説明

歯科用支持システム

【課題】歯科医院の施術が効率的に行えるよう、歯科用支持システムの提供。
【解決手段】支持構造物100は、基部102と関節のある支持部品104とを含む。本発明の一つの実施例によれば、基部は本体部106を含む。基部102は、関節のある支持部品104の連結機構108を受けいれて、関節のある支持部品104に連結されるようになっている。連結機構108は、関節のある支持部品104を本体部106に実質的に固定して連結するようになっている。関節のある支持部品は支柱101とブーム103を含む。ブーム・ジョイント取っ手109、111を含むブーム・ジョイント105によって、支柱101とブーム103は互いに連結される。ブーム103の後方の端点がブーム平衡錘107を含む。本体部106が複数のビーム110を含む。複数のビーム110は互いに関して放射状の方向に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願へのクロスリファレンス】
【0001】
本願は、米国特許仮出願第 60/585,224号(United States provisional patent application, Serial Number 60/585,224, "Dental Light Devices With Phase Change Heat Sink", 出願日2004年07月02日); 米国特許仮出願第 60/641,462号(60/641,462, "Boom Hinge For A Dental Lamp", 出願日2005年01月04日); 米国特許仮出願第 60/647,725号(60/647,725, "Automatic Control for a Dental Whitening Lamp", 出願日2005年01月26日); 米国特許仮出願第 60/647,723号(60/647,723, "Boom Hinge For A Dental Lamp", 出願日2005年01月26日); 米国特許仮出願第 60/658,517号(60/658,517, "Apparatus and Method For Radiation Spectrum Shifting in Dentistry Application", 出願日2005年03月03日); 米国特許仮出願第 60/641,469号(60/641,469, "Lamp For Dentistry Applications", 出願日2005年01月04日); 米国特許仮出願第 60/647,580号(60/647,580, "Light Guide For Dental Whitening Lamp", 出願日2005年01月26日); 米国特許仮出願第 60/641,461号(60/641,461, "Support Structure For A Dental Lamp", 出願日2005年01月04日); 米国特許仮出願第 60/641,468号(60/641,468, "Light Guide For A Dental Whitening Lamp", 出願日2005年01月04日); 米国特許仮出願第 60/647,612号(60/647,612, "Light Path Apparatus For A Dental Lamp", 出願日2005年01月26日); 米国特許仮出願第 60/647,593号(60/647,593, "Support Structure For A Dental Lamp", 出願日2005年01月26日); 米国意匠出願第 29/220,642号(U.S. design patent applications serial no. 29/220,642, "Lamp For Dentistry Applications", 出願日2005年01月04日); 米国意匠出願第 29/220,680号(29/220,680, "Light Guide For Dentistry Applications", 出願日2005年01月04日); 米国意匠出願第 29/220,679号(29/220,679, "Power Pack For Dentistry Applications", 出願日2005年01月04日); 米国意匠出願第 29/220,712号(29/220,712, "Support Structure For A Lamp For Dentistry", 出願日2005年01月04日); 第 29/XXX,XXX号 (29/XXX,XXX, "Support Structure For Dental Applications", 出願日2005年06月22日); 第 29/XXX,XXX号 (29/XXX,XXX, "Support Structure for Dental Applications", 出願日2005年06月22日); 米国特許 仮出願第 60/604,577号(U.S. provisional applications Serial No. 60/604,577, "Lip Retractors", 出願日2004年08月25日); 米国特許仮出願第 60/594,297号(60/594,297, "Curing Light Having A Detachable Tip", 出願日2005年03月25日); 米国特許仮出願第 60/631,267号(60/631,267, "Curing Light Having A Reflector", 出願日2004年11月26日); 米国特許仮出願第 60/594,327号(60/594,327, "Curing Light", 出願日2005年03月30日); 米国特許仮出願第 60/664,696号(60/664,696, "Curing Light Having A Detachable Tip",出願日2005年03月22日)の利益を請求するものであり、ここに参考として記載する。
【0002】
本願は、米国意匠出願第 29/220,642号(U.S. design applications No. 29/220,642, "Lamp For Dentistry Applications", 出願日2005年01月04日); 米国意匠出願第 29/220,680号(29/220,680, "Light Guide For Dentistry Applications", 出願日2005年01月04日); 米国意匠出願第 29/220,679号(29/220,679, "Power Pack For Dentistry Applications", 出願日2005年01月04日); 米国意匠出願第 29/220,712号(29/220,712, "Support Structure For A Lamp For Dentistry", 出願日2005年01月04日); 第 29/XXX,XXX号 (29/XXX,XXX, "Support Structure For Dental Applications", 出願日2005年06月22日); 第 29/XXX,XXX号 (29/XXX,XXX, "Support Structure for Dental Applications", 出願日2005年06月22日);の、一部継続出願であり、ここに示したこれらの内容は、この参照により開示に含まれる。
【0003】
本願は、同時係属中の米国特許仮出願第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Dental Light Devices Having an Improved Heat Sink", 同時出願); 第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Voice Alert System for Dentistry Applications", 同時出願); 第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Retracting Devices", 同時出願); 第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Curing Light Capable of Multiple Wavelengths", 同時出願); 第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Curing Light", 同時出願); 第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Illumination System for Dentistry Applications", 同時出願); 第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Light Guide for Dentistry Applications", 同時出願); 第 10/XXX,XXX号(10/XXX,XXX, "Automatic Control For Dental Applications", 同時出願);を含み、ここに示したこれらの内容は、この参照により開示に含まれる。
【技術分野】
【0004】
本発明は歯科用機器に関し、より詳細には、歯科用機器のための位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0005】
歯科の実務は、相変わらず非常に労働集約的なままである。さらに、関連する労働者は非常に技術に熟練している。いくつかの活動は委託できるし、別のいくつかの活動は自動化できるが、歯科の多くの重要な活動は、いまだに歯科医によってなされなくてはならない。歯科処置が、歯科医によって行われようと他の歯科専門家によって行われようと、歯科医または他の歯科専門家は、耐えられるコストで望ましい歯科サービスを提供するためには、時間的に効率の良いやり方で施術しなくてはならない。
【0006】
効率的に施術しなくてはならないという、この必要性は、歯科医院の設計に反映されている。調節可能な歯科用椅子によって、患者の口に簡単に手が届くような方向に、患者の位置を定めることができる。歯科用器具は、特定の歯科処置に利用するのに適した、包装済みのキットの形で供給される。材料や歯科用具の保管棚は、歯科医とその助手の双方または一方が、すぐに手が届くように、患者のすぐそばに置いてある。
【0007】
さらに、作業用のトレイや歯科用器具を支えるための棚、患者の口を照らすための作業用の光には、届きやすい範囲に器具を置いておけるようにした調節可能な支持構造物が備えられており、作業場所はよく照らされている。
【0008】
歯科医院で、様々な種類の関節のある支持構造物を使うことが知られている。これらの構造物の例は、Wolfに対する米国特許第4,013,328号、Bobrickらに対する米国特許第4,097,919号、Litelらに対する米国特許第4,260,376号、Watanabeに対する米国特許第4,332,557号(第31548号として再発行された) 、Guentherに対する米国特許第4,437,144号、Matthewsに対する米国特許第4,494,177号、Oramに対する米国特許第4,581,698号、Fuchsに対する米国特許第4,934,933号、Gehlyに対する米国特許第5,497,295号、Allredらに対する米国特許第5,803,905号、Changらに対する米国特許第6,213,671号、Yarboroughに対する米国特許第6,361,320号、Sanderに対する米国特許第6,543,914号、Wahlに対する米国特許第6,568,836号などに見られる。上述の特許の開示は全体として、この参照によりここに含まれる。
【0009】
これらの参照で説明されている支持構造物は様々な関節継ぎ手(articulating joint)を含む。それら関節継ぎ手は、ランプや器具用のトレイなどの負荷の空間的な位置を調節可能に決められるようにしてある。たとえば、米国特許第4,907,919号には、はめ込み式ブーム(telescoping boom)付きの、軌道に取り付けられた照明システムが示されている。米国特許第6,543,914号には、外科用顕微鏡とランプを支持するためのガス圧ばねと互いに連結した、ブームと支柱(strut)の配列が示されている。米国再発行特許第31548号には、歯科処置用ランプが回転自在の腕木にぶら下がっている、歯科処置システムが示されている。また、米国特許第4,437,144号には、平行四辺形に連結した、高さが調節可能な支持腕が示されている。
【0010】
これら前述の負荷支持システムは、特定の使い方では有益かもしれない、一定の特徴を提示している。経済的に効率的な歯科活動を可能にするような、効果的な負荷の位置決めの問題が重要であることは、これら前述の負荷支持システムの多様性によって示されている。
【発明の開示】
【0011】
上記の背景の観点から、本発明は、歯科医院の施術の効率性を改善することに関する。
本発明は、様々な歯科処理機器や歯科用機器を支えるのに適した、歯科に応用するための支持システムを含む。ここで、歯科用機器には、たとえば、歯科用漂白システム、歯科用硬化(curing)システム、歯科用検査システム、歯の視認・清掃用器具(a dental viewing and cleaning instrument)、画像装置、X線装置、根管根尖探知器(root canal apex locator)、または類似のもの、またはそれらの組み合わせを含む。
【0012】
支持システムは、支柱とブームのシステムを含み、ブームは、両端から間隔をあけた位置の辺りで、支柱に回転自在に取り付けられている。ブームは少なくとも一つの構造を含み、その構造は、支柱の一端に向かった係合しあう(inter-engaging)構造の、対応する少なくとも一つの構造と係合し、回転運動台(pivot mount)を形成するようになっている。
【0013】
一形態において、ブームは一端に向かう少なくとも一つの構造を含み、その構造は、歯科用器具または歯科用機器の少なくとも一つの構造と、係合しあうようになっている。さらに、ブームは 第二の端点に向かう少なくとも一つの構造も含む。その構造は、平衡をとるための物体または平衡錘と係合するようになっている。平衡をとるための物体または平衡錘は、歯科用器具や歯科用機器の釣り合いをとることで、一連の様々な位置で歯科用器具や歯科用機器が平衡を保つようにするための、相応して係合しあう少なくとも一つの構造を含む。
【0014】
一つの実施例では、本発明は、様々な歯科処置の連なりを遂行するための複数の歯科用器具または歯科用機器を支えるようになっていて、ブーム上の対応する構造と係合しあう少なくとも一つの構造を含んでいる支持システムを含む。そこでは、複数の器具または機器は、様々な平衡をとるための物体または平衡錘によって、支持システムとの代替可能な連結するようになっているかもしれない。
【0015】
一形態において、支持システムは、新規の方法で、新規および/または従来の機器と協同し、たとえば関連装置および/またはスペーサを使うことで、処置機器と患者の口のそれぞれの位置を固定し維持するようになっているかもしれない。
【0016】
別の形態では、本支持システムは、様々な歯科処置器具の支持、提示、操作のための統合システムを、個別に、または同時に、 提供する。
別の実施例では、本発明によるシステムは、互換な処置機器を使っていないときに保管し維持するための、組織だった保管システムを含む。
【0017】
より進んだ実施例では、支持システムは、たとえば電源パックとして参照される、統合された電源と制御のモジュールを含む。電源パックは、電力のような動力を、本発明の支持システムによって支持されるようになっている一つ以上の歯科用器具または歯科用機器に、供給するようになっている。両端から間隔をあけた位置にある、支柱の少なくとも一つの対応する構造と係合しあう、少なくとも一つの構造を、電源パックは含む。
【0018】
一形態において、たとえば、電源パックと一つ以上の歯科処置装置との間の動作制御通信を含むような制御機能を、電源パックが供給するようになっているかもしれない。
別の形態においては、電源パックと歯科処置装置との間の動作制御通信が、特定の処置装置に適した通信機能を含むように、電源パックは、一つ以上の歯科処置装置との、知的な通信を提供するようになっているかもしれない。
【0019】
さらに進んだ形態においては、操作者からの制御入力を受け取り、操作者に状態と制御フィードバックを供給するようになっている、ユーザ・インタフェイス部品を、電源パックが含むかもしれない。
【0020】
他の形態においては、本発明の支持システムの機能は、望ましい人間工学、輸送可能性、強度、最適な重さ、組立の簡単さ、貯蔵可能性(storability)、保守性、調整機能、または位置決め可能性(positionability)を含むかもしれない。それらの一つ以上は、様々な程度で、結果としての歯科処置の有効性に貢献するかもしれない。
【0021】
本発明は、医院がそのような支持システムの数々を備えると、歯科医院での施術の効率が改善するという、目立たない支持システムも提供する。
支持システムに取り付けられるようになっている、いかなる歯科用機器(たとえば歯科用漂白の照明源)でも簡単に調節できるようにするために、本発明はさらにブーム・ヒンジを含む。様々な形態において、ブーム・ヒンジは、多種多様な歯科患者と歯科専門家に適した、機器の位置決めを提供するようになっているかもしれない。他の形態においては、本発明によるブーム・ヒンジは、どのような歯科機器の特定の空間的位置決めでもできるように、そして、一度位置が決められたら、さらに機器の位置を調節することが望まれるまでは、実質的にその場に機器を固定し続けるように、簡単に調節されるかもしれない。
【0022】
本発明の一つの実施例によると、本発明に使われる摩擦座金は、外径が約0.50インチと約3インチの間である。特定の実施例では、摩擦座金は、約0.78インチの外径である。他の実施例では、本発明による摩擦座金は、直径が約1.91インチである。さらに別の実施例では、本発明による摩擦座金は、厚さが約0.01インチと約0.50インチの間である。特定の実施例では、本発明による摩擦座金は、約0.125インチの厚さである。他の直径、厚さ、形態の摩擦座金も、本発明の様々な実施例に適用可能であり、ここに述べた本発明の範囲内に入るだろう、と当業者なら正しく理解するだろう。前述の寸法と寸法の範囲は、本発明に適した機械的な許容範囲を盛り込むものとして理解されることを意図していることも、当業者なら正しく理解するだろう。
【0023】
他の実施例では、本発明はさらにシャフトを受けるためのプラグを含み、ピボットが 該プラグに関して回転するようになっている。
他の実施例では、本発明はピボットの回転運動を弱める装置を含む。一形態において、その弱め装置は、ピボットとプラグの間に配置された座金かもしれない。他の形態においては、その弱め装置は、ピボット・シャフトとプラグの間に配置された摩擦パッドかもしれない。
【0024】
さらに進んだ実施例においては、スパナ・プラグが、摩擦パッドに対してピボット・シャフトを押すようになっているかもしれない。この実施例の一形態においては、スパナ・プラグは調節可能で、それによって、プラグに関してピボットの回転運動を、調節可能に弱めることができる。この実施例の他の形態においては、ばねが、シャフトに対して摩擦パッドを押すようになっているかもしれない。
【0025】
本発明のさらに別の実施例では、シャフトが弱め装置を含む。この実施例の一形態においては、摩擦リングがシャフトに取り付けられるかもしれない。
本発明の、これらの利点と特徴および他の利点と特徴は、添付の図と共に提供される、本発明についての以下の詳細な記述に照らすと、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
