説明

殺寄生生物組成物および使用方法

【課題】有効な殺寄生生物組成物を提供すること。
【解決手段】ピレスロイドおよびピレトリンについての溶媒系は、テルペンまたはテルペン誘導体(例えば、テルペンアルコール、テルペンアルデヒドまたはテルペンケトン)を含む。好ましい実施形態において、この溶媒系は、さらに、アルキレングリコールエーテルを含む。このような溶媒系中にピレスロイドおよび/またはピレトリンを含む組成物は、低温でも結晶化せず、そして従来の溶媒を含む処方物と比較して、増大した効力を有する。動物への局所的適用のための殺寄生生物組成物であって、該組成物は、ピレスロイドまたはピレトリンおよびキャリアを含み、該キャリアは、テルペンまたはテルペン誘導体を含む、殺寄生生物組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、外寄生生物を制御するための組成物に関する。具体的には、本発明は、グリコールエーテルおよび/またはテルペンを含む溶媒系を含む、寄生生物用のピレスロイドおよびピレトリン含有処方物を提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ピレトリンは、菊の花の熱帯性株(Pyrethrum cinerariaaefolium)から抽出された天然化合物である。ピレスロイドは、ピレトリンの合成アナログである。ピレトリンおよびピレスロイドの両方は、例えば、米国特許第4,020,181号に記載されるように、動物に対する外寄生生物(例えば、ノミ、ハエおよびマダニ)外寄生を制御するための殺虫剤として使用されてきた。この目的のための好ましいピレスロイドは、ペルメトリンである。
【0003】
投与目的のために、ピレスロイドまたはピレトリンは、代表的に、液体キャリア中に処方され、次いでノミまたは他の外寄生生物からの免荷を必要とする動物に局所的に適用される。所望のキャリア物質は、活性な薬剤と混合されて、動物へと注がれ得る処方物を提供する、溶媒である。ピレスロイドおよびピレトリンについてのキャリア物質としては、例えば、芳香族石油生成物(例えば、キシレンおよびトルエン)、シクロヘキサミン、アルコール、コーン油、ユーカリ油、およびアルキルグリコールエーテルが挙げられる。ほとんどの先行技術のピレスロイド含有殺寄生生物処方物は、50重量%までのピレスロイドのみを含むが、米国特許第5,236,954号は、ピレスロイド処方物、特にペルメトリン処方物を開示しており、これは、アルキルグリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル)を使用することによって、50重量%より高い濃度のペルメトリンを含む。このような高い濃度の活性成分を有する殺寄生生物組成物は、小さく、容易に適用され、なお有効な用量を可能にする。
【0004】
50重量%より高い濃度の活性成分は、局所的適用をより簡便かつより美的に受容可能にする。濃度が高くなるほど、有効な外寄生生物制御のための用量は少なくなる。小用量は、皮膚の比較的小さい領域に適用され得、従って、宿主が溶媒に覆われることを防止する。この処方および適用方法は、家のコンパニオン動物(例えば、イヌ)の処置に特に有用である。なぜなら、動物は、適用の直後に触っても、溶媒を滴らせも、ねばねばしたりもしないからである。このような小用量は、処置した動物が、気付くことなく適用できるので、投与が容易であり得る。この組成物は、1以上の小用量として、動物の局在した領域に適用され、ピレスロイドは、移動して、動物の比較的全体にわたる外寄生生物の外寄生を有効に制御する。従って、50重量%より多いピレスロイドを含む処方物は、総処方物の50重量%までのみの最大濃度を有する処方物には存在しない多くの利点を獲得する。
【0005】
活性成分のより高い濃度(例えば、65%以上のペルメトリン溶液)では、処方物中に存在する溶媒は大量ではなく、そしてピレスロイドおよびピレトリンが、より低い温度(例えば、約20℃未満)で結晶化し得ることが発見されている。このことは、動物への投与のために利用可能な溶液中のピレスロイドまたはピレトリンの濃度が減少することを意味するので、問題である。従って、より低い温度でのピレスロイドまたはピレトリンの結晶化を予防または最小化する溶媒系についての必要性が存在する。
【0006】
現在市場にある製品から利用可能な効力期間よりも長い効力期間を有する処方物を開発する必要性もまた存在する。より長い期間にわたって有効である製品は、明らかに、所望である。なぜなら、これらは、よりコスト効率がよく、そして有効な保護を提供する時間にわたって、より少ない適用を必要とするからである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、外寄生生物の外寄生を制御するための材料および方法を提供することによって、この必要性を満たす。
【0008】
本発明の1局面は、ピレスロイドまたはピレトリンおよびキャリアを含む、動物に対する局所的適用のための殺寄生生物組成物を提供し、ここで、このキャリアは、テルペン(例えば、d−リモネン)を含む。本発明の別の実施形態において、このキャリアはまた、アルキルグリコールエーテルを含む。好ましいアルキルグリコールエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび/またはジエチレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。特に好ましい組成物は、総組成物の50重量%より多い量で、ピレスロイドまたはピレトリンを含む。さらにより好ましい組成物は、総組成物の少なくとも約65重量%より多い量で、ピレスロイドまたはピレトリンを含む組成物である。好ましくは、このピレスロイドは、ペルメトリンである。したがって、本発明は、以下を提供する。
