説明

歯科インプラントの位置および方向を決定すること

歯科インプラントの位置および方向を決定するための方法は、インプラントに接続された走査体の表面を走査するステップを含み、走査体の表面上に位置する点の位置に対応する複数のデータ点が測定される。本方法は、データ点に基づいて、少なくとも3つの平面を再構成するステップと、再構成された平面の交差情報を再構成するステップであり、交差情報が、真っ直ぐな交差線の再構成および交点の再構成を含むステップと、再構成された交差情報に基づいてインプラントの位置および方向を決定するステップとをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューティング装置により実行することができ、かつ/またはコンピュータ実行可能命令の形でコンピュータ可読媒体に記憶できる、歯科インプラントの位置および方向を決定するための方法に関する。さらに、本発明は、歯科インプラントの位置および方向を決定するための走査体に関する。
【背景技術】
【0002】
1本の歯または数本もの歯を置き換える必要のある人工歯置換の分野では、対応する義歯は、通常、患者の顎の骨に固定される(例えば、ねじ状の)歯科インプラントを介して、患者の口中に固定される。例えば、隣接した2本の歯の間に歯科インプラントを配置するためのスペースは、通常、十分にあるが、その状況は、対応する義歯に関しては扱いにくいものである。品質的に、かつ美的に良好な結果を得るために、義歯は、一方では、隣接する歯の間にほぼ完全に適合する必要があり、他方では、義歯とインプラントとの間の接続が、非常にしっかりと固定される必要があるが、それは、基本的に接続に遊びがない場合に達成されうる。口腔環境内における義歯の最終的な位置の他に、義歯を、実際に2本の隣接する歯の間に挿入できることを保証し、同時に、インプラントに接続できることを保証することも有益である。
【0003】
上記で述べたタスクおよび要件を達成するために、可能な解決策は、一定の精度で、隣接する歯、およびこれらの隣接する歯の間の歯肉に対する歯科インプラントの位置および方向を決定することである。通常、この決定を、インプラントを直接視認できない(例えば、インプラントが、歯肉の上縁部より下方にあるなどの)状況で行う必要がある。
【0004】
従来技術では、走査体をインプラントに取り付けて、走査体の位置および方向を測定し(例えば、光学式走査法を用いて)、かつ走査体の位置および方向に対するインプラントの位置および方向を求めることにより、歯科インプラントの位置および方向が決定される。いくつかの場合では、走査手順は、患者の口の状況を表すモデルを用いて行われるが、他の場合には、その手順は患者の口中で直接行われる。最先端の技術では、様々な幾何学的特性を備えた様々なタイプの走査体が使用される。
【0005】
走査体の位置および方向が知られた後、この情報は、前記インプラントの方向および位置を得るために使用される。歯科インプラントおよび走査体は、高い精度で製作することができるが、上記で述べた走査手順は精度が劣る可能性があり、走査体のコーナもしくは縁部など、明確に認識できる部分が部分的に見えるだけである場合は特にそうである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明により解決すべき問題は、高い精度で歯科インプラントの位置および方向を決定することである。同時に、走査手順が比較的簡単であることが望ましく、長時間にわたる走査手順を回避すべきである患者の口中で直接走査が行われる場合は特にそうである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記で述べた問題は、請求項1の方法、請求項10のコンピューティング装置およびコンピュータ可読媒体、および請求項11の走査体により解決される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項で記述される。
【0009】
一実施形態における歯科インプラントの位置および方向を決定するための方法は、走査手順と再構成手順の組合せである。走査手順中、インプラントに接続された走査体の表面は、走査体の表面上に位置する点の位置に対応する複数のデータ点を測定することにより走査される。他の実施形態では、走査体の表面上に位置する点の位置に対応する複数のデータ点を有するすでに存在するデータセットが、歯科インプラントの位置および方向の再構成を行うためにロードされる。このようなデータセットは、上記で述べた、または以下で述べる走査法により得ることができる。再構成の段階中に、これらのデータ点は、少なくとも3つの平面を再構成するために使用される。再構成された平面から、交差情報が求められる。交差情報は、少なくとも2つの平面が互いに交差する真っ直ぐな交差線、および/または少なくとも3つの平面が互い交差する、または真っ直ぐな交差線が平面と交差する、または少なくとも2本の真っ直ぐな交差線が互いに交差する交点を含む。前述の再構成された交差情報を用いて、インプラントの位置および方向を決定することができる。この決定は、再構成された交差情報の一部だけに基づくことができるが、あるいはすべての利用可能な再構成された交差情報に基づくことも可能であり多少精度を高めることができるが、それはインプラントの位置および方向が制約され過ぎるからである。好ましい実施形態では、交点は、少なくとも3つの再構成された平面から直接再構成される。
【0010】
