説明

歯ブラシ

【課題】効率よく、積極的に口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を効率良く殺菌することができる歯ブラシを提供する。
【解決手段】殺菌効果のある紫外線を発光するUVLED19を、保持部13の先端部13aに凹設した開口凹部18に配置固定した。また、ブラシブロック16のブラシ基台14に、UVLED19が出射した紫外線を外部に導く導光路23を貫通形成する。これによって、歯を磨きながら、UVLED19を点灯させ、口腔内に紫外線を照射することができ、歯を磨きながら、口腔内を殺菌することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、歯ブラシは、歯茎、歯を傷めないため、また、効率のよい歯垢の除去を行うために、そのブラシ形状が種々提案されている。また、一方で、歯ブラシは、口に入れるものであるために、口腔内の衛生を考えると、常に殺菌した歯ブラシを使用するのが好ましい。そこで、歯磨きを済ませた使用後の歯ブラシを、収納して次回の歯磨きまで殺菌処理する殺菌装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−325442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、殺菌装置で殺菌された歯ブラシは、歯ブラシ自体が殺菌されていて衛生的であるが、口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を積極的に殺菌することはできない。従って、これら口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を効率良く殺菌することが望まれている。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、効率よく、積極的に口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を殺菌することができる歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、把持部と、前記把持部から一方向に延出形成された保持部と、前記保持部の先端部に設けられたブラシ毛を植設したブラシブロックとを有した歯ブラシであって、前記把持部、前記保持部、又は前記ブラシブロックのいずれかに、殺菌灯を設けるとともに、前記殺菌灯から出射される殺菌光を、前記ブラシブロックから外部に出射させる導光手段を設けた。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ブラシ毛を植設したブラシブロックから外部に殺菌効果のある光を出射することができることから、歯を磨きながら、口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を殺菌でき、口腔内を清潔に保つことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯ブラシにおいて、前記殺菌灯は、前記保持部に設けられ、前記ブラシブロックは、前記ブラシ毛と前記ブラシ毛を植設したブラシ基台とからなり、前記ブラシ基台が前記保持部の先端部に対して着脱可能に設けた。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、ブラシ毛を植設したブラシ基台よりなるブラシブロックを保持部に対して着脱可能にしたので、安価なブラシブロックを交換するだけで歯ブラシを長期間使用できコストパフォーマンスに優れた歯ブラシにすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記保持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記ブラシ基台の前記ブラシ毛を植設した面を開口させた開口部である。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、ブラシ毛の先端方向に出射されるため、ブラシで磨いている部分を効率よく殺菌できる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記ブラシ基台を透明の合成樹脂で形成した。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、ブラシ基台の全ての外側面から出射されるため、ブラシで磨いている部分のみならず、その他の口腔内をあわせて殺菌できる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の歯ブラシにおいて、前記殺菌灯は、前記把持部に設けられ、先端部に前記ブラシブロックを設けた前記保持部は、前記把持部に対して着脱可能に設けた。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、ブラシブロックを設けた保持部を、把持部に対して着脱可能にしたので、コスト的に有利な安価な保持部を交換するだけで歯ブラシを長期間使用できコストパフォーマンスに優れた歯ブラシにすることができる。