(1) 動物への局所的適用のための殺寄生生物組成物であって、該組成物は、ピレスロイドまたはピレトリンおよびキャリアを含み、該キャリアは、テルペンまたはテルペン誘導体を含む、殺寄生生物組成物。
(2) 前記キャリアが、アルキルグリコールエーテルをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
(3) 前記テルペンが、d−リモネンである、請求項2に記載の組成物。
(4) 前記アルキルグリコールエーテルが、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
(5) 前記アルキルグリコールエーテルが、プロピレングリコールモノメチルエーテルである、請求項4に記載の組成物。
(6) 前記アルキルグリコールエーテルが、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルである、請求項4に記載の組成物。
(7) 前記ピレスロイドが、ペルメトリンである、請求項5または6に記載の組成物。
(8) 前記キャリアが、d−リモネンおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合物を含む、請求項7に記載の組成物。
(9) 前記キャリアが、d−リモネンおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合物を含む、請求項7に記載の組成物。
(10) 前記キャリアが、前記組成物の約30重量%〜約70重量%を構成する、請求項2〜9のいずれか1項に記載の組成物。
(11) 前記ペルメトリンが、総組成物の50重量%より多い量で存在する、請求項7に記載の組成物。
(12) 動物に対する外寄生生物の外寄生を制御する方法であって、該方法は、請求項1に記載の殺寄生生物組成物を局所的に投与する工程を包含する、方法。
(13) 前記動物が、イヌである、請求項12に記載の方法。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本明細書で引用される全ての参考文献は、その全体が参考として本明細書によって援用される。
【0010】
本発明は、動物、特に家畜(イヌおよびネコ、ウマもまた含む)ならびに食料生産動物(例えば、ウシ、ヒツジおよびブタ)において見出され得る外寄生生物を制御するための組成物を提供する。この組成物は、外寄生生物(ノミ、マダニ、疥癬、ダニ、蚊、有害(nuisance)なハエおよびカミツキバエ(biting fly)、シラミ、類人猿の(anthropod)疾患媒体動物を含む)ならびに内部寄生生物(例えば、イヌ糸状虫、鉤虫および蠕虫)を処置するために使用され得る。
【0011】
本発明の組成物は、ピレスロイドまたはピレトリンおよびキャリア(テルペンまたはテルペン誘導体、あるいはテルペンまたはテルペン誘導体と別のキャリア(例えば、アルキルグリコールエーテル)との組み合わせを含む)を含む。驚くべきことに、テルペン(例えば、d−リモネン(CAS#5989−27−5)がキャリアとして使用される場合、結晶化が最小化および/または回避され得る事が見出されている。好ましい実施形態において、このキャリアは、テルペンとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの組み合わせまたはテルペンとジプロピレングリコールモノメチルエーテル(CAS#107−98−2)との組み合わせを含む。好ましくは、この組成物は、テルペンまたはテルペン−アルキルグリコールエーテルの組み合わせを、約30重量%〜約70重量%含む。
【0012】
本発明を実行するために使用され得るピレスロイドとしては、ペルメトリン、フェノトリン、アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン、ビオアレスリン(bioallethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、ビオレスメトリン、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、λシハロトリン、シフルトリン(cyfluthrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トラロシトリン(tralocythrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エンペントリン(empenthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、カデトリン(kadethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrin)、レスメトリン(resmethrin)、スルバリナート(sulvalinate)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメスリン、トランスフルトリン(transfluthrin)、フルビナート(fluvinate)、フルメスリンおよびフェンバレエート(fenvalerate)が挙げられる。本発明における使用のための最も好ましいピレスロイドは、ペルメトリン(CAS#52645−53−1)である。ペルメトリンは、391.28グラム/モルの分子量を有し、そして工業的ペルメトリンは、約25〜80重量%のシス異性体、および約20〜75重量%のトランス異性体を含む。本発明の殺寄生生物組成物において、工業的ペルメトリンが適切であり、そしてこれは好ましくは、約45重量%の最小量のトランス異性体、および約35重量%の最小量のシス異性体を含む。