別途定義をしない限り、ここで使われる全ての科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を持つ。ここで述べるのと類似または同等の、どのような方法、装置、材料でも、本発明の実用または試験用に用いることができるだろうが、望ましい方法、装置、材料は、ここで述べるものである。
【0027】
ここで言及される全ての刊行物は、説明と開示の目的で、参照されることによりここに含まれる。たとえば、それら刊行物で述べられる意匠や手順は、すぐに述べる本発明に関連して使われるかもしれない。上記、下記および文書全体で、列挙または検討した刊行物は、本願の出願日より前に、ただそれら自体の開示のために提供された。以前の発明を理由に、本願の発明者がそのような開示に先行する権利がない、と承認していると解釈されるべきものではない。
【0028】
以下の詳細な説明は、本発明の諸相に従って規定される現在好ましい装置の説明として意図しており、本発明を実践、利用するための唯一の形態を述べることを意図しているのではない。むしろ、本発明の精神と範囲の中に包含されるように意図されている、別の実施態様によって、同一または同等の機能と部品が達成されるかもしれない、と理解すべきである。
【0029】
本発明の支持システムは、多種多様な歯科用機器を支えるようになっているかもしれない。たとえば、本発明の支持構造物は、薬品賦活機器や歯科用画像機器を支えるようになっている。薬品賦活機器としては、歯科用漂白または歯科用硬化のための放射線源のようなものがある。歯科用画像機器としては、X線位置決め機器や、フィルムや電子的センサを含むX線式検知器や、内視鏡画像機器や、超音波画像機器や、歯科分野の現存の、またはいずれ存在するかもしれない、様々な他の画像機器、のようなものがある。
【0030】
本支持システムは、たとえばモジュール形式で、ブーム、支柱、基部をその中に含む。
ブームは、両端から間隔をあけたところに、少なくとも一つの構造を持つ。その構造は、ブームを支柱に回転自在に取り付けるための、支柱の一端に向かった対応する構造と、支柱とブームが並べられたときに係合しあうようになっている。
【0031】
ブームは、一端に向かった少なくとも一つの構造を持つ。その構造は、歯科用器具上または歯科用機器上の、歯科用器具をブームに取り付けるための対応する構造と、ブームと器具が並べられたときに係合しあうようになっている。
【0032】
ブームはさらに、第二の端点に向かった少なくとも一つの構造を持つ。その構造は、平衡をとるための物体または平衡錘の対応する構造と、ブームと該物体が並べられたときに係合しあうようになっている。
【0033】
支柱は、両端から間隔をあけたところに、少なくとも一つの構造を持つ。その構造は、電源パック上の対応する構造と、支柱と電源パックが並べられたときに係合しあうようになっている。
【0034】
支柱は、第二の端点に向かった少なくとも一つの構造を持つ。その構造は、支持基部の対応する構造と、支柱と支持基部が並べられたときに係合しあうようになっている。
関連装置、スペーサ、ランプ・システム、支柱、ブーム、電源パック、基部、平衡をとるための物体または平衡錘、または本支持システムの他のいかなる部品に関しても、ここで使う語の形は、隣接する部品の対応する部分とかみ合うように形成された、一つの部品の一部を参照している。これは、型による成型(molding)、鋳造(casting)、機械加工、その他の適切な方法によって形成されるだろう、上で列挙した部品の一部や、別々に作られた後に組み立てられる部分を含む。
【0035】
係合しあう構造として適切なものには以下のものがあるが、これらに限定されるわけではない:舌状の物と溝(groove)、柱(post)とソケット、揺動可能な(swingable)フックとソケット、弾力のあるクリップとソケット、舌状または翼状の部品とスロット、ボールと空洞(cavity)、ボールとソケット、ねじと座金、凹部と突起、導管(channel)と棒またはケーブル、など。これらのうちいくつかについては、より具体的に以下で詳細を例示する。
【0036】
本発明の光灯システムは、対象に対して用意に調節されるだろうし、右利きと左利きの両方の利用者に人間工学的に適合している。さらに、光灯システムの一部は、上記のように、分離可能でモジュール式であり、光灯システムの組み立て、分解、梱包、輸送、運搬がしやすいようになっている。さらに、個々の部品またはモジュールが、修理や更新のために送られることもあるかもしれない。
【0037】
図1は、本発明による歯科用機器のための支持構造物100を示している。図のとおり、支持構造物100は、基部102と関節のある支持部品104とを含む。本発明の一つの実施例によれば、基部は本体部106を含む。基部102は、関節のある支持部品104の連結機構108(以下の図3aを参照)を受けいれて、関節のある支持部品104に連結されるようになっている。連結機構108は、関節のある支持部品104を本体部106に実質的に固定して連結するようになっている。
【0038】
一つの実施例では、関節のある支持部品は支柱101とブーム103を含む。ブーム・ジョイント取っ手109、111を含むブーム・ジョイント105によって、支柱101とブーム103は互いに連結される。
【0039】
図1の実施例では、器具または装置の連結機構98のような構造を、ブーム103の前方の端点が含む。本発明の範囲には、多種多様な装置連結機構が含まれるが、図示されている装置連結機構は玉継手(ball joint)である。
【0040】
装置連結機構に連結された負荷の質量によって作られる重力トルクを相殺するようになっている、ブーム制御機構のような第二の構造を、支持構造物100のブーム103は、様々な実施例において含んでいる。たとえば、図示された実施例では、ブーム103の後方の端点がブーム平衡錘107を含む。しかし、たとえば、ねじりばねや引張ばねのような多種多様のブーム制御機構が、ブーム103を制御するのに適用でき、本発明の範囲に入るということは、当業者なら認識するだろう。
【0041】
一つの実施例では、図示したように、本体部106が複数のビーム110を含む。複数のビーム110は互いに関して放射状の方向に配置されていて、複数のビーム110のそれぞれの近位端112が連結機構108に近接するようになっており、複数のビーム110のそれぞれの遠位端114が連結機構108から離れているようにもなっている。様々な実施例において、ビーム110と本体部106の双方または一方は、単一の統一部品からなるかもしれないし、個々の部品の組み立てによるかもしれない。
【0042】
本発明のある実施例によれば、基部102は5つのビーム110を含む。5つのビーム110は、実質的に対称な放射状に配置され、実質的に同一平面上にあり、実質的に水平方向に伸びて いる。異なるビーム数も想定される。
【0043】
本発明の別の実施例では、本体部106がある部品を含むかもしれない。その部品は、特定の実施例における、機能的要件や審美的要件を含む様々な要件によって、円盤状、半球状、頂部が切断された半球状、半楕円状(hemi-ellipsoid shape)、円錐状、頂部が切断された円錐状、その他様々な形状であろう。
【0044】
さらに進んだ態様では、本発明の一つの実施例によれば、基部102はベアリング装置を含む。ベアリング装置は、床のような支持平面に関して、歯科用機器支持構造物100の動きを容易にするようになっている。図示した一つの実施例によれば、ベアリング装置は複数のキャスタホイール116を含む。一つの実施例では、複数のキャスタホイールは、複数のビーム110のそれぞれの端114に配置されている。別の実施例では、キャスタホイールは、円盤状の基部の外面に隣接して配置されている。
【0045】
本発明のさらに別の実施例では、複数のキャスタホイール116が、複数のそれぞれのブレーキ装置を含む。さらに進んだ態様では、複数のブレーキ装置のそれぞれが、個々の活性化レバー120を含む。本発明の別の実施例では、単一の共通の活性化装置が、複数のブレーキ装置のそれぞれと係合するようになっている。
【0046】
本発明のさらに別の実施例では、単一の共通のブレーキ装置が使われる。たとえば、本発明の一つの実施例によると、基部102はブレーキシュー機構を含む。ブレーキシューが床に係合したときに、ブレーキシューの下面と床の間の摩擦力によって、支持構造物100の、床に関して横向きの動きを妨げるように、ブレーキシュー機構は、本体部106の下面に隣接したところから床に向かって、ブレーキシューを下向きに押し付けるようになっている。
【0047】
さらに進んだ態様では、本発明の一つの実施例によると、複数のキャスタホイール116は、複数のそれぞれのタイヤ122を含む。様々な実施例において、これらのタイヤは、様々な材料を単独で使ったり組み合わせて使ったりして、作られるかもしれない。そういう材料には、たとえば以下のものが含まれる 。天然ラテックスゴムのようなエラストマー、スチレンブタジエンニトリルゴムやスチレンイソプレンニトリルゴムのようなKratonゴム(登録商標)、ポリウレタン、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン;熱可塑性プラスチックや熱硬化性樹脂、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン(登録商標))、ポリビニルジフルオライド(PVDF)、ポリアミド(ナイロン )、ポリアラミド(Kevlar )、アセタール樹脂(Delrin )、ポリスチレン、ポリエステル、ベークライト;たとえば、グラスファイバー、カーボンファイバー、セルロース、麻 などの強化材や、当該技術分野で公知の他のどのような強化材でもよいが、それら強化材と、前述のどれかの材料がともに使われたものを含む、強化複合材料。
【0048】
本発明の特定の実施例によると、キャスターホイール116のタイヤ122は、空気タイヤ、半空気タイヤ(semi-pneumatic)、またはソリッドタイヤかもしれない。さらに進んだ実施例では、キャスターホイール116はタイヤ付きではなく、金属製か、高分子膜付き金属製(たとえばエポキシ樹脂でコーティングされた鋼鉄製)の、円周状の表面を持つかもしれない。
【0049】
しかし、次のことに注意すべきである。ベアリング装置は全くキャスターホイールを含まないかもしれず、かわりに空気ベアリングを含むかもしれない。ここで空気ベアリングは、基部下面にある溝および/または開口を通じて、圧縮空気を能動的に送り出すか放出するかして形成され、基部下面と床の間の摩擦を減らすようになっている。本発明のそれぞれの実施例によれば、他のキャスター式でないベアリング装置には、たとえば強化PTFEやUHMWPEで作られた高分子化合物製の滑り具を含む。
【0050】
図2は、本発明の一つの実施例による、歯科応用のための装置支持材200を、断面立図で示したものである。図2では、図1の関節のある部品104の構成要素を少し詳しく説明している。
【0051】
図示した一態様において、装置支持材200は、ある構造(たとえば、少なくとも2自由度の回転ブーム・ヒンジ202のような、ブーム・ジョイントといった構造)を持ったブームを含む。特に図示した実施例では、ブーム・ヒンジ202は、実質的に垂直な軸の周りの回転運動を含む第一の自由度と、実質的に水平な軸の周りの回転運動を含む第二の自由度とを持つ。図示した実施例では、実質的に水平な軸の周りの回転は、ブーム・ヒンジ202に少なくとも一つの構造を含むことによって、影響を受けるかもしれない。その構造とは、たとえば、以下のうち少なくとも一つまたは全てを含むかもしれない:ブーム・ジョイント・ヨーク204、ブーム・ジョイント・ヨーク204とブーム・ジョイント・ピボット206の間に配置されたブーム・ジョイント・シャフト208を持つ、ブーム・ジョイント・ピボット206部品。
【0052】
実質的に水平な軸の周りの回転は、ブーム・トップ・プラグ212の実質的に垂直方向の穴の中に配置されたブーム・ピボット・シャフト210を、ブーム・ヒンジ202に含むことによって、影響を受ける。本発明によるブーム・ヒンジの典型的な実施例と態様は、以下でさらに詳細に議論する。
【0053】
上述のとおり、図1に関して、関節のある支持部品は、支柱101とブーム103を含む。図示した実施例では、図2で見られるとおり、支柱とブームの双方が湾曲している。
本発明のさらに進んだ実施例によると。ブーム103の湾曲は、実質的に円弧である。本発明の他の実施例によると、ブームの湾曲は、たとえば、楕円曲線、卵型曲線、非単調曲線(S字曲線など)のような、円弧以外の曲線を含むかもしれない。
【0054】
支柱とブームが図示したように湾曲していることの利点の一つは、床面積(他の点では混雑した歯科用検査室かもしれない)の利用を最適化できることである。たとえば、歯科用検査椅子150、机、または他の歯科検査室の機器の何らかの部分などの下にある凹所215の下に、支柱101の湾曲によって、基部102のより大きな部分が入れるようになるかもしれない。
【0055】
このようにして、凹所215の外側に、他の用途に使える空間が保存される。他の面では、支柱101とブーム103の湾曲は、審美的に心地良いかもしれず、その結果、歯科医院の装飾品として貢献するかもしれない。にもかかわらず、本発明の特定の実施例によれば、支柱および/またはブームは、実質的に直線状であるかもしれない。
【0056】
本発明の一つの実施例によれば、支柱とブームの双方は、信号装置および/または物質移動装置を支えるようになっているかもしれない。典型的な信号装置は、金属製、セラミック製、または導電性高分子製のワイヤ、または光ファイバといった、繊維状の信号搬送体を含むかもしれない。さらに典型的な信号装置は、ラジオ波導波管などの非繊維状の信号搬送体を含むかもしれない。典型的な物質移動装置は、たとえば、加圧された空気または水を輸送するようになっている可塑性ポリマーや金属製管組織を含む。図示した実施例では、歯科用器具または歯科用装置のための電源線を、支柱とブームが支えるようにもなっている。
【0057】
一つの実施例によれば、床に対して垂直な平面内の曲線を定める、凹面と凸面を、支柱が含むかもしれない。取り付け(mounting)ケーブルのような構造を少なくとも一つ持つ、少なくとも一つの電源パックが、支柱の構造(たとえば支柱の湾曲の凸面側にある溝)に取り付けられるかもしれない。図示したように、電源パックは光灯システムを制御するための制御器を含む。
【0058】
図3aは、本発明の一つの実施例による、典型的な支柱101の背面図を示している。図示したとおり、支柱の外面に長手方向に配置されたワイヤ用の溝152を、支柱は含む。図示した実施例では、このワイヤ用の溝152は、支柱101の下端から支柱101の上端まで伸びている。
【0059】
図3bは、本発明の一つの実施例による、支柱101の断面を示している。図3bではワイヤ用の溝152の輪郭が目で見えて、他の点では実質的に楕円状円筒形の、支柱101の外面154の内側に凹んだ空洞部を含んでいるのが分かる。ワイヤ用の溝152は、第一と第二の縁(lips)を含むかもしれない。第一と第二の縁156は図示した実施例によれば、支柱101の下端から上端まで、ワイヤ用の溝152に沿ってその長さと実質的に同じだけ、伸びているかもしれない。しかし、他の実施例によれば、縁156は、ワイヤ用の溝152に沿って断続的な突起として形成されるように意図されているかもしれない。
【0060】
本発明の一つの実施例によれば、支柱は次のようなもので作られているかもしれない。
ステンレス鋼、押出アルミニウム、ニッケル/チタン合金などの合金などの、金属または金属合金。そして、Liquid Metal, Inc.から入手できるものを含むアモルファス金属やその類似品、たとえば、米国特許第6,682,611号や米国特許出願第2004/0121283号などで述べられているようなもの(これら特許文献の内容の全ては参照によりここに含まれる)。
【0061】
本発明の別の実施例によれば、支柱は高分子材料で作られているかもしれない。適した高分子化合物には次のものが含まれる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエステル、アクリルポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、またはULTEM(登録商標)のようなポリエーテルイミド。そして、 ポリカーボネートとポリブチレン・テレフタレート樹脂の複合材料であるXenoy(登録商標)樹脂や、ポリカーボネートとイソフタレート・テレフタレート・レゾルシノール樹脂(全てGE Plastics社で入手可能)の共重合体であるLexan(登録商標)樹脂などの、高分子合金。そして、芳香族ポリエステルや芳香族ポリエステル・アミドのような液晶高分子であって、構成成分として、以下のものからなる郡から選択される少なくとも一つの化合物を含むもの:ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシ安息香酸塩(硬性モノマー)、ヒドロキシナフトエ酸塩(軟性モノマー)など) 、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミン(米国特許第6,242,063号、第6,274,242号、第6,643,552号、および第6,797,198号に例示されているもので、それらの内容は参照によりここに含まれる)、末端に無水物群があるか側面に無水物があるポリエステルイミド無水物(米国特許第6,730,377号に例示されているもので、その内容は参照によりここに含まれる)、またはそれらの組み合わせ。
【0062】
さらに、次のようなどのような高分子複合材料を使ってもよい:工業プレプレグ 、または、顔料、カーボン粒子、シリカ、グラスファイバー、金属粒子または導電性ポリマーのような導電性粒子、またはそれらの混合物で満たされた高分子である複合材料。たとえば、ポリカーボネートとABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)の混合物が、ランプハウジングやランプヘッドに使われるかもしれない。
【0063】
図3cは、本発明の一つの実施例による、溝カバー225の断面図である。図3cの溝がバーは、板状部226、第一の突起227、第二の突起236を含む。第一の突起227と第二の突起236は、板状部226の裏面238に実質的に垂直になっている。さらに、第一と第二の突起は、板状部226の長手方向の端239、241の内側にある。227と236の各突起は、角度のついた返し(barb)243、245を、それぞれの背面249、251に含む。その結果、溝カバー225のそれぞれの側面は、それぞれの長手方向の凹部253、255を含み、それら凹部が、ワイヤ用の溝152の縁156のうち対応する一方の縁と機械的に結合されるようになっている。この機械的な結合により、溝カバー225は、ワイヤ用の溝152に隣接することになり、ワイヤ用の溝152を封鎖する効果がある。
【0064】
本発明の一つの実施例によれば、溝カバー225は相対的に柔軟ではなく、ワイヤ用の溝152の封鎖は実質的に永続する。本発明の別の実施例によれば、溝カバー225は相対的に柔軟で、その結果、溝カバー225は最初の取り付けの後で簡単に取り外しや取り替えができる。
【0065】
本発明の一つの実施例では、溝カバー225は、上述のようなエラストマーを含む材料で作られているかもしれない。
本発明の他の実施例によれば、溝カバー225は、次のような材料で作られているかもしれない:たとえば、アルミニウム、鋼鉄、ステンレス鋼などの金属性の物質、または、支柱の構成に関して既に述べた各種の材料。本発明のさらに別の実施例によれば、特定の実施例の要件によって、前記の材料やその他の材料の組み合わせが、前記の材料と共に、あるいは排他的に、使われるかもしれない。
