機能的粒子のためのポリマー
本発明は、ポリマーおよびマクロ分子、ナノ粒子のような粒子で有用なブロックポリマーに関する。所望の性質を備えたナノ粒子を作る方法に関する。この方法は、高度に制御された性質を有するナノ粒子のライブラリーを生成する工程を含み、2つ以上のマクロ分子を異なる比で混合することにより形成され得る。マクロ分子は、生体適合性ポリマーへの結合体であり得る。ナノ粒子は薬物を含み得る。例えば、アプタマーのようなポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含み得る。また、標的成分、造影成分、キレート成分、荷電成分、または治療成分であり得る。本発明は、ポリマー結合体を生成するシステムおよび方法に関する。ポリマーを含む溶液は、混和不能液体のような液体と接触され、ポリマー結合体を含むナノ粒子を形成する。ポリマー結合体を用いるか、または投与する方法、ポリマー結合体の使用を促進する方法、ポリマー結合体を含むキットなどに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府援助)
本発明の種々の局面に至る研究は、少なくとも一部、国立癌研究所、認可番号第CA119349、および国立生物医学画像・生物工学研究所、認可番号第EB003647によって後援された。米国政府は、本発明において特定の権利を有し得る。
【0002】
(関連出願)
本出願は、2006年5月15日に出願され、「機能的粒子の開発のための複数ブロックコポリマー」と題する、本明細書中に参考として援用される、Farokhzadらによる米国仮特許出願第60/747,240号の利益を主張している。
【0003】
(発明の分野)
本発明は一般に、ポリマーおよびマクロ分子に、そして特にナノ粒子のような粒子において有用なプロックポリマーに関する。
【背景技術】
【0004】
(背景)
活性成分の制御された放出をともなう患者への薬物の送達は、数十年の間、研究の活発な領域であり、ポリマー科学における多くの最近の発展、ならびに核酸、タンパク質、およびペプチドのような、より不安定な薬学的薬剤を送達する必要性によって活気づけられた。さらに、制御放出ポリマーシステムは、その他の薬物送達方法より長い時間の期間に亘って最適範囲にある薬物レベルを提供するように設計され得、それ故、薬物の効き目を増加し、そして患者コンプライアンスに付随する問題を最小にする。
【0005】
生分解性粒子は、小分子薬物、ならびにタンパク質薬物およびペプチド薬物および核酸の投与で用いられる持続放出ビヒクルとして開発された。これら薬物は、代表的には、生分解性および生体適合性であるポリマーマトリックス中にカプセル化される。ポリマーが分解されるとき、および/または薬物がポリマーから拡散するとき、薬物は身体中に放出される。代表的には、これら粒子を調製することで用いられるポリマーは、ポリエステル、例えば、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリグリコール酸、ポリ−β−ヒドロキシブチレート、ポリアクリル酸エステルなどである。これら粒子はまた、薬物を身体による分解から保護し得る。さらに、これら粒子は、広範な種類の投与経路を用いて投与され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
標的化制御放出ポリマーシステム(例えば、特定の組織または細胞タイプを標的にするか、または正常組織ではなく特定の疾患組織を標的にする)が所望される。なぜなら、それは、標的にされない身体の組織中に存在する薬物の量を低減するからである。これは、薬物の細胞毒性用量が周辺の非癌組織を殺すことなく癌細胞に送達されることが所望される、癌のような症状を処置するとき特に重要である。有効な薬物標的化は、抗癌療法における所望されず、そしてときどき生命を脅かす副作用を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、一般に、ポリマーおよびマクロ分子に関し、そして特に、ナノ粒子のような粒子において有用なブロックポリマーに関する。本発明の主題は、いくつかの場合、相互関連する産物、特定の問題に対する代替えの解決、および/または1つ以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用を含む。
【0008】
1つの局面では、本発明は方法に関する。1つのセットの実施形態では、この方法は、所望の性質を備えたナノ粒子を作り上げる方法である。第1の実施形態によれば、この方法は、第1の生分解性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子を提供する行為;第2の生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を提供する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子を異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0009】
この方法は、別の実施形態において、繰り返しユニットを有する第1のブロック、ならびに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のブロックを含む第1のマクロ分子を提供する行為;第1の繰り返し単位を含むが、上記標的化成分を含まない第2のポリマーを提供する行為;および上記第1のマクロ分子および上記第2のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記第1のマクロ分子と上記第2のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為を含む。
【0010】
なお別の実施形態では、上記方法は、第1の生体適合性疎水性ポリマーを提供する行為;第2の生体適合性親水性ポリマーを提供する行為;標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を提供する行為;上記第1の生体適合性疎水性ポリマー、上記第2の生体適合性親水性ポリマー、および上記成分を反応しマクロ分子を生成する行為;上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを含むナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0011】
なお別の実施形態によれば、上記方法は、生体適合性親水性ポリマーを提供する行為;標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を提供する行為;上記生体適合性親水性ポリマーおよび上記成分を反応し、マクロ分子を生成する工程;上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを含むナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0012】
上記の方法は、1つの実施形態では、生体適合性疎水性ポリマーを提供する行為;標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を提供する行為;上記生体適合性疎水性ポリマーおよび上記成分を反応し、マクロ分子を生成する工程;上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを含むナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0013】
別のセットの実施形態では、上記の方法は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、ならびに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子を提供する行為;生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を提供する行為であって、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子から区別可能なポリマー部分を有する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのナノ粒子のライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0014】
なお別のセットの実施形態では、上記の方法は、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子を提供する行為;生体適合性疎水性ポリマーならびに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のマクロ分子を提供する行為であって、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子から区別可能なポリマー部分を有する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の組成物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのナノ粒子のライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0015】
なお別の実施形態では、上記の方法は、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子を提供する行為;生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有する第2のマクロ分子を提供する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのナノ粒子のライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0016】
別のセットの実施形態では、上記の方法は、ライブラリーを生成する方法である。1つの実施形態によれば、この方法は、生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のブロックコポリマーを提供する行為;生体適合性ポリマーおよびポリ(アルキレングリコール)を含むブロックコポリマーを含み、そして上記第1のポリマーのポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有する第2のポリマーを提供する行為;および上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為を含む。
【0017】
別の実施形態によれば、上記の方法は、第1のポリマーおよび第2のポリマーを含む第1のブロックコポリマーを提供する行為;この第1のポリマーおよび第2のポリマーを含み、そしてさらに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のブロックコポリマーを提供する行為;および上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為を含む。
【0018】
上記の方法は、1つのセットの実施形態において、繰り返しユニット、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む両親媒性マクロ分子を含む溶液を提供する行為;およびこの溶液を、ポリマー非溶媒と接触し、両親媒性マクロ分子を含む粒子を生成する行為を含み、この粒子は約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する。別のセットの実施形態では、上記の方法は、第1のブロックコポリマーおよび第2のブロックコポリマーを含む溶液を提供する行為;およびこの溶液をポリマー非溶媒と接触する行為を含み、この粒子は約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する。なお別のセットの実施形態では、上記の方法は、生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むポリマーを含む溶液を提供する行為;およびこの溶液を、ポリマー非溶媒と接触し、両親媒性マクロ分子を含む粒子を生成する行為を含み、この粒子は約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する。
【0019】
なお別のセットの実施形態によれば、上記の方法は、カルボン酸末端ポリ(エステル−エーテル)コポリマーを、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分と反応する行為を含み、この成分はアミンを含み、N−ヒドロキシスクシンイミドを用いることなくブロックコポリマーを生成する。
【0020】
上記の方法は、なお別のセットの実施形態では、単一の反応、カルボン酸末端ポリ(エステル−エーテル)コポリマーを、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分と反応する行為を含み、この標的化成分はアミンを含み、ブロックコポリマーを生成する。
【0021】
別の局面では、本発明は組成物に関する。1つのセットの実施形態では、この組成物は、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、ここでこの粒子は、生体適合性ポリマーを含む第1の部分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2の部分を含むマクロ分子を含む。いくつかの場合には、この成分は、上記粒子の内部で本質的にゼロでない濃度を有する。
【0022】
別のセットの実施形態によれば、上記組成物は、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、ここでこの粒子は、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む。いくつかの場合では、上記第1のマクロ分子は、第1の生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むブロックコポリマーである。特定の例では、上記第2のマクロ分子は、ポリ(アルキレングリコール)、および上記第1の生体適合性ポリマーから区別可能な第2の生体適合性ポリマーを含むブロックコポリマーである。
【0023】
なお別のセットの実施形態では、上記組成物は、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、ここでこの粒子は、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む表面を有する。いくつかの場合では、上記第1のマクロ分子は、第1の長さを有する第1のポリ(アルキレングリコール)鎖、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして上記第2のマクロ分子は、上記第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2のポリ(アルキレングリコール)鎖を含む。
【0024】
上記組成物は、1つのセットの実施形態によれば、第1の生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子、および第2の生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、この粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0025】
別のセットの実施形態では、上記の組成物は、第1の生体適合性疎水性ポリマー、第2の生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。この粒子はさらに、少なくとも1つのその他のポリマーを含み得る。この粒子は、いくつかの場合には、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択され得る。
【0026】
なお別のセットの実施形態では、上記の組成物は、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、この粒子はさらに、少なくとも1つのその他のポリマーを含む。さらに、この粒子は、いくつかの場合には、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択され得る。
【0027】
上記組成物は、なお別のセットの実施形態では、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、この粒子はさらに、少なくとも1つのその他のポリマーを含み、そしていくつかの場合には、上記粒子は、上記マクロ分子および少なくとも1つのその他のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0028】
1つのセットの実施形態では、上記組成物は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子、および上記生体適合性疎水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。上記の第2のマクロ分子は、いくつかの場合には、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有し得る。特定の例では、上記粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0029】
別のセットの実施形態では、上記組成物は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分、および治療成分を含む第1のマクロ分子、および上記生体適合性疎水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、上記の第2のマクロ分子は、いくつかの場合には、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有し得る。特定の例では、上記粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0030】
上記組成物は、なお別のセットの実施形態では、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子、ならびに上記生体適合性疎水性ポリマーおよび標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、上記第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有する。1つの実施形態では、上記粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0031】
なお別のセットの実施形態では、上記組成物は、薬物カプセル化に適切な生体適合性ポリマーを含む第1の成分、免疫原性を低減するためのポリマー材料を含む第2の成分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第3の成分を含むポリマーを含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、上記第3の成分は、上記粒子の内部で、本質的にゼロでない濃度を有する。
【0032】
なお別のセットの実施形態によれば、上記組成物は、薬物カプセル化に適切な生体適合性ポリマーを含む第1の成分、免疫原性を低減するためのポリマー材料を含む第2の成分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第3の成分を含むマクロ分子を用いて生成された、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、上記粒子は、上記マクロ分子を含む溶液を提供する工程、およびこの溶液をポリマー非溶媒と接触し上記粒子を生成する工程を包含する方法によって生成される。
【0033】
別のセットの実施形態では、上記組成物は、生体適合性ポリマーおよび標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、上記成分は、上記粒子内に含まれ、そして上記生体適合性ポリマーに共有結合している。
【0034】
別の局面では、本発明は、本明細書中に記載される1つ以上の実施形態、例えば、本明細書中に記載されるようなナノ粒子を作製する方法に関する。別の実施形態では、本明細書中に記載される実施形態、例えば、本明細書中に記載されるようなナノ粒子を用いる方法に関する。
【0035】
本発明のその他の利点および新規な特徴は、添付の図面と組み合わせて考慮されるとき、本発明の種々の非制限的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。本明細書と参考として援用される文献が、矛盾し、そして/または不一致の開示を含む場合には、本明細書が支配する。参考として援用される2つ以上の文献が、互いに対して矛盾し、そして/または不一致の開示を含む場合、そのときは、後の有効日を有する文献が支配する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(詳細な説明)
本発明は、一般に、ポリマーおよびマクロ分子に、特に、ナノ粒子のような粒子で有用なブロックポリマーに関する。本発明の1つの局面は、所望の性質を備えるナノ粒子を作り上げる方法に関する。1つのセットの実施形態では、この方法は、2つ以上のマクロ分子を異なる比で一緒に混合することにより形成され得る、高度に制御された性質を有するナノ粒子のライブラリーを生成することを含む。1つ以上のマクロ分子は、生体適合性ポリマーへの成分のポリマー結合体であり得る。いくつかの場合には、このナノ粒子は、薬物を含み得る。上記成分は、いくつかの実施形態では、約1000Daより大きい分子量を有し得;例えば、上記成分は、アプタマーのようなポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含み得る。上記成分はまた、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分であり得る。本発明の別の局面は、このようなポリマー結合体を生成するシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、ポリマーを含む溶液が、不混和液体のような液体と接触され、上記ポリマー結合体を含むナノ粒子を形成する。本発明のその他の局面は、このようなライブラリーを用いる方法、このようなポリマー結合体を用いるか、または投与する方法、このようなポリマー結合体の使用を促進する方法、このようなポリマー結合体を含むキットなどに関する。
【0037】
陳述されるように、本発明の1つの局面は、所望の化学的性質、生物学的性質、または物理的性質のような、所望の性質を備えたナノ粒子を作り上げる方法に関する。1つのセットの実施形態では、この方法は、2つ以上のマクロ分子を異なる比で一緒に混合することにより形成され得る、高度に制御された性質を有するナノ粒子のライブラリーを生成することを含む。2つ以上の異なるマクロ分子を異なる比で一緒に混合すること、およびこれらマクロ分子から粒子を生成することにより、高度に制御された性質を有する粒子が形成され得る。例えば、1つのマクロ分子は、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分、および治療成分(以下に詳細に論議される)からなる群から選択される成分を含み得、その一方、別のマクロ分子は、その生体適合性および/または得られる粒子の免疫原性を制御するその能力のために選択され得る。いくつかの場合には、これらマクロ分子の1つ以上は、以下に論議されるように、コポリマーであり得る。
【0038】
このような粒子のライブラリーを生成することにより、任意の所望の性質を有する粒子が識別され得る。例えば、表面官能性、表面荷電、サイズ、ゼータ(ζ)電位、疎水性、免疫原性を制御する能力などのような性質が高度に制御され得る。例えば、粒子のライブラリーが合成され得、そして、これら粒子が、粒子の表面上に存在する所定の比重を有する成分(例えば、治療成分)を有することを可能にする、ポリマーまたはマクロ分子の特定の比を有する粒子を識別するためにスクリーニングされ得る。これは、過度の努力なくして、粒子が、調製されるべき1つ以上の特異的性質、例えば、特定サイズおよび成分の特定表面密度を有することを可能にする。従って、本発明の特定の実施形態は、このようなライブラリーを用いるスクリーニング技法、およびこのようなライブラリーを用いて識別された粒子に関する。さらに、識別は、任意の適切な方法により起こる。例えば、この識別は、直接的または間接的であり得るか、または定量的または定性的に進行する。
【0039】
特定の非制限的な例として、1つの実施形態が、図1に概略的に示される。この図では、第1のポリマー(PLGA−PEG、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)およびポリ(エチレングリコール))が、標的化成分(アプタマー、「Apt」)に結合され、PLGA−PEG−Aptマクロ分子を形成する。この第1のマクロ分子は、第2のマクロ分子(この例では、PLGA−PEG)と変動する比で混合され、異なる性質、例えば、この例で示されるようなアプタマーの異なる表面密度を有する一連の粒子を形成する。例えば、PLGAの分子量、PEGの分子量、アプタマー表面密度、およびナノ粒子表面荷電のようなパラメーターを制御することにより、非常に正確に制御された粒子が得られ得る。
【0040】
より一般的に、粒子のライブラリーを生成するために用いられるよう選択されたポリマーまたはマクロ分子は、以下に詳細に記載されるような、任意の広範な種類のポリマーまたはマクロ分子であり得る。一般に、2、3、4、またはそれ以上のポリマーおよび/またはマクロ分子が、広範な範囲の比(例えば、各々が0%〜100%の範囲)で混合され、ポリマーまたはマクロマーの各々の異なる比を有するナノ粒子のような粒子を形成する。これら2つ以上のマクロ分子は、特定の様式、例えば、異なるポリマー基を有すること、同じポリマー基を有するが異なる分子量を備えること、共通のポリマー基を有するが、それらが異なること(例えば、1つが他が有していないポリマー基を有し得る)、同じポリマー基を有するが異なる順序であることなどで区別可能であり得る。この粒子のライブラリーは、任意の数のメンバーを有し得、例えば、このライブラリーは、2、3、5、10、30、100、300、1000、3000、10,000、30,000、100,000などのメンバーを有し得、これらは、特定の様式で識別され得る。いくつかの場合には、このライブラリーは同時に存在し得;例えば、このライブラリーは、1つ以上のマイクロタイタープレート、バイアルなど中に含まれ得るか、またはいくつかの実施形態では、このライブラリーは、異なる時間で生成されるメンバーを含み得る。
【0041】
この粒子のライブラリーは、次いで、特定の様式でスクリーニングされ得、1つ以上の所望の性質、例えば、表面官能性、表面荷電、サイズ、ゼータ(ζ)電位、疎水性、免疫原性を制御する能力などを有するような粒子を識別する。粒子内の1つ以上のマクロ分子は、生体適合性または生分解性であるように選択された1つ以上のポリマー、免疫原性を低減するように選択されたポリマー、および/または1つ以上の成分、例えば、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み得る。これらは、以下に詳細に論議される。上記ライブラリー内のマクロ分子は、これらポリマーのいくつか、またはすべてを、任意の組み合わせ(制限されないで、第1のポリマーがこれら種のすべてを含み、そして第2のポリマーがこれら種のいずれをも含まない組み合わせを含む)で含み得る。
【0042】
特定の例として、1つの実施形態では、上記粒子は、生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子、および上記第1のマクロ分子と同じであっても、同じでなくてもよい生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含み得る。別の例として、第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含むブロックコポリマーであり得;そして第2のマクロマーは、特定の様式で上記第1のマクロマーから区別され得る。例えば、上記第2のマクロ分子は、同じ(または異なる)生体適合性疎水性ポリマー、および同じ(または異なる)生体適合性親水性ポリマーを、しかし第1のマクロ分子とは異なる成分を含む(または成分をまったく含まない)。別の例として、上記第1のマクロ分子は、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして第2のマクロ分子は特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能であるか;または上記第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして第2のマクロ分子は、特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能である。
【0043】
上記第1のマクロ分子はまた、別の例として、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のポリマー、および上記第1のマクロ分子から区別され得る第2のマクロ分子を含む。例えば、上記第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のいずれのポリマーをも含まず、上記第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子の1つ以上のポリマー、および上記第1のマクロ分子中に存在しない1つ以上のポリマーを含み得、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のポリマーの1つ以上を欠き得、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のポリマーのすべてを、しかし、異なる順序および/または異なる分子量を有する1つ以上のポリマーとともに含み得るなど。
【0044】
なお別の例として、上記第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分中性成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み得、そして上記第2のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、および生体適合性親水性ポリマーを含み、そして特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能である。なお別の例として、上記第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含み得、そして上記第2のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み得、ここで、この第2のマクロ分子は、特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能である。
【0045】
ここで、図2〜4を参照して、本発明の種々のライブラリーの非制限的な例が示される。図2A〜2Cでは、本発明のライブラリーで有用な種々のマクロ分子の合成の例が示される。図2Aでは、3つの成分を含むブロックコポリマーが示される:生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分などであり得る成分である。標的化成分の例は、制限されずに、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖、脂肪酸、脂質、小分子、または抗体を含む。造影成分の例は、制限されないで、蛍光分子、放射性分子(例えば、放射性同位体を含む)、造影剤、リソグラフィー剤、紫外線光に感受性の作用剤、可視光に感受性の作用剤を含む。治療剤の例は、制限されないで、化学療法剤、放射活性剤、核酸を基礎にした作用剤、脂質を基礎にした作用剤、炭水化物を基礎にした作用剤、天然の小分子、または合成の小分子を含む。荷電分子の例は、カチオン分子、またはアニオン分子を含む。いくつかの例では、上記成分は、非荷電(すなわち中性)または両性イオンであり得る。1つの実施形態では、上記成分は、複数の荷電基を有する成分、例えば、両性イオン分子、複数の荷電部分を有する分子などである。別の実施形態では、上記成分は、二価または多価である。
【0046】
上記マクロ分子は、上記に記載の成分の各々を含む必要はないことが注記されるべきである。例えば、図2Bに示されるように、本発明のライブラリーで有用なポリマーは、親水性生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、標的化成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含み得、すなわち、このポリマーは、生体適合性疎水性ポリマーを含む必要はない。同様に、図2Cに示されるように、本発明のライブラリーで有用なポリマーは、疎水性の生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含み得、すなわち、このポリマーは、生体適合性の親水性ポリマーを含む必要はない。
【0047】
これらポリマーまたはマクロ分子は、次いで、以下に詳細に論議されるような技法を用いて粒子に成形され得る。上記ポリマーおよびマクロ分子からの上記粒子によって形成される幾何学的形状は、この粒子を形成するポリマーのような因子に依存し得る。さらに、また以下で論議されるように、いくつかの場合には、上記粒子は、上記粒子の構造に依存して、親水性作用剤、または疎水性作用剤を含み得る。この親水性または疎水性作用剤は、上記粒子の形成の間に、例えば、この作用剤を、上記粒子を形成するために用いられるポリマーを含む溶液中に含めることによって、上記粒子中に取り込まれ得、そして/または上記作用剤は、その成形後に上記粒子中に取り込まれ得る。このような粒子の例は、図3Aに示される。このような粒子の例は、標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分のような種々の成分について図3Aに示される。
【0048】
さらに、上記粒子は、上記で論議されたポリマーまたはマクロ分子から区別可能であり得る、さらなるポリマーまたはマクロ分子を含み得る。非制限的な例は、図3B〜3Dに示される。図3Bでは、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含む第1のマクロ分子が、生体適合性疎水性ポリマーを含む第2のマクロ分子と合わせられ、本発明の粒子を形成する。上記第2のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーは、上記第1のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーと同じであってもよいし、または同じでなくてもよい(例えば、この第2の生体適合性疎水性ポリマーは、第1の生体適合性疎水性ポリマーと、異なる分子構造、または同じ分子構造であるが、同じかまたは異なる分子量を有し得る)。先に論議されたように、上記第1および第2のマクロ分子は、異なる比で合わせられ得、この第1および第2のマクロ分子を含む粒子を生成する。
【0049】
同様に、図3Cに描写されるように、本発明の粒子は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分、および生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含むが、第1のマクロ分子の成分を含まない第2のマクロ分子を含み得る(すなわち、第2のマクロ分子は、図3Cに示されるように、異なる成分を含み得るか、または成分をまったく含まない)。上記に類似して、上記第1および第2のマクロ分子は、異なる比で一緒に合わされ得、第1および第2のマクロ分子を含む粒子を生成する。図3Dでは、別の実施形態として、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子が、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含む第2のマクロ分子と合わされる。上記第1のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーは、上記第2のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーと同じであってもよいし、または同じでなくてもよい。例えば、これら2つの生体適合性疎水性ポリマーは、異なる分子構造、または同じ分子構造であるが、同じかまたは異なる分子量を有し得る。
【0050】
図4は、ライブラリーが、上記に記載のようなポリマーを用いて生成され得ることを示す。例えば、図4Aでは、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含む第1のマクロ分子、および生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含むポリマー粒子(例えば、図3Cで論議されるような)が、これら第1および第2のマクロ分子の異なる比を有する粒子のライブラリーを生成するために用いられ得る。このようなライブラリーは、任意の数の性質、例えば、表面官能性、表面荷電、サイズ、ゼータ(ζ)電位、疎水性、免疫原性を制御する能力などを有する粒子を達成することで有用であり得る。
【0051】
図4Aでは、(これらマクロ分子の1つがない比を含む)異なる比の第1および第2のマクロ分子が合わせられ、ライブラリーの基礎を形成する粒子を生成する。例えば、図4Aに示されるように、第1のマクロ分子の量が第2のマクロ分子に対して増加されるとき、粒子の表面上に存在する成分(例えば標的化成分)の量が増加され得る。それ故、表面上の成分の任意の適切な濃度が、単に、粒子中の第1および第2のマクロ分子の比を制御することにより達成され得る。従って、粒子のこのようなライブラリーは、特定の官能性を有する粒子を選択または識別することで有用であり得る。
【0052】
図4Bおよび4Cは、1つ以上のタイプのマクロ分子が用いられる実施形態を示す。例えば、いくつかの場合には、粒子は、1つ以上のタイプの成分、例えば、1つ以上のタイプの治療成分、治療成分および造影成分などを含み得る。図2および3を参照して先に記載されたような本明細書中の任意のポリマーシステムが用いられ得る。粒子の表面上に存在し、そして任意の適切な濃度のこのような成分は、上記に記載のように生成されたような粒子のライブラリーの使用を通じて生成され得る。さらに表面上に存在する成分の全体の濃度はまた、例えば、任意の成分を含まないポリマー(すなわち、図4Aおよび4B中の「ブロックAB」)の使用によって制御され得る。それ故、広範な範囲の成分が、粒子の表面上に任意の適切な濃度で存在し得、そして各々の濃度は独立に制御され得る。さらに、2つ以上のポリマーまたはマクロ分子が、本発明の特定の実施形態で用いられ得る。例えば、ライブラリーは、各々の比が独立に制御される、3、4、またはより多くのポリマーまたはマクロ分子を有し得る。
【0053】
特定の例として、本発明のいくつかの実施形態では、ライブラリーは、本明細書中で論議されるように、生体適合性ポリマーと、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分から選択される成分とのポリマー結合体を含む粒子を含む。ここで、図5を参照して、1つのこのような粒子が、非制限的な例として示される。この図では、本発明のポリマー結合体は、粒子10を形成するために用いられる。粒子10を形成するポリマーは、粒子の表面上に存在する標的化成分15、および生体適合性部分17を含む。いくつかの場合には、本明細書で示されるように、標的化成分15は、生体適合性部分17に結合され得る。しかし、すべの生体適合性部分17が標的化成分15に結合して示されてはいない。例えば、いくつかの場合には、粒子10のような粒子は、生体適合性部分17および標的化部分15を含む第1のポリマー、および生体適合性部分17を含むが標的化部分15を含まない第2のポリマーを用いて形成され得る。この第1のポリマーと第2のポリマーの比を制御することにより、異なる性質を有する粒子が形成され得、そしていくつかの場合には、このような粒子のライブラリーが形成され得る。さらに、粒子10の中心内に含まれて薬物12がある。いくつかの場合には、薬物12は、疎水性効果に起因して粒子内に含まれ得る。例えば、この粒子の内部は、粒子の表面に対して比較的疎水性であり得、そしてこの薬物は、この粒子の比較的疎水性の中心に会合する疎水性薬物であり得る。特定の例として、粒子10は、比較的疎水性の生体適合性ポリマー、および比較的親水性の標的化成分15を含むポリマーを、粒子形成の間に、表面上により大きな濃度の親水性標的化成分が剥き出され、そして粒子の内部内により大きい濃度の疎水性生体適合性ポリマーが存在するように含み得る。
【0054】
それ故、本発明の種々の局面は、一般に、生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有す成分、中性成分、または治療成分のような成分を含むポリマー結合体に関する。いくつかの場合には、このポリマー結合体はブロックコポリマーであり、そしていくつかの実施形態では、このポリマー結合体は両親媒性であり、すなわち、比較的親水性の部分および比較的疎水性の部分を有する。上記標的化成分は、例えば、アプタマーのようなペプチドまたはポリヌクレオチドであり得る。いくつかの場合には、上記標的化成分は、生物学的基質、例えば、細胞表面レセプターに特異的に結合し得る。上記ポリマーの生体適合性部分は、いくつかの場合において、生分解性および/または加水分解可能である。いくつかの実施形態では、上記生体適合性ポリマーは、疎水性ポリマーである。生体適合性ポリマーの非制限的な例は、ポリラクチド、ポリグリコリド、および/またはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む。
【0055】
いくつかの場合には、上記ポリマー結合体は、制御放出システムの一部分である。本明細書で用いられるとき、制御放出システムは、治療剤、診断剤、予後、予防薬などのような活性薬剤または薬物またはその他のペイロードと組み合わせたポリマーであり、そしてこの活性薬剤は、予備設計されたか、または制御された様式でこの制御放出システムから放出される。例えば、活性薬剤は、所定の時間の期間に亘り一定の様式で放出され得、上記活性薬剤は、所定の時間の期間に亘り周期的様式で放出され得、または環境状態もしくは外部事象が活性薬剤の放出を誘因し得る。この制御放出ポリマーシステムは生体適合性であるポリマーを含み得、そしていくつかの場合には、このポリマーは生分解性である。
【0056】
本明細書で用いられるとき、「ポリマー」は、当該技術分野で用いられるようなその通常の意味で与えられ、すなわち、共有結合によって連結された1つ以上の繰り返し単位(複数のモノマー)を含む分子構造である。繰り返し単位は、すべてが同じであり得るか、またはいくつかの場合には、ポリマー内に存在する1つ以上のタイプの繰り返し単位が存在し得る。いくつかの場合には、ポリマーは、生物学的に派生し得、すなわち、生体ポリマーである。非制限的な例は、以下で論議されるように、ペプチドまたはタンパク質(すなわち、種々のアミノ酸のポリマー)、またはDNAまたはRNAを含む。いくつかの場合には、さらなる成分、例えば、以下に論議されるような生物学的成分がまた、ポリマー中に存在し得る。
【0057】
1つ以上のタイプの繰り返し単位がポリマー内に存在する場合、そのときは、このポリマーは、「コポリマー」といわれる。ポリマーを採用する任意の実施形態では、採用されるポリマーは、いくつかの場合ではコポリマーであり得ることが理解されるべきである。コポリマーを形成する繰り返し単位は、任意の様式で配列され得る。例えば、これら繰り返し単位は、ランダムな順序で、交互の順序で、または「ブロック」コポリマー、すなわち、各々が第1の繰り返し単位を含む1つ以上の領域(例えば、第1のブロック)、そして各々が第2の繰り返し単位を含む1つ以上の領域(例えば、第2のブロック)などとして配列され得る。ブロックコポリマーは、2(ジブロックコポリマー)、3(トリブロックコポリマー)、またはより多くの数の別個のブロックを有し得る。
【0058】
用語「第1」、「第2」などが、ポリマー構成要素を含む種々の要素を説明するために本明細書中で用いられ得るが、これらの用語は、制限的である(例えば、要素の特定の順序または数を説明する)として解釈されるべきではなく、むしろ、単に記述的であるとして、すなわち、特許法の分野内で一般に用いられるように、1つの要素を別の要素から区別する標識としてであることが理解されるべきである。それ故、例えば、本発明の1つの実施形態は、存在する「第1の」要素および存在する「第2の」要素を有するとして説明され得、本発明のその他の実施形態は、存在する「第1の」要素を、存在する「第2の」要素はなく、存在する「第2の要素」を、存在する「第1の要素」はなく、存在する2つ(またはそれ以上)の「第1の」要素を、および/または存在する2つ(またはそれ以上)の「第1の」要素を有し得、など、および/または本発明の範囲から逸脱することなく、「第1の」要素、「第2の要素」、および「第3の要素」のようなさらなる要素を有し得る。
【0059】