走査体の表面上の走査点は、必ずしもコーナまたは縁部に一致する必要のないことに留意されたい。平面領域内の任意の点を、上記で述べた再構成手順に使用することができ、それにより、走査手順が簡単になる(例えば、比較的、扱いやすい数の点を走査することで十分である)。完全に対応する領域の内側に存在する点(すなわち、平面の再構成に使用される点は、走査体のコーナまたは縁部に位置していない)だけが、平面の再構成に使用されることが好ましい。歯科インプラントの位置および方向を決定するためには、最小で9箇所の点を走査する必要があるに過ぎない。再構成段階で、十分な数の利用可能な良好な品質の点が存在することを確実にするために、例えば、20〜100の箇所、通常、9箇所を超えるが点が走査される。原理的には、走査する箇所の上限はない。しかし、点の数が増加すると走査を行うための時間も増加する。したがって、走査する点の数は1万箇所未満、あるいはさらに千箇所未満であるようにすべきである。
【0011】
好ましい実施形態では、インプラントの位置および方向の決定は、再構成された幾何学的要素を、走査体の物理的な幾何学的要素と関連付けるステップを含む。例えば、再構成された平面を、走査体の表面の物理的な平面領域と関連付けることができる。代替的には、またはさらに、再構成された真っ直ぐな交差線は、走査体の物理的な縁部と関連付けることができ、かつ/または再構成された交点は、走査体の物理的なコーナと関連付けることができる。物理的なコーナ(および縁部も)は、数学的な意味における完全なコーナではなく、通常0.05mm未満である曲げ半径を有する丸みの付いたコーナ(または縁部)であることに留意されたい。再構成される幾何学的オブジェクトは、実際に走査された走査体の一部の物理的な幾何学的オブジェクトに対応することを理解されたい。
【0012】
インプラントの位置および方向を決定できるためには最小の情報が必要である。1つの可能性は、1箇所の再構成された交点および1本の再構成された真っ直ぐな交差線を用いて、かつ/または2箇所の再構成された点を用いて、かつ/または互いに交差する2本の再構成された真っ直ぐな交差線を用いて、インプラントの位置および方向を再構成することである。さらに、上記で述べた最小の情報と共にさらなる情報に基づいて、インプラントの位置を測定することが可能であり、あるいは少なくとも3つの再構成された平面に基づいて、直接インプラントの位置を測定することも可能である。データ点から平面を再構成することは、データ点のサブセットに基づいて行われることが好ましい。利用可能なデータ点が3箇所に過ぎない場合、対応する平面は簡単に計算される。しかし、平面を再構成するために利用可能な点が3箇所を超える場合、データ点を通る平面を当てはめることは可能である。このために、標準のフィッティング手順を使用することができる(例えば、χベースのフィッティング手順)。さらに、インプラントの位置および方向の決定は、通常、再構成された幾何学的情報に加えて、走査体、および/またはインプラント、および/または走査体とインプラントとの間にある他の部分の寸法に関する情報に基づく。走査体とインプラントとの間に位置するこのような部分は、例えば、アダプタ部品であり、それにより、同じ走査体を別タイプのインプラントと共に使用できるようになる。さらに、アダプタ部品は、(例えば、走査体の上部が、咬合面の下方に下がり過ぎている場合に)走査体の高さを調整するために使用することができるが、あるいはいくつかの場合では、アダプタ部品は、(例えば、インプラントの方向が、垂直からかなり離れている場合に)インプラントに対する走査体の角度を適合させるために有効なものである。
【0013】
本発明の他の実施形態では、歯科インプラントの位置および方向を決定するための方法は、患者の口の内側でインプラントの少なくとも一部のデジタル/仮想モデルを生成することをさらに含む。デジタル/仮想モデルは、例えば、義歯の挿入を調べるために有用である様々な角度からモデルを見ることができるように、3次元であることが好ましい。デジタル/仮想モデルはさらに、隣接する歯に関する情報、およびインプラントの近傍における歯肉に関する情報を、ただし、この情報が利用可能である場合には、反映することができる(例えば、走査手順中にさらに測定され、あるいは何らかの種類のデータベースから取得される)。
【0014】
通常、走査手順は、それぞれ、歯科医および歯科技工士により製作された物理モデルに対して行われ、それは、患者の口中の状態を反映しており、かつ患者の口中のインプラントに対応するインプラント類似物を含む。通常、患者の口の関係する部分だけがモデル化される。物理モデルを利用することにより、例えば、義歯の挿入手順をテストすることが可能になり、または患者が対応可能である必要のない歯科検査室で走査することが可能になる。代替的には、走査手順は、インプラントがすでに、患者の顎の骨に固定されており、かつ走査体がインプラントに取り付けられている患者の口中で、直接行うこともできる。
【0015】
本発明はさらに、上記で述べた方法ステップを実施することのできるコンピューティング装置に関する。このために、走査装置は、通常、コンピューティング装置に接続され、また走査データ(例えば、データ点)は、コンピューティング装置に直接転送される。しかし、IR送信、電気通信システムを用いて、またはデータ記憶手段を用いてデータを転送するなど、様々な方法で走査情報を提示することも可能である。さらに、本発明は、前記命令が実行されたとき、上記で述べた方法ステップを実施するためのコンピュータ実行可能命令をその上に記憶させたコンピュータ可読媒体に関する。さらに、コンピューティング装置、および/またはコンピュータ可読媒体が、走査装置の一部である可能性も存在する。
