説明

殺菌剤ヘテロシクリル−ピリミジニル−アミノ誘導体

本発明は、式(I)


[式中、Het、Y、p、R、R、R、X、n、L及びLは、種々の置換基を表す]で表されるヘテロシクリル−ピリミジニル−アミノ誘導体、それらを調製する方法、調製における中間体化合物、殺菌剤活性物質としてのそれらの使用、特に、殺菌剤組成物の形態における殺菌剤活性物質としてのそれらの使用、及び、それら化合物又は組成物を使用して、特に植物の、植物病原性菌類を防除する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロシクリル−ピリミジニル−アミノ誘導体、それらを調製する方法、調製における中間体化合物、殺菌剤活性物質としてのそれらの使用、特に、殺菌剤組成物の形態における殺菌剤活性物質としてのそれらの使用、及び、それら化合物又は組成物を使用して、特に植物の、植物病原性菌類を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO−2005/019211には、ビアリール部分とヘテロ環式部分の両方を有している、殺菌剤として使用可能な化合物が記載されている。たとえ、それら化合物の一部が、本発明化合物と構造的に類似している可能性があるとしても、この文献には、本発明の化合物について、開示も示唆もなされていない。それとは別に、国際特許出願WO−2004/065378には、4−[2−(エチルアミノ)−4−ピリジニル]−N−[5−(1−ピペラジニル)−2−ピリジニル]−2−ピリミジンアミンが開示されており、それは、細胞増殖の阻害剤として有用であり得る。この化合物は、本発明の範囲から除外されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/019211号
【特許文献2】国際公開第2004/065378号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
活性成分に対する耐性株の発達を回避するか又は抑制するために、新規殺有害生物剤化合物を使用することに関して、農業分野においては常に高い関心が持たれてる。既知化合物と少なくとも同等の効力を維持しながら、同時に、使用する活性化合物の量を低減するために、そのような既知化合物よりも活性が高い新規化合物を使用することに関しても、高い関心が持たれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記で記載した効果又は有利点を有している化合物の新規ファミリーを見いだした。
【0006】
従って、本発明は、式(I)
【0007】
【化1】

[式中、
・ Hetは、同一であっても又は異なっていてもよい最大で4個までのヘテロ原子を含んでいる飽和又は不飽和の芳香族又は非芳香族の4員、5員、6員又は7員のヘテロ環を表し;
・ Yは、独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、シアノ基、アミノ基、スルフェニル基、ペンタフルオロ−λ−スルフェニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノスルファモイル、ジ−C−C−アルキルアミノスルファモイル、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、2−オキソピロリジン−1−イル、置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシアルキル、置換されているか若しくは置換されていないベンジルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないベンジルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないベンジルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないフェノキシ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルスルフェニル又は置換されているか若しくは置換されていないフェニルアミノを表し;
・ pは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
・ Rは、水素原子、シアノ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、C−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシアルキルを表し;
・ R及びRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルを表し;
・ Xは、独立して、C−C10−アルキル、C−C10−ハロゲノアルキル、ハロゲン原子又はシアノを表し;
・ nは、0、1、2又は3を表し;
・ L及びLは、独立して、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキルオキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノスルファモイル、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノスルファモイル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキルを表し;
・ LとLは、一緒になって、N、O、Sからなるリストの中で独立して選択される最大で4個までのヘテロ原子を含んでいる飽和又は不飽和の芳香族又は非芳香族の置換されているか又は置換されていない4員、5員、6員又は7員のN含有ヘテロ環を形成することが可能である]
で表されるヘテロシクリル−ピリミジニル−アミノ誘導体、並びに、その塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体又は幾何異性体を提供する〔但し、以下の化合物は除外する:4−[2−(エチルアミノ)−4−ピリジニル]−N−[5−(−ピペラジニル)−2−ピリジニル]−2−ピリミジンアミン〕。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の化合物はいずれも、その化合物内の不斉中心の数に応じて、1種類以上の光学異性体形態又はキラル異性体形態で存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての光学異性体及びそれらの全てのラセミ混合物又は全てのスケールミック混合物(用語「スケールミック(scalemic)」は、異なった比率のエナンチオマーの混合物を意味する)、並びに、可能な全ての立体異性体の全ての比率における混合物に関する。当業者は、自体公知のいずれかの方法により、ジアステレオ異性体又は光学異性体を分離させることができる。
【0009】
本発明の化合物はいずれも、その化合物内の二重結合の数に応じて、1種類以上の幾何異性体形態でも存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての幾何異性体及びその全ての比率における可能な全ての混合物に関する。当業者は、自体公知のいずれかの方法により、幾何異性体を分離させることができる。
【0010】
本発明による式(I)[式中、Yは、ヒドロキシ基、スルフェニル基又はアミノ基を表す]で表される全ての化合物は、それぞれ、当該ヒドロキシ基、スルフェニル基又はアミノ基のプロトンのシフトの結果として生じる互変異性体で存在することができる。そのような互変異性体も、本発明の一部である。一般的に、本発明による式(I)[式中、Yは、ヒドロキシ基、スルフェニル基又はアミノ基を表す]で表される化合物の全ての互変異性体、及び、本発明による調製方法において中間体として場合により使用可能な化合物の互変異性体も、本発明の一部である。
【0011】
本発明によれば、下記総称は、一般に、以下の意味で用いられる:
・ ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する;
・ ヘテロ原子は、窒素、酸素又は硫黄であり得る;
・ 特に別途示されていない限り、本発明に従って置換されている基又は置換基は、直鎖又は分枝鎖であることができ、及び、以下の基又は原子のうちの1以上で置換され得る:ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、スルフェニル基、ペンタフルオロ−λ−スルフェニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノスルファモイル、ジ−C−C−アルキルアミノスルファモイル、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、2−オキソピロリジン−1−イル、(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、C−C−アルコキシアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシアルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルフェニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルフェニル又はフェニルアミノ。
【0012】
本発明による式(I)で表される好ましい化合物は、式中のHetが
【0013】
【化2】

からなるリストの中で選択される飽和又は不飽和の芳香族又は非芳香族のヘテロ環を表す化合物である。
【0014】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、式中のYが、ハロゲン原子、シアノ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルアミノを表す化合物である。さらに好ましくは、Yは、ハロゲン原子、シアノ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルを表す。
【0015】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、式中のpが0、1又は2を表す化合物である。さらに好ましくは、pは、1を表す。
【0016】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、式中のRが水素原子を表す化合物である。
【0017】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、R及びRが、独立して、水素原子又はハロゲン原子を表す化合物である。さらに好ましくは、R及びRは、水素原子を表す。
【0018】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、式中のnが0を表す化合物である。