本発明の種々の実施形態は、ポリマー結合体に関する。本明細書中で用いられるとき、「ポリマー結合体」は、通常、2つ以上のポリマーを一緒に共有結合することにより、互いと会合している(本明細書中に記載のような)2つ以上のポリマーを記載する。それ故、ポリマー結合体は、第1のポリマーおよび第2のポリマーを含み得、これらは一緒に結合されてブロックコポリマーを形成し、ここで、第1のポリマーはこのブロックコポリマーの第1のブロックであり、そして第2のポリマーは、このブロックコポリマーの第2のブロックである。もちろん、当業者は、ブロックコポリマーが、いくつかの場合には、ポリマーの複数ブロックを含み、しかも、本明細書で用いられるとき、「ブロックコポリマー」は、単一の第1のブロックおよび単一の第2のブロックのみを有するブロックコポリマーのみに制限されないことを理解する。例えば、ブロックコポリマーは、第1のポリマーを含む第1のブロック、第2のポリマーを含む第2のブロック、および第3のポリマーまたは第1のポリマーを含む第3のブロックなどを含み得る。いくつかの場合には、ブロックコポリマーは、任意の数の第1のポリマーの第1のブロックおよび第2のポリマーの第2のブロック(そして特定の場合には、第3のブロック、第4のブロックなど)を含み得る。さらに、ブロックコポリマーはまた、いくつかの事例では、その他のブロックコポリマーから形成され得ることが注記されるべきである。例えば、第1のブロックコポリマーは、複数タイプのブロックを含む新たなブロックコポリマーを形成するために、別のポリマーに(これは、ホモポリマー、生体ポリマー、別のブロックコポリマーなどであり得る)、および/またはその他の成分に(例えば、非ポリマー成分に)結合され得る。
【0060】
いくつかの場合には、上記ポリマー結合体は、両親媒性であり、すなわち、親水性部分および疎水性部分、または比較的親水性の部分および比較的疎水性の部分を有する。親水性ポリマーは一般に水を引きつけるものであり、そして疎水性ポリマーは一般に水をはじくものである。親水性または疎水性ポリマーは、例えば、ポリマーのサンプルを調製すること、およびその水との接触角を測定することにより識別され得る(代表的には、ポリマーは、60゜より小さい接触角を有し、その一方、疎水性ポリマーは、約60゜より大きい接触角を有する)。いくつかの場合には、2つ以上のポリマーの親水性は、互いに対して測定され得、すなわち、第1のポリマーは、第2のポリマーより親水性であり得る。例えば、第1のポリマーは、第2のポリマーより小さい接触角を有し得る。
【0061】
1つのセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、生体適合性ポリマー、すなわち、代表的には、生物被験体中に挿入または注入されるとき、副作用を誘導しない、例えば、免疫系により、例えば、T細胞応答を経由して、顕著な炎症および/またはポリマーの急性拒絶のないポリマーを含む。もちろん、「生体適合性」は、相対的な用語であり、そしてある程度の免疫応答が、生存組織と高度に適合性であるポリマーについてさえある程度の免疫応答が予期されることが認識される。しかし、本明細書で用いられるとき、「生体適合性」は、免疫系の少なくとも一部分による材料の急性拒絶をいい、すなわち、被験体中に移植された非生体適合性材料は、免疫系による材料の拒絶が適切に制御されることができないように十分重篤であり、そしてしばしば、この材料が患者から除去されなければならないような程度である患者において免疫応答を引き起こす。生体適合性を決定する1つの簡単な試験は、ポリマーをインビトロで細胞に曝すことであり;生体適合性ポリマーは、中程度の濃度、例えば、50マイクログラム/106細胞の濃度で顕著な細胞死滅を生じないポリマーである。例えば、生体適合性ポリマーは、線維芽細胞または上皮細胞のような細胞に曝されるとき、たとえ、このような細胞により食作用により取り込まれるか、または別の方法で摂取されたとしても約20%より少ない細胞死を引き起こし得る。本発明の種々の実施形態で有用であり得る生体適合性ポリマーの非制限的な例は、ポリジオキサノン(PDO)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(グリセロールセバケート)、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、またはこれらポリマーおよび/またはその他のポリマーを含むコポリマーまたは誘導体を含む。
【0062】
特定の実施形態では、上記生体適合性ポリマーは生分解性、すなわち、このポリマーは、身体内のような生理学的環境内で化学的および/または生物学的に分解し得る。例えば、このポリマーは、水への曝露の際(例えば被験体内)に自然に加水分解するものであり得、このポリマーは、熱への曝露の際(例えば、約37℃の温度で)分解し得る。ポリマーの分解は、用いられるポリマーまたはコポリマーに依存して、変動する速度で生じ得る。例えば、ポリマーの半減期(ポリマーの50%がモノマーおよび/またはその他の非ポリマー成分に分解する時間)は、ポリマーに依存して、日、週、月、または年の長さであり得る。これらポリマーは、例えば、酵素活性または細胞器官により、いくつかの場合には、例えば、(例えば、比較的低いpHを有する)リゾチームへの曝露により生物学的に分解され得る。いくつかの場合には、上記のポリマーは、細胞が、再使用するか、または細胞に対して顕著な毒性効果なくして処分され得るモノマーおよび/またはその他の非ポリマー成分に分解され得る(例えば、ポリラクチドは、加水分解されて乳酸を形成し得、ポリグリコール酸は加水分解されてグリコール酸を形成し得るなど)。生分解性ポリマーの例は、制限されないで、ポリ(ラクチド)(またはポリ(乳酸))、ポリ(グリコリド)(またはポリ(グリコール酸)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カプロラクトン))、ポリリジン、ポリ(エチレンイミド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(酸無水物)、ポリ(エステル)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(βアミノエステル)など、ならびにこれらポリマーおよび/またはその他のポリマーのコポリマーまたは誘導体、例えば、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)を含む。
【0063】
別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、免疫原性を制御し得るポリマー、例えば、ポリ(プロピレングリコール)、または式−(CH2−CH2−O)n−、ここでnは任意の正の整数である、を有するポリ(エチレングリコール)(「PEG」)としても知られるポリ(エチレンオキシド)のような、ポリ(アルキレングリコール)(ポリ(アルキレンオキシド)としてもまた知られる)を含む。このポリ(エチレングリコール)単位は、任意の適切な形態で上記ポリマー結合体内に存在し得る。例えば、このポリマー結合体は、ブロックの1つがポリ(エチレングリコール)であるブロックコポリマーであり得る。ポリ(エチレングリコール)繰り返し単位を含むポリマー結合体は、「PEG化」ポリマーと称される。このようなポリマーは、ポリ(エチレングリコール)基の存在に起因して、炎症および/または免疫原性(すなわち、免疫応答を惹起する能力)を制御し得る。
【0064】
PEG化はまた、いくつかの場合には、例えば、ポリマーが生物学的成分と相互作用することを遮蔽し得る、ポリマーの表面上に親水性層を生成することにより、ポリマーと生物学的成分との間の荷電相互作用を低減するために用いられ得る。いくつかの場合には、ポリ(エチレングリコール)繰り返し単位の添加は、ポリマー結合体の血清半減期を、例えば、細胞によるトランスフェクション/取り込み効率を低減しながら、食細胞系によるこのポリマー結合体の取り込みを低減することにより増加し得る。当業者は、ポリマーをPEG化するための方法および技法を知っており、例えば、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド)およびNHS(N−ビドロキシスクシンイミド)を用いることにより、以下の実施例で論議されるように、環開放重合技法(ROMP)などによって、ポリマーをアミンで終わるPEG基に反応させる。
【0065】
さらに、本発明の特定の実施形態は、ポリ(エステル−エーテル)を含むコポリマー、例えば、エステル結合(例えば、R−C(O)−O−R’結合)およびエーテル結合(例えば、R−O−R’結合)によって連結された繰り返し単位を有するポリマーに関する。本発明のいくつかの実施形態では、カルボン酸基を含む加水分解可能なポリマーのような生分解可能なポリマーが、ポリ(エチレングリコール)繰り返し単位と結合され得、ポリ(エステル−エーテル)を形成する。
【0066】
なお別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、標的化成分、すなわち、生物学的実体、例えば、膜成分、細胞表面レセプター、前立腺特異的膜抗原などに結合、またはそうでなければ会合し得る成分を含む。本明細書中で用いられるとき、用語「結合」は、代表的には、制限されないで生化学的相互作用、生理学的相互作用、および/または化学的相互作用を含む、特異的もしくは非特異的結合または相互作用に起因する互いの親和性または結合能力を示す分子またはその一部分の対応するペア間の相互作用をいう。「生物学的結合」は、タンパク質、核酸、糖タンパク質、炭水化物、ホルモンなどを含む分子のペア間で生じる相互作用のタイプを規定する。用語「結合パートナー」は、特異的な分子との結合を行い得る分子をいう。「特異的結合」は、その他の類似の生物学的実体に対してより実質的に高い程度に結合パートナー(または限られた数の結合パートナー)を結合または認識し得る、ポリヌクレオチドのような分子をいう。1つのセットの実施形態では、上記標的化成分は、(解離定数を経由して測定されるとき)約1マイクロモル濃度より少ない、少なくとも約10マイクロモル濃度、または少なくとも約100マイクロモル濃度の特異性を有する。
【0067】
生物学的成分の非制限的な例は、ペプチド、酵素、核酸、脂肪酸、ホルモン、抗体、炭水化物、ペプチドグリカン、糖ペプチドなどを含む。これらおよびその他の生物学的成分は、以下に詳細に論議される。いくつかの場合には、この生物学的成分は、比較的大きく、例えば、ペプチド、核酸などであり得る。例えば、この生物学的成分は、少なくとも約1,000Da、少なくとも約2,500Da、少なくとも約3000Da、少なくとも約4000Da、または少なくとも5,000Daなどの分子量を有し得る。比較的大きな標的化成分が、いくつかの場合において、細胞間を鑑別するために有用であり得る。例えば、いくつかの場合には、より小さな標的化成分(例えば、約1000Daより小さい)は、標的化適用のような、特定の標的化適用のためには適切な特異性を有さないかもしれない。対照的に、より大きな分子量の標的化成分は、かなりより高い標的化親和性および/または特異性を提供し得る。例えば、標的化成分は、より小さな解離定数、例えば、より親密な結合を提供し得る。しかし、その他の実施形態では、上記標的化成分は比較的小さくてもよく、例えば、約1,000Daより小さい、または約500Daより小さい分子量を有する。
【0068】
1つの実施形態では、上記標的化成分は、タンパク質またはペプチドを含む。「タンパク質」および「ペプチド」は、当該技術分野で周知の用語であり、そして各々が含むアミノ酸の数に関して当該技術分野では正確には規定されていない。本明細書で用いられるとき、これらの用語は、当該技術分野でそれらの通常の意味で与えられる。一般に、ペプチドは、長さが約100アミノ酸より少ない配列であるが、300アミノ酸までの配列を含み得る。タンパク質は、一般に、少なくとも100のアミノ酸の分子であると考えられる。タンパク質は、例えば、タンパク質薬物、抗体、抗体フラグメント、組み換え抗体、組み換えタンパク質、酵素などであり得る。いくつかの場合では、タンパク質またはペプチドのアミノ酸の1つ以上は、いくつかの場合には、例えば、炭水化物基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、結合のためのリンカー、官能化、またはその他の改変などのような化学的実体の付加により改変され得る。
【0069】
ペプチドまたはタンパク質のその他の例は、制限されないで、アンキリン、アレスチン、細菌膜タンパク質、クラスリン、コネキシン、ジストロフィン、エンドセリンレセプター、スペクトリン、セレクチン、サイトカイン;ケモカイン;成長因子、インシュリン、エリスロポイエチン(EPO)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経ペプチド、神経ペプチドY、ノイロテンシン、トランスフォーミング成長因子α、トランスフォーミング成長因子β、インターフェロン(IFN)、およびホルモン類、成長インヒビター、例えば、ゲニステイン、ステロイドなど;糖タンパク質、例えば、ABCトランスポーター、血小板糖タンパク質、GPIb−IX複合体、GPIb−IIIa複合体、ビトロネクチン、トロンボモジュリン、CD4、CD55、CD58、CD59、CD44、リンパ球機能関連抗原、細胞内接着分子、血管細胞接着因子、Thy−1、アンチポーター、CA−15−3抗原、フィブロネクチン、ラミニン、ミエリン−関連糖タンパク質、GAP、GAP−43を含む。
【0070】
本明細書で用いられるとき、「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子のフラグメントによって実質的にコードされる1つ以上のポリペプチドからなるタンパク質または糖タンパク質をいう。認識された免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμ定常領域遺伝子、および無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖は、κまたはλとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、これらは、次に、免疫グロブリンのクラス、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEをそれぞれ規定する。代表的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、テトラマーを含むことが知られる。各テトラマーは、各々のペアが1つの「軽」鎖(約25kD)および1つの「重」鎖(約50〜70kD)を有する、2つの同じペアのポリペプチドからなる。各鎖のN末端は、主に抗原認識を担う約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を規定する。用語可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)は、これらの軽鎖および重鎖をそれぞれいう。抗体は、インタクトな免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼでの消化によって生成され、良好に特徴付けられた多くのフラグメントとして存在する。
【0071】
抗体およびその他の適切な標的化成分の非制限的な例は、分化抗原CD−1〜CD166の抗クラスター、およびこれら分子に対するリガンドまたはカウンターレセプター;抗サイトカイン抗体、例えば、抗IL−1〜抗IL−18、およびこれら分子のセレプター;抗免疫レセプター抗体、T細胞レセプターに対する抗体、主要組織適合性複合体IおよびII、B細胞レセプター、セレクチンキラー阻害レセプター、キラー活性化レセプター、OX−40、MadCAM−1、Gly−CAM1、インテグリン、カドヘレン(cadheren)、シアロアドヘリン、Fas、CTLA−4、Fc−γレセプター、Fc−αレセプター、Fc−εレセプター、Fc−μレセプター、およびそれらのリガンド;抗メタロプロテイナーゼ抗体、例えば、コラゲナーゼ、MMP−1〜MMP−8、TIMP−1、TIMP−2;抗細胞溶解/前炎症性分子、例えば、ペルフォリン、補体成分、プロスタノイド、亜酸化窒素、トロンボキサン;または抗接着分子、例えば、癌胎児抗原、ラミニン、またはフィブロネクチンを含む。
【0072】
標的化分子のその他の例は、サイトカインまたはサイトカインレセプター、例えば、インターロイキン−1(IL−1)、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−1レセプター、IL−2レセプター、IL−3レセプター、IL−4レセプター、IL−5レセプター、IL−6レセプター、IL−7レセプター、IL−8レセプター、IL−9レセプター、IL−10レセプター、IL−11レセプター、IL−12レセプター、IL−13レセプター、IL−14レセプター、IL−15レセプター、IL−16レセプター、IL−17レセプター、IL−18レセプター、リンホカイン阻害因子、マクロファージコロニー刺激因子、血小板由来成長因子、幹細胞因子、腫瘍成長因子β、腫瘍壊死因子、リンホトキシン、Fas、顆粒球、コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγを含む。
【0073】
標的化成分のなおその他の例は、成長因子およびタンパク質ホルモン、例えば、エリスロポイエチン、アンギオテンシン、肝細胞成長因子、線維芽細胞成長因子、ケラチノサイト成長因子、神経成長因子、腫瘍成長因子α、トロンボポイエチン、甲状腺刺激因子、甲状腺放出ホルモン、ノイロトロフィン、上皮細胞成長因子、VEGF、繊毛神経栄養因子、LDL、ソマトメディン、インシュリン成長因子、インシュリン様成長因子IおよびIIを含む。
【0074】
標的化成分のさらなる例は、ケモカイン、例えば、ENA−78、ELC、GRO−α、GRO−β、GRO−γ、HRG、LIF、IP−10、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、MIP−1β、MIG、MDC、NT−3、NT−4、SCF、LIF、レプチン、RANTES、リンホタクチン、エオタキシン−1、エオタキシン−2、TARC、TECK、WAP−1、WAP−2、GCP−1、GCP−2、α−ケモカインレセプター(例えば、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7)、またはβ−ケモカインレセプター(例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、またはCCR7)を含む。
【0075】
別の実施形態では、標的化成分は核酸を含む。本明細書で用いられるとき用語「核酸」または「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドのポリマーをいう。本明細書で用いられるとき、「ヌクレオチド」は、当該技術分野で用いられるようなその通常の意味で与えられ、すなわち、糖部分、リン酸基、および塩基(通常窒素を含む)を含む。代表的には、ヌクレオチドは、糖−リン酸バックボーンに連結された1つ以上の塩基を含む(リン酸基なくして糖部分にのみ連結される塩基は、「ヌクレオシド」である)。ヌクレオチド内の糖は、例えば、リボース糖(「リボ核酸」、または「RNA」)、またはデオキシリボース糖(デオキシリボ核酸、または「DNA」)であり得る。いくつかの場合には、上記ポリマーは、リボース糖およびデオキシリボ糖の両方を含み得る。塩基の例は、制限されないで、天然に存在する塩基(例えば、アデノシンもしくは「A」、チミジンもしくは「T」、グアノシンもしくは「G」)、シトシンもしくは「C」、またはウリジンもしくは「U」を含む。いくつかの場合には、上記ポリマーはまた、ヌクレオシドアナログ(例えば、アラシチジン、イノシン、イソグアノシン、ネブラリン、シュードウリジン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノプリン、2−チオチミジン、3−デアザ−5−アザシチジン、2’−デオキシウリジン、3−ニトロピロール、4−メチリンドール、4−チオウリジン、4−チオチミジン、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、2−チオウリジン、5−ブロモシチジン、5−ヨードウリジン、イノシン、6−アザウリジン、6−クロロプリン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−アザアデノシン、8−アジドアデノシン、ベンジイミダゾール、M1−メチルアデノシン、ピロロピリミジン、2−アミノ−6−クロロプリン、3−メチルアデノシン、5−プロピニルシチジン、5−プロピニルウリジン、5−ブロモウリジン、5−フルオロウリジン、5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアノシン、2−チオシチジン、など)、化学的または生物学的に改変された塩基(例えば、メチル化された塩基)、インターカレーションされた塩基、改変糖(例えば、2’−フルオロリボース、2’−アミノリボース、2’−アジドリボース、2’−O−メチルリボース、L−エナンチオマーのヌクレオシドアラビノース、ヘキソースなど)、改変リン酸塩部分(例えば、ホスホロチオエートまたは5’−N−ホスホルアミダイト結合)、および/または、置換および非置換芳香族部分を含むその他の天然に存在する、および天然に存在しないポリマー中に置換可能な塩基を含む。その他の適切な塩基および/またはポリマー改変は、当業者に周知である。いくつかの場合には、ポリヌクレオチドは、DNA、RNA、改変DNA、改変RNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、発現プラスミドシステム、ヌクレオチド、改変ヌクレオチド、ヌクレオシド、改変ヌクレオシド、アプタマー、インタクト遺伝子、またはそれらの組み合わせを含み得る。ポリヌクレオチドのその他の例は、干渉RNA、天然または非天然siRNA、shRNA、マイクロRNA、リボザイム、DNAプラスミド、アプタマー、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ランダム化オリゴヌクレオチド、またはリボザイムを含み得る。
【0076】
特定の非制限的な例として、上記標的化成分は、アプタマー、すなわち、生物学的成分のような特定の標的分子に特異的に結合し得る核酸を含み得る。アプタマーの非制限的な例は、RNAアプタマーおよびDNAアプタマーを含む。例えば、アプタマーのサイズは、少なくとも5kDa、少なくとも10kDa、少なくとも15kDa、または少なくとも20kDaであり得る。特定のアプタマーの非制限的な例は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)アプタマー(図6)である。PSMAアプタマーは、配列
GGGAGGACGAUGCGGAUCAGCCAUGUUUACGUCACUCCUUGUCAAUCCUCAUCGGC(配列番号1)を有する。
【0077】
なお別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、造影成分または感知成分、すなわち、直接または間接的いずれかの特定の様式で決定され得る成分を含む。例えば、この造影実体は、蛍光、放射性、電子密度、結合ペアのメンバー、酵素反応のための基質、抗体のための抗原などであり得る。いくつかの場合には、造影実体自体は、直接決定されず、それに代わって、決定を行うために第2の実体と相互作用する;例えば、第2の実体の造影実体へのカップリングが決定可能な信号を生じ得る。造影成分の非制限的な例は、FITCまたはFITC誘導体、フルオレセイン、GFPなどのような蛍光化合物;放射性原子、例えば、3H、14C、33P、32P、125I、131I、35Sなど;または重金属種、例えば、金またはオスミウムを含む。特定の例として、造影成分は、金ナノ粒子であり得る。
【0078】
なお別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、治療成分、すなわち、被験体に与えられるとき、治療または予防効果を有する成分を含む。治療成分の例は、制限されないで、抗微生物剤、鎮痛剤、抗炎症剤、反対刺激剤、凝固改変剤、利尿薬、交感神経興奮剤、食欲抑制薬、制酸薬およびその他の胃腸管薬剤;駆虫薬、抗鬱薬、降圧剤、抗コリン作用薬、刺激剤、抗ホルモン剤、中枢および呼吸刺激剤、薬物アンタゴニスト、脂質調節剤、尿酸排泄剤、心臓グリコシド、電解質、麦角およびそれらの誘導体、排痰剤、催眠薬、睡眠薬および鎮痛剤、抗糖尿病薬、ドーパミン作用性薬、制吐剤、筋肉弛緩剤、副交感神経作用剤、抗痙攣薬、抗ヒスタミン剤、β−ブロッカー、下剤、不整脈治療剤、コントラスト物質、放射性医薬品、抗アレルギー剤、トランキライザー、放射性医薬品、抗ウイルス剤、および抗腫瘍剤もしくは細胞成長抑止剤または抗癌性質をもつ他の薬剤、あるいはこれらの組み合わせを含む。その他の適切な治療成分は、避妊薬およびビタミンならびに微量栄養素および多量栄養素を含む。なおその他の例は、抗生物質および抗ウイルス剤のような抗感染剤;鎮痛剤および鎮痛組み合わせ物;食欲抑制剤;抗寄生虫剤(antiheimintics);抗関節炎薬;抗喘息剤;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗利尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン剤;抗炎症剤;抗偏頭痛調製物;抗嘔吐薬;抗新生物剤;抗パーキンソン病薬物;止痒剤;抗精神病薬;解熱剤;抗痙攣剤;抗コリン作用性剤;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;ピンドロールおよび不整脈治療剤のようなカルシウムチャンネルブロッカーおよびβブロッカーを含む心臓血管調製物;降圧剤;利尿薬;一般冠動脈、末梢および脳を含む血管拡張薬;中枢神経系刺激剤;消炎剤を含む咳および風邪調製物;エストラジオール、およびコルチコステロイドを含むその他のステロイドのようなホルモン;睡眠薬;免疫抑制剤;筋肉弛緩剤;副交感神経遮断剤;交感神経興奮剤;鎮痛薬;およびトランキライザー;および天然由来または遺伝子工学タンパク質、多糖、またはリポタンパク質を含む。
【0079】
本発明のポリマー結合体のなお別のセットの実施形態では、キレート成分、すなわち、1つ以上のイオン、代表的には、Ca2+、Mg2+、またはFe2+のような2価(またはより高い)イオンを結合し得る成分を含む。このような成分の例は、エチレンジアミン四酢酸である。本発明のポリマー結合体のなお別のセットの実施形態は、例えば、生理学的条件下で複数の荷電基を有する成分を含む。例えば、標的化成分および生体適合性ポリマー、生体適合性ポリマーおよびポリ(エチレングリコール)などのような2つのポリマーは、EDC−NHS化学(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライドおよびN−ヒドロキシスクシンイミド)、またはチオール、アミン、または類似の官能化ポリエーテルの一端に結合され得る、マレイミドまたはカルボン酸を含む反応のような技法を用いて一緒に結合され得る。このようなポリマーの結合、例えば、ポリ(エステル−エーテル)を形成するためのポリ(エステル)およびポリ(エーテル)の結合は、制限されないで、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルスルフアミド、テトラヒドロフラン、アセトンなどのような有機溶媒中で実施され得る。特定の反応条件は、慣用の実験を超えずに用い、当業者によって決定され得る。
【0080】
別のセットの実施形態では、結合反応は、カルボン酸官能基を含むポリマー(例えば、ポリ(エステル−エーテル)化合物)を、アミンを含むポリマーまたは(標的化成分のような)その他の成分と反応することにより実施され得る。例えば、アプタマーのような標的化成分はアミンと反応され得、アミン含有成分を形成し、これは次にポリマーのカルボン酸に結合され得る。このような反応は、単一ステップ反応として起こり得、すなわち、結合は、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはマレイミドのような中間体を用いることなく実施される。アミン−含有成分と、(ポリ(エステル−エーテル)化合物のような)カルボン酸−末端ポリマーとの間の結合反応は、1つのセットの実施形態では、(制限されないで)ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、またはジメチルスルホキシドのような有機溶媒中に可溶化されたアミン−含有成分を、カルボン酸−末端ポリマーに添加することにより達成され得る。このカルボン酸−末端ポリマーは、制限されないで、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、またはアセトンのような有機溶媒内に含まれ得る。アミン−含有成分とカルボン酸−末端ポリマーとの間の反応は、いくつかの場合には、自然に起こり得る。非結合マクロマーは、このような反応後に洗い流され得、そしてポリマーは、例えば、エチルエーテル、ヘキサン、メタノール、またはエタノールのような溶媒中で沈殿され得る。
【0081】
特定の例として、ヌクレアーゼに安定なオリゴヌクレオチド、例えば、前立腺特異的膜抗原(PSMA)アプタマーは、以下のように粒子中に標的成分として調製され得る。カルボン酸改変ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA−COOH)は、アミン−改変ヘテロ二官能性ポリ(エチレングリコール)(NH2−PEG−COOH)に結合され得、PLGA−PEG−COOHのコポリマーを形成する。アミン−改変PSMAアプタマー(NH2−Apt)を用いることにより、3ブロックのポリマーであるPLGA−PEG−Aptが、PEGのカルボン酸末端をアプタマーのアミン官能基に結合することにより形成され得る。この複数ブロックのポリマーは、次いで、例えば、以下に論議されるように、例えば、治療、造影、および/または診断用途のために用いられ得る。
【0082】
本発明の別の局面は、上記で論議されたもののようなポリマー結合体を含む粒子に関する。これら粒子は、実質的に球形(すなわち、これら粒子は、ほぼ球形であるように見える)、または非球形形態を有し得る。例えば、これら粒子は、膨潤または収縮の際に、非球形形態をとり得る。いくつかの場合には、これら粒子は、ポリマーブレンドを含み得る。例えば、ポリマーブレンドは、標的化成分および生体適合性ポリマーを含む第1のポリマー、および生体適合性ポリマーを含むが標的化成分は含まない第2のポリマーを含んで形成され得る。最終ポリマー中の第1のポリマーと第2のポリマーとの比を制御することにより、この最終ポリマー中の標的化成分の濃度および位置は、任意の適切な程度まで容易に制御され得る。それ故、特定の実施形態では、このような粒子のライブラリーが、以下で論議されるように生成され得る。
【0083】
いくつかの場合には、上記粒子はナノ粒子であり、すなわち、約1マイクロメーターより小さい特徴寸法を有し、ここで、粒子の特徴寸法は、この粒子と同じ容量を有する完全な球の直径である。例えば、上記粒子は、約300nmより少ない、約200nmより少ない、約150nmより少ない、約100nmより少ない、約50nmより少ない、約30nmより少ない、約10nmより少ない、約3nmより少ない、またはいくつかの場合には約1nmより少なくあり得る粒子の特徴寸法を有し得る。
【0084】
いくつかの場合には、粒子の集団が存在し得る。例えば、粒子の集団は、少なくとも20の粒子、少なくとも50の粒子、少なくとも100の粒子、少なくとも300の粒子、少なくとも1,000の粒子、少なくとも3,000の粒子、または少なくとも10,000の粒子を含み得る。本発明の種々の実施形態は、このような粒子の集団に関する。例えば、いくつかの実施形態では、これら粒子は、各々実質的に同じ形状および/またはサイズ(「単分散」)であり得る。例えば、これら粒子は、約5%または約10%を超えない粒子が、これら粒子の平均特徴寸法より約10%より大きい特徴を有するように、そしていくつかの場合には、約8%、約5%、約3%、約1%、約0.3%、約0.1%、約0.03%、または約0.01%を超えない粒子が、これら粒子の平均特徴寸法より約10%より大きい特徴を有するように、特徴寸法の分布を有し得る。いくつかの場合には、これら粒子の約5%を超えない粒子が、これら粒子の平均特徴寸法より約5%、約3%、約1%、約0.3%、約0.1%、約0.03%、または約0.01%より大きい平均特徴寸法を有する。
【0085】
1つのセットの実施形態では、上記粒子は、内部および表面を有し得、ここで、この表面は内部とは異なる組成を有し、すなわち、少なくとも1つの成分が内部に存在し得るが、表面上には存在せず(または逆もまた同様である)、そして/または少なくとも1つの化合物が内部に、そして表面上には異なる濃度で存在する。例えば、1つの実施形態では、本発明のポリマー結合体の標的化成分(例えば、アプタマー)のような化合物は、粒子の内部および表面中に、しかし、粒子の内部でより表面上でより高い濃度で存在し得、しかしいくつかの場合には、粒子の内部での濃度は、本質的にゼロでなく、すなわち、粒子の内部に存在する化合物の検出可能な量が存在する。
【0086】
いくつかの場合には、上記粒子の内部は、粒子の表面より疎水性である。例えば、粒子の内部は、粒子の表面に対して相対的に疎水性であり得、そして薬物またはその他のペイロードは疎水性であり得、そして粒子の相対的疎水性中心と容易に会合する。この薬物またペイロードは、それ故、粒子の内部内に含まれ得、これら粒子は、それ故、それを粒子を取り囲む外部環境から保護し得る(または逆もまた同様である)。例えば、患者に投与される粒子内に含まれる薬物またはその他のペイロードは、患者の身体から保護され、そして身体もまた、薬物から単離される。上記粒子の表面上に存在する標的化成分は、この粒子が特定の標的化部位、例えば、腫瘍、疾患部位、組織、器官、特定タイプの細胞などで局在化されるようになることを可能にし得る。この薬物またはその他のペイロードは、次いで、いくつかの場合には、この粒子から放出され、そして特定の標的化部位と局所的に相互作用するようにさせる。
【0087】
本発明のなお別の局面は、存在する1つ以上のポリマーまたはマクロ分子を有するポリマー粒子、およびこのようなポリマーまたはマクロ分子を含むライブラリーに関する。例えば、1つのセットの実施形態では、粒子は、1つ以上の区別可能なマクロ分子を含み得、そしてこれら2つ(またはそれ以上)のマクロ分子の比は独立に制御され得、これは、粒子の性質の制御を可能にする。例えば、第1のマクロ分子は、標的化成分および生体適合性部分を含むポリマー結合体であり得、そして第2のマクロ分子は、生体適合性部分を含み得るが、標的化成分を含まなくてもよいか、または第2のマクロ分子は、第1のマクロ成分とは区別可能な生体適合性部分を含み得る。上記ポリマー粒子内のこれらマクロ分子の量の制御は、それ故、粒子の種々の物理的、生物学的、または化学的性質、例えば、粒子のサイズ(例えば、一方、または両方のポリマーの分子量を変えることにより)、表面荷電(例えば、これらポリマーが異なる荷電または末端基を有する場合、これらポリマーの比を制御することにより)、表面親水性(例えば、これらポリマーが異なる分子量および/または親水性を有する場合)、標的化成分の表面密度(例えば、これら2つ以上のポリマーの比を制御することにより)を制御するために用いられ得る。
【0088】
特定の例として、粒子は、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(エチレングリコール)に結合された標的化成分を含む第1のマクロ分子、およびポリ(エチレングリコール)を含むが、標的化成分を含まないか、またはポリ(エチレングリコール)および標的成分の両方を含み、ここで、この第2のマクロ分子のポリ(エチレングリコール)は、第1のマクロ分子のポリ(エチレングリコール)とは異なる長さ(または繰り返し単位の数)を有する第2のマクロ分子を含み得る。別の例として、粒子は、第1の生体適合性部分および標的化成分を含む第1のマクロ分子、および第1の生体適合性部分とは異なる第2の生体適合性部分(例えば、異なる組成、実質的に異なる数の繰り返し単位などを有する)および標的化成分を含む第2のマクロ分子を含む。なお別の例として、第1のマクロ分子は、生体適合性部分および第1の標的化成分を含み得、そして第2のマクロ分子は、生体適合性部分および第1の標的化成分とは異なる第2の標的化成分を含み得る。
【0089】
このような粒子のライブラリーはまた、例えば、粒子内の2つ(またはそれ以上)のポリマーの比を変えることにより形成され得、例えば、スクリーニング試験、高スループットアッセイなどのために有用であり得る粒子のライブラリーが形成され得る。このライブラリー内の実体は、上記で記載されたような性質によって変動し得、そしていくつかの場合には、これら粒子の1つ以上の性質が、このライブラリー内で変化し得る。従って、本発明の1つの実施形態は、異なる性質をもつポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーに関する。このライブラリーは、任意の適切な比(単数または複数)のポリマーまたはマクロ分子を含み得る。例えば、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を有する粒子では、この第1のマクロ分子および第2のマクロ分子は、0〜約5%:1、約10%:1、約15%:1、約20%:1、約5%:1〜約10%:1などの比で存在し得る。
【0090】
本発明の別の局面は、上記に記載のような、粒子内に含まれる「ペイロード」または種(または1つ以上の種)に関する。例えば、標的化成分は、被験体内の特定部分を標的にし得るか、または粒子が被験体内の特定部分に局在化されるようにし得、そしてこのペイロードは、これらの部分に送達され得る。例えば、標的化部分は、これら粒子を、用いられる標的化成分に依存して、被験体の身体内の腫瘍、疾患部位、組織、器官、所定のタイプの細胞などに局在化されるようになるようにする。この被験体は、ヒトまたは非ヒト動物であり得る。被験体の例は、制限されないで、イヌ、ネコ、ウマ、ロバ、ウサギ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット、ハムスター、霊長類などのような哺乳動物を含む。
【0091】
当業者は、先に論議されるように、目的の標的化成分に特異的な標的化種を識別し得る;例えば、PSMAアプタマーは、前立腺癌細胞に局在化されるようになり得る。ペイロードのその他の例は、制限されずに、DNAまたはRNAのような核酸(例えば、RNA干渉のため)、酵素、抗体、炭水化物、小分子(例えば、約1000Daより少ない分子量を有する)などを含む。
【0092】
1つのセットの実施形態では、上記ペイロードは、薬物または1つ以上の薬物の組み合わせである。このような粒子は、例えば、標的化成分が、薬物を含有する粒子を、例えば、薬物の局在化された送達が生じることを可能にするために、被験体内の特定の局在化位置に向けるために用いられ得る実施形態で有用であり得る。潜在的に適切な薬物の非制限的な例は、抗微生物剤、鎮痛剤、抗炎症剤、反対刺激剤、凝固改変剤、利尿薬、交感神経興奮剤、食欲抑制剤、制酸薬およびその他の胃腸管薬剤;駆虫薬;抗鬱薬;降圧剤;抗コリン作用性剤;興奮剤;抗ホルモン剤;中枢および呼吸興奮剤;薬物アンタゴニスト;脂質調節剤;尿酸排泄剤;心臓グリコシド;電解質;麦角およびその誘導体;去痰薬;睡眠薬および鎮痛剤;抗糖尿病薬;ドーパミン作用性剤;制吐剤;筋肉弛緩剤;副交感神経興奮剤;抗痙攣薬;抗ヒスタミン剤;βブロッカー;下剤;不整脈治療剤;造影材料;放射性医薬品;抗アレルギー薬剤;トランキイザー;血管拡張薬;抗ウイルス剤;および抗新生物剤または細胞成長抑止剤または抗癌性質をもつその他の薬剤、またはこれらの組み合わせを含む。その他の適切な医薬は、避妊薬およびビタミンならびに微量栄養素および多量栄養素からなる群から選択され得る。なおその他の例は、抗生物質および抗ウイルス剤のような抗感染剤;鎮痛剤および鎮痛組み合わせ物;食欲抑制剤;抗寄生虫剤(antiheimintics);抗関節炎薬;抗喘息剤;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗利尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン剤;抗炎症剤;抗偏頭痛調製物;抗嘔吐薬;抗新生物剤;抗パーキンソン病薬物;止痒剤;抗精神病薬;解熱剤;抗痙攣剤;抗コリン作用性剤;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;ピンドロールおよび不整脈治療剤のようなカルシウムチャンネルブロッカーおよびβブロッカーを含む心臓血管に関する調製物;降圧剤;利尿薬;一般冠動脈、末梢および脳を含む血管拡張薬;中枢神経系刺激剤;消炎剤を含む咳および風邪調製物;エストラジオール、およびコルチコステロイドを含むその他のステロイドのようなホルモン;睡眠薬;免疫抑制剤;筋肉弛緩剤;副交感神経遮断剤;交感神経興奮剤;鎮痛薬;およびトランキライザー;および天然由来または遺伝子工学タンパク質、多糖、またはリポタンパク質を含む。
【0093】
薬物の非制限的な例は、ドキソルビシン、マイトマイシン、シスプラチン、ダウノルビシン、ブレオマイシン、アクチノマイシンD、ネオカルジノスタチン、カルボプラチン、ストラトプチラン、Ara−Cを含む。その他の例は、カポテン、モノプリル、プラバコール、アバプロ、プラビックス、セフジル、ドゥリセフ/ウルトラセフ、アザクタム、ビデックス、ゼリット、マキシピメ、ベペシド、パラプラチン、プラチノール、タキソール、UFT、バスパール、セルゾン、スタドールNS、エストレース、グルコファージ(Bristol−Myers Squibb);セクロール、ロラビド、ダイナバク、プロザック、ダルボン、パーマックス、ジプレキサ、フマログ、アキシド、ゲムザール、エビスト(Eli Lily);バソテック/バセレティック、メバコール、ゾコール、プリニビル/プリニジド、プレンディル、コツァール/ハイザール、ペプシッド、プリロセック、プリマキシン、ノロキシン、レコンビバックスHB、バリバックス、チモプティック/XE、ツルソプト、プロスカール、フォサマックス、シネメット、クリキシバン、プロペシア、ビオクス、シングライル、マキサルト、イベルメクチン(Merk&Co.);ジフルカン、ウナシン、サルペラゾン、ジスロマックス、トロバン、プロカルディアXL、カルデュラ、ノルバスク、ドフェチリド、フェルデン、ゾロフト、ゼルドックス、グルコトロールXL、ジレテック、エレトリプタン、ヴィアグラ、ドロロキシフェン、アリセプト、リピトール(Pfizer);ヴァンチン、レスクリプター、ヴィスチド、ゲノロトフィン、ミクロナゼ/Glyn./Glyb.、フラグミン、トータルメドロール、キサナックス/アルプラザロラム、セルミオン、ハルシオン/トリアゾラム、フリードックス、ドスティネックス、エドロナックス、ミラベックス、ファーモルビシン、アドリアマイシン、カンプトザール、デポ−プロベラ、カベルジェクト、デトルシトール、イストリング、ヘアロン、キサラタン、ロガイン(Pharmacia&Upjohn);ロピド、アクルピル、コグネックス、ノイロンチン、ロエストリン、フェムパッチ、エストロステップ、ラズリン、リピトール、オムニセフ、FemHRT、スラミン、またはカリナフロキサシン(Warner Lambert)を含む。
【0094】
