説明

歯を再配置するための方法と装置

歯を矯正するための装置が、硬質材料で形成された歯鋳形部材と、可撓性材料で形成され歯鋳形部材に接合された歯肉鋳形部材とを含む。各歯用の個々の関節型器具に、歯に植設された支柱が設けられている。歯の左右、前後および回転運動を選択的に与えるために、歯肉鋳形部材を通じてアクセス可能な歯を動かす構成部品が各支柱に装架されいる。前記装置の動作は、歯鋳形部材における個々の歯を選択的に配向して、予め計画された手順に従って歯を矯正する一連の順次使用可能な器具を用意することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年9月19日出願の米国特許出願第11/230323号による特典を主張する。
【0002】
本発明は、広義の概念で云えば、歯を矯正する装置および器具に係り、具体的には、予め計画された手順に従って歯を矯正する順番に使用可能な一連の器具の用意を含む装置に関するものである。本発明は、特に、歯の矯正に役立つ器具を以後に製造するために、人工歯構造における個々の歯をそれぞれ動かすように選択的に操作できる複数の関節型器具として有用であるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
全ての人が美しい真直な歯で生まれてくるわけではない。にもかかわらず、健康と美容の理由で、人は適正に整列した(すなわち、まっすぐな)歯を特徴とする歯の構造を持つことが望ましい。その結果、この目的を達成するために、多くの人々が多大な努力に耐えている。
【0004】
これまで、歯を矯正する手段として締め金の使用が広く容認されてきた。この目的のためには効果的であるが、締め金は歯科医院を何度も繰り返し訪れる必要がある。詳細には、こうなるのは、歯医者が1回の診療で完全に変更を行なうのではなく、締め金を徐々に締めつける必要があるからである。これは非常に苦痛である。しかし、最近では、歯科医院に繰り返し訪れる必要なしに使用するよう意図された、コンピュータによって作られる装置が開発された。通常、これらの装置は、順次漸進的に使用し、それによって歯を所望に応じて漸増的かつ徐々に整列させる一連の器具を含む。例えば、「増分的(incrementally)に歯を動かすための方法と装置」と題する発明に対するChishti氏他による米国特許第5975893号は、このようなコンピュータによって作られる装置を開示している。しかし、このような装置は、コンピュータによって作られるので、歯の構造で個々の歯を選択的に整列させる融通性がない。特に、特定の患者の特定の歯の整列要求を矯正する方法では、これを実行することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に鑑み、歯構造模型における個々の歯が、個別に、または、歯構造模型における別の歯と合わせて、選択的に再整列可能である該歯構造模型を再構成するための機械装置を提供することが本発明の目的である。
本発明の別の目的は、特定の患者の特定の歯科整列要求を漸増的に治療するように特製された一連の歯の矯正器具を作る歯構造模型を再構成するための装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、使用が容易であり、製造が比較的簡単であり、また、商業的に費用対効果の高い歯構造模型を再構成するための機械装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、歯構造模型を再構成するための装置が、複数歯を有する鋳形品を含む。特に、歯鋳形部材は、患者の歯構造の正確な物理的複製を提供するために硬質材料で作られる。硬質材料は、耐久性のある硬質ウレタンであることが好ましい。さらに、歯構造模型を再構成するための装置は、歯鋳形部材と接触した状態で位置づけられた歯肉鋳形部材も含む。しかし、歯鋳形部材とは対照的に、歯肉鋳形部材はポリウレタンエラストマーなどの比較的可撓性の材料で作成される。歯鋳形部材および歯肉鋳形部材に加えて、本発明の器具は、歯鋳形部材に使用するものと同一の硬質材料で作られる支持鋳形部材も含む。支持鋳形部材は、組み合わせられて、歯肉鋳形部材と接触する状態で配置され、歯肉鋳形部材は、歯鋳形部材と支持鋳形部材の間に配置される。
【0007】
複数の細長い支柱を歯肉鋳形部材に、および歯鋳形部材の個々の歯に個別に埋め込む。より詳細には、細長い各支柱は、第1の端部および第2の端部を有し、支柱の第1の端部は、歯鋳形部材の個々の歯に埋め込まれる。支柱の第2の端部は歯から隔置され、歯肉鋳形部材内に延びる。
【0008】
