説明

歌唱順位表示システム

【課題】歌唱力を競うための所定のカラオケ楽曲について、競争の対象となる全ての利用者の歌唱後、利用者一同が、あたかもレース展開を見るように歌唱採点に基づく順位の途中変動を鑑賞できるようにし、さらに、楽曲中の各部分における優劣も判断できるシステムの提供。
【解決手段】利用者ID取得手段(1)と、歌唱採点手段(2)と、採点値管理手段(3)と、歌唱順位表示手段(4)とを備え、歌唱順位表示手段(4)は、各利用者の歌唱後、予め複数の採点区間に分割された所定のカラオケ楽曲の演奏進行に従い、各採点区間に対応させ、当該区間から最初の区間までの各区間の採点値を利用者毎に積算し、順次、この採点積算値に基づく利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の利用者がカラオケ演奏装置の歌唱採点機能を利用し、その歌唱採点に基づく順位を表示するためのシステムに関し、さらに詳しくは、歌唱力を競うための所定のカラオケ楽曲について、全ての利用者の歌唱後、あたかもレース展開を見るように歌唱採点に基づく順位の途中変動を鑑賞できるようにしたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の通信カラオケシステムでは、利用者の歌唱力の巧拙を自動採点するための歌唱採点機能を有したものが数多く普及している。この歌唱採点機能とは、利用者の歌唱音声と予め用意されたファレンスとを比較して、所定のアルゴリズムにて評価して採点するものである。例えば、リファレンスとして、音高・音程・タイミング・音量などを比較要素とし、その差異に基づき採点値を算出するもので、通常、一楽曲の演奏終了時に、総合的な採点値が表示される。
【0003】
このような歌唱採点機能に関して、従来から、様々な技術が想到されてきた。例えば、特許文献1では、歌唱音声から音高・音量・リズムなどの音楽要素を抽出し、これをリファレンスデータと比較することで採点し、特に、サビやクライマックスなどといった区分にて、楽曲を複数の採点区間に分割して採点することによって、歌唱の特徴を明確にする技術が開示されている。
【0004】
そして、このような客観的で自動的に歌唱力が評価される機能を利用し、従来では、利用者同士が歌唱力を競えるようなシステムに関する技術が多々想到されてきた。例えば、カラオケボックスの部屋同士で歌唱力を競うシステムや、紅白歌合戦のようにチームを編成して歌唱力競うシステムなどである。特に、複数の利用者間での勝敗や優劣について、利用者の興味を引くように表示するシステムに関する技術も想到されている。例えば、特許文献2では、歌唱者用の領域を設け、これを増減することで、モニタ画面上の映像の変化により相対的または絶対的な優劣を容易に判断できる技術が開示され、また、特許文献3では、歌唱採点機能を利用し、カラオケ個人戦を実施する際のスコアの記入や集計を支援するカラオケ競技用スコアボード装置に関する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3261990号公報
【特許文献2】特開平09−160574号公報
【特許文献3】特開2003−295872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数の利用者がカラオケ演奏装置の歌唱採点機能を利用し、所定のカラオケ楽曲について、その歌唱採点に基づく順位を競う際、従来では、その最終的な採点結果のみが参酌され、途中経過が比較されることなく順位が表示されていた。これでは、利用者は、順位が表示された時点でのみ興味を掻き立てられるものの、あたかもレース展開を見るように順位の途中変動を鑑賞できる興奮は味わえない。さらに、利用者間での歌唱力の相対比較の中で、楽曲中における何れかの部分について、各部分における優劣を判断することもできない。
【0007】
そこで、本発明は、歌唱力を競うための所定のカラオケ楽曲について、競争の対象となる全ての利用者の歌唱後、利用者一同が、あたかもレース展開を見るように歌唱採点に基づく順位の途中変動を鑑賞できるようにし、さらに、楽曲中の各部分における優劣も判断できるシステムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を鑑み、本発明者らは、予め複数の採点区間に分割された所定のカラオケ楽曲について、歌唱力を競う全ての利用者の歌唱後、当該楽曲の演奏進行に従い、それぞれの採点区間毎に、当該区間から最初の区間までの各区間の採点値を積算し、順次、この採点積算値に基づく利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させるシステムをもって、上記課題を解決できることを見出し、本発明の歌唱順位表示システムを想到した。