別の例として、上記標的化成分が癌細胞を標的にするとき、そのときは、ペイロードは、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3,4−イポメアノール,5−エチニルウラシル、9−ジヒドロタキソール、アビラテロン、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾールハイドロクロライド、アクロニン、アクリルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、全tkアンタゴニスト、アルトレタミン、アムバムスチン、アムボマイシン、アメタントロン、アセテート、アミドックス、アミフォスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラフォリド、脈管形成インヒビター、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス、アントラマイシン、腹側化(anti−dorsalizing)形態形成タンパク質−1、抗エストロゲン、抗ネオプラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィディコリングリシネート、アポトーシス遺伝子モデュレーター、アポトーシスレギュレーター、アプリン酸、ARA−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザシチジン、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、アゼテパ、アゾトマイシン、バカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、ベンゾクロリン、ベンゾデパ、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、β−アレチン、ベータクラマイシンB、ブツリン酸、BFGFインヒビター、ビカルタミド、ビサントレン、ビサントレンハイドロクロライド、ビサジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビスナフィドジメシレート、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレオマイシン、ブレオマイシンサルフェート、BRC/ABLアンタゴニスト、ブレフレート、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミン、カクチノマイシン、カルシポトリオール、カルフォスチンC、カルステロン、カムプトテシン誘導体、カナリポックスIL−2、カペシタビン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルボキシアミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カレストM3、カルムスチン、カーン700、軟骨由来インヒビター、カルビシンハイドロクロライド、カルゼレシン、カゼインキナーゼインヒビター、カスタノスペルミン、セクロピンB、セデフィンゴール、セトロレリックス、クロラムブシル、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シロレマイシン、シスプラチン、cis−ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェンアナログ、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コムブレタスタチンA4、コムブレタスタチンアナログ、コナゲニン、クラムベスシディン816、クリスナトール、クリスナトールメシレート、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、キュラシンA、シクロペンタンスラキノン、シクロホスフィミド、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビン、シタラビン、オクフェスフェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダカルバジン、ダクリキシマブ、ダクチノマイシン、ダウロルビシンハイドロクロライド、デシタビン、デヒドロジデミンB、デスロレリン、デキシホスファミド、デキソルマプラチン、デクスベラパミル、デザグアニン、デザグアニンメシレート、ジアザジクォン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシンハイドロクロライド、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンシトレート、ドロモスタノロンプロピオネート、ドロナビノール、デュアゾマイシン、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エダトレキセート、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エフロルニチンハイドロクロライド、エレメン、エルサミトルシン、エミテフル、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、エピルビシンハイドロクロライド、エプリステリド、エルブロゾール、エリスロサイト遺伝子治療ベクターシステム、エソルビシンハイドロクロライド、エストラムスチン、エストラムスチンアナログ、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、エグゼメスタン、ファドロゾール、ファドロゾールハイドロクロライド、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フロクスウリジン、フルアステロン、フルダラビン、リン酸フルダラビン、フルオロダウノルニシンハイドロクロライド、フロオロウラシル、フルオロシタビン、フォルフェニメックス、フォルメスタン、フォスキドン、フォストリエシン、フォストリエシンナトリウム、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ガラチナーゼインヒビター、ゲムシタビン、ゲムシタビンハイドロクロライド、グルタチオンインヒビター、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセタミド、ヒドロキシ尿素、ハイパーリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イダルビシンハイドロクロライド、インドキシフェン、イドラマントン、イフォスファミド、イルモフォシン、イルイロマスタット、イミダゾアクリジン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インシュリン様成長因子−1レセプターインヒビター、インターフェロンアゴニスト、インターフェロンα−2A、インターフェロンα−2B、インターフェロンα−N1、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−IA、インターフェロンγ−IB、インターフェロン類、インターロイキン類、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イプロプラチン、イリノテカン、イリノテカンハイドロクロライド、イロプラクト、イルソグラディン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド、ランレオチドアセテート、ライナマイシン、レノグラスチム、レンチナンサルフェート、レプトルスタチン、レプトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリドアセテート、ロイプロリド/エストロゲン/プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミソール、リアロゾール、リアロゾールハイドロクロライド、直線状ポリアミンアナログ、脂肪親和性二糖類ペプチド、脂肪親和性白金化合物、リソクリンアミド7、ロバプラチン、ロムブリシン、ロメトレキソール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、ロソキサントロンハイドロクロライド、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテクタン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解ペプチド、マイタシン、マノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリシンインヒビター、マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、マイタンシン、メクロルエタミンハイドロクロライド、メゲストロールアセテート、メレンゲステロールアセテート、メルファラン、メノガリル、メルバロン、メルカプトプリン、メトレリン、メチオニナーゼ、メトトレキセート、メトトレキセートナトウリム、メトクロプラミド、メトプリン、メチュレデパ、微小藻類プロテインキナーゼCインヒビター、MIFインヒビター、ミフェプリストン、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマルシン、マイトマイシン、マイトマイシンアナログ、ミトナフィド、ミトスパー、ミトタン線維芽細胞成長因子−サポリン、ミトキサントロン、ミトキサントロンハイドロクロライド、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、一リン酸脂質/ミオバクテリア細胞壁SK、モピダモール、多剤耐性遺伝子インヒビター、複数腫瘍サプレッサー1−ベースの治療、マスタード抗癌剤、マイカペルオキシドB、ミコバクテリア細胞壁抽出物、ミコフェノール酸、ミリアポロン、n−アセチルジアニリン、ナファレリン、ナグレスティップ、ナロキソン/ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダルプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、酸化窒素モジュレーター、酸化窒素抗酸化剤、ニトルリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、n−置換ベンズアミド、O6−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オラシン、口腔サイトカインインデューサー、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、オキシスラン、パクリタキセル、パクリタキセルアナログ、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガス、ペルデシン、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペントサンポリサルフェートナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペプロマイシンサルフェート、ペルフルブロン、ペルフォスファミド、ペリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニルアセテート、ホスファターゼインヒビター、ピシバニル、ピロカルピンハイドロクロライド、ピポブロマン、ピポサルファン、ピラルビシン、ピリトレキシム、ピロキサントロンハイドロクロライド、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲンアクティベーターインヒビター、白金複合体、白金化合物、白金−トリアミン複合体、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジンハイドロクロライド、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランディンJ2、前立腺癌腫アンチアンドロゲン、プロテアソームインヒビター、プロテインA−ベースの免疫モデュレーター、プロテインキナーゼCインヒビター、プロテインチロシンホスファターゼインヒビター、プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター、ピューロマイシン、ピューロマイシンハイドロクロライド、プルプリン、ピラゾフリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシ化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体、RAFアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、RASファルネシルプロテイントランスフェラーゼインヒビター、RASインヒビター、RAS−GAPインヒビター、レテリプチン脱メチル化、レニウムRE186エチドロネート、リゾキシン、リボプリン、リボザイム、RIIレチナミド、RNAi、ログレチミド、ロヒツカイン、ロムルチド、ロキンメックス、ルビギノンB1、ルボキシ、サフィンゴールハイドロクロライド、セイントピン、サルクヌ、サルコフィトールA、サルグラモスチム、SDI1模倣物、セムスチン、セネシーン由来インヒビター1、センスオリゴヌクレオチド、信号伝達インヒビター、信号伝達モデュレーター、シムトラゼン、単鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプテートナトリウム、フェニルアセテートナトリウム、ソルベロール、ソマトメディン結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォセートナトリウム、スパフォ酸、スパルソマイシン、スピカマイシンD、スピロゲルマニウムハイドロクロライド、スピロムスチン、スピロプラチン、スポンギスタチン1、スクァラミン、幹細胞インヒビター、幹細胞分裂インヒビター、スティピアミド、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ストロメリシンインヒビター、スルフィノシン、スロフェヌル、超活性血管作用腸ペプチドアンタゴニスト、スラディスタ、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリソマイシン、タリムスチン、タモキシフェンメチオダイド、タウロムスチン、タゾロテン、テコガランナ
トリウム、テガファー、テルラピリリウム、テロメラーゼインヒビター、テロキサントロンハイドロクロライド、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロロデカノキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、タリドミド、モアミプリン、チオコラリン、チオグアニン、チオテパ、トロンボポイエチン、トロンボポイエチン模倣物、サイマルファシン、トロンボポイエチンレセプターアゴニスト、トモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフリン、錫エチルエピオプルプリン、チラパザミン、チタノセンジクロライド、トポテカンハイドロクロライド、トプセンチン、トレミフェン、トレミフェンシトレート、全能幹細胞因子、翻訳インヒビター、トレストロンアセテート、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、リン酸トリシリリビン、トリメトレキセート、トリメトレキセートグルクロネート、トリプトレリン、トロピセトロン、チュブロゾールハイドロクライド、チュロステリド、チロシンキナーゼインヒビター、チフォスチン、UBCインヒビター、ウベニメックス、ウラシルマスタード、ウレデパ、泌尿生殖器洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベラレゾール、ベラミン、ベルディン、ベルテポルフィン、ビンブラスチンサルフェート、ビンクリスチンサルフェート、ビンデスチン、ビンデスチンサルフェート、ビネピディンサルフェート、ビングリシネートサルフェート、ビンロイロシンサルフェート、ビノレルビンタートレート、ビンロシディンサルフェート、ビンキサルチン、ビンゾリディンサルフェート、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ゼラスコルブ、ジノスタチン、ジノスタチンスティマラマー、またはゾルビシンハイドロクロライドのような抗癌薬剤であり得る。
【0095】
本発明の粒子内に含まれ得るさらなる特定の非制限的な例は、アセブトロール、アセトヒドロキサミン酸、アセトフェナジン、アシクロビル、アドレノコルチコイド、アロプリノール、アルプラゾラム、水酸化アルミニウム、アマンタディン、アムベノニウム、アミロリド、アミノ安息香酸カリウム、アモバルビタール、アモキシシリン、アムフェタミン、アンピシリン、アンドロゲン、麻酔薬、抗凝固剤、抗痙攣薬−ディオンタイプ、抗甲状腺薬医薬、食欲抑制剤、アスピリン、アテノロール、アトロピン、アザタディン、バカンピシリン、バクロフェン、ベクロメタゾン、ベラドーナ、ベンドロフルメチアジド、ベンゾイルパーオキサイド、ベンチアジド、ベンズトロピン、ベタメサゾン、ベタネコール、ビペリデン、ブロモソリプチン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロムフェニラミン、ブクリジン、ブメタニド、ブスルファン、ブタバルビタール、ブタペラジン、カフェイン、炭酸カルシウム、カプトプリル、カルバマゼピン、カルベニシリン、カルビドーパおよびレボドーパ、カルビノキサミンインヒビター、炭素アンハイドセーゼ(carbonic anhydsase)、カリソプロドール、カルフェナジン、カスカラ、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セファラジン、クロフェジアノール、クロラール水和物、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロロジアゼポキシド、クロロキン、クロロチアジド、クロロトリアンチセンス、クロロフェニラミン、6Xクロロプロマジン、クロロプロパミド、クロロプロチキセン、クロロタリドン、クロロゾキサゾン、コレスチラミン、シメチジン、シノキサシン、クレマスチン、クリディニウム、クリンダマイシン、クロフィブレート、クロミフェア、クロニディン、クロラゼペート、クロキサシリン、コロチン、コロエスピポール、複合エストロゲン、避妊薬、コルチソン、クロモリン、サイクララシリン、サイクランデレート、サイクリジン、シクロベンザプリン、シクロホスファミド、シクロチアジド、サイクリミン、シプロヘプタディン、ダナゾール、ダンスロン、ダントロレン、ダプソン、デキストロチムフェタミン、デキサメタソン、デクスクロロフェニラミン、デクストロメトルファン、ディアゼパン、ジクロキサシリン、ジシクロミン、ジエチルスチルベストロール、ジフルニサル、デジタリス、ジルチアゼン、ジメンヒドリネート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ジフェニドール、ジフェノキシレートおよびアトロフィブ、ジフェニルオピラリン、ジピラダモール、ジソピラミド、ジスルフィラム、ジバルポレックス、ドキュセートカルシウム、ドキュセートカリウム、ドキュセートナトリウム、ドキシロアミン、ドロナビノールエフェドリン、エピネフィリン、エルゴロイドメシレート、エルゴノルビン、エルゴタミン、エリスロマシイン、エステル化エストロゲン、エストラジオール、エストロゲン、エストロン、エストロピピュート、エタリニン酸、エスクロロビイノール、エチニルエストラジオール、エトプロパジン、エトサキシミド、エトトイン、フェノプロフェン、フマル酸鉄、グルコン酸鉄、硫酸鉄、フラボキセート、フレカイニド、フルフェナジン、フルプレドニソロン、フルラゼパム、葉酸、フロセミド、ゲムフィブロジル、グリピジド、グリブリド、グリコピロレート、金化合物、グリセオフィヴィン、グアイフェネシン、グアナベンズ、グアナドレル、グアネチディン、ハラゼパム、ハロペリドール、ヘタシリン、ヘキソバルビタール、ヒドララジン、ハイドロクロロチアジド、ハイドロコルチソン(コルチソール)、ハイドロフルネチアジド、ヒドロキシクロロキン、ヒドロキシジン、ヒョスシアミド、イブプロフェン、インダパミド、インドメタシン、インシュリン、アイオフォキノール、鉄−多糖、イソエタリン、イソニアジド、イソプロパミドイソプロテレノール、イソトレチノイン、イソクススプリン、カオリンおよびペクチン、ケトコナゾール、ラクチュロース、レボドーパ、リンコマイシン、リオチロニン、リオトリックス、リチウム、ロペルアミド、ロラゼパム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マプロチリン、メクリジン、メクロフェナメート、メドロキシプロイェトテロン、メレナミン酸、メルファラン、メフェニルトイン、メフォバルビタール、メプロバメート、メルカプトプリン、メソリダジン、メタプロテレノール、メタキサロン、メタムフェタミン、メタキュアロン、メタアルビタール、メテナミン、メチリシン、メトカルバモール、メトトレキセート、メトスキシミド、メチルクロチンジド、メチルセルロス、メチイドーパ、メチルエルゴノビン、メチルフェニデート、メチルプレドニソロン、メチルセルジド、メトクロプラミド、マトラゾン、メトプロロール、メトロニダゾール、ミノキシディル、ミトタン、モナミンオキシダーゼインヒビター、ナドロール、ナフシリン、ナリジクス酸、ナプロキセン、睡眠鎮静薬、ネオマシイン、ネオスチグミン、ナイアシン、ニコチン、ニフェディピン、硝酸塩、ニトロフラントイン、ノミフェンシン、ノレチンドロン、ノレチンドロンアセテート、ノルゲストレル、ニリドリン、ナイスタフィン、オルフェナドリン、、オキサシリン、オクスプレノロール、オキシメタゾリン、オキシフェンブタゾン、膵臓リパーゼ、パントテン酸、パパベリン、パラアミノサリチル酸、パラメタソン、パレゴリック、ペモリン、ペニリラミン、ペニシリン、ペニシリン−v、ペントバルビタール、ペルフェナジン、フェナセチン、フェナゾピリジン、フェニラミン、フェノバルビタール、フェノールフタレイン、フェンプロコウモン、フェンスキシミド、フェニルブタゾン、フェニルエフィリン、フェニルプロパノールアミン、フェニルトロキサミン、フェニルトイン、ピロカルピン、ピンドロール、パイパーアセタジド、ピロキシカム、ポロキサマー、ポリカルボフィルカルシウム、ポリチアジド、カリウムサプリメント、ピプゼパム、プラゾシン、プレドニソロン、プレドニソン、ピリミドン、プロベネシド、プロブコール、プロカインアミド、プロカルバジン、プロクロロペラジン、プロサイクリディン、プロマジン、プロメタジン、プロパンセリン、プロパノルオール、シュードエフェドリン、プソラレン、シリウム、ピリドスチグミン、ピロドキシン、ピリラミン、ピルビニウム、キネストロール、キネタゾン、ユニディン、キニン、ラニチディン、ジャボク植物アルカロイド、リボフラビン、リファムピン、リトドリン、アリシレート、スコポラミン、セコバルビタール、セナ、サノシドaおよびb、シメチコン、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、スピロラクトン、スクラルフェート、スルファシチン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルフィンピラゾン、スルフィソキサゾール、スリンダック、タルブタール、タマゼパム、テルブタリン、テルフェナディン、テルフィンハイドレート、テトラサイクリン、チアベンダゾール、チアミン、チオリダゾジン、チオチキセン、チロブロブリン、チロイド、チロキシン、チカルシリン、チモールオール、トカイニド、トラザミド、トルブタミド、トルメチン、トロゾドン、トレチノイン、トリアミシノロン、トリイアンテレン、トリアゾラム、トリクロロメチアジド、三環抗鬱薬、トリドヘキセチル、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、トリヘキシフェニディル、トリメプラジン、トリメトベンズアミド、トリメトプリム、トリプクレナミン、トリプロリディン、バルプロ酸、ベラパミル、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、キサンチンなどを含む。
【0096】
別のセットの実施形態では、前記ペイロードは診断薬である。例えば、上記ペイロードは、蛍光分子;ガス;金属;陽電子放出断層撮影(PET)、コンピューター支援断層撮影(CAT)、単一光子放出コンピューター化断層撮影、x線、蛍光透視、および磁気共鳴造影(MRI)で用いられる市販され入手可能な造影剤;またはコントラスト剤であり得る。MRIでコントラスト剤としての使用のための適切な材料の非制限的な例は、ガドリニウムキレート、ならびに鉄、マグネシウム、マンガン、銅、およびクロムを含む。CATおよびx線造影のために有用な材料の例は、制限されないで、ヨウ素をベースにした材料を含む。
【0097】
別の例として、上記ペイロードは、例えば、治療、診断、または予防薬としての使用のための放射性核種を含み得る。用いられる放射性核種のなかで、γ線放射体、陽電子放射体、およびX線放射体が、診断および/または治療のために適しており、その一方β線放射体およびα線放射体はまた、治療のために用いられ得る。本発明の種々の実施形態との使用を形成するために適切な核種は、制限されないで、123I、125I、130I、131I、133I、135I、47Sc、72As、72Sc、90Y、88Y、97Ru、100Pd、101mRh、119Sb、128Ba、197Hg、211At、212Bi、212Pb、109Pd、111In、67Ga、68Ga、67Cu、75Br、77Br、99mTc、14C、13N、15O、32P、33P、18Fを含む。これら放射性核種は、上記粒子内に(例えば、別個の種として)含まれ得、そして/またはこの粒子を形成するマクロ分子またはポリマーの一部分を形成する。
【0098】
本発明の別の局面は、このような粒子を作製するシステムおよび方法に関する。1つのセットの実施形態では、これら粒子は、1つ以上のポリマーを含む溶液を提供すること、およびこれら粒子を生成するためにこの溶液をポリマー非溶媒と接触することにより形成される。この溶液は、上記ポリマー非溶媒と混和性または非混和性であり得る。例えば、実施例で論議されるように、アセトニトリルのような水混和性液体が、上記ポリマーを含み得、そして粒子は、例えば、このアセトニトリルを制御された速度で水中に注ぐことにより、このアセトニトリルが水と接触されるときに形成される。上記溶液内に含まれるポリマーは、ポリマー非溶媒との接触に際し、次いで沈殿し得、ナノ粒子のような粒子を形成する。
【0099】
2つの溶液は、1つが他方に、周囲温度および圧力で、少なくとも10重量%のレベルまで可溶性でないとき、互いと「非混和性」または混和性でないといわれる。代表的には、有機溶液(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、ジメチルスルホキシドなど)および水性液体(例えば、水、まは溶解された塩もしくはその他の種、細胞または生物学的媒体、エタノールなどを含む水)は、互いに対して非混和性である。例えば、上記第1の溶液は、上記第2の溶液中に(適切な速度またはスピードで)注がれ得る。いくつかの場合には、ナノ粒子のような粒子は、上記第1の溶液が非混和性の第2の液体と接触するときに形成され得、例えば、接触の際のポリマーの沈殿は、上記第1の溶液が上記第2の液体中に注がれる間に、このポリマーがナノ粒子を形成するようにし、そしていくつかの場合には、例えば、導入の速度が注意深く制御され、そして比較的遅い速度で維持されるとき、ナノ粒子が形成し得る。このような粒子形成の制御は、慣用の実験のみを用いて当業者によって容易に最適化され得る。
【0100】
一旦、本発明の結合体が調製されると、それらは、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせられ得、本発明の別の局面に従って、薬学的組成物を形成する。当業者によって認識され得るように、これらキャリアは、以下に記載のような投与の経路、標的組織の位置、送達される薬物、薬物の送達の時間経過などに基づき選択され得る。
【0101】
本明細書で用いられるとき、用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、任意のタイプの、非毒性の、不活性な固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、またはカプセル化物質または処方補助物を意味する。Gennaro編、Mack Publishing、Easton、Pa.、1995によるRemington’s Pharmaceutical Sciencesは、薬学的組成物を処方することで用いられる種々のキャリア、およびその調製のための公知の技法を開示している。薬学的に受容可能なキャリアとして供され得る材料のいくつかの例は、制限されないで、ラクトース、グルコース、およびシュークロースのような糖;コーンスターチおよびポテトスターチのようなスターチ;セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースのようなセルロース誘導体;粉末化トラガント;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび座剤ワックスのような賦形剤;ピーナッツ油、綿実油のような油;ヒマワリ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油および大豆油;プロビレングリコールのようなグリコール;エチルオレエートおよびエチルラウレートのようなエステル;寒天;TWEEN80TMのような界面活性剤;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝化剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;およびリン酸緩衝液、ならびにその他の非毒性の適合性潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、フレーバリング剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた、処方者の判断に従って上記組成物中に存在し得る。濾過またはその他の滅菌方法が実行可能でない場合、上記処方物は、無菌条件下で製造され得る。
【0102】
本発明の薬学的組成物は、経口経路および非経口経路を含む当該技術分野で公知の任意の手段によって患者に投与され得る。本明細書中でもちいられるとき、用語「患者」は、ヒトおよび非ヒトをいい、例えば、哺乳動物、鳥類、は虫類、両生類、および魚を含む。例えば、非ヒトは、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、霊長類、またはブタ)であり得る。特定の実施形態では、非経口経路が望ましい。なぜなら、それらは、消化管中に見出される消化酵素との接触をさけるからである。このような実施形態によれば、本発明の組成物は、注射(例えば、静脈内、皮下または筋肉内、腹腔内注射)によって、直腸から、膣から、局所的に(粉末、クリーム、軟膏、またはドロップ)、または吸入により(スプレーによるように)投与され得る。
【0103】
注射可能な調整物は、例えば、滅菌注射可能な水性または油性の懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用い、公知の技術に従って処方され得る。滅菌注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中、例えば、1,3−ブタンジオール中の滅菌注射可能な溶液、懸濁物またはエマルジョンであり得る。採用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、リンゲル溶液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来採用されている。この目的のために、任意のブランドの不揮発性油が採用され得、合成のモノ−まはジグリセリドを含む。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が、注射可能物の調製で用いられる。1つの実施形態では、本発明の結合体は、1%(w/v)のカルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1%(v/v)TWEENTM80を含むキャリア流体中で懸濁される。これら注射可能な処方物は、例えば、細菌−保持フィルターを通る濾過により、または滅菌水中に溶解または分散され得る滅菌固体組成物または使用前のその他の滅菌注射可能媒体の形態にある滅菌作用剤を取り込むことにより滅菌され得る。
【0104】
直腸または膣投与の組成物は、本発明の結合体を、適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、または座薬ワックス(これらは、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、そしてそれ故、直腸または膣空洞で溶解し、そして本発明の結合体を放出する)と混合することにより調製され得る。
【0105】
本発明の薬学的組成物の局所的または経皮的投与のための投薬形態は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、シロップ、吸入剤、またはパッチを含む。本発明の結合体は、滅菌条件下で、薬学的に受容可能なキャリア、そして要求され得るような任意の必要な保存剤または緩衝液と混合される。眼科処方物、点耳剤、および目薬がまた、本発明の範囲内で存在することが企図される。これら軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の発明的結合体に加え、賦形剤、例えば、動物脂肪および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、スターチ、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、珪酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含み得る。経皮パッチはまた、身体への化合物の制御された送達を提供する付加された利点を有する。このような投薬形態は、本発明の結合体を適正な媒体中に溶解または調剤することにより作製され得る。吸収エンハンサーがまた、皮膚を横切る化合物のフラックスを増加するために用いられ得る。速度は、速度制御膜を提供することによるか、またはポリマーマトリックスまたはゲル中の本発明の結合体を分散することによるかいずれかにより制御され得る。
【0106】
粉末およびスプレーは、本発明の発明的結合体に加え、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはそれらの混合物を含み得る。スプレーは、さらに、クロロフルオロハイドロカーボンのような慣用の推進剤を含み得る。
【0107】
経口的に投与されるとき、本発明の結合体は、必ずしもそうではないが、カプセル化され得る。種々の適切なカプセル化システムが、当該技術分野で公知である(Doubrow、Mにより編集された「Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy」、CRC Press、Boca Raton、1992;MathowitzおよびLanger J.Control.Release5:13、1987;Mathiowitzら、Reactive Polymers 6:275、1987;Mathiowitzら、J.Appl.Polymer Sci.35:755、1988;Langer Acc.Chem.Res.33:94、2000;Langer J.Control.Release 62:7、1999;Uhrichら、Chem.Rev.99:3181、1999;Zhouら、J.Control.Release 75:27、2001;およびHanesら、Pharm.Biotechnol.6:389、1995)。本発明の結合体は、生分解可能なポリマーマイクロスフェアまたはリポソーム内にカプセル化され得る。生分解性マイクロスフェアの調製で有用な天然および合成ポリマーの例は、炭水化物、例えば、アルギネート、セルロース、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミド、ポリホスファゼン、ポリプロピルフマレート、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、生分解性ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリ(オルトエステル)、およびその他の生分解性ポリエステルを含む。リポソーム産生において有用な脂質の例は、ホスファチジル化合物、例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴリピド、セレブロシド、およびガングリオシドを含む。
【0108】
経口投与のための薬学的組成物は、液体または固体であり得る。本発明の経口投与のために適切な液体投薬形態は、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップ、およびエリキシルを含む。カプセル化またはカプセル化されない結合体に加え、上記液体投薬形態は、例えば、水またはその他の溶媒のような当該技術分野で一般に用いられる不活性希釈剤、可溶化剤、および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生、コーン、子房、オリーブ、トウゴマ、およびゴマの油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含む。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、アジュバント、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、フレーバリング、および芳香剤を含み得る。本明細書で用いられるとき、「アジュバント」は、免疫応答の非特異的モデュレーターである任意の化合物をいう。特定の実施形態では、このアジュバントは、免疫応答を刺激する。任意のアジュバントが、本発明に従って用いられ得る。多くのアジュバント化合物が当該技術分野で公知である(Allison Dev.Biol.Stand.92:3−11、1998;Unkelessら、Annu.Rev.Immunol.6:251−281、1998;およびPhillipsら、Vaccine 10:151−158、1992)。
【0109】
経口投与のための固体投薬形態は、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒を含む。このような固体投薬形態では、カプセル化またはカプセル化されない結合体は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムのような、少なくとも1つの不活性な薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアおよび/または(a)スターチ、ラクトース、シュークロース、グルコース、マンニトール、および珪酸のような充填剤または増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、シュークロース、およびアカシアのようなバインダー、(c)グリセロールのような湿潤剤、(d)寒天−寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカスターチ、アルギン酸、特定の珪酸塩、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤、(e)パラフィンのような溶液遅延剤、(f)四級アミン化合物のような吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールのような湿潤剤、(h)カオリンおよびベントナイト粘土のような吸収剤、および(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物のような潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤、およびピルの場合には、投薬形態はまた、緩衝化剤を含み得る。
【0110】
類似のタイプの固体組成物がまた、ラクトースまたはミルクシュガーおよび高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いてソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルで、充填剤として採用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒の固体投薬形態は、腸溶被覆、および薬学的処方技術分野で周知のその他の被覆のような被覆またはシェルとともに調製され得る。
【0111】
本発明の結合体の正確な投薬量は、処置される患者を考慮して医師によって選択されることが認識される。一般に、投薬量および投与は、処置される患者に本発明の結合体の有効量を提供するように調節される。本明細書で用いられるとき、本発明の結合体の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起するために必要な量をいう。当該技術分野の当業者によって認識されるように、本発明の結合体の有効量は、所望の生物学的終点、送達される薬物、標的組織、投与の経路などのような因子に依存して変動し得る。例えば、抗癌薬物を含む本発明の結合体の有効量は、所望の時間の期間に亘り、所望の量により腫瘍サイズにおける減少を生じる量であり得る。考慮され得るさらなる因子は、疾患状態の重篤度;処理される患者の年齢、体重および性;投与の食餌、時間および頻度;薬物組み合わせ;反応感受性;および治療への耐性/応答を含む。
【0112】
本発明の結合体は、投与の容易さ、および投薬量均一性のための投薬量単位形態で処方され得る。本明細書で用いられるとき、表現「投薬量単位形態」は、患者が処理されるために適切な結合体の物理的に別個の単位をいう。しかし、本発明の組成物の合計の毎日の用法は、健全な医療的判断の範囲内で担当医によって決定される。任意の結合体について、治療的に有効な用量は、最初、細胞培養アッセイ、または動物モデル、通常、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタのいずれかで推定され得る。この動物モデルはまた、所望の濃度範囲および投与の経路を達成するために用いられ得る。このような情報は、次いで、ヒトにおける有用な用量および経路を決定するために用いられ得る。結合体の治療の効き目および毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順、例えば、ED50(この用量は、集団の50%で治療的に有効である)およびLD50(この用量は、集団の50%に致死的である)によって決定され得る。治療効果に対する毒性の用量比は、治療指数であり、そしてそれは、LD50/ED50の比で表現され得る。大きな治療指数を示す薬学的組成物は、いくつかの実施形態で有用であり得る。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒト使用のための投薬量の範囲を処方することで用いられ得る。
【0113】
本発明はまた、キット中の上記で述べた組成物のいずれかを、必要に応じて、例えば、経口的、静脈内、ポンプまたは移植可能な送達デバイス、または薬物送達の別の投与の経路を経由して先に記載のような任意の適切な技法により本明細書に記載の任意の組成物を投与するための指示書とともに提供する。「指示書」は、促進の構成要素を規定し得、そして代表的には、本発明の組成物の梱包上またはそれに付随して書面の指示書を含む。指示書はまた、任意の様式で提供される任意の口頭または電子的指示書を含み得る。「キット」は、代表的には、本発明の組成物および上記指示書の任意の1つまたはそれらの組み合わせを含むパッケージを規定するが、また、本発明の組成物、およびこの組成物と組み合わせて、臨床専門家が、これら指示書が特定成分にともなうべきであることが明りょうに認識するような様式で提供される任意の形態の指示書を含み得る。
【0114】
本明細書中に記載されるキットはまた、1つ以上のコンテナを含み得、これは、先に記載のような本発明の組成物、およびその他の成分を含み得る。このキットはまた、いくつかの場合には、本発明の組成物を混合、希釈、および/または投与するための指示書を含み得る。このキットはまた、1つ以上の溶媒、界面活性剤、保存剤および/または希釈剤(例えば、規定生理食塩水(0.9%NaCl)、または5%デキストロース)を備えたその他のコンテナ、ならびにサンプル中、またはこのような処置の必要のある被験体に、上記成分を混合、希釈または投与するためのコンテナを含み得る。
【0115】
上記キットの組成物は、任意の適切な形態、例えば、液体溶液として、または乾燥粉末として提供され得る。この組成物が乾燥粉末として提供されるとき、この組成物は、これもまた提供され得る適切な溶媒の添加により再構成され得る。上記組成物の液体形態が用いられる実施形態では、上記液体形態は、濃縮され得るか、直ちに使用され得る。上記溶媒は、結合体、および使用または投与のモードに依存し得る。薬物組成物のために適切な溶媒は周知であり、例えば、先に記載されるように、そして文献において利用可能である。上記溶媒は、結合体、および使用または投与のモードに依存し得る。
【0116】
本発明はまた、別の局面では、本明細書中に記載される任意の結合体の投与の促進を含む。いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の組成物は、本発明の組成物の任意の1つの投与を経由して本明細書中に記載されるような種々の疾患の予防または処置のために促進される。本明細書で用いられるとき、「促進される」は、教育の方法、病院およびその他の臨床指示、薬学的販売を含む薬学産業活動、および本発明の組成物にともなう任意の形態の書面、口頭および電子通信を含む任意の広告またはその他の促進活動を含むビジネスをするすべての方法を含む。
【0117】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すことが意図されるが、本発明の全範囲を例示するのではない。
【実施例】
【0118】
(実施例1)
この実施例は、本発明の1つの実施形態による3ブロックポリマーのポリマー合成を示す。カルボキシ末端改変高分子量PLGA(HFIP、ヘキサフルオロ−2−プロパノール中0.6dL/gの固有粘度をもつ)は、Absorbable Polymers Internationalから購入した。二官能性PEG(NH2−PEG−COOH)は、Nektar Therapeuticsから購入した。アミン改変PSMAアプタマーは、RNA−TecNV(Leuven、Belgium)から購入した。すべてのその他の試薬は、Sigma Aldrichから購入した。
【0119】
PLGAおよびPEGの結合体は、EDCおよびNHSの存在下で達成された。簡単に述べれば、PLGA粒子は、アセトニトリル中に溶解された。PLGAのカルボキシ末端は、EDCおよびNHSに対するCOOHのモル比で、NHSおよびEDCと混合し、そして室温で一晩撹拌することにより活性化された。溶液中の過剰のEDCおよびNHSは、2−メルカプトエタノールを添加することによりクエンチされた。NHSで活性化されたPLGAは、エチルエーテルおよびメタノールを含む溶液中での沈殿、そして次いで3000g10分間の遠心分離により精製した。NH2−PEG−COOHのアミノ末端をNHS−活性化PLGAと結合するために、両方のポリマーは、1:1.3(PLGA−NHS:NH2−PEG−COOH)のモル比で一晩室温で混合された。得られるPLGA−PEG−COOHコポリマーは、エチルエーテル−メタノール溶液中の沈殿により精製された。
【0120】
PLGA−PEG−アプタマーの3ブロックコポリマーを作製するために、PLGA−PEGコポリマーを最初アセトニトリル中に溶解し、そしてアプタマーはDMSO(ジメチルスルホキシド)およびホルムアミド中に溶解した。COOH−PEG−PLGAのカルボキシ末端のアプタマーのアミノ末端との結合は、上記のPLGA−PEG結合反応について記載されたのと同じEDC/NHS反応を用いて行われた。
【0121】
