説明

歯科用コンピュータ断層撮影装置

本発明は、歯科用コンピュータ断層撮影装置に関する。本装置は、X線撮影手段と、装置の撮影ステーションに位置している患者の顔を複数の異なる方向から写真撮影する少なくとも1台のカラーカメラと、撮影ステーションに位置している患者の顔の複数の異なる位置に光パターンを送るように取り付けられている、少なくとも1個のレーザまたは対応する照明構造と、少なくとも1台のカラーカメラに機能上接続されている手段であって、撮影ステーションに位置している患者の顔の複数の異なる位置に送られる光パターン情報から仮想3次元サーフェスモデルを作成する、手段と、少なくとも1台のカラーカメラによって検出された顔の画像情報と、患者の顔のサーフェスモデルとを合成して、患者の顔の仮想3次元テクスチャモデルを作成する手段と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる歯科用コンピュータ断層撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用X線撮影の歴史は、X線が発明されてまもなく始まる。より高度な撮影方法、例えば歯科分野におけるパノラマX線撮影の開発は、半世紀以上前に開始された。特に1990年代におけるデジタル撮影法の開発によって、歯科分野でもデジタルX線撮影装置が実用化された。歯科分野における最も新しい開発では、頭部領域の骨格構造を3次元撮影するために設計されたコーンビーム型コンピュータ断層撮影装置が一般化した。この装置によって提供される新しい可能性として、例えば、インプラント装着およびその他の治療計画に関連する用途が考えられる。
【0003】
カメラおよび情報技術の進歩(例えばコンピュータの計算能力の進歩)に伴って、さまざまな表面の仮想的な3次元サーフェスモデルを作成することが可能になった。歯科分野においては、顔のサーフェスモデルを、例えば矯正治療に関連して利用することができ、なぜなら、矯正治療は顔の形状にも影響しうるためである。このようなサーフェスモデルは、表面のテクスチャに関する情報(すなわち表面/表面構造の細部の情報)と組み合わされることがある。
【0004】
さらに、従来技術として、表面の3次元形状のモデルを個別に作成することなく仮想3次元テクスチャモデルを作成する技術も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
歯科分野においては、顔のテクスチャモデルの利用は、特に、特定の撮影を目的とする専用の装置を購入する必要があるため、普及が進んでいない。専用装置の購入は、コストの問題のみならずスペースの問題でもあり、なぜならこのような装置ごとに、設置場所、保管場所、使用場所の少なくとも1つが必ず要求されるためである。その一方で、個別に撮影する場合、必ずそれだけ時間もかかる。さらには、データ処理に関して装置に要求される課題として、モデルを作成するためには、異なる時刻に得られた画像情報、異なる撮影装置によって得られた画像情報、あるいは撮影時にそれぞれ独立して位置調整されて得られた組織構造の画像情報を、互いに合成する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、多用途の歯科用コンピュータ断層撮影装置であり、本装置によって、患者の頭蓋骨の仮想3次元モデリングを目的として、患者の頭部の骨格構造に関する少なくともX線画像情報と、患者の顔の色、傷跡、毛髪、ほくろなどのさらなる情報とを生成することが可能である。本発明による装置は、コンピュータ断層撮影画像のみならず、顔の表面のテクスチャを含んだ3次元画像を生成する手段、を含んでいる。本装置は、頭部の骨格構造もしくは歯またはその両方に関する3次元画像と、患者を配置したまま同一の撮影イベントにおいて、顔の軟組織の表面形状および表面のテクスチャに関する情報とを生成することが可能であるようにされていることが好ましい。本発明の本質的な特徴は、添付の請求項にさらに詳しく定義されている。
【0007】
本発明は、患者の頭部の組織構造のさまざまなモデリングを行う新規の装置を提供する。本発明では、特に、既存の撮影装置を使用することが可能であり、従来技術の専用の装置を使用する必要がなく、これにより歯科医は、仮想3次元モデルによって提供される可能性を容易に利用することができる。
【0008】
以下では、本発明およびその好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるコンピュータ断層撮影装置の一例を示しており、基本構造として、基礎構造部と、撮影手段を支持するアーム部とを含んでいる。
【図2】図1による装置において使用することのできる、画像情報の受像器モジュールを示している。
【図3】図2によるモジュールからのレーザ光を、撮影ステーションに位置している患者に導く方法を示している。
【図4】本発明による装置において使用されるレーザ走査の動作原理を示している。
【図5】図5a、図5bは、本発明の好ましい一実施形態による信号経路として、X線検出器および少なくとも1台のカラーカメラからフレームグラバを経てコンピュータまでの経路を示している。
【図6】図6a、図6b、図6cは、顔のさまざまな仮想3次元モデルの例を示している。
