説明

歯間ブラシ用容器

【課題】 未使用の歯間ブラシの保管や使用中の歯間ブラシの保管に便利な歯間ブラシ用容器を提供する。
【解決手段】 複数の歯間ブラシ4が収容可能なケース本体1と、前記ケース本体1に嵌合されて、該ケース本体1の上端開口1bを開閉可能に閉じる蓋体2と、使用中の歯間ブラシ4を蓋体本体1,2の外面から着脱が可能に保持するための保持部3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歯の隙間などを清掃するための複数の歯間ブラシを保管用あるいは携帯用に供される歯間ブラシ用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、歯間ブラシは、ブラシ部の基端部を合成樹脂製柄部に固定した構造のものが多い。
【0003】
従来の歯間ブラシとして、歯間ブラシの基端部を柄部材の先端部に取り付けるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、メーカーで歯間ブラシを出荷する場合、多数の歯間ブラシを合成樹脂製パックに収容し、それを封止してパッケージとしているのが一般的である。
【特許文献1】特開平9−47322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザーが前記歯間ブラシ収容パッケージを開封し、複数の歯間ブラシを取り出した場合、それら歯間ブラシを洗面所付近に一括保管できれば便利であるが、前述したパックは、歯間ブラシを詰めておくだけのもので、保管用に構成されていないから、ユーザーは別途、歯間ブラシの保管のために、適当な大きさの蓋付き容器を用意しなければならなかった。
【0006】
また、歯間ブラシを洗面所などで使用する場合、使用中の歯間ブラシが汚れにくいように、例えば起立状態で洗面台上に一時的に載置できればよいが、歯間ブラシを洗面台上に自立させることはできない。従って、歯間ブラシをそのまま洗面所などに寝かせて置いた場合、歯間ブラシのブラシ部が付近のものに触れたり汚れやたりして非衛生的になりやすく、また、洗面台上から転げ落ちるおそれもある。
【0007】
多数の未使用歯間ブラシを収容するために別途、用意した容器に、使用中の歯間ブラシも収容することも考えられるが、その場合、使用中の歯間ブラシと未使用の歯間ブラシとが混在するおそれがある。
【0008】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、未使用の歯間ブラシの保管及び携帯、使用中の歯間ブラシの保管に便利な歯間ブラシ用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0010】
(1)複数の歯間ブラシが収容可能なケース本体と、前記ケース本体に嵌合されて、該ケース本体の上端開口を開閉可能に閉じる蓋体と、ケース本体又は蓋体のいずれか一方の外面に設けられ、閉蓋状態の下で、使用中の歯間ブラシを着脱自在に保持するための保持部と、を備えていることを特徴とする歯間ブラシ用容器。
【0011】
(2)保持部が、蓋体天壁に設けられ容器本体内に連通する下向き短筒状部と、ケース本体に設けられ前記短筒状部に対応する上面開口の上向き短筒状部とからなり、閉蓋状態の下で、両短筒状部の対応端部が当接するものと構成されている請求項1に記載の歯間ブラシ用容器。
【0012】
(3)前記上下のケースが透明材で構成されている前項(1)に記載の歯間ブラシ用容器。
【発明の効果】
【0013】
前項(1)に記載の発明によれば、蓋体を開ければ、ケース本体に複数の歯間ブラシをそのまま収容することができる。従って、洗面所付近に置いておけば、ユーザーは、例えば歯間ブラシ収容パッケージから多数の歯間ブラシを取り出し際に、別途、適当な大きさの蓋付きの容器を用意していなくても、それら歯間ブラシをケース本体にそのまま収容できる。そして、歯間ブラシを収容してから蓋体で閉じておけば、歯間ブラシが汚れたすることもなく、いつでも使える状態で保管することができる。
【0014】
また、歯間ブラシを蓋体本体の外面から着脱できるように保持する保持部を設けてあるから、洗面所などで使用中の歯間ブラシを、未使用の歯間ブラシとは区別してその保持部に保持させることができるうえ、いつでも再使用できる状態に一時保管することができ、しかも、使用中の歯間ブラシが洗面所から落ちたり、汚れたりする心配もなくなる。