ナノ粒子は、3ブロックコポリマーを水中で沈殿することにより形成された。簡単に述べれば、この3ブロックコポリマーを、アセトニトリル中に、1〜50mg/mLの間の濃度で溶解し、そして次に水中に滴下して添加した。ナノ粒子は、混合に際して直ちに形成された。懸濁物中の残存アセトニトリルは、この懸濁物を室温で4時間連続的に撹拌することによって蒸発させ、次いで超遠心分離を用いてこれらナノ粒子を洗浄し、そしてすすいだ。
【0122】
(実施例2)
この実施例は、標的化特定細胞、身体の組織、または器官のような適用のため;そして複数ブロックコポリマーの一部であり得る粒子表面上の「ステルス」材料の存在によって宿主免疫原性を最小にする能力を有し得;そして持続された速度で薬学的薬物を放出する能力を有し得る、所定の官能化表面を有する小スケール粒子(すなわち、ピコ、ナノまたはマイクロ粒子)を作り上げるための複数ブロックポリマーの合成を示す。これらの小粒子は、研究ツールとして、または診断、治療、または診断および治療適用の組み合わせのために特定細胞、組織、または器官を標的にするための臨床用途のための有用性を有し得る。この実施例はまた、ナノ粒子形成の前に、生体マクロ分子ブロックによるポリマーの予備官能化を示す。
【0123】
この実施例は、標的化のような特有の能力をもつ官能化粒子薬物送達システムを処方するために用いられ得る複数ブロックポリマーを合成するための技術プラットホームを示す。この複数ブロックポリマーは、その特異的レセプターに結合し得る特有の標的化分子、および投与に際し、持続速度で生物活性薬物を放出し得る生分解性ポリマー材料を含み;そしてまた、宿主免疫原性を最小にし得、そして/または循環半減期を増加し得る第3の有用性、すなわち「ステルス」材料を含み得る。さらなる分子は、蛍光剤のようなブロック中に組み込まれ得、組み合わされた造影および治療適用のための標的化された蛍光粒子を作り上げる。これら粒子は、この複数ブロックコポリマーを水性媒体中での沈殿によりナノサイズで生成され得る。この複数ブロックコポリマーシステム内の別個のポリマーの親水性および疎水性の差異の平均を利用し、ナノ粒子のコアを形成する複数ブロックシステムの疎水性成分中に薬物をカプセル化し得るナノ粒子が合成され得、その一方、ポリアルキレングリコールポリマーとともに、またはなくしてポリヌクレオチド(すなわち、アプタマー)またはポリペプチドのような親水性の標的化生体マクロ分子ポリマーは、ナノ粒子の表面上に存在し、単一ステップ合成または標的化ナノ粒子を得る。
【0124】
このようなナノ粒子は、皮膚、皮下、粘膜、筋肉内、眼、全身、経口、または肺投与後、それらの標的に到達し得る。この標的組織は、一般化された全身吸収、またはより特異的に、身体の別個の細胞、組織、または器官に粒子の標的化を代表し得る。このような標的化ナノ粒子の1つの特定の例は、癌の分野においてであり得る。腫瘍細胞上に存在するエピトープまたは抗原に対して惹起されている標的化分子を含む複数ブロックポリマーの全身投与により特異的および効率的腫瘍特異的標的化を達成することが可能である。このアプローチの成功は、癌に標的化されたナノ粒子の高スループット合成の予想に依存し得る。この実施例で示されるように、別個の、しかし、重複する生物物理学的および/または化学的特徴を備えた粒子のライブラリーを作り上げることにより、高い癌細胞標的特異性をもつナノ粒子が、所望の抗癌薬物放出動力学を備えてスクリーニングされ得る。それ故、この実施例で論議される複数ブロックポリマー合成プラットホームは、標的化された分子が、ステルスおよび薬物放出ポリマーと結合すること、そして次いで、所望のナノ粒子を周囲条件下で1ステップ反応に形成することを可能にする。
【0125】
この実施例は、標的化されたリガンドの生分解性ポリマー上への結合、および可能なかぎり1ステップ反応で官能化されたナノ粒子の形成を可能にするプラットホーム技術を記載する。ナノ粒子の組成物およびその表面性質は、正確に定量化され得る。本発明の可能な示唆は、ナノテクノロジーおよび癌の分野に広範に重要である。さらに、この実施例は、複数ブロックコポリマー、およびポリヌクレオチドまたはポリペプチドのような標的化送達のための生体マクロ分子であり得る、この複数ブロックの少なくとも1つの成分に関する。この実施例は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド(すなわち、アプタマー)とともに標的化され得る粒子の迅速合成のための複数ブロックコポリマーの合成を記載する。
【0126】
複数ブロックポリマーの合成は、官能化生分解性ポリマーの、制限されないでチオールの1つの末端への容易な結合のためのマレイミドまたはカルボン酸、アミンまたは類似の官能化されたポリエーテルのような化学基との結合によって開始される。ポリマーエステルおよびポリエーテルの結合は、制限されないで、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、およびアセトンを含む有機溶媒中で実施される。上記ポリエーテルの他方の遊離末端は、制限されないで、核酸、脂肪酸、ペプチド、炭水化物、ペプチドグリカン、または糖ペプチドのポリマーのような標的化分子のライブラリーへの結合のための化学基で官能化され得る。これらポリヌクレオチドは、特有のRNA、DNA、または、制限されないで、天然ヌクレオチドまたは2’−F、2’−OCH、2’−NH3を含む官能基の置換を有するヌクレオチド;またはL−エナンチオマーヌクレオチドを用いて生成されたポリヌクレオチド改変RNAもしくはDNAフラグメントを含み得る。標的化分子と上記ポリ−エステル−エーテルコポリマーとの間の結合反応は、制限されないで、ホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、およびジメチルスルホキシドのような有機溶媒中に可溶化された標的化分子を、上記に記載されたような溶媒中のポリ(エステル−エーテル)のコポリマーの溶液に添加することにより達成される。2つの結合反応の各々の後、非結合マクロマーは、制限されないで、エチルエーテル、ヘキサン、メタノールおよびエタノールのような溶媒中の目的のポリマーを沈殿することにより洗い流される。生分解性および生体適合性ポリマーポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリエチレングリコール(PEG)は、ポリ(エステル−エーテル)のブロックコポリマーのためのモデルとして用いられ得る。1つの例では、ヌクレアーゼ安定オリゴヌクレオチドが、前立腺癌細胞への標的化分子として、前立腺特異的膜抗原(PSMA)アプタマーのために用いられ得る。カルボン酸改変PLGA(PLGA−COOH)は、アミン改変ヘテロ二官能性PEG(NH2−PEG−COOH)に結合され得、そしてPLGA−PEG−COOHのコポリマーを形成する。アミン改変PSMAアプタマー(NH2−アプタマー)を用いることにより、3ブロックポリマーPLGA−PEG−アプタマーが、PEGのカルボン酸末端とアプタマー上のアミン官能基とを結合することにより得られ得る。この複数ブロックポリマーはまた、造影および診断用途のために有用であり得る。このような実施形態では、感光性または環境応答性化合物が、複数ブロックポリマーに連結され得る。
【0127】
標的化ナノ粒子は、この例では、水性環境中でのこの複数ブロックポリマーの沈殿により形成される。本明細書に記載されるナノ粒子処方物システムは、上記複数ブロックポリマーから生成されたナノ粒子を試験するための高スループット生物学的アッセイと適合する。インビボで異なる表面性質をもつナノ粒子の細胞アップデイトを決定するために高スループットアッセイを実施することが可能である。例として、コンビナトリアル方法が、上記複数ブロックポリマーの組成、およびナノ粒子処方物中のその混合比を変更すること、そしてそれによって、ペグ化ナノ粒子−アプタマー生体結合体の別個の処方物:ナノ粒子サイズ(複数ブロックポリマー中のPEGの分子量を変えることにより)、表面荷電(複数ブロックポリマー処方物を、末端カルボン酸基をもつPEGポリマーCOOH−PEG−PLGAと混合することにより)、表面親水性(複数ブロックポリマーを、種々の分子量の線状または分岐PEGポリマーと混合することにより)、および/またはナノ粒子表面上のアプタマーの密度(複数ブロックポリマーと、NH2−改変アプタマーに結合され得るメトキシ改変PEG(mPEG−PLGA)またはカルボン酸改変PEG(PLGA−PEG−COOH)との混合比を制御することにより)のライブラリーを生成することによって用いられ得る。複数ブロックコポリマーのこの例は、さらなる評価および特徴付けのためのナノ粒子のライブラリーの迅速かつ再現性のある合成を可能にする。
【0128】
(実施例3)
この実施例は、ナノ粒子表面上で発現されるアプタマーの量の決定を示す。ナノ粒子表面上で異なるリガンド密度を含むナノ粒子のライブラリーが、実施例1のアプタマーPEG−PLGAの3ブロックを、2ブロック溶液で希釈することにより処方され得ることが示すために、この3ブロックコポリマーは、PLGA−PEGの2ブロックコポリマー中で系列的に希釈され、そして水中で沈殿させた。ナノ粒子表面上のA10アプタマーリガンド密度を定量化するために、ナノ粒子表面上に残るA10アプタマーとPEGのカルボキシ官能基との間のアミド結合が塩基で加水分解され、そして回収されたRNAアプタマーの量が分光光度計により定量化された。ナノ粒子処方物中のアプタマー3ブロックを増加することは、ナノ粒子表面から回収されるアプタマーの量を直線的に増加したことが見出された。例えば、2ブロックに対するアプタマー3ブロックの比を0.02〜0.10に増加することは、ナノ粒子表面上のアプタマーの量を、100マイクログラムから450マイクログラムまで増加した。ナノ粒子表面から回収されたアプタマーリガンドの量を、NP処方物中に存在するアプタマーの量と比較することにより、アプタマー3ブロック処方物を増加することは、NP表面上で発現され得るアプタマーの合計比率を増加することが見出された。図9Aおよび9Bをインビトロおよびインビボ摂取研究と組み合わせることにより、リガンド表面密度の量が、所望の治療適用のために正確に制御され得る。例えば、インビトロナノ粒子摂取研究およびインビボ研究に基づき、2%の3ブロック処方物が、最小量の非特異的取り込みでLNCap前立腺癌腫瘍を標的にするに十分であったことが見出された。図9Aおよび9Bを用い、2%処方物中で約50%のアプタマーが、ナノ粒子表面上で発現され、これは、アプタマーのmgあたりアプタマーの約100マイクログラムに言い換えられる。
【0129】
上記ナノ粒子は以下のように調製された。異なる量のアプタマー−PEG−PLGA3ブロックコポリマーおよびPLGA−PEGコポリマーを含むナノ粒子が、水中で沈殿された。ナノ粒子の表面上のアプタマーを、ナノ粒子から加水分解され、超遠心分離によってナノ粒子から分離された。簡単に述べれば、ナノ粒子は、10mM KOH中、60℃で30分間インキュベートされた。塩基処理の前後のナノ粒子サイズを光散乱によってモニターした。この処理後のナノ粒子直径は、6〜8nmだけ減少したことが見出された。ナノ粒子表面から除去されたアプタマーは、超遠心分離によってナノ粒子コアから分離された。収集されたアプタマーの質量は、260nmでのUV吸収で分光光学的に決定された。ナノ粒子表面上で発現されたアプタマーの%は、NP処方物で用いられたアプタマー3ブロックコポリマーの総量によって除された、NP表面から分離されたアプタマーの量によって決定された。
【0130】
(実施例4)
この実施例では、良好に特徴付けられたナノ粒子処方物が、診療所における使用に適切な物理化学的性質、薬物放出動力学および安定性特徴とともに示される。ここで、化学療法薬物カプセル化生分解性ナノ粒子が示される。標的化されたナノ粒子の組成物は、以下の4つの成分から作製されている:ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、FDA認可制御放出ポリマーシステム、これは、薬物をカプセル化し、そしてそれを経済的に放出する(薬物拡散およびポリマー分解の両方によって仲介され得る性質である);ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ナノ粒子の循環半減期を増加し得るFDA認可ポリマー;薬物ドセタキセル(Dtxl)、臨床実践で広く使用されているFDA認可化学療法剤;および前立腺特異的膜抗原(PSMA)に高親和性および特異性で結合し得、PCa細胞の表面上および多くの腫瘍微小血管系上で顕著に上方制御され、そして細胞表面から基礎速度でリサイクルされ、標的細胞中へのナノ粒子−アプタマー生体結合物の摂取を可能にする、56塩基対のA10 2’−フルオロピリミジン、ヌクレアーゼ安定化RNAアプタマー(アプタマーと称される)。
【0131】
この例では、3ブロックコポリマー上のPLGAセグメントが、薬物をカプセル化するために用いられる生分解性マトリックスとして供され;PEGセグメントが、付着点を提供し、その一方、また、循環半減期を増加し;そしてA10アプタマーセグメントが、PSMA特異的標的化分子を表す。PLGA−PEG−Aptの3ブロックコポリマーが合成され、これは、水中で自己アセンブリし、ナノ粒子の表面上に官能化された分子をもつ薬物カプセル化ナノ粒子を形成した。それ故、ナノ粒子形成前にPLGA−PEGの2ブロックコポリマー上へのアプタマーの直接結合を可能にするアプタマー−PEG−PLGAの3ブロックコポリマーシステムが示される。この3ブロックコポリマー上のPLGAセグメントは、標的化部位で放出されるべき薬物をカプセル化するために用いられ得る生分解性の薬物送達マトリックスとして供され;PSMAアプタマーセグメントは、PSMA特異的標的化分子を代表し;そしてPEGは、粒子の受動的非特異的摂取を最小にすることによって循環半減期を増加する。プラットホーム技術として用いられ得るアプタマー−PEG−PLGAの3ブロックコポリマーを作製するこの技術は、産生時間および粒子表面改変後に観察されるナノ粒子バッチ毎の変動を最小にしながら、予備官能化されたナノ粒子の大スケール産生を行うために潜在的に適している。3ブロックコポリマーを用いて標的化されたナノ粒子を作製する別の利点は、3ブロックコポリマーを、所望の性質を含むその他のポリマーと単に混合することにより、異なる表面性質および化学的性質を備えた予備官能化されたナノ粒子の大バッチの高スループット合成を可能にすることである。
【0132】
ここで、水動力学的半径を備えたナノ粒子のライブラリーは、異なる組成のPLGA−PEGの2ブロックコポリマーを用いて生成された。図10中の3Dプロットに示されるように、ナノ粒子サイズは、PLGA−PEG分子量に直接比例し、それによって、PLGAおよび/またはPEG分子量を増加し、ナノ粒子のサイズを増加した。ナノ粒子サイズは、PEGに対してより、PGLA分子量に対してより感受性であった。PLGAおよびPEG末端上の官能基は、ナノ粒子サイズに対して影響を有さなかった。このプロットに基づき、適切なタイプのPLGA−PEGコポリマーが、アプタマー3ブロックコポリマーと混合するために選択され得、異なる粒子サイズをもつナノ粒子を生成する。
【0133】
合成プロセスの詳細が以下のように示される。カルボキシ末端改変高分子量PLGA(HFIP中で0.6dL/gの固有粘度を有する)をAbsorbable Polymers Internationalから購入した。二官能性PEG(NH2−PEG−COOH)は、Nektar Therapeuticsから購入した。アミン改変PSMAアプタマーは、RNA−TecNV(Leuven、Belgium)から購入した。すべてのその他の試薬は、Sigma Aldrichから購入した。
【0134】
PLGAおよびPEGの結合体は、EDCおよびNHSの存在下で達成された。簡単に述べれば、PLGA粒子は、アセトニトリル中に溶解された。PLGAのカルボキシ末端は、EDCおよびNHSに対するCOOHのモル比で、NHSおよびEDCと混合し、そして室温で一晩撹拌することにより活性化された。溶液中の過剰のEDCおよびNHSは、2−メルカプトエタノールを添加することによりクエンチされた。NHSで活性化されたPLGAは、エチルエーテルおよびメタノールを含む溶液中での沈殿、そして次いで3000g10分間の遠心分離により精製した。NH2−PEG−COOHのアミノ末端を、NHS−活性化PLGAと結合するために、両方のポリマーは、1:1.3(PLGA−NHS:NH2−PEG−COOH)のモル比で一晩室温で混合された。得られるPLGA−PEG−COOHコポリマーは、エチルエーテル−メタノール溶液中の沈殿により精製された。PLGA−PEG−アプタマーの3ブロックコポリマーを作製するために、PLGA−PEGコポリマーを最初アセトニトリル中に溶解し、そしてアプタマーはジメチルスルホキシドおよびホルムアミド中に溶解した。COOH−PEG−PLGAのカルボキシ末端のアプタマーのアミノ末端との結合は、上記のPLGA−PEG結合反応について記載されたのと同じEDC/NHS反応を用いて行われた。
【0135】
ナノ粒子は、3ブロックコポリマーを水中で沈殿することにより形成された。簡単に述べれば、この3ブロックコポリマーを、アセトニトリル中に、1〜50mg/mLの間の濃度で溶解し、そして次に水中に滴下して添加した。ナノ粒子は、混合に際して直ちに形成された。懸濁物中の残存アセトニトリルは、この懸濁物を室温で4時間連続的に撹拌することによって蒸発させ、次いで超遠心分離を用いてこれらナノ粒子を洗浄し、そしてすすいだ。ナノ粒子コア中に化学療法薬物をカプセル化するために、3ブロックコポリマーを、ドセタキセルおよびパクリタキセルのような疎水性の化学療法薬物と混合し、そして水中で沈殿させ、次いで、上記に記載されるのと同じ精製ステップを行った。
【0136】
(実施例5)
この実施例は、PEG化アプタマー−ナノ粒子生体結合体のLNCaP細胞への結合が、A10アプタマーを欠くコントロールペグ化ナノ粒子と比較したとき、顕著に増大されたことを示す(図7)。標的化されたナノ粒子は、アプタマーの3ブロックコポリマーを、異なる量のPLGA−PEGの2ブロックコポリマーと混合することにより処方された(図4A)。ナノ粒子は、14C−放射標識されたパクリタキセルとともに同時カプセル化された。PCa細胞により食作用されたナノ粒子の%は、これら細胞中で検出された14Cの放射活性の量によって定量された。PSMAタンパク質を発現しないPC3前立腺上皮細胞の場合には、結合における測定可能な差異は、生体結合体とコントロール群との間では観察されなかった(図11)。
【0137】
PSMAタンパク質をまさに発現するLNCaP細胞では、データは、LNCaP細胞中の標的化されたナノ粒子 対 非標的化ナノ粒子の結合における有意な増加を示した。注目に値する観察は、PC3細胞およびLNCaP細胞の両方への非標的化ナノ粒子における顕著に低い結合効率であり、恐らくは、PEG基の存在に起因する。さらに、この実施例はまた、ランダム核酸分子を用いて3ブロックコポリマーから作り上げられたナノ粒子が任意の標的化効果を有さず、そして非標的化ナノ粒子と同様に挙動したことを示した。
【0138】
図7は、インビトロでPCa細胞によるナノ粒子エンドサイトーシスの速度に対するナノ粒子表面上のアプタマー濃度の影響を示す。LNCaP細胞(これは、PSMAタンパク質を発現する;左の棒)およびPC3細胞(これは、PSMAタンパク質を発現を発現しない;右の棒)は、表面上に異なる濃度のアプタマー濃度を備えたナノ粒子の存在下で6ウェルの組織培養プレート中で生育された。各処方物は、PLGA−PEG−アプタマーの3ブロックを異なる量のPLGA−PEGの2ブロックコポリマーと、粒子形成前に混合することにより得た。PSMA細胞特異的取り込みは、ナノ粒子内にカプセル化されたDtxlおよび痕跡量の14C−パクリタキセルを有するナノ粒子を用いて4時間後に定量された(14C−Dtxlは商業的に入手可能ではなく、そしてビヒクル最適化は、Dtxlとともに14C−パクリタキセルで実施されたことに注目のこと)(n=5)。このデータは、ナノ粒子の処方物中の0.1%の3ブロックほどで本発明者らは、標的化効果を観察し始め、そしてこの標的化効果は、処方物中で5%の3ブロックを用いた後におしなべて頭打ちになった点で重要であった。このポイントの後の3ブロックのさらなる使用は、ナノ粒子表面上のPEGのマスキングを生じ、これは、粒子のクリアランスを加速し得、そしてこれら粒子をより「ステルス」にしない。
【0139】
この実施例では、3ブロックナノ粒子の細胞摂取を示すために、種々の比率の3ブロックコポリマーで作製されたアプタマー媒介されたナノ粒子が、LNCap(PSMA+)およびPC3(PSMA−)細胞上に接種された。簡単に述べれば、500,000LNCap細胞およびPC3細胞が、6−ウェル組織培養プレートに接種され、そして37℃で一晩インキュベートされた。粒子表面上に異なる濃度のアプタマーをもつナノ粒子を、アプタマー3ブロックコポリマーをPLGA−PEGの2ブロックコポリマーで希釈することにより処方した。これらナノ粒子は、ドセタキセルおよび14C放射標識されたパクリタキセルでカプセル化された。PCa細胞により食作用されたナノ粒子の%は、これら細胞中で検出された14Cの放射活性の量によって定量された。コントロールは、アプタマーの3ブロックコポリマーなくして作製されたナノ粒子であり、そしてナノ粒子は、非標的化DNA3ブロックコポリマーを用いて作製された。これらなの粒子処方物を、LNCapおよびPC3細胞上に37℃で2時間の間接種した。細胞を次いで3×PBSですすぎ、培養培地から非結合ナノ粒子を除去した。ナノ粒子取り込みを定量するために、細胞をトリプシン処理し、そしてシンチレーションカクテルを含むガラスバイアル中に集めた。集められた細胞中の放射活性の量は、TriCarbシンチレーショカウンターを用いることにより検出された。
【0140】
(実施例6)
この実施例は、マウスにおけるLNCap腫瘍細胞をインビボで標的化することを示す。ヒト異種移植片前立腺腫瘍を、8週齢balb/cヌードマウス(Charles River Laboratories、Wilmington、MA、USA)中に誘導した。マウスに、右横腹に、培地およびマトリゲル(BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ、USA)の1:1混合物中に懸濁された4百万LNCap細胞を皮下注射した。腫瘍誘導における使用の前に、LNCap細胞は、10%の胎児ウシ血清、100単位/mLのペニシリンG、および100mg/mLのストレプトマイシンで補填したRPMI−1640培地中で培養した。腫瘍標的化研究は、マウスが100mgの腫瘍を発症した後に実施された。20匹のマウスを、4つの群にランダムに分けた(5%アプタマー3ブロックナノ粒子、2%アプタマー3ブロックナノ粒子、5%非官能化DHA3ブロック、3ブロックなしのナノ粒子)。腫瘍内注入のため、マウスをアベチンの腹腔内注射(200mg/kg体重)により麻酔し、そして腫瘍内に異なるナノ粒子処方物を投薬した。全身投与のためには、ナノ粒子は、後眼窩注射によって投与された。これらナノ粒子は、投与の前に、14C−パクリタキセルをカプセル化することによりトレースされた。異なる群は、24時間に安楽死され、そして200mLの血液が各マウスから心臓穿刺によって引き抜かれた。腫瘍、心臓、肺、肝臓、脾臓および腎臓が、各動物から回収された。組織の14C含量は、Packard Tri−Carb Scintillation Analyser(Downers Grove、IL、USA)中でアッセイされた。これら組織は、Solvable(Packard)中で可溶化され、そして活性は、Hionic−Fluorシンチレーションカクテル(PerkinElmer、Boston、MA、USA)中でカウントされた。各マウスからの肝臓は、その大きなサイズ故ホモゲナイズされ、そして100mgの組織が、分析のためにシンチレーションバイアル中に配置された。その他の器官は、シンチレーションバイアル中に直接配置された。各器官を、2mL溶媒中で12時間60℃で可溶化し、そして得られる溶液を200mLの過酸化水素で1時間60℃で脱色した。血液については、400mLのSolvableを添加し、そしてバイアルは、そうでなければ、上記組織と同様に処理された。100%用量を決定するために、処方されたナノ粒子のバイアルは、上記組織に沿ってカウントされた。データは、組織のグラムあたり注射された用量の%として呈示される。
【0141】
図8Aで観察されるように、これらナノ粒子は、腫瘍内注射でのこれらマウス中の腫瘍に高度に標的化されたが、全身注入ではより少ない標的化が観察された(図8B)。図8Cは、アプタマー処方物の関数として、組織のグラムあたりの注射された用量の%を示す。
【0142】
ここで図11を再び参照して、インビボで前立腺癌腫瘍を標的化することに対するアプタマー表面密度の影響を調べるために、放射標識されたナノ粒子を用いる生体分布研究が実施された。ナノ粒子処方物は、図2Bの実施形態スキームスライドに従って実施された。簡単に述べれば、アプタマー3ブロックは、3H放射標識PLGA(図3B中の成分A),および14C放射標識パクリタキセル(脂肪親和性薬物)と予備混合された。この放射標識されたPLGAおよびパクリタキセルは、これら粒子および薬物の生体分布をそれぞれトレースするために用いられた。変動する濃度の3ブロックをもつ標的化ナノ粒子の全身投与は、ナノ粒子の最大標的化が、5%の3ブロックナノ粒子処方物で達成されたことを確認した。より高い濃度の3ブロックコポリマーで実施された類似の実験は、腫瘍標的化における減少を示した。なぜなら、これら粒子は、恐らく、ナノ粒子表面上のPEG層の過剰なマスキングの次の初期クリアランスをより受けやすいからである。さらに、ナノ粒子が、ランダム核酸分子を用いる3ブロックコポリマーから作り上げられたその他の実験では、これらが任意の標的化効果を有さず、そしてインビボで非標的化ナノ粒子に類似して挙動した。別の重要な知見は、ナノ粒子表面上のアプタマーリガンド発現を増加することは、ナノ粒子肝臓保持を増加したことであった。この知見は、ナノ粒子表面上のアプタマーリガンド密度が、ナノ粒子表面が肝臓濾過をバイパスするために十分なステルス被覆を有することを確実にしながら、腫瘍特異的標的化を達成するために正確に制御されなければならないことを示唆した。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書中で説明し、そして例示したが、当業者は、本明細書中に記載される、種々のその他の手段、および/または機能を実施するための構造および/または結果を得ること、および/または1つ以上の利点を容易に想定し、そしてこのような変更および/または改変の各々は、本発明の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載されるすべてのパラメーター、寸法、材料、および形態が例示であり、しかも、実際のパラメーター、寸法、および/または形態が、本発明の教示が用いられる特定の適用または複数の適用に依存することを容易に認識する。当業者は、慣用の実験より多くを用いることなく、本明細書中に記載される本明細書の特定の実施形態の多くの等価物を認識、または確認する。従って、前述の実施形態は、例によってのみ呈示され、添付の請求項およびそれの等価物の範囲内で、本発明が詳細に記載され、そして請求項に記載されるのとは別の方法で実施され得ることが理解されるべきである。本発明は、本明細書中に記載される各々個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2つ以上の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が、互いに不一致でない場合、本発明の範囲内に含まれる。
【0144】
本明細書中で規定され、そして用いられるすべての記述は、辞書の記述、参考として援用される文献中の記述、および/または記述される用語の通常の意味を超えて管理することが理解されるべきである。
【0145】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、不定冠詞「a」および「an」は、そうでないことが明りょうに示されなければ、「少なくとも1つ」を意味することが理解されるべきである。
【0146】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、語句「および/または」は、そのように同時連結される要素の「いずれか、または両方」、すなわち、いくつかの場合には連結して存在し、そしてその他の場合には連結されずに存在する要素を意味することが理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じ様式であると解釈されるべきであり、すなわち、「1つまたはそれ以上」の要素がそのように同時連結される。その他の要素は、必要に応じて、特定して識別されるような要素に関連または非関連にかかわらず、「および/または」語句によって特定して識別される要素の他に存在し得る。それ故、非制限的な例として、「Aおよび/またはB」への参照は、「包含する」のような制限のない言語と組み合わせて用いられるとき、1つの実施形態ではAのみに言及し(必要に応じてB以外の要素を含み);別の実施形態ではBのみに言及し(必要に応じてA以外の要素を含み);なお別の実施形態ではAおよびBの両方に言及し(必要に応じてその他の要素を含む);など。
【0147】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、「または」は、上記で記載されるような「および/または」と同じ意味を有することが理解されるべきである。例えば、列挙中で項目を分離するとき、「または」または「および/または」は、包括的、すなわち、少なくとも1つを含むが、また要素の数または列挙の1つ以上を含み、そして必要に応じて列挙されないさらなる項目を含むとして解釈されるべきである。「1つのみ」もしくは「正確に1つの」、または、請求項で用いられるとき、「からなる」のような、反対であることが明りょうに示される用語のみが、要素の数または列挙のまさに1つの要素を含むことをいう。一般に、本明細書中で用いられるとき、用語「または」は、「いずれか」、「1つの」、「唯一の」、または「正確に1つの」、のような排除する用語によっ先行されるとき、限定的代替(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない」)を示すとして解釈されるに過ぎない。請求項で用いられるとき「本質的になる」は、特許法の分野で用いらるその通常の意味を有する。
【0148】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、1つ以上の要素の列挙を参照する語句「少なくとも1つ」は、要素の列挙中の任意の1つ以上の要素から選択されるが、要素の列挙内に詳細に列挙される各要素およびすべての要素の少なくとも1つを含む必要は必ずしもないが、要素の列挙中の要素の任意の組み合わせを排除しない少なくとも1つを意味することが理解されるべきである。この規定はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する要素の列挙内で特定して識別される要素以外に、特定して識別されるような要素に関連するか、関連しないかにかかわらず、要素が必要に応じて存在し得ることを可能にする。それ故、非制限的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、等価に、「AまたはBの少なくとも1つ」または等価に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態では、Bが存在しないで(そして必要に応じてB以外の要素を含む)必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのA;別の実施形態では、Aが存在しないで(そして必要に応じてA以外の要素を含む)必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのB;なお別の実施形態では、必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのA、および必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのB(そして必要に応じてその他の要素を含む);などをいい得る。
【0149】
そうでないことが明りょうに示されなければ、1つ以上のステップまたは行為を含むここで請求項に記載される任意の方法において、この方法のステップまたは行為の順序は、この方法のこれらステップまたは行為が記載される順序に必ずしも制限されないことが理解されるべきである。
【0150】
上記の請求項において、および明細書において、「包含する」、「含む」、「保持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保有する」、「構成される」などの中間語句は、制限がない、すなわち、制限されないで含むことを意味すると理解されるべきである。中間語句「からなる」および「本質的になる」のみが、それぞれ、米国特許商標庁特許審査手順マニュアル、セクション2111.03に呈示されるように、制限があるか、またはほぼ制限がある語句である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
本発明の非制限的な実施形態は、添付の図面を参照して例によって記載され、これら図面は概略であり、そしてスケール通りであることは意図されない。図面において、示される各々の同一またはほぼ同一の成分は、代表的には、単一の数によって表される。当業者が本発明を理解するために説明が必要ではない場合、明りょうさのために、すべての図面ですべての成分が標識されているわけではなく、本発明の各実施形態のすべての成分が示されているわけではない。
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態による、高度に制御された性質を有するナノ粒子のライブラリーを生成する方法を示す概略図である。
【図2A】図2Aは、粒子を生成するために有用な、本発明の特定の実施形態の種々のポリマーの概略図を示す。
【図2B】図2Bは、粒子を生成するために有用な、本発明の特定の実施形態の種々のポリマーの概略図を示す。
【図2C】図2Cは、粒子を生成するために有用な、本発明の特定の実施形態の種々のポリマーの概略図を示す。
【図3A】図3Aは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図3B】図3Bは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図3C】図3Cは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図3D】図3Dは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図4A】図4Aは、本開示の別の実施形態による、2つ以上のポリマーを含む種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図4B】図4Bは、本開示の別の実施形態による、2つ以上のポリマーを含む種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図4C】図4Cは、本開示の別の実施形態による、2つ以上のポリマーを含む種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態によって形成されたナノ粒子の概略図である。
【図6】図6は、本発明のなお別の実施形態において、アプタマーを有するナノ粒子を示す概略図である。
【図7A】図7Aは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ活性を示す。
【図7B】図7Bは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ活性を示す。
【図8A】図8Aは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ標的化を示す。
【図8B】図8Bは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ標的化を示す。
【図8C】図8Cは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ標的化を示す。
【図9A】図9Aは、本発明のなお別の実施形態におけるナノ粒子表面上のアプタマーの量の決定を示す。
【図9B】図9Bは、本発明のなお別の実施形態におけるナノ粒子表面上のアプタマーの量の決定を示す。
【図10】図10は、本発明の別の実施形態における、ナノ粒子サイズと分子量との間の関係を示す。
【図11】図11A〜Dは、本発明のなお別の実施形態に従う、アプタマー含有ナノ粒子のインビトロ活性化を示す。
【技術分野】
【0001】
(政府援助)
本発明の種々の局面に至る研究は、少なくとも一部、国立癌研究所、認可番号第CA119349、および国立生物医学画像・生物工学研究所、認可番号第EB003647によって後援された。米国政府は、本発明において特定の権利を有し得る。
【0002】
(関連出願)
本出願は、2006年5月15日に出願され、「機能的粒子の開発のための複数ブロックコポリマー」と題する、本明細書中に参考として援用される、Farokhzadらによる米国仮特許出願第60/747,240号の利益を主張している。
【0003】
(発明の分野)
本発明は一般に、ポリマーおよびマクロ分子に、そして特にナノ粒子のような粒子において有用なプロックポリマーに関する。
【背景技術】
【0004】
(背景)
活性成分の制御された放出をともなう患者への薬物の送達は、数十年の間、研究の活発な領域であり、ポリマー科学における多くの最近の発展、ならびに核酸、タンパク質、およびペプチドのような、より不安定な薬学的薬剤を送達する必要性によって活気づけられた。さらに、制御放出ポリマーシステムは、その他の薬物送達方法より長い時間の期間に亘って最適範囲にある薬物レベルを提供するように設計され得、それ故、薬物の効き目を増加し、そして患者コンプライアンスに付随する問題を最小にする。
【0005】
生分解性粒子は、小分子薬物、ならびにタンパク質薬物およびペプチド薬物および核酸の投与で用いられる持続放出ビヒクルとして開発された。これら薬物は、代表的には、生分解性および生体適合性であるポリマーマトリックス中にカプセル化される。ポリマーが分解されるとき、および/または薬物がポリマーから拡散するとき、薬物は身体中に放出される。代表的には、これら粒子を調製することで用いられるポリマーは、ポリエステル、例えば、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリグリコール酸、ポリ−β−ヒドロキシブチレート、ポリアクリル酸エステルなどである。これら粒子はまた、薬物を身体による分解から保護し得る。さらに、これら粒子は、広範な種類の投与経路を用いて投与され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
標的化制御放出ポリマーシステム(例えば、特定の組織または細胞タイプを標的にするか、または正常組織ではなく特定の疾患組織を標的にする)が所望される。なぜなら、それは、標的にされない身体の組織中に存在する薬物の量を低減するからである。これは、薬物の細胞毒性用量が周辺の非癌組織を殺すことなく癌細胞に送達されることが所望される、癌のような症状を処置するとき特に重要である。有効な薬物標的化は、抗癌療法における所望されず、そしてときどき生命を脅かす副作用を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、一般に、ポリマーおよびマクロ分子に関し、そして特に、ナノ粒子のような粒子において有用なブロックポリマーに関する。本発明の主題は、いくつかの場合、相互関連する産物、特定の問題に対する代替えの解決、および/または1つ以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用を含む。
【0008】
1つの局面では、本発明は方法に関する。1つのセットの実施形態では、この方法は、所望の性質を備えたナノ粒子を作り上げる方法である。第1の実施形態によれば、この方法は、第1の生分解性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子を提供する行為;第2の生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を提供する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子を異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0009】
この方法は、別の実施形態において、繰り返しユニットを有する第1のブロック、ならびに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のブロックを含む第1のマクロ分子を提供する行為;第1の繰り返し単位を含むが、上記標的化成分を含まない第2のポリマーを提供する行為;および上記第1のマクロ分子および上記第2のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記第1のマクロ分子と上記第2のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為を含む。
【0010】
なお別の実施形態では、上記方法は、第1の生体適合性疎水性ポリマーを提供する行為;第2の生体適合性親水性ポリマーを提供する行為;標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を提供する行為;上記第1の生体適合性疎水性ポリマー、上記第2の生体適合性親水性ポリマー、および上記成分を反応しマクロ分子を生成する行為;上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを含むナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0011】
なお別の実施形態によれば、上記方法は、生体適合性親水性ポリマーを提供する行為;標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を提供する行為;上記生体適合性親水性ポリマーおよび上記成分を反応し、マクロ分子を生成する工程;上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを含むナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0012】
上記の方法は、1つの実施形態では、生体適合性疎水性ポリマーを提供する行為;標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を提供する行為;上記生体適合性疎水性ポリマーおよび上記成分を反応し、マクロ分子を生成する工程;上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーを含むナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0013】
別のセットの実施形態では、上記の方法は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、ならびに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子を提供する行為;生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を提供する行為であって、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子から区別可能なポリマー部分を有する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのナノ粒子のライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0014】
なお別のセットの実施形態では、上記の方法は、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子を提供する行為;生体適合性疎水性ポリマーならびに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のマクロ分子を提供する行為であって、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子から区別可能なポリマー部分を有する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の組成物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのナノ粒子のライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0015】
なお別の実施形態では、上記の方法は、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子を提供する行為;生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有する第2のマクロ分子を提供する行為;上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為;およびこのナノ粒子のライブラリーから1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子を識別する行為を含む。
【0016】
別のセットの実施形態では、上記の方法は、ライブラリーを生成する方法である。1つの実施形態によれば、この方法は、生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のブロックコポリマーを提供する行為;生体適合性ポリマーおよびポリ(アルキレングリコール)を含むブロックコポリマーを含み、そして上記第1のポリマーのポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有する第2のポリマーを提供する行為;および上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のマクロ分子および上記第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為を含む。