【0016】
本発明の他の態様は、歯科インプラントの位置および方向を決定するための走査体に関する。走査体は、走査体をインプラントと接続することを可能にする下端部を有し、その場合、走査体は、通常、アダプタ部品を介してインプラントに接続されるが、走査体がインプラントに直接接続される他の実施形態もある。さらに、走査体は、走査手順中に走査される走査幾何形状を備える上端部を有する。走査幾何形状は、その表面が、平面領域の少なくともいくつかを走査手順中に部分的に視認できる必要のある複数の平面領域を備えることを特徴とする。これは、あらゆる可能な視点から、少なくとも3つの平面領域が、少なくとも部分的に視認できる必要のあることを意味している。走査体の上端部が上方を指しており、また走査体の下端部が下方を指している場合、可能な視点は走査体の上方に位置するか、あるいは前記走査幾何形状と同じ高さに(側に)ある。これらの視認可能要件の考えは、少なくとも3つの平面領域が、走査幾何形状の高さの上方の任意の点から、または走査幾何形状と同じ高さで、少なくとも部分的に視認できることを保証することであり、それは、これらの少なくとも3つの平面領域の走査情報が使用されて、一実施形態では、走査体に接続された対応する歯科インプラントの位置および方向を決定するために必要な少なくとも3つの平面を再構成するからである。走査幾何形状の少なくとも3つの平面が、側部から視認できる可能性を必要とすることは、隣接する歯に対するインプラントの位置が、患者の反対側の顎から測定される場合、(例えば、上顎の歯、および下顎の歯が互いに接触する場合、患者が、新しい義歯を用いて適正に噛めることを保証するために)特に有用である。
【0017】
考えられる様々なタイプの走査幾何形状があり、通常、それは多面体である。走査体の全体形状はほぼ円筒形であり、その場合、走査体の長手方向軸は、走査体の下端部の中心と上端部の中心を接続している。複数の平面領域を、走査体の長手方向軸に対して様々な角度から視認できることが必要であるため、本発明の好ましい実施形態では、少なくとも3つの視認可能な平面領域のうち少なくとも2つが、長手方向軸に対して異なる角度方向を有することが必要であり、異なる方向角を有する少なくとも3つのタイプの平面領域であることがさらに好ましい。少なくとも1つのタイプの平面領域の長手方向軸に対する方向角は、30°〜60°、または40°〜50°の範囲に含まれると有利である。さらに、走査体の長手方向軸と直角をなす1つのタイプの平面領域があることが好ましく、かつ/または走査体の長手方向軸に平行である1つのタイプの平面領域があることが好ましい。さらなる実施形態では、様々な数のコーナ、および/または様々な数の辺、および/または様々な長さの辺を備える少なくとも2つまたは3つのタイプの平面領域が存在することが必要である。他の好ましい実施形態では、走査幾何形状は、少なくとも4つの視認可能なコーナを備え、前記4つの視認可能なコーナの内3つが平面内にあり、また前記4つのコーナのうちの1つが前記平面の外にある。様々な特徴を有する平面領域のタイプの数、および/または特定の配置の視認可能なコーナの数に関する要件は、少なくとも3つの必要な平面領域が、あらゆる可能な視点から容易に視認できることを保証することを助ける。さらに、上記で述べた要件は、通常、8または15を超えるいくつかの平面、および/または、通常、5または11箇所を超えるいくつかのコーナをそれぞれ有する幾何形状を走査できるようにする。原理的には、平面の数およびコーナの数のそれぞれには上限はない。しかし、平面/コーナの数が多い場合、個々の平面のサイズは、小さくなり、さらに複雑な走査手順となる可能性がある。したがって、それぞれ、20、30、50、もしくは100の平面、および/または30もしくは50箇所のコーナの上限が望ましい。さらに、走査幾何形状は、三角形および/または正方形および/または五角形および/またはさらに複雑な形状など、様々な形状を備えた様々なタイプの平面領域を含む。
【0018】
本発明の他の実施形態では、走査体は、走査体を特定タイプのインプラントと、かつ/または特定タイプのアダプタ部品と関連付けるコーディングを含む。このために、通常、リブおよび/またはチャネルおよび/または色付きリングが、走査幾何形状のすぐ下に配置される。コーディング、またはコーディングが予想される領域は、走査手順中に、あらゆる可能な視点から視認できる必要があるが、その場合、可能な視点は、それに従って、走査幾何形状に関する可能な視点に規定されるが、コーディングを上から直接視認可能である必要はないが、コーディングまたは走査体、それぞれの上の横方向からだけ視認できる必要があるという差がある。走査手順中にコーディングが視認できない場合、コーディング情報、または各識別情報は、「手動で」(例えば、ユーザがコーディングを見て、そのコーディングにより表される対応する情報を参照することにより)取得することができる。さらに、コーディングは、文字および/または数および/または他の記号を含むこともできる。
【0019】
コーディングはまた、アダプタ部品の一部であり、特定のインプラントを指すことができるが、それは、アダプタ部品上のコーディングを走査することにより、インプラントの、例えば、タイプもしくはサイズを決定できることを意味する。