【0013】
本発明に従う殺外寄生生物組成物において、ペルメトリンまたは他のピレスロイドの濃度は、代表的に、約30〜約95重量%であり、好ましいレベルは、少なくとも約45重量%であり、さらにより好ましくは50〜75重量%である。組成物の残りの部分は、キャリア物質である。
【0014】
d−リモネンに加えて、特許請求された本発明における使用のために適切な他のテルペンとしては、α−ピネン、β−ピネン、β−ミルセンおよびテルピノレンが挙げられる。さらに、テルペン誘導体すなわちテルペノイドもまた、キャリアとして、またはキャリアの1成分として、使用され得る。本明細書中で使用する場合、用語「テルペン誘導体」すなわち「テルペノイド」は、テルペンアルコール(例えば、ゲラニオール、テルピネオールおよびリナロール)、テルペンアルデヒド(例えば、シトロネラール)およびテルペンケトン(例えば、プレゴン(pulegone))が挙げられ、これらの全てが、特許請求された本発明の化合物において、キャリアまたはキャリアの1成分としての使用に適切である。
【0015】
テルペンまたはテルペンアルコール、テルペンアルデヒドもしくはテルペンケトンは、本発明の組成物中の唯一の液体キャリアとして使用され得る。あるいは、このキャリアは、テルペンまたはテルペン誘導体と他のキャリア(例えば、へキシレングリコールまたはアルキルグリコールエーテル)との組み合わせを含み得る。好ましいアルキルグリコールエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(either)およびジエチレングリコールメチルエーテルが挙げられる。テルペンまたはテルペン誘導体とアルキルグリコールエーテルとの混合物が使用される場合、所望の混合物は、少なくとも約10重量%のテルペン成分を含む。好ましくは、アルキルグリコールエーテルに対するテルペンの比は、約3:1〜約1:3である。より好ましくは、アルキルグリコールエーテルに対するテルペンの比は、約2:1〜約1:2である。他の従来のキャリアもまた、テルペンまたはテルペン誘導体と組み合わせて使用され得る。
【0016】
本発明の組成物は、宿主に対して非刺激性かつ非毒性でありながら、外寄生生物に対して有効である。この組成物は、高濃度の活性成分を用いて処方され得るので、この組成物は、少量でなお有効用量にて、容易に適用され得る。特に有効な適用方法は、以下の工程からなる:宿主上の1以上の局在領域に、例えば、動物の肩甲骨の間の領域で、動物に小スポットの組成物を適用することによって、適用する工程。より大きい動物は、尻領域の第二の小スポットの組成物で処置され得る。ピレスロイド成分は、比較的短い時間内に転移して、宿主の身体の全表面を有効に覆うと考えられる。処置を適用するのに特別な専門技術は必要ないので、動物の飼い主は、健康管理の専門家の助けなしに、そして特別な設備なしにこれを行い得る。
【0017】
他の不活性な成分が、所望される場合、本発明の組成物に添加され得る。このような成分としては、展着剤、共力剤、誘引剤、忌避剤、接着促進剤、界面活性剤、安定剤、皮膚コンディショナー、香料、匂いマスキング剤、なめ防止剤、被覆光沢剤および着色剤が挙げられる。さらなる活性成分(例えば、他の殺寄生生物剤および昆虫成長調節剤)もまた、本発明の組成物中に含まれ得る。
【0018】
適切な展着剤は、皮膚上で特に容易にそれ自体を分散させる液体である。ミリスチン酸イソプロピルは、一般に使用される展着剤である。展着剤(時々、展着油といわれる)の所望の特性は、一般に、当業者に周知である。誘引剤としては、フェロモン(例えば、2,6−ジクロロフェノール)が挙げられる。忌避剤としては、シトロネロール、ジエチルトルイミド(toluimide)、ジメチルフタラートなどが挙げられる。
【0019】
本発明で利用され得る他の不活性成分には、接着促進剤がある。接着促進剤としては、カルボキシメチル−セルロース、メチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、ならびにデンプン誘導体、ポリアクリレート、アルギナート、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、ポリエチレングリコール、パラフィン、オイル、サックスおよび水素化ヒマシ油、コロイド状ケイ酸、またはこれらの物質の混合物が挙げられる。
【0020】
本発明の組成物は、通常は界面活性剤を含まないが、望ましい場合は界面活性剤が含まれ得る。界面活性剤(乳化剤および湿潤剤を含む)としては、(i)アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪アルコールエーテル硫酸塩、およびモノジアルキルポリグリコールエーテルオルソリン酸エステルのモノエタノールアミン塩)、(ii)カチオン性界面活性剤(例えば、セチルトリメチルアンモニウム塩化物)、(iii)両性界面活性剤(例えば、ジナトリウム−N−ラウリルアミノジプロピオン酸塩またはレシチン)、および(iv)非イオン界面活性剤(例えば、ポリオキシエチル化ヒマシ油、ポリオキシエチル化ソルビタンモノオレイン酸塩、ソルビタンモノステアリン酸塩、エチルアルコール、グリセロールモノステアリン酸塩、ポリオキシエチレンステアリン酸塩、およびアルキルフェノールポリグリコールエーテル)が挙げられる。
【0021】