【0017】
別の実施形態によれば、上記の方法は、第1のポリマーおよび第2のポリマーを含む第1のブロックコポリマーを提供する行為;この第1のポリマーおよび第2のポリマーを含み、そしてさらに標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のブロックコポリマーを提供する行為;および上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの異なる比の混合物からナノ粒子を形成することにより上記第1のポリマーおよび上記第2のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する行為を含む。
【0018】
上記の方法は、1つのセットの実施形態において、繰り返しユニット、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む両親媒性マクロ分子を含む溶液を提供する行為;およびこの溶液を、ポリマー非溶媒と接触し、両親媒性マクロ分子を含む粒子を生成する行為を含み、この粒子は約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する。別のセットの実施形態では、上記の方法は、第1のブロックコポリマーおよび第2のブロックコポリマーを含む溶液を提供する行為;およびこの溶液をポリマー非溶媒と接触する行為を含み、この粒子は約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する。なお別のセットの実施形態では、上記の方法は、生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むポリマーを含む溶液を提供する行為;およびこの溶液を、ポリマー非溶媒と接触し、両親媒性マクロ分子を含む粒子を生成する行為を含み、この粒子は約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する。
【0019】
なお別のセットの実施形態によれば、上記の方法は、カルボン酸末端ポリ(エステル−エーテル)コポリマーを、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分と反応する行為を含み、この成分はアミンを含み、N−ヒドロキシスクシンイミドを用いることなくブロックコポリマーを生成する。
【0020】
上記の方法は、なお別のセットの実施形態では、単一の反応、カルボン酸末端ポリ(エステル−エーテル)コポリマーを、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分と反応する行為を含み、この標的化成分はアミンを含み、ブロックコポリマーを生成する。
【0021】
別の局面では、本発明は組成物に関する。1つのセットの実施形態では、この組成物は、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、ここでこの粒子は、生体適合性ポリマーを含む第1の部分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2の部分を含むマクロ分子を含む。いくつかの場合には、この成分は、上記粒子の内部で本質的にゼロでない濃度を有する。
【0022】
別のセットの実施形態によれば、上記組成物は、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、ここでこの粒子は、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む。いくつかの場合では、上記第1のマクロ分子は、第1の生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むブロックコポリマーである。特定の例では、上記第2のマクロ分子は、ポリ(アルキレングリコール)、および上記第1の生体適合性ポリマーから区別可能な第2の生体適合性ポリマーを含むブロックコポリマーである。
【0023】
なお別のセットの実施形態では、上記組成物は、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、ここでこの粒子は、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む表面を有する。いくつかの場合では、上記第1のマクロ分子は、第1の長さを有する第1のポリ(アルキレングリコール)鎖、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして上記第2のマクロ分子は、上記第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2のポリ(アルキレングリコール)鎖を含む。
【0024】
上記組成物は、1つのセットの実施形態によれば、第1の生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子、および第2の生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、この粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0025】
別のセットの実施形態では、上記の組成物は、第1の生体適合性疎水性ポリマー、第2の生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。この粒子はさらに、少なくとも1つのその他のポリマーを含み得る。この粒子は、いくつかの場合には、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択され得る。
【0026】
なお別のセットの実施形態では、上記の組成物は、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、この粒子はさらに、少なくとも1つのその他のポリマーを含む。さらに、この粒子は、いくつかの場合には、上記マクロ分子および上記少なくとも1つのその他のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択され得る。
【0027】
上記組成物は、なお別のセットの実施形態では、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、この粒子はさらに、少なくとも1つのその他のポリマーを含み、そしていくつかの場合には、上記粒子は、上記マクロ分子および少なくとも1つのその他のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0028】
1つのセットの実施形態では、上記組成物は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子、および上記生体適合性疎水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。上記の第2のマクロ分子は、いくつかの場合には、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有し得る。特定の例では、上記粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0029】
別のセットの実施形態では、上記組成物は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分、および治療成分を含む第1のマクロ分子、および上記生体適合性疎水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、上記の第2のマクロ分子は、いくつかの場合には、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有し得る。特定の例では、上記粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0030】
上記組成物は、なお別のセットの実施形態では、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子、ならびに上記生体適合性疎水性ポリマーおよび標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のマクロ分子を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、上記第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のポリマー部分から区別可能なポリマー部分を有する。1つの実施形態では、上記粒子は、上記第1および第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーから選択される。
【0031】
なお別のセットの実施形態では、上記組成物は、薬物カプセル化に適切な生体適合性ポリマーを含む第1の成分、免疫原性を低減するためのポリマー材料を含む第2の成分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第3の成分を含むポリマーを含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、上記第3の成分は、上記粒子の内部で、本質的にゼロでない濃度を有する。
【0032】
なお別のセットの実施形態によれば、上記組成物は、薬物カプセル化に適切な生体適合性ポリマーを含む第1の成分、免疫原性を低減するためのポリマー材料を含む第2の成分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第3の成分を含むマクロ分子を用いて生成された、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。1つの実施形態では、上記粒子は、上記マクロ分子を含む溶液を提供する工程、およびこの溶液をポリマー非溶媒と接触し上記粒子を生成する工程を包含する方法によって生成される。
【0033】
別のセットの実施形態では、上記組成物は、生体適合性ポリマーおよび標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む、約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含む。いくつかの場合には、上記成分は、上記粒子内に含まれ、そして上記生体適合性ポリマーに共有結合している。
【0034】
別の局面では、本発明は、本明細書中に記載される1つ以上の実施形態、例えば、本明細書中に記載されるようなナノ粒子を作製する方法に関する。別の実施形態では、本明細書中に記載される実施形態、例えば、本明細書中に記載されるようなナノ粒子を用いる方法に関する。
【0035】
本発明のその他の利点および新規な特徴は、添付の図面と組み合わせて考慮されるとき、本発明の種々の非制限的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。本明細書と参考として援用される文献が、矛盾し、そして/または不一致の開示を含む場合には、本明細書が支配する。参考として援用される2つ以上の文献が、互いに対して矛盾し、そして/または不一致の開示を含む場合、そのときは、後の有効日を有する文献が支配する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(詳細な説明)
本発明は、一般に、ポリマーおよびマクロ分子に、特に、ナノ粒子のような粒子で有用なブロックポリマーに関する。本発明の1つの局面は、所望の性質を備えるナノ粒子を作り上げる方法に関する。1つのセットの実施形態では、この方法は、2つ以上のマクロ分子を異なる比で一緒に混合することにより形成され得る、高度に制御された性質を有するナノ粒子のライブラリーを生成することを含む。1つ以上のマクロ分子は、生体適合性ポリマーへの成分のポリマー結合体であり得る。いくつかの場合には、このナノ粒子は、薬物を含み得る。上記成分は、いくつかの実施形態では、約1000Daより大きい分子量を有し得;例えば、上記成分は、アプタマーのようなポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含み得る。上記成分はまた、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分であり得る。本発明の別の局面は、このようなポリマー結合体を生成するシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、ポリマーを含む溶液が、不混和液体のような液体と接触され、上記ポリマー結合体を含むナノ粒子を形成する。本発明のその他の局面は、このようなライブラリーを用いる方法、このようなポリマー結合体を用いるか、または投与する方法、このようなポリマー結合体の使用を促進する方法、このようなポリマー結合体を含むキットなどに関する。
【0037】
陳述されるように、本発明の1つの局面は、所望の化学的性質、生物学的性質、または物理的性質のような、所望の性質を備えたナノ粒子を作り上げる方法に関する。1つのセットの実施形態では、この方法は、2つ以上のマクロ分子を異なる比で一緒に混合することにより形成され得る、高度に制御された性質を有するナノ粒子のライブラリーを生成することを含む。2つ以上の異なるマクロ分子を異なる比で一緒に混合すること、およびこれらマクロ分子から粒子を生成することにより、高度に制御された性質を有する粒子が形成され得る。例えば、1つのマクロ分子は、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分、および治療成分(以下に詳細に論議される)からなる群から選択される成分を含み得、その一方、別のマクロ分子は、その生体適合性および/または得られる粒子の免疫原性を制御するその能力のために選択され得る。いくつかの場合には、これらマクロ分子の1つ以上は、以下に論議されるように、コポリマーであり得る。
【0038】
このような粒子のライブラリーを生成することにより、任意の所望の性質を有する粒子が識別され得る。例えば、表面官能性、表面荷電、サイズ、ゼータ(ζ)電位、疎水性、免疫原性を制御する能力などのような性質が高度に制御され得る。例えば、粒子のライブラリーが合成され得、そして、これら粒子が、粒子の表面上に存在する所定の比重を有する成分(例えば、治療成分)を有することを可能にする、ポリマーまたはマクロ分子の特定の比を有する粒子を識別するためにスクリーニングされ得る。これは、過度の努力なくして、粒子が、調製されるべき1つ以上の特異的性質、例えば、特定サイズおよび成分の特定表面密度を有することを可能にする。従って、本発明の特定の実施形態は、このようなライブラリーを用いるスクリーニング技法、およびこのようなライブラリーを用いて識別された粒子に関する。さらに、識別は、任意の適切な方法により起こる。例えば、この識別は、直接的または間接的であり得るか、または定量的または定性的に進行する。
【0039】
特定の非制限的な例として、1つの実施形態が、図1に概略的に示される。この図では、第1のポリマー(PLGA−PEG、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)およびポリ(エチレングリコール))が、標的化成分(アプタマー、「Apt」)に結合され、PLGA−PEG−Aptマクロ分子を形成する。この第1のマクロ分子は、第2のマクロ分子(この例では、PLGA−PEG)と変動する比で混合され、異なる性質、例えば、この例で示されるようなアプタマーの異なる表面密度を有する一連の粒子を形成する。例えば、PLGAの分子量、PEGの分子量、アプタマー表面密度、およびナノ粒子表面荷電のようなパラメーターを制御することにより、非常に正確に制御された粒子が得られ得る。
【0040】
より一般的に、粒子のライブラリーを生成するために用いられるよう選択されたポリマーまたはマクロ分子は、以下に詳細に記載されるような、任意の広範な種類のポリマーまたはマクロ分子であり得る。一般に、2、3、4、またはそれ以上のポリマーおよび/またはマクロ分子が、広範な範囲の比(例えば、各々が0%〜100%の範囲)で混合され、ポリマーまたはマクロマーの各々の異なる比を有するナノ粒子のような粒子を形成する。これら2つ以上のマクロ分子は、特定の様式、例えば、異なるポリマー基を有すること、同じポリマー基を有するが異なる分子量を備えること、共通のポリマー基を有するが、それらが異なること(例えば、1つが他が有していないポリマー基を有し得る)、同じポリマー基を有するが異なる順序であることなどで区別可能であり得る。この粒子のライブラリーは、任意の数のメンバーを有し得、例えば、このライブラリーは、2、3、5、10、30、100、300、1000、3000、10,000、30,000、100,000などのメンバーを有し得、これらは、特定の様式で識別され得る。いくつかの場合には、このライブラリーは同時に存在し得;例えば、このライブラリーは、1つ以上のマイクロタイタープレート、バイアルなど中に含まれ得るか、またはいくつかの実施形態では、このライブラリーは、異なる時間で生成されるメンバーを含み得る。
【0041】
この粒子のライブラリーは、次いで、特定の様式でスクリーニングされ得、1つ以上の所望の性質、例えば、表面官能性、表面荷電、サイズ、ゼータ(ζ)電位、疎水性、免疫原性を制御する能力などを有するような粒子を識別する。粒子内の1つ以上のマクロ分子は、生体適合性または生分解性であるように選択された1つ以上のポリマー、免疫原性を低減するように選択されたポリマー、および/または1つ以上の成分、例えば、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み得る。これらは、以下に詳細に論議される。上記ライブラリー内のマクロ分子は、これらポリマーのいくつか、またはすべてを、任意の組み合わせ(制限されないで、第1のポリマーがこれら種のすべてを含み、そして第2のポリマーがこれら種のいずれをも含まない組み合わせを含む)で含み得る。
【0042】
特定の例として、1つの実施形態では、上記粒子は、生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子、および上記第1のマクロ分子と同じであっても、同じでなくてもよい生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含み得る。別の例として、第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含むブロックコポリマーであり得;そして第2のマクロマーは、特定の様式で上記第1のマクロマーから区別され得る。例えば、上記第2のマクロ分子は、同じ(または異なる)生体適合性疎水性ポリマー、および同じ(または異なる)生体適合性親水性ポリマーを、しかし第1のマクロ分子とは異なる成分を含む(または成分をまったく含まない)。別の例として、上記第1のマクロ分子は、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして第2のマクロ分子は特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能であるか;または上記第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして第2のマクロ分子は、特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能である。
【0043】
上記第1のマクロ分子はまた、別の例として、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のポリマー、および上記第1のマクロ分子から区別され得る第2のマクロ分子を含む。例えば、上記第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のいずれのポリマーをも含まず、上記第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子の1つ以上のポリマー、および上記第1のマクロ分子中に存在しない1つ以上のポリマーを含み得、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のポリマーの1つ以上を欠き得、この第2のマクロ分子は、上記第1のマクロ分子のポリマーのすべてを、しかし、異なる順序および/または異なる分子量を有する1つ以上のポリマーとともに含み得るなど。
【0044】
なお別の例として、上記第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分中性成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み得、そして上記第2のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、および生体適合性親水性ポリマーを含み、そして特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能である。なお別の例として、上記第1のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含み得、そして上記第2のマクロ分子は、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分からなる群から選択される成分を含み得、ここで、この第2のマクロ分子は、特定の様式で上記第1のマクロ分子から区別可能である。
【0045】
ここで、図2〜4を参照して、本発明の種々のライブラリーの非制限的な例が示される。図2A〜2Cでは、本発明のライブラリーで有用な種々のマクロ分子の合成の例が示される。図2Aでは、3つの成分を含むブロックコポリマーが示される:生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、中性成分および治療成分などであり得る成分である。標的化成分の例は、制限されずに、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖、脂肪酸、脂質、小分子、または抗体を含む。造影成分の例は、制限されないで、蛍光分子、放射性分子(例えば、放射性同位体を含む)、造影剤、リソグラフィー剤、紫外線光に感受性の作用剤、可視光に感受性の作用剤を含む。治療剤の例は、制限されないで、化学療法剤、放射活性剤、核酸を基礎にした作用剤、脂質を基礎にした作用剤、炭水化物を基礎にした作用剤、天然の小分子、または合成の小分子を含む。荷電分子の例は、カチオン分子、またはアニオン分子を含む。いくつかの例では、上記成分は、非荷電(すなわち中性)または両性イオンであり得る。1つの実施形態では、上記成分は、複数の荷電基を有する成分、例えば、両性イオン分子、複数の荷電部分を有する分子などである。別の実施形態では、上記成分は、二価または多価である。
【0046】
上記マクロ分子は、上記に記載の成分の各々を含む必要はないことが注記されるべきである。例えば、図2Bに示されるように、本発明のライブラリーで有用なポリマーは、親水性生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、標的化成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含み得、すなわち、このポリマーは、生体適合性疎水性ポリマーを含む必要はない。同様に、図2Cに示されるように、本発明のライブラリーで有用なポリマーは、疎水性の生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含み得、すなわち、このポリマーは、生体適合性の親水性ポリマーを含む必要はない。
【0047】
これらポリマーまたはマクロ分子は、次いで、以下に詳細に論議されるような技法を用いて粒子に成形され得る。上記ポリマーおよびマクロ分子からの上記粒子によって形成される幾何学的形状は、この粒子を形成するポリマーのような因子に依存し得る。さらに、また以下で論議されるように、いくつかの場合には、上記粒子は、上記粒子の構造に依存して、親水性作用剤、または疎水性作用剤を含み得る。この親水性または疎水性作用剤は、上記粒子の形成の間に、例えば、この作用剤を、上記粒子を形成するために用いられるポリマーを含む溶液中に含めることによって、上記粒子中に取り込まれ得、そして/または上記作用剤は、その成形後に上記粒子中に取り込まれ得る。このような粒子の例は、図3Aに示される。このような粒子の例は、標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分のような種々の成分について図3Aに示される。
【0048】
さらに、上記粒子は、上記で論議されたポリマーまたはマクロ分子から区別可能であり得る、さらなるポリマーまたはマクロ分子を含み得る。非制限的な例は、図3B〜3Dに示される。図3Bでは、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含む第1のマクロ分子が、生体適合性疎水性ポリマーを含む第2のマクロ分子と合わせられ、本発明の粒子を形成する。上記第2のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーは、上記第1のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーと同じであってもよいし、または同じでなくてもよい(例えば、この第2の生体適合性疎水性ポリマーは、第1の生体適合性疎水性ポリマーと、異なる分子構造、または同じ分子構造であるが、同じかまたは異なる分子量を有し得る)。先に論議されたように、上記第1および第2のマクロ分子は、異なる比で合わせられ得、この第1および第2のマクロ分子を含む粒子を生成する。
【0049】
同様に、図3Cに描写されるように、本発明の粒子は、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分、および生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含むが、第1のマクロ分子の成分を含まない第2のマクロ分子を含み得る(すなわち、第2のマクロ分子は、図3Cに示されるように、異なる成分を含み得るか、または成分をまったく含まない)。上記に類似して、上記第1および第2のマクロ分子は、異なる比で一緒に合わされ得、第1および第2のマクロ分子を含む粒子を生成する。図3Dでは、別の実施形態として、生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第1のマクロ分子が、生体適合性疎水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含む第2のマクロ分子と合わされる。上記第1のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーは、上記第2のマクロ分子の生体適合性疎水性ポリマーと同じであってもよいし、または同じでなくてもよい。例えば、これら2つの生体適合性疎水性ポリマーは、異なる分子構造、または同じ分子構造であるが、同じかまたは異なる分子量を有し得る。
【0050】
図4は、ライブラリーが、上記に記載のようなポリマーを用いて生成され得ることを示す。例えば、図4Aでは、生体適合性疎水性ポリマー、生体適合性親水性ポリマー、および標的化成分、造影成分、治療成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分を含む第1のマクロ分子、および生体適合性疎水性ポリマーおよび生体適合性親水性ポリマーを含む第2のマクロ分子を含むポリマー粒子(例えば、図3Cで論議されるような)が、これら第1および第2のマクロ分子の異なる比を有する粒子のライブラリーを生成するために用いられ得る。このようなライブラリーは、任意の数の性質、例えば、表面官能性、表面荷電、サイズ、ゼータ(ζ)電位、疎水性、免疫原性を制御する能力などを有する粒子を達成することで有用であり得る。
【0051】
図4Aでは、(これらマクロ分子の1つがない比を含む)異なる比の第1および第2のマクロ分子が合わせられ、ライブラリーの基礎を形成する粒子を生成する。例えば、図4Aに示されるように、第1のマクロ分子の量が第2のマクロ分子に対して増加されるとき、粒子の表面上に存在する成分(例えば標的化成分)の量が増加され得る。それ故、表面上の成分の任意の適切な濃度が、単に、粒子中の第1および第2のマクロ分子の比を制御することにより達成され得る。従って、粒子のこのようなライブラリーは、特定の官能性を有する粒子を選択または識別することで有用であり得る。
【0052】
図4Bおよび4Cは、1つ以上のタイプのマクロ分子が用いられる実施形態を示す。例えば、いくつかの場合には、粒子は、1つ以上のタイプの成分、例えば、1つ以上のタイプの治療成分、治療成分および造影成分などを含み得る。図2および3を参照して先に記載されたような本明細書中の任意のポリマーシステムが用いられ得る。粒子の表面上に存在し、そして任意の適切な濃度のこのような成分は、上記に記載のように生成されたような粒子のライブラリーの使用を通じて生成され得る。さらに表面上に存在する成分の全体の濃度はまた、例えば、任意の成分を含まないポリマー(すなわち、図4Aおよび4B中の「ブロックAB」)の使用によって制御され得る。それ故、広範な範囲の成分が、粒子の表面上に任意の適切な濃度で存在し得、そして各々の濃度は独立に制御され得る。さらに、2つ以上のポリマーまたはマクロ分子が、本発明の特定の実施形態で用いられ得る。例えば、ライブラリーは、各々の比が独立に制御される、3、4、またはより多くのポリマーまたはマクロ分子を有し得る。
【0053】
特定の例として、本発明のいくつかの実施形態では、ライブラリーは、本明細書中で論議されるように、生体適合性ポリマーと、標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、または中性成分であり得る成分から選択される成分とのポリマー結合体を含む粒子を含む。ここで、図5を参照して、1つのこのような粒子が、非制限的な例として示される。この図では、本発明のポリマー結合体は、粒子10を形成するために用いられる。粒子10を形成するポリマーは、粒子の表面上に存在する標的化成分15、および生体適合性部分17を含む。いくつかの場合には、本明細書で示されるように、標的化成分15は、生体適合性部分17に結合され得る。しかし、すべの生体適合性部分17が標的化成分15に結合して示されてはいない。例えば、いくつかの場合には、粒子10のような粒子は、生体適合性部分17および標的化部分15を含む第1のポリマー、および生体適合性部分17を含むが標的化部分15を含まない第2のポリマーを用いて形成され得る。この第1のポリマーと第2のポリマーの比を制御することにより、異なる性質を有する粒子が形成され得、そしていくつかの場合には、このような粒子のライブラリーが形成され得る。さらに、粒子10の中心内に含まれて薬物12がある。いくつかの場合には、薬物12は、疎水性効果に起因して粒子内に含まれ得る。例えば、この粒子の内部は、粒子の表面に対して比較的疎水性であり得、そしてこの薬物は、この粒子の比較的疎水性の中心に会合する疎水性薬物であり得る。特定の例として、粒子10は、比較的疎水性の生体適合性ポリマー、および比較的親水性の標的化成分15を含むポリマーを、粒子形成の間に、表面上により大きな濃度の親水性標的化成分が剥き出され、そして粒子の内部内により大きい濃度の疎水性生体適合性ポリマーが存在するように含み得る。
【0054】
それ故、本発明の種々の局面は、一般に、生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有す成分、中性成分、または治療成分のような成分を含むポリマー結合体に関する。いくつかの場合には、このポリマー結合体はブロックコポリマーであり、そしていくつかの実施形態では、このポリマー結合体は両親媒性であり、すなわち、比較的親水性の部分および比較的疎水性の部分を有する。上記標的化成分は、例えば、アプタマーのようなペプチドまたはポリヌクレオチドであり得る。いくつかの場合には、上記標的化成分は、生物学的基質、例えば、細胞表面レセプターに特異的に結合し得る。上記ポリマーの生体適合性部分は、いくつかの場合において、生分解性および/または加水分解可能である。いくつかの実施形態では、上記生体適合性ポリマーは、疎水性ポリマーである。生体適合性ポリマーの非制限的な例は、ポリラクチド、ポリグリコリド、および/またはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む。
【0055】
いくつかの場合には、上記ポリマー結合体は、制御放出システムの一部分である。本明細書で用いられるとき、制御放出システムは、治療剤、診断剤、予後、予防薬などのような活性薬剤または薬物またはその他のペイロードと組み合わせたポリマーであり、そしてこの活性薬剤は、予備設計されたか、または制御された様式でこの制御放出システムから放出される。例えば、活性薬剤は、所定の時間の期間に亘り一定の様式で放出され得、上記活性薬剤は、所定の時間の期間に亘り周期的様式で放出され得、または環境状態もしくは外部事象が活性薬剤の放出を誘因し得る。この制御放出ポリマーシステムは生体適合性であるポリマーを含み得、そしていくつかの場合には、このポリマーは生分解性である。
【0056】
本明細書で用いられるとき、「ポリマー」は、当該技術分野で用いられるようなその通常の意味で与えられ、すなわち、共有結合によって連結された1つ以上の繰り返し単位(複数のモノマー)を含む分子構造である。繰り返し単位は、すべてが同じであり得るか、またはいくつかの場合には、ポリマー内に存在する1つ以上のタイプの繰り返し単位が存在し得る。いくつかの場合には、ポリマーは、生物学的に派生し得、すなわち、生体ポリマーである。非制限的な例は、以下で論議されるように、ペプチドまたはタンパク質(すなわち、種々のアミノ酸のポリマー)、またはDNAまたはRNAを含む。いくつかの場合には、さらなる成分、例えば、以下に論議されるような生物学的成分がまた、ポリマー中に存在し得る。
【0057】
1つ以上のタイプの繰り返し単位がポリマー内に存在する場合、そのときは、このポリマーは、「コポリマー」といわれる。ポリマーを採用する任意の実施形態では、採用されるポリマーは、いくつかの場合ではコポリマーであり得ることが理解されるべきである。コポリマーを形成する繰り返し単位は、任意の様式で配列され得る。例えば、これら繰り返し単位は、ランダムな順序で、交互の順序で、または「ブロック」コポリマー、すなわち、各々が第1の繰り返し単位を含む1つ以上の領域(例えば、第1のブロック)、そして各々が第2の繰り返し単位を含む1つ以上の領域(例えば、第2のブロック)などとして配列され得る。ブロックコポリマーは、2(ジブロックコポリマー)、3(トリブロックコポリマー)、またはより多くの数の別個のブロックを有し得る。
【0058】
用語「第1」、「第2」などが、ポリマー構成要素を含む種々の要素を説明するために本明細書中で用いられ得るが、これらの用語は、制限的である(例えば、要素の特定の順序または数を説明する)として解釈されるべきではなく、むしろ、単に記述的であるとして、すなわち、特許法の分野内で一般に用いられるように、1つの要素を別の要素から区別する標識としてであることが理解されるべきである。それ故、例えば、本発明の1つの実施形態は、存在する「第1の」要素および存在する「第2の」要素を有するとして説明され得、本発明のその他の実施形態は、存在する「第1の」要素を、存在する「第2の」要素はなく、存在する「第2の要素」を、存在する「第1の要素」はなく、存在する2つ(またはそれ以上)の「第1の」要素を、および/または存在する2つ(またはそれ以上)の「第1の」要素を有し得、など、および/または本発明の範囲から逸脱することなく、「第1の」要素、「第2の要素」、および「第3の要素」のようなさらなる要素を有し得る。
【0059】
本発明の種々の実施形態は、ポリマー結合体に関する。本明細書中で用いられるとき、「ポリマー結合体」は、通常、2つ以上のポリマーを一緒に共有結合することにより、互いと会合している(本明細書中に記載のような)2つ以上のポリマーを記載する。それ故、ポリマー結合体は、第1のポリマーおよび第2のポリマーを含み得、これらは一緒に結合されてブロックコポリマーを形成し、ここで、第1のポリマーはこのブロックコポリマーの第1のブロックであり、そして第2のポリマーは、このブロックコポリマーの第2のブロックである。もちろん、当業者は、ブロックコポリマーが、いくつかの場合には、ポリマーの複数ブロックを含み、しかも、本明細書で用いられるとき、「ブロックコポリマー」は、単一の第1のブロックおよび単一の第2のブロックのみを有するブロックコポリマーのみに制限されないことを理解する。例えば、ブロックコポリマーは、第1のポリマーを含む第1のブロック、第2のポリマーを含む第2のブロック、および第3のポリマーまたは第1のポリマーを含む第3のブロックなどを含み得る。いくつかの場合には、ブロックコポリマーは、任意の数の第1のポリマーの第1のブロックおよび第2のポリマーの第2のブロック(そして特定の場合には、第3のブロック、第4のブロックなど)を含み得る。さらに、ブロックコポリマーはまた、いくつかの事例では、その他のブロックコポリマーから形成され得ることが注記されるべきである。例えば、第1のブロックコポリマーは、複数タイプのブロックを含む新たなブロックコポリマーを形成するために、別のポリマーに(これは、ホモポリマー、生体ポリマー、別のブロックコポリマーなどであり得る)、および/またはその他の成分に(例えば、非ポリマー成分に)結合され得る。
【0060】
いくつかの場合には、上記ポリマー結合体は、両親媒性であり、すなわち、親水性部分および疎水性部分、または比較的親水性の部分および比較的疎水性の部分を有する。親水性ポリマーは一般に水を引きつけるものであり、そして疎水性ポリマーは一般に水をはじくものである。親水性または疎水性ポリマーは、例えば、ポリマーのサンプルを調製すること、およびその水との接触角を測定することにより識別され得る(代表的には、ポリマーは、60゜より小さい接触角を有し、その一方、疎水性ポリマーは、約60゜より大きい接触角を有する)。いくつかの場合には、2つ以上のポリマーの親水性は、互いに対して測定され得、すなわち、第1のポリマーは、第2のポリマーより親水性であり得る。例えば、第1のポリマーは、第2のポリマーより小さい接触角を有し得る。
【0061】
1つのセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、生体適合性ポリマー、すなわち、代表的には、生物被験体中に挿入または注入されるとき、副作用を誘導しない、例えば、免疫系により、例えば、T細胞応答を経由して、顕著な炎症および/またはポリマーの急性拒絶のないポリマーを含む。もちろん、「生体適合性」は、相対的な用語であり、そしてある程度の免疫応答が、生存組織と高度に適合性であるポリマーについてさえある程度の免疫応答が予期されることが認識される。しかし、本明細書で用いられるとき、「生体適合性」は、免疫系の少なくとも一部分による材料の急性拒絶をいい、すなわち、被験体中に移植された非生体適合性材料は、免疫系による材料の拒絶が適切に制御されることができないように十分重篤であり、そしてしばしば、この材料が患者から除去されなければならないような程度である患者において免疫応答を引き起こす。生体適合性を決定する1つの簡単な試験は、ポリマーをインビトロで細胞に曝すことであり;生体適合性ポリマーは、中程度の濃度、例えば、50マイクログラム/106細胞の濃度で顕著な細胞死滅を生じないポリマーである。例えば、生体適合性ポリマーは、線維芽細胞または上皮細胞のような細胞に曝されるとき、たとえ、このような細胞により食作用により取り込まれるか、または別の方法で摂取されたとしても約20%より少ない細胞死を引き起こし得る。本発明の種々の実施形態で有用であり得る生体適合性ポリマーの非制限的な例は、ポリジオキサノン(PDO)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(グリセロールセバケート)、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、またはこれらポリマーおよび/またはその他のポリマーを含むコポリマーまたは誘導体を含む。
【0062】
特定の実施形態では、上記生体適合性ポリマーは生分解性、すなわち、このポリマーは、身体内のような生理学的環境内で化学的および/または生物学的に分解し得る。例えば、このポリマーは、水への曝露の際(例えば被験体内)に自然に加水分解するものであり得、このポリマーは、熱への曝露の際(例えば、約37℃の温度で)分解し得る。ポリマーの分解は、用いられるポリマーまたはコポリマーに依存して、変動する速度で生じ得る。例えば、ポリマーの半減期(ポリマーの50%がモノマーおよび/またはその他の非ポリマー成分に分解する時間)は、ポリマーに依存して、日、週、月、または年の長さであり得る。これらポリマーは、例えば、酵素活性または細胞器官により、いくつかの場合には、例えば、(例えば、比較的低いpHを有する)リゾチームへの曝露により生物学的に分解され得る。いくつかの場合には、上記のポリマーは、細胞が、再使用するか、または細胞に対して顕著な毒性効果なくして処分され得るモノマーおよび/またはその他の非ポリマー成分に分解され得る(例えば、ポリラクチドは、加水分解されて乳酸を形成し得、ポリグリコール酸は加水分解されてグリコール酸を形成し得るなど)。生分解性ポリマーの例は、制限されないで、ポリ(ラクチド)(またはポリ(乳酸))、ポリ(グリコリド)(またはポリ(グリコール酸)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カプロラクトン))、ポリリジン、ポリ(エチレンイミド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(酸無水物)、ポリ(エステル)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ウレタン)、ポリ(βアミノエステル)など、ならびにこれらポリマーおよび/またはその他のポリマーのコポリマーまたは誘導体、例えば、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)を含む。
【0063】
別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、免疫原性を制御し得るポリマー、例えば、ポリ(プロピレングリコール)、または式−(CH2−CH2−O)n−、ここでnは任意の正の整数である、を有するポリ(エチレングリコール)(「PEG」)としても知られるポリ(エチレンオキシド)のような、ポリ(アルキレングリコール)(ポリ(アルキレンオキシド)としてもまた知られる)を含む。このポリ(エチレングリコール)単位は、任意の適切な形態で上記ポリマー結合体内に存在し得る。例えば、このポリマー結合体は、ブロックの1つがポリ(エチレングリコール)であるブロックコポリマーであり得る。ポリ(エチレングリコール)繰り返し単位を含むポリマー結合体は、「PEG化」ポリマーと称される。このようなポリマーは、ポリ(エチレングリコール)基の存在に起因して、炎症および/または免疫原性(すなわち、免疫応答を惹起する能力)を制御し得る。
【0064】
PEG化はまた、いくつかの場合には、例えば、ポリマーが生物学的成分と相互作用することを遮蔽し得る、ポリマーの表面上に親水性層を生成することにより、ポリマーと生物学的成分との間の荷電相互作用を低減するために用いられ得る。いくつかの場合には、ポリ(エチレングリコール)繰り返し単位の添加は、ポリマー結合体の血清半減期を、例えば、細胞によるトランスフェクション/取り込み効率を低減しながら、食細胞系によるこのポリマー結合体の取り込みを低減することにより増加し得る。当業者は、ポリマーをPEG化するための方法および技法を知っており、例えば、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド)およびNHS(N−ビドロキシスクシンイミド)を用いることにより、以下の実施例で論議されるように、環開放重合技法(ROMP)などによって、ポリマーをアミンで終わるPEG基に反応させる。
【0065】
さらに、本発明の特定の実施形態は、ポリ(エステル−エーテル)を含むコポリマー、例えば、エステル結合(例えば、R−C(O)−O−R’結合)およびエーテル結合(例えば、R−O−R’結合)によって連結された繰り返し単位を有するポリマーに関する。本発明のいくつかの実施形態では、カルボン酸基を含む加水分解可能なポリマーのような生分解可能なポリマーが、ポリ(エチレングリコール)繰り返し単位と結合され得、ポリ(エステル−エーテル)を形成する。
【0066】
なお別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、標的化成分、すなわち、生物学的実体、例えば、膜成分、細胞表面レセプター、前立腺特異的膜抗原などに結合、またはそうでなければ会合し得る成分を含む。本明細書中で用いられるとき、用語「結合」は、代表的には、制限されないで生化学的相互作用、生理学的相互作用、および/または化学的相互作用を含む、特異的もしくは非特異的結合または相互作用に起因する互いの親和性または結合能力を示す分子またはその一部分の対応するペア間の相互作用をいう。「生物学的結合」は、タンパク質、核酸、糖タンパク質、炭水化物、ホルモンなどを含む分子のペア間で生じる相互作用のタイプを規定する。用語「結合パートナー」は、特異的な分子との結合を行い得る分子をいう。「特異的結合」は、その他の類似の生物学的実体に対してより実質的に高い程度に結合パートナー(または限られた数の結合パートナー)を結合または認識し得る、ポリヌクレオチドのような分子をいう。1つのセットの実施形態では、上記標的化成分は、(解離定数を経由して測定されるとき)約1マイクロモル濃度より少ない、少なくとも約10マイクロモル濃度、または少なくとも約100マイクロモル濃度の特異性を有する。