【図7】本装置の特定の動作を制御するための、本発明の好ましい一実施形態による原理を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明によるコンピュータ断層撮影装置の一例を示している。この装置は、垂直支持構造部(11)を含んでおり、この垂直支持構造部(11)からは、患者支持手段を支持しているアーム(12)と、アーム部(13)とが水平方向に延びており、アーム部(13)は、装置の撮影手段を支持している構造であるアーム部(14)を支持している。撮影手段を支持しているアーム部(14)は、回転自在に配置される。撮影手段を支持しているアーム部(14)には、X線源(15)と、X線画像情報の受像器(21)とが、互いに隔てて配置されている。本装置において、X線源(15)と、X線画像情報の受像器(21)とは、患者支持手段(17)に対して以下のように配置されている。すなわち、X線源(15)とX線画像情報の受像器(21)との間には撮影ステーション(18)が配置され、X線源(15)によって生成されるビームを、撮影ステーション(18)を通ってX線画像情報の受像手段(21)の方に導くことができる。本装置は制御手段を含んでおり、図1には、制御手段の要素として、支持構造部(11)に配置されている制御パネル(16)と、制御パネルに付随する動作モード選択手段(19)とを示してある。図1による装置において、X線画像情報の受像手段(21)は、画像情報の受像器モジュール(20)の一部として配置されており、受像器モジュール(20)は、ケーブルを介してコンピュータ(30)に接続された状態に配置されている。コンピュータには、画像情報を処理する手段が配置されており、ディスプレイ(31)は、コンピュータによって生成された画像を表示する。
【0011】
図2は、図1による装置において使用することのできる、画像情報の受像器モジュール(20)を示している。このモジュールは2台のカラーカメラ(22)を含んでおり、これらのカラーカメラ(22)は、X線検出器(21)の両側に水平に配置されており、撮影ステーション(18)に位置合わせされている。さらに、このモジュール(20)には、好ましくは撮影ステーション(18)を照らす白色光を生成する光源(23)と、2個のレーザ(24)とが配置されている。レーザは、モジュール(20)の実質的に中央、実質的に上縁部および下縁部の近傍に配置されている。レーザ(24)は、狭い垂直平面の扇状ビーム(narrow vertical planar fan beam)を撮影ステーション(18)に向けて放射するようにされており、扇状ビームは患者の顔の上にレーザ光パターンを形成する。図3は、図2に示した2個のレーザ(24)によって生成されるレーザ扇状ビームを、照らされない領域なしに垂直方向に患者の顔がカバーされるように、撮影ステーション(18)に導く方法を示している。
【0012】
本発明では、同じ色の2個のレーザ(24)を使用することができ、または2個のレーザ(24)を異なる色とする、すなわち、第1のレーザが第1の色のレーザ光を生成し、他方のレーザが第2の色のレーザ光を生成するようにすることができる。同じ色のレーザを使用する場合、実際には、正確に重なるビームをレーザ(24)が生成するような構造を実施することが課題となることがある。この課題は、製造技術の観点においてすでに難しいことがあり、さらには、後から装置を使用するときにアライメントの問題も起こりうる。異なる色のレーザの場合には、異なる方向を向いた状態でレーザを配置することができ、例えばマシンビジョンによって、画像の中で対象の色を探すことに基づき、画像の中で識別することができる。異なる色のレーザの相互のアライメントが使用中に変化する場合、レーザの再アライメントを行う代わりに(工場での調整が要求されうる)、再較正によって修正することが可能である。
【0013】
本装置に配置されている光源(23)は、白色以外の1つまたは複数の色の光を生成するようにすることもできる。光源(23)の前には、拡散性の薄膜を配置することができ(図2の面(23)を参照)、これによって、より大きな領域から光が実質的に均一に放射され、対象領域が均一に照らされる。さらには、光源(23)に偏光板を設けることができる(図2の面(23)を参照)。偏光板は、第1のカメラに関連して配置されている光源に起因して第2のカメラの画像内に発生しうる(または第2のカメラに関連して配置されている光源に起因して第1のカメラの画像内に発生しうる)鏡面反射を、皮膚表面から排除することができる。装置には、3台以上のカメラ(22)、または1台のみのカメラ(22)を配置することも可能であり、1台または複数のカメラ(22)は、写真用カメラとしてのみならず、連続的に動作するビデオカメラとして機能するようにすることもできる。患者の顔に導かれる光パターンは、レーザ以外の光源によって生成することもでき、この光パターンの色は、変更可能であるようにすることもでき、レーザによって生成される場合でも、光パターンの色を従来の赤以外の色(例えば好ましくは緑)とすることができる。
【0014】
図1の装置における撮影手段を支持している構造(14)が回転自在に配置されていれば、画像情報の受像器モジュール(20)に配置されている1台または複数のカラーカメラ(22)によって、撮影ステーション(18)に位置する患者の顔の画像を複数の異なる方向から撮影することが可能である。この場合、レーザ光パターンによって患者の顔を走査することも可能である。例えば、図2による装置(カメラ(22)とレーザ(24)が互いに距離をおいて配置されている)を使用するとき、撮影ステーション(18)に位置する患者の顔をレーザラインによって走査し、それと同時に、レーザ光の方向に対するある角度(90度未満の角度)において顔の画像を撮影することが可能である。このようにして得られた画像情報から、後に詳細に示される方法によって、患者の顔の形の3次元サーフェスモデルを作成することが可能である。本発明の好ましい一実施形態においては、本装置の制御システムに、走査中にレーザを所望の時間長だけ必ず一時的にオフにする制御機能が設けられている。そして、この期間の間に、レーザ光パターンなしで患者の顔のカラー画像を撮影し、得られた画像情報から患者の顔のテクスチャモデルを作成することが可能である。しかしながら、レーザをオフにするのではなく、撮影時に生成された画像情報の処理時に、形成されるテクスチャモデルからレーザラインをプログラム的に除去するように動作させることも、原理的には可能である。
【0015】