いくつかの活性化合物の場合に生じる化学的分解を予防するために、安定化剤もまた使用され得、安定化剤としては、例えば、抗酸化剤(例えば、トコフェロール、ブチル−ヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエンおよびカルボジイミド(例えば、2,2−6,6−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド))、ならびにスカベンジャー(例えば、エピクロロヒドリン(epichlorhydrin))が挙げられる。着色剤としては、本発明のキャリア中の可溶性である従来の色素(例えば、Sudan RedまたはOil Golden Yellow)が挙げられる。
【0022】
本発明の殺昆虫組成物を調製するために、存在するすべての結晶が液体化するまで、ピレスロイドが、65〜80℃まで加熱される。その後、この液体は、均質になるまで混合される。液体キャリア溶媒は、別個の非加熱容器中に配置される。その後、ペルメトリンがこの容器に添加される。その後、このペルメトリンとキャリア溶媒とが、均質になるまで混合される。添加剤(例えば、上記に列挙された添加剤(例えば、皮膚コンディショナー、香料、被覆光沢剤、および分散剤(spreading agent))もまた、この容器中に含まれ得、そしてこの処方物中に混合され得る。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、ペルメトリンが、約65℃まで加熱される。d−リモネンとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの2:1〜1:2混合物が、清浄なタンク中に配置され、そしてペルメトリンが添加され、そして均一になるまで混合される。ペルメトリンがこの単純液体混合物中に処方された後、この混合物は、他の物理的状態の局所処方物の処方のための開始点として役立ち得る。例えば、ゲル化剤が添加されて、ゲルおよびゾルの形態の局所調製物が生成され得る。気体が添加されて、エアロゾルとして送達され得る局所調製物が生成され得る。他の処方剤がこの液体混合物中に添加されて、軟膏およびペーストが生成され得る。
【0024】
本発明の殺昆虫組成物は、ほとんどの哺乳動物(ヒト、ウマ、ウシ、キリン、および家庭愛玩動物(例えば、イヌ)を含む)に対する使用のために適切である。この組成物はこのように非毒性であるので、この組成物は、若齢動物(例えば、3週齢)ならびに成体動物に対して使用され得る。この組成物はまた、種々の寄生生物(ダニ(tick)、ノミ、ハエ、ヒツジシラミバエ、およびダニ(mite)を含む)に対して有効である。
【0025】
本発明に従う組成物は、ウマおよび他の大型哺乳動物に特に有用である。なぜなら、必要な用量は、50重量%以下の濃度である上記ピレスロイド組成物と比較してかなり小さいからであるからである。本発明の殺昆虫組成物は、節足動物、昆虫、およびダニ外寄生生物(例えば、ノミ、ダニ(tick)、ハエ、ヒツジシラミバエ、およびダニ(mite))の制御のために有用である。この組成物の最も好ましい用途は、イヌにおけるダニ(tick)およびノミの制御である。
【0026】
この組成物は、組成物の局所適用のための従来の任意の方法によって(例えば、哺乳動物の身体に小量の液体組成物を滴下することによって)、宿主動物に適用され得る。高度に濃縮された組成物の使用の1つの利点は、ほんの小量しか必要ではないことである。この様式で適用される組成物は、移動を示すようであり、そのピレスロイド成分は、動物の身体の他の領域に転流される。この移動効果または分散効果により、該寄生生物制御のために動物の身体表面の比較的すべてに対して、このピレスロイドを投与することが可能である。
【0027】
50重量%過剰のピレスロイド濃度を含む処方物が、単一用量パッケージにパッケージングされ得る。例えば、ペルメトリンおよび溶媒エタノールから構成される液体処方物の単一の1立方センチメートル(cc)用量が、折畳み可能な1ccチューブ中にパッケージングされ得る。この処方物は、強有機溶媒(例えば、キシレン、クロロヘキサノン、およびトルエン)の使用を回避するので、チューブ材料のより多くの選択肢が存在する。単一用量容器は、貯蔵および廃棄を、動物の所有者にとってより簡便にする。多用量液体処方物が、1cc容量より大きい容器中にパッケージングされ得る。この高濃度組成物はまた、多用量容器についての容器サイズ要件ならびにより大型の動物用の単一用量容器についての容器サイズ要件を減少させる。米国特許第5,344,018号に記載される型のパッケージアセンブリが、簡便に使用され得る。
【0028】
この組成物は高濃度のピレスロイドを有するので、この動物に対する小さいスポット適用またはライン適用は、投与後3時間〜24時間以内および投与後4週間後まで、動物における昆虫感染およびクモ形類寄生生物感染を有効に制御する。この方法は、非毒性であり、そしてこの濃縮組成物は、動物の皮膚を刺激しない。有効な殺昆虫活性のために適用されるに必要な本発明の組成物の必要量は、動物のサイズ、ならびにこの特定の組成物の正確な濃度および送達能力に依存するが、1立方センチメートル(cc)容量のこの好ましい液体組成物が、15kg未満の重量のイヌに対して有効であることが見出されている。1〜2ミリリットル容量の好ましい65%重量ペルメトリンが、65〜130mgのペルメトリンを送達する。15kgより大きなイヌに関して、肩甲骨間に1ccの65重量%ペルメトリン組成物を、尾の先端(tailhead)への1mLの適用と組み合わせて適用することが有効であることが、見出されている。好ましい実施形態において、宿主体重1kgごとに、約33mg以上のこの組成物が、適用されるべきである。
【0029】
本発明は、以下の実施例により詳細に記載される。これらの実施例は、単なる例示として意図される。なぜなら、この実施例における多数の改変および変化が、当業者に明らかであるからである。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
【0031】
【表1】