【0067】
生物学的成分の非制限的な例は、ペプチド、酵素、核酸、脂肪酸、ホルモン、抗体、炭水化物、ペプチドグリカン、糖ペプチドなどを含む。これらおよびその他の生物学的成分は、以下に詳細に論議される。いくつかの場合には、この生物学的成分は、比較的大きく、例えば、ペプチド、核酸などであり得る。例えば、この生物学的成分は、少なくとも約1,000Da、少なくとも約2,500Da、少なくとも約3000Da、少なくとも約4000Da、または少なくとも5,000Daなどの分子量を有し得る。比較的大きな標的化成分が、いくつかの場合において、細胞間を鑑別するために有用であり得る。例えば、いくつかの場合には、より小さな標的化成分(例えば、約1000Daより小さい)は、標的化適用のような、特定の標的化適用のためには適切な特異性を有さないかもしれない。対照的に、より大きな分子量の標的化成分は、かなりより高い標的化親和性および/または特異性を提供し得る。例えば、標的化成分は、より小さな解離定数、例えば、より親密な結合を提供し得る。しかし、その他の実施形態では、上記標的化成分は比較的小さくてもよく、例えば、約1,000Daより小さい、または約500Daより小さい分子量を有する。
【0068】
1つの実施形態では、上記標的化成分は、タンパク質またはペプチドを含む。「タンパク質」および「ペプチド」は、当該技術分野で周知の用語であり、そして各々が含むアミノ酸の数に関して当該技術分野では正確には規定されていない。本明細書で用いられるとき、これらの用語は、当該技術分野でそれらの通常の意味で与えられる。一般に、ペプチドは、長さが約100アミノ酸より少ない配列であるが、300アミノ酸までの配列を含み得る。タンパク質は、一般に、少なくとも100のアミノ酸の分子であると考えられる。タンパク質は、例えば、タンパク質薬物、抗体、抗体フラグメント、組み換え抗体、組み換えタンパク質、酵素などであり得る。いくつかの場合では、タンパク質またはペプチドのアミノ酸の1つ以上は、いくつかの場合には、例えば、炭水化物基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、結合のためのリンカー、官能化、またはその他の改変などのような化学的実体の付加により改変され得る。
【0069】
ペプチドまたはタンパク質のその他の例は、制限されないで、アンキリン、アレスチン、細菌膜タンパク質、クラスリン、コネキシン、ジストロフィン、エンドセリンレセプター、スペクトリン、セレクチン、サイトカイン;ケモカイン;成長因子、インシュリン、エリスロポイエチン(EPO)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経ペプチド、神経ペプチドY、ノイロテンシン、トランスフォーミング成長因子α、トランスフォーミング成長因子β、インターフェロン(IFN)、およびホルモン類、成長インヒビター、例えば、ゲニステイン、ステロイドなど;糖タンパク質、例えば、ABCトランスポーター、血小板糖タンパク質、GPIb−IX複合体、GPIb−IIIa複合体、ビトロネクチン、トロンボモジュリン、CD4、CD55、CD58、CD59、CD44、リンパ球機能関連抗原、細胞内接着分子、血管細胞接着因子、Thy−1、アンチポーター、CA−15−3抗原、フィブロネクチン、ラミニン、ミエリン−関連糖タンパク質、GAP、GAP−43を含む。
【0070】
本明細書で用いられるとき、「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子のフラグメントによって実質的にコードされる1つ以上のポリペプチドからなるタンパク質または糖タンパク質をいう。認識された免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμ定常領域遺伝子、および無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖は、κまたはλとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、これらは、次に、免疫グロブリンのクラス、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEをそれぞれ規定する。代表的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、テトラマーを含むことが知られる。各テトラマーは、各々のペアが1つの「軽」鎖(約25kD)および1つの「重」鎖(約50〜70kD)を有する、2つの同じペアのポリペプチドからなる。各鎖のN末端は、主に抗原認識を担う約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を規定する。用語可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)は、これらの軽鎖および重鎖をそれぞれいう。抗体は、インタクトな免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼでの消化によって生成され、良好に特徴付けられた多くのフラグメントとして存在する。
【0071】
抗体およびその他の適切な標的化成分の非制限的な例は、分化抗原CD−1〜CD166の抗クラスター、およびこれら分子に対するリガンドまたはカウンターレセプター;抗サイトカイン抗体、例えば、抗IL−1〜抗IL−18、およびこれら分子のセレプター;抗免疫レセプター抗体、T細胞レセプターに対する抗体、主要組織適合性複合体IおよびII、B細胞レセプター、セレクチンキラー阻害レセプター、キラー活性化レセプター、OX−40、MadCAM−1、Gly−CAM1、インテグリン、カドヘレン(cadheren)、シアロアドヘリン、Fas、CTLA−4、Fc−γレセプター、Fc−αレセプター、Fc−εレセプター、Fc−μレセプター、およびそれらのリガンド;抗メタロプロテイナーゼ抗体、例えば、コラゲナーゼ、MMP−1〜MMP−8、TIMP−1、TIMP−2;抗細胞溶解/前炎症性分子、例えば、ペルフォリン、補体成分、プロスタノイド、亜酸化窒素、トロンボキサン;または抗接着分子、例えば、癌胎児抗原、ラミニン、またはフィブロネクチンを含む。
【0072】
標的化分子のその他の例は、サイトカインまたはサイトカインレセプター、例えば、インターロイキン−1(IL−1)、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−1レセプター、IL−2レセプター、IL−3レセプター、IL−4レセプター、IL−5レセプター、IL−6レセプター、IL−7レセプター、IL−8レセプター、IL−9レセプター、IL−10レセプター、IL−11レセプター、IL−12レセプター、IL−13レセプター、IL−14レセプター、IL−15レセプター、IL−16レセプター、IL−17レセプター、IL−18レセプター、リンホカイン阻害因子、マクロファージコロニー刺激因子、血小板由来成長因子、幹細胞因子、腫瘍成長因子β、腫瘍壊死因子、リンホトキシン、Fas、顆粒球、コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγを含む。
【0073】
標的化成分のなおその他の例は、成長因子およびタンパク質ホルモン、例えば、エリスロポイエチン、アンギオテンシン、肝細胞成長因子、線維芽細胞成長因子、ケラチノサイト成長因子、神経成長因子、腫瘍成長因子α、トロンボポイエチン、甲状腺刺激因子、甲状腺放出ホルモン、ノイロトロフィン、上皮細胞成長因子、VEGF、繊毛神経栄養因子、LDL、ソマトメディン、インシュリン成長因子、インシュリン様成長因子IおよびIIを含む。
【0074】
標的化成分のさらなる例は、ケモカイン、例えば、ENA−78、ELC、GRO−α、GRO−β、GRO−γ、HRG、LIF、IP−10、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MIP−1α、MIP−1β、MIG、MDC、NT−3、NT−4、SCF、LIF、レプチン、RANTES、リンホタクチン、エオタキシン−1、エオタキシン−2、TARC、TECK、WAP−1、WAP−2、GCP−1、GCP−2、α−ケモカインレセプター(例えば、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、CXCR7)、またはβ−ケモカインレセプター(例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、またはCCR7)を含む。
【0075】
別の実施形態では、標的化成分は核酸を含む。本明細書で用いられるとき用語「核酸」または「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドのポリマーをいう。本明細書で用いられるとき、「ヌクレオチド」は、当該技術分野で用いられるようなその通常の意味で与えられ、すなわち、糖部分、リン酸基、および塩基(通常窒素を含む)を含む。代表的には、ヌクレオチドは、糖−リン酸バックボーンに連結された1つ以上の塩基を含む(リン酸基なくして糖部分にのみ連結される塩基は、「ヌクレオシド」である)。ヌクレオチド内の糖は、例えば、リボース糖(「リボ核酸」、または「RNA」)、またはデオキシリボース糖(デオキシリボ核酸、または「DNA」)であり得る。いくつかの場合には、上記ポリマーは、リボース糖およびデオキシリボ糖の両方を含み得る。塩基の例は、制限されないで、天然に存在する塩基(例えば、アデノシンもしくは「A」、チミジンもしくは「T」、グアノシンもしくは「G」)、シトシンもしくは「C」、またはウリジンもしくは「U」を含む。いくつかの場合には、上記ポリマーはまた、ヌクレオシドアナログ(例えば、アラシチジン、イノシン、イソグアノシン、ネブラリン、シュードウリジン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノプリン、2−チオチミジン、3−デアザ−5−アザシチジン、2’−デオキシウリジン、3−ニトロピロール、4−メチリンドール、4−チオウリジン、4−チオチミジン、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、2−チオウリジン、5−ブロモシチジン、5−ヨードウリジン、イノシン、6−アザウリジン、6−クロロプリン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−アザアデノシン、8−アジドアデノシン、ベンジイミダゾール、M1−メチルアデノシン、ピロロピリミジン、2−アミノ−6−クロロプリン、3−メチルアデノシン、5−プロピニルシチジン、5−プロピニルウリジン、5−ブロモウリジン、5−フルオロウリジン、5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアノシン、2−チオシチジン、など)、化学的または生物学的に改変された塩基(例えば、メチル化された塩基)、インターカレーションされた塩基、改変糖(例えば、2’−フルオロリボース、2’−アミノリボース、2’−アジドリボース、2’−O−メチルリボース、L−エナンチオマーのヌクレオシドアラビノース、ヘキソースなど)、改変リン酸塩部分(例えば、ホスホロチオエートまたは5’−N−ホスホルアミダイト結合)、および/または、置換および非置換芳香族部分を含むその他の天然に存在する、および天然に存在しないポリマー中に置換可能な塩基を含む。その他の適切な塩基および/またはポリマー改変は、当業者に周知である。いくつかの場合には、ポリヌクレオチドは、DNA、RNA、改変DNA、改変RNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、発現プラスミドシステム、ヌクレオチド、改変ヌクレオチド、ヌクレオシド、改変ヌクレオシド、アプタマー、インタクト遺伝子、またはそれらの組み合わせを含み得る。ポリヌクレオチドのその他の例は、干渉RNA、天然または非天然siRNA、shRNA、マイクロRNA、リボザイム、DNAプラスミド、アプタマー、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ランダム化オリゴヌクレオチド、またはリボザイムを含み得る。
【0076】
特定の非制限的な例として、上記標的化成分は、アプタマー、すなわち、生物学的成分のような特定の標的分子に特異的に結合し得る核酸を含み得る。アプタマーの非制限的な例は、RNAアプタマーおよびDNAアプタマーを含む。例えば、アプタマーのサイズは、少なくとも5kDa、少なくとも10kDa、少なくとも15kDa、または少なくとも20kDaであり得る。特定のアプタマーの非制限的な例は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)アプタマー(図6)である。PSMAアプタマーは、配列
GGGAGGACGAUGCGGAUCAGCCAUGUUUACGUCACUCCUUGUCAAUCCUCAUCGGC(配列番号1)を有する。
【0077】
なお別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、造影成分または感知成分、すなわち、直接または間接的いずれかの特定の様式で決定され得る成分を含む。例えば、この造影実体は、蛍光、放射性、電子密度、結合ペアのメンバー、酵素反応のための基質、抗体のための抗原などであり得る。いくつかの場合には、造影実体自体は、直接決定されず、それに代わって、決定を行うために第2の実体と相互作用する;例えば、第2の実体の造影実体へのカップリングが決定可能な信号を生じ得る。造影成分の非制限的な例は、FITCまたはFITC誘導体、フルオレセイン、GFPなどのような蛍光化合物;放射性原子、例えば、3H、14C、33P、32P、125I、131I、35Sなど;または重金属種、例えば、金またはオスミウムを含む。特定の例として、造影成分は、金ナノ粒子であり得る。
【0078】
なお別のセットの実施形態では、本発明のポリマー結合体は、治療成分、すなわち、被験体に与えられるとき、治療または予防効果を有する成分を含む。治療成分の例は、制限されないで、抗微生物剤、鎮痛剤、抗炎症剤、反対刺激剤、凝固改変剤、利尿薬、交感神経興奮剤、食欲抑制薬、制酸薬およびその他の胃腸管薬剤;駆虫薬、抗鬱薬、降圧剤、抗コリン作用薬、刺激剤、抗ホルモン剤、中枢および呼吸刺激剤、薬物アンタゴニスト、脂質調節剤、尿酸排泄剤、心臓グリコシド、電解質、麦角およびそれらの誘導体、排痰剤、催眠薬、睡眠薬および鎮痛剤、抗糖尿病薬、ドーパミン作用性薬、制吐剤、筋肉弛緩剤、副交感神経作用剤、抗痙攣薬、抗ヒスタミン剤、β−ブロッカー、下剤、不整脈治療剤、コントラスト物質、放射性医薬品、抗アレルギー剤、トランキライザー、放射性医薬品、抗ウイルス剤、および抗腫瘍剤もしくは細胞成長抑止剤または抗癌性質をもつ他の薬剤、あるいはこれらの組み合わせを含む。その他の適切な治療成分は、避妊薬およびビタミンならびに微量栄養素および多量栄養素を含む。なおその他の例は、抗生物質および抗ウイルス剤のような抗感染剤;鎮痛剤および鎮痛組み合わせ物;食欲抑制剤;抗寄生虫剤(antiheimintics);抗関節炎薬;抗喘息剤;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗利尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン剤;抗炎症剤;抗偏頭痛調製物;抗嘔吐薬;抗新生物剤;抗パーキンソン病薬物;止痒剤;抗精神病薬;解熱剤;抗痙攣剤;抗コリン作用性剤;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;ピンドロールおよび不整脈治療剤のようなカルシウムチャンネルブロッカーおよびβブロッカーを含む心臓血管調製物;降圧剤;利尿薬;一般冠動脈、末梢および脳を含む血管拡張薬;中枢神経系刺激剤;消炎剤を含む咳および風邪調製物;エストラジオール、およびコルチコステロイドを含むその他のステロイドのようなホルモン;睡眠薬;免疫抑制剤;筋肉弛緩剤;副交感神経遮断剤;交感神経興奮剤;鎮痛薬;およびトランキライザー;および天然由来または遺伝子工学タンパク質、多糖、またはリポタンパク質を含む。
【0079】
本発明のポリマー結合体のなお別のセットの実施形態では、キレート成分、すなわち、1つ以上のイオン、代表的には、Ca2+、Mg2+、またはFe2+のような2価(またはより高い)イオンを結合し得る成分を含む。このような成分の例は、エチレンジアミン四酢酸である。本発明のポリマー結合体のなお別のセットの実施形態は、例えば、生理学的条件下で複数の荷電基を有する成分を含む。例えば、標的化成分および生体適合性ポリマー、生体適合性ポリマーおよびポリ(エチレングリコール)などのような2つのポリマーは、EDC−NHS化学(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライドおよびN−ヒドロキシスクシンイミド)、またはチオール、アミン、または類似の官能化ポリエーテルの一端に結合され得る、マレイミドまたはカルボン酸を含む反応のような技法を用いて一緒に結合され得る。このようなポリマーの結合、例えば、ポリ(エステル−エーテル)を形成するためのポリ(エステル)およびポリ(エーテル)の結合は、制限されないで、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルスルフアミド、テトラヒドロフラン、アセトンなどのような有機溶媒中で実施され得る。特定の反応条件は、慣用の実験を超えずに用い、当業者によって決定され得る。
【0080】
別のセットの実施形態では、結合反応は、カルボン酸官能基を含むポリマー(例えば、ポリ(エステル−エーテル)化合物)を、アミンを含むポリマーまたは(標的化成分のような)その他の成分と反応することにより実施され得る。例えば、アプタマーのような標的化成分はアミンと反応され得、アミン含有成分を形成し、これは次にポリマーのカルボン酸に結合され得る。このような反応は、単一ステップ反応として起こり得、すなわち、結合は、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはマレイミドのような中間体を用いることなく実施される。アミン−含有成分と、(ポリ(エステル−エーテル)化合物のような)カルボン酸−末端ポリマーとの間の結合反応は、1つのセットの実施形態では、(制限されないで)ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、またはジメチルスルホキシドのような有機溶媒中に可溶化されたアミン−含有成分を、カルボン酸−末端ポリマーに添加することにより達成され得る。このカルボン酸−末端ポリマーは、制限されないで、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、またはアセトンのような有機溶媒内に含まれ得る。アミン−含有成分とカルボン酸−末端ポリマーとの間の反応は、いくつかの場合には、自然に起こり得る。非結合マクロマーは、このような反応後に洗い流され得、そしてポリマーは、例えば、エチルエーテル、ヘキサン、メタノール、またはエタノールのような溶媒中で沈殿され得る。
【0081】
特定の例として、ヌクレアーゼに安定なオリゴヌクレオチド、例えば、前立腺特異的膜抗原(PSMA)アプタマーは、以下のように粒子中に標的成分として調製され得る。カルボン酸改変ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA−COOH)は、アミン−改変ヘテロ二官能性ポリ(エチレングリコール)(NH2−PEG−COOH)に結合され得、PLGA−PEG−COOHのコポリマーを形成する。アミン−改変PSMAアプタマー(NH2−Apt)を用いることにより、3ブロックのポリマーであるPLGA−PEG−Aptが、PEGのカルボン酸末端をアプタマーのアミン官能基に結合することにより形成され得る。この複数ブロックのポリマーは、次いで、例えば、以下に論議されるように、例えば、治療、造影、および/または診断用途のために用いられ得る。
【0082】
本発明の別の局面は、上記で論議されたもののようなポリマー結合体を含む粒子に関する。これら粒子は、実質的に球形(すなわち、これら粒子は、ほぼ球形であるように見える)、または非球形形態を有し得る。例えば、これら粒子は、膨潤または収縮の際に、非球形形態をとり得る。いくつかの場合には、これら粒子は、ポリマーブレンドを含み得る。例えば、ポリマーブレンドは、標的化成分および生体適合性ポリマーを含む第1のポリマー、および生体適合性ポリマーを含むが標的化成分は含まない第2のポリマーを含んで形成され得る。最終ポリマー中の第1のポリマーと第2のポリマーとの比を制御することにより、この最終ポリマー中の標的化成分の濃度および位置は、任意の適切な程度まで容易に制御され得る。それ故、特定の実施形態では、このような粒子のライブラリーが、以下で論議されるように生成され得る。
【0083】
いくつかの場合には、上記粒子はナノ粒子であり、すなわち、約1マイクロメーターより小さい特徴寸法を有し、ここで、粒子の特徴寸法は、この粒子と同じ容量を有する完全な球の直径である。例えば、上記粒子は、約300nmより少ない、約200nmより少ない、約150nmより少ない、約100nmより少ない、約50nmより少ない、約30nmより少ない、約10nmより少ない、約3nmより少ない、またはいくつかの場合には約1nmより少なくあり得る粒子の特徴寸法を有し得る。
【0084】
いくつかの場合には、粒子の集団が存在し得る。例えば、粒子の集団は、少なくとも20の粒子、少なくとも50の粒子、少なくとも100の粒子、少なくとも300の粒子、少なくとも1,000の粒子、少なくとも3,000の粒子、または少なくとも10,000の粒子を含み得る。本発明の種々の実施形態は、このような粒子の集団に関する。例えば、いくつかの実施形態では、これら粒子は、各々実質的に同じ形状および/またはサイズ(「単分散」)であり得る。例えば、これら粒子は、約5%または約10%を超えない粒子が、これら粒子の平均特徴寸法より約10%より大きい特徴を有するように、そしていくつかの場合には、約8%、約5%、約3%、約1%、約0.3%、約0.1%、約0.03%、または約0.01%を超えない粒子が、これら粒子の平均特徴寸法より約10%より大きい特徴を有するように、特徴寸法の分布を有し得る。いくつかの場合には、これら粒子の約5%を超えない粒子が、これら粒子の平均特徴寸法より約5%、約3%、約1%、約0.3%、約0.1%、約0.03%、または約0.01%より大きい平均特徴寸法を有する。
【0085】
1つのセットの実施形態では、上記粒子は、内部および表面を有し得、ここで、この表面は内部とは異なる組成を有し、すなわち、少なくとも1つの成分が内部に存在し得るが、表面上には存在せず(または逆もまた同様である)、そして/または少なくとも1つの化合物が内部に、そして表面上には異なる濃度で存在する。例えば、1つの実施形態では、本発明のポリマー結合体の標的化成分(例えば、アプタマー)のような化合物は、粒子の内部および表面中に、しかし、粒子の内部でより表面上でより高い濃度で存在し得、しかしいくつかの場合には、粒子の内部での濃度は、本質的にゼロでなく、すなわち、粒子の内部に存在する化合物の検出可能な量が存在する。
【0086】
いくつかの場合には、上記粒子の内部は、粒子の表面より疎水性である。例えば、粒子の内部は、粒子の表面に対して相対的に疎水性であり得、そして薬物またはその他のペイロードは疎水性であり得、そして粒子の相対的疎水性中心と容易に会合する。この薬物またペイロードは、それ故、粒子の内部内に含まれ得、これら粒子は、それ故、それを粒子を取り囲む外部環境から保護し得る(または逆もまた同様である)。例えば、患者に投与される粒子内に含まれる薬物またはその他のペイロードは、患者の身体から保護され、そして身体もまた、薬物から単離される。上記粒子の表面上に存在する標的化成分は、この粒子が特定の標的化部位、例えば、腫瘍、疾患部位、組織、器官、特定タイプの細胞などで局在化されるようになることを可能にし得る。この薬物またはその他のペイロードは、次いで、いくつかの場合には、この粒子から放出され、そして特定の標的化部位と局所的に相互作用するようにさせる。
【0087】
本発明のなお別の局面は、存在する1つ以上のポリマーまたはマクロ分子を有するポリマー粒子、およびこのようなポリマーまたはマクロ分子を含むライブラリーに関する。例えば、1つのセットの実施形態では、粒子は、1つ以上の区別可能なマクロ分子を含み得、そしてこれら2つ(またはそれ以上)のマクロ分子の比は独立に制御され得、これは、粒子の性質の制御を可能にする。例えば、第1のマクロ分子は、標的化成分および生体適合性部分を含むポリマー結合体であり得、そして第2のマクロ分子は、生体適合性部分を含み得るが、標的化成分を含まなくてもよいか、または第2のマクロ分子は、第1のマクロ成分とは区別可能な生体適合性部分を含み得る。上記ポリマー粒子内のこれらマクロ分子の量の制御は、それ故、粒子の種々の物理的、生物学的、または化学的性質、例えば、粒子のサイズ(例えば、一方、または両方のポリマーの分子量を変えることにより)、表面荷電(例えば、これらポリマーが異なる荷電または末端基を有する場合、これらポリマーの比を制御することにより)、表面親水性(例えば、これらポリマーが異なる分子量および/または親水性を有する場合)、標的化成分の表面密度(例えば、これら2つ以上のポリマーの比を制御することにより)を制御するために用いられ得る。
【0088】
特定の例として、粒子は、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(エチレングリコール)に結合された標的化成分を含む第1のマクロ分子、およびポリ(エチレングリコール)を含むが、標的化成分を含まないか、またはポリ(エチレングリコール)および標的成分の両方を含み、ここで、この第2のマクロ分子のポリ(エチレングリコール)は、第1のマクロ分子のポリ(エチレングリコール)とは異なる長さ(または繰り返し単位の数)を有する第2のマクロ分子を含み得る。別の例として、粒子は、第1の生体適合性部分および標的化成分を含む第1のマクロ分子、および第1の生体適合性部分とは異なる第2の生体適合性部分(例えば、異なる組成、実質的に異なる数の繰り返し単位などを有する)および標的化成分を含む第2のマクロ分子を含む。なお別の例として、第1のマクロ分子は、生体適合性部分および第1の標的化成分を含み得、そして第2のマクロ分子は、生体適合性部分および第1の標的化成分とは異なる第2の標的化成分を含み得る。
【0089】
このような粒子のライブラリーはまた、例えば、粒子内の2つ(またはそれ以上)のポリマーの比を変えることにより形成され得、例えば、スクリーニング試験、高スループットアッセイなどのために有用であり得る粒子のライブラリーが形成され得る。このライブラリー内の実体は、上記で記載されたような性質によって変動し得、そしていくつかの場合には、これら粒子の1つ以上の性質が、このライブラリー内で変化し得る。従って、本発明の1つの実施形態は、異なる性質をもつポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーに関する。このライブラリーは、任意の適切な比(単数または複数)のポリマーまたはマクロ分子を含み得る。例えば、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を有する粒子では、この第1のマクロ分子および第2のマクロ分子は、0〜約5%:1、約10%:1、約15%:1、約20%:1、約5%:1〜約10%:1などの比で存在し得る。
【0090】
本発明の別の局面は、上記に記載のような、粒子内に含まれる「ペイロード」または種(または1つ以上の種)に関する。例えば、標的化成分は、被験体内の特定部分を標的にし得るか、または粒子が被験体内の特定部分に局在化されるようにし得、そしてこのペイロードは、これらの部分に送達され得る。例えば、標的化部分は、これら粒子を、用いられる標的化成分に依存して、被験体の身体内の腫瘍、疾患部位、組織、器官、所定のタイプの細胞などに局在化されるようになるようにする。この被験体は、ヒトまたは非ヒト動物であり得る。被験体の例は、制限されないで、イヌ、ネコ、ウマ、ロバ、ウサギ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モルモット、ハムスター、霊長類などのような哺乳動物を含む。
【0091】
当業者は、先に論議されるように、目的の標的化成分に特異的な標的化種を識別し得る;例えば、PSMAアプタマーは、前立腺癌細胞に局在化されるようになり得る。ペイロードのその他の例は、制限されずに、DNAまたはRNAのような核酸(例えば、RNA干渉のため)、酵素、抗体、炭水化物、小分子(例えば、約1000Daより少ない分子量を有する)などを含む。
【0092】
1つのセットの実施形態では、上記ペイロードは、薬物または1つ以上の薬物の組み合わせである。このような粒子は、例えば、標的化成分が、薬物を含有する粒子を、例えば、薬物の局在化された送達が生じることを可能にするために、被験体内の特定の局在化位置に向けるために用いられ得る実施形態で有用であり得る。潜在的に適切な薬物の非制限的な例は、抗微生物剤、鎮痛剤、抗炎症剤、反対刺激剤、凝固改変剤、利尿薬、交感神経興奮剤、食欲抑制剤、制酸薬およびその他の胃腸管薬剤;駆虫薬;抗鬱薬;降圧剤;抗コリン作用性剤;興奮剤;抗ホルモン剤;中枢および呼吸興奮剤;薬物アンタゴニスト;脂質調節剤;尿酸排泄剤;心臓グリコシド;電解質;麦角およびその誘導体;去痰薬;睡眠薬および鎮痛剤;抗糖尿病薬;ドーパミン作用性剤;制吐剤;筋肉弛緩剤;副交感神経興奮剤;抗痙攣薬;抗ヒスタミン剤;βブロッカー;下剤;不整脈治療剤;造影材料;放射性医薬品;抗アレルギー薬剤;トランキイザー;血管拡張薬;抗ウイルス剤;および抗新生物剤または細胞成長抑止剤または抗癌性質をもつその他の薬剤、またはこれらの組み合わせを含む。その他の適切な医薬は、避妊薬およびビタミンならびに微量栄養素および多量栄養素からなる群から選択され得る。なおその他の例は、抗生物質および抗ウイルス剤のような抗感染剤;鎮痛剤および鎮痛組み合わせ物;食欲抑制剤;抗寄生虫剤(antiheimintics);抗関節炎薬;抗喘息剤;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗利尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン剤;抗炎症剤;抗偏頭痛調製物;抗嘔吐薬;抗新生物剤;抗パーキンソン病薬物;止痒剤;抗精神病薬;解熱剤;抗痙攣剤;抗コリン作用性剤;交感神経興奮剤;キサンチン誘導体;ピンドロールおよび不整脈治療剤のようなカルシウムチャンネルブロッカーおよびβブロッカーを含む心臓血管に関する調製物;降圧剤;利尿薬;一般冠動脈、末梢および脳を含む血管拡張薬;中枢神経系刺激剤;消炎剤を含む咳および風邪調製物;エストラジオール、およびコルチコステロイドを含むその他のステロイドのようなホルモン;睡眠薬;免疫抑制剤;筋肉弛緩剤;副交感神経遮断剤;交感神経興奮剤;鎮痛薬;およびトランキライザー;および天然由来または遺伝子工学タンパク質、多糖、またはリポタンパク質を含む。
【0093】
薬物の非制限的な例は、ドキソルビシン、マイトマイシン、シスプラチン、ダウノルビシン、ブレオマイシン、アクチノマイシンD、ネオカルジノスタチン、カルボプラチン、ストラトプチラン、Ara−Cを含む。その他の例は、カポテン、モノプリル、プラバコール、アバプロ、プラビックス、セフジル、ドゥリセフ/ウルトラセフ、アザクタム、ビデックス、ゼリット、マキシピメ、ベペシド、パラプラチン、プラチノール、タキソール、UFT、バスパール、セルゾン、スタドールNS、エストレース、グルコファージ(Bristol−Myers Squibb);セクロール、ロラビド、ダイナバク、プロザック、ダルボン、パーマックス、ジプレキサ、フマログ、アキシド、ゲムザール、エビスト(Eli Lily);バソテック/バセレティック、メバコール、ゾコール、プリニビル/プリニジド、プレンディル、コツァール/ハイザール、ペプシッド、プリロセック、プリマキシン、ノロキシン、レコンビバックスHB、バリバックス、チモプティック/XE、ツルソプト、プロスカール、フォサマックス、シネメット、クリキシバン、プロペシア、ビオクス、シングライル、マキサルト、イベルメクチン(Merk&Co.);ジフルカン、ウナシン、サルペラゾン、ジスロマックス、トロバン、プロカルディアXL、カルデュラ、ノルバスク、ドフェチリド、フェルデン、ゾロフト、ゼルドックス、グルコトロールXL、ジレテック、エレトリプタン、ヴィアグラ、ドロロキシフェン、アリセプト、リピトール(Pfizer);ヴァンチン、レスクリプター、ヴィスチド、ゲノロトフィン、ミクロナゼ/Glyn./Glyb.、フラグミン、トータルメドロール、キサナックス/アルプラザロラム、セルミオン、ハルシオン/トリアゾラム、フリードックス、ドスティネックス、エドロナックス、ミラベックス、ファーモルビシン、アドリアマイシン、カンプトザール、デポ−プロベラ、カベルジェクト、デトルシトール、イストリング、ヘアロン、キサラタン、ロガイン(Pharmacia&Upjohn);ロピド、アクルピル、コグネックス、ノイロンチン、ロエストリン、フェムパッチ、エストロステップ、ラズリン、リピトール、オムニセフ、FemHRT、スラミン、またはカリナフロキサシン(Warner Lambert)を含む。
【0094】
別の例として、上記標的化成分が癌細胞を標的にするとき、そのときは、ペイロードは、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3,4−イポメアノール,5−エチニルウラシル、9−ジヒドロタキソール、アビラテロン、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾールハイドロクロライド、アクロニン、アクリルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、全tkアンタゴニスト、アルトレタミン、アムバムスチン、アムボマイシン、アメタントロン、アセテート、アミドックス、アミフォスチン、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラフォリド、脈管形成インヒビター、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス、アントラマイシン、腹側化(anti−dorsalizing)形態形成タンパク質−1、抗エストロゲン、抗ネオプラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィディコリングリシネート、アポトーシス遺伝子モデュレーター、アポトーシスレギュレーター、アプリン酸、ARA−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスパラギナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザシチジン、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、アゼテパ、アゾトマイシン、バカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、ベンゾクロリン、ベンゾデパ、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、β−アレチン、ベータクラマイシンB、ブツリン酸、BFGFインヒビター、ビカルタミド、ビサントレン、ビサントレンハイドロクロライド、ビサジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビスナフィドジメシレート、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレオマイシン、ブレオマイシンサルフェート、BRC/ABLアンタゴニスト、ブレフレート、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブドチタン、ブスルファン、ブチオニンスルホキシミン、カクチノマイシン、カルシポトリオール、カルフォスチンC、カルステロン、カムプトテシン誘導体、カナリポックスIL−2、カペシタビン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルボキシアミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カレストM3、カルムスチン、カーン700、軟骨由来インヒビター、カルビシンハイドロクロライド、カルゼレシン、カゼインキナーゼインヒビター、カスタノスペルミン、セクロピンB、セデフィンゴール、セトロレリックス、クロラムブシル、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シロレマイシン、シスプラチン、cis−ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェンアナログ、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コムブレタスタチンA4、コムブレタスタチンアナログ、コナゲニン、クラムベスシディン816、クリスナトール、クリスナトールメシレート、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、キュラシンA、シクロペンタンスラキノン、シクロホスフィミド、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビン、シタラビン、オクフェスフェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダカルバジン、ダクリキシマブ、ダクチノマイシン、ダウロルビシンハイドロクロライド、デシタビン、デヒドロジデミンB、デスロレリン、デキシホスファミド、デキソルマプラチン、デクスベラパミル、デザグアニン、デザグアニンメシレート、ジアザジクォン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシンハイドロクロライド、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンシトレート、ドロモスタノロンプロピオネート、ドロナビノール、デュアゾマイシン、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エダトレキセート、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エフロルニチンハイドロクロライド、エレメン、エルサミトルシン、エミテフル、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロピジン、エピルビシン、エピルビシンハイドロクロライド、エプリステリド、エルブロゾール、エリスロサイト遺伝子治療ベクターシステム、エソルビシンハイドロクロライド、エストラムスチン、エストラムスチンアナログ、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、エグゼメスタン、ファドロゾール、ファドロゾールハイドロクロライド、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フロクスウリジン、フルアステロン、フルダラビン、リン酸フルダラビン、フルオロダウノルニシンハイドロクロライド、フロオロウラシル、フルオロシタビン、フォルフェニメックス、フォルメスタン、フォスキドン、フォストリエシン、フォストリエシンナトリウム、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ガラチナーゼインヒビター、ゲムシタビン、ゲムシタビンハイドロクロライド、グルタチオンインヒビター、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセタミド、ヒドロキシ尿素、ハイパーリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イダルビシンハイドロクロライド、インドキシフェン、イドラマントン、イフォスファミド、イルモフォシン、イルイロマスタット、イミダゾアクリジン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インシュリン様成長因子−1レセプターインヒビター、インターフェロンアゴニスト、インターフェロンα−2A、インターフェロンα−2B、インターフェロンα−N1、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−IA、インターフェロンγ−IB、インターフェロン類、インターロイキン類、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イプロプラチン、イリノテカン、イリノテカンハイドロクロライド、イロプラクト、イルソグラディン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン−Nトリアセテート、ランレオチド、ランレオチドアセテート、ライナマイシン、レノグラスチム、レンチナンサルフェート、レプトルスタチン、レプトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリドアセテート、ロイプロリド/エストロゲン/プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミソール、リアロゾール、リアロゾールハイドロクロライド、直線状ポリアミンアナログ、脂肪親和性二糖類ペプチド、脂肪親和性白金化合物、リソクリンアミド7、ロバプラチン、ロムブリシン、ロメトレキソール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロニダミン、ロソキサントロン、ロソキサントロンハイドロクロライド、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテクタン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解ペプチド、マイタシン、マノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリシンインヒビター、マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、マイタンシン、メクロルエタミンハイドロクロライド、メゲストロールアセテート、メレンゲステロールアセテート、メルファラン、メノガリル、メルバロン、メルカプトプリン、メトレリン、メチオニナーゼ、メトトレキセート、メトトレキセートナトウリム、メトクロプラミド、メトプリン、メチュレデパ、微小藻類プロテインキナーゼCインヒビター、MIFインヒビター、ミフェプリストン、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマルシン、マイトマイシン、マイトマイシンアナログ、ミトナフィド、ミトスパー、ミトタン線維芽細胞成長因子−サポリン、ミトキサントロン、ミトキサントロンハイドロクロライド、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、一リン酸脂質/ミオバクテリア細胞壁SK、モピダモール、多剤耐性遺伝子インヒビター、複数腫瘍サプレッサー1−ベースの治療、マスタード抗癌剤、マイカペルオキシドB、ミコバクテリア細胞壁抽出物、ミコフェノール酸、ミリアポロン、n−アセチルジアニリン、ナファレリン、ナグレスティップ、ナロキソン/ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダルプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、酸化窒素モジュレーター、酸化窒素抗酸化剤、ニトルリン、ノコダゾール、ノガラマイシン、n−置換ベンズアミド、O6−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オラシン、口腔サイトカインインデューサー、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、オキシスラン、パクリタキセル、パクリタキセルアナログ、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガス、ペルデシン、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペントサンポリサルフェートナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペプロマイシンサルフェート、ペルフルブロン、ペルフォスファミド、ペリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニルアセテート、ホスファターゼインヒビター、ピシバニル、ピロカルピンハイドロクロライド、ピポブロマン、ピポサルファン、ピラルビシン、ピリトレキシム、ピロキサントロンハイドロクロライド、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲンアクティベーターインヒビター、白金複合体、白金化合物、白金−トリアミン複合体、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジンハイドロクロライド、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランディンJ2、前立腺癌腫アンチアンドロゲン、プロテアソームインヒビター、プロテインA−ベースの免疫モデュレーター、プロテインキナーゼCインヒビター、プロテインチロシンホスファターゼインヒビター、プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター、ピューロマイシン、ピューロマイシンハイドロクロライド、プルプリン、ピラゾフリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシ化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体、RAFアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、RASファルネシルプロテイントランスフェラーゼインヒビター、RASインヒビター、RAS−GAPインヒビター、レテリプチン脱メチル化、レニウムRE186エチドロネート、リゾキシン、リボプリン、リボザイム、RIIレチナミド、RNAi、ログレチミド、ロヒツカイン、ロムルチド、ロキンメックス、ルビギノンB1、ルボキシ、サフィンゴールハイドロクロライド、セイントピン、サルクヌ、サルコフィトールA、サルグラモスチム、SDI1模倣物、セムスチン、セネシーン由来インヒビター1、センスオリゴヌクレオチド、信号伝達インヒビター、信号伝達モデュレーター、シムトラゼン、単鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプテートナトリウム、フェニルアセテートナトリウム、ソルベロール、ソマトメディン結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォセートナトリウム、スパフォ酸、スパルソマイシン、スピカマイシンD、スピロゲルマニウムハイドロクロライド、スピロムスチン、スピロプラチン、スポンギスタチン1、スクァラミン、幹細胞インヒビター、幹細胞分裂インヒビター、スティピアミド、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ストロメリシンインヒビター、スルフィノシン、スロフェヌル、超活性血管作用腸ペプチドアンタゴニスト、スラディスタ、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリソマイシン、タリムスチン、タモキシフェンメチオダイド、タウロムスチン、タゾロテン、テコガランナ