【0019】
本発明による式(I)で表される好ましい別の化合物は、式中のL及びLが独立して以下のものを表す化合物である:水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキルオキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル;
とLが一緒になって、N、O、Sからなるリストの中で選択される最大で4個までのヘテロ原子を含んでいる置換されているか又は置換されていない4員、5員、6員又は7員のヘテロ環を形成する場合、L及びLは、独立して、置換されているか若しくは置換されていない2−オキソピロリジン−1−イル又は置換されているか若しくは置換されていない2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イルを表す。
【0020】
本発明による式(I)で表されるさらに好ましい化合物は、式中のL及びLが独立して、水素原子を表すか、又は、直鎖若しくは分枝鎖の置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル〔例えば、(C−C−アルコキシ)−C−C−アルキル〕を表す化合物である。
【0021】
本発明による式(I)で表される化合物の置換基に関して上記で挙げた好ましい態様は、個別的に、部分的に又は全体的に、さまざまに組み合わせることができる。好ましい態様についてのそのような組合せは、かくして、本発明による化合物のサブクラスを提供する。本発明による好ましい化合物のそのようなサブクラスの例では、以下のものを組み合わせることができる:
・ Hetの好ましい態様と、Y、p、R、R、R、X、n、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Yの好ましい態様と、Het、p、R、R、R、X、n、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ pの好ましい態様と、Het、Y、R、R、R、X、n、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Rの好ましい態様と、Het、Y、p、R、R、X、n、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Rの好ましい態様と、Het、Y、p、R、R、X、n、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Rの好ましい態様と、Het、Y、p、R、R、X、n、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Xの好ましい態様と、Het、Y、p、R、R、R、n、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ nの好ましい態様と、Het、Y、p、R、R、R、X、L及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Lの好ましい態様と、Het、Y、p、R、R、R、X、n及びLのうちの1つ以上の好ましい態様;
・ Lの好ましい態様と、Het、Y、p、R、R、R、X、n及びLのうちの1つ以上の好ましい態様。
【0022】
本発明による化合物の置換基の好ましい態様についての上記組合せにおいて、当該好ましい態様は、Het、Y、p、R、R、R、X、n、L及びLのそれぞれのさらに好ましい態様の中で選択して、本発明による化合物の最も好ましいサブクラスを構成させることもできる。
【0023】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物を調製する方法にも関する。かくして、本発明のさらなる態様により、本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物を調製する方法P1も提供され、これは、下記反応スキームによって例証される:
【0024】
【化3】

ここで、
・ Wは、脱離基、例えば、ハロゲン原子、C−C−アルキルスルホネート、C−C−ハロアルキルスルホネート、置換されているか又は置換されていないフェニルスルホネートなどを表し;及び、
・ X、Y、n、p、R、R、R、L、L、Hetは、本明細書中定義されているとおりであり;及び、ここで、該調製方法P1は、
* 式(I)で表される化合物を生成させるために、式(II)で表される化合物を、場合により触媒〔好ましくは、遷移金属触媒、例えば、銅塩、好ましくは、銅(I)塩、例えば、塩化銅(I)、シアン化銅(I)、例えば、パラジウム塩又はパラジウム錯体、例えば、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)クロリド〕の存在下[別法として、該パラジウム錯体は、当該反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンド〔例えば、ホスフィン、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、ナトリウム3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゾールスルホネート、トリス−2−(メトキシフェニル)ホスフィン、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス−(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリス−(2,4−tert−ブチルフェニル)−ホスフィト、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン〕を別々に添加することにより反応混合物内で直接生成させる]、場合により塩基〔例えば、無機塩基又は有機塩基;好ましくは、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、カリウムtert−ブタノラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は炭酸アンモニウム;及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)〕の存在下で、式(III)で表されるアミノ誘導体と反応させることを含む。
【0025】
X、Y、n、p、R、R、R、Hetのそれぞれの定義に応じて、式(II)で表されるアミノ−ピリミジン誘導体は、さまざまな調製方法で調製することができる。
【0026】
従って、式(II)[式中、Rは、水素原子を表し;X、Y、n、p、R、R、Hetは、本明細書中で定義されているとおりである]で表される化合物を調製するための本発明による調製方法Aが提供され;ここで、該方法は、以下の段階を含む:
− 反応スキーム(A−1)による第1段階:
【0027】
【化4】

[ここで、
・ W、X、Y、n、p、R、R、Hetは、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ R及びRは、独立して、C−C−アルキル基であり、RとRは一緒になって、N、O、Sからなるリストの中で選択される最大で4個までのヘテロ原子を含んでいる置換されているか又は置換されていない4員、5員、6員又は7員のヘテロ環を形成することが可能である]
〔ここで、該第1段階は、−50℃〜200℃の温度で、式(IV)で表される化合物を、場合により塩基〔例えば、無機塩基又は有機塩基、好ましくは、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、カリウムtert−ブタノラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は炭酸アンモニウム;及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)〕の存在下で、式(V)で表されるグアニジン又はグアニジン塩誘導体と縮合させることによりピリミジン部分を形成させて、式(II)で表される化合物を生成させることを含む〕。
【0028】
あるいは、式(II)[式中、W、X、Y、n、p、R、R、R、Hetは、本明細書中で定義されているとおりである]で表される化合物を調製するための本発明による調製方法Bが提供され;ここで、該方法は、以下の段階を含む:
− 反応スキーム(B−1)による第1段階:
【0029】
【化5】

[ここで、
・ W、X、Y、n、p、R、R、R、Hetは、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Qは、水素原子を表すか、又は、脱離基、例えば、ハロゲン原子、C−C−アルキルスルフェニル、C−C−ハロアルキルスルフェニル、置換されているか又は置換されていないフェニルスルフェニル、C−C−アルキルスルホネート、C−C−ハロアルキルスルホネート、置換されているか又は置換されていないフェニルスルホネートなどを表す]
〔ここで、該第1段階は、式(II)で表される化合物を生成させるために、式(VI)で表される化合物を、場合により触媒〔好ましくは、遷移金属触媒、例えば、パラジウム塩又はパラジウム錯体、例えば、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)クロリド〕の存在下[別法として、該パラジウム錯体は、当該反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンド〔例えば、ホスフィン、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、ナトリウム3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゾールスルホネート、トリス−2−(メトキシフェニル)ホスフィン、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス−(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリス−(2,4−tert−ブチルフェニル)−ホスフィト、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン〕を別々に添加することにより反応混合物内で直接生成させる]、場合により有機金属試薬〔例えば、有機−リチウム試薬、例えば、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、又は、有機−マグネシウムハロゲン化物試薬(グリニャール試薬)、例えば、イソプロピルマグネシウムハロゲン化物、さらに好ましくは、例えば、イソプロピルマグネシウムクロリド〕の存在下、場合により塩基〔例えば、無機塩基又は有機塩基、好ましくは、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジルマグネシウムクロリド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、カリウムtert−ブタノラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は炭酸アンモニウム;及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)〕の存在下、場合により金属塩〔例えば、アルカリ土類金属塩、アルカリ金属塩、遷移金属塩、例えば、リチウム塩、好ましくは、ハロゲン化リチウム、さらに好ましくは、塩化リチウム、例えば、銅塩、好ましくは、銅(I)塩、例えば、塩化銅(I)、シアン化銅(I)〕の存在下、酸化剤〔例えば、酸素、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチルジフェノキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)及び2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)〕の存在下で、式(VII)で表されるアミノ誘導体と反応させることを含む〕。