【0009】
すなわち、本発明の請求項1記載の歌唱順位表示システムは、複数のカラオケ利用者間での歌唱採点に基づく順位を、所定の方式にて表示するためのシステムであって、利用者ID取得手段と、歌唱採点手段と、採点値管理手段と、歌唱順位表示手段とを具備してなり、
(ア)利用者ID取得手段は、順位の対象となる利用者を登録するための利用者IDを取得し、
(イ)歌唱採点手段は、予め複数の採点区間に分割された所定のカラオケ楽曲について、それぞれの区間毎に、前記登録された各利用者の歌唱音声を評価して採点値を算出し、
(ウ)採点値管理手段は、各利用者の前記採点区間毎の採点値を所定の区間別採点管理テーブルに記録して管理し、
(エ)歌唱順位表示手段は、各利用者の歌唱後、前記楽曲の演奏進行に従い、前記区間別採点管理テーブルにおける各採点区間に対応させ、当該区間から最初の区間までの各区間の採点値を利用者毎に積算し、順次、この採点積算値に基づく利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させる、
ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2記載の歌唱順位表示システムは、請求項1記載のシステムにおいて、さらに同期再演奏手段を具備してなり、当該同期再演奏手段は、前記一覧表示の際、それぞれの採点区間毎の一覧表示に対応するように同期を取りながら、前記楽曲の再演奏も同時に行うように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1記載の歌唱順位表示システムによれば、楽曲の演奏進行に従い、それぞれの採点区間毎に、当該区間から最初の区間までの各区間の採点値を積算し、順次、この採点積算値に基づく利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させることから、利用者一同が、あたかもレース展開を見るように歌唱採点に基づく順位の途中変動を鑑賞できるため、各利用者が大きな興奮を味わえると共に、楽曲中の各部分における優劣も判断できるため、歌唱力向上のための糸口になるなどといった効果を奏する。
【0012】
さらに、本発明の請求項2記載の歌唱順位表示システムによれば、一覧表示の際、それぞれの採点区間毎の一覧表示に対応するように同期を取りながら、楽曲の再演奏も同時に行うことにより、楽曲中の採点区間の歌唱部分が明瞭に分かると共に、より臨場感を持ってレース展開を見るような雰囲気が味わえるなどといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の歌唱順位表示システムにつき好適な実施例を挙げ、先ず、図1に示す、本発明のシステムを備えたカラオケ演奏装置のブロック構成図と、図2に示す、歌唱音声の採点機能ブロック構成図に基づき説明する。
【実施例1】
【0014】
現在の通信カラオケ演奏装置は一種のコンピュータ応用機器で、図1は、本発明のシステムを備えたカラオケ演奏装置(P)のハードウエア主体の構成例を示している。具体的には、中央制御手段(6)は、CPU・RAM・ROMなどを含んだコンピュータ本体とも言えるもので、各機能手段を統括的に制御する。さらに、大容量の記憶手段として、ハードディスク装置(7)やCD/DVD−ROMを再生する光ディスク装置(8)を備えている。その他に、所定のVPN(Virtual Private Network)を介してカラオケホスト装置と通信するための通信制御装置(11)や、利用者からの操作入力処理や利用者に向けての応答をする操作処理手段(13)、MP3形式の録音データやMIDI形式の音楽演奏データなどに基づいて伴奏音楽の音響信号を生成する音楽生成手段(10)や、伴奏音楽やカラオケマイク(M)からの音響信号をミキシングし、これを増幅してスピーカ(S)から放音するための音響装置(12)、CRTやLCDあるいはPDPなどを用いた表示手段(D)や、この表示手段(D)に表示すべき映像データや画像データを処理するための映像処理手段(6)などを備えている。なお、操作処理手段(13)は、短距離無線通信手段(IrDA・赤外線LED・赤外線受光素子など)を備えたリモコン装置(R)に対応すると共に、装置本体の操作パネルにも対応するように構成されている。
【0015】