トリウム、テガファー、テルラピリリウム、テロメラーゼインヒビター、テロキサントロンハイドロクロライド、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、テトラクロロロデカノキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、タリドミド、モアミプリン、チオコラリン、チオグアニン、チオテパ、トロンボポイエチン、トロンボポイエチン模倣物、サイマルファシン、トロンボポイエチンレセプターアゴニスト、トモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、チアゾフリン、錫エチルエピオプルプリン、チラパザミン、チタノセンジクロライド、トポテカンハイドロクロライド、トプセンチン、トレミフェン、トレミフェンシトレート、全能幹細胞因子、翻訳インヒビター、トレストロンアセテート、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、リン酸トリシリリビン、トリメトレキセート、トリメトレキセートグルクロネート、トリプトレリン、トロピセトロン、チュブロゾールハイドロクライド、チュロステリド、チロシンキナーゼインヒビター、チフォスチン、UBCインヒビター、ウベニメックス、ウラシルマスタード、ウレデパ、泌尿生殖器洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベラレゾール、ベラミン、ベルディン、ベルテポルフィン、ビンブラスチンサルフェート、ビンクリスチンサルフェート、ビンデスチン、ビンデスチンサルフェート、ビネピディンサルフェート、ビングリシネートサルフェート、ビンロイロシンサルフェート、ビノレルビンタートレート、ビンロシディンサルフェート、ビンキサルチン、ビンゾリディンサルフェート、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ゼラスコルブ、ジノスタチン、ジノスタチンスティマラマー、またはゾルビシンハイドロクロライドのような抗癌薬剤であり得る。
【0095】
本発明の粒子内に含まれ得るさらなる特定の非制限的な例は、アセブトロール、アセトヒドロキサミン酸、アセトフェナジン、アシクロビル、アドレノコルチコイド、アロプリノール、アルプラゾラム、水酸化アルミニウム、アマンタディン、アムベノニウム、アミロリド、アミノ安息香酸カリウム、アモバルビタール、アモキシシリン、アムフェタミン、アンピシリン、アンドロゲン、麻酔薬、抗凝固剤、抗痙攣薬−ディオンタイプ、抗甲状腺薬医薬、食欲抑制剤、アスピリン、アテノロール、アトロピン、アザタディン、バカンピシリン、バクロフェン、ベクロメタゾン、ベラドーナ、ベンドロフルメチアジド、ベンゾイルパーオキサイド、ベンチアジド、ベンズトロピン、ベタメサゾン、ベタネコール、ビペリデン、ブロモソリプチン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロムフェニラミン、ブクリジン、ブメタニド、ブスルファン、ブタバルビタール、ブタペラジン、カフェイン、炭酸カルシウム、カプトプリル、カルバマゼピン、カルベニシリン、カルビドーパおよびレボドーパ、カルビノキサミンインヒビター、炭素アンハイドセーゼ(carbonic anhydsase)、カリソプロドール、カルフェナジン、カスカラ、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セファラジン、クロフェジアノール、クロラール水和物、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロロジアゼポキシド、クロロキン、クロロチアジド、クロロトリアンチセンス、クロロフェニラミン、6Xクロロプロマジン、クロロプロパミド、クロロプロチキセン、クロロタリドン、クロロゾキサゾン、コレスチラミン、シメチジン、シノキサシン、クレマスチン、クリディニウム、クリンダマイシン、クロフィブレート、クロミフェア、クロニディン、クロラゼペート、クロキサシリン、コロチン、コロエスピポール、複合エストロゲン、避妊薬、コルチソン、クロモリン、サイクララシリン、サイクランデレート、サイクリジン、シクロベンザプリン、シクロホスファミド、シクロチアジド、サイクリミン、シプロヘプタディン、ダナゾール、ダンスロン、ダントロレン、ダプソン、デキストロチムフェタミン、デキサメタソン、デクスクロロフェニラミン、デクストロメトルファン、ディアゼパン、ジクロキサシリン、ジシクロミン、ジエチルスチルベストロール、ジフルニサル、デジタリス、ジルチアゼン、ジメンヒドリネート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ジフェニドール、ジフェノキシレートおよびアトロフィブ、ジフェニルオピラリン、ジピラダモール、ジソピラミド、ジスルフィラム、ジバルポレックス、ドキュセートカルシウム、ドキュセートカリウム、ドキュセートナトリウム、ドキシロアミン、ドロナビノールエフェドリン、エピネフィリン、エルゴロイドメシレート、エルゴノルビン、エルゴタミン、エリスロマシイン、エステル化エストロゲン、エストラジオール、エストロゲン、エストロン、エストロピピュート、エタリニン酸、エスクロロビイノール、エチニルエストラジオール、エトプロパジン、エトサキシミド、エトトイン、フェノプロフェン、フマル酸鉄、グルコン酸鉄、硫酸鉄、フラボキセート、フレカイニド、フルフェナジン、フルプレドニソロン、フルラゼパム、葉酸、フロセミド、ゲムフィブロジル、グリピジド、グリブリド、グリコピロレート、金化合物、グリセオフィヴィン、グアイフェネシン、グアナベンズ、グアナドレル、グアネチディン、ハラゼパム、ハロペリドール、ヘタシリン、ヘキソバルビタール、ヒドララジン、ハイドロクロロチアジド、ハイドロコルチソン(コルチソール)、ハイドロフルネチアジド、ヒドロキシクロロキン、ヒドロキシジン、ヒョスシアミド、イブプロフェン、インダパミド、インドメタシン、インシュリン、アイオフォキノール、鉄−多糖、イソエタリン、イソニアジド、イソプロパミドイソプロテレノール、イソトレチノイン、イソクススプリン、カオリンおよびペクチン、ケトコナゾール、ラクチュロース、レボドーパ、リンコマイシン、リオチロニン、リオトリックス、リチウム、ロペルアミド、ロラゼパム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マプロチリン、メクリジン、メクロフェナメート、メドロキシプロイェトテロン、メレナミン酸、メルファラン、メフェニルトイン、メフォバルビタール、メプロバメート、メルカプトプリン、メソリダジン、メタプロテレノール、メタキサロン、メタムフェタミン、メタキュアロン、メタアルビタール、メテナミン、メチリシン、メトカルバモール、メトトレキセート、メトスキシミド、メチルクロチンジド、メチルセルロス、メチイドーパ、メチルエルゴノビン、メチルフェニデート、メチルプレドニソロン、メチルセルジド、メトクロプラミド、マトラゾン、メトプロロール、メトロニダゾール、ミノキシディル、ミトタン、モナミンオキシダーゼインヒビター、ナドロール、ナフシリン、ナリジクス酸、ナプロキセン、睡眠鎮静薬、ネオマシイン、ネオスチグミン、ナイアシン、ニコチン、ニフェディピン、硝酸塩、ニトロフラントイン、ノミフェンシン、ノレチンドロン、ノレチンドロンアセテート、ノルゲストレル、ニリドリン、ナイスタフィン、オルフェナドリン、、オキサシリン、オクスプレノロール、オキシメタゾリン、オキシフェンブタゾン、膵臓リパーゼ、パントテン酸、パパベリン、パラアミノサリチル酸、パラメタソン、パレゴリック、ペモリン、ペニリラミン、ペニシリン、ペニシリン−v、ペントバルビタール、ペルフェナジン、フェナセチン、フェナゾピリジン、フェニラミン、フェノバルビタール、フェノールフタレイン、フェンプロコウモン、フェンスキシミド、フェニルブタゾン、フェニルエフィリン、フェニルプロパノールアミン、フェニルトロキサミン、フェニルトイン、ピロカルピン、ピンドロール、パイパーアセタジド、ピロキシカム、ポロキサマー、ポリカルボフィルカルシウム、ポリチアジド、カリウムサプリメント、ピプゼパム、プラゾシン、プレドニソロン、プレドニソン、ピリミドン、プロベネシド、プロブコール、プロカインアミド、プロカルバジン、プロクロロペラジン、プロサイクリディン、プロマジン、プロメタジン、プロパンセリン、プロパノルオール、シュードエフェドリン、プソラレン、シリウム、ピリドスチグミン、ピロドキシン、ピリラミン、ピルビニウム、キネストロール、キネタゾン、ユニディン、キニン、ラニチディン、ジャボク植物アルカロイド、リボフラビン、リファムピン、リトドリン、アリシレート、スコポラミン、セコバルビタール、セナ、サノシドaおよびb、シメチコン、重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、スピロラクトン、スクラルフェート、スルファシチン、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルフィンピラゾン、スルフィソキサゾール、スリンダック、タルブタール、タマゼパム、テルブタリン、テルフェナディン、テルフィンハイドレート、テトラサイクリン、チアベンダゾール、チアミン、チオリダゾジン、チオチキセン、チロブロブリン、チロイド、チロキシン、チカルシリン、チモールオール、トカイニド、トラザミド、トルブタミド、トルメチン、トロゾドン、トレチノイン、トリアミシノロン、トリイアンテレン、トリアゾラム、トリクロロメチアジド、三環抗鬱薬、トリドヘキセチル、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、トリヘキシフェニディル、トリメプラジン、トリメトベンズアミド、トリメトプリム、トリプクレナミン、トリプロリディン、バルプロ酸、ベラパミル、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、キサンチンなどを含む。
【0096】
別のセットの実施形態では、前記ペイロードは診断薬である。例えば、上記ペイロードは、蛍光分子;ガス;金属;陽電子放出断層撮影(PET)、コンピューター支援断層撮影(CAT)、単一光子放出コンピューター化断層撮影、x線、蛍光透視、および磁気共鳴造影(MRI)で用いられる市販され入手可能な造影剤;またはコントラスト剤であり得る。MRIでコントラスト剤としての使用のための適切な材料の非制限的な例は、ガドリニウムキレート、ならびに鉄、マグネシウム、マンガン、銅、およびクロムを含む。CATおよびx線造影のために有用な材料の例は、制限されないで、ヨウ素をベースにした材料を含む。
【0097】
別の例として、上記ペイロードは、例えば、治療、診断、または予防薬としての使用のための放射性核種を含み得る。用いられる放射性核種のなかで、γ線放射体、陽電子放射体、およびX線放射体が、診断および/または治療のために適しており、その一方β線放射体およびα線放射体はまた、治療のために用いられ得る。本発明の種々の実施形態との使用を形成するために適切な核種は、制限されないで、123I、125I、130I、131I、133I、135I、47Sc、72As、72Sc、90Y、88Y、97Ru、100Pd、101mRh、119Sb、128Ba、197Hg、211At、212Bi、212Pb、109Pd、111In、67Ga、68Ga、67Cu、75Br、77Br、99mTc、14C、13N、15O、32P、33P、18Fを含む。これら放射性核種は、上記粒子内に(例えば、別個の種として)含まれ得、そして/またはこの粒子を形成するマクロ分子またはポリマーの一部分を形成する。
【0098】
本発明の別の局面は、このような粒子を作製するシステムおよび方法に関する。1つのセットの実施形態では、これら粒子は、1つ以上のポリマーを含む溶液を提供すること、およびこれら粒子を生成するためにこの溶液をポリマー非溶媒と接触することにより形成される。この溶液は、上記ポリマー非溶媒と混和性または非混和性であり得る。例えば、実施例で論議されるように、アセトニトリルのような水混和性液体が、上記ポリマーを含み得、そして粒子は、例えば、このアセトニトリルを制御された速度で水中に注ぐことにより、このアセトニトリルが水と接触されるときに形成される。上記溶液内に含まれるポリマーは、ポリマー非溶媒との接触に際し、次いで沈殿し得、ナノ粒子のような粒子を形成する。
【0099】
2つの溶液は、1つが他方に、周囲温度および圧力で、少なくとも10重量%のレベルまで可溶性でないとき、互いと「非混和性」または混和性でないといわれる。代表的には、有機溶液(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、ジメチルスルホキシドなど)および水性液体(例えば、水、まは溶解された塩もしくはその他の種、細胞または生物学的媒体、エタノールなどを含む水)は、互いに対して非混和性である。例えば、上記第1の溶液は、上記第2の溶液中に(適切な速度またはスピードで)注がれ得る。いくつかの場合には、ナノ粒子のような粒子は、上記第1の溶液が非混和性の第2の液体と接触するときに形成され得、例えば、接触の際のポリマーの沈殿は、上記第1の溶液が上記第2の液体中に注がれる間に、このポリマーがナノ粒子を形成するようにし、そしていくつかの場合には、例えば、導入の速度が注意深く制御され、そして比較的遅い速度で維持されるとき、ナノ粒子が形成し得る。このような粒子形成の制御は、慣用の実験のみを用いて当業者によって容易に最適化され得る。
【0100】
一旦、本発明の結合体が調製されると、それらは、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせられ得、本発明の別の局面に従って、薬学的組成物を形成する。当業者によって認識され得るように、これらキャリアは、以下に記載のような投与の経路、標的組織の位置、送達される薬物、薬物の送達の時間経過などに基づき選択され得る。
【0101】
本明細書で用いられるとき、用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、任意のタイプの、非毒性の、不活性な固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、またはカプセル化物質または処方補助物を意味する。Gennaro編、Mack Publishing、Easton、Pa.、1995によるRemington’s Pharmaceutical Sciencesは、薬学的組成物を処方することで用いられる種々のキャリア、およびその調製のための公知の技法を開示している。薬学的に受容可能なキャリアとして供され得る材料のいくつかの例は、制限されないで、ラクトース、グルコース、およびシュークロースのような糖;コーンスターチおよびポテトスターチのようなスターチ;セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースのようなセルロース誘導体;粉末化トラガント;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび座剤ワックスのような賦形剤;ピーナッツ油、綿実油のような油;ヒマワリ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油および大豆油;プロビレングリコールのようなグリコール;エチルオレエートおよびエチルラウレートのようなエステル;寒天;TWEEN80TMのような界面活性剤;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝化剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;およびリン酸緩衝液、ならびにその他の非毒性の適合性潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、フレーバリング剤および芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた、処方者の判断に従って上記組成物中に存在し得る。濾過またはその他の滅菌方法が実行可能でない場合、上記処方物は、無菌条件下で製造され得る。
【0102】
本発明の薬学的組成物は、経口経路および非経口経路を含む当該技術分野で公知の任意の手段によって患者に投与され得る。本明細書中でもちいられるとき、用語「患者」は、ヒトおよび非ヒトをいい、例えば、哺乳動物、鳥類、は虫類、両生類、および魚を含む。例えば、非ヒトは、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、霊長類、またはブタ)であり得る。特定の実施形態では、非経口経路が望ましい。なぜなら、それらは、消化管中に見出される消化酵素との接触をさけるからである。このような実施形態によれば、本発明の組成物は、注射(例えば、静脈内、皮下または筋肉内、腹腔内注射)によって、直腸から、膣から、局所的に(粉末、クリーム、軟膏、またはドロップ)、または吸入により(スプレーによるように)投与され得る。
【0103】
注射可能な調整物は、例えば、滅菌注射可能な水性または油性の懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用い、公知の技術に従って処方され得る。滅菌注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中、例えば、1,3−ブタンジオール中の滅菌注射可能な溶液、懸濁物またはエマルジョンであり得る。採用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、リンゲル溶液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来採用されている。この目的のために、任意のブランドの不揮発性油が採用され得、合成のモノ−まはジグリセリドを含む。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が、注射可能物の調製で用いられる。1つの実施形態では、本発明の結合体は、1%(w/v)のカルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1%(v/v)TWEENTM80を含むキャリア流体中で懸濁される。これら注射可能な処方物は、例えば、細菌−保持フィルターを通る濾過により、または滅菌水中に溶解または分散され得る滅菌固体組成物または使用前のその他の滅菌注射可能媒体の形態にある滅菌作用剤を取り込むことにより滅菌され得る。
【0104】
直腸または膣投与の組成物は、本発明の結合体を、適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、または座薬ワックス(これらは、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、そしてそれ故、直腸または膣空洞で溶解し、そして本発明の結合体を放出する)と混合することにより調製され得る。
【0105】
本発明の薬学的組成物の局所的または経皮的投与のための投薬形態は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、シロップ、吸入剤、またはパッチを含む。本発明の結合体は、滅菌条件下で、薬学的に受容可能なキャリア、そして要求され得るような任意の必要な保存剤または緩衝液と混合される。眼科処方物、点耳剤、および目薬がまた、本発明の範囲内で存在することが企図される。これら軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の発明的結合体に加え、賦形剤、例えば、動物脂肪および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、スターチ、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、珪酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含み得る。経皮パッチはまた、身体への化合物の制御された送達を提供する付加された利点を有する。このような投薬形態は、本発明の結合体を適正な媒体中に溶解または調剤することにより作製され得る。吸収エンハンサーがまた、皮膚を横切る化合物のフラックスを増加するために用いられ得る。速度は、速度制御膜を提供することによるか、またはポリマーマトリックスまたはゲル中の本発明の結合体を分散することによるかいずれかにより制御され得る。
【0106】
粉末およびスプレーは、本発明の発明的結合体に加え、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはそれらの混合物を含み得る。スプレーは、さらに、クロロフルオロハイドロカーボンのような慣用の推進剤を含み得る。
【0107】
経口的に投与されるとき、本発明の結合体は、必ずしもそうではないが、カプセル化され得る。種々の適切なカプセル化システムが、当該技術分野で公知である(Doubrow、Mにより編集された「Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy」、CRC Press、Boca Raton、1992;MathowitzおよびLanger J.Control.Release5:13、1987;Mathiowitzら、Reactive Polymers 6:275、1987;Mathiowitzら、J.Appl.Polymer Sci.35:755、1988;Langer Acc.Chem.Res.33:94、2000;Langer J.Control.Release 62:7、1999;Uhrichら、Chem.Rev.99:3181、1999;Zhouら、J.Control.Release 75:27、2001;およびHanesら、Pharm.Biotechnol.6:389、1995)。本発明の結合体は、生分解可能なポリマーマイクロスフェアまたはリポソーム内にカプセル化され得る。生分解性マイクロスフェアの調製で有用な天然および合成ポリマーの例は、炭水化物、例えば、アルギネート、セルロース、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミド、ポリホスファゼン、ポリプロピルフマレート、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、生分解性ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリ(オルトエステル)、およびその他の生分解性ポリエステルを含む。リポソーム産生において有用な脂質の例は、ホスファチジル化合物、例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴリピド、セレブロシド、およびガングリオシドを含む。
【0108】
経口投与のための薬学的組成物は、液体または固体であり得る。本発明の経口投与のために適切な液体投薬形態は、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップ、およびエリキシルを含む。カプセル化またはカプセル化されない結合体に加え、上記液体投薬形態は、例えば、水またはその他の溶媒のような当該技術分野で一般に用いられる不活性希釈剤、可溶化剤、および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生、コーン、子房、オリーブ、トウゴマ、およびゴマの油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含む。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、アジュバント、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、フレーバリング、および芳香剤を含み得る。本明細書で用いられるとき、「アジュバント」は、免疫応答の非特異的モデュレーターである任意の化合物をいう。特定の実施形態では、このアジュバントは、免疫応答を刺激する。任意のアジュバントが、本発明に従って用いられ得る。多くのアジュバント化合物が当該技術分野で公知である(Allison Dev.Biol.Stand.92:3−11、1998;Unkelessら、Annu.Rev.Immunol.6:251−281、1998;およびPhillipsら、Vaccine 10:151−158、1992)。
【0109】
経口投与のための固体投薬形態は、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒を含む。このような固体投薬形態では、カプセル化またはカプセル化されない結合体は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムのような、少なくとも1つの不活性な薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアおよび/または(a)スターチ、ラクトース、シュークロース、グルコース、マンニトール、および珪酸のような充填剤または増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、シュークロース、およびアカシアのようなバインダー、(c)グリセロールのような湿潤剤、(d)寒天−寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカスターチ、アルギン酸、特定の珪酸塩、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤、(e)パラフィンのような溶液遅延剤、(f)四級アミン化合物のような吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールのような湿潤剤、(h)カオリンおよびベントナイト粘土のような吸収剤、および(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物のような潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤、およびピルの場合には、投薬形態はまた、緩衝化剤を含み得る。
【0110】
類似のタイプの固体組成物がまた、ラクトースまたはミルクシュガーおよび高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いてソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルで、充填剤として採用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒の固体投薬形態は、腸溶被覆、および薬学的処方技術分野で周知のその他の被覆のような被覆またはシェルとともに調製され得る。
【0111】
本発明の結合体の正確な投薬量は、処置される患者を考慮して医師によって選択されることが認識される。一般に、投薬量および投与は、処置される患者に本発明の結合体の有効量を提供するように調節される。本明細書で用いられるとき、本発明の結合体の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起するために必要な量をいう。当該技術分野の当業者によって認識されるように、本発明の結合体の有効量は、所望の生物学的終点、送達される薬物、標的組織、投与の経路などのような因子に依存して変動し得る。例えば、抗癌薬物を含む本発明の結合体の有効量は、所望の時間の期間に亘り、所望の量により腫瘍サイズにおける減少を生じる量であり得る。考慮され得るさらなる因子は、疾患状態の重篤度;処理される患者の年齢、体重および性;投与の食餌、時間および頻度;薬物組み合わせ;反応感受性;および治療への耐性/応答を含む。
【0112】
本発明の結合体は、投与の容易さ、および投薬量均一性のための投薬量単位形態で処方され得る。本明細書で用いられるとき、表現「投薬量単位形態」は、患者が処理されるために適切な結合体の物理的に別個の単位をいう。しかし、本発明の組成物の合計の毎日の用法は、健全な医療的判断の範囲内で担当医によって決定される。任意の結合体について、治療的に有効な用量は、最初、細胞培養アッセイ、または動物モデル、通常、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタのいずれかで推定され得る。この動物モデルはまた、所望の濃度範囲および投与の経路を達成するために用いられ得る。このような情報は、次いで、ヒトにおける有用な用量および経路を決定するために用いられ得る。結合体の治療の効き目および毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順、例えば、ED50(この用量は、集団の50%で治療的に有効である)およびLD50(この用量は、集団の50%に致死的である)によって決定され得る。治療効果に対する毒性の用量比は、治療指数であり、そしてそれは、LD50/ED50の比で表現され得る。大きな治療指数を示す薬学的組成物は、いくつかの実施形態で有用であり得る。細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒト使用のための投薬量の範囲を処方することで用いられ得る。
【0113】
本発明はまた、キット中の上記で述べた組成物のいずれかを、必要に応じて、例えば、経口的、静脈内、ポンプまたは移植可能な送達デバイス、または薬物送達の別の投与の経路を経由して先に記載のような任意の適切な技法により本明細書に記載の任意の組成物を投与するための指示書とともに提供する。「指示書」は、促進の構成要素を規定し得、そして代表的には、本発明の組成物の梱包上またはそれに付随して書面の指示書を含む。指示書はまた、任意の様式で提供される任意の口頭または電子的指示書を含み得る。「キット」は、代表的には、本発明の組成物および上記指示書の任意の1つまたはそれらの組み合わせを含むパッケージを規定するが、また、本発明の組成物、およびこの組成物と組み合わせて、臨床専門家が、これら指示書が特定成分にともなうべきであることが明りょうに認識するような様式で提供される任意の形態の指示書を含み得る。
【0114】
本明細書中に記載されるキットはまた、1つ以上のコンテナを含み得、これは、先に記載のような本発明の組成物、およびその他の成分を含み得る。このキットはまた、いくつかの場合には、本発明の組成物を混合、希釈、および/または投与するための指示書を含み得る。このキットはまた、1つ以上の溶媒、界面活性剤、保存剤および/または希釈剤(例えば、規定生理食塩水(0.9%NaCl)、または5%デキストロース)を備えたその他のコンテナ、ならびにサンプル中、またはこのような処置の必要のある被験体に、上記成分を混合、希釈または投与するためのコンテナを含み得る。
【0115】
上記キットの組成物は、任意の適切な形態、例えば、液体溶液として、または乾燥粉末として提供され得る。この組成物が乾燥粉末として提供されるとき、この組成物は、これもまた提供され得る適切な溶媒の添加により再構成され得る。上記組成物の液体形態が用いられる実施形態では、上記液体形態は、濃縮され得るか、直ちに使用され得る。上記溶媒は、結合体、および使用または投与のモードに依存し得る。薬物組成物のために適切な溶媒は周知であり、例えば、先に記載されるように、そして文献において利用可能である。上記溶媒は、結合体、および使用または投与のモードに依存し得る。
【0116】
本発明はまた、別の局面では、本明細書中に記載される任意の結合体の投与の促進を含む。いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の組成物は、本発明の組成物の任意の1つの投与を経由して本明細書中に記載されるような種々の疾患の予防または処置のために促進される。本明細書で用いられるとき、「促進される」は、教育の方法、病院およびその他の臨床指示、薬学的販売を含む薬学産業活動、および本発明の組成物にともなう任意の形態の書面、口頭および電子通信を含む任意の広告またはその他の促進活動を含むビジネスをするすべての方法を含む。
【0117】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すことが意図されるが、本発明の全範囲を例示するのではない。
【実施例】
【0118】
(実施例1)
この実施例は、本発明の1つの実施形態による3ブロックポリマーのポリマー合成を示す。カルボキシ末端改変高分子量PLGA(HFIP、ヘキサフルオロ−2−プロパノール中0.6dL/gの固有粘度をもつ)は、Absorbable Polymers Internationalから購入した。二官能性PEG(NH2−PEG−COOH)は、Nektar Therapeuticsから購入した。アミン改変PSMAアプタマーは、RNA−TecNV(Leuven、Belgium)から購入した。すべてのその他の試薬は、Sigma Aldrichから購入した。
【0119】
PLGAおよびPEGの結合体は、EDCおよびNHSの存在下で達成された。簡単に述べれば、PLGA粒子は、アセトニトリル中に溶解された。PLGAのカルボキシ末端は、EDCおよびNHSに対するCOOHのモル比で、NHSおよびEDCと混合し、そして室温で一晩撹拌することにより活性化された。溶液中の過剰のEDCおよびNHSは、2−メルカプトエタノールを添加することによりクエンチされた。NHSで活性化されたPLGAは、エチルエーテルおよびメタノールを含む溶液中での沈殿、そして次いで3000g10分間の遠心分離により精製した。NH2−PEG−COOHのアミノ末端をNHS−活性化PLGAと結合するために、両方のポリマーは、1:1.3(PLGA−NHS:NH2−PEG−COOH)のモル比で一晩室温で混合された。得られるPLGA−PEG−COOHコポリマーは、エチルエーテル−メタノール溶液中の沈殿により精製された。
【0120】
PLGA−PEG−アプタマーの3ブロックコポリマーを作製するために、PLGA−PEGコポリマーを最初アセトニトリル中に溶解し、そしてアプタマーはDMSO(ジメチルスルホキシド)およびホルムアミド中に溶解した。COOH−PEG−PLGAのカルボキシ末端のアプタマーのアミノ末端との結合は、上記のPLGA−PEG結合反応について記載されたのと同じEDC/NHS反応を用いて行われた。
【0121】
ナノ粒子は、3ブロックコポリマーを水中で沈殿することにより形成された。簡単に述べれば、この3ブロックコポリマーを、アセトニトリル中に、1〜50mg/mLの間の濃度で溶解し、そして次に水中に滴下して添加した。ナノ粒子は、混合に際して直ちに形成された。懸濁物中の残存アセトニトリルは、この懸濁物を室温で4時間連続的に撹拌することによって蒸発させ、次いで超遠心分離を用いてこれらナノ粒子を洗浄し、そしてすすいだ。
【0122】
(実施例2)
この実施例は、標的化特定細胞、身体の組織、または器官のような適用のため;そして複数ブロックコポリマーの一部であり得る粒子表面上の「ステルス」材料の存在によって宿主免疫原性を最小にする能力を有し得;そして持続された速度で薬学的薬物を放出する能力を有し得る、所定の官能化表面を有する小スケール粒子(すなわち、ピコ、ナノまたはマイクロ粒子)を作り上げるための複数ブロックポリマーの合成を示す。これらの小粒子は、研究ツールとして、または診断、治療、または診断および治療適用の組み合わせのために特定細胞、組織、または器官を標的にするための臨床用途のための有用性を有し得る。この実施例はまた、ナノ粒子形成の前に、生体マクロ分子ブロックによるポリマーの予備官能化を示す。
【0123】
この実施例は、標的化のような特有の能力をもつ官能化粒子薬物送達システムを処方するために用いられ得る複数ブロックポリマーを合成するための技術プラットホームを示す。この複数ブロックポリマーは、その特異的レセプターに結合し得る特有の標的化分子、および投与に際し、持続速度で生物活性薬物を放出し得る生分解性ポリマー材料を含み;そしてまた、宿主免疫原性を最小にし得、そして/または循環半減期を増加し得る第3の有用性、すなわち「ステルス」材料を含み得る。さらなる分子は、蛍光剤のようなブロック中に組み込まれ得、組み合わされた造影および治療適用のための標的化された蛍光粒子を作り上げる。これら粒子は、この複数ブロックコポリマーを水性媒体中での沈殿によりナノサイズで生成され得る。この複数ブロックコポリマーシステム内の別個のポリマーの親水性および疎水性の差異の平均を利用し、ナノ粒子のコアを形成する複数ブロックシステムの疎水性成分中に薬物をカプセル化し得るナノ粒子が合成され得、その一方、ポリアルキレングリコールポリマーとともに、またはなくしてポリヌクレオチド(すなわち、アプタマー)またはポリペプチドのような親水性の標的化生体マクロ分子ポリマーは、ナノ粒子の表面上に存在し、単一ステップ合成または標的化ナノ粒子を得る。
【0124】
このようなナノ粒子は、皮膚、皮下、粘膜、筋肉内、眼、全身、経口、または肺投与後、それらの標的に到達し得る。この標的組織は、一般化された全身吸収、またはより特異的に、身体の別個の細胞、組織、または器官に粒子の標的化を代表し得る。このような標的化ナノ粒子の1つの特定の例は、癌の分野においてであり得る。腫瘍細胞上に存在するエピトープまたは抗原に対して惹起されている標的化分子を含む複数ブロックポリマーの全身投与により特異的および効率的腫瘍特異的標的化を達成することが可能である。このアプローチの成功は、癌に標的化されたナノ粒子の高スループット合成の予想に依存し得る。この実施例で示されるように、別個の、しかし、重複する生物物理学的および/または化学的特徴を備えた粒子のライブラリーを作り上げることにより、高い癌細胞標的特異性をもつナノ粒子が、所望の抗癌薬物放出動力学を備えてスクリーニングされ得る。それ故、この実施例で論議される複数ブロックポリマー合成プラットホームは、標的化された分子が、ステルスおよび薬物放出ポリマーと結合すること、そして次いで、所望のナノ粒子を周囲条件下で1ステップ反応に形成することを可能にする。
【0125】
この実施例は、標的化されたリガンドの生分解性ポリマー上への結合、および可能なかぎり1ステップ反応で官能化されたナノ粒子の形成を可能にするプラットホーム技術を記載する。ナノ粒子の組成物およびその表面性質は、正確に定量化され得る。本発明の可能な示唆は、ナノテクノロジーおよび癌の分野に広範に重要である。さらに、この実施例は、複数ブロックコポリマー、およびポリヌクレオチドまたはポリペプチドのような標的化送達のための生体マクロ分子であり得る、この複数ブロックの少なくとも1つの成分に関する。この実施例は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド(すなわち、アプタマー)とともに標的化され得る粒子の迅速合成のための複数ブロックコポリマーの合成を記載する。
【0126】
複数ブロックポリマーの合成は、官能化生分解性ポリマーの、制限されないでチオールの1つの末端への容易な結合のためのマレイミドまたはカルボン酸、アミンまたは類似の官能化されたポリエーテルのような化学基との結合によって開始される。ポリマーエステルおよびポリエーテルの結合は、制限されないで、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、およびアセトンを含む有機溶媒中で実施される。上記ポリエーテルの他方の遊離末端は、制限されないで、核酸、脂肪酸、ペプチド、炭水化物、ペプチドグリカン、または糖ペプチドのポリマーのような標的化分子のライブラリーへの結合のための化学基で官能化され得る。これらポリヌクレオチドは、特有のRNA、DNA、または、制限されないで、天然ヌクレオチドまたは2’−F、2’−OCH、2’−NH3を含む官能基の置換を有するヌクレオチド;またはL−エナンチオマーヌクレオチドを用いて生成されたポリヌクレオチド改変RNAもしくはDNAフラグメントを含み得る。標的化分子と上記ポリ−エステル−エーテルコポリマーとの間の結合反応は、制限されないで、ホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、およびジメチルスルホキシドのような有機溶媒中に可溶化された標的化分子を、上記に記載されたような溶媒中のポリ(エステル−エーテル)のコポリマーの溶液に添加することにより達成される。2つの結合反応の各々の後、非結合マクロマーは、制限されないで、エチルエーテル、ヘキサン、メタノールおよびエタノールのような溶媒中の目的のポリマーを沈殿することにより洗い流される。生分解性および生体適合性ポリマーポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリエチレングリコール(PEG)は、ポリ(エステル−エーテル)のブロックコポリマーのためのモデルとして用いられ得る。1つの例では、ヌクレアーゼ安定オリゴヌクレオチドが、前立腺癌細胞への標的化分子として、前立腺特異的膜抗原(PSMA)アプタマーのために用いられ得る。カルボン酸改変PLGA(PLGA−COOH)は、アミン改変ヘテロ二官能性PEG(NH2−PEG−COOH)に結合され得、そしてPLGA−PEG−COOHのコポリマーを形成する。アミン改変PSMAアプタマー(NH2−アプタマー)を用いることにより、3ブロックポリマーPLGA−PEG−アプタマーが、PEGのカルボン酸末端とアプタマー上のアミン官能基とを結合することにより得られ得る。この複数ブロックポリマーはまた、造影および診断用途のために有用であり得る。このような実施形態では、感光性または環境応答性化合物が、複数ブロックポリマーに連結され得る。
【0127】
標的化ナノ粒子は、この例では、水性環境中でのこの複数ブロックポリマーの沈殿により形成される。本明細書に記載されるナノ粒子処方物システムは、上記複数ブロックポリマーから生成されたナノ粒子を試験するための高スループット生物学的アッセイと適合する。インビボで異なる表面性質をもつナノ粒子の細胞アップデイトを決定するために高スループットアッセイを実施することが可能である。例として、コンビナトリアル方法が、上記複数ブロックポリマーの組成、およびナノ粒子処方物中のその混合比を変更すること、そしてそれによって、ペグ化ナノ粒子−アプタマー生体結合体の別個の処方物:ナノ粒子サイズ(複数ブロックポリマー中のPEGの分子量を変えることにより)、表面荷電(複数ブロックポリマー処方物を、末端カルボン酸基をもつPEGポリマーCOOH−PEG−PLGAと混合することにより)、表面親水性(複数ブロックポリマーを、種々の分子量の線状または分岐PEGポリマーと混合することにより)、および/またはナノ粒子表面上のアプタマーの密度(複数ブロックポリマーと、NH2−改変アプタマーに結合され得るメトキシ改変PEG(mPEG−PLGA)またはカルボン酸改変PEG(PLGA−PEG−COOH)との混合比を制御することにより)のライブラリーを生成することによって用いられ得る。複数ブロックコポリマーのこの例は、さらなる評価および特徴付けのためのナノ粒子のライブラリーの迅速かつ再現性のある合成を可能にする。
【0128】
(実施例3)
この実施例は、ナノ粒子表面上で発現されるアプタマーの量の決定を示す。ナノ粒子表面上で異なるリガンド密度を含むナノ粒子のライブラリーが、実施例1のアプタマーPEG−PLGAの3ブロックを、2ブロック溶液で希釈することにより処方され得ることが示すために、この3ブロックコポリマーは、PLGA−PEGの2ブロックコポリマー中で系列的に希釈され、そして水中で沈殿させた。ナノ粒子表面上のA10アプタマーリガンド密度を定量化するために、ナノ粒子表面上に残るA10アプタマーとPEGのカルボキシ官能基との間のアミド結合が塩基で加水分解され、そして回収されたRNAアプタマーの量が分光光度計により定量化された。ナノ粒子処方物中のアプタマー3ブロックを増加することは、ナノ粒子表面から回収されるアプタマーの量を直線的に増加したことが見出された。例えば、2ブロックに対するアプタマー3ブロックの比を0.02〜0.10に増加することは、ナノ粒子表面上のアプタマーの量を、100マイクログラムから450マイクログラムまで増加した。ナノ粒子表面から回収されたアプタマーリガンドの量を、NP処方物中に存在するアプタマーの量と比較することにより、アプタマー3ブロック処方物を増加することは、NP表面上で発現され得るアプタマーの合計比率を増加することが見出された。図9Aおよび9Bをインビトロおよびインビボ摂取研究と組み合わせることにより、リガンド表面密度の量が、所望の治療適用のために正確に制御され得る。例えば、インビトロナノ粒子摂取研究およびインビボ研究に基づき、2%の3ブロック処方物が、最小量の非特異的取り込みでLNCap前立腺癌腫瘍を標的にするに十分であったことが見出された。図9Aおよび9Bを用い、2%処方物中で約50%のアプタマーが、ナノ粒子表面上で発現され、これは、アプタマーのmgあたりアプタマーの約100マイクログラムに言い換えられる。