【0066】
本発明の別の実施例では、支柱101に関して図3bに図示した実施例と類似の方法で、ブーム103(図2に示した)もワイヤ用の溝を含むかもしれない。そのような場合、ブーム103のワイヤ用の溝を覆うために、図3cのような溝カバー225も使われるかもしれない。
【0067】
図3dは、本発明の一つの実施例によるブーム103の断面図を示している。図3dに示した実施例では、ブーム103はワイヤ用の溝を含まない。かわりに、ブーム103は実質的に中空で、内部に軸方向の空洞を持つ。本発明の一つの実施例によれば、たとえばワイヤおよび/または管組織が、軸方向の空洞259の内部に置かれて支えられるかもしれない。
【0068】
支柱の構成について前述したのと同じ材料のうち一つ以上のものによって、あるいは別の材料によって、ブームが作られるかもしれない。本発明の一つの実施例によれば、ブームは押出アルミニウムによって作られるかもしれない。
【0069】
再び図3aを参照するが、本発明の一つの実施例によれば、支柱101はある構造または連結機構108を含む。連結機構108は支柱101をその下端で、基部106に連結するようになっているかもしれない(たとえば図2に示したように)。本発明の図示した一つの実施例によれば、連結機構108はプラグ264を含む。図示した実施例では、プラグ264は、実質的に円筒状の外面を含み、基部106にある構造(たとえば図2に示してあるような、実質的に円筒状の内面266を持つ空洞など)で受けるようになっているかもしれない。
【0070】
本発明の一つの実施例によれば、プラグ264は、実質的に中空ではなく、たとえば一体鋳造で作られているかもしれない。本発明の他の実施例によれば、プラグ264は部品を組み立てたものとして作られているかもしれない。
【0071】
本発明のさらに別の実施例によれば、連結機構は、突起部を含むかもしれない(図示せず)。突起部は、支柱101の内部空洞268で受けるようになっているかもしれない。本発明の様々な実施例によって、突起部は内部空洞268内に、たとえば、摩擦力嵌合、一つ以上のねじ部品、スプリング・ピン、他の留め付け手段などによって保持されるかもしれない。
【0072】
本発明のさらに進んだ態様では、一つの実施例によれば、連結機構108は位置合わせ装置269を含むかもしれない。本発明の一つの実施例では、位置合わせ装置は、鋼鉄製小ねじ(machine pin)のような、だぼまたはピンかもしれない。図示した実施例では、ピンは実施的に円筒状の鋼鉄のピンかもしれず、穴の中にあり、プラグ264の長手方向軸に実質的に垂直に調整されているかもしれない。他の実施例(ここでは図示せず)では、位置合わせ装置269は、断面が長方形のピン、方形キー(rectangular key)、半月キー(Woodruff key)、ロール・ピン、または当業者に公知の他の位置あわせ装置であるかもしれない。
【0073】
本発明の一つの態様においては、(図1に示したように)基部102に関して支柱101を特定の方向に保持するのに、位置合わせ装置269が役立つ。一つの実施例によると、基部のビーム110のうちの一つと一直線に並んだ、支柱の湾曲面を、この方向が保っている。
【0074】
一つの実施例では、図1に示したように、支柱101はその全長にわたって一様な外のり寸法かもしれない。別の実施例では、支柱101は、図4に示したように、全長にわたって一様な外のり寸法というわけではないかもしれない。
【0075】
図4は、歯科用機器支持構造物を、本発明の他の実施例にもとづいて示している。図4から明らかなように、支柱やブームの形状は、厳密に管状である必要がない。図4の支持構造物100‘は、支柱262を含む。支柱262は、支柱に沿った高さの関数として 、互いに分岐してその後合流する、側面部を持つ。その結果、図示した実施例で示されているように、支柱の中央部の断面積は、上部265や下部267に比べて大きい。
【0076】
図4で、支柱101の中央部は、支柱の他の部分より大きな寸法である。一つの態様では、この中央部は電源パック261の取り付け位置と一致するかもしれない。別の態様では、支柱101のより広い部分は電源パック261を載せるために平らになっているかもしれない。第三の態様では、支柱101のより広い部分は電源パック261を載せるためにくぼんでいるか凹所が設けられるかしていて、電源パック261が支柱101の一般的な輪郭からかけ離れて突き出さないようになっているかもしれない。
【0077】
本発明の一つの実施例では、ブーム103と支柱101の設置面積が、基部106の設置面積を超えないように配置されているかもしれない。特に、ブーム103が最小の対頂角に回転された とき、それによってランプヘッドが基部のすぐ近くで最低の高さとなり、床への光灯システムの投影は、基部106の外周内に完全に納まる。
【0078】
他の実施例では、歯科用光灯システムの重心が基部106の内部に納まるようにしつつ、ブーム103と支柱101は、その設置面積が基部106の設置面積を超えるように配置されるかもしれない。
【0079】
本発明の別の実施例では、ブーム103がどの角度の位置であっても、平衡錘の最外面が、基部107の外周を超えない。
本発明の一つの態様において、図4の支柱262は、中央部263に空洞または中空部分を含む。本発明の一つの実施例によると、この中空部は、たとえば、制御モジュールまたは電源パックのような機器をその中に受けるようになっている。よって、本発明の一つの態様によれば、流線型で統合的な支持構造物が得られる。突端または機器が服に引っかかったり、さもなくば専門家の活動を妨げたりするかもしれないような歯科医院では、そのような支持構造物は利点がある。
【0080】
図5は、本発明の一つの実施例による、基部106の斜視図を示している。図示したように、基部106は、たとえば、実質的に円筒状の内面266を持つ空洞といった構造を含む。上述のとおり、この空洞はその内部に連結機構108を受けるようになっているかもしれない。図5では、基部106内の空洞に向かって開いているスロット279も見える。本発明の一つの実施例によれば、実施的に円筒状の連結機構108の外面から突き出している位置合わせ装置269を、このスロットが受けるようになっているかもしれない。本発明の一つの実施例によれば、図示したように、単一のスロット279が基部にある。他の実施例では、複数のスロットが用意され、対応する複数の位置合わせ装置269を受けるようになっているかもしれない。
【0081】
再び図2とそこで説明した本発明の実施例とを参照すると、平衡錘107は、ブーム103の後端に位置している。図示した実施例では、平衡錘107の前面の開口から内側に向かって作られた軸方向の穴306を、平衡錘107が含む。
【0082】
図示した実施例では、たとえば溶接またはリベットやねじ部品の使用によって、ブームの内面301(図3を参照)に固定的に連結された、内部隔壁299を、ブームが含む。本発明の他の実施例では、内部隔壁は、押出成形または成型によって作られるブーム構造の一部として、一体的に作られている。
【0083】
本発明の一つの実施例によれば、内部隔壁299は、横方向に位置し内部隔壁の中を通っている、雌ねじのついた穴304を含む。一つの実施例では、雌ねじのついた穴304は、ブーム103の局地的な長手方向軸と実質的に同軸に位置している。
【0084】
図2の実施例では、平衡錘シャフト305は、平衡錘107の穴306の中と、内部隔壁299の、雌ねじのついた穴304の中の双方に位置している。図示したとおり、さらに別の、雌ねじのついた穴308が、平衡錘107の中にある。雌ねじのついた穴308は、対応する穴306の開口と、平衡錘107の外面310との間にある。このさらに別の、雌ねじのついた穴308は、穴306に対して実質的に垂直に位置している。本発明の一つの実施例によれば、雄ねじのついた止めねじ312が穴308の中にあり、止めねじ312の内側の端点が平衡錘シャフト305の外面314に接するように、平衡錘107の表面310から内部に向かって止めねじ312が進むようになっている。
【0085】
図6は、本発明の一つの実施例により、平衡錘シャフト305をさらに詳しく示したものである。図示したとおり、平衡錘シャフト305は、平衡錘107の軸方向の穴306で受けられるようになっている後部320を含む。内部隔壁299の雌ねじのついた穴304で受けられるようになっている前部322をも、平衡錘シャフト305は含む。図示した実施例では、前部322は、複数の雄ねじ324を含む。複数の雄ねじ324は、内部隔壁299の雌ねじのついた穴304の、対応する複数の雌ねじと、ねじで連結されるようになっている。
【0086】
さらに進んだ態様では、本発明の一つの実施例によれば、平衡錘シャフト305は、その外面328上に、少なくとも一つの平面326を含む。平衡錘シャフト305の長手方向軸の周りの軸トルク(axial torque)を使うための、レンチまたは他の道具を、平面326が受けるようになっている。この軸トルクの利用は締め付けに効果がある。その結果、平衡錘シャフトの雄ねじ324と、内部隔壁299の雌ねじのついた穴304の雌ねじとが、実質的に固定されて係合する。
【0087】
当業者なら理解するとおり、平衡錘シャフトの雄ねじ324と、内部隔壁299の雌ねじのついた穴との固定された係合は、たとえば、割り座金や球面座金などの止め座金や、当該技術分野で周知のねじによるロック手法などを使うことによって、より強まるかもしれない。
【0088】
さらに別の態様では、図6の実施例によると、平衡錘シャフト305の外面328は、外周に溝330を含む。本発明の一つの実施例では、外周の溝330は、平衡錘シャフトの長手軸に対して傾いた角度になっている側面332を、少なくとも一つ含む。本発明の一つの態様によれば、頂部が切断された円錐状の止めねじ312の内側の端点上に作られた対応する傾斜角(図2に示したとおり)は、止めねじ312が内部に進むのにつれて、たとえば隔壁299に関して、平衡錘シャフト305の長手軸方向に沿った固定された側面部へと、平衡錘を押しつけるのに効果的である。
【0089】
図7は、歯科用機器支持構造物のためのブーム・ジョイント340の斜視図を示している。ブーム・ジョイント340は、ヨーク342とピボット344を含む。図示したブーム・ジョイント340では、ヨークは第一の縦材(side member)346と第二の縦材348を含み、それぞれに対応する第一と第二の穴が、実質的に水平方向にそこを通っている。同様に、ピボット344は第三の縦材350と第四の縦材352を含み、それぞれに対応する第三と第四の穴が、実質的に水平方向にそこを通っている。第一、第二、第三、第四の穴は、それらと同軸でそれらを通っている、たとえば根角ボルト(carriage bolt)のような心棒に沿って並ぶようになっている。この方法では、ヨーク342とピボット344は、お互いの回転に関して、心棒354によって相互に支えられている。
【0090】
ヨーク342は、たとえば雌型連結機構356を含む。雌型連結機構356は、たとえば、支柱によってヨークが支えられているような支柱の上端358と、連結されるようになっている。図示したように、ピボット344は、一つ以上のボルト362によって、ブーム360に連結されている。
【0091】
第一のハンドル364には、第一のレバーアーム366と、雌ねじのついた穴がある。雌ねじのついた穴は、心棒354の雄ねじのついた端点を受けるようになっているかもしれない。それによって、対応するピボットの縦材350、352に関してヨークの縦材346、348を圧迫したり緩めたりするのに、ハンドルの回転が役に立つ。縦材と縦材の間の摩擦特性を修正するために、縦材と縦材の間に摩擦座金が配置されるかもしれない。
【0092】
縦材346、348の圧迫は、ヨーク342に関してピボット344の心棒354の周りの回転を防ぐのに役立つ。逆に、縦材346、348を緩めることによって、ヨーク342に関してピボット344の心棒354の周りの回転が可能になる。第二のハンドル368には第二のレバーアーム370がある。図8では、ハンドル368をさらに詳細に示している。図示したとおり、ハンドル368は、たとえば根角ボルト376などの雄ねじのついたボルトを受けるようになっている、雌ねじのついた穴を含む。雌型連結機構356は、第一のフランジ372と第二のフランジ374を含み、それぞれのフランジには、そこを通るそれぞれの穴がある。フランジ372、374の穴は、実質的に互いに一列に並んでいて、ボルト376を受けるようになっている。当業者には明らかだろうが、回転するハンドル368は、フランジ372、374をお互いに関して圧迫したり緩めたりするのに役立つ。フランジ372、374の圧迫は、支柱358に関してヨーク342の支柱358の周りの回転を防ぐのに役立つ。逆に、フランジ372、374を緩めることによって、支柱358に関してヨーク342の回転が可能になる。
【0093】
図6と図7のブーム・ジョイントの長期にわたる操作は、以下のうち一つ以上のものの磨耗という結果を招くことを、当業者なら理解するだろう:支柱358の外面、それに対応する構造(たとえば雌型連結機構356の内面)、ピボット344の第三の縦材350や第四の縦材352の外面、それに対応する、ヨーク342の縦材346、348の内面。そのような磨耗が起こると、それぞれの界面での摩擦力が、それに従って変化する。つまり、予測不可能かつ/または望ましくないかもしれない方法で、支持構造物の寿命の間、ブーム・ジョイントの運動反応特性に対する減衰と抵抗も変化する。本発明は、そのような反応特性におけるそのような変化を最小化することを目的としている。他の解決法も可能だが、それらのうちいくつかは、生産するのがより困難か、安定した状態に保つのがより困難である。
【0094】
図9は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイント105の断面図を示している。図示したように、ブーム・ジョイント105は、ブーム・ジョイント・ピボット210とブーム・ジョイント・ヨーク212を含む。ブーム・ジョイント・ピボットは、ブーム・ジョイント・シャフト216を受けるようになっている水平な穴214を含む。水平な穴214は、内部の実質的に円筒状の壁面218によって輪郭が定まる。本実施例によれば、壁面218はスロット220を含む。再び図2を参照すると、スロット220は半月キー(Woodruff key)222のような固定装置の一部を受けるようになっているかもしれない。
【0095】
シャフト216と穴214の双方に共通の軸224の周りの、シャフト216の回転を防ぐことが、半月キー222の目的である。後述の別の図に関連していずれ明らかになるとおり、ヨーク212も、シャフト216の一部の周りに配置されているかもしれない穴を含む。現在考慮している本発明の実施例では、支持構造物を使う間、ヨークは半月キー222に固定的に連結されてはいない。その結果、ヨーク212と、ヨーク212に固定的に連結されているブーム108は、シャフト216によって回転自在に支えられている。シャフト216も同様に、ピボット210とシャフト216によって 支えられているかもしれない。
【0096】
本発明の支柱101とブーム108は、どのような高分子材料で作ってもよいが、好ましくは、成型または鋳造が可能な高分子化合物、または金属、または金属合金で作るのが良い。適切な金属または金属合金、高分子化合物や高分子複合材料には、上述のものが含まれる。
【0097】
図示した実施例では、ブーム・ジョイント・ピボット210が、上部232だけでなく基部230も含む。様々な実施例において、基部230と上部232は単一の一体ユニットとして形成されるかもしれないし、個々の構成部品を組み立てたものとして作られるかもしれない。図示した実施例では、基部230は、垂直シャフト234を含む。これも先と同じく、様々な実施例において、基部230と垂直シャフト234は、個々の構成部品を含むかもしれないし、単一の一体ユニットを形成しているかもしれない。
【0098】
本発明の一つの実施例では、支柱101は、実質的に中空の穴または空洞240を含むかもしれない。支柱頂部プラグ242は、全体または一部分が空洞240の中にあるかもしれない。支柱頂部プラグ242は、実質的に円筒状の内面246によって輪郭が定まる、軸方向の穴244を含むかもしれない。軸方向の穴244の放射径(radial diameter)は、第一の場所248での穴の直径が第二の場所250での穴の直径よりも大きくなるように、該穴の長さにしたがって様々に異なる。穴244の長さにつれて穴の直径が変わるところでは、出っ張り252が存在する。
【0099】
本発明の一つの実施例によると、軸方向の穴244の中に軸受筒254があるかもしれない。実質的に円筒状の内面258に対して実質的に同軸に位置している、実質的に円筒状の外面256を、軸受筒254は含むかもしれない。
【0100】
一つの典型的な実施例では、軸受筒254は、油で満たされた多孔質の青銅材料を含むかもしれない。別の典型的な実施例では、軸受筒254は、小さな摩擦係数の高分子化合物を含むかもしれない。この高分子化合物は、以下のものを含む様々な材料から選択されるかもしれないが、それらに限られるわけではない:たとえば、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、アセチルポリマー素材やアセチルポリマー素材で強化された繊維 (Delrin )、ポリアミド(ナイロン )、ポリビニルジフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、そしてこれらの高分子化合物と同様に望ましく適切な特性の他の高分子化合物、工業プレプレグ 、支柱とブームの構成のところで述べた、詰め物入りの高分子複合材料。
【0101】
本発明の別の実施例では、軸受筒254は相対的に大きな摩擦係数または中間的な摩擦係数の材料を含むかもしれない。それは、垂直シャフト234が自分の長手軸の周りに回転運動するのを減らすか制限するのに、外面260と内面248との相互作用によって、軸受筒が役立つようにするためである。
【0102】
図示したように、ブーム・ジョイント・ピボット210の垂直シャフト234の、実質的に円筒状の外面260は、軸受筒254の実質的に円筒状の内面258に接していて支えられている。さらに、ブーム・ジョイント・ピボット210の基部230の下面270の実質的に平らな部分は、支柱頂部プラグ242の上面272の実質的に平らな部分に接していて支えられている。
【0103】
スプリットリング(Cリング)のような保持装置274は、垂直シャフト234の溝276の中にお互いに位置していて、軸方向の穴244の実質的に円筒状の表面のさらなる出っ張り278に接している。
【0104】
保持装置274は、垂直シャフト234を穴244の中に保持し、支柱頂部プラグ242に関して上向きにブーム・ジョイント・ピボット210が動くのを防いでいる。
この配置によれば、ブーム・ジョイント・ピボット210が、支柱頂部プラグの穴244とブーム・ジョイント・ピボット・シャフト234の相互の軸の周りに回転するのを許しつつ、支柱頂部プラグ242がブーム・ジョイント・ピボット210を支えて保持している。
【0105】
図示した実施例では、支柱頂部プラグ242の上面272の実質的に円形の凹部282の中に位置している、摩擦座金280の摩擦動作によって、この回転が弱められるかもしれない。摩擦座金280の外周が、多種多様な形かもしれないことを当業者なら理解するだろう。その多種多様な形には以下のものを含むが、これに限定されるわけではない:楕円形、長方形、正方形、正弦曲線の形、鋸歯状の形、支柱頂部プラグ242に関する摩擦座金の回転を減少させるような、その他の形。
【0106】