図4は、本発明による装置において使用されるレーザ走査の原理を示している。撮影ステーション(18)に位置している患者の顔に、扇状のビームが導かれ、顔の上に垂直方向の幅の狭いレーザ光パターンが形成される。このパターンが、レーザ扇状ビームの方向に対して0〜90度の角度において、2次元カメラ(22)によって撮影される。レーザラインは、カメラ(22)によって撮影される画像により識別される。画像内のレーザライン上の各点(x,y)は、患者の顔の上に導かれたレーザラインの点Pをセンサ上へ投影したものとなる。撮影ステーション(18)に対するカメラ(22)の位置と、カメラの光学特性とが既知であるとき、カメラ(22)の各ピクセルに対応する点P’の位置(点x,y)を、この3次元座標系において求めることが可能である。空間内の点Pの3次元位置は、レーザ扇状ビームの平面Tと、カメラ(22)のレンズの中心Oと点P’を通るビームとの交点を計算することによって求められる。レーザ(24)およびカメラ(22)を患者の顔の一方の側から他方の側に移動させ、レーザラインが顔の上のさまざまな位置にあるときにレーザラインの画像を撮影することによって、顔の表面の形の仮想3次元モデルを構築することができる。
【0016】
図5aは、本発明の好ましい一実施形態において使用される信号経路として、画像情報の受像器モジュール(20)からコンピュータ(30)までの経路を示している。1台または複数のカラーカメラ(22)およびX線検出器(21)によって検出された画像情報を、コンピュータ(30)に送るための信号経路は、共有経路とすることができる。すなわち、カメラによって得られた画像情報と、検出器によって得られた画像情報とが、同じ1つのフレームグラバを経てコンピュータ(30)に送られるようにすることができる。本装置においては、少なくとも、撮影手段の移動の制御手段、もしくはX線源の制御手段、またはその両方と、コンピュータとの間の信号経路も、カメラからコンピュータへの信号経路と同じイーサネットケーブル(イーサネットは登録商標)を介して形成されていることが好ましい。この構成は、例えば、装置に配置することのできるイーサネットハブまたはイーサネットスイッチによって、実施することができる。図5bは、装置に信号経路を配設するための別の好ましい実施形態を示しており、この場合も、撮影手段とコンピュータとの間に1本のイーサネットケーブルが必要となるのみである。
【0017】
コンピュータ(30)に用意された手段であって、撮影ステーション(18)に配置されている患者の顔を撮影するときに得られる画像情報を処理する手段(画像処理手段)は、本発明に従って、次のアルゴリズムを備えている。このアルゴリズムは、少なくともX線検出器(21)から得られる画像情報を処理し、さらに、1台または複数のカラーカメラ(22)から得られる画像情報を処理し、患者の顔の仮想3次元テクスチャモデルを作成する。画像処理手段には、患者の顔に導かれるレーザラインの画像情報から顔のサーフェスモデルを作成する手段が含まれており、この手段はテクスチャモデルを作成するときに使用される。画像処理手段は、患者の頭部領域の歯もしくは骨格構造またはその両方の少なくとも一部分と、顔のテクスチャの両方を、3次元的に同時に示すモデル、を作成できる手段を含んでいることが好ましい。
【0018】
図6aは、本発明による装置によって作成可能な顔の3次元モデルの例を示しており、顔のテクスチャモデルに、患者の頭部領域の骨格構造および歯に関する情報が組み込まれている。図6bも、本発明による上述した装置によって作成可能な顔のサーフェスモデルの例を示している。図6cは、図6bによるモデルの別の投影を示しており、患者の顔の上のレーザラインパターンから得られる情報のみから作成されたものである。図6bと図6cを比較すると、本発明による装置によって作成可能な顔のテクスチャモデルと、単なる顔のサーフェスモデルとの違いを認識することができる。
【0019】
図7は、上述した実施形態による装置の特定の動作を制御する方法の原理を説明する略図を示している。図において、患者の顔の撮影は、X線照射と同時に、または単独の撮影として実施され、この場合、画像情報の受像器モジュール(20)が、患者の顔の一方の側から他方の側に、少なくとも180度(例えば少なくとも200度、例えば約260度)移動するように、撮影手段を支持するアーム部(14)が回転するものと想定する。この移動の間、画像情報の受像器モジュール(20)の光源(23)を規則的にパルス化することによって、患者の顔が照らされる。その一方で、レーザ光は連続的にオンであるように維持されるが、撮影ステーション(18)に位置している患者の顔の画像をレーザ光パターンなしで撮影できるようにする目的で、走査中にレーザ光が一時的にオフにされる。装置の動作は、2種類の期間が形成されるように同期され、第1の期間においては、レーザ光がオフにされており、光パルスシーケンスのうち患者の顔が照らされている間に顔の画像が撮影される。第2の期間においては、レーザ光が再びオンに維持されており、したがって撮影手段を支持するアーム部(14)が回転するときレーザラインが患者の顔に沿って移動し、光パルスシーケンスのうち患者の顔が照らされていない間に顔の画像が撮影される。上述した本発明の実施形態に従って撮影に2台のカラーカメラ(22)が使用される場合、図7に示した動作モードにおいては、上述した制御は、第1および第2のカメラ(22)が、連続する光パルスにおいて常に画像を撮影するように実施される。カメラ(22)によって取り込まれた画像情報は、光パルスのうち画像情報が取り込まれない期間中に常に読み出すことができる。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態によると、本装置は、撮影を実施する手段を含んでおり、この手段は、約200度の回転角においてコンピュータ断層撮影が実現され、かつ、約260度の回転角において写真撮影が実現されるように、撮影を実施する。したがって、実際には、260度の回転運動を1回行い、このとき、30度のみ移動した後にX線撮影を開始し、同じ角度だけ写真撮影よりも早く終了することによって、この撮影を実施することができる。あるいは、第1の方向における200度の回転運動の間に、最初にX線画像情報を取得し、この第1の方向に、写真撮影の開始位置までそのまま回転を続け、そこから反対方向における260度の回転運動の間に写真撮影を行うことによって、上記の撮影を実施することができる。後者の代替形態では、その利点として、写真撮影のみを行うときの回転運動を高速で(すなわちX線撮影時よりも大きい角速度で)行うことができ、コンピュータ断層撮影に要求される速度によって角速度が制限されることがない。これによって、撮影中に患者の表情が変化したり、その他の動きが生じる危険性を小さくできる。