この生成物を、活性成分100%にて処方した。純度の調整を、この生成物の主要な不活性物質を用いて行った。
【0032】
ペルメトリンを、この容器中に充填し、その後、溶媒成分を充填した。その後、攪拌を開始し、5分間または溶液が均質に見えるまで、必要ならば加温しながら攪拌し続けて、このペルメトリンを可溶化した。この容器の内容物を、ガラス容器中にパッケージングし、密封し、そして適切に標識した。
【0033】
(実施例2)
【0034】
【表2】

この生成物を、活性成分100%にて処方した。純度の調整を、ゲラニオールを用いて行った。
**この生成物を、活性成分100%にて処方した。純度の調整を、プロピレングリコールモノエチルエーテルを用いて行った。
【0035】
これらの処方物を、実施例1の方法により調製した。
【0036】
(実施例3)
特定の溶媒または溶媒混合物が、メチルカルビトールよりもペルメトリンについて良好な溶媒特性を有するか否かを観察するための研究を、行った。
【0037】
いくつかの溶媒型を評価した。冷蔵庫温度[4℃]および冷凍庫温度[−10℃]で良好の溶解度を有するようであった溶媒を、評価のために選択した。同様に、動物に対する使用についてEPAにより許可された溶媒(40 C.F.R.§180.1001(e))を、評価のために選択した。
【0038】
【表3】

溶媒を、基本的製造業者から得るかまたはAshland Chemicalを介して得た。
【0039】
以下の実施例3A〜3Dの各々について、ペルメトリンを、実施例1の方法に従って、上記溶媒または溶媒混合物中に溶解した。これらの溶液を、ネジ蓋付きキャップを備える100mLチューブに注いだ。これらのチューブを、冷水浴中に配置し、そしてこの浴の温度で平衡にさせた。これらの溶液がこの浴中で平衡に達した後、これらの調製物を、ペルメトリン結晶を用いて密封した。その後、密封した調製物を徹底的に振盪し、この浴中に再配置し、そしてこの浴中に24時間維持した。その後、これらの調製物を、結晶化について試験し、その後再び、徹底的に攪拌し、そしてさらなる一定時間、この浴中に再配置した。さらなる結晶化が生じた後、その上清サンプルを取り出した。これらの上清サンプルを、そのペルメトリン濃度およびトランス/シス異性体比について分析した。
【0040】
(実施例3A)
異なる溶媒中でのペルメトリンの相対溶解度を測定するために、冷温度浴を得、そして最初25℃に設定した。(この水浴は、エチレングリコールと水との混合物を含んだが、−15℃未満の凍結点を有した。)
ペルメトリンの原液を、70%ペルメトリンであるようにした。このペルメトリンの純度について補償を行い、溶媒に対する工業(technical)ペルメトリンの代表比は、25.7重量%溶媒に対して74.3重量%ペルメトリンであった。
【0041】
結晶化が生じない場合、さらなるペルメトリンをこの溶液に充填して、ペルメトリン濃度を75%にし、その浴の温度を20℃まで低下させた。両方の温度にて、これらの溶液に、ペルメトリンの結晶種を入れた。24時間後、これらのチューブを、これらの溶液各々において生じ得た結晶の相対量について試験した。結晶化が生じた場合、その上清サンプルをバイアルから引き出し、そしてその浴の温度を15℃まで低下させた。
【0042】
これらのサンプルを、ペルメトリン濃度およびトランス/シス異性体比を測定するために分析した。これらのサンプルのうちのいくつかが15℃で完全に固体になった場合、その浴の温度を17.5℃まで上昇させた。ヘキシレングリコール溶液およびメチルカルビトール(登録商標)(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)溶液から、アッセイ用にサンプルを再び採取した。
【0043】
最初の研究の結果(表1)は、d−リモネンが、このd−リモネン溶液中により少ない結晶しか存在しないという点でペルメトリンについての優れた溶媒であることを示した。これらの溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルは、ペルメトリンについて、メチルカルビトール(登録商標)よりも良好な溶解性を有した。これらの2つのグリコールエーテルは、ペルメトリンについて良好な溶解性を示したが、プロピレングリコールモノメチルエーテルは、低温度研究において、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルよりも少ない結晶を有した(表3)。
【0044】
【表4】