また、本発明の器具には、複数の関節型器具が設けられる。特に、各関節型器具を支柱の第2の端部に個々に係合させる。各関節型器具は、支持鋳形部材と接触した状態でも保持され、それによって複数の支柱を器具上で安定させる。本発明で意図されるように、各関節型器具は、歯肉鋳形部材を通してアクセスし、個々の歯を選択的かつ個別に配向するように操作することができる。それ故、患者の本来の歯構造を順次再構成して、患者の歯構造を連続的に再整列させて矯正する一連の器具を作ることができる。
【0009】
構造のさらに細部では、各関節型器具は、軸線を規定する主軸を含む。第1の半径方向で軸線に対する前後の動きを与えるために、主軸の遠位端に第1の構成部品が装架される。第1の構成部品は、これを動かした後、所定位置に保持できる。また、第2の半径方向で前後に動かすために、さらに遠位側で、第1の構成部品に装架される第2の構成部品がある。この場合、第2の半径方向は、第1の半径方向に対して実質的に直角である。第1の構成部品と同様に、第2の構成部品は、移動後に所定位置に保持可能である。この組合せとともに、支柱の第2の端部が、自在回転するように第2の構成部品に装架される。また、支柱の第2の端部を、固定状態で第2の構成部品上に保持するために、関節型器具にクランプ手段が存在する。第1の構成部品、第2の構成部品、および、クランプ手段を協調させて動かし操作することによって、関節型器具は、人工歯を、要求どおりに、空間的に配向することができる。第1の構成部品は、送りねじの作用によって、これを動かし、第2の構成部品は、ラックとピニオンによって、これを動かすことが好ましい。別の方法としては、第2の構成部品を、送りねじの作用によって動かすことができ、第1の構成部品を、ラックとピニオンによって動かすことができる。いずれの場合も、関節型器具の第1および第2の構成部品は、いずれも、操作のために同一方向からアクセスできることが望ましい。
【0010】
本発明装置の製造および使用時には、個々の細長い支柱と組み合わせた複数の関節型器具を、患者の歯構造の印象内に位置づける。次に、細長い各支柱の端部が歯鋳形部材の個々の歯に埋設されるように、歯鋳形部材が作られる。次に、歯肉鋳形部材が作られ、最後支持鋳形部材が作られる。すでに説明したように、関節型器具が歯肉鋳形部材中に埋設される。重要なことは、第1および第2の構成部品を操作し、支柱をクランプするために、歯肉鋳形部材の前面から各関節型器具にアクセス可能である。
【0011】
本明細書で説明する装置を使用するために、矯正する歯を準備する際には、患者の実際の歯の構造を複製するために、原形歯構造が作成される。この原形歯構造に基づき、新しい仮歯構造部材を作るために、使用者は、所望に応じて、歯鋳形部材における個々の歯を配向することができる。次に、この新しい仮歯構造で器具を作る。その後、必要に応じて、異なる仮歯構造を作るために、器具を再構成することができる。再び器具が作られる。実際には、新しい仮歯構造体として、最も新しい仮歯構造体を用い、必要な回数だけ再構成プロセスを繰り返す。特に、最終的な歯構造の器具が形成されるまで、各仮歯構造の器具を作成できる。種々の器具が、全体として、歯構造の一連の異なる形状を作り、これはその後、患者が自分の歯を再整列させ、矯正するために使用できる。
【0012】
本発明自体(構造および使い方の両者について)は勿論のこと、本発明の新規な特徴が、添付図面を明細書の説明と読み合わせることで、よく理解できるだろう。図中、類似部材には類似参照符号を付している。
【実施例】
【0013】
先ず図1を見ると、本発明による関節型器具が10で示されている。関節型器具10は、軸線14を規定する主軸12を含むことが判る。さらに、器具10は、軸12の遠位端に装着された構成部品16を含む。本開示では、近位方向を正のz方向(図1参照)とし、遠位方向を負のz方向とする。図示のように、器具10は、また、構成部品16から遠位側に装着された別の構成部品18も含む。より詳細には、構成部品16と構成部品18の間に構造的相互連結部材20が設けられる。さらに、器具10は、構成部品18の遠位側に一体装着されたソケット22を含む。
【0014】
図2において、構成部品16が、相互連結部材20と結合された送りねじ24を伴うことがはっきりと判る。この連結部により、送りねじ24が適切に回転すると、構成部品16が軸線14に対して半径方向で前後に(すなわち、矢印28、26で示すx方向に交互に)動く。また、図2、図3を見比べると、構成部品18が、相互連結部材20に形成された鋸歯ラック32と相互作用するピニオン30を含むことが判る。この連結部により、ピニオン30が適切に回転すると、構成部品18が軸線14に対して半径方向で前後に(すなわち、矢印34、36で示すy方向に交互に)動く。したがって、構成部品16の動きは、構成部品18の動きに対して直角方向である。
【0015】