【0021】
したがって、図7の略図は、本発明において使用することのできる原理の一例を示している。しかしながら、撮影ステーションに位置する患者が、顔の照明をパルス化することに起因する光のちらつきを感じないようにすることが望ましい場合、照明のパルス周波数を少なくとも50〜60Hzにしなければならない。このようなパルス化の場合、本発明を実際に実施するとき、図7に示した方法そのままで動作させると画像情報量が不必要に大きくなる。上記の原理は、実際には次のように適用することができる。例えば、上述した期間において、第1および第2のカメラは、光のパルスごとに画像を撮影するのではなく、例えば10個程度のパルスごとのタイミングで撮影を行うようにする。これにより、カメラからの画像情報を読み取るための時間も長くなる。したがって、本発明の好ましい一実施形態においては、患者の顔を照らす手段は、短いパルスにおいて(好ましくは少なくとも50〜60Hzの周波数で)患者の顔を照らすように制御される。1つまたは複数のレーザは、アーム部の回転中、連続的に、ただしレーザ光パターンが形成されない期間(例えば10個未満の期間)が存在するように、患者の顔の上にレーザ光パターンを形成するように、制御される。1台または複数のカラーカメラは、レーザ光パターンが顔に導かれる第1のパルス段階においては、患者の顔を照らす手段が顔を照らしていないときに画像を撮影し、レーザ光パターンが顔に導かれない第2のパルス段階においては、患者の顔を照らす手段が顔を照らしているときに画像を撮影するように、制御される。
【0022】
上述した実用的な動作モードに従って一連の画像撮影を実施するための1つの実際の方法として、撮影手段が移動している間の最初の期間と最後の期間を、レーザラインなしで顔を撮影する期間として実施する。撮影手段が移動している期間内に、レーザラインなしで顔を撮影する期間を合計で5つ、均等間隔で配置する。本発明のこのような実施形態によると、患者の顔の合計で10枚のカラー画像は、レーザ光パターンなしで複数の異なる方向から撮影される。撮影手段が患者の顔の一方の側から反対側まで移動するときの角速度は、このような期間にはさまれた4つの期間中に、顔に導かれるレーザ光の300枚のオーダーの画像が撮影されるような角速度とすることができる。ただし、当業者には明らかであるように、レーザ光パターンの画像を均一な間隔で撮影する必要はなく、画像の数と、レーザラインの画像を撮影するときの位置は、例えば表面の構造の所望の水平解像度に応じて可変とすることができる。さらには、レーザラインなしの写真についても、均一な間隔で撮影する必要はない。写真の数および撮影位置は、何らかの特定のニーズに加えて、複数の異なる方向から撮影された部分的な顔の画像から3次元テクスチャモデルを作成するうえでの適切な接合点と十分な撮影範囲が達成されるように、可変とすることができる。
【0023】
本発明による装置と、その動作モード選択スイッチ(19)は、X線撮影と、患者の顔の撮影とを、個別に行う。または、本発明の好ましい一実施形態においては、X線撮影と、患者の顔の撮影とを、同じ撮影イベントに関連して(場合によっては同時に)行えるように構成することができる。X線撮影と同時に、複数の異なる方向から顔を写真撮影することによって、個別の撮影の必要性がなくなり、これによって特に、顔の個別の撮影のために別の撮影装置を較正する必要がなくなり、その別の装置において患者を位置調整する必要もなくなる。したがって、X線撮影と同時に顔の撮影を実行できることによって、トラブルが減少し、時間が節約される。さらに、複数の異なる撮影方法において得られた画像情報を合成する(例えば同じ3次元モデルの中に提示する)ことが望ましい場合、情報の合成は容易である。なぜなら、撮影された組織構造は同じ位置のままであり、撮影時に同じ撮影装置による同じ座標に位置していたためである。本装置では、レーザラインを使用し、レーザラインの位置を顔の上で移動させ、顔の表面にレーザラインによって形成されるプロファイルを撮影し、これらのプロファイルから顔の表面の形を計算することで、顔の形状の描き出しの詳細度を高めることが可能である。
【0024】
ここまで、本発明について主として添付の図面を参照しながら説明してきたが、本発明の実施を考えるとき、本発明の上述した実施形態は、その細部のすべてに従う必要はなく、また唯一の可能な形態でもない。装置において使用されるカラーカメラの数は、2台以外とすることができ、装置において撮影ステーションに対するカメラの位置を変更できるようにされているならば、たとえ1台のカメラでも複数の異なる方向から患者の顔の画像を撮影することができる。本発明の好ましい実施形態においては、装置は、患者の顔を照らす白色光を発する照明構造を備えており、この照明構造は、顔の色を撮影することを考慮して有利である。しかしながら、本発明の装置として、白色光の1つまたは複数の光源ではなく、白色以外の色の光を使用して動作する装置を考慮することも可能である。
【0025】
上記の実施形態によれば、本装置に使用可能な画像情報の受像器モジュールは、水平方向に見たときにモジュールの実質的に中央に配置されているX線画像情報の受像器(21)と、2個のレーザ(24)と、モジュール(20)の実質的に両端部に配置されている第1および第2のカラーカメラ(22)と、第1および第2の照明構造(23)と、を備えている。モジュール(20)は、垂直方向に見た配置構造として、レーザ(24)が画像情報の受像器モジュール(20)の実質的に縁部に配置されており、照明構造(23)が、カラーカメラ(22)より上からおよび下から撮影ステーション(18)に光を送る。しかしながら、顔の少なくとも一部をモデリングするための本発明による機能は、これ以外の装置(例えば2本の光線と1台のみのカメラを使用する装置)によっても達成されるものと考えることができる。