また、把持部に殺菌灯を設けたので、殺菌灯の設置スペースを容易に確保でき設計の自由度を上げることができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記把持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記保持部に形成した導光通路と、前記ブラシブロックの前記ブラシ毛を植設した面を、開口させた開口凹部と、前記導光通路に導光された前記殺菌灯から出射された殺菌光を、前記開口凹部から前記ブラシ毛を植設した面側に反射させる反射ミラーとからなる。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、本体部に設けた殺菌灯から出射された殺菌効果のある光は、導光通路、反射ミラー、開口部を介して、ブラシ毛を植設した面から出射されるため、歯を磨いている部分に効率よく殺菌できる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の歯ブラシにおいて、前記導光手段は、前記把持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記保持部に導光通路を形成するとともに、前記保持部の先端部に形成したブラシブロックを透明の合成樹脂とで形成し、前記導光通路に導光された前記殺菌灯から出射された殺菌光を、前記ブラシブロックに導光するようにした。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、把持部に設けた殺菌灯から出射された殺菌効果のある光は、導光通路を介して透明の合成樹脂で形成したブラシブロックに出射される。そして、ブラシブロックに入射した殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、シリンダブロックの全ての外側面から出射されるため、ブラシで磨いている部分のみならず、その他の口腔内をあわせて殺菌できる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1に記載の歯ブラシにおいて、前記ブラシ毛は、殺菌光を導光する透明の合成樹脂で形成した。
請求項8に記載の発明によれば、殺菌灯から出射した殺菌効果のある光は、ブラシ毛の先からも出射されるため、殺菌効果が高まるとともに、口腔内の隅々まで殺菌することができる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1つに記載の歯ブラシにおいて、前記ブラシブロックを振動させるための駆動部と、前記駆動部を駆動させるための動作スイッチと、前記動作スイッチのオン操作に基づいて前記駆動部を駆動及び前記殺菌灯を点灯させるとともに、前記動作スイッチのオフ操作に基づいて前記駆動部を駆動停止及び前記殺菌灯を消灯させる制御手段とを備えた。
【0021】
請求項9に記載の発明によれば、1つのスイッチで、ブラシブロックの振動と殺菌灯の点灯、即ち、歯磨きと殺菌が同時にでき、使い勝手が非常によい。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の歯ブラシにおいて、前記制御手段は、タイマを備え、前記動作スイッチのオフ操作に基づいて前記駆動部を駆動停止させるとともに、前記タイマを計時動作させ、前記タイマが予め定めた時間を計時した時、前記殺菌灯を消灯させる。
【0022】
請求項10に記載の発明によれば、駆動部の駆動停止後も、殺菌灯にて殺菌でき、口腔内の殺菌漏れを低減させることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の歯ブラシにおいて、前記殺菌灯の発光量を調整する調整スイッチと、前記調整スイッチの操作量に基づいて、前記殺菌灯の点灯時の光量を制御する発光量制御手段とを備えた。
【0023】
請求項11に記載の発明によれば、調整スイッチを操作するだけで、光量を変更して殺菌灯を点灯できるため、その時々の口腔内の状態に応じて最適な殺菌が行える。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、効率よく、積極的に口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を効率良く殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態の電動歯ブラシを説明するための電動歯ブラシの正面図。
【図2】同じく電動歯ブラシの一部破断側面図。
【図3】同じく電動歯ブラシの電気的構成を示す電気ブロック回路図。
【図4】同じく各ブロック回路を説明するための出力波形図。
【図5】第2実施形態の電動歯ブラシを説明するための電動歯ブラシの一部破断側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、電動歯ブラシ10の柄11は、基端部に大径の把持部12を有しているとともに、その把持部12の先端から延出形成された保持部13を有している。