【0030】
あるいは、式(II)[式中、W、X、Y、n、p、R、R、R、Hetは、本明細書中で定義されているとおりである]で表される化合物を調製するための本発明による調製方法Cが提供され;ここで、該方法は、以下の段階を含む:
− 反応スキーム(C−1)による第1段階:
【0031】
【化6】

[ここで、
・ W、X、Y、n、p、R、R、R、Hetは、本明細書中で定義されているとおりであり;
・ Q’は、脱離基、例えば、ハロゲン原子、C−C−アルキルスルフェニル、C−C−ハロアルキルスルフェニル、置換されているか又は置換されていないフェニルスルフェニル、C−C−アルキルスルホネート、C−C−ハロアルキルスルホネート、置換されているか又は置換されていないフェニルスルホネートなどを表す]
〔ここで、該第1段階は、式(II)で表される化合物を生成させるために、式(VIII)で表されるアミノ誘導体を、場合により触媒〔好ましくは、遷移金属触媒、例えば、パラジウム塩又はパラジウム錯体、例えば、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)クロリド〕の存在下[別法として、該パラジウム錯体は、当該反応混合物にパラジウム塩と錯体リガンド〔例えば、ホスフィン、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、ナトリウム3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゾールスルホネート、トリス−2−(メトキシフェニル)ホスフィン、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス−(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリス−(2,4−tert−ブチルフェニル)−ホスフィト、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン〕を別々に添加することにより反応混合物内で直接生成させる]、場合により有機金属試薬〔例えば、有機−リチウム試薬、例えば、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、又は、有機−マグネシウムハロゲン化物試薬(グリニャール試薬)、例えば、イソプロピルマグネシウムハロゲン化物、例えば、イソプロピルマグネシウムクロリド〕の存在下、場合により塩基〔例えば、無機塩基又は有機塩基、好ましくは、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコラート、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジルマグネシウムクロリド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムメタノラート、ナトリウムエタノラート、カリウムtert−ブタノラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸セシウム又は炭酸アンモニウム;及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)〕の存在下、場合により金属塩〔例えば、アルカリ土類金属塩、アルカリ金属塩、遷移金属塩、例えば、リチウム塩、好ましくは、ハロゲン化リチウム、さらに好ましくは、塩化リチウム、例えば、銅塩、好ましくは、銅(I)塩、例えば、塩化銅(I)、シアン化銅(I)〕の存在下、酸化剤〔例えば、酸素、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチルジフェノキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)及び2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)〕の存在下で、式(IX)で表される化合物と反応させることを含む〕。
【0032】
本発明による調製方法P1、調製方法A、調製方法B及び調製方法Cを実施するのに適した溶媒は、いずれの場合にも、慣習的な全ての不活性有機溶媒である。好ましくは、以下のものを使用する:場合によりハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0033】
本発明による調製方法P1、調製方法A、調製方法B及び調製方法Cを実施する場合、その反応温度は、独立して、比較的広い範囲内でさまざまであることができる。一般に、本発明による調製方法は、−80℃〜250℃の温度で実施する。
【0034】
本発明による調製方法P1、調製方法A、調製方法B及び調製方法Cは、一般に、独立して、大気圧下で実施する。しかしながら、いずれの場合にも、高圧下又は減圧下で実施することも可能である。
【0035】
後処理は、慣習的な方法で実施する。一般に、当該反応混合物を水で処理し、その有機相を分離し、脱水後、減圧下に濃縮する。適切な場合には、残った残渣から、クロマトグラフィー又は再結晶などの慣習的な方法によって、依然として存在している可能性のある不純物を除去することができる。
【0036】
本発明の化合物は、上記調製方法に準じて調製することができる。それにもかかわらず、当業者が、自分の一般的な知識及び利用可能な刊行物に基づいて、合成することが望まれる本発明化合物のそれぞれの特性に応じて該調製方法を適合させることができるということは理解されるであろう。
【0037】
さらに、さらなる態様において、本発明は、本発明による調製方法のための中間体化合物又は物質として有用な式(II)で表される化合物に関する。
【0038】
本発明は、かくして、式(II)
【0039】
【化7】

[式中、
・ Wは、脱離基、例えば、ハロゲン原子、C−C−アルキルスルホネート、C−C−ハロアルキルスルホネート、置換されているか又は置換されていないフェニルスルホネートなどを表し;及び、
・ X、Y、n、p、R、R、R、Hetは、本明細書中で定義されているとおりである]
で表される化合物を提供する。
【0040】
さらなる態様において、本発明は、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の式(I)で表される活性化合物を含んでいる殺菌剤組成物にも関する。
【0041】
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量」という表現は、作物上に存在しているか又はおそらく出現するであろう菌類を防除又は駆除するのに充分で、且つ、該作物について植物毒性の感知可能などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。そのような量は、防除対象の菌類、作物の種類、気候条件、及び、本発明の殺菌剤組成物に含まれている化合物に応じて、広い範囲で変動し得る。そのような量は、当業者が実行可能な範囲内にある体系的な圃場試験により決定することが可能である。
【0042】
かくして、本発明により、活性成分としての有効量の本明細書中で定義されている式(I)で表される化合物及び農業上許容される支持体、担体又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物が提供される。
【0043】
本発明によれば、用語「支持体(support)」は、式(I)の活性化合物と組み合わせて又は関連させて、特に植物の一部分に対して、より容易に施用できるようにする、天然又は合成の有機化合物又は無機化合物を意味する。このような支持体は、従って、一般に不活性であり、また、農業上許容されるものであるべきである。支持体は、固体であることができるし、又は、液体であることもできる。適切な支持体の例としては、クレー、天然又は合成のシリケート、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール(特に、ブタノール)、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体などを挙げることができる。このような支持体の混合物を使用することもできる。
【0044】
本発明の組成物には、さらにまた、付加的な成分も含有させることができる。特に、該組成物には、さらに、界面活性剤を含有させることができる。該界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性のタイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であることが可能であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物であることが可能である。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸官能基、スルホン酸官能基及びリン酸官能基を含んでいる上記化合物の誘導体。該活性化合物及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、並びに、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることが必要である。好ましくは、界面活性剤の含有量は、該組成物の5重量%〜40重量%であり得る。
【0045】
場合により、さらなる成分、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤などを含ませることもできる。さらに一般的には、該活性化合物は、通常の製剤技術に従う固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0046】