【0026】
本発明による装置に付随するカラーカメラは、上述した以外の目的にも使用することができる。1つまたは複数のカメラを、ビデオカメラとして動作するように構成することができ、3次元的に適切に配置することで、例えば患者の表情、あるいはX線撮影前や照射中の患者の動きを監視する、もしくは保存する、またはその両方を行うことが可能である。上記の実施形態においては、1台または複数のカラーカメラは、撮影手段を支持しているアーム部において、実質的にX線検出器の近傍に位置しているが、例えば実質的にX線源の近傍に配置することもできる。一般的には、装置に付随する1台または複数のカラーカメラおよび1つまたは複数のレーザは、装置の構造部のうち、装置によるX線撮影を目的として撮影ステーションに対して最初から可動であるようにされている構造部に、配置することが有利である。
【0027】
本装置に付随するコンピュータは、撮影手段とは物理的に別の装置である必要はなく、実際の撮影装置の一部として一体化することもできる。
【0028】
本装置のX線撮影手段は、コンピュータ断層撮影、特に、歯科分野における使用が公知であるコーンビーム型コンピュータ断層撮影が可能である。本装置において使用されるX線撮影手段を支持するアーム部の経路は、一般には、撮影ステーションを通る固定の仮想垂直軸線を中心にアーム部が回転可能であるようにされており、顔の3次元テクスチャモデルを作成するための画像情報を生成する目的に、この回転運動をそのまま使用することができる。撮影装置のこのような構造により、顔のレーザ走査の実施が極めて単純になる。なぜなら、X線撮影装置は移動手段をすでに含んでおり、この移動手段を利用してレーザ走査を行うことができるためである。顔のカラー写真のみから得られる情報を使用する場合と比較して、レーザ走査によって、多くの場合、患者の顔の3次元の表面形状の検出が大幅に容易になる。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、例えば、次の装置が提供される。すなわち、X線画像情報の受像手段(21)が検出器を備えており、この検出器の、画像情報を受像する領域の寸法が、少なくともセンチメートルのオーダーであり、撮影手段を支持する構造(14)が、固定されている撮影ステーションを通る仮想の垂直回転軸線を中心に回転可能にされている。したがってX線源とX線画像情報の受像手段(21)とが撮影ステーション(18)の両側において移動する。本装置の制御システムは制御ルーチンを備えており、この制御ルーチンは、撮影手段を支持する構造(14)、X線源(15)、およびX線画像情報の受像手段(21)の回転運動を制御して画像情報を生成する。そして、制御ルーチンは、この画像情報から、X線画像情報の受像手段(21)によって検出される情報を処理する手段(30)を用いて、3次元X線画像を再構築することができる。その一方で、制御ルーチンは、回転運動の間、少なくともカラーカメラ(22)を制御して、撮影ステーション(18)に位置する患者の顔のカラー画像を撮影する。機能的に本装置に付随する画像情報を処理する手段(30)は、撮影ステーション(18)に位置する患者の3次元モデルを作成するように調整されている。このモデルは、ディスプレイ(31)に表示可能であり、患者の頭部領域の骨格構造もしくは歯またはその両方の少なくとも一部分と、患者の顔の領域のテクスチャの少なくとも一部分とを示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用コンピュータ断層撮影装置であって、
撮影手段を支持し回転可能に配置された構造(14)を、支持している支持構造部(11,13)と、
前記撮影手段が、少なくとも、X線源(15)と、X線画像情報の受像手段(21)とを含み、前記X線源(15)と、X線画像情報の前記受像手段(21)とが、前記撮影ステーション(18)に対して、前記撮影ステーション(18)の両側に位置可能で、前記X線源(15)によって生成されるビームを、前記撮影ステーション(18)を通って、X線画像情報の前記受像手段(21)に達するように調整可能に、前記歯科用コンピュータ断層撮影装置に配置され、
さらに、
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の動作を制御する制御システムと、
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置に一体化されている、または前記歯科用コンピュータ断層撮影装置に機能上接続されて、X線画像情報の前記受像手段(21)において検出される情報を処理する手段と、
を備えた歯科用コンピュータ断層撮影装置において、
前記撮影ステーションに対して位置変更可能な少なくとも1台のカラーカメラ(22)、もしくは、患者を支持している前記撮影ステーション(18)に位置する前記患者の顔を異なる方向から撮影するように配置された少なくとも2台のカラーカメラ、またはその両方、を含み、前記患者が前記撮影ステーション(18)に位置している間に、少なくとも2方向から前記患者の顔を写真撮影する、もしくは、少なくとも2方向から前記患者の顔の動画を生成する、またはその両方を行う手段(22)と、
前記撮影ステーション(18)に位置している前記患者の顔の複数の異なる位置に光パターンを送るように取り付けられた少なくとも1個のレーザまたは他の照明装置(24)と、
前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)に機能上接続されて、前記撮影ステーション(18)に位置している前記患者の顔の複数の異なる位置に送られた光パターン情報の仮想3次元サーフェスモデルを作成する手段と、