様々な実施例で、摩擦座金は、対応する様々な材料を含むように作られている。その様々な材料には以下のものを含むが、これに限定されるわけではない:ポリウレタン、ポリブチレン、ラテックスゴム、または、天然または合成の他のゴム材料。合成ゴム材料は、エラストマー材料であることが好ましく、Kraton Polymers社から入手可能な、スチレン・ブタジエン・ゴムやスチレン・イソプレン、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・モノマー)ゴム、ニトリル(アクリロニトリル・ブタジエン)ゴム、その他の類似物のような、様々な共重合体やブロック共重合体(Kraton (登録商標))を含む。さらに、他のエラストマー樹脂、コルク、木材、セラミック材料、その他の材料、あるいは、摩擦座金の機能に適した材料の組み合わせでもよい。さらに、摩擦座金は、たとえば、とりわけ、セラミック繊維、グラスファイバー、鉱物繊維材料などの繊維性材料を含むかもしれない。
【0107】
本発明の他の実施例では、支えられている歯科用機器に2から5ポンドの力が側面から加えられるか近接して加えられたとき、摩擦座金280または他の摩擦要素と、支柱頂部プラグ242やブーム・ジョイント・ピボット210との間に働く摩擦力を弱めることで、ブーム・ジョイント・ピボット210が回転するのを十分可能にできる。
【0108】
本発明のさらに進んだ態様では、図9に図示した実施例によると、実質的に円筒状のピンなどのピン290が、支柱頂部プラグ242の上面272にある穴292の中と、ブーム・ジョイント・ピボット210の基部230の下面270にある弓形のスロット294の中とに、共に位置している。
【0109】
さて図10に移ると、これは、下から見た斜視図でブーム・ジョイント・ピボット210を示したもので、弓形のスロット294がよりはっきりと見える。図示した実施例では、弓形のスロット294は、実質的に垂直な内壁296と、実質的に垂直な外壁298とを含む。弓形のスロット294は、実質的に垂直な端壁300、302も含む。図9に関して見れば、ブーム・ジョイント・ピボット210が支柱頂部プラグ242に取り付けられるかもしれないとき、ピン290が弓形のスロット294内にあり端壁300、302から離れている範囲で、ブーム・ジョイント・ピボット210が自由に回転するだろう、ということは当業者には明らかであろう。ピン290の外面が端壁300、302の一方と接したとき、ブーム・ジョイント・ピボットの回転は、対応する方向で阻まれる。
【0110】
支柱頂部プラグ242の上面272によって支えられている、ブーム・ジョイント・ピボット210の下面270も、図10は示している。さらに図10は、スロット294と内壁296の場所も示している。スロット294が他の場所でもうまく働くだろうということを、当業者なら理解するだろう。たとえば、本発明の一つの実施例では、スロット294に類似の弓形のスロットが、支柱頂部プラグ242の上面272に用意されるかもしれない(図9に示したとおり)。これに対応して、支柱頂部プラグ242上の、292に示したのと類似の穴が、ブーム・ジョイント・ピボット210の下面270に用意され、その中にピン290があるようになっている。
【0111】
図11は、本発明の一つの実施例によって、ブーム・ジョイント・ヨーク212を腹側面の斜視図で示している。図示したとおり、ヨーク212は実質的に円筒状の外面400を有する。円筒状の表面400上の矩形の投影として実質的に形づくられた縁404によって、外面にある開口402の輪郭が定められている。
【0112】
ヨーク212内の内部空洞上に、開口402は開いている。再び図9と図10を参照すると、空洞402の後壁406が、ブーム・ジョイント・ピボット210の外面408から離れているよう配置されているのが分かる。
【0113】
図11に示したように、ヨーク212は、第一の実質的に円形の端面410と第二の実質的に円形の端面412(図示せず)も、含む。本発明の一つの実施例によれば、端面410と412は、実質的に平面である。端面410、412のそれぞれは、端面の表面を通り法線方向に同軸に配された、それぞれに対応する穴414、416を有する。
【0114】
穴414と416のそれぞれは、それぞれに対応する、実質的に円筒状の壁418、420によって、輪郭が定められている。上述のとおり、図9について見れば、壁418と420はシャフト216上にヨーク212を回転自在に支えるのに、役立っている。
【0115】
壁418がキー溝スロット422を有するように図示されているし、様々な実施例によれば、壁418と壁420がそのようなキー溝422を含むが、キー溝は単に、半月キー222(図9に示したとおり)がヨーク212を通ってブーム・ジョイント・ピボット210のスロット220に入るようにするだけだ、ということに注意されたい。よって、シャフト216はブーム・ジョイント・ピボット210に関しては回転しないよう固定されているが、ヨーク212に関しては回転自在なのである。
【0116】
図12は、ブーム・ジョイント・シャフト216の断面図を示している。図示した実施例では、対応する2つの半月キーを受けるようになっている、2つの空洞500、502を、シャフトが含むかもしれない。他の実施例では、シャフトは半月キー用の空洞を1つ含み、1つの半月キーだけが使われるかもしれない。本発明のさらに別の実施例では、小ねじを受けるようになっているスロットが、ブーム・ジョイント・シャフト216の表面504の長さの前部または一部にわたってついている。小ねじまたは半月キーを使うのは、ブーム・ジョイント・シャフト216がブーム・ジョイント・ピボット210に関して回転しないよう固定されたままかもしれないような多くの方法の中の、単なる典型にすぎない、ということを当業者なら理解するだろう。
【0117】
ブーム・ジョイント・シャフト216の外面についている雄ねじ506、508も図示されている。これらのねじ山は、それぞれ取っ手109、111(図1に示した)を受けるようになっている。本発明の一つの実施例によれば、ねじ山506、508は、たとえば1インチあたり約20のねじ山という間隔になっているが、標準的または非標準的ないかなる数のねじ山でも、適切なものとして利用されうる。
【0118】
図12のシャフト504は、図示したように、第一の円周状の溝2200と第二の円周状の溝2202も含むかもしれない。円周状の溝2200、2202は、それぞれの保持装置をそこで受けるようになっているかもしれない。たとえば、溝2200、2202のそれぞれは、止め輪固定装置を保持するようになっているかもしれない。
【0119】
さらに、シャフト504は第一の平面領域2204と第二の平面領域2206も含む。さらなる詳細は後述するが、平面領域2204、2206は、シャフト504に関してブーム・ジョイント座金が回転するのを、最小化または防止するようになっている。
【0120】
図13aは本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイント座金2208を示している。ブーム・ジョイント座金2208は、外面2210と内面(図示せず)を含むかもしれない。実質的に円形の第一の部分2212と、実質的に平らな第二の部分2214とを有する縁によって、座金の穴は縁取られるかもしれない。本発明の一つの実施例では、実質的に平らな部分2214の輪郭は、座金の外面の凹部2216によって調節されるかもしれない。図示した例では、この凹部は、外面2210にパンチを加えることで形成されるかもしれない。実質的に平らな部分の輪郭を調整することによって、最小の遊びでシャフト504にぴったり嵌るようにできるかもしれない。
【0121】
図13bは、本発明の他の実施例による、他のブーム・ジョイント座金2218を示している。ブーム・ジョイント座金2218は、2つの実質的に平らな部分2220、2222を有する縁を持つ穴を含む。後述するとおり、本発明の一つの実施例による、平らな部分2220、2222の輪郭を調整する必要は、2つの平らな部分を使うことと、改善された製作公差とによって、取り除ける。
【0122】
図14は本発明の一つの実施例による、ブーム・ヒンジ取っ手600の斜視図を示している。図示した実施例によると、ブーム・ヒンジ取っ手600は、実質的に半楕円形の外面604を含むかもしれない。図示した実施例では、ブーム・ヒンジ取っ手600の外面604の周囲に、複数の突起602が配置されるかもしれない。支えられている歯科用機器の使用者のための把持面(gripping surface)を突起602が提供することで、ブーム・ジョイント105に合わせるために取っ手600を使用者が回すのが簡単になる。ブーム・ヒンジ取っ手600の別の実施例では、外面604は突起のかわりに溝がついている。溝もまた、歯科用漂白ランプの使用者のための、把持面を提供する。さらに進んだ実施例では、把持を容易にするために、把持面に盛り上がった複数の筋または凹んだ複数の筋が付けられることもある。
【0123】
ブーム・ヒンジ取っ手600の内側にある複数のリブ606は、取っ手600の構造的な補強となっており、雌ねじのついた円筒608を支えている。リブ606のそれぞれは、外向きの面606 を含んでいるかもしれない。さらなる詳細は後述するが、外向きの面は、ブーム・ジョイント座金の表面(つまり2210)と接するようになっているかもしれない。ねじ山のある円筒608は、ブーム・ヒンジ取っ手600の中央にあるかもしれないし、ブーム・ジョイント・シャフト216の、ねじ山のある端508を受けるような形状と配置になっているかもしれない。この配置によって、ブーム・ジョイント105の調節が可能になる。
【0124】
本発明の一つの実施例によれば、雌ねじのある円筒608は、摩擦圧入(frictional press fit)により取っ手600と連結されるかもしれない。本発明の他の実施例では、雌ねじのある円筒608は、組み立て作業中の超音波溶接によって取っ手600と連結されるかもしれない。本発明のさらに別の実施例では、取っ手の内面に直接形成されたねじ山を支えられるような耐久性のある材料で、取っ手600が形成されるかもしれない。
【0125】
図15は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイントの一部を、斜視図で示している。実質的に円形の境界線411を有する実質的に平らな表面410を持ったヨーク212を、ブーム・ジョイント105は含む。実質的に円形の境界線を有する摩擦座金2250と、図13aに関して述べたようなブーム・ジョイント座金2208も、図示されている。ブーム・ジョイント・シャフト216が、ヨーク212、摩擦座金2250およびブーム・ジョイント座金2208を支えているのも図示されている。さらに、ブーム・ジョイント・シャフト216の溝2202に置かれている、スプリットリング固定器具2252が図示されている。
【0126】
ブーム・ジョイント・シャフト216は、複数の雄ねじ508を含むかもしれない。図14に関して述べたように、雄ねじがブーム・ジョイント取っ手600をうけるようになっているかもしれない。
【0127】
シャフト504の溝2200と2202に、それぞれの固定装置(たとえば2252)があること(図12に示したとおり)によって、ヨーク212に関するシャフト506の軸方向の動きを実質的に防げる、ということを当業者なら理解するだろう。また、シャフト506をブーム・ジョイント・ピボット210に連結している半月キー(または他の装置)があることで、長軸の周りのシャフト506の回転も実質的に防げる。
【0128】
ジョイント座金2208の平らな表面2212 に接した、シャフト216の平らな表面2206の動きによって、シャフト216に関するブーム・ジョイント座金2208の回転は、妨げられる。
【0129】
ブーム・ジョイント取っ手600の回転は、シャフト216に関して軸方向に内向きに取っ手を進ませることになるかもしれない。その結果、ブーム・ジョイント取っ手の表面605は、ブーム・ジョイント座金2208の表面2210に作用するかもしれない。そして座金2208が軸方向に内側に押し付けられて、ブーム・ジョイント座金の内向きの表面2254と、摩擦座金の隣接する面との間に、摩擦座金2250を押し付けるかもしれない。摩擦座金はそれに対応して、ヨーク212の表面410に押し付けられるかもしれない。
【0130】
摩擦座金2250、ヨーク212の表面410、およびブーム・ジョイント座金の表面2254の間の摩擦により、ヨークがブーム・ジョイント座金に連結される傾向がある。よって、機械的な連結の連鎖が次のように確立される:実質的に互いに固定されて連結されているブーム103とヨーク212から、摩擦座金2250を通して、ブーム・ジョイント座金2208へ、そして、座金2208の平らな面2212 とシャフト216の平らな面2206を経由して、シャフトと半月キー222を通して、ブーム・ジョイント・ピボット210へ、そしてその結果、ブーム・ジョイント・ピボットを支えている支柱101へ。このようなことを考慮すると、支柱101とブーム103の間の相対的な動きに対する抵抗が、ブーム・ジョイント取っ手600の回転によって調節可能である、ということを当業者なら理解するだろう。
【0131】
図16は、支柱頂部プラグ242の腹側面を斜視図で示している。前述のとおり、支柱頂部プラグ242は、支柱101の中空の穴240の中に位置するようになっている。第一の平面544と突起を有する鍵型部542まで、次第に細くなっていく、一般的に円筒形の底面540を、支柱頂部プラグ242は有している。第二の平面548は、支柱頂部プラグ242の上面550の下にある突起の上に位置している。
【0132】
支柱頂部プラグ242の本実施例では、支柱頂部プラグ242は、支柱101の中空の穴240の中に一つの方向に嵌るように、形づくられ、配置されるかもしれない。第一の平面544、第二の平面548、および突起546によって、支柱101の中空の穴240への挿入の方向が決まるかもしれない。
【0133】
実質的に円筒状の内面246によって輪郭を定められた、軸方向の穴244を、支柱頂部プラグ242が含むかもしれない。軸方向の穴244は、ブーム・ジョイント・ピボット210のシャフト234を受ける。軸方向の穴244は、実質的に円筒状の内面246に、出っ張り278を含むかもしれない。ブーム・ジョイント・ピボット210のシャフト234の周りの固定装置274(図9で説明した)は、出っ張り278に当たって停止するかもしれない。図2 に関して既に述べたとおり、固定装置274はシャフト234を軸方向の穴244の中に保持するかもしれない。その結果、穴244と垂直シャフト234の共通の軸のまわりにブーム・ジョイント・ピボット210が回転するのを許しつつ、支柱頂部プラグ242がブーム・ジョイント・ピボット210を支えて保持する。
【0134】
支柱頂部プラグ242の一つの実施例では、支柱頂部プラグ242は支柱101にぴったりと嵌るかもしれない。支柱頂部プラグ242の別の実施例では、支柱頂部プラグ242の上縁は、Oリングを保持する溝552を有するかもしれない。Oリング554により、支柱101の中空の穴240内にぴったり嵌るようにできる。
【0135】
図17は、支柱頂部プラグ242の上面図を示している。支柱頂部プラグ242の上部は、支柱101の楕円形に合わせるために、本発明の本実施例では、楕円形になっているかもしれない。他の一般的な形も本発明の範囲内で考慮される。支柱101および支柱頂部プラグ242は、図17に示した形に限定されない。
【0136】
支柱頂部プラグ242の上面272は実質的に平らで、上述のとおり、ブーム・ジョイント・ピボット210の基部230の実質的に平らな表面270を支えている。一つの実施例によれば、上面22 の凹部282内に摩擦座金280がある(図10 で見られる)。摩擦座金280は、支柱頂部プラグ242に関するブーム・ジョイント・ピボット210の回転を減少させる。上述のとおり、本発明の一つの実施例によれば、摩擦座金280と支柱頂部プラグ242とブーム・ジョイント・ピボット210との間に作用する摩擦力を減少させることは、2ポンドから5ポンドの間の力が搭載装置の側面にかかるか搭載装置に近接してかかったときにだけ、ブーム・ジョイント・ピボット210の回転を可能にするのに十分である。
【0137】
上面272にある穴292へ向かって開いていて、支柱頂部プラグ242内に伸びている開口を、支柱頂部プラグ242は含むかもしれない。穴292はピン290を受けるような形状と配置になっているかもしれない。図9に示したように、ピン290は、支柱頂部プラグ242の上面272にある穴292の中と、ブーム・ジョイント・ピボット210の基部230の下面270にある弓形のスロット294の中との両方に位置している。
【0138】
図18は、支柱頂部プラグ242の、プラグの長軸に沿った断面図を示している。2つの出っ張り252、278があるように形成された、軸方向の穴244を、支柱頂部プラグ242は含む。出っ張り278は、図2にあるとおり、ブーム・ジョイント・ピボット210の溝276にある固定装置274を支える。
【0139】
上面272にあって、軸方向の穴244と同軸の凹部282は、摩擦座金280を受けるかもしれない(図17に示した)。この実施例では、支柱頂部プラグ242の上面272を取り巻く縁(rim)560を、支柱頂部プラグ242が含む。縁560の下面561は、支柱101の上部に接して停止する。支柱頂部プラグ242が支柱101にぴったり嵌るように、縁560は、支柱101の上面と合う形状と配置になっているかもしれない。
【0140】
図19は、本発明の一つの実施例による、支柱101、ブーム103、およびブーム・ジョイント105の組立図を示している。支柱頂部プラグ242は支柱101の中にある。ブーム・ジョイント・ピボット210はブーム103に組み込まれて示されている。ブーム・ジョイント105の両側にある取っ手600は、ブーム103の角度方向を固定したり緩めたりして、支柱101に関して角度を調整するのに、役立つ。
【0141】
図20は、本発明の別の実施例による、支柱頂部プラグとピボット部品800の断面図である。ピボット802は、ピボット・シャフト804を受けるようになっている、垂直な穴816を有している。図2に示したブーム・ジョイント200の実施例と類似の方法で、ブーム・ジョイント・シャフト216(図示せず)を受けるようになっている、水平な穴806を、ピボットが含むかもしれない。これも図2に示したブーム・ジョイント200の実施例と類似の方法で、固定装置の一部を受けるようになっているスロット808を、穴806が含むかもしれない。ピボット802は、実質的に平らな下面810を有する。下面810は、第一の弓形のスロット812と第二の弓形のスロット814を、垂直な穴816の周りの逆の位置にあるように、含むかもしれない。第一の弓形のスロット812は第一のピン818を受けるようになっているかもしれない。第二の弓形のスロット814は第二のピン820を受けるようになっているかもしれない。
【0142】
第一のピン818と第二のピン820は、支柱頂部プラグ822に取り付けられている。実質的に円筒形の内面826によって輪郭が定められた、軸方向の穴824を、支柱頂部プラグ822が含む。軸方向の穴824の放射径は、第二の場所830でよりも第一の場所828で穴の直径が大きくなるように、穴の長さによって様々に変わる。本発明の一つの実施例によれば、軸受筒832が軸方向の穴824の中にある。軸方向の穴824の実質的に円筒状の内面826に対し、実質的に同軸で間隔をあけた、実質的に円筒状の外面を、軸受筒832は含むかもしれない。軸受筒は、たとえば、小さな摩擦係数の材質でできているかもしれない。ピボット・シャフト804は、軸方向の穴824の中の軸受筒832の中に位置している。ピボット・シャフト804は、第一の溝834と第二の溝836を有する。摩擦リング838が第一の溝834に配される。摩擦リング838は、たとえば、ゴムでできている。本発明の他の実施例では、第一の溝834に2つ以上の摩擦リングがある。座金を保持しているスプリットリング(Cリング)のような固定装置840は、ピボット・シャフト804の第二の溝836の中であって、軸方向の穴244の実質的に円筒状の表面の出っ張り842に接している位置にある。固定装置840はピボット・シャフト804を保持し、ピボット802が支柱頂部プラグ822に関して上向きに動くのを防いでいる。本発明の一つの実施例によれば、ピボット・シャフト804は点844においてピボット802に溶接されている。本発明の他の実施例では、図18に関して述べた実施例と類似の方法で、ねじでピボット・シャフト804をピボット802に保持している。
