説明

止水性ポリウレタンフォーム

【課題】低密度でも高い止水性能を安定して得ることができる高性能止水性ポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】ポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタンフォーム原料を発泡させてなる止水性ポリウレタンフォームにおいて、ポリオールとしてダイマー酸ポリオールを用い、イソシアネートとしてMDIを用いた止水性ポリウレタンフォーム。ダイマー酸ポリオールを用いることによる撥水性の向上とセルの微細化による止水性の向上効果と、MDIを用いることによる高硬度化とセルの微細化による耐水圧性の向上効果との相乗効果で、特にセルの著しい微細化により、低密度フォームであっても、著しく高い止水性能を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は止水性ポリウレタンフォームに係り、特に低密度でも高い止水性能を安定して得ることができる高性能止水性ポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車、住宅、建築、土木等の分野で用いられる止水性シーリング材としては、ポリウレタンフォームが広く利用されており、シーリング材用ポリウレタンフォームとして、各種のものが提案されている。
【0003】
例えば、ポリオール成分として、撥水性の高いダイマー酸ポリオールやヒマシ油ポリオールを使用したポリウレタンフォームシーリング材(特公平2−55470号公報)や、ポリオールとしてポリプロピレングリコール(PPG)系ポリオールを用い、イソシアネートとして、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いた止水性ポリウレタンフォームシーリング材(特許第3777504号公報)等が提案されている。
【特許文献1】特公平2−55470号公報
【特許文献2】特許第3777504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各種の産業分野で使用される止水性ポリウレタンフォームにあっては、本来の高止水性能はもちろんのこと、低密度でも安定した止水性能を発揮することが望まれる。即ち、低密度フォームであれば、シーリング材のコストを低減することができ、また、シーリング構造の軽量化にも有効である。
【0005】
しかしながら、従来においては低密度フォームで安定した高止水性能を発揮し得る止水性ポリウレタンフォームは提供されておらず、その開発が望まれていた。
【0006】
従って、本発明は、低密度でも高い止水性能を安定して得ることができる高性能止水性ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ダイマー酸ポリオールとMDIとの組み合わせによって、より低密度での止水性能の向上を図ることができることを見出した。
【0008】
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0009】
[1] ポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタンフォーム原料を発泡させてなる止水性ポリウレタンフォームにおいて、該ポリオールがダイマー酸ポリオールを主体とし、該イソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを主体とすることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0010】
[2] [1]において、前記ポリウレタンフォーム原料が、樹脂化活性に対する泡化活性の値(以下「活性比」と称す。)が30×10−1以上の泡化アミン触媒を含むことを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0011】
[3] [1]又は[2]において、前記ポリウレタンフォーム原料が、前記泡化アミン触媒以外のアミン触媒を含まないことを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0012】
[4] [2]又は[3]において、前記ポリウレタンフォーム原料中の前記泡化アミン触媒の含有量がポリオール100重量部に対して0.01〜3.0重量部であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0013】
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記ポリウレタンフォーム原料が反応型シリコーンを含むことを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0014】
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、密度が40kg/m以下であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0015】
[7] [1]ないし[6]のいずれかにおいて、通気性が10cc/cm/sec.以下であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0016】
[8] [1]ないし[7]のいずれかにおいて、セル数が40個/25mm以上であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0017】
[9] [1]ないし[8]のいずれかにおいて、硬度(25%硬度)が100N以上であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【0018】
[10] [1]ないし[9]のいずれかにおいて、前記ポリウレタンフォーム原料の撥水剤の含有量が、ポリオール100重量部に対して0〜10重量部であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ダイマー酸ポリオールを用いることによる撥水性の向上とセルの微細化による止水性の向上効果と、MDIを用いることによる高硬度化とセルの微細化による耐水圧性の向上効果との相乗効果で、特にセルの著しい微細化により、低密度フォームであっても、著しく高い止水性能を得ることができる。