前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)によって検出される顔の画像情報を、前記患者の顔の前記3次元サーフェスモデルと合成して、前記患者の顔の仮想3次元テクスチャモデルを作成する手段と、
をさらに含んでいることを特徴とする歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】
前記患者の顔から作成された前記仮想3次元テクスチャモデルに合体された、少なくとも前記患者の頭部領域の骨格の一部分もしくは歯の一部分またはその両方のX線画像情報を含んだ仮想モデルを作成する手段、
を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の前記制御システムは、
X線撮影と前記患者の顔の撮影とを、同時に、もしくは、1つの撮影イベント中に行われる組み合わされた撮影として、またはその両方で実施する手段、
もしくは、
X線撮影と前記患者の顔の撮影とを、同時の撮影、もしくは、1つの撮影イベント中に行われる組み合わされた撮影の少なくとも一方によって実施するか、または、X線撮影と前記患者の顔の撮影との少なくとも一方を個別の撮影として実施するかを選択する選択手段、
またはその両方を備えている、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】
前記撮影ステーション(18)に位置する前記患者の顔を照らす少なくとも1つの照明手段(23)、
を含んでいることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの照明手段(23)もしくは前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)またはその両方は、X線撮影用に配置されている前記撮影ステーション(18)に前記患者が位置するとき前記患者の顔を照らして複数の異なる方向から撮影することができるように、前記歯科用コンピュータ断層撮影装置に配置されている、
ことを特徴とする、請求項4に記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項6】
前記患者の顔を照らす前記照明手段(23)は、前記撮影ステーション(18)に配置されている前記患者の顔に向けて、前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)より実質的に上から、または実質的に下から光を送る照明の構造を有するように配置されている、
ことを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項7】
前記患者の顔を照らす照明手段(23)および前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)が、X線画像情報の前記受像手段(21)の実質的に近傍に配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項8】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置が少なくとも2台のカラーカメラ(22)を含んでおり、前記少なくとも2台のカラーカメラ(22)が、互いに距離をおいて水平に位置するように配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項9】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の前記制御システムは、
白色光の生成、パルス化された白色光の生成、異なる色の光の生成、のうちの少なくとも1つが行われるように、前記患者の顔を照らす前記照明手段(23)を制御する手段を含んでいる、
ことを特徴とする、請求項4から請求項7のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項10】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置は、少なくとも2台のカラーカメラ(22)を含み、
前記少なくとも2台のカラーカメラ(22)に関連して配置されている照明手段(23)が、前記撮影ステーション(18)に位置している前記患者の顔の方に、少なくとも2台のカラーカメラ(22)より実質的に上および下から光を送り、
前記少なくとも2台のカラーカメラ(22)と、前記少なくとも2台のカラーカメラ(22)に関連して配置されている前記照明手段(23)とが、X線画像情報の前記受像手段(21)の両側に、互いに距離を開けて水平に配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項11】
前記患者の顔を照らす前記照明手段(23)と、少なくとも1台の前記カラーカメラ(22)とが、前記撮影手段を支持している前記構造(14)に連結して配置されている、
ことを特徴とする、請求項4から請求項10のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項12】
前記撮影手段を支持している前記構造(14)が、前記患者を支持している前記撮影ステーションを通る仮想垂直軸線または他の仮想垂直軸線を中心に回転可能に配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項13】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の、X線撮影に関連する構造、構成要素、および制御手段が、歯科用パノラマ撮影、歯科用コンピュータ断層撮影、歯科用コーンビーム型コンピュータ断層撮影、の一つ又は複数が可能であるようにされている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項14】