【0129】
上記ナノ粒子は以下のように調製された。異なる量のアプタマー−PEG−PLGA3ブロックコポリマーおよびPLGA−PEGコポリマーを含むナノ粒子が、水中で沈殿された。ナノ粒子の表面上のアプタマーを、ナノ粒子から加水分解され、超遠心分離によってナノ粒子から分離された。簡単に述べれば、ナノ粒子は、10mM KOH中、60℃で30分間インキュベートされた。塩基処理の前後のナノ粒子サイズを光散乱によってモニターした。この処理後のナノ粒子直径は、6〜8nmだけ減少したことが見出された。ナノ粒子表面から除去されたアプタマーは、超遠心分離によってナノ粒子コアから分離された。収集されたアプタマーの質量は、260nmでのUV吸収で分光光学的に決定された。ナノ粒子表面上で発現されたアプタマーの%は、NP処方物で用いられたアプタマー3ブロックコポリマーの総量によって除された、NP表面から分離されたアプタマーの量によって決定された。
【0130】
(実施例4)
この実施例では、良好に特徴付けられたナノ粒子処方物が、診療所における使用に適切な物理化学的性質、薬物放出動力学および安定性特徴とともに示される。ここで、化学療法薬物カプセル化生分解性ナノ粒子が示される。標的化されたナノ粒子の組成物は、以下の4つの成分から作製されている:ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、FDA認可制御放出ポリマーシステム、これは、薬物をカプセル化し、そしてそれを経済的に放出する(薬物拡散およびポリマー分解の両方によって仲介され得る性質である);ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ナノ粒子の循環半減期を増加し得るFDA認可ポリマー;薬物ドセタキセル(Dtxl)、臨床実践で広く使用されているFDA認可化学療法剤;および前立腺特異的膜抗原(PSMA)に高親和性および特異性で結合し得、PCa細胞の表面上および多くの腫瘍微小血管系上で顕著に上方制御され、そして細胞表面から基礎速度でリサイクルされ、標的細胞中へのナノ粒子−アプタマー生体結合物の摂取を可能にする、56塩基対のA10 2’−フルオロピリミジン、ヌクレアーゼ安定化RNAアプタマー(アプタマーと称される)。
【0131】
この例では、3ブロックコポリマー上のPLGAセグメントが、薬物をカプセル化するために用いられる生分解性マトリックスとして供され;PEGセグメントが、付着点を提供し、その一方、また、循環半減期を増加し;そしてA10アプタマーセグメントが、PSMA特異的標的化分子を表す。PLGA−PEG−Aptの3ブロックコポリマーが合成され、これは、水中で自己アセンブリし、ナノ粒子の表面上に官能化された分子をもつ薬物カプセル化ナノ粒子を形成した。それ故、ナノ粒子形成前にPLGA−PEGの2ブロックコポリマー上へのアプタマーの直接結合を可能にするアプタマー−PEG−PLGAの3ブロックコポリマーシステムが示される。この3ブロックコポリマー上のPLGAセグメントは、標的化部位で放出されるべき薬物をカプセル化するために用いられ得る生分解性の薬物送達マトリックスとして供され;PSMAアプタマーセグメントは、PSMA特異的標的化分子を代表し;そしてPEGは、粒子の受動的非特異的摂取を最小にすることによって循環半減期を増加する。プラットホーム技術として用いられ得るアプタマー−PEG−PLGAの3ブロックコポリマーを作製するこの技術は、産生時間および粒子表面改変後に観察されるナノ粒子バッチ毎の変動を最小にしながら、予備官能化されたナノ粒子の大スケール産生を行うために潜在的に適している。3ブロックコポリマーを用いて標的化されたナノ粒子を作製する別の利点は、3ブロックコポリマーを、所望の性質を含むその他のポリマーと単に混合することにより、異なる表面性質および化学的性質を備えた予備官能化されたナノ粒子の大バッチの高スループット合成を可能にすることである。
【0132】
ここで、水動力学的半径を備えたナノ粒子のライブラリーは、異なる組成のPLGA−PEGの2ブロックコポリマーを用いて生成された。図10中の3Dプロットに示されるように、ナノ粒子サイズは、PLGA−PEG分子量に直接比例し、それによって、PLGAおよび/またはPEG分子量を増加し、ナノ粒子のサイズを増加した。ナノ粒子サイズは、PEGに対してより、PGLA分子量に対してより感受性であった。PLGAおよびPEG末端上の官能基は、ナノ粒子サイズに対して影響を有さなかった。このプロットに基づき、適切なタイプのPLGA−PEGコポリマーが、アプタマー3ブロックコポリマーと混合するために選択され得、異なる粒子サイズをもつナノ粒子を生成する。
【0133】
合成プロセスの詳細が以下のように示される。カルボキシ末端改変高分子量PLGA(HFIP中で0.6dL/gの固有粘度を有する)をAbsorbable Polymers Internationalから購入した。二官能性PEG(NH2−PEG−COOH)は、Nektar Therapeuticsから購入した。アミン改変PSMAアプタマーは、RNA−TecNV(Leuven、Belgium)から購入した。すべてのその他の試薬は、Sigma Aldrichから購入した。
【0134】
PLGAおよびPEGの結合体は、EDCおよびNHSの存在下で達成された。簡単に述べれば、PLGA粒子は、アセトニトリル中に溶解された。PLGAのカルボキシ末端は、EDCおよびNHSに対するCOOHのモル比で、NHSおよびEDCと混合し、そして室温で一晩撹拌することにより活性化された。溶液中の過剰のEDCおよびNHSは、2−メルカプトエタノールを添加することによりクエンチされた。NHSで活性化されたPLGAは、エチルエーテルおよびメタノールを含む溶液中での沈殿、そして次いで3000g10分間の遠心分離により精製した。NH2−PEG−COOHのアミノ末端を、NHS−活性化PLGAと結合するために、両方のポリマーは、1:1.3(PLGA−NHS:NH2−PEG−COOH)のモル比で一晩室温で混合された。得られるPLGA−PEG−COOHコポリマーは、エチルエーテル−メタノール溶液中の沈殿により精製された。PLGA−PEG−アプタマーの3ブロックコポリマーを作製するために、PLGA−PEGコポリマーを最初アセトニトリル中に溶解し、そしてアプタマーはジメチルスルホキシドおよびホルムアミド中に溶解した。COOH−PEG−PLGAのカルボキシ末端のアプタマーのアミノ末端との結合は、上記のPLGA−PEG結合反応について記載されたのと同じEDC/NHS反応を用いて行われた。
【0135】
ナノ粒子は、3ブロックコポリマーを水中で沈殿することにより形成された。簡単に述べれば、この3ブロックコポリマーを、アセトニトリル中に、1〜50mg/mLの間の濃度で溶解し、そして次に水中に滴下して添加した。ナノ粒子は、混合に際して直ちに形成された。懸濁物中の残存アセトニトリルは、この懸濁物を室温で4時間連続的に撹拌することによって蒸発させ、次いで超遠心分離を用いてこれらナノ粒子を洗浄し、そしてすすいだ。ナノ粒子コア中に化学療法薬物をカプセル化するために、3ブロックコポリマーを、ドセタキセルおよびパクリタキセルのような疎水性の化学療法薬物と混合し、そして水中で沈殿させ、次いで、上記に記載されるのと同じ精製ステップを行った。
【0136】
(実施例5)
この実施例は、PEG化アプタマー−ナノ粒子生体結合体のLNCaP細胞への結合が、A10アプタマーを欠くコントロールペグ化ナノ粒子と比較したとき、顕著に増大されたことを示す(図7)。標的化されたナノ粒子は、アプタマーの3ブロックコポリマーを、異なる量のPLGA−PEGの2ブロックコポリマーと混合することにより処方された(図4A)。ナノ粒子は、14C−放射標識されたパクリタキセルとともに同時カプセル化された。PCa細胞により食作用されたナノ粒子の%は、これら細胞中で検出された14Cの放射活性の量によって定量された。PSMAタンパク質を発現しないPC3前立腺上皮細胞の場合には、結合における測定可能な差異は、生体結合体とコントロール群との間では観察されなかった(図11)。
【0137】
PSMAタンパク質をまさに発現するLNCaP細胞では、データは、LNCaP細胞中の標的化されたナノ粒子 対 非標的化ナノ粒子の結合における有意な増加を示した。注目に値する観察は、PC3細胞およびLNCaP細胞の両方への非標的化ナノ粒子における顕著に低い結合効率であり、恐らくは、PEG基の存在に起因する。さらに、この実施例はまた、ランダム核酸分子を用いて3ブロックコポリマーから作り上げられたナノ粒子が任意の標的化効果を有さず、そして非標的化ナノ粒子と同様に挙動したことを示した。
【0138】
図7は、インビトロでPCa細胞によるナノ粒子エンドサイトーシスの速度に対するナノ粒子表面上のアプタマー濃度の影響を示す。LNCaP細胞(これは、PSMAタンパク質を発現する;左の棒)およびPC3細胞(これは、PSMAタンパク質を発現を発現しない;右の棒)は、表面上に異なる濃度のアプタマー濃度を備えたナノ粒子の存在下で6ウェルの組織培養プレート中で生育された。各処方物は、PLGA−PEG−アプタマーの3ブロックを異なる量のPLGA−PEGの2ブロックコポリマーと、粒子形成前に混合することにより得た。PSMA細胞特異的取り込みは、ナノ粒子内にカプセル化されたDtxlおよび痕跡量の14C−パクリタキセルを有するナノ粒子を用いて4時間後に定量された(14C−Dtxlは商業的に入手可能ではなく、そしてビヒクル最適化は、Dtxlとともに14C−パクリタキセルで実施されたことに注目のこと)(n=5)。このデータは、ナノ粒子の処方物中の0.1%の3ブロックほどで本発明者らは、標的化効果を観察し始め、そしてこの標的化効果は、処方物中で5%の3ブロックを用いた後におしなべて頭打ちになった点で重要であった。このポイントの後の3ブロックのさらなる使用は、ナノ粒子表面上のPEGのマスキングを生じ、これは、粒子のクリアランスを加速し得、そしてこれら粒子をより「ステルス」にしない。
【0139】
この実施例では、3ブロックナノ粒子の細胞摂取を示すために、種々の比率の3ブロックコポリマーで作製されたアプタマー媒介されたナノ粒子が、LNCap(PSMA+)およびPC3(PSMA−)細胞上に接種された。簡単に述べれば、500,000LNCap細胞およびPC3細胞が、6−ウェル組織培養プレートに接種され、そして37℃で一晩インキュベートされた。粒子表面上に異なる濃度のアプタマーをもつナノ粒子を、アプタマー3ブロックコポリマーをPLGA−PEGの2ブロックコポリマーで希釈することにより処方した。これらナノ粒子は、ドセタキセルおよび14C放射標識されたパクリタキセルでカプセル化された。PCa細胞により食作用されたナノ粒子の%は、これら細胞中で検出された14Cの放射活性の量によって定量された。コントロールは、アプタマーの3ブロックコポリマーなくして作製されたナノ粒子であり、そしてナノ粒子は、非標的化DNA3ブロックコポリマーを用いて作製された。これらなの粒子処方物を、LNCapおよびPC3細胞上に37℃で2時間の間接種した。細胞を次いで3×PBSですすぎ、培養培地から非結合ナノ粒子を除去した。ナノ粒子取り込みを定量するために、細胞をトリプシン処理し、そしてシンチレーションカクテルを含むガラスバイアル中に集めた。集められた細胞中の放射活性の量は、TriCarbシンチレーショカウンターを用いることにより検出された。
【0140】
(実施例6)
この実施例は、マウスにおけるLNCap腫瘍細胞をインビボで標的化することを示す。ヒト異種移植片前立腺腫瘍を、8週齢balb/cヌードマウス(Charles River Laboratories、Wilmington、MA、USA)中に誘導した。マウスに、右横腹に、培地およびマトリゲル(BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ、USA)の1:1混合物中に懸濁された4百万LNCap細胞を皮下注射した。腫瘍誘導における使用の前に、LNCap細胞は、10%の胎児ウシ血清、100単位/mLのペニシリンG、および100mg/mLのストレプトマイシンで補填したRPMI−1640培地中で培養した。腫瘍標的化研究は、マウスが100mgの腫瘍を発症した後に実施された。20匹のマウスを、4つの群にランダムに分けた(5%アプタマー3ブロックナノ粒子、2%アプタマー3ブロックナノ粒子、5%非官能化DHA3ブロック、3ブロックなしのナノ粒子)。腫瘍内注入のため、マウスをアベチンの腹腔内注射(200mg/kg体重)により麻酔し、そして腫瘍内に異なるナノ粒子処方物を投薬した。全身投与のためには、ナノ粒子は、後眼窩注射によって投与された。これらナノ粒子は、投与の前に、14C−パクリタキセルをカプセル化することによりトレースされた。異なる群は、24時間に安楽死され、そして200mLの血液が各マウスから心臓穿刺によって引き抜かれた。腫瘍、心臓、肺、肝臓、脾臓および腎臓が、各動物から回収された。組織の14C含量は、Packard Tri−Carb Scintillation Analyser(Downers Grove、IL、USA)中でアッセイされた。これら組織は、Solvable(Packard)中で可溶化され、そして活性は、Hionic−Fluorシンチレーションカクテル(PerkinElmer、Boston、MA、USA)中でカウントされた。各マウスからの肝臓は、その大きなサイズ故ホモゲナイズされ、そして100mgの組織が、分析のためにシンチレーションバイアル中に配置された。その他の器官は、シンチレーションバイアル中に直接配置された。各器官を、2mL溶媒中で12時間60℃で可溶化し、そして得られる溶液を200mLの過酸化水素で1時間60℃で脱色した。血液については、400mLのSolvableを添加し、そしてバイアルは、そうでなければ、上記組織と同様に処理された。100%用量を決定するために、処方されたナノ粒子のバイアルは、上記組織に沿ってカウントされた。データは、組織のグラムあたり注射された用量の%として呈示される。
【0141】
図8Aで観察されるように、これらナノ粒子は、腫瘍内注射でのこれらマウス中の腫瘍に高度に標的化されたが、全身注入ではより少ない標的化が観察された(図8B)。図8Cは、アプタマー処方物の関数として、組織のグラムあたりの注射された用量の%を示す。
【0142】
ここで図11を再び参照して、インビボで前立腺癌腫瘍を標的化することに対するアプタマー表面密度の影響を調べるために、放射標識されたナノ粒子を用いる生体分布研究が実施された。ナノ粒子処方物は、図2Bの実施形態スキームスライドに従って実施された。簡単に述べれば、アプタマー3ブロックは、3H放射標識PLGA(図3B中の成分A),および14C放射標識パクリタキセル(脂肪親和性薬物)と予備混合された。この放射標識されたPLGAおよびパクリタキセルは、これら粒子および薬物の生体分布をそれぞれトレースするために用いられた。変動する濃度の3ブロックをもつ標的化ナノ粒子の全身投与は、ナノ粒子の最大標的化が、5%の3ブロックナノ粒子処方物で達成されたことを確認した。より高い濃度の3ブロックコポリマーで実施された類似の実験は、腫瘍標的化における減少を示した。なぜなら、これら粒子は、恐らく、ナノ粒子表面上のPEG層の過剰なマスキングの次の初期クリアランスをより受けやすいからである。さらに、ナノ粒子が、ランダム核酸分子を用いる3ブロックコポリマーから作り上げられたその他の実験では、これらが任意の標的化効果を有さず、そしてインビボで非標的化ナノ粒子に類似して挙動した。別の重要な知見は、ナノ粒子表面上のアプタマーリガンド発現を増加することは、ナノ粒子肝臓保持を増加したことであった。この知見は、ナノ粒子表面上のアプタマーリガンド密度が、ナノ粒子表面が肝臓濾過をバイパスするために十分なステルス被覆を有することを確実にしながら、腫瘍特異的標的化を達成するために正確に制御されなければならないことを示唆した。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書中で説明し、そして例示したが、当業者は、本明細書中に記載される、種々のその他の手段、および/または機能を実施するための構造および/または結果を得ること、および/または1つ以上の利点を容易に想定し、そしてこのような変更および/または改変の各々は、本発明の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載されるすべてのパラメーター、寸法、材料、および形態が例示であり、しかも、実際のパラメーター、寸法、および/または形態が、本発明の教示が用いられる特定の適用または複数の適用に依存することを容易に認識する。当業者は、慣用の実験より多くを用いることなく、本明細書中に記載される本明細書の特定の実施形態の多くの等価物を認識、または確認する。従って、前述の実施形態は、例によってのみ呈示され、添付の請求項およびそれの等価物の範囲内で、本発明が詳細に記載され、そして請求項に記載されるのとは別の方法で実施され得ることが理解されるべきである。本発明は、本明細書中に記載される各々個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2つ以上の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が、互いに不一致でない場合、本発明の範囲内に含まれる。
【0144】
本明細書中で規定され、そして用いられるすべての記述は、辞書の記述、参考として援用される文献中の記述、および/または記述される用語の通常の意味を超えて管理することが理解されるべきである。
【0145】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、不定冠詞「a」および「an」は、そうでないことが明りょうに示されなければ、「少なくとも1つ」を意味することが理解されるべきである。
【0146】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、語句「および/または」は、そのように同時連結される要素の「いずれか、または両方」、すなわち、いくつかの場合には連結して存在し、そしてその他の場合には連結されずに存在する要素を意味することが理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じ様式であると解釈されるべきであり、すなわち、「1つまたはそれ以上」の要素がそのように同時連結される。その他の要素は、必要に応じて、特定して識別されるような要素に関連または非関連にかかわらず、「および/または」語句によって特定して識別される要素の他に存在し得る。それ故、非制限的な例として、「Aおよび/またはB」への参照は、「包含する」のような制限のない言語と組み合わせて用いられるとき、1つの実施形態ではAのみに言及し(必要に応じてB以外の要素を含み);別の実施形態ではBのみに言及し(必要に応じてA以外の要素を含み);なお別の実施形態ではAおよびBの両方に言及し(必要に応じてその他の要素を含む);など。
【0147】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、「または」は、上記で記載されるような「および/または」と同じ意味を有することが理解されるべきである。例えば、列挙中で項目を分離するとき、「または」または「および/または」は、包括的、すなわち、少なくとも1つを含むが、また要素の数または列挙の1つ以上を含み、そして必要に応じて列挙されないさらなる項目を含むとして解釈されるべきである。「1つのみ」もしくは「正確に1つの」、または、請求項で用いられるとき、「からなる」のような、反対であることが明りょうに示される用語のみが、要素の数または列挙のまさに1つの要素を含むことをいう。一般に、本明細書中で用いられるとき、用語「または」は、「いずれか」、「1つの」、「唯一の」、または「正確に1つの」、のような排除する用語によっ先行されるとき、限定的代替(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない」)を示すとして解釈されるに過ぎない。請求項で用いられるとき「本質的になる」は、特許法の分野で用いらるその通常の意味を有する。
【0148】
本明細書中および請求項中で、ここにおいて用いられるとき、1つ以上の要素の列挙を参照する語句「少なくとも1つ」は、要素の列挙中の任意の1つ以上の要素から選択されるが、要素の列挙内に詳細に列挙される各要素およびすべての要素の少なくとも1つを含む必要は必ずしもないが、要素の列挙中の要素の任意の組み合わせを排除しない少なくとも1つを意味することが理解されるべきである。この規定はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する要素の列挙内で特定して識別される要素以外に、特定して識別されるような要素に関連するか、関連しないかにかかわらず、要素が必要に応じて存在し得ることを可能にする。それ故、非制限的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、等価に、「AまたはBの少なくとも1つ」または等価に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態では、Bが存在しないで(そして必要に応じてB以外の要素を含む)必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのA;別の実施形態では、Aが存在しないで(そして必要に応じてA以外の要素を含む)必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのB;なお別の実施形態では、必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのA、および必要に応じて1つ以上を含む少なくとも1つのB(そして必要に応じてその他の要素を含む);などをいい得る。
【0149】
そうでないことが明りょうに示されなければ、1つ以上のステップまたは行為を含むここで請求項に記載される任意の方法において、この方法のステップまたは行為の順序は、この方法のこれらステップまたは行為が記載される順序に必ずしも制限されないことが理解されるべきである。
【0150】
上記の請求項において、および明細書において、「包含する」、「含む」、「保持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保有する」、「構成される」などの中間語句は、制限がない、すなわち、制限されないで含むことを意味すると理解されるべきである。中間語句「からなる」および「本質的になる」のみが、それぞれ、米国特許商標庁特許審査手順マニュアル、セクション2111.03に呈示されるように、制限があるか、またはほぼ制限がある語句である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
本発明の非制限的な実施形態は、添付の図面を参照して例によって記載され、これら図面は概略であり、そしてスケール通りであることは意図されない。図面において、示される各々の同一またはほぼ同一の成分は、代表的には、単一の数によって表される。当業者が本発明を理解するために説明が必要ではない場合、明りょうさのために、すべての図面ですべての成分が標識されているわけではなく、本発明の各実施形態のすべての成分が示されているわけではない。
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態による、高度に制御された性質を有するナノ粒子のライブラリーを生成する方法を示す概略図である。
【図2A】図2Aは、粒子を生成するために有用な、本発明の特定の実施形態の種々のポリマーの概略図を示す。
【図2B】図2Bは、粒子を生成するために有用な、本発明の特定の実施形態の種々のポリマーの概略図を示す。
【図2C】図2Cは、粒子を生成するために有用な、本発明の特定の実施形態の種々のポリマーの概略図を示す。
【図3A】図3Aは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図3B】図3Bは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図3C】図3Cは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図3D】図3Dは、本発明の特定の実施形態の種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図4A】図4Aは、本開示の別の実施形態による、2つ以上のポリマーを含む種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図4B】図4Bは、本開示の別の実施形態による、2つ以上のポリマーを含む種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図4C】図4Cは、本開示の別の実施形態による、2つ以上のポリマーを含む種々のポリマー粒子の概略図を示す。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態によって形成されたナノ粒子の概略図である。
【図6】図6は、本発明のなお別の実施形態において、アプタマーを有するナノ粒子を示す概略図である。
【図7A】図7Aは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ活性を示す。
【図7B】図7Bは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ活性を示す。
【図8A】図8Aは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ標的化を示す。
【図8B】図8Bは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ標的化を示す。
【図8C】図8Cは、本発明のなお別の実施形態で生成されたアプタマー含有ナノ粒子のインビトロ標的化を示す。
【図9A】図9Aは、本発明のなお別の実施形態におけるナノ粒子表面上のアプタマーの量の決定を示す。
【図9B】図9Bは、本発明のなお別の実施形態におけるナノ粒子表面上のアプタマーの量の決定を示す。
【図10】図10は、本発明の別の実施形態における、ナノ粒子サイズと分子量との間の関係を示す。
【図11】図11A〜Dは、本発明のなお別の実施形態に従う、アプタマー含有ナノ粒子のインビトロ活性化を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって:
約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、該粒子が、生体適合性ポリマーを含む第1の部分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2の部分を含むマクロ分子を含み、該成分が、該粒子の内部で本質的にゼロでない濃度を有する、組成物。
【請求項2】
前記成分が、少なくとも約1000Daの分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記成分が、約1000Daを超えない分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記マクロ分子が、ブロックコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記マクロ分子が、両親媒性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記マクロ分子の少なくとも一部分が、生分解性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記マクロ分子の少なくとも一部分が、加水分解可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記生体適合性ポリマーが、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記標的化成分が、ポリペプチドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記標的化成分が、アプタマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記標的化成分が、前立腺特異的膜抗原に特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記標的化成分が、抗体または抗体フラグメンクトを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記標的化成分が、細胞表面レセプターに特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記標的化成分が、生物学的実体に特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子が、前記生体適合性ポリマーを含み、そして前記成分を含まない第2のマクロ分子をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記粒子が、薬物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記薬物が、疎水性である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記粒子が、核酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記粒子が、ペプチドまたはタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記粒子が、ドセタキセルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記粒子が、酵素を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記粒子が、約150nmより小さい平均特徴寸法を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記ブロックコポリマーが、ポリ(アルキレングリコール)を含む第3のブロックをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記ポリ(アルキレングリコール)が、ポリ(エチレングリコール)を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記粒子が:
前記マクロ分子を含む溶液を提供する工程;および
該粒子を生成するために該溶液をポリマー非溶媒と接触する工程、を包含するプロセスによって作製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記マクロ分子を含む溶液が有機溶媒であり、そして前記ポリマー非溶媒が水溶液である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
所望の性質を備えたナノ粒子を作り上げる方法であって:
第1の生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子を提供する工程;
第2の生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を提供する工程;
該第1のマクロ分子および該第2のマクロ分子を異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、該第1のマクロ分子および該第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する工程;および
1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子の該ライブラリーからナノ粒子を識別する工程、を包含する、方法。
【請求項28】
前記第1の生体適合性ポリマーが、前記第2の生体適合性ポリマーと実質的に同じである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のポリマーが、ポリ(エチレングリコール)をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のポリマーが、ポリ(エチレングリコール)をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の生体適合性ポリマーが、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記ナノ粒子を形成することの前に、薬物を添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記薬物が、ドクリタキセルである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ナノ粒子を形成することの前に、干渉RNAを添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記ナノ粒子を形成することの前に、ペプチドまたはタンパク質を添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記ナノ粒子を形成することの前に、酵素を添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
ライブラリーを生成する方法であって:
繰り返しユニットを有する第1のブロック、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のブロックを含む第1のマクロ分子を提供する工程;
第1の繰り返し単位を含むが、該標的化成分を含まない第2のポリマーを提供する工程;および
該第1のマクロ分子および該第2のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、該第1のマクロ分子と該第2のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する工程、を包含する、方法。
【請求項38】
組成物であって:
約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子であって、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む粒子を含み;
ここで、該第1のマクロ分子が、第1の生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むブロックコポリマーであり;
そしてここで、該第2のマクロ分子が、ポリ(アルキレングリコール)および該第1の生体適合性ポリマーから区別可能な第2の生体適合性ポリマーを含むブロックコポリマーである、組成物。
【請求項39】
組成物であって:
約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子であって、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む表面を有する粒子を含み、該第1のマクロ分子が、第1の長さを有する第1のポリ(アルキレングリコール)鎖、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして該第2のマクロ分子が、該第1の長さとは異なる第2長さを有するポリ(アルキレングリコール)鎖を含む、組成物。
【請求項1】
組成物であって:
約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子を含み、該粒子が、生体適合性ポリマーを含む第1の部分、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2の部分を含むマクロ分子を含み、該成分が、該粒子の内部で本質的にゼロでない濃度を有する、組成物。
【請求項2】
前記成分が、少なくとも約1000Daの分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記成分が、約1000Daを超えない分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記マクロ分子が、ブロックコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記マクロ分子が、両親媒性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記マクロ分子の少なくとも一部分が、生分解性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記マクロ分子の少なくとも一部分が、加水分解可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記生体適合性ポリマーが、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記標的化成分が、ポリペプチドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記標的化成分が、アプタマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記標的化成分が、前立腺特異的膜抗原に特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記標的化成分が、抗体または抗体フラグメンクトを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記標的化成分が、細胞表面レセプターに特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記標的化成分が、生物学的実体に特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子が、前記生体適合性ポリマーを含み、そして前記成分を含まない第2のマクロ分子をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記粒子が、薬物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記薬物が、疎水性である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記粒子が、核酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記粒子が、ペプチドまたはタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記粒子が、ドセタキセルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記粒子が、酵素を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記粒子が、約150nmより小さい平均特徴寸法を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記ブロックコポリマーが、ポリ(アルキレングリコール)を含む第3のブロックをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記ポリ(アルキレングリコール)が、ポリ(エチレングリコール)を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記粒子が:
前記マクロ分子を含む溶液を提供する工程;および
該粒子を生成するために該溶液をポリマー非溶媒と接触する工程、を包含するプロセスによって作製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記マクロ分子を含む溶液が有機溶媒であり、そして前記ポリマー非溶媒が水溶液である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
所望の性質を備えたナノ粒子を作り上げる方法であって:
第1の生体適合性ポリマー、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第1のマクロ分子を提供する工程;
第2の生体適合性ポリマーを含む第2のマクロ分子を提供する工程;
該第1のマクロ分子および該第2のマクロ分子を異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、該第1のマクロ分子および該第2のマクロ分子の異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する工程;および
1つ以上の所望の性質を有するナノ粒子の該ライブラリーからナノ粒子を識別する工程、を包含する、方法。
【請求項28】
前記第1の生体適合性ポリマーが、前記第2の生体適合性ポリマーと実質的に同じである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のポリマーが、ポリ(エチレングリコール)をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のポリマーが、ポリ(エチレングリコール)をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の生体適合性ポリマーが、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記ナノ粒子を形成することの前に、薬物を添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記薬物が、ドクリタキセルである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ナノ粒子を形成することの前に、干渉RNAを添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記ナノ粒子を形成することの前に、ペプチドまたはタンパク質を添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記ナノ粒子を形成することの前に、酵素を添加することをさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
ライブラリーを生成する方法であって:
繰り返しユニットを有する第1のブロック、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含む第2のブロックを含む第1のマクロ分子を提供する工程;
第1の繰り返し単位を含むが、該標的化成分を含まない第2のポリマーを提供する工程;および
該第1のマクロ分子および該第2のポリマーを異なる比で含む混合物からナノ粒子を形成することにより、該第1のマクロ分子と該第2のポリマーの異なる比を有するナノ粒子のライブラリーを生成する工程、を包含する、方法。
【請求項38】
組成物であって:
約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子であって、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む粒子を含み;
ここで、該第1のマクロ分子が、第1の生体適合性ポリマー、ポリ(アルキレングリコール)、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含むブロックコポリマーであり;
そしてここで、該第2のマクロ分子が、ポリ(アルキレングリコール)および該第1の生体適合性ポリマーから区別可能な第2の生体適合性ポリマーを含むブロックコポリマーである、組成物。
【請求項39】
組成物であって:
約1マイクロメーターより小さい平均特徴寸法を有する粒子であって、第1のマクロ分子および第2のマクロ分子を含む表面を有する粒子を含み、該第1のマクロ分子が、第1の長さを有する第1のポリ(アルキレングリコール)鎖、および標的化成分、造影成分、キレート成分、複数荷電基を有する成分、および治療成分からなる群から選択される成分を含み、そして該第2のマクロ分子が、該第1の長さとは異なる第2長さを有するポリ(アルキレングリコール)鎖を含む、組成物。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−537541(P2009−537541A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511056(P2009−511056)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/011748
【国際公開番号】WO2007/133807
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー (233)
【出願人】(504412945)ザ ブライハム アンド ウイメンズ ホスピタル, インコーポレイテッド (54)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/011748
【国際公開番号】WO2007/133807
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー (233)
【出願人】(504412945)ザ ブライハム アンド ウイメンズ ホスピタル, インコーポレイテッド (54)
【Fターム(参考)】
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