【0020】
本発明のさらなる実施形態では、走査体の走査幾何形状は、例えば、走査幾何形状のいくつかの部分は光反射性であり、かつ/または走査幾何形状のいくつかの部分は、非光反射性であり、平面領域の一部だけが光反射性で、平面領域の残りの部分は非光反射性である(例えば、平面領域の内側部分は光反射性であるが、平面領域の境界領域では光を反射しない)。この方法では、走査/再構成手順中に平面領域を認識することを簡単化することが可能になる。代替的には、平面領域を容易に検出できるようにするために、異なる反射係数を有する異なる領域を有することで十分である可能性もある。
【0021】
本発明はまた、1組のアダプタ部品と組み合わせた走査体を指しており、走査体を、様々なアダプタ部品により様々なインプラントに取り付けることができる。各アダプタ部品は、特定のインプラントに対応しており、また異なるインプラントに対しては、異なるアダプタ部品が提供されることが好ましい。好ましくは、各アダプタ部品は、光学的に走査できるコーディングを備え、コーディングにより、アダプタ部品に対応するインプラントのタイプ、またはインプラントのサイズを識別することが可能になる。アダプタ部品は、通常、ねじまたはキャッチャを用いてインプラントの上部に固定される。恒久的に接続することが望ましい場合、アダプタ部品はまた、インプラントに接着することもできる。
【0022】
本発明の可能な実施形態のさらなる諸態様は、図1、2a〜2e、および3a〜3fから明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】歯科インプラントの位置および方向を決定する場合の全体的な状況を示す図である。
【図2a】走査体の様々な実施形態を示す図である。
【図2b】走査体の様々な実施形態を示す図である。
【図2c】走査体の様々な実施形態を示す図である。
【図2d】走査体の様々な実施形態を示す図である。
【図2e】走査体の様々な実施形態を示す図である。
【図3a】歯科インプラントの位置および方向の決定に関するステップを示す図である。
【図3b】歯科インプラントの位置および方向の測定に関係するステップを示す図である。
【図3c】歯科インプラントの位置および方向の測定に関係するステップを示す図である。
【図3d】歯科インプラントの位置および方向の測定に関係するステップを示す図である。
【図3e】歯科インプラントの位置および方向の測定に関係するステップを示す図である。
【図3f】歯科インプラントの位置および方向の測定に関係するステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1では、歯科インプラント12の位置および方向を決定するための可能な構成が示されている。その構成は、患者の口中の状況を、または患者の口のモデルの状況を反映している。インプラント12は、顎の骨18に固定される。骨18の上には、歯肉17の層が存在する。走査体11は、歯肉17の高さの上方に部分的に位置するアダプタ部品13を介してインプラント12に取り付けられる。走査体11の左および右に、2本の隣接する歯16が示されている。しかし、いくつかの場合には、インプラント12の隣に、1本だけの隣接する歯16が存在する。走査体11および/またはインプラント12および/またはアダプタ部品13の長手方向軸15は、それぞれ、必ずしも正確に垂直ではなく、あるいは骨18の表面に対して正確に直角ではないことに留意されたい。さらに、走査体11の走査幾何形状21を走査する場合、走査装置の視点14は、必ずしも走査体11の正確に上方に位置しておらず、視点14は、走査体11の幾何形状21の横に、かつ/または側部に位置することもできる。良好な走査結果を達成できるために、走査体11の最も高い部分23は、隣接する歯16の高さにより規定される咬合面19の高さに、またはそれより下に存在する。通常、骨18の表面と、咬合面19との間の距離は、約9mm〜11mmであり、それは、走査体11が、これらの値未満の長さを有しているべきであることを意味する。しかし、走査体11が短すぎる(咬合面19に対して低すぎる)場合、適切なアダプタ部品13を用いることにより、長さを延ばすことが可能である。他方で、走査体11が長すぎる(部分的に咬合面19の上にある)場合、歯または残りの歯部分を走査するように適合された走査通路(scan corridor)からはずれる可能性が高くなる。走査通路の典型的な寸法は、15mm〜20mm×15mm〜20mmであり、長さは20mm〜50mm、または30mm〜45mmである。走査通路は、(その長さに対して直角の断面で)正方形、または長方形の横断面を有することができる。
【0025】
図1で示すシナリオは、1つの可能性に過ぎない。他の多くの可能なシナリオも存在する。例えば、2本の歯が失われている可能性もあり、それは、2本の隣接する歯16の間でより大きな間隙が生ずる結果になる。後者のシナリオは、通常、2つの歯科インプラント12を含むことになり、そのインプラント12の、相手に対する相対的な位置および方向は、2つの走査体11を用いることにより決定することが可能であるが、その場合、各走査体は2つのインプラント12の一方に接続されることになる。他のシナリオは、3つまたはそれ以上のインプラント12、およびいくつかの走査体11を、それぞれ備えることができる。
【0026】