【0020】
ところで、イソシアネートとしてMDIを用いた場合、反応が速くしかも不安定であるために発泡が困難であるとされていたが、本発明では、特に触媒として、樹脂化活性に対する泡化活性の値(活性比)が30×10−1以上の泡化アミン触媒を用いることにより、特にこのような泡化アミン触媒のみを多量に用いて泡化アミン触媒以外のアミン触媒を不使用とすることによる反応制御で、円滑かつ安定な発泡を行うことができる(請求項2〜4)。
【0021】
また、本発明による止水性能の向上効果は、特に、整泡剤として反応型シリコーンを用いることにより、より一層有効に発揮される(請求項5)。
【0022】
また、ポリウレタンフォーム原料がポリオール100重量部に対して10重量部を超える撥水剤を含むと、ポリウレタンフォーム自体の物性が低下するため、本発明に係るポリウレタンフォーム原料は、撥水剤を含まないか、或いは、撥水剤を含む場合であっても、ポリオール100重量部に対して10重量部以下であることが好ましい(請求項10)。
【0023】
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、密度40kg/m以下の比較的低密度品であっても優れた止水性能を示し、シーリング材の低コスト化に有効であり、また、通常、セルの微細化により、40個/25mm以上のセル数で、100N以上の高硬度と10cc/cm/sec.以下の低通気性を示す(請求項6〜9)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の止水性ポリウレタンフォームの実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、ポリオールとしてダイマー酸ポリオールを用い、イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用い、これらを反応させて得られるが、通常、ポリオール、イソシアネートの他に、触媒、発泡剤、整泡剤を含むポリウレタンフォーム原料を発泡反応させて得られる。
【0026】
[ポリウレタンフォーム原料]
<ポリオール>
本発明において、ポリウレタンフォーム原料のポリオールとして、ダイマー酸ポリオール(ダイマー酸ポリエステルポリオール)を用いる。
【0027】
ダイマー酸とは、二塩基性酸で、2つの一塩基性脂肪鎖(通常は炭素数18)が、炭素−炭素の共有結合により、二分し結合して得られる分子量が2倍の二塩基性酸を云う。その代表的な化合物としては、リノール酸、オレイン酸を加熱することによって得られる、以下に示す構造式のものなどが挙げられる。
【0028】
【化1】

【0029】
ダイマー酸ポリオールは、このようなダイマー酸と短鎖のジオール、トリオール、又はポリオールとの反応生成物であり、ダイマー酸ポリエステル;ダイマー酸とポリアルキレングリコール、ポリアルキレントリオール又は長鎖のポリオールとの反応生成物;ダイマー酸にその他のポリカルボン酸例えばアジピン酸を混合したものに前記各種のジオール、トリオール又はポリオールを反応させた反応生成物;ダイマー酸とアルキレンオキサイドとの反応生成物又はそれらの混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0030】
ダイマー酸ポリオールの数平均分子量は1000〜10000であることが好ましく、また、その水酸基価は11.2〜180mg−KOH/gであることが好ましい。
これらのダイマー酸ポリオールは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0031】
本発明においては、ポリオールとして、ダイマー酸ポリオール以外のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール等のポリオールを併用しても良いが、この場合、ダイマー酸ポリオールを用いることによる本発明の効果を有効に得る上で、全ポリオール成分中のダイマー酸ポリオールの割合は80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上とすることが好ましく、特に、ダイマー酸ポリオールのみを用いることが好ましい。
【0032】
<イソシアネート>
本発明においては、ポリウレタンフォーム原料のイソシアネートとして、MDIを用いる。MDIとしては特に限定されるものではなく、その分子量分布の広狭を問わず用いることができ、例えば、純(ピュア)MDI(4,4’−MDI)、ポリメリックMDI、粗(クルード)MDIなどを好適に用いることができる。
【0033】
イソシアネートとしては、MDIと共に、トリレンジイソシアネート等の他のイソシアネートを併用しても良いが、この場合、MDIを用いることによる本発明の効果を有効に得る上で、全イソシアネート成分中のMDIの割合は80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上とすることが好ましく、特に、MDIのみを用いることが好ましい。
【0034】
<触媒>
触媒としては、アミン系触媒が好適に用いられる。
アミン系触媒には、泡化アミン触媒と泡化アミン触媒以外の触媒とがあり、通常、これらが混合して用いられるが、泡化アミン触媒以外のアミン触媒を用いると、MDIを用いた場合の反応制御が困難であることから、泡化アミン触媒を用いることが好ましく、特に、泡化アミン触媒以外のアミン触媒を不使用として、泡化アミン触媒のみを多量に用いることが好ましい。
【0035】
ここでは泡化アミン触媒とは、樹脂化活性に対する泡化活性の活性比(泡化活性/樹脂化活性)が30×10−1以上のものとし、例えば、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
【0036】
泡化アミン触媒以外のアミン触媒とは、上記活性比が30×10−1未満のアミン触媒とし、トリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0037】
