説明

止水装置における環状体の補強装置

【課題】高伸縮性と可撓性を有する環状体を使用する止水装置において、凹凸形状の可撓構造から成る上記環状体の外圧に対する強度を高める。
【解決手段】管路の補修のために管本体の内壁を覆って止水する環状体と、環状体を加圧して管本体10の内壁に固定する固定板とを具備する止水装置について、環状体11は連続した複数個の凹凸形状の縦断面形状から成る可撓構造を有し、弾力性素材を用いて形成されており、また、上記可撓構造を構成する凹凸形状22と1か所以上で係合する凸凹部24を片面に有し、他面に平坦部26を有する補強プレート25・・・を少なくとも1個用意し、上記補強プレートの凸凹部にて可撓構造部分の凹凸部と係合させ、平坦部にあてがう固定板の加圧によって環状体とともに管本体の内壁に補強プレートを固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路の補修のために管本体の内壁を覆う環状体と、環状体を加圧して管本体の内壁に固定する固定板とを具備する止水装置における環状体の補強装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
管路には永年の使用により様々な外力が作用し、例えば管の接続部に漏水を生じやすくなったり、また、コンクリート管の場合にはひび割れを生じたりするという事態が起こり得る。このような場合、従来は不具合を生じた箇所に、例えば漏水止め工事を行うことで修復しているが、管本体の内壁が施工対象であれば、漏水止めに使用した部品等が管内壁に残存するため、これらにより水流に抵抗を生じることが問題となる。
【0003】
図5に示した漏水止めの例によって説明すると、図5は内面バンド或いは止水バンドなどと通称されるゴム製の環状体を使用する高伸縮性と可撓性を有するもので、おおむね、環状体cを管本体a、aの接続部gの内側に配置し、帯金状の固定板d、dを用いて管内壁b、bに押し付けるという方法を取っている。環状体cの外面には固定板dによって管内壁bに加圧されると変形する止水突条fがあり、固定板dにより止水突状fと管内壁bの間に生じる摩擦抵抗力よりも、環状体cの引っ張り抵抗力の方を大きく設定し、管接続部gにおける伸縮、屈折の際に止水突条fと管内壁bとの間に摺動を生じさせるという構成を取っている。環状体cの胴部分は、可撓性保持のために、波型の凹凸形状から成るいわゆる蛇腹状の可撓構造を有しているが、凹凸形状の可撓構造は外圧に強いとは言えず比較的容易に変形するという問題がある。
【0004】
外圧に対抗する手段として、蛇腹状の可撓構造に様々な形態変化を与えることは可能であるが、蛇腹状の可撓構造自体をなくしてしまうことは可撓性の喪失につながるので採用することができない。また、凹凸形状の可撓構造のどの辺に外圧がかかるかということは実際に敷設してみて初めて判明することであるから、あらかじめ対策を講じておくこともできない相談である。管路に必要な可撓構造が、同時に変形の原因になっているということであり、いわば二律背反的な問題である。なお、止水装置による水頭を低損失に抑制する技術的成果について、本件出願人は特開2004−144246号によって開示し、環状体端部をベルマウス形状とするとともにハンチ部によってベルマウス形状を維持することを明らかにした。本発明は、高伸縮性と可撓性を有する環状体を使用するこの先願発明の延長線上にあると言える。
【0005】
【特許文献1】特開2004−144246号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、高伸縮性と可撓性を有する低損失水頭型の環状体を使用する止水装置において、凹凸形状の可撓構造から成る上記環状体の外圧に対する強度を高めることである。また本発明の他の課題は、低損失水頭型の環状体による水流抵抗を増すことなく、補強効果を得ることができる止水装置における環状体の補強装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、管路の補修のために管本体の内壁を覆って止水する環状体と、環状体を加圧して管本体の内壁に固定する固定板とを具備する止水装置について、環状体は連続した複数個の凹凸形状の縦断面形状から成る可撓構造を有し、かつ、弾力性素材を用いて形成されており、また、上記可撓構造を構成する凹凸形状と1か所以上で係合する凸凹部を片面に有し、他面に平坦部を有する補強プレートを少なくとも1個用意し、上記補強プレートの凸凹部にて可撓構造部分の凹凸部と係合させ、平坦部にあてがう固定板の加圧によって環状体とともに管本体の内壁に補強リングを固定するという手段を講じたものである。