一般に、本発明の組成物には、0.05〜99重量%の活性化合物、好ましくは、10〜70重量%の活性化合物を含有させることができる。
【0047】
本発明の組成物は、エーロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold fogging concentrate)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、粒剤、温煙霧濃厚剤(hot fogging concentrate)、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、ペースト剤、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用粉剤、農薬粉衣種子、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、可溶性粉剤、種子処理用溶液剤、懸濁製剤(フロアブル剤)、微量散布用液剤(ultra low volume (ULV) liquid)、微量散布用懸濁液剤(ultra low volume (ULV) suspension)、顆粒水和剤、水分散性錠剤、スラリー処理用水和剤、水溶性顆粒剤、水溶性錠剤、種子処理用水溶性粉剤及び水和剤などのような、さまざまな形態で使用することが可能である。これらの組成物には、処理対象の植物又は種子に対して噴霧装置又は散粉装置のような適切な装置を用いて施用される状態にある組成物のみではなく、作物に対して施用する前に希釈することが必要な商業的な濃厚組成物も包含される。
【0048】
本発明の化合物は、さらにまた、1種類以上の殺虫剤、殺菌剤、殺細菌剤、誘引剤、殺ダニ剤若しくはフェロモン活性物質、又は、生物学的活性を有する別の化合物と混合することもできる。そのようにして得られた混合物は、通常、拡大された活性スペクトルを有する。別の殺菌剤化合物との混合物が特に有利である。
【0049】
適切な混合相手殺菌剤の例は、下記リストの中で選択することができる:
(B1) 核酸合成を阻害し得る化合物、例えば、ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、キララキシル、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メタラキシル−M、オフラセ、オキサジキシル、オキソリン酸;
(B2) 有糸分裂及び細胞分裂を阻害し得る化合物、例えば、ベノミル、カルベンダジム、ジエトフェンカルブ、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、ゾキサミド;
(B3) 呼吸を阻害し得る化合物、例えば、
CI−呼吸阻害薬、例えば、ジフルメトリム;
CII−呼吸阻害薬、例えば、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド;
CIII−呼吸阻害薬、例えば、アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン(enestrobin)、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン;
(B4) 脱共役剤として作用し得る化合物、例えば、ジノカップ、フルアジナム;
(B5) ATP産生を阻害し得る化合物、例えば、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、シルチオファム;
(B6) AA及びタンパク質の生合成を阻害し得る化合物、例えば、アンドプリム(andoprim)、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリム、ピリメタニル;
(B7) シグナル伝達を阻害し得る化合物、例えば、フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン;
(B8) 脂質及び膜の合成を阻害し得る化合物、例えば、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、ピラゾホス、エジフェンホス、イプロベンホス(IBP)、イソプロチオラン、トルクロホス−メチル、ビフェニル、ヨードカルブ(iodocarb)、プロパモカルブ、プロパモカルブ−塩酸塩;
(B9) エルゴステロールの生合成を阻害し得る化合物、例えば、フェンヘキサミド、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ボリコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、オキシポコナゾール、フェナリモール、フルルプリミドール、ヌアリモール、ピリフェノックス、トリホリン、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール、アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン、ナフチフィン、ピリブチカルブ、テルビナフィン;
(B10) 細胞壁の合成を阻害し得る化合物、例えば、ベンチアバリカルブ、ビアラホス、ジメトモルフ、フルモルフ(flumorph)、イプロバリカルブ、ポリオキシン、ポリオキソリム、バリダマイシンA;
(B11) メラニンの生合成を阻害し得る化合物、例えば、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド、ピロキロン、トリシクラゾール;
(B12) 宿主の防御を誘発し得る化合物、例えば、アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、チアジニル;
(B13) 多部位に作用し得る化合物、例えば、カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、銅剤、例えば、水酸化銅、ナフテン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅及びボルドー液、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、ファーバム、フルオロホルペット、ホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンゼブ、マンネブ、メチラム、メチラム亜鉛(metiram zinc)、プロピネブ、硫黄及び硫黄剤、例えば、多硫化カルシウム、チウラム、トリルフルアニド、ジネブ、ジラム;
(B14) 以下のものからなるリストの中で選択される化合物:アミブロムドール、ベンチアゾール、ベトキサジン、カプシマイシン(capsimycin)、カルボン、キノメチオネート、クロロピクリン、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン、ジクロロフェン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、エタボキサム、フェリムゾン、フルメトベル、フルスルファミド、ホセチル−アルミニウム、ホセチル−カルシウム、ホセチル−ナトリウム、フルオピコリド、フルオルイミド、ヘキサクロロベンゼン、8−ヒドロキシキノリンスルフェート、イルママイシン、メタスルホカルブ、メトラフェノン、イソチオシアン酸メチル、ミルディオマイシン、ナタマイシン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノール及び塩、2−フェニルフェノール及び塩、亜リン酸及びその塩、ピペラリン、プロパノシン−ナトリウム(propanosine-sodium)、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、ザリラミド、及び、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド、2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル、2−[[[シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)−ベンゼン酢酸メチル、4−クロロ−α−プロピニルオキシ−N−[2−[3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル]エチル]−ベンゼンアセトアミド、(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−ブタンアミド、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−N−[(1R)−1,2,2−トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、5−クロロ−N−[(1R)−1,2−ジメチルプロピル]−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル−2,4−ジクロロニコチンアミド、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−ベンゾピラノン−4−オン、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンズアミド、2−[[[[1−[3(1フルオロ−2−フェニルエチル)オキシ]フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−αE−ベンゼンアセトアミド、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセトアミド、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボン酸、O−[1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル]−1H−イミダゾール−1−カルボチオ酸。
【0050】
式(I)で表される化合物と殺細菌剤化合物の混合物を含んでいる本発明の組成物も、特に有利であり得る。適切な混合相手殺細菌剤の例は、下記リストの中で選択することができる:ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び別の銅剤。
【0051】
式(I)で表される化合物及び本発明の殺菌剤組成物を使用して、植物又は作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除することができる。
【0052】
かくして、本発明のさらなる態様により、植物又は作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除する方法が提供され、ここで、該方法は、式(I)で表される化合物又は本発明の殺菌剤組成物を、種子、植物若しくは植物の果実に施用するか、又は、植物がそこで成育している土壌若しくは植物を栽培するのが望まれる土壌に施用することを特徴とする。