【0143】
この配置によれば、支柱頂部プラグの穴824とピボット・シャフト804に共通な軸の周りに、ピボット802が回転するのを許しつつ、支柱頂部プラグ822がピボット802を支えて保持する。それぞれ第一の弓形のスロット812と第二の弓形のスロット814の中にある、第一のピン818と第二のピン820によって許される動きによって、この実施例での回転運動は制限される。たとえば該運動は、180度までに制限される。
【0144】
図示した実施例では、軸方向の穴824の横のピボット・シャフト804上の第一の溝834内にある摩擦リング838の摩擦作用によって、回転運動は減少する。
図21は、本発明の他の実施例による、ブーム・ジョイント・ピボット620と、ブーム・ジョイント用の支柱頂部プラグ622とを、断面図で示している。
【0145】
ブーム・ジョイント・ピボット620は、上部624と基部626を含むかもしれない。図30で示すブーム・ジョイント105の実施例と類似の方法でブーム・ジョイント・シャフト216を受けるようになっている、水平な穴628を、ブーム・ジョイント・ピボット620の上部624が含む。図9に示したブーム・ジョイント105の実施例と類似の方法の、半月キーなどの固定装置の一部を受けるようになっているスロット630を、穴628が含む。
【0146】
図22は、本発明によるブーム・ジョイント・ピボット162のさらに進んだ実施例を、断面図で示している。図20に示したように、ピボット1620は、それを貫くよう形成された穴を含む。穴は、ブーム・ジョイントの水平なピボット・シャフト1622を受けるようになっている。図12のブーム・ジョイント・ピボット・シャフト216で、502として識別されていたような半月キーのキー溝を、本実施例のシャフト1622は含まない。むしろ、本実施例のシャフト1622は穴1624を含み、穴1624は、シャフト1622内に、シャフト1622の長手軸に対して実質的に垂直であるように形成されているかもしれない。本発明の一つの実施例によれば、穴1624内に締め具を保持するようになっているねじ山または他の機構を支える内面を、穴1624が含む。
【0147】
図示した実施例では、締め具は皿頭の小ねじ1626として示されている。しかし、当業者なら、多種多様な他の締め具が小ねじ1626の代用となるかもしれない、と理解するだろう。たとえば、使われる締め具としては、とりわけ、以下のうちの1つ以上を含むかもしれない:ロール・ピン、頭のない六角ねじ(止めねじ)、押さえねじ、リベット、鋼鉄製だぼなどのだぼ。
【0148】
図23は、ブーム・ジョイントの水平なピボット・シャフト1622をさらに詳しく示している。図示したとおり、シャフトは、雄ねじのついた端506、508だけでなく、貫通孔1624も含む。本発明の様々な実施例では、貫通孔1624は、小ねじを受けるために雌ねじがついているかもしれないし、ロール・ピンのような締め具を受けるために滑らかかもしれない。
【0149】
再び図22を参照すると、本発明の一つの実施例では、シャフト1622の外面と、シャフト1622が中にある穴の内向きの面との間の、界面1628に、接着剤が配されるかもしれない。様々な実施例において、接着剤は以下のものを含むかもしれない:たとえば、Loc−Tite(登録商標)またはSuper Glue(登録商標)などのシアノアクリレートをベースにした材料、1液型または2液型のエポキシ、1液型または2液型のポリウレタン接着剤、または発泡取り付け接着剤(foam mounting adhesive)などの他の構造接着式の接着剤。発泡取り付け接着剤は、衝撃吸収にも助けとなるかもしれない。
【0150】
本発明の他の実施例では、ねじ1626または他の締め具を受ける、ピボット1620内の穴は、たとえば皿穴領域1632のような凹所を含むかもしれない。締め具の頭と、図11の212に示したようなヨークとの間の干渉を防ぐために、凹所は締め具の頭を受けるようになっている。本発明のさらに別の実施例では、穴1630がシャフト1622を横断していて、シャフトの反対側までピボット1620の中を伸びている。本発明のさらに別の実施例では、穴1630はピボット1620を完全に貫通して伸びている。
【0151】
図21の基部626は、垂直穴開口632と水平穴開口634とを含む。基部626はさらに弓形のスロット636を含むが、これは図29でより詳しく見ることができる。
再び図21を参照すると、垂直穴開口632は、貫通孔640を有するピボット・シャフト638を受けるようになっているかもしれない。水平穴開口634は、ねじ642を受けるようになっているかもしれない。本発明の第一の実施例では、水平穴開口634は、ねじ642上のねじ山と結合するようになっている、ねじ山のついた部分644を有する。別の実施例では、ピボット・シャフト638の貫通孔640は、ねじ山がついていて、ねじ642上のねじ山と結合するようになっているかもしれない。
【0152】
ピボット・シャフト638は一般的に円筒状の形で、貫通孔640を一端に含み、フランジ646をもう一端に含むかもしれない。本発明の一つの実施例では、ピボット・シャフト638は、より小さな直径の第一の部分648と、より大きな直径の第二の部分650とを有する。
【0153】
支柱頂部プラグ622は一般的に、軸方向に位置し、支柱頂部プラグ622の上面654から伸びている、円筒状の開口652を含むかもしれない。開口652は、摩擦パッド656を受けるような配置になっているかもしれない。摩擦パッド656は、押される力が強くなるにつれ、より大きな摩擦抵抗を与える。摩擦パッド656は、たとえば、エラストマー材料で作られているかもしれない。開口652はさらにピボット・シャフト638を受けるようになっていて、そこではピボット・シャフト638のフランジ646が摩擦パッド656に接しているかもしれない。開口652は、支柱頂部プラグ622の上面654の近傍で、部分的にねじ山がついているかもしれない。軸受筒658は、ピボット・シャフト638の上に嵌っている。開口652はさらに、スパナ・ナット660を受けるようになっているかもしれない。スパナ・ナット660は、ねじ山のついた上部662と、ねじ山のない下部664とを有する。スパナ・ナット660のねじ山のついた部分662が開口652にねじ込まれていく間、スパナ・ナットの下部664が軸受筒658に接する。
【0154】
操作中に、ブーム・ジョイント・ピボット620は、ピボット・シャフト646にねじ642で固定される。ピボット・シャフト646は、支柱頂部プラグ622内部にある軸受筒658の中で回転する。摩擦パッド656に対するピボット・シャフト646の摩擦作用によって、ピボット・シャフト646の回転は減少するかもしれない。スパナ・ナット660によって供される、摩擦パッド656に対するピボット・シャフト646の圧迫の量を調節することによって、ピボット・シャフト646を回転するのに必要な力は、調節可能かもしれない。
【0155】
本発明の一つの実施例では、支柱に関してのブームの回転に対する、望ましい抵抗を供するために、摩擦パッド656の特性が選ばれるかもしれない。支柱に関してブームが滑らかで予測可能に動くことは、歯科施術者の職場において、重要な価値がある。ちなみに、歯科的処置の間、漂白ランプヘッドなどの歯科用機器を押しのける患者の力が、患者に快適な水準にまで、驚くほど増すということが判明している。
【0156】
さらに、動くのが望ましいとされるまでは、患者または歯科施術者によって、実質的に固定の位置にランプヘッドが保持されるようにブームの動きを十分に減少することは、有利である。たとえば、図15に示したブーム・ヒンジの実施例は、他のブーム・ヒンジの配置と比べて、顕著に改善した特性を示している。他のブーム・ヒンジの配置としては、たとえば、図7に示したものや、Vanceに対して1962年4月24日に特許された米国特許第3,031,215号、Schoenigらに対して1987年6月9日に特許された米国特許第4,671,478号などの、典型的な公開された従来のランプ支持構造物に見られるものなどがある。これら特許の開示は全体として、この参照によりここに含まれる。
【0157】
よって、ジョイントの特性についての見積もりは、一つの例示にした実施例に関して行われてきた。ブーム・ジョイントの様々な構成部品によって、摩擦座金656にかかる力を特徴づけるのに、行われた見積もりが役立つ。また、摩擦座金656の予測された有効な耐用年限を含む、部品の予測性能を特徴づけるのにも、行われた見積もりが役立つ。
【0158】
患者が押しのける力は、患者の快適さと、歯科用機器指示構造物の有効性との全てにわたり、驚くほど重要な要因である、と事例証拠は示唆している。最適な支持構造物は、効果的に機器を支持するために、移動に対する十分な抵抗力を供さなくてはならないし、いくつかの実施例においては、患者の歯に対して機器が実質的に動かないように保持しなくてはならない。さらに、支持構造物は、患者が望んだときに不当な努力を払わずとも機器を移動できるようにするかもしれない。さらに、いくつかの実施例では、患者の小さな動きおよび/または無意識の動きに、支えられている機器が対応できるようにするために、指示構造物が十分な可動性を有するようにするのが望ましい。
【0159】
さらに、初期調整にもよるが、支持されている機器および/またはその近傍にかかる力を使って、支持構造物を位置調整できることが望ましい。歯科用機器から比較的遠い位置にある、ブーム・ジョイントやキャスター・ロックなどの、支持構造物の一部に対して常に注意を向ける必要がないようにするためである。
【0160】
機構と機能のこの組み合わせは、全体的な機能性の認識のためと、患者と歯科施術者にとって簡単に使えるようにすることのために、驚くほど重要であり、利用可能だと知られている様々な従来の支持機構によっては満たされないものである。さらに、特性の最適な組み合わせを達成するのは、特定の意匠の特徴にしたがって実施される本発明の態様に、驚くほど敏感であると分かっている。
【0161】
たとえば、図19のブーム・ジョイントを含む、本発明のある実施例は、多数の稼動サイクル上で一貫性と再現性を保つ、非常に線形的で安定的な対荷重特性を示すことが分かっている。よって、積載物(つまり、機器支持構造物によって支えられている機器)に特定の力を加えると、多数の稼動サイクル上で驚くほど一貫性と再現性がある、積載物の移動という結果になる、と分かっている。適切な再配置性と患者が押しのける特性とを可能にしつつ、効果的な支持を維持し、歯科用機器の部品を制御する、という問題は、このようにして様々な態様で本発明を適用することにより、解決した。
【0162】
図24は力の表2000を示している。表2000は、負荷を載せるブームの端点上に加えられて、支柱に関してのブームの対応する動きを作り出す力に関している。この加えられた力は、患者の押しのける力2002として示されているが、たとえば、患者の口から離れたところでブームに連結されているかもしれない漂白ランプヘッドを、患者が押しのけるのに必要な力を表している。
【0163】
特定の押しのける力に対応する関節トルクが2004として示されている。さらに、本発明の一つの実施例における摩擦座金に加えられるばね力2006も示されている(単位はポンド)。また、特定のBellevue座金ばねの、対応するばねのたわみ(単位はインチ)2008も示されている。よって、たとえば、図示した実施例では、約355ポンドのばね力が、約0.022インチのばねのたわみを作り出すかもしれない。その結果の関節トルクは48ポンドで、患者が押しのける2ポンドの力に形を変える。
【0164】
図25は、ばねのたわみ2012(単位はインチ)と患者の押しのける力(単位はポンド)2014との間の関係2010をグラフで示している。図示した実施例では、この関係は実質的に線形である。
【0165】
図26は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイント装置のばね力関数2016の特性のグラフを示している。垂直軸は、実質的に軸方向のばねに加えられた力2006を表す。水平軸は、加えられた力2006に対応するばねの位置ずれ2008をインチ単位で表す。図26に示したとおり、図示した実施例によるBellevue座金などのばねの位置ずれは、実質的にばねに加えられた軸方向の力2006に比例する。これに対応して、関係2016を表すグラフの線は、実質的に直線である。本発明の様々な実施例においては、一体成形のばねや部品で構成されたばねや、別のばね力特性を有するばねを使えるかもしれない、ということを当業者なら理解するだろう。
【0166】
図27は、図21に示したのとは別の、ブーム・ジョイント・ピボット620の実施例と、支柱頂部プラグ622の実施例との側面図である。図27には、ねじ642を有する、ブーム・ジョイント・ピボット620の側面が示してある。ブーム・ジョイント・ピボット620は、上述のように、支柱頂部プラグ622の上に取り付けられるかもしれない。ねじ642は、ブーム・ジョイント・ピボット620をピボット・シャフト638に取り付けるかもしれない(図21で示したとおり)。
【0167】
図28は、ブーム・ジョイント・ピボット620の別の実施例と、支柱頂部プラグ622の別の実施例の、垂直断面図である。ブーム・ジョイント・ピボット620は、垂直穴開口632と水平穴開口634を含む。ブーム・ジョイント・ピボット620はさらに、支柱頂部プラグ622に取り付けられたピン666を受ける、弓形のスロット636を含む。ピボット・シャフト638は、垂直穴開口634内の適切な位置にある。ピボット・シャフト638の貫通孔640は、水平穴開口634と整列しているかもしれない。つまり、ねじ642を受ける場所にあるかもしれない(図示せず)。
【0168】
支柱頂部プラグ622は、図21よりさらに詳しく見て取れる。一般的に円筒状の開口652が軸方向に位置しており、支柱頂部プラグ622の上面654から伸びているのが図示されている。ブーム・ジョイント・ピボット620が支柱頂部プラグ622に関して回転するのを可能にするかもしれないが、ブーム・ジョイント・ピボット620の回転を減らしもするかもしれないような本発明の要素を、開口652が受けるかもしれない。図21で見られるように、開口652は、摩擦パッド656、軸受筒658、およびスパナ・ナット660を受けるような位置にあるかもしれない。摩擦パッドは、摩擦パッドを押す力が増すにつれて、より大きな摩擦抵抗を示すかもしれない。摩擦パッド656は、たとえば、上述したような摩擦座金に適した材料などのエラストマー材料で作られているかもしれない。軸受筒658は、たとえば、図9の軸受筒254に使うとして述べたようなプラスチック材料を含む、摩擦係数の小さな物質で作られているかもしれない。座金670と、Belleville座金のようなばね672とが、摩擦座金656と開口652の底部との間に位置しているかもしれない。
【0169】
上述のように、ピボット・シャフト638のフランジ646を押すかもしれない軸受筒658に、スパナ・ナット660がねじ込まれるかもしれない。ピボット・シャフト638のフランジ646は摩擦パッド656に接している。ばね672は、下からフランジ646に摩擦パッドを押し付ける力を与える。摩擦パッド656がピボット・シャフト638の回転を弱めるが、ピボット・シャフト638は軸受筒658内で回転自在である。スパナ・ナット660がピボット・シャフト638によりきつくねじ込まれると、回転の弱め方が大きくなるだろうから、スパナ・ナット660によってピボット・シャフト638の回転を弱めて調節可能にすることができる。
【0170】
図29は別のブーム・ジョイント・ピボット620の斜視図である。ピン666を受ける弓形のスロット636が、垂直穴開口632と同様に、はっきり見えるかもしれない。
図30は垂直ピボット・シャフト638の斜視図である。垂直ピボット・シャフトは、第二の部分650よりも直径の小さな第一の部分648を含む。フランジ646は、第二の部分650に隣接している。貫通孔640は、垂直ピボット・シャフト638の第一の部分648を貫通する水平な穴であるかもしれない。垂直ピボット・シャフト638は、垂直ピボット・シャフト638の第二の部分650に隣接したフランジ646も含む。垂直ピボット・シャフト638は、たとえば、セラミック材料や高分子材料(これらの材料には、とりわけ、上述のブームや支柱に適した材料を含む)で作られているかもしれない。
【0171】
図31はピボット・シャフト638の断面図である。ピボット・シャフト638は、第二の部分650よりも直径の小さな第一の部分648を含む。フランジ646は、第二の部分650に隣接している。貫通孔640が、1つの面取りした端680とともに示されているかもしれない。あるいは、貫通孔640の両端が面取りされるかもしれない。
【0172】
図32は、本発明の別の実施例によるピボット・シャフトの斜視図である。ピボット・シャフト690は、フランジ694に隣接した円筒状の部分692を含む。円筒状の部分692は、貫通孔696を含む。貫通孔696は、ねじ642(図示せず)を受けるような形状と配置になっている。
【0173】
図33は、図32に示したピボット・シャフト690の断面図を示している。上記のとおり、ピボット・シャフト690は、円筒状の部分692、フランジ694、および貫通孔696を含む。この図では、貫通孔696は皿穴状で両端698が面取りされている。
【0174】
図34はスパナ・ナット660の上面図を示している。スパナ・ナット660も、圧迫栓(compression plug) として参照されるかもしれない。スパナ・ナット660は実質的に円形かもしれない。一つの実施例では、スパナ・ナット660の円周702に関して対称な位置にある、2つの曲線状の切り込み700を、スパナ・ナット660が有するかもしれない。切り込み700は、スパナ・ナット660の上面704から伸びて、底面(この図では見えない)より前の点で終わる。支柱頂部プラグ622の開口からスパナ・ナットがねじれ外れるのを防ぐためのピンを受けるように、切り込み700は形づくられ、配置されている。別の実施例では、スパナ・ナット660は、曲線状の切り込みを1つだけ有するかもしれない。さらに別の実施例では、典型的にはスパナ・ナット660の円周を取り巻いて対称的な位置にある複数の切り込みを、スパナ・ナット660が含むかもしれない。
【0175】
図35は、本発明の方針によるスパナ・ナット660の側面図を示している。スパナ・ナット660は、ねじ山のある上部662と、ねじ山のない下部664とを含む。スパナ・ナット660の上面704から伸びて、ねじ山のない下部664で終わっている、1つの切り込み700が見られる。
【0176】
図36は軸受筒2270を示している。互いに離れて同軸に位置していて実質的に円筒状の、内面2274と外面2276とを有する管状部2272を、軸受筒2270が含むかもしれない。外面2276から放射状に外側の位置にあるフランジ部分2278も、軸受筒2270が含むかもしれない。
【0177】