本発明の対象とする止水装置における環状体は、止水目的で管本体の内壁を覆って取り付け、かつ、施工前と同様の送水能力を実質的に保持可能なものである。ここにおいて、管路を構成する管本体自体は鋼管を始めとしてどのような材質のものも対象となるので、コンクリート製のものにも適用されるのは当然である。
【0008】
管本体が円筒管である場合、環状体は上記円筒管の内壁に接する外径を有する円環状となる。補強プレートは環状体の平坦部の幅に収まる幅の帯板状とし、補強プレートは円環状の環状体の内面にあてがってその両端部を突っ張り、拡径した状態で任意の手段により結合する。この環状体は、文字通り環状形を有しており、管本体の内壁に押し付け得る寸法(外形)に形成されるもので、補修対象である管本体の特定箇所を覆う長さ(幅)や、管接続部に適用するために必要な長さを有している。環状体の流れ方向の端部には、固定板によって管内壁に押し付けられるようにする端部処理として、止水突条よりも大きい直径を有し、ほぼ三日月形或いはほぼ角(つの)状の断面形状を呈する曲面形状を設けることが望まれる。
【0009】
上記曲面形状はベルマウス形状などと呼ばれる形状とすることが望ましい。図5(或いは図2)にも示したように先端部hの直径を管直径より大きくすることによって、環状体の装着に伴い管本体の内壁に圧着する。しかし、直接ベルマウス形状eを圧縮していないため、高流速となると水流抵抗に負けて先端部が管本体の内壁から剥離してしまうことがあるので、止水突条よりも大きい直径とし、かつまた、管本体の内壁にベルマウス形状を十分に圧縮する必要がある。
【0010】
そのため、環状体を固定板によって管本体の内壁に押し付けたときに、ベルマウス形状を圧縮し固定するように、環状体内面の固定板取り付け用凹部の内角に、固定板によって押され外方への押し付け力を生じる押し付け部を設ける。押し付け部はハンチ部と呼ばれることもあるが突部などで構成され、固定板による押し付け力が効果的にベルマウス形状から成る環状体の端部に及ぶようにしてベルマウス形状を確実に確保し、水流の抵抗を設計通りに低減する。ほぼ三日月形という断面形状はアーチ型の断面形状における任意点に力を掛けるとアーチが撓み先端部に応力が集中するように、固定板による管本体内壁方向への押し付け力をベルマウス形状に指向させる。
【0011】
本発明の補強装置において、環状体は連続した複数個の凹凸形状の縦断面形状から成る可撓構造を有し、かつ、弾力性素材を用いて形成されている。凹凸形状には波型、例えば波の山と谷が滑らかな波型から、鋸歯状の波、三角波等様々な波型を採用し得る。このような構成を有する凹凸形状から成る波型の可撓構造に対する補強プレートとして、凹凸形状と1か所以上で係合する凸凹部を片面に有し、他面に平坦部を有するものを少なくとも1個用意する。なお、平坦部とは波型に対して平坦ということである。
【0012】
可撓構造の凹凸形状と補強プレートの凸凹部とは相互に係合可能な形状を有していることが必要であるが、様々な係合が考えられ、また適用し得る。可撓構造の凹凸形状と補強プレートの凸凹部とが全く同形である場合、係合時に可撓構造と補強プレートの凸凹とが全面的に接触し合うことになるので、最も良好な補強効果を得ることができると考えられるが、しかし可撓性は減少する。他方、係合時における凹凸の隙間が大きくなれば可撓性は良いが、補強効果は減少するので、係合状況を調節することができるものとする。本発明においては可撓構造の凹凸形状と補強プレートの凸凹とがほぼ全面的に接触し合って、1か所以上で係合する補強プレートを少なくとも1個用意し、これを2個以上組み合わせることで、補強度合いを調節することができる。後述する実施形態では、環状体の可撓構造の全部に補強プレートを係合させているが、これは最大の補強を行った場合の一つの例である。
【0013】
上記補強プレートは、例えば環状体の可撓構造を構成する凹凸形状と2か所で係合する2個の凸凹部を有するものと、上記凹凸形状と3か所で係合する3個の凸凹部を有するものを片面に有しているものの2種類の組み合わせることで、可撓性の保持と、作業性の良好さを維持することができる。このような補強プレートは、その凸凹部にて可撓構造部分の凹凸部と係合させ、平坦部にあてがう固定板の加圧によって環状体とともに管本体の内壁に補強プレートを固定する。これによって補強プレートが環状体と一体化して補強が達成され、かつまた、環状体の必要箇所のみの補強が可能になる。