図2a〜2eは、走査体11のいくつかの実施形態を示しており、各走査体11は、インプラント12またはアダプタ部品13に取り付けることのできる下端部22と、走査幾何形状21を備える上端部23を有する。走査幾何形状21は、コーナ25および辺26を有するいくつかの平面領域24を備え、その場合、辺26はまた、走査幾何形状21の縁部26と見なすこともできる。図2aの特定の場合では、走査幾何形状21は、平面領域24として、6つの正方形と6つの三角形からなる。しかし、例えば、図2dおよび2eで示すものなど、走査幾何形状21の他の可能なタイプがある。図2dの走査幾何形状21は、3つのタイプの平面領域24から、すなわち、1つの正方形の平面領域24、第1のタイプの4つの五角形領域24、および第2のタイプの4つの五角形領域24からなる。図2eの場合では、走査幾何形状21は、2つのタイプの平面領域24、すなわち、10つの三角形および6つの五角形を含む。図2bおよび2cでは、図2aの走査体11が、走査幾何形状21の真下にさらなるコーディング27を備えて示されているが、コーディング27が、走査幾何形状21の一部であることも可能であるはずである。図2bでは、コーディング27は、走査体11の周囲の単一のチャネルであり、また図2の場合では、コーディング27は、2本のリブからなる。走査幾何形状21に関して、コーディング27、またはコーディング27を予想するはずの領域(例えば、空白(void)コーディング27がある場合)は、走査手順中に、走査体11を、コーディング27を走査/認識することにより識別できるように、あらゆる可能な視点14から視認できる必要がある。
【0027】
図3a〜3fでは、走査手順およびデータ処理のいくつかのステップが示されている。図3aは、一連の(データ)点31を取得することにより走査される例示的な平面領域24を示している。平面領域24の内側にある(おそらく、境界も含めた)点31が、平面32を再構成するために使用される。通常、平面32は、特定の選択基準を用いて、データ点31の受入れ、および拒否を含むことのできる(例えば、平面32の第1の推定からは離れすぎている点31は拒否される)フィッティング手順を用いて再構成される。互いに交差する2つの平面が再構成された場合、真っ直ぐな交差線33を、図3cで示すように求めることができる。さらに、互いに交差する2本の真っ直ぐな交差線33がある場合、図3dで示すように、交点34を再構成することができる。交点34はまた、交点34が対応するコーナ25に隣接する平面領域24に対応する平面32と、3つの平面、またはさらに4、5以上の平面32との交差から決定することもできる。後者の場合は、真っ直ぐな交差線33の明示的な再構成を必要とせず、したがって、図3cで示されたステップは除外される。暗黙的に、1つの交点34の再構成は、少なくとも3つの再構成された平面32を、または3つの平面領域24を、それぞれ必要とする。図3eで、物理的な幾何学的要素と、再構成された幾何学的要素との対応関係が求められる。例えば、交点34は、コーナ25に対応し、また真っ直ぐな交差線33の一部は、辺/縁部26に対応する。さらに、平面32の一部が物理的な平面領域24に対応する。この対応関係情報を用いて、平面領域24のデジタル/仮想モデルを構築することができる。仮想平面領域24’は、再構成された交点34に対応するいくつかの仮想コーナ25’と、再構成された真っ直ぐな交差線33の一部に対応するいくつかの仮想の辺26’とからなる。このように、全体の幾何形状21のモデルを作成することが可能であり、あるいは全体の走査体11、歯科インプラント12、アダプタ部品13のデジタル/仮想モデル、および患者の口の一部のデジタル/仮想モデルも、それぞれ作成することが可能である。しかし、後者の場合、さらなる走査情報、および/またはさらなる記憶情報(例えば、データベースから得られるもの)が必要である。
【0028】
図3a〜3fを用いて本文中で述べた手順は、さらに、以下で述べる1つまたは複数の任意選択のステップを含むことができる。走査体11の表面を走査することにより1組の点31が得られた後、走査体の表面は、例えば、三角形などの有限要素を用いて、近似的に記述することができる(以下では、三角形の例が使用されるが、概して、長方形、四角形、または他の多角形など、三角形以外の他の有限要素も等しく使用することができる)。有限要素は、(1組の点31に基づいて)走査体の表面を記述するメッシュを形成するために使用することができる。各三角形は、3つのコーナを有し、各三角形の方向は、三角形が存在する平面の法線ベクトルにより記述される。結果のステップでは、人/ユーザは、前記平面領域24中に存在する三角形をクリックすることにより、走査幾何形状21の平面領域24を明示的に選択することができる。この種のユーザ選択は、検出された平面領域を、走査幾何形状21の実際の平面領域24と関連付けることを助ける。特に、平面領域24のこのようなユーザ選択は、図2dおよび2eで示す走査体11の場合にそうであるが、前記平面領域24が、走査幾何形状21の上端部23で単一の平面領域24である場合に有用である。この場合、前記平面領域24の法線ベクトルは、走査体11の長手方向軸15に対して平行である。この特定タイプの平面領域24により、上端部23の位置および走査体11の方向の正確な決定が可能になるので、この平面領域24は、高精度で、歯科インプラント12の位置および方向を決定することを助ける。加えて、平面領域24の前記特定タイプのユーザ選択は、位置および方向の決定を簡単化する(したがって、スピードアップする)ことができる。