これらのアミン系触媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0038】
なお、触媒としては、上記泡化アミン触媒の他、アミン触媒ではない触媒、例えば有機金属触媒を、泡化アミン触媒に対して10〜80重量%程度併用しても良い。有機金属触媒等のアミン触媒以外の触媒は、アミン触媒で反応を調整した後の製造プロセス調整等の微調整のために用いられる。
【0039】
<整泡剤>
整泡剤としては、特に制限はないが、本発明においては、反応型シリコーンを用いることにより、より一層の止水性能の向上を図ることができ、好ましい。
【0040】
反応型シリコーンとしては特に制限はないが、下記一般式(I)〜(III)で表されるような、水酸基含有反応性シリコーン化合物が挙げられる。(以下において、Rはアルキレン基を表す。)
【0041】
【化2】

【0042】
このような主鎖或いは側鎖に1個以上のOH基を有する反応性シリコーンは、シリコーンオイルをアルコール変性することにより得られる。
【0043】
整泡剤としては上記反応型シリコーンのみを用いても良く、反応型シリコーン以外の整泡剤を用いても良く、これらの2種以上を併用しても良い。
【0044】
<発泡剤>
発泡剤としては、水、メチレンクロライド等の従来公知の一般的な発泡剤を用いることができるが、好ましくは水が用いられる。
【0045】
<その他の添加物>
本発明に係るポリウレタンフォーム原料は、上記ポリオール、イソシアネート、触媒、整泡剤、発泡剤以外に、通常、ポリウレタンフォームの製造に用いられる各種の添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、顔料等の着色剤、炭酸カルシウム等の充填材、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物質、抗菌剤などが挙げられる。
【0046】
なお、ポリウレタンフォーム原料には、得られるポリウレタンフォームの止水性の向上のために、ポリブテン等の撥水剤が配合される場合があるが、撥水剤を多量に配合すると、ポリウレタンフォームの物性が低下するため、撥水剤は用いないか、或いは、撥水剤を用いる場合には、ポリウレタンフォーム原料中のポリオール100重量部に対して10重量部以下とすることが好ましい。
【0047】
<ポリウレタンフォーム原料配合>
本発明に係るポリウレタンフォーム原料配合は特に次のような割合として、イソシアネートはイソシアネートインデックスが80〜120となるように用いることが好ましい。
【0048】
ポリオール:100重量部
触媒、特に泡化アミン触媒:0.01〜3.0重量部
発泡剤、特に水:1.0〜5.0重量部
整泡剤:特に反応型シリコーン:0.5〜10.0重量部
【0049】
上記範囲よりもイソシアネートインデックスが高いと、反応熱により安全性の問題が生じ、少ないとポリウレタンフォームの硬度が低下し、止水性能が損なわれる。
【0050】
また、上記範囲よりも触媒、特に泡化アミン触媒が多いと反応が速くなり製造が困難となり、少ないと反応が進まず、ポリウレタンフォームが得られない。
【0051】
また、上記範囲よりも発泡剤、特に水が多いと反応熱により安全性への問題が生じ、少ないと密度が高くなりコストダウン及び軽量化が共に出来なくなる。
【0052】
また、上記範囲よりも整泡剤、特に反応型シリコーンが多くてもそれ以上の添加効果が得られず、コスト面でも実用的ではない。少ないと発泡時のセルが維持出来ず、良好なフォームが得られない。
【0053】
[製造方法]
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、上述のようなポリウレタンフォーム原料を用いて、常法に従って製造することができる。
【0054】
ポリウレタンフォーム原料の混合方法は、通常行なわれているワンショット法、プレポリマー法のいずれでも良い。
【0055】
また、発泡によるポリウレタンフォームの製造方法は、スラブストック法、スプレー塗布やロールによる塗布などのキャスティング法、型内で成形するモールド法、細いノズルからキャストするデイスペンサー法等を採用することができる。
【0056】
[物性]
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、好ましくは、以下の物性を有する。
なお、これらの物性の測定方法は、後述の実施例の項に示す通りである。
【0057】
<密度>
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、低密度でも十分な止水性能を有することから、その密度は、40kg/m以下程度の比較的低密度のものとすることができる。密度が40kg/mを超えると、低密度フォームとすることによりコストの低減を図る本発明の目的を達成し得ない。なお、止水性ポリウレタンフォームの密度が15kg/mより小さいと、生産時に温度が上がり、安全面上問題があるため、15kg/m以上とすることが好ましい。
【0058】
<硬度>
本発明の止水性ポリウレタンフォームの硬度(25%硬度)は、上記密度範囲において100N以上であることが好ましい。硬度が100N未満では止水性能が低下する。
【0059】
<通気性>
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、そのセルの微細化により10cc/cm/sec.以下の通気性であることが好ましい。このような低通気性であることにより、優れた止水性能が得られる。
【0060】
<セル数>
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、そのセルの微細化により、セル数40個/25mm以上の微細なセル構造を有することが好ましい。セル数が40個/25mm未満では、セル内への吸水が起こることでシール材としての高止水性能を得ることができない。
【0061】
<止水性能>
本発明の止水性ポリウレタンフォームの止水性能は、前述の密度範囲において、後述の止水試験合格の優れた止水性能を示す。
【0062】
[用途]