【0053】
本発明による処理方法は、塊茎又は根茎のような繁殖材料を処理するのにも、さらには、種子、実生又は移植実生(seedlings pricking out)及び植物又は移植植物(plants pricking out)を処理するのにも、有効であり得る。この処理方法は、根を処理するのにも有効であり得る。本発明による処理方法は、関係している植物の樹幹、茎又は柄、葉、花及び果実のような植物の地上部を処理するのにも有用であり得る。
【0054】
本発明の方法で保護可能な植物の中で、以下のものを挙げることができる:ワタ;アマ;ブドウ;果実又は野菜作物、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、ピップフルーツ(pip fruit)、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、アーモンド及びモモ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランタン)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、レタス)、セリ科各種(Umbelliferae sp.)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、エンドウ)、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、イチゴ);主要作物(major crop)、例えば、イネ科各種(Graminae sp.)(例えば、トウモロコシ、芝、又は、禾穀類、例えば、コムギ、イネ、オオムギ及びライコムギ)、キク科各種(Asteraceae sp.)(例えば、ヒマワリ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、ナタネ)、マメ科各種(Fabacae sp.)(例えば、ピーナッツ)、マメ科各種(Papilionaceae sp.)(例えば、ダイズ)、ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、ジャガイモ)、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、ビートの根(beetroot));園芸作物及び森林作物(forest crops);さらに、これら作物の遺伝子組み換えが行われた相同物。
【0055】
本発明の方法で防除可能な植物又は作物の病害の中で、以下のものを挙げることができる:
・ うどんこ病(powdery mildew disease)、例えば、
ブルメリア(Blumeria)病、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)に起因するもの;
ポドスファエラ(Podosphaera)病、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)に起因するもの;
スファエロテカ(Sphaerotheca)病、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)に起因するもの;
ウンシヌラ(Uncinula)病、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator)に起因するもの;
・ さび病(rust disease)、例えば、
ギムノスポランギウム(Gymnosporangium)病、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)に起因するもの;
ヘミレイア(Hemileia)病、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix)に起因するもの;
ファコプソラ(Phakopsora)病、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)又はファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)に起因するもの;
プッシニア(Puccinia)病、例えば、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)に起因するもの;
ウロミセス(Uromyces)病、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)に起因するもの;
・ 卵菌類による病害(Oomycete disease)、例えば、
ブレミア(Bremia)病、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)に起因するもの;
ペロノスポラ(Peronospora)病、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に起因するもの;
プラスモパラ(Plasmopara)病、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)に起因するもの;
プセウドペロノスポラ(Pseudoperonospora)病、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
・ 葉斑点性、葉汚斑性及び葉枯れ性の病害(leafspot, leaf blotch and leaf blight disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に起因するもの;
セルコスポラ(Cercospora)病、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)に起因するもの;
クラジオスポルム(Cladiosporum)病、例えば、クラジオスポルム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum)に起因するもの;
コクリオボルス(Cochliobolus)病、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)に起因するもの;
コレトトリクム(Colletotrichum)病、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium)に起因するもの;
シクロコニウム(Cycloconium)病、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum)に起因するもの;
ジアポルテ(Diaporthe)病、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)に起因するもの;
エルシノエ(Elsinoe)病、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii)に起因するもの;
グロエオスポリウム(Gloeosporium)病、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor)に起因するもの;
グロメレラ(Glomerella)病、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)に起因するもの;
グイグナルジア(Guignardia)病、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)に起因するもの;
レプトスファエリア(Leptosphaeria)病、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)又はレプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)に起因するもの;
マグナポルテ(Magnaporthe)病、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)に起因するもの;
ミコスファエレラ(Mycosphaerella)病、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、ミコスファエレラ・アラキジコラ(Mycosphaerella arachidicola)又はミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)に起因するもの;
ファエオスファエリア(Phaeosphaeria)病、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)に起因するもの;
ピレノホラ(Pyrenophora)病、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)に起因するもの;
ラムラリア(Ramularia)病、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo-cygni)に起因するもの;
リンコスポリウム(Rhynchosporium)病、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)に起因するもの;
セプトリア(Septoria)病、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)又はセプトリア・リコペルシシ(Septoria lycopercisi)に起因するもの;
チフラ(Typhula)病、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因するもの;
ベンツリア(Venturia)病、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)に起因するもの;
・ 根及び茎の病害(root and stem disease)、例えば、
コルチシウム(Corticium)病、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)に起因するもの;
ガエウマンノミセス(Gaeumannomyces)病、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
タペシア(Tapesia)病、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis)に起因するもの;
チエラビオプシス(Thielaviopsis)病、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)に起因するもの;