【0027】
把持部12は、有蓋四角筒状に形成され、基端開口部が、キャップ12aにて閉塞されている。四角筒状の把持部12内には、モータM(図3参照)と電池(図示せず)が内蔵されている。モータMは、回転することによって、保持部13の先端部13aに対して着脱可能に取着したブラシ基台14及びブラシ毛15よりなるブラシブロック16を振動させる。
【0028】
図2に示すように、ブラシブロック16を着脱可能に取着する保持部13の先端部13aは、正面を連結面17とし、その連結面17中央位置には、導光手段を構成する開口凹部18が凹設されている。開口凹部18の底面には、殺菌灯としての紫外線発光ダイオード(以下、UVLEDという)19が配置固定されている。UVLED19は、保持部13内に配線されたリード線20を介して駆動電流が供給されて、殺菌光としての殺菌効果のある紫外線を出射するようになっている。そして、UVLED19から出射された紫外線は、開口凹部18を介して外側に出射される。
【0029】
ブラシブロック16は、先端部13aの連結面17に着脱可能に連結するブラシ基台14と、そのブラシ基台14に植設したブラシ毛15からなる。また、先端部13aの連結面17には、ブラシ毛15を植設したブラシ基台14が着脱可能に装着される。
【0030】
詳述すると、先端部13aの連結面17には、連結突起21が形成され、ブラシ基台14の裏面に連結孔22が形成されている。そして、先端部13aの連結面17とブラシ基台14の裏面とを重ね合わせることによって、連結突起21が連結孔22に嵌着し、ブラシ基台14が保持部13の先端部13aに対して固定される。反対に、ブラシ基台14を先端部13aから引き離すと、嵌着していた連結突起21が連結孔22から外れ、新しいブラシ基台14(ブラシブロック16)と交換することができる状態になる。
【0031】
ブラシ基台14には、開口凹部18と連通する導光手段を構成する導光路23が貫通形成されている。そして、ブラシ毛15は導光路23を囲むように、ブラシ基台14に植設されている。
【0032】
従って、ブラシ基台14を連結する先端部13aの連結面17には、開口凹部18に設けたUVLED19から出射される紫外線は、ブラシ基台14に形成した導光路23を介して外側に出射される。
【0033】
つまり、歯を磨いているときに、UVLED19から出射される紫外線を、口腔内に照射することができるようになっている。
前記柄11の把持部12には、スライド式の動作スイッチSW1と、同じくスライド式の光量設定スイッチSW2が設けられている。動作スイッチSW1は、2位置にスライドさせるスイッチであって、図3及び図4に示すように、スライド操作位置に基づく操作信号SG1を出力する。
【0034】
動作スイッチSW1を先端側にスライドさせると、動作スイッチSW1は、Hレベルに立ち上がる操作信号SG1を出力し、モータMを駆動させるとともに、UVLED19を発光させることができる。反対に、動作スイッチSW1は、基端側にスライドさせると、動作スイッチSW1はLレベルに立ち下がる操作信号SG1を出力し、モータMを駆動停止させるとともに、UVLED19を一定時間後に消灯させることができる。
【0035】
光量設定スイッチSW2は、同様に、2位置にスライドさせるスイッチであって、図3に示すように、スライド操作位置に基づく設定信号SG2を出力する。
光量設定スイッチSW2を先端側にスライドさせると、光量設定スイッチSW2は、Hレベルの設定信号SG2を出力し、UVLED19の発光量を強くしてUVLED19を発光させることができる。反対に、光量設定スイッチSW2を、基端側にスライドさせると、光量設定スイッチSW2は、Lレベルの設定信号SG2を出力し、UVLED19の発光量を弱くしてUVLED19を発光させることができるようになっている。
【0036】
次に、上記のように構成した電動歯ブラシ10に内蔵された電気的構成について説明する。
図3において、電動歯ブラシ10は、制御手段及び発光量制御手段としての制御回路31、モータ駆動回路32、発光素子駆動回路33を備えている。制御回路31は、動作スイッチSW1と接続されて操作信号SG1を入力する。
【0037】
制御回路31は、操作信号SG1がHレベルに立ち上がると、駆動部を構成するモータ駆動回路32を介して駆動部を構成するモータMを駆動させるためのHレベルの駆動制御信号CT1を出力するともに、発光素子駆動回路33を介してUVLED19を発光させるためのHレベルの駆動制御信号CT2を出力する。
【0038】
また、制御回路31は、操作信号SG1がLレベルに立ち下がると、モータ駆動回路32を介してモータMを駆動停止させるためのLレベルの駆動制御信号CT1を出力するとともに、同制御回路31に内蔵したタイマ34に計時動作を開始させるための駆動信号を出力する。
【0039】
タイマ34は、予め定めた時間を計時し、計時動作中はHレベルのステート信号STを出力し、予め定めた時間を計時してタイムアップするとLレベルのステート信号STを制御回路31に出力する。制御回路31は、このHレベルからLレベルに立ち下がったステート信号STに応答して、Lレベルの駆動制御信号CT2を出力して発光素子駆動回路33を介してUVLED19を消灯させるようになっている。