前記撮影手段を支持している前記構造(14)が、前記撮影ステーション(18)に対して少なくとも180度、回転可能であるように配置されており、
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の前記制御システムが、前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)を制御して、前記撮影ステーション(18)に位置している前記患者の顔の少なくとも2枚のカラー画像を前記回転可能な角度範囲内で撮影する、
ことを特徴とする、請求項1から請求項13のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項15】
X線画像情報の前記受像手段(21)によって検出される情報と、前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)によって検出される情報とが、同じ1つのフレームグラバに送られるようにされている、もしくは、前記歯科用コンピュータ断層撮影装置から、同じ1本のイーサネットケーブルを介して、画像情報を処理する物理的に分離された手段(30)へ送られるようにされている、またはその両方である、
ことを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項16】
前記患者の顔の3次元サーフェスモデルを作成する前記手段が、前記撮影ステーション(18)に位置する前記患者の顔の上に垂直方向の細い光パターンを投影する少なくとも1個のレーザまたは他の光源(24)、を含んでおり、前記光源が、前記撮影手段を支持している前記構造(14)に設置されており、
前記撮影手段を支持している前記構造(14)と、前記撮影ステーション(18)とが、前記光パターンを前記患者の顔の領域内の異なる位置へ広範囲に導くことができるように、互いに対して可動にされている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項15のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項17】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置が、同じ仮想垂直軸線上に実質的に配置されている、光パターンを生成する2個のレーザ(24)または対応する光源、を含んでおり、前記2個のレーザ(24)または前記対応する光源が、前記撮影ステーション(18)に対して、それらのうちの上側が少なくともわずかに斜めに上から前記患者の顔を照らし、それらのうちの下側が少なくともわずかに斜めに下から前記患者の顔を照らすように、前記歯科用コンピュータ断層撮影装置に配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項16のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項18】
前記撮影手段を支持している前記構造(14)に画像情報の受像器モジュール(20)が配置されており、
画像情報の前記受像器モジュール(20)に、
X線画像情報の前記受像手段(21)、前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)、顔を照らす照明手段(23)、レーザ光パターンまたは他の何からの光パターンを生成する手段(24)、
のうちの少なくともいくつかが配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項17のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項19】
前記撮影手段を支持している前記構造(14)が前記撮影ステーション(18)に対して回転可能に配置されており、
前記光パターンは、前記撮影手段を支持している前記構造(14)の運動に従って動き、
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の前記制御システムは、前記撮影手段を支持している前記構造(14)の前記運動の領域内で、数10枚または数100枚の前記光パターンの画像を、前記少なくとも1台のカラーカメラ(22)によって複数の異なる方向から撮影する、
ことを特徴とする、請求項1から請求項18のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項20】
水平方向に見たとき、画像情報の前記受像器モジュール(20)に、X線画像情報の前記受像手段(21)と、2個のレーザ(24)またはこれに相当する手段(24)とが、前記受像器モジュール(20)の実質的に中央に配置されており、第1および第2の前記カラーカメラ(22)と、第1および第2の前記照明手段(23)とが、前記受像器モジュール(20)の実質的に両端部に配置されており、
垂直方向に見たとき、前記レーザ(24)またはこれに相当する手段(24)が、画像情報の前記受像器モジュール(20)に、実質的にその縁部に配置されており、
前記照明手段(23)が、前記カラーカメラ(22)より上および下から前記撮影ステーション(18)に光を送る、
ことを特徴とする、請求項18または請求項19に記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項21】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の前記制御システムが制御ルーチンを備えており、
前記制御ルーチンによって、
前記撮影手段を支持している前記構造(14)が、前記撮影ステーション(18)に対して回転するように制御され、
前記回転の間に、
前記患者の顔を照らす前記照明手段(23)が、前記撮影ステーション(18)に位置している前記患者の顔を、好ましくは少なくとも50Hzの周波数の短いパルスで照らすように制御され、