ここで、本実施例における各機能手段の概要について、先ず、利用者ID取得手段(1)から説明する。この利用者ID取得手段(1)は、当該カラオケ演奏装置(P)を利用し、これと所定のカラオケホスト装置(図示省略)とをネットワーク接続してなる通信カラオケシステムへログインした利用者IDを取得して利用者を特定すると共に、本発明における順位の対象となる利用者の登録にも利用されるもので、所定の操作によって利用者識別用インタフェイスが形成される。なお、本実施例の利用者ID取得手段とは、具体的には、非接触のICモジュールを搭載したIDカードの読み取り/書き込み装置であり、カードIDに紐付けされた利用者IDを特定するものである。ただし、本発明はこれに限らず、例えば、ICモジュールを携帯電話に内蔵させたIC機能付き携帯電話や、近距離無線通信手段であるブルートゥース(blue tooth)機構を有する携帯電話、あるいは、パスワードの入力装置や指紋や声紋などの生体識別機能に依る機構の利用者ID取得手段を利用しても構わない。
【0016】
次に、歌唱採点手段(2)について詳述する。現在では、歌唱力の自動採点方法としては様々なものが実用化されており、本発明では、特に限定されるものではない。一例として、図2に歌唱音声の採点機能ブロック構成図を挙げる。この歌唱採点手段(2)は、所定のアルゴリズムに基づき、デジタル処理で音声信号を処理するもので、具体的には、歌唱音声の採点時、カラオケ演奏時に楽曲データから読み出されるMIDIデータから構成されたガイドメロディデータをリファレンス(43)として採用し、中央制御手段(6)は、このMIDIデータを周波数データおよび音量データに変換して歌唱採点手段(2)に入力させる。
【0017】
そして、カラオケマイクから入力された歌唱音声信号は、A/Dコンバータ(20)によってデジタル波形データに変換され、抽出部(21)にて所定の採点要素の波形データから歌唱周波数データと歌唱音量データを抽出する。この抽出された各データを比較部(22)に入力し、ガイドメロディのリファレンス(23)の周波数データと音量データとを比較して、その差分データを割り出す。また、歌唱音量データとガイドメロディ音量データからは歌唱発音時のタイミングの差分に基づいてリズム差分データを割り出し、この差分データが中央制御手段(6)に入力される。中央制御手段(6)は、この差分データも蓄積記憶し、その平均値や標準偏差などにも基づき、これらを総じて採点値を算出するが、本発明では、予め複数の採点区間に分割された所定のカラオケ楽曲について、それぞれの区間毎に、利用者ID取得手段(1)をもって登録された各利用者の歌唱音声を評価して採点値を算出する。
【0018】
採点値が算出されると、図1に示す、採点値管理手段(3)は、得られた各利用者の採点区間毎の採点値を、ハードディスク装置(7)内に設けられた区間別採点管理テーブル(T)に記録して管理する。そして、歌唱順位表示手段(4)は、各利用者の歌唱後から所定時間経過後に自動的、あるいは任意の利用者の指示操作をもって、当該楽曲の演奏進行に従い、区間別採点管理テーブル(T)における各採点区間に対応させ、当該区間から最初の区間までの各区間の採点値を利用者毎に積算し、順次、この採点積算値に基づく利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを、映像処理手段(9)をもって一覧表示させる。
【0019】
以下、図3に示す、カラオケ演奏装置が付帯するリモコン装置の外観斜視図と、図4に示す、利用者別ログイン・ログアウト指示のインタフェイス表示画面と、図5に示す、順位表記のための区間別採点管理テーブルの概念図に基づき、本発明について、さらに詳述する。
【0020】
先ず、図3に示すように、本実施例のリモコン装置の正面には、IDカードの読み取り/書き込み装置から構成された利用者ID取得手段(1)が設けられると共に、タッチセンサを積層した液晶ディスプレイを主体としたGUI(Graphical User Interface)環境が提供され、これが利用者インタフェイス(Rd)を形成している。一般的なカラオケ利用では、通常、このGUIによる対話を通じて楽曲索引データベースを検索し、その結果を表示出力させることで選曲機能を実現している。
【0021】
そして、図4には、その利用者別ログイン・ログアウト指示用インタフェイス表示画面が示されている。この表示画面には、利用者別顔写真付きボタン列(30)や、当該通信カラオケシステムへのログインをするための「ログイン」ボタン(31)あるいは、利用終了時にログアウトをするための「ログアウト」ボタン(32)などが設けられている。その操作法に従えば、先ず、利用者は「ログイン」ボタン(32)を選択した後、利用者ID取得手段に自らのIDカードを装填することにより、これに紐付けされた利用者IDが取得されると同時に、当該カラオケシステムへログインした利用者IDを取得して利用者を特定する。
【0022】