【0040】
従って、UVLED19は、動作スイッチSW1をオフ操作してモータMが停止しても、消灯することなく、一定の時間点灯し続けた後に消灯するようになっている。
制御回路31は、光量設定スイッチSW2と接続され設定信号SG2を入力する。光量設定スイッチSW2を先端側にスライドさせた状態で、動作スイッチSW1をオンさせると、UVLED19は強い発光量で発光するようになっている。反対に、光量設定スイッチSW2を、基端側にスライドさせた状態で、動作スイッチSW1をオンさせると、UVLED19は弱い発光量で発光するようになっている。
【0041】
つまり、制御回路31は、操作信号SG1に基づいてUVLED19を点灯させる時、設定信号SG2に基づいて発光素子駆動回路33を介してUVLED19に供給する駆動電流の電流値を設定する。
【0042】
制御回路31は、設定信号SG2がHレベルのとき、Hレベルの光量制御信号CT3を発光素子駆動回路33に出力するようになっている。発光素子駆動回路33は、このHレベルの光量制御信号CT3に応答してUVLED19に対して予め定めた第1基準電流値の駆動電流を供給するようにしている。
【0043】
また、制御回路31は、設定信号SG2がLレベルのとき、Lレベルの光量制御信号CT3を発光素子駆動回路33に出力するようになっている。発光素子駆動回路33は、このLレベルの光量制御信号CT3に応答してUVLED19に対して予め定めた第2基準電流値の駆動電流を供給するようになっている。
【0044】
ここで、第1基準電流値は、第2基準電流値より大きな値であって、第1基準電流値の電流を供給されたUVLED19の発光量は、第2基準電流値の電流を供給された時のUVLED19の発光量より大きくなっている。
【0045】
従って、光量設定スイッチSW2をスライド設定することで、光量を設定でき、歯磨き箇所に応じて光量を変更することで、最適な殺菌処理が行えて、口腔内を効率よく清潔にできる。
【0046】
次に、上記のように構成した第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、殺菌効果のある紫外線を発光するUVLED19を、保持部13の先端部13aに凹設した開口凹部18に配置固定した。そして、先端部13aに取着したブラシ基台14に、UVLED19が出射した紫外線を外部に導く導光路23を貫通形成した。従って、歯を磨きながら、UVLED19を点灯させ、口腔内に紫外線を照射することができため、歯を磨きながら、口腔内を殺菌することができる。つまり、歯を磨きながら、口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を殺菌でき口腔内を清潔にすることができる。
(2)上記実施形態は、光量設定スイッチSW2を設け、光量設定スイッチSW2をスライド設定することで、光量を設定できるようにした。従って、歯を磨く箇所に応じて適宜、光量を変更することで、最適な殺菌処理が行えて、口腔内を効率よく清潔にできる。
(3)上記実施形態では、モータMを駆動してブラシ基台14を振動させる動作スイッチSW1に連動して、UVLED19を点灯させるようにした。従って、別途点灯させるだけのスイッチを設ける必要もなく、動作スイッチSW1を操作するといった簡単な操作で歯磨きしながら口腔内を殺菌できる。また、モータMを停止させた時、一定の時間後にUVLED19を消灯させるようにしたので、UVLED19を消灯させるのを忘れてUVLED19が無駄に点灯し続けることはない.
(4)上記実施形態では、動作スイッチSW1をオフ操作後、一定の時間、UVLED19を点灯させるようにした。従って、歯磨きを終了したあと、UVLED19から出射する紫外線で電動歯ブラシ10を殺菌でき、清潔に保つことができる。
(5)上記実施形態では、ブラシ基台14(ブラシブロック16)を保持部13に先端部13aに対して着脱可能にした。従って、ブラシ毛15が摩耗した場合、ブラシ基台14を交換すればよく、交換する必要のないUVLED19まで取り替えられることがなく。交換部品を安価に製造することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図5に従って説明する。
【0047】
図5に示す電動歯ブラシ40は、同電動歯ブラシ40の柄41を構成する把持部42と保持部43が、着脱可能になっている点、保持部43の先端部43aがブラシブロックのブラシ基台部43bと一体形成された点が、第1実施形態の電動歯ブラシ10と相違する。従って、説明の便宜上、相違する点を詳細に説明し、第1実施形態と同じ構成については省力する。
【0048】
把持部42の先端面には、円筒状の取付フック44が延出形成されている。保持部43は、その基端部外周面に、円筒状の取付フック44の爪44aに嵌着する嵌着溝45が形成される。
【0049】
そして、保持部43の基端部を、円筒状の取付フック44内に貫挿し、嵌着溝45に取付フック44の爪44aを嵌着することによって、保持部43は、把持部42の先端面に連結され、把持部42と一体的になり、電動歯ブラシ40の柄41となる。