(実施例3B)
種々のニートな溶媒中でのペルメトリンの相対的な溶解度が決定された後に、より良い溶媒の混合物が溶液中でのペルメトリンの溶解度を向上するか否かを決定するための第2の研究を開始した。試験された溶媒混合物は、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル/d−リモネンおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル/d−リモネンであった。
【0045】
これらの溶媒混合物は、2:1、1:1、1:2、次いで8:2および9:1(第1の数は、グリコールエーテルのうちの1つを言及し、そして第2の数は、d−リモネンを言及する)において、の比で評価した。これらの混合物中のペルメトリンの濃度は、55%(w/w)〜75%(w/w)のペルメトリンで変動した。全ての場合において、ペルメトリンの純度が考慮され、その結果、純粋なペルメトリンの実際の濃度は、上記パーセンテージであった。
【0046】
ペルメトリンのこれらの溶液を、低温(0℃、5℃、10℃、20℃、および25℃)で、水浴中に配置し、そしてシード(seed)した。これは、その特定の温度における、所与の溶媒混合物中のペルメトリンの飽和溶液を生じた。次いで、これらのデータを使用して、最も低い温度の溶解度を有するペルメトリンの処方物を決定した。
【0047】
混合溶媒研究[表2〜表5]は、d−リモネンといずれかのグリコールエーテルとの混合物が、ペルメトリンがこの研究において任意の単一溶媒中よりも低い温度でより良い溶解度を有した溶液を生じたことを明らかにした。このデータはまた、温度が低下した場合、溶液中に残るシス異性体の量が、d−リモネンおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル、ならびにd−リモネンおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶媒混合物において、これらの溶媒単独のいずれかよりも多いことを示した。
【0048】
【表5】


【0049】
【表6】


【0050】
【表7】

【0051】
【表8】

(実施例3C)
溶媒混合物中において低濃度のペルメトリンの増加した溶解度が存在するか否かを決定するための第3の研究が開始された。この研究は、−15℃でd−リモネンおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶媒混合物を用いて行った。30%ペルメトリンの溶液を、d−リモネンおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶媒混合物中で調製し、そして冷温浴中に配置した。
【0052】
使用した溶媒系は、以下であった:
100% d−リモネン;
2:1 d−リモネン/プロピレングリコールモノメチルエーテル;
1:1 d−リモネン/プロピレングリコールモノメチルエーテル;
1:2 d−リモネン/プロピレングリコールモノメチルエーテル;
1:4 d−リモネン/プロピレングリコールモノメチルエーテル;および
100% プロピレングリコールモノメチルエーテル。
温度を、−15℃に調整した。この溶液を、浴に配置し、そして結晶化させ、そして平衡に達しさせた。上清溶液をサンプリングし、そしてペルメトリンの濃度および異性体比を決定するために分析した。
【0053】
この研究の結果(表6)は、50%より高いペルメトリン濃度でもって観測された溶解度現象がまた、−15℃における30%ペルメトリンのこの初期濃度においても観測されたことを示す。すなわち、−15℃の低温で溶媒単独のいずれかと同じ初期濃度と比較した場合、混合溶媒中のシス異性体の溶解度が増加している。シス異性体についてのこの増加は、たとえ、この温度におけるペルメトリンの全体の溶解度が最初の30%未満であることが示されたとしても、これらの溶媒混合物においてペルメトリンの全体の溶解度の増加を生じる。
【0054】
【表9】

(実施例3D)
この研究の目的は、20℃におけるペルメトリンの溶解度を決定することであった。プロピレングリコールモノメチルエーテル中のペルメトリンの70%溶液を調製した。技術的なペルメトリンおよび元の70%溶液を、ペルメトリンの濃度およびトランス/シス比を決定するためにサンプリングした。この溶液を浴中に配置し、そして連続的に攪拌した。浴温度を0℃に下げた。溶液中で生じた結晶化の後に、浴温度設定を、20℃まで上昇させ、そして攪拌スラリーを、3日間、平衡化させた。この時間の後、上清のサンプルを、数日間続けて吸引した。結晶を、濾過により液体層から分離し、そして結晶を石油エーテルを用いて洗浄した。上清および結晶の両方の全ての残りのサンプルを、全ペルメトリン含有量およびトランス/シス比の両方について分析した。結晶を洗浄して、これらの分析に混入し得る任意の残留溶液を除去した。
【0055】
この研究の結果を、表7に示した。これらのデータは、ペルメトリンがプロピレングリコールモノメチルエーテルにおいて良好な溶解度を有することを示す。しかし、観測されるペルメトリンの全ての溶液に関して、シス異性体が結晶化し、そして温度が十分低い場合、溶液から沈殿する。この実験の結果は、ペルメトリンが、20℃において70%より高い溶解度を有するが、異性体比が、トランス異性体を好んで移動し、シス異性体が、この温度で、溶液から出てくることを示す。
【0056】
(表7)
【0057】
【表10】