【0014】
環状体を管接続部に配置した場合、管接続部の伸縮或いは屈折によって環状体は高伸縮性を有し、かつ、屈折可能なものとなるがその内面には可撓構造の凹凸形状が現れる。しかし、本発明によれば環状体に係合させる補強プレートの内面が平坦部であり、そこに固定板をあてがって、水流に接する環状体内面はほぼ平滑面が維持される。これによって、本発明の止水装置における環状体の補強装置は、止水装置における環状体の伸縮性、可撓性を損なうことがなく、水理学的にも低損失水頭という目的を外れないものとなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上の如く構成され、かつ作用するものであるから、環状体に補強プレートを係合させて固定することで、凹凸形状の可撓構造から成る環状体の外圧に対する強度を高めることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、少なくとも1個の補強プレートを環状体の任意の箇所に配置し固定することで、補修部分の状況に最適の補強効果を得ることができるとともに、ベルマウス形状を設計通りに保って環状体による水流抵抗を極限的に低減し、環状体による水流抵抗を増すことなく、しかも、補修コストを抑制しながら、適切な伸縮性と可撓性とを具備した止水装置における環状体の補強装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係る環状体の補強装置を適用した止水装置の一例を示している。各図において、10は管本体を、また、11は全体として円筒型を呈する環状体を夫々示しており、環状体11の流れ方向両端部に固定部分12、13が設けられている。図示の管本体10は鋼管から成るタイプであり、環状体11は内面バンド或いは止水バンドなどと通称されるゴム製の部材から成るものとする。30は鋼板から成る巻き鋼管であり、施工に当たり補修個所の管本体10の内壁10aに巻き付けられる。なお、環状体11の上記各固定部分12、13には、固定板14を取り付けるために内面に形成された、固定板14を受け入れる大きさの固定板取り付け凹部15が設けられている。
【0017】
固定部分12、13の外面には、固定板14によって管内壁10aに押し付けられる止水突条16、16が、固定板14の外方の端部とほぼ一致する位置に設けられ(図1)、各突条16は尖鋭な先端を支える外方基部16aを有している(図2)。17aは内方基部を示しており、固定板14の内方の端部とほぼ一致する位置に設けられている。外方基部16aと内方基部17aとの間は相対的に凹んだ凹所17になっており、この凹所17には、外方にゴム類の弾力を利用するシール部材18が配置され、また、内方に金属の平滑性を利用する滑り材19が配置されている。滑り材19は環状体11の装着時における摩擦低減のために全周囲に帯状に設けられており、環状体11に埋設された止め板11aにボルト11bで止め付けられている。また、上記巻き鋼管30の端部には止め金30aがボルト10bで取り付けてあり、これは内方基部17aのさらに内方に配置される。
【0018】
固定部分12、13は、従って、内面の凹部15と外面の凹所17で挟まれる部分が肉薄く形成され、その外方に、ベルマウス形状20の曲面形状から成る端部処理が施されている。故に肉薄部分の内外両側に位置する外方基部16aと内方基部17aとは、応力集中突部となる。ベルマウス形状20は、固定部分12、13の流れ方向外側に突出するように設けられており、外方の曲率R1の方が内方の曲率R2よりも大きいか等しい、外側に反ったほぼ三日月形の断面形状を有する。このベルマウス形状20を圧縮するために、押し付け部又はハンチ部21、21が固定部取り付け凹部15の内角に設けられている。ハンチ部21、21即ち押し付け部はベルマウス形状20の先端部20aと止水突条16を結ぶアーチ形状の支点に対して直角に作用する力点となり、ベルマウス形状20への応力集中に寄与し、先端部20aを管本体10の内壁10aに十分に押し付ける。
【0019】