【0050】
また、把持部42の先端面の中央位置には、収容凹部46が形成されている。収容凹部46の底面には、紫外線発光ダイオード(以下、UVLEDという)19が配置固定されている。UVLED19は、把持部42内に配線されたリード線20を介して駆動電流が供給されて、殺菌効果のある紫外線を出射するようになっている。そして、UVLED19から出射された紫外線は、収容凹部46を介して先端面側に出射される。
【0051】
保持部43の先端部43aには、ブラシ毛15を植設するブラシ基台部43bが正面側に張り出し形成されている。ブラシ基台部43bの正面中央位置には、導光手段を構成する開口凹部47が凹設されている。
【0052】
また、保持部43の基端面には、把持部42と連結したとき、把持部42の先端面に形成した収容凹部46と連通する導光手段を構成する導光路48が貫通形成されている。導光路48の他端は、ブラシブロックのブラシ基台部43bに形成した開口凹部47に連通するように貫通形成されている。従って、収容凹部46を介して先端面側に出射されたUVLED19からの紫外線は、導光路48を介して開口凹部47に導かれる。
【0053】
開口凹部47には、導光手段を構成する反射ミラー49が設けられ、導光路48を介して開口凹部47に出射した紫外線を、同反射ミラー49にて反射させて開口凹部47を介して正面側に出射させるようになっている。
【0054】
なお、本実施形態では、把持部42に形成した収容凹部46と保持部43に形成した導光路48には、透明の合成樹脂50a,50bを充填して実施している。
次に、上記のように構成した第2実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、柄41の把持部42と保持部43着脱可能にした。そして、殺菌効果のある紫外線を発光するUVLED19を、把持部42に凹設した収容凹部46に配置固定した。一方、保持部43の先端部43aに一体形成したブラシブロックのブラシ基台部43bに開口凹部47を凹設し、その開口凹部47に反射ミラー49を配置する。また、保持部43に、開口凹部47と把持部の収容凹部46とを連通する導光路48を貫通形成した。そして、UVLED19が出射した紫外線は導光路48を介して開口凹部47に導かれ、開口凹部47に導かれた紫外線は、反射ミラー49にて反射した開口凹部47を介して正面側に出射する。
【0055】
従って、歯を磨きながら、UVLED19を点灯させ、口腔内に紫外線を照射することができるため、歯を磨きながら、口腔内を殺菌することができる。つまり、歯を磨きながら、口腔内の雑菌、歯周病菌、虫歯菌等を殺菌でき口腔内を清潔にすることができる。
【0056】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、動作スイッチSW1に連動してUVLED19を点滅させた。これを、UVLED19を点灯させるための点灯スイッチを動作スイッチSW1とは別に、UVLED19を点滅させるためだけのスイッチを設けて実施してもよい。殺菌処理をしないで、即ち、UVLED19を点灯させないで歯を磨くことができるとともに、途中から点灯させて殺菌処理することができる。
【0057】
・上記実施形態では、電動歯ブラシ10に具体化したが、電動ブラシでない歯ブラシに具体化してもよい。この場合、UVLED19を点滅するためのスイッチを設ける必要がある。
【0058】
・上記実施形態では、ブラシ基台14が交換できる電動歯ブラシ10に具体化したが、ブラシ基台14が交換できない歯ブラシに具体化してもよい。
・上記実施形態では、保持部13の先端部13aに形成した開口凹部18と、ブラシ基台14に形成した導光路23を紫外線が通る空間にしたが、この開口凹部18と導光路23を透明の合成樹脂を充填して実施してもよい。これによって、開口凹部18に配置されたUVLED19が保護される。勿論、開口凹部18及び導光路23のいずれか一方のみに透明の合成樹脂を充填して実施してもよい。
【0059】
・上記実施形態では、動作スイッチSW1をオフして一定時間後にUVLED19を消灯させるようにした。これを、動作スイッチSW1のオフ動作でモータMの停止と同時に消灯させるようにしてもよい。
【0060】
・上記実施形態の保持部13の先端部13a及びブラシブロック16のブラシ基台14を透明の樹脂で成形してもよい。これによって、UVLED19から出射された紫外線は保持部13の先端部13aの外側面及びブラシ基台14の外側面から出射させることができ、口腔内の広い範囲を一度に殺菌できる。
【0061】
・上記実施形態のブラシ毛15を透明の樹脂で成形してもよい。ブラシ毛15を通って紫外線が出射されるため、より近い箇所を殺菌できる。
【符号の説明】
【0062】