図1、図3を見比べると最もよく判るように、本発明の関節型器具10は、近位端にボール40が形成された細長い支柱38と係合可能である。図3は、支柱38のボール40が、関節型器具10のソケット22内に位置することを示している。また、器具10は、クランプねじ42を有し、これを回転させて、ボール40に対して締めつけることができる。このことによって、器具10上で、支柱38が定姿勢で保持される。さもなければ、本発明で企図するとおり、ボール40とソケット22が互いに協働して、ボール40の中心点の周囲で自在に支柱38を回転動させる。しかしながら、前記のとおり、クランプねじ42を操作して、このような回転を防ぐことができる。
【0016】
今や、関節型器具10によって、細長い支柱38を幾つかの方向に選択的に動かし得ることが判るだろう。詳しくは、支柱38を、軸線14に対して半径方向に並進運動させることができる。また、ボール40の中心に対する支柱38の回転運動が可能である。特に、送りねじ24を回転させると、相互連結部材20、構成部品18、および、ソケット22が、支柱38と共に、x方向(すなわち、軸線14に対して直角方向)に動く。他方、ピニオン30を回転させると、構成部品18とソケット22が支柱38と共に、y方向(これも軸線14に対して直角方向である)に動く。最後に、クランプねじ42を回転させて、支柱38のボール40と器具10のソケット22との間の継手内で、支柱38を定姿勢で保持することができる。
【0017】
次に図4を見ると、関節型器具10が、同様な複数の器具10と共に使用されることが判る。しかしながら、図4に示す関節型器具10a〜10dは、単なる例示である。いかなる場合も、図示のように、歯列矯正処置を施す前に、患者の歯の構造(図示せず)を正確に複製する歯科印象44内に複数の器具10を適切に配置することが想定される。特に、個々の器具10に設けた結合突片48と相互作用する保持ワイヤ46a、46bによって、歯科用印象44内に各器具10が保持される。図示のとおり、この趣旨で、個々の各関節型器具10に結合突片48が形成される。重要なことであるが、一例として関節型器具10aを用いると、支柱38の遠位端が、個々の歯の印象50内に配置されるように、個々の関節型器具10に属する細長い支柱38を歯科用印象44内に位置づけられる。
【0018】
図5は、関節型器具10が、本発明装置である種々の鋳形品内に埋設された時に得られる結果を示す。特に、図5は、患者の歯の構造の個々の歯を複製するように作成された歯鋳形部材52を示す。歯鋳形部材52は、耐久性のある硬質ウレタンなどの比較的硬質の材料で作成することが好ましい。図示のように、歯鋳形部材52は、個々の細長い支柱38の遠位端を覆って係合するように作成される。次に、歯肉鋳形部材54を作成する。歯鋳形部材52と異なって、歯肉鋳形部材54は、ポリウレタンエラストマーなどの比較的可撓性のある材料で作成される。ここで、関節型器具10の大部分は、実際には歯肉鋳形部材54内に埋設されることに留意する必要がある。重要なことであるが、歯肉鋳形部材54の可撓性材料によって個々の歯鋳形部材52が関節型器具10に対して相対的に動き得るように、歯肉鋳形部材54は、細長い支柱38の一部を越えて延在し、また関節型器具10の遠位端を越えて延在する必要がある。最後に、支持鋳形部材56が存在する。本発明で想定されるように、支持鋳形部材56は、歯鋳形部材52で使用するものと同一の硬質材料で作られる。支持鋳形部材56の趣旨は、各関節型器具10を互いに固定した関係で保持することである。
【0019】
細長い支柱38が歯鋳形部材52に接合され、関節型器具10が歯肉鋳形部材54に埋設され、支持鋳形部材56によって保持されると、個々の歯鋳形部材52(例えば、人工歯58)を選択的に操作することができる。特に、図5を見ると、図1〜図3について以上で開示したように、送りねじ24を回転させると、人工歯58が、図5の平面に合致し、また、外れる態様でx方向に動く。ピニオン30を回転させると、人工歯58が、図5の平面内で、左右y方向に動く。さらに、クランプねじ42を回転させると、人工歯58が、細長い支柱38に対して選択されるあらゆる回転方向で保持される。歯鋳形部材52内に各歯を選択的に位置づけることによって、使用者は、歯の構造の再構成品を特製できる。さらに、このように再構成した一連の歯構造を作製し、器具(図示せず)の製造に使用できる。次に、患者の歯構造の歯矯正目的で、患者は、歯科医からの指示に従って、順次、器具を着用できる。
【0020】
本明細書で図示し、詳細を述べたとおり、歯を再配置する特別な方法と装置は、十分に本明細書で述べた目的を達成し、利点を提供できるが、これは、現時点における本発明の単なる好適例に過ぎず、特許請求の範囲に記載した以外に構造または設計の細目に限定を加えるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による人工歯と係合した関節型器具の斜視図である。
【図2】関節型器具の側面図である。
【図3】図1の線3−3に沿って見た断面で示した部分がある関節型器具の前面図である。
