別子、及び当該第2識別子が示す前記機能の種類に対して与えられた重み付けを記憶し、
前記提示部は、前記第2記憶部を参照して、前記特定部が特定した前記第1識別子、又は前記特定部が特定した第2識別子と重み付けとに応じて、前記提示方法で複数機能を提示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の機能提示システム。
【請求項7】
前記提示部は、前記入力文字列に対応する登録文字列の表記方法に応じて、前記提示方法を異ならせる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の機能提示システム。
【請求項8】
前記提示部により前記機能が提示された後にユーザにより実現が指示された前記機能に基づいて、前記第1記憶部の記憶内容を更新する第1更新部
を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の機能提示システム。
【請求項9】
前記提示部により前記機能が提示された後にユーザにより実現が指示された前記機能に基づいて、前記第2記憶部の記憶内容を更新する第2更新部
を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の機能提示システム。
【請求項10】
前記提示部が提示した前記機能のうち決められた条件を満たす機能を実現する機能実現部を備え、
前記提示部は、前記特定部が特定した識別子に応じて提示対象となる複数機能と、前記機能実現部が機能を実現した結果とを提示する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の機能提示システム。
【請求項11】
サーバ装置と端末装置とを備える機能提示システムであって、
前記サーバ装置は、
前記端末装置と通信する第1通信部と、
前記端末装置の入力情報を取得する情報取得部と、
登録文字列の分類を示す識別子を記憶する第1記憶部と、
前記情報取得部が取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を、前記第1記憶部を参照して特定する特定部と、
前記特定部が特定した識別子を前記端末装置に送信するよう、前記第1通信部を制御する送信制御部と、
を有し、
前記端末装置は、
前記サーバ装置と通信する第2通信部と、
前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する第2記憶部と、
前記第2通信部により前記サーバ装置から受信した前記識別子を取得する識別子取得部と、
前記第2記憶部を参照して、前記特定部が特定した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示部と
を有することを特徴とする機能提示システム。
【請求項12】
サーバ装置と通信する通信部と、
自端末装置の入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列に対し、当該登録文字列の分類を示す識別子が前記サーバ装置により特定されると、前記通信部の通信により当該識別子を取得する識別子取得部と、
前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して、前記識別子取得部が取得した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示部と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項13】
自サーバ装置から受信した識別子に応じた機能を複数提示する端末装置と通信する通信部と、
前記端末装置の入力情報を取得する情報取得部と、
登録文字列の分類を示す識別子を記憶する記憶部と、
前記情報取得部が取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を、前記記憶部を参照して特定する特定部と、
前記特定部が特定した識別子を前記端末装置に送信するよう、前記通信部を制御する送信制御部と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項14】
通信部を有する端末装置のコンピュータに、
前記端末装置の入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列に対し、当該登録文字列の分類を示す識別子がサーバ装置により特定されると、前記通信部の通信により当該識別子を取得する識別子取得ステップと、
前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する記憶部を参照して、前記識別子取得ステップで取得した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示ステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
通信部を有するサーバ装置のコンピュータに、
当該サーバ装置から受信した識別子に応じた機能を複数提示する端末装置の入力情報を取得する情報取得ステップと、
登録文字列の分類を示す識別子を記憶する記憶部を参照して、前記情報取得ステップで取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定した識別子を前記端末装置に送信するよう、前記通信部を制御する送信制御ステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項16】
入力情報を取得する情報取得ステップと、
登録文字列の分類を示す識別子を記憶する第1記憶部を参照して、前記情報取得ステップで取得した入力情報に応じて、当該入力情報が示す入力文字列に対応する登録文字列の前記識別子を特定する特定ステップと、
前記識別子と、提示対象となる機能との関係を記憶する第2記憶部を参照して、前記特定ステップで特定した識別子に応じて提示対象となる機能を所定の提示方法で複数提示する提示ステップと
を有することを特徴とする機能提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−248016(P2012−248016A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119527(P2011−119527)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】