このような本発明の止水性ポリウレタンフォームは、自動車、住宅、建築、土木等の幅広い産業分野において、止水性シーリング材として有効に用いることができるが、特に、自動車等の車両用空調機のパッキング材として、その低密度、高止水性能により、製品品質の向上と、価格の低減、製品の軽量化を図ることができる。
【実施例】
【0063】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0064】
なお、以下の実施例及び比較例で用いたポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
【0065】
<ポリオール>
ダイマー酸ポリオール:花王社製「エディーフォームE−404」
数平均分子量:2500
水酸基価:75mg−KOH/g
PPG系ポリオール:三洋化成工業社製「サンニックスGP3000S」
数平均分子量:3000
水酸基価:56mg−KOH/g
<イソシアネート>
TDI:三井化学ポリウレタン社製「コスモネートT80」
クルードMDI:住化バイエルウレタン社製「44V20」
<触媒>
泡化アミン触媒:東ソー社製「TOYOCAT−ET33B」ビス(2−ジメチルアミ
ノエチル)エーテル
泡化アミン触媒以外のアミン触媒1:東ソー社製「TEDA L33」トリエチレンジ
アミン
泡化アミン触媒以外のアミン触媒2:東ソー社製「TOYOCAT−TFB」トリエチ
レンジアミンベース(有機カルボン酸配合)
有機金属触媒:日本化学産業社製「ニッカオクチックススズ」オクチル酸スズ
<整泡剤>
反応型シリコーン:東レダウコーニング社製「CF1218」カルボキシ変性オルガノ
シリコーン
<撥水剤>
ポリブテン:新日本石油化学社製「HV−100」(平均分子量980)と同「LV−
100」(平均分子量500)の混合品
【0066】
また、得られたポリウレタンフォームの評価方法は次の通りである。
<密度>
JIS K 6400に準拠して評価した。
<25%硬度>
JIS K 6400に準拠して評価した。
<通気性>
JIS L 1004のフラジール型により、フォーム厚さを10mmとして測定した。
<C.Set(圧縮残留歪)>
JIS K 6400に準拠して評価した。
<セル数>
ブロックの成長方向により水平裁断した試験片を実体顕微鏡により観察して測定し、25mmの長さの範囲にあるセル数をかぞえ、3点の測定値の平均値を求めた。
【0067】
<止水性>
図1,2に示すように、10mm厚みのフォームサンプル1をU字型に打ち抜いたもの(図2参照)を2枚のアクリル板2,2間に、50%の圧縮状態で挟み、このU字体内に水3を所定高さH(=100mm)で入れ、水圧による漏水時間を測定することにより、評価した。なお、図中4はスペーサー、5はボルトである。24時間保持後も漏水しないものを合格とする。
【0068】
<実施例1,2、比較例1〜5>
表1に示すポリウレタンフォーム原料配合にて、ワンショット法により混合、発泡し、得られたポリウレタンフォームの評価結果を表1に示した。
【0069】
【表1】

【0070】
表1より、本発明によれば、極めて止水性能に優れた止水性ポリウレタンフォームが得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】止水試験の装置を示す内部透視斜視図である。
【図2】フォームサンプルを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 フォームサンプル
2 アクリル板
3 スペーサー
4 ボルト
5 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール及びイソシアネートを含むポリウレタンフォーム原料を発泡させてなる止水性ポリウレタンフォームにおいて、
該ポリオールがダイマー酸ポリオールを主体とし、
該イソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを主体とすることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項2】
請求項1において、前記ポリウレタンフォーム原料が、樹脂化活性に対する泡化活性の値(以下「活性比」と称す。)が30×10−1以上の泡化アミン触媒を含むことを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記ポリウレタンフォーム原料が、前記泡化アミン触媒以外のアミン触媒を含まないことを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記ポリウレタンフォーム原料中の前記泡化アミン触媒の含有量がポリオール100重量部に対して0.01〜3.0重量部であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ポリウレタンフォーム原料が反応型シリコーンを含むことを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、密度が40kg/m以下であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、通気性が10cc/cm/sec.以下であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項において、セル数が40個/25mm以上であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項において、硬度(25%硬度)が100N以上であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、前記ポリウレタンフォーム原料の撥水剤の含有量が、ポリオール100重量部に対して0〜10重量部であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−173806(P2009−173806A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15230(P2008−15230)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】