【図4】複数の関節型器具が内部に配置され、わかりやすくするために一部が除去されている歯科印象用トレーの斜視図である。
【図5】本発明による歯鋳形部材、歯肉鋳形部材および支持鋳形部材と組み合わせた複数の関節型器具を示す前面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯構造模型を再構成するための装置において、
硬質材料で形成された複数歯鋳形部材と、
可撓性材料で形成され、前記複数歯鋳形部材と接触して位置づけられる歯肉鋳形品と、
複数の細長い支柱の各々が第1および第2の端部を有し、各支柱の前記第1の端部が前記複数歯鋳形部材の個々の歯に植設され、前記支柱の前記第2の端部がそこから延在して前記歯肉鋳形部材中に入っている前記複数の細長い支柱と、
前記支柱の各々の前記第2の端部と個々に係合可能な関節型器具であって、各支柱と前記個々の歯を選択的かつ個別に配向して前記歯構造模型を再構成するための前記関節型器具とを含む、歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項2】
前記硬質材料で形成された支持鋳形部材を更に含み、前記支持鋳形部材が、前記歯肉鋳形部材と接触した状態で配置され、前記歯肉鋳形部材が、前記歯鋳形部材と前記支持鋳形部材の間に位置づけられ、さらに、前記支持鋳形部材が各関節型器具と接触して、前記装置における前記複数の支柱を安定させている請求項1に記載された歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項3】
前記関節型器具が、
近位端および遠位端を有し、軸線を規定する主軸と、
第1の半径方向で前後に動かすために、前記主軸の前記遠位端に装架された第1の構成部品と、
前記第1の構成部品を所定位置まで選択的に動かすための第1の手段と、
前記第1の半径方向に対して実質的に直角である第2の半径方向で前後に動かすために、前記第1の構成部品の遠位側に装架された第2の構成部品であって、前記支柱の前記第2の端部が自在に回転するように装架されている前記第2の構成部品と、
前記第2の構成部品を所定位置まで選択的に動かすための第2の手段と、
前記支柱の前記第2の端部を前記第2の構成部品上に固定状態で保持して人工歯を配向するクランプ手段とを含む請求項1に記載された歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項4】
前記第1の構成部品を動かす前記第1の手段が送りねじである請求項3に記載された歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項5】
前記第2の構成部品を動かす前記第2の手段がラックとピニオンである請求項3に記載された歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項6】
前記第1の構成部品を動かす前記第1の手段が、前記第2の構成部品を動かす前記第2の手段である請求項3に記載された歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項7】
前記硬質材料が耐久性のある硬質ウレタンである請求項1に記載された歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項8】
前記可撓性材料がポリウレタンエラストマーである請求項1に記載された歯構造模型を再構成するための装置。
【請求項9】
歯構造模型の人工歯を配向するための装置において、
前記装置が関節型器具を有し、
該関節型器具が、
近位端および遠位端を有し、軸線を規定する主軸と、
第1の半径方向で前後に動かすために、前記主軸の前記遠位端に装架された第1の構成部品と、
前記第1の構成部品を所定位置まで選択的に動かす第1の手段と、
前記第1の半径方向に対して実質的に直角である第2の半径方向で前後に動かすために、前記第1の構成部品の遠位側に装架されている第2の構成部品と、
前記第2の構成部品を所定位置まで選択的に動かす第2の手段と、
前記人工歯を保持し、前記第2の構成部品における一点の周囲で自在回転するように、前記第2の構成部品に旋回可能に装架された端部を有する支柱と、
前記支柱を前記第2の構成部品の前記一点に固定状態で保持して、前記人工歯を配向するクランプ手段とを有する、歯構造模型の人工歯を配向するための装置。
【請求項10】
前記歯構造模型が、複数の歯を有する硬質材料製歯鋳形部材を含み、前記歯鋳形部材の各歯ごとに個々の関節型器具を有する請求項9に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置。
【請求項11】
可撓性材料で作成され、前記歯鋳形部材と接触して位置づけられた歯肉鋳形部材と、