実施例3A〜3Dの低温での結果は、ペルメトリンがd−リモネンにおいて最も大きい溶解度を示すことを実証する。試験した溶媒中で溶解度が低下する順は、以下:
(a)d−リモネン
(b)プロピレングリコールモノメチルエーテル
(c)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
(d)ジエチレングリコールモノメチルエーテル
(e)2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)
ペルメトリンシス異性体は、混合溶媒系においてある温度において並外れて予期せぬ増加を示した。50%未満の濃度において、ペルメトリンは、同じ溶媒中でそれらの溶解度と個々に比較して、混合溶媒中において溶解度の増加を示し続けた。
【0058】
ペルメトリンは、70%より高いレベルでプロピレングリコールモノメチルエーテル中で可溶性であったが、そのシス異性体は0℃で結晶化し、そして溶液中で約70%ペルメトリンの濃度で20℃において結晶のままであった。
【0059】
ペルメトリンのトランス異性体は、選択された溶媒中で非常に高い溶解度を有する。シス異性体は、ニートな溶媒の溶液と比較した場合、溶媒混合物中で溶解度が増加した。
【0060】
(実施例4)
65%ペルメトリンの効力を5つの溶媒または溶媒混合物中で評価した。6匹のイヌ(3匹は15kg未満であり、そして3匹は15kg以上)を、以下の7つの処置群の各々に無作為に割当てた。
【0061】
【表11】

各処置群は、体重15kg未満のイヌ3匹および体重15kg以上のイヌ3匹を含んだ。1つの処置適用を、各イヌに対して行った。体重15kg未満の各イヌに、首の背部の皮膚に塗布する1.0mLの試験処方物を与えた。体重15kg以上の各イヌに、2.0mLの試験処方物を与え、そのうち1.0mLを首の背部の皮膚に塗布し、そして1.0mLを臀部の背部に塗布した。
【0062】
ノミ(100匹の餌を与えていない成体ネコノミ、Ctenocephalides felis)を、実験日第−6日、第−1日、第4日、第11日、第18日、第25日、および第32日に各イヌに適用した。ダニ(50匹の餌を与えていない成体Amblyomma americanum)を、実験日第−1日、第3日、第9日、第16日、第23日、および第30日に各イヌに適用した。ノミを実験日第3日、第7日、第14日、第21日、第28日、および第35日に各イヌに適用した。ダニをイヌに寄生させ、そのイヌから回収し計数した。この後、イヌを非常に細かいノミ用コームですき、そして生きているノミを取り出し、そして少なくとも5分間各イヌをすきながらかまたは生きたノミもしくはダニが見つからなくなるまで計数した。
【0063】
ノミおよびダニの計数を行った個体を、各イヌに対して割当てられた処置群に関して「盲目的(blinded)」にした。皮膚の炎症の徴候は、いかなる処方物を用いた処置の後でも観察されなかった。
【0064】
効力を、相乗平均を用いてAbbottの式により決定した:
【0065】
【数1】

Ctenocephalides felisに対する種々の処方物の効力を、表8に示す。
【0066】
(表8)
【0067】
【表12】

PM=Dowanol(登録商標)PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
d−l=d−リモネン
()は、寄生虫/コントロールイヌ(n=6)の相乗平均の数値を示す。
【0068】
Dowanol(登録商標)PMを含む処方物は、処置後3日以内に90%〜95%の初期効力を示した。Dowanol(登録商標)PMを含む処方物についての高レベルの効力(93%〜100%)は、処置後28日間観察され、その後この効力は、処置後35日に63〜81%に低下した。ノミ/イヌの対数平均数における有意差は、35日後にDowanol(登録商標)PMを含む種々の処方物の間で観察されなかった(p>0.05)。
【0069】
d−リモネンのみを含むペルメトリン処方物は、Dowanol(登録商標)PM処方物の効力プロフィールと類似の効力プロフィールを示したが、その効力は、4週間後に88%まで低下した。d−リモネン処方物中のペルメトリンを受けたノミ/イヌの対数平均数は、処置後5週間でコントロールと有意に異ならなかった(p>0.05)。
【0070】
対照的に、ノミに対するメチルカルビトール中の65%ペルメトリン(Defend(登録商標)EXspot(登録商標)イヌに対する殺虫剤)の初期効力は、処置3日後に約90%であった。ノミに対する効力は、処置後3週間にわたって96%〜100%であった。しかし、メチルカルビトール中の65%ペルメトリンで処理したノミ/イヌの対数平均数は、処置後4週間でコントロールと有意に異ならなかった(p>0.05)。
【0071】
アメリカアムブリオマ(Amblyomma americanum)を、3日(第3日での計数)、4日(第7日での計数)または5日(第14日、第21日、および第28日での計数)のいずれかでペルメトリン処方物に曝した。表9に示されるように、種々のペルメトリン処方物に曝されたダニの約58%(範囲:49%〜65%)が、3日以内に死滅した。種々の処方物に4日間または5日間曝されたほぼ全てのダニが、イヌを処置した後2週間の期間で死滅した。Dowanol(登録商標)PM処方物およびd−リモネン処方物の効力は、処置後3週間に約87%(範囲:78%〜94%)に低下し、そしてさらに処置後4週間に約62%(範囲:45%〜72%)に低下した。
【0072】
アメリカアムブリオマに対するDowanol(登録商標)PM、Dowanol(登録商標)PM/d−リモネン 2:1およびDowanol(登録商標)PM/d−リモネン 1:1処方物の効力は、処置後3週間に、それぞれ88%、94%、および88%であった。しかし、Dowanol(登録商標)PMおよびDowanol(登録商標)PM/d−リモネン 1:1処方物の効力は、処置後3週間に90%と有意に異ならなかった。
【0073】
イヌの処方物に対するダニ曝露の4日後のアメリカアムブリオマに対するメチルCarbitol(登録商標)処方物の効力(7日カウント)は、98%であった。この効力は、イヌを処置した2週間後で87%に低下した。しかし、イヌを処置した2週間後に観察されたこの87%の効力は、90%と有意に異ならなかった(p>0.10)。
【0074】
(表9)
【0075】
【表13】