【0029】
さらなる処理で三角形をユーザが選択する場合、2mm〜3mmの半径を有する球形に含まれる三角形だけを使用することが好ましいが、それは、この方法では、その球形の内側に位置する隣接する三角形が、走査幾何形状21の表面全体を理想的に記述するからであり、その三角形を、対応する平面領域24、走査体11、およびインプラントの位置および方向をそれぞれ決定する場合に考慮に入れることができる。より具体的には、走査幾何形状21の(視認できる)平面領域24は、上記で述べた球形の内側のすべての三角形を考慮することにより、またそれらの方向(法線ベクトル)により三角形をグループ化することによって記述することができる。同様の法線ベクトルを有するこれらの三角形は、同じ平面領域24を記述しており、したがって、同じグループに属していると見なすことができる。
【0030】
その後、三角形の各グループに対して、走査幾何形状21の平面領域24に対応する平面32を、(例えば、三角形のコーナに対して、すなわち、メッシュの点に対して平面をフィッティングするプロセスを実施することにより)再構成することができる。再構成された平面32は、次いで、走査幾何形状21のコーナ25に対応する交点34を再構成するために使用することができる。1つの交点34を求めるために、このような3つの再構成された平面32を使用することができる。平面領域24の縁部またはコーナに近接して(例えば、0.1mmよりも近くに)位置する表面部分に対応する、走査幾何形状21の表面の有限要素記述の三角形(または三角形のコーナ)は、平面32のフィッティング手順において考慮に入れないことが好ましいが、それは、これらの三角形は、対応する平面領域24に対して傾いている、または上下にずれている可能性のあるためであり、精度の劣るフィッティング結果となる可能性がある。例えば、あるグループの三角形もしくは三角形のコーナの平均位置の周囲の円内に位置する三角形もしくは三角形のコーナだけを使用することができる。円の半径は、1つの平面フィッティング手順に対して、同じ平面24上にある三角形もしくは三角形のコーナだけが確実に考慮されるように、十分に小さく選択される。走査体11の平面領域24に対応する平面32を規定/決定するためには、単一の三角形で十分であるが、この決定の精度を高めるために、平面32の規定に関して複数の(例えば、100、200、または500を超える、かつ/または1000または10000未満の)三角形にわたって平均をとることが好ましいことに留意されたい。
【0031】
交点34を再構成し、かつ再構成された交点34を物理的なコーナ25と関連付けた後、再構成された交点34の空間的な位置を、例えば、走査体のデジタルモデルの一部とすることができる点の予想される空間位置と比較する可能性がある。後者の比較は、ちょうど一貫性の検査として実施することができるが、あるいは、それは、走査本体11またはインプラント12の、それぞれの位置および方向に対して訂正を適用するために使用することができる。
【0032】
走査体の長手方向軸が、その他の形で(例えば、走査体全体を走査されたデータセットへと当てはめるように試みるグローバルマッチ(global match)から)決定できる場合、この長手方向軸は、長手方向軸に沿ったその位置に対して三角形の位置をチェックすることにより、ユーザが走査体の上部の平面領域上の三角形を選択したことを検証するために使用することができる。その位置が、ほぼ長手方向軸に沿った最も外側の位置上にない場合、ユーザが走査体の上部の平面領域上の三角形を選択していないことを示すエラーメッセージを生成することができる。
【0033】
歯科環境のより詳細な状態を、またはより完全な仮想モデルをそれぞれ取得するために、走査手順は、それぞれ、異なる視点14から、かつ異なる見方から(例えば、上方および2つの側面から見た)、歯科環境内で走査体11を走査することを含むことができる。複数走査の情報は、重複した(例えば、走査体11の)領域を識別することにより、かつ個々の走査から導かれた情報をマージすることにより組み合わせることができる。このようにして、基本的に完全な三次元モデルを生成することができ、それは、回転させて、考えられるあらゆる視点から見ることができる。異なる走査の組み合わされたデータを利用することは、通常、より再構成された真っ直ぐな交差線33を生成し、おそらく、物理的なコーナ25に対応するさらに再構成された交点34も生成する。したがって、決定されたコーナ25’の数は複数になり、通常、3箇所を超え、5、または7箇所になりうる。複数の決定されたコーナ25’は、次いで、対応する歯科インプラント12の位置および方向を決定するために、それぞれ、走査体11またはそのコーナ25のモデルに当てはめるために使用することができる。
【0034】
真っ直ぐな交差線33を再構成し、交点34を再構成するためには、物理的なコーナ25、または物理的な縁部26を、走査手順中に視認できることは必要ではないことに留意されたい。平面32を再構成するためには、1つの特定の平面領域24の内側に存在する少なくとも3つのデータ点を取得できれば十分である。したがって、走査および再構成手順はまた、データ点31が、物理的コーナ25または縁部26の近くに位置していなければ十分に機能する。さらに、コーナ25または縁部26上の点は、インプラント12の位置および方向を決定するために必要ではないので、走査手順中に、さらに少ない点31を取得することが可能であり、それにより、走査をより迅速に行うことが可能になる。さらに、平面を再構成することにより、走査体の対応する平面領域上に実際に存在するデータ点を考慮に入れることができる。走査体のコーナまたは縁部を見出すように試みることは、このような縁部またはコーナ上に実際に存在するデータ点は、わずかな数に過ぎない可能性があるので、正確さに劣ることになる。要約すると、本発明の歯科インプラント12の位置および方向を決定することにより、信頼性が高くなり、同時に、走査手順をより簡単にすることができる。