硬質材料で形成され、前記歯肉鋳形部材と接触して位置づけられた支持鋳形部材であって、前記歯肉鋳形部材が、前記歯鋳形部材と前記支持鋳形部材の間に位置づけられ、さらに、前記支持鋳形部材が、各関節型器具と接触して、複数の前記支柱を安定させるようになっている前記支持鋳形部材とを更に含む請求項10に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置。
【請求項12】
前記硬質材料が耐久性のある硬質ウレタンであり、前記可撓性材料がポリウレタンエラストマーである請求項11に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置。
【請求項13】
前記第1の構成部品を動かす前記第1の手段が送りねじである請求項9に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置。
【請求項14】
前記第2の構成部品を動かす前記第2の手段がラックとピニオンである請求項9に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置。
【請求項15】
歯構造模型の人工歯を配向するための装置を製造するための方法において、
患者の歯構造体における複数の歯の印象を作る段階と、
複数の関節型器具を前記印象内に位置づける段階であって、各器具が支柱を含み、各支柱が、前記印象内に画成された個々の歯に対して位置づけられる前記段階と、
前記複数の歯の歯鋳形部材を作る段階であって、前記歯鋳形部材が硬質材料で作成され、各支柱が前記歯鋳形部材の個々の歯に植設される前記段階と、
歯肉鋳形部材を形成する段階であって、前記歯肉鋳形部材が、可撓性材料で形成され、かつ、各関節型器具の部分を囲むために前記歯鋳形部材と接触して位置づけられる前記段階と、
前記硬質材料で形成され、前記歯肉鋳形部材と接触して位置づけられた支持鋳形部材を作る段階であって、前記歯肉鋳形部材が前記歯鋳形部材と前記支持鋳形部材の間に位置づけられ、さらに、前記複数の支柱を安定化させるために、前記支持鋳形部材が各関節型器具と接触する段階とを含む歯構造模型の人工歯を配向するための装置を製造する方法。
【請求項16】
前記硬質材料が耐久性のある硬質ウレタンであり、前記可撓性材料がポリウレタンエラストマーである請求項15に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置を製造する方法。
【請求項17】
関節型器具が、
近位端および遠位端を有するとともに、軸線を規定する主軸と、
第1の半径方向で前後に動かすために、前記主軸の前記遠位端に装架された第1の構成部品と、
前記第1の半径方向に対して実質的に直角である第2の半径方向で前後に動かすために前記第1の構成部品の遠位側に装架された第2の構成部品と、
前記人工歯を保持し、前記第2の構成部品における一点の周囲で自在に回転するように、該第2の構成部品に旋回可能に装架された端部を有する支柱と、
前記人工歯を配向するために、前記第2の構成部品の前記一点で前記支柱を固定状態で保持する手段とを含む請求項15に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置を製造する方法。
【請求項18】
前記第1の構成部品を所定位置まで選択的に動かす段階と、
前記第2の構成部品を所定位置まで選択的に動かす段階と、
前記支柱保持手段をクランプする段階とを更に含む請求項17に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置を製造する方法。
【請求項19】
前記第1の構成部品を動かす前記第1の手段が送りねじである請求項17に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置を製造する方法。
【請求項20】
前記第2の構成部品を動かす前記第2の手段がラックとピニオンである請求項17に記載された歯構造模型の人工歯を配向するための装置を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−508640(P2009−508640A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532303(P2008−532303)
【出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/036284
【国際公開番号】WO2007/035635
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508084397)ジョー デンティスト、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】