図37は、本発明のさらに進んだ実施例による、スパナ・ナット660を示している。スパナ・ナット660は、上面2284に、第一の弓形のスロット2280と第二の弓形のスロット2282とを含む。スロット2280、2282は、スパナ・ナット660の回転のための器具を受けるようになっている。図34に示した、スパナ・ナット660のスロット700とは違い、スロット2280と2282は、ナットのねじ山700 に割り込まない。これに対応して、図37のナットの実施例は、図34のスパナ・ナット660よりも、取り付けの間にcross-threading や他の損傷を経験する程度が低くなるかもしれない。
【0178】
図38は、本発明の方針による支柱頂部プラグ622の斜視図である。支柱頂部プラグ622は、支柱頂部プラグ622の実質的に中央に、一般的には円筒形の構造710を含む。第一の円弧形の構造712と第二の円弧形の構造714が、中央の構造710の両側にある。中央の構造は、上述のピボットと摩擦パッド部品を保持するような形状と配置になっている。第一と第二の円弧形の構造712、714は、支柱頂部プラグ622を支柱191の中空の穴の中にきちんと配置するのに役立つ。
【0179】
図39は、支柱頂部プラグ622の断面図である。軸方向に位置し、支柱頂部プラグ622の上面654から伸びている、一般的に円筒状の開口652を支柱頂部プラグ622の中央の構造710が含む。開口652は上述のとおり、ばね672、座金670、摩擦パッド656、ピボット・シャフト638、軸受筒658、およびスパナ・ナット660を受けるようになっている。
【0180】
開口652の底にある突起716によって、ばねと座金を整列できる。開口652は、スパナ・ナット660のねじ山とかみ合うように、上面654の近くにねじ山がついている。支柱頂部プラグ622はさらに、支柱101に支柱頂部プラグ622を整列させるために使われる、第一の円弧形の構造と第二の円弧形の構造とを含む。
【0181】
図40は、本発明の方針による支柱頂部プラグ622の上面図を示している。支柱101の楕円形の形状に合わせるために、本発明の本実施例では、支柱頂部プラグ622の上部は楕円形である。支柱頂部プラグ622の上面654は実質的に平面である。支柱頂部プラグ622は、支柱頂部プラグ622の上面654から広がっている開口652を含む。スパナ・ナット660が開口652内の適切な位置にある。スパナ・ナット660は切り込み700を含む。一度スパナ・ナット660が開口652の中にねじ込まれて望ましい位置に達したら、スパナ・ナット660が動くのを妨げるためのピン(図示せず)を、切り込み700が受ける。支柱頂部プラグ622はさらに、ピン666を含む穴開口668を含む。
【0182】
図41は、本発明の他の実施例による、支柱頂部プラグとピボットの組み立て部品750を、組み立て図で示している。組立部品は、ピボット620とスパナ・ナット660、ピボット・シャフト690、摩擦パッド656、座金670、ばね672、支柱頂部プラグ622、およびネジ642を含む。軸受筒658は、スパナ・ナット660の内部に位置している。
【0183】
図42は、本発明の一つの実施例による、玉継手の構成部品を斜視図で示している。玉継手(ball and socket jointともball jointとも言う)902はヘッド・チューブ908を含み、ヘッド・チューブ908は、ヘッド・チューブ908の向かい合った両端に第一の開口910と第二の開口911を有している。開口910、911は、それぞれ溝910a、911aを含む。第三の開口912が、ヘッド・チューブ908の側面に存在している。玉継手902はさらに、それぞれ第一と第二の開口910、911で受けられる、第一のボール・カップ914と第二のボール・カップ915を含む。歯科用漂白ランプ(図示せず)を保持する回転運動台906が、ボール・スイベル(ball swivel)904によって玉継手902に連結する。第一と第二のボール・カップ914、915は、ヘッド・チューブ908にある第三の開口912を通っているボール・スイベル904を受けるような形態になっている。玉継手902は以下でより詳細に説明する。
【0184】
一つの実施例によると、それぞれのボール・カップ915は、接触板2290を含むかもしれない。本発明の様々な実施例では、補強板が、ボール・カップ915と一体成形されるか、ボール・カップ915の表面に接着剤か接着テープで取り付けられるか、ネジやリベットなどの締め具によって取り付けられる、かもしれない。第一と第二の開口910、911は、それぞれ第一と第二のボール・カップ914、915を受けるようになっている。歯科用の器具または機器を保持するようになっている回転運動台906は、ボール・スイベル904によって玉継手902に連結する。第一と第二のボール・カップ914、915は、ヘッド・チューブ908にある第三の開口912を通っているボール・スイベル904を受けるような形態になっているかもしれない。玉継手902は以下でより詳細に説明する。
【0185】
図44は、本発明の一つの実施例による、玉継手の構成部品を斜視断面図で示している。玉継手902が、ヘッド・チューブ908の断面図と共に示されている。第一のボール・カップ914は、ヘッド・チューブ908内部の場所にある。回転運動台906のボール・スイベル904が、ヘッド・チューブ908の第三の開口912を通って挿入されているのが示されている。
【0186】
たとえば上述の図42や図44に示したような玉継手は、ブーム103の末端に歯科用の器具または装置を連結するのに使われるかもしれない様々な構造の連結機構のうちの単なる典型例に過ぎない、ということを当業者なら理解するだろう。たとえば別の実施例では、グースネック部品などの可撓性部品が、積載装置とブームの前端との間に置かれる。本発明の支持構造物は、特定の応用や積載装置に適切な、どのような可撓性連結装置でも含むかもしれない。
【0187】
図43は分解斜視図で、歯科用機器(ここには図示せず)とブーム103を分離可能なように取り付けられるようにするための、歯科用機器支持構造物ブーム用のフォワード組立部品(forward assembly) 900を示している。ヘッド・チューブ908がブーム103の端に取り付けられるかもしれない。機器連結組立部品900はソケット継手かもしれず、その中には、たとえば図44に示したような、支えられている機器上の回転運動台906のボール・スイベル904を受けるようになっている玉継手902を含む。
【0188】
ヘッド・チューブ908は、ブーム103の端に取り付けられるかもしれない。ヘッド・チューブ908には三つの開口がある。第一と第二の開口910、911はヘッド・チューブの両端にあって、玉継手を作る部品を受けるようになっている。第三の開口912は、ヘッド・チューブ908の前面にあって、支えるべき歯科用機器(図示せず)上のボール・スイベル904を受けるようになっている。
【0189】
本実施例のフォワード組立部品900は以下のものを含む:第一と第二のボール・カップ914、915、第一と第二のスペーサ916、917、第一と第二のばね918、919、第一と第二のナットプレート920、921、および第一と第二の玉継手の取っ手(ball joint knob)922、923。各ボール・カップ914、915は湾曲面を有しており、ボール・カップ914、915が該湾曲面で結合したときに、ボール・スイベル904を受けるような形の実質的に球形の空間を形成するようになっている。
【0190】
玉継手を形成するために、球形の空間がヘッド・チューブ908の第三の開口912と整列するように、ボール・カップ914、915がヘッド・チューブ908に挿入される。スペーサ916、917は、それぞれ開口910、911に挿入され、結合したボール・カップ914、915の両側に置かれる。第一と第二のばね918、919は、それぞれ第一と第二のスペーサ916、917に接して置かれる。
【0191】
ナットプレート920、921がヘッド・チューブ908の向かい合う端に、第一と第二の開口910、911の上から、取り付けられる。ナットプレート920、921はそれぞれ、ねじ山がついているかもしれない中心部の開口918、919を有しているかもしれない。
【0192】
本発明の一つの実施例によれば、取っ手922、923のそれぞれは、雄ねじのついた遠心端を有する、超音波溶接された鋲(stud)を含むかもしれない。取っ手922、923のねじは、ナットプレート920、921の中心部の開口を通ってねじ込まれ、ばね918、919、スペーサ916、917、およびボール・カップ914、915を押し、ボール・カップ914、915をボール・スイベル904に押し付ける。取っ手922、923が固く締められているとき、受けられているボール・スイベル904は、結合したボール・カップ914、915の内部で動かないかもしれない。取っ手922、923が緩められると、受けられているボール・スイベル904は、結合したボール・カップ914、915の内部で動くかもしれない。
【0193】
ボール・ソケットの第一の代替となる実施例は、ボール・カップ914、915に圧力をかけるためのねじによる圧力よりもむしろ、ばねの強さに頼ることを必要とする。さらに、ここに示したばね918、919はコイルばねである。コイルばねの代替物には、たとえば、当業者には公知のとおり、ばね座金や他の線形の力を加えるための機構を含む。
【0194】
図45は、本発明の一つの実施例によって、さらに詳しくナットプレート920、921と、ばね部分組立部品918とを示している。ボール・スイベル904の動きの様々な自由度を許しつつ、図示していない取っ手922、923の回転に対応して、ボール・カップ914、915を押すためのばね張力を供給するように、ばね組立部品は適合されている。
【0195】
図46はボール・カップ915の拡大図を示していて、これはボール・カップ914の鏡像になっている。ボール・カップ915は内部空間915cを含んでいる。内部空間915cは、ボール・カップ914の対応する空間と結合したときに、ボール・スイベル904を保持するかもしれない実質的に球形の空間を形成する(図44に示したとおり)。開口915aのおかげで、ボール・スイベル904に連結しているシャフトが、開口912を通ってヘッド・チューブ908から出られる(図44に示したとおり)。ボール・カップ915は、うね(ridge)915bも含む。うね915bが溝911aに嵌ることによって、ヘッド・チューブ908の開口911内でのボール・カップ915の回転を制限するだけでなく、開口911内へのボール・カップ915の挿入方向も制限する(図42に示したとおり)。
【0196】
図47は、本発明の他の実施例による、ボール・カップ2300の別の実施例を示している。組立部品900(図43に示した)を組み立てている間、接触板2290をボール・カップ914、915の端に取り付けなくてはならない。これは、両面接着テープまたは他の形態の接着剤を使うことでなされるかもしれない。図47に示した実施例では、接触板2310が中心の穴2312を含む。接触板2310をボール・カップ2300に取り付けている間、中心の穴は、ボール・カップ2300の取り付け面2304上の構造2302上で静止しているかもしれない。構造2302は、十字形や他の多点形状(multi-pointed form)など、どのような形でも良いが、接触板2310の中央の穴2312の直径よりも、わずかに幅広である。うまく接触板2310を固定するためには、圧迫によって、中央の穴2312の範囲内に構造2302を押し付けて嵌める。この嵌め込みは、接触板2310が実質的にボール・カップ2300に固定されるような、押し付けによる嵌め込みまたは摩擦力による嵌め込みかもしれない。
【0197】
図47 は、本発明の他の実施例による、玉継手の別の実施例を示している。ヘッド・チューブ2400は、図42のヘッド・チューブ908と実質的に同じ目的に役立つかもしれないが、断面は図42のような円形や楕円でなく、正方形、長方形、その他の角のある形である。開口2410が角のある形だと、図42で示したのと類似の方法でボール・カップを挿入できる一方、ヘッド・チューブ内でのボール・カップの回転を防ぐための、図46に示したうね915bのようなうねや、それに対応する溝911aが不要になる。なぜなら、角のある形への嵌め込みは、もともと回転不可能な性質だからである。
【0198】
たとえば図42から図44に示したような玉継手は、ブーム103の端に歯科用の器具や装置を取り付けるのに使われるかもしれない様々な連結機構のうちで、単に典型的なものであるに過ぎない、ということを当業者なら理解するだろう。たとえば、別の実施例では、グースネック部品などの可撓性部品が、積載装置とブームの前端との間に置かれる。本発明の支持構造物は、特定の応用や積載装置に適切な、どのような可撓性連結装置でも含むかもしれない。
【0199】
図49は、一つの実施例による、玉継手の取っ手922をさらに詳しく示している。玉継手の取っ手は、半卵形の外面930を有する本体部を含む。玉継手の取っ手922の内部は、部分的に中空で、内部の円筒状部品936と本体部の内面との間にある複数のリブ934を含む。内部の円筒状部品は第一の長手軸を有し、第二の長手軸を有するシャフト938が、内部の円筒状部品936の中に配されている。そして、第一と第二の長手軸は実質的に一致するようになっている。図示したとおり、シャフトは、その一部分に複数のねじ山940がついている、実質的に円筒状の外面を含む。ねじ山940は、対応するナットプレート920(図45に示したとおり)の雌ねじ924と連結するようになっている。
【0200】
これまで述べてきた、歯科用の支持構造物の様々な発明の実施例は、多種多様な従来の歯科用機器および新規の歯科用機器を支えるのに使える、ということが当業者には理解されるだろう。その結果生じる新規の組み合わせは、歯科に関連する効果的な機能性を提供するだけではない。多種多様な施術と機能のために、機能モジュールを交換でき、支持構造物を再利用できる、という点で効率がよい。
【0201】
よって、本発明による歯科用支持構造物は、以下のようなものを支えるための様々な実施例で使われる、と当業者なら理解するだろう:歯科用漂白ランプ、ランプをあてている間の歯科用合成物、たとえば内視鏡的根面平滑化などの内視鏡的画像用の歯科用画像システム、超音波画像システム、および、歯科のX線画像対象物のX線画像で使われるのに適したX線フィルムおよび/または電子X線センサを支えるシステム。
【0202】
図50は、本発明の一つの実施例による、歯科用機器のための支持構造物を示している。図示した実施例には、歯科用漂白ランプ1100を含む。歯科用漂白ランプは、ハウジング1104のついたランプヘッド1102を有する。ランプヘッド1102は、ランプヘッドを玉継手1107に連結するのに役立つシャフト1105も有する。そして、玉継手1107はブーム1108の遠心端に連結されている。支柱1110がブーム1108トランプヘッド1102を支えている。支柱1110は、その上端で、ブーム・ジョイント1200によりブーム1108に連結されている。そして支柱1110は、その下端で基部1112により支えられている。図示した実施例では、基部1112は、支柱1110が取り付けられている中央部1116から広がっている、複数のアーム1118を含む。中央部1116から離れた、複数のアーム1118のそれぞれの端に、キャスタホイール1120が取り付けられている。歯科用漂白ランプの全体を支えている床に、キャスタホイール1120が接している。
【0203】
図示した実施例では、ランプヘッド1102は患者の体に着脱自在に取り付けられるようになっている。一つの典型的な実施例では、開唇器(lip retractor)などの開唇装置が導光器(light guide)に連結されていて、導光器はランプヘッド1102に連結されている。その結果、歯科処置のためにランプヘッドが適切に患者と一列に並ぶようにするために、位置が広範囲にわたって調節可能であるような方法でランプヘッドを支えるのが、本発明によって可能になる。患者の頭のわずかな動きは可能なものの、このランプヘッドと患者の整列は保たれるだろう。これが可能なのは、開唇装置が導光器と着脱自在に係合しているからであり、また、患者の頭のこのわずかな動きを可能にするために、開唇装置が導光器に位置していても固定されてはいないからである。
【0204】
図51は、本発明の一つの実施例により、玉継手902、ランプヘッド1102、導光器1120、および開唇装置1122 の間の組立関係を示している。回転運動台906は、ランプヘッド1102と玉継手902の間に連結されている。硬化用灯(curing lamp)の光軸が、歯科漂白の対象である目的の歯と一列に並ぶように、玉継手によってランプヘッドを適切な場所で旋回させることができる。
【0205】
導光器1120は、ランプヘッド1102の前端と連結するようになっている。一つの実施例では、ランプヘッド1102の外面領域1124に隣接して保持されるようになっている内面領域1122を、導光器1120が含む。本発明の一つの実施例によれば、表面領域1122と1124の隣接を保つために、内面1122上の突起部品または隆起が、外面領域1124の凹部1126に押し付けられるようになっている。
【0206】
本発明の一つの実施例では、導光器1120は、弾性的に圧縮可能なクッション1128を前面の縁に含む。弾性的に圧縮可能なクッション1128は、歯科漂白処置の対象(図示せず)と導光器の間の界面を柔らかくするのに役立つ。
【0207】
本発明のさらに進んだ態様では、図示した実施例に見られるとおり、導光器が第一と第二のスロット1130と1132を含む。歯科漂白の対象とランプヘッドの間の関係を安定させるために、これらのスロットは、開唇器1138から突き出た翼状部1134、1136を受けるようになっている。
【0208】
開唇器1138は、溝1140、1142と弾性部品1144とを含む。溝1140、1142は、漂白処置の間、歯科漂白の対象者の唇を支えるようになっている。弾性部品1144は溝1140、1142に連結されており、漂白の対象を開唇器に連結するために、溝を唇に向けて外向きに押し付けるようになっている。
【0209】
漂白の対象が開唇器1138に連結され、翼状部1134、1136を対応するスロット1130、1132に差し込むことで、開唇器は導光器1120に連結されると、漂白の対象はランプヘッド1102に関して空間的に安定する。このようにして支持構造物は、漂白の対象に対して実質的に安定した空間上の関係にランプヘッドを支えるのに役立つ。
【0210】
上述のとおり、対象物と本発明の支持構造物との間のこの空間的に安定した関係は、本発明の他の実施例においても見られるものであり、様々な装置や処置に関しても見られるものである。
【0211】
一つの実施例では、光源と電源パックの間の 第一の電気的接続を供給するための入出力ケーブルと、電源パックと外部電源の間の第二の電気的接続を供給するための電源ケーブルとが使われ、入出力ケーブルと電源ケーブルが電源パックに着脱自在に取り付けられるようになっているかもしれない。
【0212】
図52は、本発明の他の実施例による歯科用照明源を示している。図示した実施例では、歯科用照明源は歯科漂白照明源である。しかし、歯科用合成物の硬化用照明源も同様に示されうる、と読者は理解するだろう。図示した実施例では、玉継手902がライトハウジング1150に連結されている。後部に玉継手902のボールを有する、第一の細長い部分1152を、ライトハウジング1150は含む。ハウジング1150の前端は、図示した実施例では、弓形の表面1154である。
【0213】