【0035】
インプラントの決定された位置および方向は、インプラント上に固定されるアバットメントを、またはブリッジ、歯冠など、アバットメントもしくはインプラント上に固定される任意の他の部分をモデル化するために使用することができる。得られた情報から、インプラントまたはアバットメント上に固定される部分の挿入方向もまた、決定することができる。
【符号の説明】
【0036】
11 走査体
12 歯科インプラント
13 アダプタ部品
14 視点
15 長手方向軸
16 隣接する歯
17 歯肉
18 顎の骨
19 咬合面
21 走査幾何形状
22 下端部
23 上端部、最も高い端部
24 平面領域
24’ 仮想平面領域
25 コーナ
25’ 仮想コーナ
26 辺、縁部
26’ 仮想の辺
27 コーディング
31 データ点
32 再構成された平面
33 真っ直ぐな交差線
34 交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科インプラント(12)の位置および方向を決定するための方法であって、
前記歯科インプラント(12)に接続された走査体(11)の表面を走査するステップであって、複数のデータ点(31)が測定され、前記複数のデータ点は、前記走査体(11)の前記表面上に位置する点(31)の位置に対応する、歯科インプラント(12)に接続された走査体(11)の表面を走査するステップ、または、
前記歯科インプラント(12)に接続された走査体(11)の前記表面上に位置する点(31)の位置に対応する複数のデータ点(31)を有するデータセットをロードするステップ、
を含み、さらに、
前記データ点(31)に基づいて少なくとも3つの平面(32)を再構成するステップと、
前記再構成された平面(32)の交差情報を再構成するステップであり、前記交差情報が、1つまたは複数の真っ直ぐな交差線(33)、および/または1つまたは複数の交点(34)を含むステップと、
前記再構成された交差情報の少なくとも一部に基づいて、前記インプラント(12)の前記位置および前記方向を決定するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インプラント(12)の前記位置および前記方向を決定する前記ステップが、
再構成された平面(32)を、前記走査体(11)の前記表面上の物理的な平面領域(24)と関連付けるステップと、
再構成された真っ直ぐな交差線(33)を、前記走査体(11)の物理的な縁部(26)と関連付けるステップと、
再構成された交点(34)を、前記走査体(11)の物理的なコーナ(25)と関連付けるステップと、
のうちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記平面(32)の再構成のために使用されるすべての前記点(31)の位置が、前記走査体(11)の前記表面上の平面領域(24)の内側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記インプラント位置の前記決定が、少なくとも1、2、または3箇所の再構成された交点(34)、および少なくとも1、2、または3本の再構成された真っ直ぐな交差線(33)に、かつ/または少なくとも2、4、6、または8箇所の再構成された交点(34)に、かつ/または互いに交差する少なくとも2本の再構成された真っ直ぐな交差線(33)に基づくことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記平面を再構成する前記ステップが、前記データ点(31)のサブセットを通過する平面(32)をフィッティングするステップを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記インプラント(12)の前記位置および前記方向を決定する前記ステップが、前記走査体(11)、および/または前記インプラント、および/またはアダプタ部品(13)などの前記走査体(11)と前記インプラント(12)との間にある他の部品の既知の寸法にさらに基づくことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