・ 穂の病害(ear and panicle disease)、例えば、
アルテルナリア(Alternaria)病、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)に起因するもの;
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
クラドスポリウム(Cladosporium)病、例えば、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)に起因するもの;
クラビセプス(Claviceps)病、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)に起因するもの;
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
ジベレラ(Gibberella)病、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因するもの;
モノグラフェラ(Monographella)病、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因するもの;
・ 黒穂病(smut and bunt disease)、例えば、
スファセロテカ(Sphacelotheca)病、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)に起因するもの;
チレチア(Tilletia)病、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)に起因するもの;
ウロシスチス(Urocystis)病、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta)に起因するもの;
ウスチラゴ(Ustilago)病、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)に起因するもの;
・ 果実の腐敗性及び黴性の病害(fruit rot and mould disease)、例えば、
アスペルギルス(Aspergillus)病、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因するもの;
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
ペニシリウム(Penicillium)病、例えば、ペニシリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)に起因するもの;
スクレロチニア(Sclerotinia)病、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)に起因するもの;
ベルチシリウム(Verticilium)病、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum)に起因するもの;
・ 種子及び土壌が媒介する腐朽性、黴性、萎凋性、腐敗性及び苗立ち枯れ性の病害(seed and soilborne decay, mould, wilt, rot and damping-off disease)、例えば、
フサリウム(Fusarium)病、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因するもの;
フィトフトラ(Phytophthora)病、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)に起因するもの;
ピシウム(Pythium)病、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因するもの;
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの;
スクレロチウム(Sclerotium)病、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因するもの;
ミクロドキウム(Microdochium)病、例えば、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale)に起因するもの;
・ 腐乱性病害、開花病及び枯れ込み性病害(canker, broom and dieback disease)、例えば、
ネクトリア(Nectria)病、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)に起因するもの;
・ 枯損性病害(blight disease)、例えば、
モニリニア(Monilinia)病、例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa)に起因するもの;
・ 葉水泡性病害又は縮葉病(leaf blister or leaf curl disease)、例えば、
タフリナ(Taphrina)病、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans)に起因するもの;
・ 木本植物の衰退性病害(decline disease of wooden plant)、例えば、
エスカ(Esca)病、例えば、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)に起因するもの;
ユーティパダイバック病(Eutypa dyeback)、例えば、ユーティパ・ラタ(Eutypa lata)に起因するもの;
オランダ病(Dutch elm disease)、例えば、セラトシストス・ウルミ(Ceratocystsc ulmi)に起因するもの;
・ 花及び種子の病害、例えば、
ボトリチス(Botrytis)病、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)に起因するもの;
・ 塊茎の病害、例えば、
リゾクトニア(Rhizoctonia)病、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因するもの。
【0056】
本発明の殺菌剤組成物は、材木の表面又は内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種類の木、並びに、そのような木を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0057】
本発明の処理方法において通常施用される活性化合物の薬量は、茎葉処理における施用では、一般に、また、有利には、10〜800g/ha、好ましくは、50〜300g/haである。種子処理の場合は、施用する活性物質の薬量は、一般に、また、有利には、種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150gである。
【0058】
本明細書中で示されている薬量が本発明の方法を例証するための例として挙げられているということは、明確に理解される。当業者は、特に処理対象の植物又は作物の種類に応じて、該施用薬量を適合させる方法を理解するであろう。
【0059】
本発明の殺菌剤組成物は、さらにまた、遺伝子組み換え生物の本発明化合物又は本発明農薬組成物による処理においても使用することができる。遺伝子組み換え植物は、興味深いタンパク質をコードする異種の遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。「興味深いタンパク質をコードする異種の遺伝子(heterologous gene encoding a protein of interest)」という表現は、本質的に、形質転換された植物に新しい作物学的特性を付与する遺伝子を意味するか、又は、遺伝子組み換えされた植物の作物学的特性を改善するための遺伝子を意味する。
【0060】
本発明の化合物又は混合物は、さらにまた、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌性疾患(trichophyton disease)及びカンジダ症、又は、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)(例えば、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus))に起因する疾患のようなヒト又は動物の菌類病を治療的又は予防的に処置するのに有用な組成物を調製するのに使用することもできる。
【0061】
化合物例についての下記表A及び調製又は効力についての下記実施例を参照して、本発明のさまざまな態様について例証する。
【0062】
下記表は、本発明による化合物の例について非限定的に例証している。
【0063】
下記表において、「M+H」(又は、「M−H」)は、それぞれ、質量分析において観察された分子イオンピークプラス1a.m.u.(原子質量単位)又はマイナス1a.m.u.(原子質量単位)を意味し、M(ApcI+)は、質量分析においてポジティブ大気圧化学イオン化法によって見られた分子イオンピークを意味する。
【0064】
下記表において、logP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従い、下記に記載されている方法を用いて、逆相カラム(C18)でのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により測定した:
温度:40℃; 移動相:0.1%水性ギ酸及びアセトニトリル;10%アセトニトリルから90%アセトニトリルまでの直線勾配。
【0065】
校正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(3〜16個の炭素原子を含んでいる)を用いて実施した(logP値は、2種類の連続するアルカノンの間の線形補間を用いて、保持時間により決定)。
【0066】
ラムダマックス値は、190nm〜400nmの紫外線スペクトルを用いるクロマトグラフシグナルの最大値で決定した。
【0067】
【表1】























【実施例】
【0068】
下記実施例により、本発明の式(I)で表される化合物の調製及び効力について非限定的に例証する。
【0069】
N−(2−クロロピリジン−4−イル)−4−(2−{[1−(メトキシメチル)プロピル]アミノ}ピリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミン(化合物9)の調製方法P1による調製