利用者が特定されると、カラオケホスト装置(図示省略)に予め登録された利用者の顔写真あるいは予め登録されていない場合、リモコン装置付帯のデジタルカメラ機能を使って撮影した利用者の顔写真を新たに登録し、順次、所定の利用者別顔写真付きボタン(30a)が利用者毎に掲載された利用者識別用インタフェイスが作成される。したがって、利用者が楽曲を予約登録する過程において、この利用者別顔写真付きボタンを選択することで、その利用者IDが付与されて演奏予約が行われる他、現在では、演奏予約の他に、ゲームや占いなどの附属コンテンツの利用者登録などにも利用されている。そして、本発明の歌唱順位表示システムでも、この機能を利用して、所定の操作手順に従い、利用者別顔写真付きボタンを選択することで、歌唱力を競う利用者を登録できる。
【0023】
次に、図5は、順位表記のための区間別採点管理テーブルの概念図である。なお、本実施例では、利用者A・利用者B・利用者Cの3名が歌唱力を競う対象者として登録されている。この区間別採点管理テーブル(T)は、利用者を特定するための「利用者ID」フィールド(f1)と、予め複数に分割(本実施例では「8分割」)された各採点区間を特定するための「採点区間コード」フィールド(f2)と、所定の歌詞文字からなる単位を順番に番号付けしてそれぞれをフレーズとして定義し、各採点区間の構成をフレーズ番号で示した「構成フレーズ」フィールド(f3)と、各採点区間の採点値を示す「採点値」フィールド(f4)と、当該採点区間から最初の区間までの各区間の採点値の積算を示す「採点積算値」フィールド(f5)と、この採点積算値に基づき、当該採点区間までの各利用者の歌唱力の順位を示す「順位」フィールド(f6)などから主に構成されている。そして、歌唱順位表示手段は、各利用者の歌唱後、楽曲の演奏進行に従い、この区間別採点管理テーブル(T)における各採点区間に対応させ、利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させる。
【0024】
以下、図6に示す、映像処理手段の概略的ブロック構成図と、図7に示す、利用者間順位表記の一覧表示の表示例図と、図8に示す、利用者間順位を見立てたグラフィックスの一覧表示の表示例図に基づき、本発明における、利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスの一覧表示について詳述する。
【0025】
本発明における、利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスの一覧表示は、従来、カラオケ演奏装置に付帯されている歌詞テロップの背景映像へのスーパーインポーズ機構を利用すれば良く、例えば、図6に示すように、映像処理手段(9)は、主に、ビデオRAM(9a)、D/A変換器(9b)、合成回路(9c)からなり、歌唱順位表示手段(4)は、ハードディスク装置(7)内の区間別採点管理テーブル(T)を参照し、各採点区間までの順位表記を抽出し、上記区間別採点管理テーブルにおける各採点区間に対応させ、楽曲の演奏進行に従い、始めの区間から、シーケンシャル処理をもって順次、ビデオRAM(9a)にイメージデータとして書き込み、D/A変換器(9b)はこれをアナログ信号に変換して合成回路(9c)に供給する。合成回路(9c)では、この順位表記イメージデータを光ディスク装置(8)から出力される、予め用意された歌唱順位表示用背景画像にスーパーインポーズして表示手段にて映像出力する。
【0026】
さらに、本実施例では、同期再演奏手段(5)も備えており、この同期再演奏手段(5)は、順位の一覧表示の際、それぞれの採点区間を構成する上記各フレーズに対応させるように同期を取りながら、楽曲の再演奏も同時に行うように楽音生成手段(10)を制御する。なお、同期再演奏手段(5)は、演奏開始タイミングを合わせた後、通常の演奏速度で演奏するように制御し、歌唱順位表示手段(4)が、その演奏速度と同期を取りながら、歌唱区間毎の一覧表示をするように制御しても構わない。因みに、順位の一覧表示のデータブロックは、歌詞テロップのデータブロックと同様に、文字列情報および表示レイアウト情報や、表示タイミングおよび消去タイミングを規定する表示シーケンス情報などとの論理的集合体により制御され、表示シーケンス情報の時間分解能は10ミリ秒程度である。
【0027】