デジタルモデルを生成するステップをさらに含み、前記デジタルモデルが三次元であり、また前記デジタルモデルが、患者の口の内側の前記インプラントを少なくとも部分的にモデル化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記デジタルモデルが、前記インプラント(12)に隣接する歯(16)をモデル化すること、および/または前記インプラント(12)の隣の歯肉(17)をモデル化することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記走査体(11)の前記表面を走査する前記ステップが、前記走査体(11)が患者の口の内側に位置している間に行われる、または前記走査体(11)の前記表面を走査する前記ステップが、前記走査体(11)が物理モデルに取り付けられている間に行われ、前記物理モデルが、好ましくは、患者の口の一部の状況を反映していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9に記載の方法を実行するためのコンピューティング装置、および/または請求項1〜9に記載の方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されたコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
歯科インプラント(12)の位置および方向を決定するための走査体(11)であって、
前記走査体(11)を前記インプラント(12)と接続するための手段を備えた下端部(22)であって、前記走査体(11)が前記インプラント(12)に直接接続される、または前記走査体(11)がアダプタ部品(13)を介して前記インプラント(12)に接続される、下端部(22)と、
走査幾何形状(21)を有する上端部(23)と、
を備え、
前記走査幾何形状(21)の前記表面が、複数の平面領域(24)を備え、あらゆる可能な視点(14)から、視認可能な少なくとも3つの前記平面領域(24)が存在し、可能な視点(14)が、前記走査幾何形状(21)と同じ高さに、またはその上方に位置しており、視点(14)は、前記走査体(11)の前記方向が、前記上端部(23)が上方を指し、かつ前記下端部(22)が下方を指すような場合には、前記走査幾何形状(21)の上方に位置し、また前記視点(14)は、前記走査体(11)の最も高い端部(23)より高い任意の位置にあることを特徴とする走査体(11)。
【請求項12】
前記走査幾何形状(21)が、以下の特徴、すなわち、
前記幾何形状(21)が、前記走査体(11)の前記長手方向軸(15)に対して、異なる方向角を有する少なくとも2つ、または少なくとも3つのタイプの平面領域(24)を備え、前記走査体(11)の前記長手方向軸(15)が、前記走査体(11)の前記上端部(23)および前記下端部(22)を接続すること、
前記走査幾何形状(21)が、少なくとも2つ、または少なくとも3つのタイプの平面領域(24)を備え、前記少なくとも2つ、または少なくとも3つのタイプの平面領域(24)のコーナ(25)の数が異なっていること、
前記走査幾何形状(21)が、少なくとも1つのタイプの平面領域(24)を備え、前記タイプのうちの1つの特定の平面領域(24)が複数の辺(26)を有しており、前記平面領域(24)のすべての辺の長さが等しく、または前記平面領域(24)が、異なる長さを有する少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの辺(26)を備えること、および、
前記走査幾何形状(21)が、第1のコーナ(25)、および少なくとも3つのさらなるコーナ(25)を備え、少なくとも3つの前記さらなるコーナが平面(32)を画定し、また前記第1のコーナ(25)が、前記平面(32)の外側に存在すること、
のうちの1つ以上の特徴を備える多面体であることを特徴とする請求項11に記載の走査体(11)。
【請求項13】
前記走査体(11)が、前記走査体(11)を特定タイプのインプラント(12)と関連付ける、かつ/または特定タイプのアダプタ部品(13)と関連付けるコーディング(27)をさらに備えることを特徴とする請求項11または12に記載の走査体(11)。
【請求項14】
前記コーディング(27)が、あらゆる可能な視点(14)から前記コーディング(27)を視認できるように位置しており、その場合、可能な視点(14)が前記コーディング(27)と同じ高さに、またはその上の横方向に位置し、視点(14)は、前記走査体(11)の前記方向が、前記上端部(23)が上方を指し、かつ前記下端部(22)が下方を指すような場合には、前記コーディング(27)の上の横方向に位置し、また前記視点(14)は、前記走査体(11)の前記最も高い端部(23)よりも高い任意の位置に位置することを特徴とする請求項13に記載の走査体(11)。
【請求項15】
前記コーディング(27)が、1つまたは複数のリブ、および/またはチャネル、および/または色付きのリングを備えることを特徴とする請求項13または14に記載の走査体(11)。
【請求項16】
前記走査幾何形状(21)の一部が光反射性であり、かつ/または前記走査幾何形状(21)の一部が非光反射性であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の走査体(11)。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【公表番号】特表2012−517308(P2012−517308A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549482(P2011−549482)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000854
【国際公開番号】WO2010/091868
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(506427727)シュトラウマン ホールディング アーゲー (7)
【Fターム(参考)】