300mgのN,4−ビス(2−クロロピリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミン(0.94mmol)及び486mgの1−メトキシブタン−2−アミン(4.71mmol)を、0.6mLの1−メチル−2−ピロリジノンの中で、マイクロ波照射下、240℃で90分間加熱した。冷却後、その反応混合物を10mLのジクロロメタンの中に注ぎ入れ、5mLの水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した後、得られた粗製生成物をシリカ上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)に付して、0.72gのN−(2−クロロピリジン−4−イル)−4−(2−{[1−(メトキシメチル)プロピル]アミノ}ピリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミンを得た(収率=19%)。[M+1]=385。
【0070】
N,4−ビス(2−クロロピリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミン(式(II)で表される化合物)の調製
{(Z)−[(2−クロロピリジン−4−イル)アミノ]メチルイリデン)ビスカルバミン酸ジ−tert−ブチルの調製:
20.22g(0.157mol)の4−アミノ−2−クロロピリジンを、0〜5℃で、トリエチルアミン(67mL)とジクロロメタン(600mL)の中で希釈した。その反応混合物に、47gの塩化水銀(II)(0.173mol)及び50.24g(0.173mol)のN,N’−ビス(boc)−S−メチル−イソチオ尿素を添加し、それを、次いで、室温で4日間撹拌し、ガラス漏斗で濾過し、減圧下に濃縮し、シリカ上でのクロマトグラフィー(ヘプタン90/AcOEt10)に付して、43.67gの{(Z)−[(2−クロロピリジン−4−イル)アミノ]メチルイリデン}ビスカルバミン酸ジ−tert−ブチルを得た(収率=71%)。[M+1]=371。
【0071】
1−(2−クロロピリジン−4−イル)グアニジンビス(トリフルオロアセテート)の調製:
ジクロロメタン(800mL)中の43.67g(0.117mol)の{(Z)−[(2−クロロピリジン−4−イル)アミノ]メチルイリデン}ビスカルバミン酸ジ−tert−ブチルの溶液に、室温で、81.64mLのトリフルオロ酢酸(1.06mol)を添加した。その反応混合物を、室温で2日間撹拌し、減圧下に濃縮し、100mLのペンタンを用いて摩砕した。静置することにより結晶化して、51.68gの1−(2−クロロピリジン−4−イル)グアニジンビス(トリフルオロアセテート)を得た(収率=99%)。[M+1−2CFCOH]=171。
【0072】
N,4−ビス(2−クロロピリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミンの調製:
60mLの2−プロパノール中の6.32gの1−(2−クロロピリジン−4−イル)−3−(ジメチルアミノ)プロプ−2−エン−1−オン(30mmol)の溶液に、2.52gの水酸化ナトリウム(63mmol)及び11.96gの1−(2−クロロピリジン−4−イル)グアニジンビス(トリフルオロアセテート)(30mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌下に20時間加熱還流した。濾過した後、その沈澱物を100mLのn−ブタノール及び120mlのiPrOで洗浄し、次いで、風乾して、4.69gのN,4−ビス(2−クロロピリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミンを得た(収率=37%)。[M+1]=318。
【0073】
生物学的実施例
実施例A: ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)(アブラナ科植物のベト病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0074】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させた育苗カップ(starter cup)内のキャベツ植物(品種 Eminence)を、子葉期で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0075】
対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0076】
24時間経過した後、ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染植物から採取する。
【0077】
汚染されたキャベツ植物を、湿潤雰囲気下、20℃で5日間インキュベートする。
【0078】
上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0079】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:9、11、13、15、18、19、20、21、22、23、28、37、49、53、64、65、92、109、110、113、及び、115。
【0080】
実施例B: ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質を得る。
【0081】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたキュウリ(gherkin)植物(品種 Vert petit de Paris)を、子葉Z11期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。
【0082】
対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0083】
24時間経過した後、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/LのD−フルクトース
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
で構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0084】
汚染されたキュウリ植物を、15−11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室(climatic room)内に、5/7日間静置する。
【0085】
上記汚染から5/7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0086】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:9、11、12、13、21、37、39、42、43、44、50、51、52、69、74、76、及び、106。
【0087】
実施例C: アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)(アブラナ科植物の斑点病(leaf spot))に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質を得る。
【0088】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたハツカダイコン植物(品種 Pernot)を、子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。
【0089】
対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/Tween/水の混合物で処理する。
【0090】
24時間経過した後、アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)の胞子の水性懸濁液(1cm当たり40,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12〜13日間培養したものから採取する。
【0091】
汚染されたハツカダイコン植物を、湿潤雰囲気下、約18℃で、6−7日間インキュベートする。
【0092】
上記汚染から6〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0093】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)が観察される:9、11、13、37、43、57、110、及び、115。
【0094】
実施例D: スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(ウリ科植物のウドンコ病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質を得る。
【0095】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、20℃/23℃で生育させた、育苗カップ内のキュウリ(gherkin)植物(品種 Vert petit de Paris)を、子葉Z10期で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0096】
24時間経過した後、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、汚染された植物から採取する。汚染されたキュウリ植物を、約20℃/25℃、相対湿度60/70%でインキュベートする。
【0097】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0098】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:9、13、37、及び、39。
【0099】
実施例E: ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)(オオムギの網斑病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0100】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたオオムギ植物(品種 Express)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。
【0101】
対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0102】
24時間経過した後、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり12,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12日間培養したものから採取する。汚染されたオオムギ植物を、約20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、相対湿度80%で12日間インキュベートする。