環状体11の両端の固定部12、13の間は、連続した複数個の凹凸形状22の縦断面形状から成る伸縮及び屈折可能な可撓構造部分23になっている。各図に示した可撓構造部分23は山と谷が滑らかに連続した波型の凹凸形状22であり、この可撓構造部分23に対して、波型を構成する凹凸形状22と複数個所で係合する凸凹部24を片面に有し、他面に平坦部26、26′を有する補強プレート25を少なくとも1個用意する。図3Aは3個の波型凸凹部24から成る補強プレート25の例であり、図3Bは2個の波型凸凹部24から成る補強プレート25′の例である。補強プレート25、25′は、設置時に周方向となる両側部分にリップ部24a、24aを有し、隣接する補強プレート25、25′はリップ部24a、24aにて接触して良い。また、平坦部26側には固定板28をあてがう部分を規定するリブ27、27が設けられている。
【0020】
補強プレート25、25′・・・を何個の波型凸凹部24で構成するかは、任意に決めることができるが、部分的補強という目的からは1個ないし3個が適切である。しかし、可撓構造部分23全体の補強が必要な場合には、可撓構造部分23の凹凸形状22と同数個の波型凸凹部24で補強プレート25・・・を構成することができる。このような構成の補強プレート25、25′・・・を用いて、その凸凹部24にて可撓構造部分の凹凸形状22と係合させ、平坦部26に配置する固定板28の加圧により、環状体11とともに管本体10の内壁10aに補強プレートを固定するものである。
【0021】
上記の止水装置における環状体の補強装置は、管本体10が円筒管であり、環状体11が上記円筒管の内壁10aに接する外径を有する円環状であるから、これを施工するに当たっては、管本体10の補修を要する箇所に、まず、鋼板から成る巻き鋼管30を巻き付けることから始める。鋼板はSUS鋼製が適しており、それを所定形状に切断した上、弾性変形用に加工したものを、小径に巻き込んだ状態でマンホールなどから管本体10の内部に搬入し、補修個所まで搬送してジャッキなどを用いて拡径することで管本体10の内壁10aに密接させ、重なり端部をアルゴン溶接等の手段によって接合し、巻き鋼管30の巻き付けを行う。なお、上記の平坦な部材や部品を巻き込んで管本体内部に搬入し、管本体内部にて内壁10aにあてがい、環状にする作業構成は施工特性を著しく良好にしているが、これは巻き鋼管30だけではなく、環状体11及びその固定板14そして補強プレート25、25′・・・とその固定板28、28についても同様である。
【0022】
次いで、環状体11を上記の補修個所に搬入し、シール部材18及び滑り材19を夫々所定箇所に取り付けた上で、ベルマウス形状20の先端部20aが巻き鋼管30にかかる図1又は図2の位置関係に配置して、固定板取り付け凹部15に固定板14をあてがい、ジャッキなどを用いて拡径し、端部を溶接して環状体11を管本体10の補修個所に固定する。補修個所では亀裂などが大きい場合があり、そのような部位に対する補修では単に亀裂を覆っただけでは強度が不十分である。また、図4に示すように、管路に屈曲部29がある場合があり、屈曲部29に隣接している補修個所では、水流の流勢に片寄りを生じるため当該部分に他の箇所よりも過大な圧力がかかることがある(なお、図示の例における屈曲部の変位量Xは最大で約10度の設定である)。
【0023】
このような場合には、前述した補強プレート25、25′・・・を要所、つまり大きい亀裂を覆っている個所や過大な圧力がかかることが予測される個所において、環状体11の内部から補強プレート25、25′・・・をあてがって、その凸凹部24を可撓構造部分の凹凸形状22と係合させる。さらに、それらの平坦部26、26′に固定板28をあてがうとともに、ジャッキなどを用いて拡径しその両端部を突っ張り、拡径した状態で溶接等の手段により結合して円環状に形成する。図1及び図2はこの状態を示す。
【0024】
どの補強プレート25、25′・・・を、どのように組み合わせて、補強するかについては、亀裂など補修を必要とする箇所の大きさや、流勢に片寄りを生じる位置に応じて決定するものとする。このとき、本発明では、部分的補強という目的に対しては1個ないし3個を使用し、また、可撓構造部分23全体の補強が必要なときには全体を内側から補強プレート25、25′・・・を用いて補強することができ、従って、常に状況に応じた最適な作業が可能になる。しかも、補強プレート25、25′・・・によって補強した箇所は、他面が平坦部であり、かつ、そこに平板状の固定板28をあてがって固定しているので、環状体本来の連続した複数個の凹凸形状22から成る可撓構造よりも水流に対する抵抗が低減し、それのみならず、凹凸形状がないので水流を乱すこともない。
【0025】