10,40…電動歯ブラシ、11,41…柄、12,42…把持部、13,43…保持部、13a,43a…先端部、14…ブラシ基台、15…ブラシ毛、17…連結面、16…ブラシブロック、18,47…開口凹部、19…紫外線発光ダイオード(UVLED)、20…リード線、21…連結突起、22…連結孔、23,48…導光路、31…制御回路、32…モータ駆動回路、33…発光素子駆動回路、34…タイマ、43b…ブラシ基台部、44…取付フック、44a…爪、45…収容凹部、49…反射ミラー、50a、50b…合成樹脂、CT1,CT2…駆動制御信号、CT3…光量制御信号、M…モータ、SW1…動作スイッチ、SW2…光量設定スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、
前記把持部から一方向に延出形成された保持部と、
前記保持部の先端部に設けられたブラシ毛を植設したブラシブロックと
を有した歯ブラシであって、
前記把持部、前記保持部、又は前記ブラシブロックのいずれかに、殺菌灯を設けるとともに、前記殺菌灯から出射される殺菌光を、前記ブラシブロックから外部に出射させる導光手段を設けたことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
請求項1に記載の歯ブラシにおいて、
前記殺菌灯は、前記保持部に設けられ、
前記ブラシブロックは、前記ブラシ毛と前記ブラシ毛を植設したブラシ基台とからなり、前記ブラシ基台が前記保持部の先端部に対して着脱可能に設けたことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項3】
請求項2に記載の歯ブラシにおいて、
前記導光手段は、前記保持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記ブラシ基台の前記ブラシ毛を植設した面を開口させた開口部であることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項4】
請求項2に記載の歯ブラシにおいて、
前記導光手段は、前記ブラシ基台を透明の合成樹脂で形成したことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項5】
請求項1に記載の歯ブラシにおいて、
前記殺菌灯は、前記把持部に設けられ、
先端部に前記ブラシブロックを設けた前記保持部は、前記把持部に対して着脱可能に設けたことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項6】
請求項5に記載の歯ブラシにおいて、
前記導光手段は、前記把持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記保持部に形成した導光通路と、
前記ブラシブロックの前記ブラシ毛を植設した面を、開口させた開口凹部と、
前記導光通路に導光された前記殺菌灯から出射された殺菌光を、前記開口凹部から前記ブラシ毛を植設した面側に反射させる反射ミラーと
からなることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項7】
請求項5に記載の歯ブラシにおいて、
前記導光手段は、
前記把持部に設けた前記殺菌灯に連通するように、前記保持部に導光通路を形成するとともに、前記保持部の先端部に形成したブラシブロックを透明の合成樹脂とで形成し、
前記導光通路に導光された前記殺菌灯から出射された殺菌光を、前記ブラシブロックに導光するようにしたことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載の歯ブラシにおいて、
前記ブラシ毛は、殺菌光を導光する透明の合成樹脂で形成したことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の歯ブラシにおいて、
前記ブラシブロックを振動させるための駆動部と、
前記駆動部を駆動させるための動作スイッチと、
前記動作スイッチのオン操作に基づいて前記駆動部を駆動及び前記殺菌灯を点灯させるとともに、前記動作スイッチのオフ操作に基づいて前記駆動部を駆動停止及び前記殺菌灯を消灯させる制御手段と
を備えたことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項10】
請求項9に記載の歯ブラシにおいて、
前記制御手段は、タイマを備え、前記動作スイッチのオフ操作に基づいて前記駆動部を駆動停止させるとともに、前記タイマを計時動作させ、前記タイマが予め定めた時間を計時した時、前記殺菌灯を消灯させることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の歯ブラシにおいて、
前記殺菌灯の発光量を調整する調整スイッチと、
前記調整スイッチの操作量に基づいて、前記殺菌灯の点灯時の光量を制御する発光量制御手段と
を備えたことを特徴とする歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−213831(P2010−213831A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62642(P2009−62642)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】