本発明では、利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させるが、ここで、その表示例を示す。先ず、図7は、利用者間順位表記の一覧表示であり、この表示画面は、歌唱力を競う対象となった楽曲名を示す楽曲名表示欄(41)や、各利用者の採点区間毎(「ブロック」として表記)の順位の一覧表示欄(42)や、各採点区間に対応して表示される歌詞テロップ(43)などにて構成されている。さらに、本実施例では、この歌詞テロップの色変わりの歌詞文字に対応させて、採点区間毎の順位を表示させるため、各採点区間が歌詞のどの部分に相当するかが、一目で分かるように構成されている。なお、この際、本実施例では、同期再演奏手段により、楽曲の再演奏も同時に行われているが、本発明では必ずしも演奏させる必要はない。
【0028】
次に、図8は、利用者間順位を見立てたグラフィックスの一覧表示であり、この表示画面も、図7と同様に、歌唱力を競う対象となった楽曲名を示す楽曲名表示欄(51)や、各利用者の採点区間毎の採点積算値を馬レースの走行距離に対応させた順位の一覧表示欄(52)や、各採点区間に対応した歌詞テロップ(53)などにて構成されているが、一覧表示欄(52)では、レースとしての雰囲気を盛り上げるように、利用者の顔写真が付加された馬の画像(走行しているように変化する)をもって、レース状況の順位を見立てたグラフィックスが表示される。このような構成により、利用者は、あたかもレース展開を見るように歌唱採点に基づく順位の途中変動を鑑賞できるため、大きな興奮を味わえると共に、楽曲中の各部分における優劣も判断できる。
【0029】
以上、詳述したように、本発明の歌唱順位表示システムによれば、楽曲の演奏進行に従い、それぞれの採点区間毎に、当該区間から最初の区間までの各区間の採点値を積算し、順次、この採点積算値に基づく利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させることから、利用者一同が、あたかもレース展開を見るように歌唱採点に基づく順位の途中変動を鑑賞できるため、各利用者が大きな興奮を味わえると共に、楽曲中の各部分における優劣も判断できるため、歌唱力向上のための糸口になる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のシステムを備えたカラオケ演奏装置のブロック構成図。
【図2】歌唱音声の採点機能ブロック構成図。
【図3】カラオケ演奏装置が付帯するリモコン装置の外観斜視図。
【図4】利用者別ログイン・ログアウト指示のインタフェイス表示画面。
【図5】順位表記のための区間別採点管理テーブルの概念図。
【図6】映像処理手段の概略的ブロック構成図。
【図7】利用者間順位表記の一覧表示の表示例図。
【図8】利用者間順位を見立てたグラフィックスの一覧表示の表示例図。
【符号の説明】
【0031】
1 利用者ID取得手段
2 歌唱採点手段
3 採点値管理手段
4 歌唱順位表示手段
5 同期再演奏手段
6 中央制御手段
7 ハードディスク装置
9 映像処理手段
10 楽音生成手段
11 通信制御手段
T 区間別採点管理テーブル
P カラオケ演奏装置
R カラオケリモコン装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラオケ利用者間での歌唱採点に基づく順位を、所定の方式にて表示するためのシステムであって、利用者ID取得手段と、歌唱採点手段と、採点値管理手段と、歌唱順位表示手段とを具備してなり、
(ア)利用者ID取得手段は、順位の対象となる利用者を登録するための利用者IDを取得し、
(イ)歌唱採点手段は、予め複数の採点区間に分割された所定のカラオケ楽曲について、それぞれの区間毎に、前記登録された各利用者の歌唱音声を評価して採点値を算出し、
(ウ)採点値管理手段は、各利用者の前記採点区間毎の採点値を所定の区間別採点管理テーブルに記録して管理し、
(エ)歌唱順位表示手段は、各利用者の歌唱後、前記楽曲の演奏進行に従い、前記区間別採点管理テーブルにおける各採点区間に対応させ、当該区間から最初の区間までの各区間の採点値を利用者毎に積算し、順次、この採点積算値に基づく利用者間の順位表記ないし当該順位を見立てたグラフィックスを一覧表示させる、
ことを特徴とする歌唱順位表示システム。
【請求項2】
さらに同期再演奏手段を具備してなり、当該同期再演奏手段は、前記一覧表示の際、それぞれの採点区間毎の一覧表示に対応するように同期を取りながら、前記楽曲の再演奏も同時に行うように制御することを特徴とする請求項1記載の歌唱順位表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−34106(P2007−34106A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−220035(P2005−220035)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】