【0015】
前項(2)に記載の発明によれば、歯間ブラシの保持が行えることはもとより、保持部が、蓋体天壁に設けられ容器本体内に連通する下向き短筒状部と、ケース本体に設けられ前記短筒状部に対応する上面開口の上向き短筒状部とからなり、閉蓋状態の下で、両短筒状部の対応端部が当接するものと構成されているから、
保持部に歯間ブラシを差し込んで保持させた時にも、ケースの密閉状態が保たれ、ケース内の歯間ブラシが衛生的に保管されることになる。
【0016】
前項(3)に記載の発明によれば、蓋体本体が透明材で構成されているから、蓋体を取ってケース本体を開けなくても、内部に収容した複数の歯間ブラシの残量具合などをいつでも容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1および図2は、それぞれこの発明の実施形態に係る歯間ブラシ用容器を示す分解斜視図および断面図である。
【0019】
図1および図2において、この歯間ブラシ用容器Aは、ケース本体1と 、蓋体2と、使用中の歯間ブラシ4の保持部3とを備えている。
【0020】
なお、ここでの歯間ブラシ4は、例えばブラシ部41と合成樹脂製の基部42とからなり、前記基部42は、胴体42aの軸方向の両端に鍔部42b,42cが形成された略糸巻形に形成されている。
【0021】
この歯間ブラシ4は、前記基部42を掴んで使用してもよいが、ここでは、持ちやすくさせるために、歯間ブラシ4の基部42に連結可能なハンドル5が用意されている。
【0022】
このハンドル5は、例えば合成樹脂製の棒状の摘まみ部51を有し、その摘み部51の先端には、前記歯間ブラシ4の基部42における胴体42aを離脱可能に抱持するために、平面形状が略C字形の抱持部52が一体形成されている。
【0023】
なお、歯間ブラシ4の胴体42aを前記抱持部52に横から嵌めて装着した状態では、前記鍔部42b,42cが抱持部52を軸方向から挟むから、歯間ブラシ4がハンドル5に対してぐらつくことなく適正に装着されることになる。
【0024】
前記ケース本体1は、複数の歯間ブラシ4を保管するためのものであり、例えば透明な合成樹脂により浅い円筒形に成形されている。なお、この例におけるケース本体1は、前記歯間ブラシ4のみならず、摘まみ部材5も収容可能な大きさになっている。
【0025】
このケース本体1は、その底壁1aが収容部位の直径よりも大径に設定されており、これにより、洗面所などに一層安定状態で設置できるようになっている。
【0026】
このケース本体1の底壁1aの内面に、例えば中央部に位置して上面開口の短筒状部11が一体形成により立設されており、この短筒状部11の上端には、環状の段部11aが形成されている。
【0027】
前記蓋体2は、前記ケース本体1の開口1bを開閉可能に閉じるカバーを構成するものであり、例えば透明の合成樹脂により浅い円筒形に成形されており、ケース本体1に外嵌されるようになっている。
【0028】
前記蓋体2の上壁2aの外面には、ケース本体1における円筒部11と同軸状に位置して、摘まみ部材5に装着されている使用中の歯間ブラシ4を一時保管する際に、摘まみ部材5を立てて差し込みできる差し込み孔21が該上壁2aを貫通して形成されている。
【0029】
さらに、蓋体2の上壁2aの内面には、差し込み孔21を同軸上で取り囲む短筒状部22が一体形成により下向きに垂設されており、この短筒状部22の下端には、前記下側円筒部11の環状段部11aに嵌合する環状の嵌合突部22aが形成されている。
【0030】
前記歯間ブラシ4の保持部3は、前記差し込み孔21、下向き短筒状部22および上向き短筒状部11などにより構成されており、使用中の歯間ブラシ4を前記ハンドル5を介して前記差し込み孔21に差し込んだ際に、該歯間ブラシ4を蓋体本体1,2の外面から着脱可能な状態で保持できるようになっている。
【0031】
つぎに、上記構成の歯間ブラシ用容器Aの使用手順を説明する。
【0032】
ケース本体1に対して蓋体2を上方へ抜き取り操作すれば、図1に示すように、ケース本体1の開口1bが開放される。
【0033】
この状態で、例えば図示しないパッケージから多数の歯間ブラシ4を取り出した時に、それら歯間ブラシ4をそのまま前記ケース本体1に収容することができる。そして、再度、蓋体2で閉じてから、この歯間ブラシ用容器Aを洗面台Mなどに置けるので、多数の歯間ブラシ4を汚すことなく、いつでも使える状態で保管することができる。