本発明に係る止水装置における環状体の補強装置において、環状体11は図4に示したように管接続部にも配置され、一方の固定部分12は一方の管内壁に、他の一方の固定部分13は他の一方の管内壁に、夫々固定板14を使用して取り付けられる。この結果接続されている管本体10、10′に相対的な動きを生じたときには、本発明の環状体11は高伸縮性を有し、かつまた屈折性を有するので、上記の動きに応じることができ、従来の環状体のように管に対して摺動する必要がない。従って、摺動に適するように、あらかじめ管内壁の凹凸を修復する作業も不要になる。
【0026】
また、本発明においても、固定部分12、13及びベルマウス形状20により、固定板14による管本体11の内壁10aへの押し付け力を十二分に吸収し、先端部20aに働くことが予測される水流による剥離作用力よりも大きな力で、環状体11を管内壁10aに固定することができることになる(図2参照、なお、突条16、ベルマウス先端部20aは変形前の状態を示す)。本発明はコンクリート製のものにも適用することができるが、その場合にはアンカーボルト等を用いて環状体11をコンクリート製の管本体に固定する公知の工法を採用し、固定箇所の外部にてシール手段により止水するものとする。
【0027】
なお、コンクリート製の管本体に対する工事において、アンカーボルトは巻き鋼管30を使用する実施形態における端部の止め金30aとボルト10bによる固定に相当し、シール手段は同じく上記のシール部材18に相当すると考えて良い。また、図1に示した例においては、環状体11の凹凸形状部分の全体に補強プレート25、25′・・・を設置した状態となっている。しかし、これは凹凸形状部分の全体を補強することが可能であるということであり、常に全体を補強すべきであるということを意味するものではない。従って、本発明は環状体11の必要箇所のみの補強に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る止水装置における環状体の補強装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】同上要部の拡大断面図である。
【図3】同じく補強プレートを示すものでAは3個の波型から成るもの、Bは2個の波型から成るものの斜視図である。
【図4】同じく本発明に係る止水装置における環状体の補強装置の実施状態の一例を示す斜視図である。
【図5】従来の低損失水頭型環状体を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0029】
10、10′ 管本体
11 環状体
12、13 固定部分
14 固定板
15 固定板取り付け凹部
16 突条
17 凹部
18 シール部材
19 滑り材
20 ベルマウス形状
21 ハンチ部
22 凹凸形状
23 可撓構造部分
24 凸凹部
25、25′ 補強プレート
26 平坦部
27 リブ
28 固定板
29 屈曲部
30 巻き鋼管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路の補修のために管本体の内壁を覆って止水する環状体と、環状体を加圧して管本体の内壁に固定する固定板とを具備する止水装置において、
環状体は連続した複数個の凹凸形状の縦断面形状から成る可撓構造を有し、弾力性素材を用いて形成されており、また、上記可撓構造を構成する凹凸形状と1か所以上で係合する凸凹部を片面に有し、他面に平坦部を有する補強プレートを少なくとも1個用意し、
上記補強プレートの凸凹部にて可撓構造部分の凹凸部と係合させ、平坦部にあてがう固定板の加圧によって環状体とともに管本体の内壁に補強プレートを固定するようにした
止水装置における環状体の補強装置。
【請求項2】
補強プレートは、環状体の可撓構造を構成する凹凸形状と2か所で係合する2個の凸凹部を有するものと、上記凹凸形状と3か所で係合する3個の凸凹部を有するものとを片面に有している請求項1記載の止水装置における環状体の補強装置。
【請求項3】
管本体が円筒管であり、環状体が上記円筒管の内壁に接する外径を有する円環状であり、補強プレートは環状体の平坦部の幅に収まる幅の帯板状であって、補強プレートは円環状の環状体の内面にあてがってその両端部を突っ張り、拡径した状態で結合されている請求項1記載の止水装置における環状体の補強装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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