前記1つまたは複数のレーザもしくはこれに相当する手段(24)が、連続的に、ただし前記撮影手段を支持している前記構造(14)の回転中に、前記光パターンが形成されない期間が存在するように、前記患者の顔の上に前記光パターンを生成するように、制御され、
前記1台または複数のカラーカメラ(22)が、前記光パターンが顔に導かれ、前記患者の顔を照らす前記照明手段(23)が顔を照らしていない第1の期間において、画像を撮影し、 前記光パターンが顔に導かれなく、前記患者の顔を照らす前記照明手段(23)が顔を照らしている第2の期間において、画像を撮影するように、制御される、
ことを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項22】
前記撮影手段を支持している前記構造(14)が、前記撮影ステーション(18)に対して少なくとも180度回転するようにされており、
前記回転の間には、前記患者の顔に光パターンが導かれない、例えば10個未満の短い期間が存在し、
前記制御ルーチンに従って、前記1台または複数のカラーカメラ(22)が、前記期間に、前記患者の顔を照らす前記照明手段が光パルスを生成する位相において画像を撮影するように制御される、
ことを特徴とする、請求項21に記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項23】
X線画像情報の前記受像手段(21)が検出器を備えており、
前記検出器の、画像情報を受像する領域の寸法が、少なくともセンチメートルのオーダーであり、
前記撮影手段を支持している前記構造(14)が、固定されている前記撮影ステーション(18)を通る仮想の垂直回転軸線を中心に回転可能であり、前記X線源(15)とX線画像情報の前記受像手段(21)とが、前記撮影ステーション(18)の両側で移動するようにされており、
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置の前記制御システムが制御ルーチンを備えており、
前記制御ルーチンが、前記撮影手段を支持している前記構造(14)、前記X線源(15)、およびX線画像情報の前記受像手段(21)、の回転運動を制御して画像情報を生成し、X線画像情報の前記受像手段(21)によって検出される情報を処理する手段(30)によって、前記画像情報から3次元X線画像を再構築することができ、
その一方で、前記制御ルーチンが、前記回転運動の間、少なくとも前記カラーカメラ(22)を制御して、前記撮影ステーション(18)に位置している前記患者の顔のカラー画像を撮影し、
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置に機能的に付随する前記画像情報を処理する手段(30)が、前記撮影ステーション(18)に位置している前記患者の3次元モデルを作成するようにされ、
前記3次元モデルが、ディスプレイ(31)に表示可能であり、前記患者の頭部領域の骨格構造もしくは歯またはその両方の少なくとも一部分と、前記患者の顔の領域のテクスチャの少なくとも一部分とを示している、
ことを特徴とする、請求項1から請求項22のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項24】
緑色レーザまたは他の扇状光を生成し、それを、前記撮影ステーションに位置している前記患者の顔に向けて送り、顔の上に実質的に垂直方向の光の細いラインを形成する手段、
を含んでいることを特徴とする、請求項1から請求項23のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項25】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置が2個のレーザ(24)を含んでおり、一方の前記レーザが第1の色のレーザ光を生成するようにされており、他方の前記レーザが第2の色のレーザ光を生成するようにされている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項24のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項26】
前記歯科用コンピュータ断層撮影装置が少なくとも2個の光源(23)を含んでおり、前記光源(23)の前に、拡散フィルムもしくは偏光板またはその両方が配置されている、
ことを特徴とする、請求項1から請求項25のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項27】
略200度の回転角によってコンピュータ断層撮影が行われ、かつ、略260度の回転角によって写真撮影が行われるように、撮影を実施する手段、
を含んでいることを特徴とする、請求項1から請求項26のいずれかに記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。
【請求項28】
最初に、第1の方向における略200度の角度の回転運動の間に、X線画像情報が取得され、この第1の方向に、写真撮影の開始位置までそのまま運動を続け、そこから、前記第1の回転運動の角速度よりも大きい角速度で、反対方向に260度の回転運動を行う間に、写真撮影が行われるように、撮影を実施する手段、
を含んでいることを特徴とする、請求項27に記載の歯科用コンピュータ断層撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518649(P2013−518649A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551656(P2012−551656)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/FI2011/050091
【国際公開番号】WO2011/095695
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(591036309)
【Fターム(参考)】