PM=Dowanol(登録商標)PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
d−l=d−リモネン
()は、寄生虫/コントロールイヌ(n=6)の相乗平均の数値を示す。
は、効力(%)が90%と有意に異ならないこと(p>0.10)を示す
(実施例5)
本研究は、イヌに関する、屋外使用条件下でスポットとして塗布した場合の、ネコノミCtenocephalides felisおよびクリイロコイタマダニRhipicephalus sanguineusに対する種々の殺虫処方物の効力期間を比較した。
【0076】
体重が2.2kg〜31.5kgの範囲でありかつ両方の性別の、種々の血統の40匹のイヌを、各々10匹のイヌの4つの群に無作為に割当てた。4つの処置群は以下の通りであった:
35%Dowanol(登録商標)PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)中の、65%ペルメトリン
ネガティブコントロール:未処理のイヌ
ポジティブコントロール:Defend(登録商標)EXspot(登録商標)(メチルCarbitol中、65%ペルメトリン)
35%Dowanol PM(登録商標)およびd−リモネン(1:1)中の、65%ペルメトリン
1つの処置適用は、実験日第0日に処置群1、3および4中の各イヌに対して行った。体重15kg未満の各イヌに、イヌの背中の肩の肩甲骨間の皮膚に塗布する1.0mLの試験処方物(殺虫剤に対して局所的なスポット)を与えた。体重15kg以上の各イヌに、2.0mLの試験処方物を与え、そのうち1.0mLはイヌの背中の肩の肩甲骨間の皮膚に塗布し、そして1.0mLはイヌの背中の尾部の根元前に直接、皮膚に塗布した。
【0077】
イヌを、100匹の餌を与えていない成体ノミ(両方の性)および50匹の餌を与えていない成体クリイロコイタマダニ(両方の性)で、実験日第−5日、第−1日、第5日、第12日、第19日、第26日、第33日および第40日に寄生させた。
【0078】
ノミおよびダニを、処置の2日後および各外寄生の2日後から毎週(weekly at two days)、取り出し計数した。ダニをイヌに寄生させ、そのイヌから取り出し計数した。次いで、イヌを非常に細かいノミ用コームですき、そして少なくとも5分間各イヌをすきながらかまたは生きたノミが見つからなくなるまで、生きているノミを取り出し、そしてこれらを計数した。ノミおよびダニの計数を行った個体を、各イヌが割当てられた処置群に関して「盲目的(blinded)」にした。盲目は、2人の人の使用によって確実にした:1人目の人は、2人目の人(調査者)による観察について処置群からイヌを連れてきた。
【0079】
イヌの健康は病気の徴候または有害な反応について毎日チェックした。処置部位を、各外寄生において観察し、そして炎症の徴候について計数した。
【0080】
効力を、Abbottの式を用いて決定した(実施例4を参照のこと)。結果を、表10および表11に示す。
【0081】
【表14】

a−プロピレングリコールモノメチルエーテル
b−d−リモネン
c−メチルカルビトール
組み合わせ溶媒によって生じるノミに対する高度な効力は、処置後21日間持続し、そして21日目と28日目との間で予期せず低下した。この実施例と同様に、組み合わせ溶媒によって生じるクリイロコイタマダニに対する高度な効力は、徐々に低下していく前に、処置後35日間持続した。表8〜11に示される結果は、ペルメトリンに対する組み合わせ溶媒が、低温での溶解度における利点に加えて、有効な外寄生生物制御を提供することを示す。
【0082】
当業者に明らかであるように、本発明の多くの変更およびバリエーションが、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。本明細書中に記載される特定の実施形態が、例示目的でのみ提供され、そして本発明は、添付の特許請求の範囲が与える等価物の完全な範囲と共に、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2008−189690(P2008−189690A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101956(P2008−101956)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【分割の表示】特願2002−562333(P2002−562333)の分割
【原出願日】平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願人】(503442097)シェーリング−プラウ・リミテッド (47)
【住所又は居所原語表記】Weystrasse20,Lucerne6,CH−6000,Switzerland
【Fターム(参考)】