弓形の表面1154は、1つ以上の照明源1156を支えている。本発明の一つの実施例では、1つ以上の照明源1156は1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む。本発明の他の実施例では、1つ以上の照明源1156は、たとえばハロゲンアーク灯のような小型のアーク灯を1つ以上含む。本発明のさらに別の実施例では、1つ以上の光源1156は、たとえばハロゲン白熱灯などの白熱灯を1つ以上含み、本発明のまたさらに別の実施例では、前記1つ以上の光源は、離れた光源に接続されている1つ以上の光ファイバーおよび/または1つ以上の光波長変換器(optical wavelength transformer)を含む。光波長変換器としては、米国特許出願第60/658,517号で開示されたものなどがあり、その開示は全体として、この参照によりここに含まれる。
【0214】
図示した実施例では、信号ケーブル1170が、その一端でライトハウジング1150に接続されている。信号ケーブルは、1つ以上の照明源1156に電力を供給するようになっている電源ケーブルを含むかもしれない。離れた光源から、1つ以上の照明源へ光を伝達するようになっている光ファイバーのような光導体(optical light guide)をも、信号ケーブルが含むかもしれない。本発明の少なくとも1つの実施例において、信号ケーブル1170は、張力緩和機構(strain-relief feature)を含む。
【0215】
一つの実施例では、電源ケーブルが、外部電源から歯科用器具と電源パックへの接続を供給しているかもしれない。また、電源ケーブルは実質的に支柱の中に含まれていて、外部電源から取り外し可能である。
【0216】
本発明の他の態様を説明すると、図52の実施例は、第一と第二の翼状連結部品1158、1160を示している。翼状連結部品1158、1160のそれぞれは、対応するスロット1162、1164を含む。スロット1162、1164は、図53に示したような開唇器1138の対応する翼状部1134、1136を受けるようになっている。
【0217】
開唇器1138が歯科処置の対象者に着用されているとき、翼状部1134、1136をスロット1162、1164に差し込むことは、対象者と1つ以上の照明源1156との間の空間的な関係を安定させるのに役立つ。
【0218】
図54は、本発明の他の実施例による、歯科用支持構造物を示している。図54では、内視鏡的歯内治療装置1180の構成部品に、支持構造物100”が連結されているのを示している。図示した実施例の装置1180は、内視鏡的根面平滑器(root planer)である。歯根を露出させるために、患者のやわらかい歯茎を患者の歯から引き離し、切り離す、歯内治療処置を行うことが周知であることは、当業者なら理解するだろう。その後、堆積した歯垢その他の物質を露出した歯根から取り除くために、歯石除去器のような歯科用器具が使われる。最終的には、患者の歯茎は歯根の上に再び戻され、適切に縫合され、治癒が可能になる。不幸にして、本処置の侵襲的な性質のせいで、治癒過程は長期にわたり痛みを伴う。
【0219】
図54に示した本発明の実施例では、支持構造物100”は、内視鏡的根面平滑システム1180を支えている。内視鏡的根面平滑システム1180は、ハンドピース1182を含む。ハンドピースは、根面平滑器具と光学装置を含む遠心端1184を有する。
【0220】
前記光学装置は、根面平滑器具の先端に隣接した小さな空間的領域を照らすようになっていて、反射光を受ける。光学装置で受けた反射光は、今度はセンサによって、直接的に受けられるか、光ファイバーなどの光導波管(optical waveguide)を使って受けられる。
【0221】
センサは受けた光を信号に変換する。信号は増幅されて、システムのディスプレイ画面1186に画像として表示される。根面平滑システム1180の残りの部分(balance) にハンドピース1182がアンビリカル・ケーブル1180 で連結されているのが示されているが、無線式のハンドピースも、ここで開示されている本発明の範囲に含まれる。
【0222】
本発明の一つの態様では、本発明の根面平滑システムは、外科的に歯茎を取り外して後でまた元に戻すことをせずに、歯茎と患者の歯根との間から、歯垢や他の堆積物を取り除くのが可能になっている。本発明の一つの態様では、様々な歯科用の器具および/または材料を、便利なように置いておけるトレイ1190を、根面平滑システムが含む。本発明の一つの実施例によれば、トレイ1190は、たとえば加圧滅菌器で滅菌したりできるように、簡単に取り外し可能である。
【0223】
図示した実施例の他の態様では、システムのモニタ画面1186が、回転自在および/または着脱自在に、支持構造物のブーム103に玉継手902で連結されている。図示した実施例のさらに別の態様では、歯内治療的根面平滑システムが、電源パック1192を含む。本発明の一つの実施例によれば、電源パック1192が稼動用電力を電気ケーブル1194によって根面平滑システムの残りの部分に供給している。本発明のさらに別の実施例は、電源パック1192内に、たとえばマイクロプロセッサなどのディジタル処理装置を含む。ディジタル処理装置は、歯内治療的根面平滑システムの信号を制御し処理するようになっている。
【0224】
図55に示した本発明の実施例では、支持構造物100”が、歯内治療的根尖探知器(apex locator)システム1200を支えている。歯内治療的根尖探知器システム1200は、同軸信号線1202のような信号伝達媒体を含む。信号線1202は、根尖探知器固定装置1204に連結されるようになっている。
【0225】
根尖探知器固定装置1204は、支持クランプ部1206、絶縁部1208、および接触部1210を含む。支持クランプ部1206は、歯科患者の歯1212に着脱自在でありながらしっかりと、取り付けられるようになっている。支持クランプ部1206は絶縁部1208を支え、絶縁部1208は接触部1210を支えるようになっている。
【0226】
根管処置を行う間、歯内治療的なやすり、リーマ、その他の適当な道具1214が、歯1212の髄室や歯根を掘るのに使われる。道具1214の表面が接触部1210に接触し、信号線1202から受け取った電気信号が電気的に道具1214に伝達される。
【0227】
電気的信号を生成し、たとえば道具1214や歯1212の系のインピーダンスにもとづく計測を行うようになっている処理装置1216と、信号線1214が、信号線の第二の端点で連結している。
【0228】
計測されたインピーダンスまたは他の信号に応じて、処理システム1216は、システムのディスプレイ画面1218に像を描き出す。様々な実施例において、その像は文字によるものおよび/または図画的なものであって、歯1212の根管1218に対する道具1214の空間的な位置を表している。根尖探知器固定装置1204が根尖探知器システム1200の残りの部分と信号線1202で連結しているのが図示されているが、無線式の根尖探知器固定システムも、ここで開示された本発明の範囲内にある。
【0229】
本発明の一つの態様では、本発明の根尖探知機システムは、歯根壁面(root wall)や、歯根の根尖1222のところの歯根膜の部分に穴を開けることなく、根管1218を掘ったり成形したりできるようになっている。
【0230】
本発明の一つの態様では、様々な歯科用の器具および/または材料を、便利なように置いておけるトレイ1190を、根尖探知機システムが含む。本発明の一つの実施例によれば、トレイ1190は、たとえば加圧滅菌器で滅菌したりできるように、簡単に取り外し可能である。
【0231】
図示した実施例の他の態様では、システムのモニタ画面1218が、回転自在および/または着脱自在に、支持構造物のブーム103に玉継手902で連結されている。図示した実施例のさらに別の態様では、根尖探知器システム1200が、電源パック1192を含む。
【0232】
本発明の一つの実施例によれば、電源パックが稼動用電力を電気ケーブル1194によって根尖探知器システムの残りの部分に供給している。本発明のさらに別の実施例は、電源パック1192内に、たとえばマイクロプロセッサなどのディジタル処理装置を含む。ディジタル処理装置は、歯内治療的根尖探知器システムの信号を制御し処理するようになっている。
【0233】
本発明の一つの実施例には、支持構造物100”と歯内治療的根尖探知器システムの組み合わせを含む。歯内治療的根尖探知器システムとしては、米国特許出願第60/594,388号で開示されたものなどがあり、その開示は全体として、この参照によりここに含まれる。
【0234】
図56が示すのは、歯科撮影用固定(dental imaging fixturing)システム1230を支えるようになっている、図1の歯科用支持構造物100を含む、本発明の別の実施例である。図示した実施例では、玉継手902支持部品1232に連結される。後部に玉継手902のボールを有する、第一の細長い部分1234を、支持部品1232は含む。支持部品1232の前端は、図示した実施例では、第一と第二の翼状連結部品1236、1238を含む。翼状連結部品1236、1238のそれぞれは、対応するスロット1240、1242を含む。スロット1240、1242は、開唇器1248の対応する翼状部1244、1246を受けるようになっている。
【0235】
開唇器1248が歯科処置の対象者に着用されているとき、翼状部1244、1246をスロット1240、1242に差し込むことは、対象者と1つ以上のX線源との間の空間的な関係を安定させるのに役立つ。
【0236】
本発明の一つの実施例によれば、図示したように、開唇器1248は、第一と第二の噛み部品(bite member)1250、1252を含む。噛み部品1250、1252のそれぞれは、対応する1つ以上のフィルム指示クリップ1253(対応するX線フィルム包装を支えるようになっている)を有する。
【0237】
操作中、少なくとも1つのX線フィルム包装が1つ以上のフィルム支持クリップ1253に留められる。当技術分野で周知のように、X線フィルム包装は、光漏れのない(light-tight)包装に封入された化学X線フィルムのシートを含む。開唇器1248の唇を受ける溝の中に患者の唇が位置するようにすることにより、開唇器1248は、歯科用X線の対象と連結される。そして対象者が噛み部品を噛んで、対象者の歯との安定した空間的関係に開唇器をさらに固定する。翼状部1244、1246をスロット1240、1242に差し込むことによって、開唇器1248は、歯科用支持構造物100に関して安定する。これは、対象者の歯とX線フィルム包装1256とを床に関して安定させるのに役立つ。よって、X線源に関して安定させるのにも役立つ。その結果、X線フィルムの曝露の間にX線対象者が動いてしまってフィルム曝露が不均一性になりがちだ、という公知の傾向が減少する。
【0238】
図57が示すのは、歯科撮影用固定システム1230を支えるようになっている、図54の歯科用支持構造物100”を含む、本発明のさらに進んだ実施例である。
図56の実施例とは違い、図57の実施例は、噛み部品1250、1252にそれぞれ連結されている電子的X線センサ1280、1282を含む。電子的画像センサでX線を探知し撮影することは、化学的フィルムを使うことよりも好ましいかもしれない。なぜなら、電子的画像センサは化学的フィルムよりも敏感な傾向があり、化学現像過程が不要で、ほとんどの電子的画像センサによって作られるディジタル画像は、ただちにディジタル操作ができるからである。
【0239】
本発明の一つの実施例では、電子的画像センサのそれぞれは、着脱自在なプラグつきの、対応する信号ケーブルを含む。
図58は、本発明の一つの実施例による、超音波画像システム1300を含む、図54の歯科用機器支持構造物100”を示している。支持構造物は、超音波送受波器(transducer)1312を支える画像ハンドル1310と、画像画面1314とを含む。超音波送受波器は、歯および/または骨の領域に近接して位置するのに適している。送受波器によって生成され受信される超音波振動は、システム1300によって使われて、歯および/または骨の領域の画像を画面1314上に作り出す。
【0240】
図59は、本発明の一つの実施例による、歯科用組立トレイ1350を示している。歯科用組立トレイは、唇を受ける第一と第二の溝1358、1360を含む。歯を受ける第三の溝1354 が、唇を受ける溝に対して、実質的に通常の方向に位置しており、その凹んだ領域内で患者の上顎歯または下顎歯を受けるようになっている。第一と第二の固定翼上部1362、1364が、それぞれ、唇を受ける第一と第二の溝1358、1360に連結されている。図示した実施例に示したとおり、連結部品1356が間にあって、唇を受ける第一と第二の溝1358、1360および歯を受ける溝1352のいずれとも連結している。 様々な実施例において、上顎歯と下顎歯の両方を同時に受けるような配置になっている、歯を受ける一対の溝を、歯科用組立トレイが含む、ということは当業者なら理解するだろう。
【0241】
使用時に、歯科用組み立てトレイ1350は、歯科漂白用合成物や歯科鋳造(dental cast)用合成物などの歯科用合成物を、歯を受ける溝1352の凹んだ領域内で受けるようになっている。
【0242】
本発明の例示した実施例を今まで説明し、図示してきたが、これらは本発明の典型例なのであって、限定と考えられるべきではない、ということが理解されねばならない。したがって、本発明は前記の説明によって限定されるとは考えられず、ここに追加される請求項の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0243】
【図1】図1は、本発明の一つの実施例による、歯科用機器のための支持構造物の斜視図である。
【図2】図2は、歯科用支持構造物の様々な形態の断面立図である。
【図3】図3aから図3dは、歯科用支持構造物の様々な形態を示している。
【図4】図4は、本発明の別の実施例による、歯科に適用するための支持構造物を示している。
【図5】図5は、歯科用支持構造物に含まれるようになっている基部の斜視図である。
【図6】図6は、歯科用機器のための支持構造物用の、平衡錘取り付けシャフトの斜視図である。
【図7】図7は、歯科用支持構造物のためのブーム・ジョイントの斜視図である。
【図8】図8は、ブーム・ジョイントの側面図である。
【図9】図9は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイントの断面図である。
【図10】図10は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイント・ピボットの斜視図である。
【図11】図11は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ヒンジ・ヨークの斜視図である。
【図12】図12は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイント水平シャフトを示している。
【図13】図13aと図13bは、本発明のそれぞれの実施例による、ブーム・ジョイント座金を示している。
【図14】図14は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイント取っ手の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイントの斜視図である。
【図16】図16は、本発明の一つの実施例による、支柱頂部プラグの腹部 斜視図である。
【図17】図17は、本発明の一つの実施例による、支柱頂部プラグの上面図である。
【図18】図18は、本発明の一つの実施例による、支柱頂部プラグの断面図である。
【図19】図19は、本発明の一つの実施例による、支柱、ブーム、およびブーム・ジョイントの組立図である。
【図20】図20は、本発明のさらに進んだ実施例による、ブーム・ジョイントの断面図である。
【図21】図21は、本発明のさらに進んだ実施例による、ブーム・ジョイントの断面図である。
【図22】図22は、本発明のさらに進んだ実施例による、ブーム・ジョイントの断面図である。
【図23】図23は、本発明の一つの実施例による、ブーム・ジョイント・シャフトを示している。
【図24】図24は、本発明の一つの実施例による、患者が押しのける力、関節トルク、ばねの力、ばねのたわみの間の関数関係を示す、実験に基づく値の表を示している。
【図25】図25は、本発明の一つの実施例による、ばねのたわみと患者が押しのける力との間の関数関係のグラフである。
【図26】図26は、本発明の一つの実施例による、ばねの力とばねのたわみとの間の関数関係のグラフである。
【図27】図27は、本発明の一つの実施例による、ピボットと支柱頂部プラグ部品の正面図である。
【図28】図28は、本発明の一つの実施例による、ピボットと支柱頂部プラグ部品の断面図である。
【図29】図29は、本発明の一つの実施例による、ピボットの腹部斜視図である。
【図30】図30は、本発明の一つの実施例による、垂直ピボット・シャフトの腹部斜視図である。
【図31】図31は、本発明の一つの実施例による、垂直ピボット・シャフトの断面図である。
【図32】図32は、本発明の別の実施例による、垂直ピボット・シャフトの腹部斜視図である。
【図33】図33は、本発明の別の実施例による、垂直ピボット・シャフトの断面図である。
【図34】図34は、本発明の一つの実施例による、スパナ・ナットの上面図である。
【図35】図35は、本発明の一つの実施例による、スパナ・ナットの側面図である。
【図36】図36は、本発明の一つの実施例による、軸受筒の腹部斜視図である。
【図37】図37は、本発明の別の実施例による、スパナ・ナットの上面図である。
【図38】図38は、本発明の一つの実施例による、支柱頂部プラグの腹部斜視図である。
【図39】図39は、本発明の一つの実施例による、支柱頂部プラグの断面図である。
【図40】図40は、本発明の別の実施例による、支柱頂部プラグの上面図である。
【図41】図41は、本発明の別の実施例による、支柱頂部プラグとピボット部品の組立図である。
【図42】図42は、本発明の別の実施例による、玉継手の様々な部品の斜視図である。
【図43】図43は、歯科用機器支持構造物ブーム用のフォワード部品の分解斜視図である。
【図44】図44は、本発明の一つの実施例による、玉継手の部品の斜視断面図である。
【図45】図45は、本発明の一つの実施例による、ナットプレートとばね部品の斜視図である。
【図46】図46は、本発明の一つの実施例による、ボール・カップの腹部斜視図である。
【図47】図47は、本発明の別の実施例による、ボール・カップの斜視図である。
【図48】図48は、本発明の別の実施例による、玉継手部品の斜視図である。
【図49】図49は、本発明の一つの実施例による、玉継手の取っ手の斜視図である。
【図50】図50は、本発明の一つの実施例による、歯科用漂白ランプを含む歯科用機器のための支持構造物を示している。
【図51】図51は、本発明の一つの実施例による、歯科用漂白ランプを含む歯科用機器のための支持構造物を示している。
【図52】図52は、本発明の一つの実施例による、歯科用漂白ランプを含む歯科用機器のための支持構造物の一部を示している。
【図53】図53は、患者の唇を歯科用漂白ランプにつなぎ、それにより患者の唇を歯科用機器のための支持構造物につなぐための、本発明の一つの実施例による装置を示している。
【図54】図54は、本発明の一つの実施例による、内視鏡付き歯科用平滑器(endoscopic tooth planer)のような内視鏡的な装置を含む、歯科用機器のための支持構造物を示している。
【図55】図55は、本発明の一つの実施例による、内視鏡付き根尖探知装置(endoscopic apex locator device)を含む歯科用機器のための支持構造物を示している。
【図56】図56は、本発明の一つの実施例による、X線フィルム支持構造物を含む、歯科用機器のための支持構造物の一部を示している。
【図57】図57は、本発明の一つの実施例による、電子的X線画像センサ支持構造物を含む、歯科用機器のための支持構造物の一部を示している。