【0034】
また、このような保管容器Aを洗面所などに置いておけば、一つの歯間ブラシ4をハンドル5に装着して使用している場合、その使用中の歯間ブラシ4を摘まみ部材5に装着した状態のまま、該摘まみ部材5の基端側から前記差し込み孔21に差し込めば、その歯間ブラシ4が起立状態に保持されることになる。従って、洗面台M上に寝かせ置く場合のように、転がり落ちたりすることもなくなり、また、ブラシ部41が付近のものに触れて汚れたりするおそれも少なくなり、良好に一時保管することができる。
【0035】
なお、この例では、前記差し込み孔21の開口縁部を上方へ向かって拡径するガイド斜面21aで構成してあるから、このガイド斜面21aが前記ハンドル5を差し込む際の案内部として作用し、スムースに差し込むことができる。
【0036】
また、蓋体2を開けたりしなくても、保持部3から歯間ブラシ4をハンドルごと引き抜けるから、その使用途中であった歯間ブラシ4をいつでも直ぐに再使用することができ、使い勝手が良くなる。
【0037】
なお、蓋体本体1,2の構成材は任意に選択・設定できるものであるが、この例のように透明な合成樹脂で成形してあると、蓋体2を外さなくても、保管中の歯間ブラシ4の数の減り具合などをケース1,2の外から視て容易に把握することができる。
【0038】
ところで、上記実施形態では、前記保持部3に対して、一つの歯間ブラシ4が装着されたハンドル5を差し込んで保持させるようにしたが、あえてハンドル5を必要としない掴み易いタイプの歯間ブラシ4の基部42を直接、差し込み保持する構成であってもよい。
【0039】
また、前記保持部3については、歯間ブラシ4の単独ないしは摘まみ部材付きの歯間ブラシを起立状態で保持するものを例に説明したが、例えば蓋体2の上壁2aの上面に凹所あるいは挟持片(いずれも図示せず)を設けて、その凹所あるいは挟持片に歯間ブラシ4単独ないしは摘まみ部材付歯間ブラシ4を寝かせた状態で保持させるようにしたり、する構成も可能である。
【0040】
さらに、前記保持部3は1個に限らず、複数個を設けることも可能である。
【0041】
さらにまた、前記蓋体2およびケース本体1の形状は、円筒形に限られるものではなく、角形などの任意の形状が選択できるものである。その場合、蓋体2およびケース本体1の平面形状を、例えば花ないしは動物などに模した外形にデザイン化するとともに、それらの特徴部位に前記保持部3を設けることにより、外観デザインに飽きがこない保管容器Aを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施形態に係る歯間ブラシ用容器を示す分解斜視図である。
【図2】同じく歯間ブラシ用容器を使用状態で示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ケース本体
1b ケース本体の開口
2 蓋体
3 保持部
4 歯間ブラシ
A 歯間ブラシ用容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の歯間ブラシが収容可能なケース本体と、
前記ケース本体に嵌合されて、該ケース本体の上端開口を開閉可能に閉じる蓋体と、
ケース本体又は蓋体のいずれか一方の外面に設けられ、閉蓋状態の下で、使用中の歯間ブラシを着脱自在に保持するための保持部と、
を備えていることを特徴とする歯間ブラシ用容器。
【請求項2】
保持部が、蓋体天壁に設けられた容器本体内に連通する下向き短筒状部と、ケース本体に設けられ前記短筒状部に対応する上面開口の上向き短筒状部とからなり、
閉蓋状態の下で、両短筒状部の対応端部が当接するものと構成されている請求項1に記載の歯間ブラシ用容器。
【請求項3】
前記ケース本体及び蓋体が透明材で構成されている請求項1又は請求項2に記載の歯間ブラシ用容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−210648(P2007−210648A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33165(P2006−33165)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(391042405)株式会社まめいた (13)
【Fターム(参考)】