【図58】図58は、本発明の一つの実施例による、超音波画像装置を含む、歯科用機器のための支持構造物を示している。
【図59】図59は、本発明の方式による、支持構造物と共に用いる歯科用組み立てトレイを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピボット部品と基部を有する歯科用支持システムであって、
前記ピボット部品は、少なくとも第一の構造と少なくとも第二の構造とを有し、
前記の少なくとも第一の構造は、前記ピボット部品と歯科用機器の少なくとも一部が並べられたときに、前記歯科用機器の前記少なくとも一部の、対応する少なくとも一つの構造と係合しあって、前記歯科用機器を支えるようになっており、
前記基部は、前記ピボット部品の前記少なくとも第二の構造と係合しあうような、少なくとも一つの構造を有しており、
前記ピボット部品は、前記基部に関して、実質的に垂直軸の周りを回転するようになっている
ことを特徴とする歯科用支持システム。
【請求項2】
前記のピボット部品は、両端から間隔をあけた部分に少なくとも一つの構造を有するブームと、一端に向かう少なくとも一つの構造を有する支柱とを有し、
前記ブームの前記構造は、前記支柱の前記構造と係合しあって、前記ブームが実質的に前記支柱に対して垂直方向になっている
ことを特徴とする、請求項1に記載の歯科用支持システム。
【請求項3】
前記基部上の前記構造はピンを有し、
前記第一の構造は、前記ピンを受けるようになっている弓形のスロットを有し、
前記ピンは、前記軸の周りの前記ピボット部品の動きを制限している
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の歯科用支持システム。
【請求項4】
前記ブームの前記構造がヨークを有し、
前記支柱の前記構造がシャフトを有し、
前記シャフトが前記支柱に実質的に固定して取り付けられている
ことを特徴とする、請求項2に記載の支持システム。
【請求項5】
前記ヨークが第一の制動面を有し、
前記シャフトが第二の制動面を有し、
前記第一と第二の制動面は、摩擦部品と互いに係合するようになっている
ことを特徴とする、請求項4に記載の支持システム。
【請求項6】
前記摩擦部品が摩擦座金を有し、
該摩擦座金は、貫通孔の輪郭を定めている内壁面を含み、
該貫通孔は、該貫通孔を通して前記シャフトの一部を受けるようになっている
ことを特徴とする、請求項5に記載の支持システム。
【請求項7】
前記座金が、回転防止機構を有し、
該回転防止機構は、前記シャフトの長手方向軸の周りの、前記座金の回転運動を最小化するようになっていて、
それによって前記座金は前記支柱に関して実質的に回転方向に固定されている
ことを特徴とする、請求項6に記載の支持システム。
【請求項8】
前記回転防止機構は、前記内壁面に第一の実質的に平らな領域を有し、
前記シャフトは、第二の実質的に平らな領域を含む外面を有し、
前記第一の実質的に平らな領域は、前記第二の実質的に平らな面に係合するようになっている
ことを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の支持構造。
【請求項9】
前記ピボット部品が、
シャフトと座金と摩擦部品と取っ手とを有し、
該シャフトは機械的に前記基部に取り付けられていて、
該シャフトは前記基部に対して実質的に回転方向に固定されていて、
該シャフトはその外面に第一の複数のねじ山を有していて、
該シャフトはヨークを支えるようになっていて、
該ヨークは前記シャフトの長手方向軸の周りに回転するようになっていて、
該ヨークは第一の制動面を含み、
前記座金は、前記シャフトに対して実質的に回転方向に固定されるように、前記シャフトによって支えられるようになっていて、
前記座金は第二の制動面を含み、
前記摩擦部品は、前記第一と第二の制動面の間に配置されるようになっていて、
前記取っ手は、その内壁面に第二の複数のねじ山を含み、
前記第一と第二の複数のねじ山は、互いに係合しあうようになっていて、
それによって、
前記シャフトの前記長手軸方向の周りの、前記取っ手の所定方向の回転時に 、
前記取っ手は、前記第一と第二の制動面を互いに向き合わせ、前記摩擦部品と共に互いに係合しあうようにさせる
ことを特徴とする、請求項1に記載の支持システム。
【請求項10】
基部と支柱とブームを有する支持システムであって、
前記基部は少なくとも一つの構造を有し、
前記支柱は、互いの間隔をあけた少なくとも第一の構造と少なくとも第二の構造を有し、
前記少なくとも第一の構造は、前記支柱が基部に対して実質的に垂直の方向になるように、着脱自在に前記基部の構造と互いに係合しあうようになっており、
前記ブームは、第一と第二の端と中央部を有し、
前記中央部は、少なくとも一つの構造を有し、
該構造は、 前記支柱に対して実質的に垂直方向に、着脱自在に 前記支柱に取り付けるために、前記支柱の前記の少なくとも第二の構造と互いに係合しあうようになっている
ことを特徴とする支持システム。
【請求項11】
前記基部上の前記構造はピンを有し、
前記第一の構造は、前記ピンを受けるようになっている弓形のスロットを有し、
前記ピンは、軸の周りの、ピボット部品の動きを制限している
ことを特徴とする、請求項10に記載の支持システム。
【請求項12】
前記支柱が、前記第一と第二の構造から間隔をあけたところに少なくとも第三の構造を有し、
前記の少なくとも第三の構造が、電源パックの少なくとも一つの対応する構造と、互いに係合しあうようになっている
ことを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の支持システム。
【請求項13】
前記ブームの前記第一の端が、少なくとも一つの構造を有し、
該構造は、 歯科用器具 の少なくとも一つの対応する構造と、着脱自在に互いに係合しあうようになっている
ことを特徴とする、請求項12に記載の支持システム。
【請求項14】
前記ブームの前記第一の端が、少なくとも一つの構造を有し、
該構造は、 歯科用器具の少なくとも一つの対応する構造と、着脱自在に互いに係合しあうようになっている
ことを特徴とする、請求項12または請求項13に記載の支持システム。
【請求項15】
前記歯科用器具と前記電源パックの間の電気的接続を供給するための入出力ケーブルをさらに有し、
該ケーブルは、前記支柱および前記ブームの中に実質的に収容され、
前記ブームの中の前記ケーブルは、前記歯科用器具と、前記支柱の中の前記ケーブルとに、着脱自在に取り付けられている
ことを特徴とする、請求項14に記載の歯科用支持システム。
【請求項16】
前記ブームの前記構造がヨークを有し、
前記支柱の前記構造がシャフトを有し、
該シャフトが前記支柱に実質的に固定して取り付けられている
ことを特徴とする、請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の支持システム。
【請求項17】
前記ヨークが第一の制動面を有し、
前記シャフトが第二の制動面を有し、
前記第一と第二の制動面が、摩擦部品と互いに係合するようになっている
ことを特徴とする、請求項16に記載の支持システム。
【請求項18】
前記摩擦部品が摩擦座金を有し、
該摩擦座金は、貫通孔の輪郭を定めている内壁面を含み、
該貫通孔は、該貫通孔を通して前記シャフトの一部を受けるようになっている
ことを特徴とする、請求項17に記載の支持システム。
【請求項19】
前記座金が、回転防止機構を有し、
該回転防止機構は、前記シャフトの長手方向軸の周りの、前記座金の回転運動を最小化するようになっていて、
それによって前記座金は前記支柱に対して、実質的に回転方向に固定されている
ことを特徴とする、請求項18に記載の支持システム。
【請求項20】
前記回転防止機構は、前記内壁面に第一の実質的に平らな領域を有し、
前記シャフトは、第二の実質的に平らな領域を含む外面を有し、
前記第一の実質的に平らな領域は、前記第二の実質的に平らな領域に係合するようになっている
ことを特徴とする、請求項18または請求項19に記載の支持構造。
【請求項21】
回転基部と支柱とブームと少なくとも一つの照明システムを有する、歯科用照明システムのための歯科用支持システムであって、
前記回転基部は、
表面で前記照明システムを支えるためのものであり、
加工途中品に近接して広範囲の角度で前記照明システムの位置を定めるようになっていて、
前記照明システムの動きを実質的に制限するためのロック機構 を有しており、
前記支柱は、前記回転基部に取り付けられており、
前記ブームは、前記支柱に対して実質的に垂直になっていて、前記支柱に対して回転運動と傾斜 運動ができ、
前記照明システムは、前記ブームの一方の端点に取り付けられていて、歯科漂白処置を容易にするために、前記ブームの前記端点に関して回転運動の自由と傾斜運動の自由がある
ことを特徴とする歯科用支持システム。
【請求項22】
どのような加工途中品の右側または左側にでも、前記システムが配置されるように適合されうる
ことを特徴とする、請求項21に記載の歯科用支持システム。
【請求項23】
前記ブームが湾曲していることを特徴とする、請求項21または請求項22に記載の歯科用支持システム。
【請求項24】
前記支柱に取り付けられた、少なくとも一つの電源パックをさらに有する
ことを特徴とする、請求項21、請求項22、または請求項23に記載の歯科用支持システム。
【請求項25】
ピボット部品と基部を有する歯科用支持システムであって、
前記ピボット部品は、歯科用器具を支えるようになっており、
前記基部は前記ピボット部品を支え、それによって、前記基部に関して実質的な垂直軸のまわりに、前記ピボット部品が回転できる
ことを特徴とする歯科用支持システム。
【請求項26】
前記基部がピンを有し、
前記軸のまわりの前記ピボット部品の動きを前記ピンが制限するように、前記ピンを受けるようになっている弓形のスロットを、前記ピボット部品が有している
ことを特徴とする、請求項25に記載の歯科用支持システム。
【請求項27】
前記基部が制動装置を有し、
該制動装置は、前記軸のまわりの前記ピボット部品の動きを弱める
ことを特徴とする、請求項25または請求項26に記載の歯科用支持システム。
【請求項28】
前記ピボット部品がブームと支柱を有することを特徴とする、請求項25または請求項27に記載の歯科用支持システム。
【請求項29】
前記基部に関して、角度をつけて 前記支柱を配置するための、ブーム・ヒンジ位置決め装置を、前記ブームが有する
ことを特徴とする、請求項28に記載の歯科用支持システム。
【請求項30】
前記ブームを適切な位置に保持するために、前記ブーム・ヒンジ位置決め装置をロックできる
ことを特徴とする、請求項29に記載の歯科用支持システム。
【請求項31】
ロックされた位置の前記ブーム・ヒンジが、前記ブーム・ヒンジに連結されたブームの遠位端に対する約50ポンドの静荷重に耐えるようになっている
ことを特徴とする、請求項29または請求項30に記載の歯科用支持システム。
【請求項32】
前記ブーム・ヒンジ位置決め装置は、歯科用器具が遠位端で前記ブームに連結されたときに、その重力に耐えるようになっている
ことを特徴とする、請求項30または請求項31に記載の歯科用支持システム。
【請求項33】
ピボットと、
前記ピボットによって支えられている、少なくとも一つの実質的に水平なシャフトと、
実質的に水平な軸の周りを旋回するように、前記シャフトによって回転自在に支えられているヨーク部品と、
前記ピボットに連結された実質的に垂直なシャフトと、
前記の実質的に垂直なシャフトを受けるようになっている穴と、前記ピボットを支えるようになっている上面とを有する、プラグ部品と、
を有する、歯科用支持システム。
【請求項34】
前記プラグ部品の表面に関して動く、前記ピボットの表面の間に配置された、摩擦部品をさらに有することを特徴とする、請求項33に記載の歯科用支持システム。
【請求項35】
前記プラグ部品の実質的に平らな上面と、前記ピボット部品の実質的に平らな下面との間に配置された座金を、前記摩擦部品が有し、
前記二つの平らな面は、実質的に互いに平行で、前記垂直なシャフトに対して実質的に垂直であり、前記垂直なシャフトの垂直軸のまわりを互いに関して回転するようになっている
ことを特徴とする、請求項33または請求項34に記載のブーム・ヒンジ。
【請求項36】
前記ピボットと前記プラグ部品の間に配置された摩擦装置をさらに有し、
前記摩擦装置は、前記プラグ部品に関する前記ピボットの回転運動を弱めるようになっている
ことを特徴とする、請求項33、請求項34、または請求項35に記載の歯科用支持システム。
【請求項37】
前記摩擦装置が、弱め方の量をさまざまに変えられ るようになっていることを特徴とする、請求項36に記載の歯科用支持システム。
【請求項38】
前記摩擦装置が、
摩擦パッドと、
前記ピボットの回転面を前記摩擦パッドに押し付ける圧迫装置と
を有することを特徴とする、請求項36または請求項37に記載の歯科用支持システム。
【請求項39】
前記シャフトと前記プラグ部品の間に配置された摩擦部品をさらに有することを特徴とする、請求項33から請求項38のいずれか一項に記載の歯科用支持システム 。
【請求項40】
前記摩擦部品が、前記シャフト上に配置されたゴム製の輪を有することを特徴とする、請求項39に記載の歯科用支持システム。
【請求項41】
ヨークの実質的に水平な軸のまわりを回転するようになっている第一のベアリングと、
ピボット部品の実質的に垂直な軸の回りを回転するようになっている第二のベアリングと、
前記の実質的に垂直な軸のまわりの回転運動を阻害するようになっているダンパ と
を有する、歯科用支持システム。
【請求項42】
前記ヨークがブームを有することを特徴とする、請求項41に記載の歯科用支持システム。
【請求項43】
前記ピボット部品が支柱を有することを特徴とする、請求項41または請求項42に記載の歯科用支持システム。
【請求項44】
前記ヨーク上の対応する構造と互いに係合するようになっている、少なくとも一つの構造を、前記ブームが有することを特徴とする、請求項42に記載の歯科用支持システム。
【請求項45】
前記ヨークが第一の制動面を有し、
前記シャフトが第二の制動面を有し、
前記第一と第二の制動面は、摩擦部品と互いに係合するようになっている
ことを特徴とする、請求項41から請求項45のいずれか一項に記載の支持システム。
【請求項46】
前記摩擦部品が摩擦座金を有し、
該摩擦座金は、貫通孔の輪郭を定めている内壁面を含み、
該貫通孔は、該貫通孔を通して前記シャフトの一部を受けるようになっている
ことを特徴とする、請求項45に記載の支持システム。
【請求項47】
前記座金が、回転防止機構を有し、
該回転防止機構は、前記シャフトの長手方向軸のまわりの、前記座金の回転運動を最小化するようになっていて、
それによって前記座金は、前記支柱に対して、実質的に回転方向に固定されている
ことを特徴とする、請求項46に記載の支持システム。
【請求項48】
前記回転防止機構は、前記内壁面に第一の実質的に平らな領域を有し、
前記シャフトは、第二の実質的に平らな領域を含む外面を有し、
前記第一の実質的に平らな領域は、前記第二の実質的に平らな面に係合するようになっている
ことを特徴とする、請求項46または請求項47に記載の支持構造。
【請求項49】
回転自在にヨーク部品を支えている、実質的に水平なシャフトと、
回転自在にピボット部品の位置を定めている、実質的に垂直なシャフトと、
前記の実質的に垂直なシャフトのまわりの、前記ピボット部品の回転を弱めるようになっている制動装置と
を有する、歯科用支持システム。
【請求項50】
前記制動装置が摩擦部品を有することを特徴とする、請求項498に記載の歯科用支持システム。
【請求項51】
合成高分子弾性ポリマー(elastomeric polymer)、天然高分子弾性ポリマー、粘性流体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された物質を、前記摩擦部品が有することを特徴とする、請求項49または請求項50に記載の歯科用支持システム。
【請求項52】
前記摩擦部品の第一の摩擦面を、第二の摩擦面に押し付けるようになっている圧迫プラグを、前記制動装置が有することを特徴とする、請求項49、請求項50、または請求項51に記載の歯科用支持システム。
【請求項53】
複数のねじ山がついた実質的に円筒形の外面を、前記圧迫プラグが有することを特徴とする、請求項52に記載の歯科用支持システム。
【請求項54】
前記摩擦部品の前記第一の摩擦面を、前記第二の摩擦面に押し付けるためのばねを、前記制動装置がさらに有することを特徴とする、請求項49から請求項53のいずれか一項に記載の歯科用支持システム。
【請求項55】
歯科用漂白システム、歯科用硬化システム、歯科用検査システム、視認・清掃用器具、画像装置、X線装置、根管根尖探知器、またはそれらの組み合わせを、前記歯科用器具が有する
ことを特徴とする、請求項1から請求項10、請求項13から請求項20、請求項25から請求項31のいずれか一項に記載の歯科用支持システム。
【請求項41】
実質的に水平な軸のまわりを回転するようになっている第一のベアリングと、
実質的に垂直な軸のまわりを回転するようになっている第二のベアリングと、
前記の実質的に垂直な軸のまわりの回転運動を阻害するようになっているダンパと
を有する、歯科用支持システム。
【請求項42】
前記の実質的に水平な軸がブームを有することを特徴とする、請求項41に記載の歯科用支持システム。
【請求項43】
前記の実質的に垂直な軸が支柱を有することを特徴とする、請求項41または請求項42 41 に記載の歯科用支持システム。
【請求項45】
回転自在にヨーク部品を支えている、実質的に水平なシャフトと、
回転自在にピボット部品の位置を定めている、実質的に垂直なシャフトと、
前記の実質的に垂直なシャフトのまわりの、前記ピボット部品の回転を弱めるようになっている制動装置と
を有する、歯科用支持システム。
【請求項46】
前記制動装置が摩擦部品を有することを特徴とする、請求項45に記載の歯科用支持システム。
【請求項47】
合成高分子弾性ポリマー、天然高分子弾性ポリマー、粘性流体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された物質を、前記摩擦部品が有することを特徴とする、請求項46に記載の歯科用支持システム。
【請求項48】
前記摩擦部品の第一の摩擦面を、第二の摩擦面に押し付けるようになっている圧迫プラグを、前記制動装置が有することを特徴とする、請求項45に記載の歯科用支持システム。
【請求項49】
複数のねじ山がついた実質的に円筒形の外面を、前記圧迫プラグが有することを特徴とする、請求項48に記載の歯科用支持システム。
【請求項50】
前記摩擦部品の前記第一の摩擦面を、前記第二の摩擦面に押し付けるためのばねを、前記制動装置がさらに有することを特徴とする、請求項45に記載の歯科用支持システム。
【請求項51】
歯科用漂白システム、歯科用硬化システム、歯科用検査システム、視認・清掃用器具、画像装置、X線装置、根管根尖探知器、またはそれらの組み合わせを、前記歯科用器具が有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の歯科用支持システム。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公開番号】特開2006−15155(P2006−15155A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−193171(P2005−193171)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(300057780)ディスカス デンタル インプレッションズ インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】