【0103】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0104】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)が観察される:9、10、11、12、13、21、36、37、38、39、43、44、45、46、51、52、57、60、62、64、65、66、68、69、76、及び、110。
【0105】
実施例F: プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(赤サビ病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質を得る。
【0106】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたコムギ植物(品種 Scipion)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0107】
対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0108】
24時間経過した後、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100,000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、10日間汚染されているコムギから採取して、2.5mL/LのTween 80(10%)を含んでいる水に懸濁させる。汚染されたコムギ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70%で10日間インキュベートする。
【0109】
上記汚染から10日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0110】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:9、37、及び、38。
【0111】
実施例G: ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(コムギの斑点病(leaf spot))に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0112】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたコムギ植物(品種 Scipion)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0113】
24時間経過した後、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり500,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、7日間培養したものから採取する。汚染されたコムギ植物を、18℃、相対湿度100%で72時間インキュベートし、次いで、相対湿度90%で21〜28日間インキュベートする。
【0114】
上記汚染から21〜28日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0115】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:9、13、15、21、34、37、39、51、66、及び、74。
【0116】
実施例H: ピリクラリア・グリセア(Pyricularia grisea)(イネのイモチ病)に対するインビボ試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0117】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、25℃で生育させたイネ植物(品種 コシヒカリ)を、2葉期(草丈13−15cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/Tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0118】
24時間経過した後、ピリクラリア・グリセア(Pyricularia grisea)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり30,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、17日間培養したものから採取して、2.5g/Lのゼラチンを含んでいる水に懸濁させる。汚染されたイネ植物を、約25℃、相対湿度100%で72時間インキュベートし、次いで、25℃、日中の相対湿度80%及び夜間の相対湿度20%で、3日間インキュベートする。
【0119】
上記汚染から6日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0120】
これらの条件下、以下の化合物を500ppmの薬量で用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:9。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
・ Hetは、同一であっても又は異なっていてもよい最大で4個までのヘテロ原子を含んでいる飽和又は不飽和の芳香族又は非芳香族の4員、5員、6員又は7員のヘテロ環を表し;
・ Yは、独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、シアノ基、アミノ基、スルフェニル基、ペンタフルオロ−λ−スルフェニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノスルファモイル、ジ−C−C−アルキルアミノスルファモイル、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、2−オキソピロリジン−1−イル、置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシアルキル、置換されているか若しくは置換されていないベンジルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないベンジルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないベンジルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないフェノキシ、置換されているか若しくは置換されていないフェニルスルフェニル又は置換されているか若しくは置換されていないフェニルアミノを表し;
・ pは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
・ Rは、水素原子、シアノ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、C−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシアルキルを表し;
・ R及びRは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルを表し;
・ Xは、独立して、C−C10−アルキル、C−C10−ハロゲノアルキル、ハロゲン原子又はシアノを表し;
・ nは、0、1、2又は3を表し;
・ L及びLは、独立して、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル−C−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキルオキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルフェニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルフィニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノスルファモイル、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノスルファモイル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていない(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキルを表し;
・ LとLは、一緒になって、N、O、Sからなるリストの中で独立して選択される最大で4個までのヘテロ原子を含んでいる飽和又は不飽和の芳香族又は非芳香族の置換されているか又は置換されていない4員、5員、6員又は7員のN含有ヘテロ環を形成することが可能である]
で表される化合物、並びに、その塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体又は幾何異性体〔但し、以下の化合物は除外する:4−[2−(エチルアミノ)−4−ピリジニル]−N−[5−(−ピペラジニル)−2−ピリジニル]−2−ピリミジンアミン〕。
【請求項2】
Hetが
【化2】

からなるリストの中で選択される飽和又は不飽和の芳香族又は非芳香族のヘテロ環を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yが、ハロゲン原子、シアノ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルアミノを表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Yが、ハロゲン原子、シアノ基、ホルミルアミノ基、カルバモイル基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないトリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルを表す、請求項1〜3に記載の化合物。
【請求項5】
pが0、1又は2を表す、請求項1〜4に記載の化合物。
【請求項6】
pが1を表す、請求項1〜5に記載の化合物。
【請求項7】
が水素原子を表す、請求項1〜6に記載の化合物。
【請求項8】
及びRが、独立して、水素原子又はハロゲン原子を表す、請求項1〜7に記載の化合物。
【請求項9】
及びRが、独立して、水素原子を表す、請求項1〜8に記載の化合物。
【請求項10】
nが0を表す、請求項1〜9に記載の化合物。
【請求項11】
及びLが、独立して、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキル、トリ(C−C−アルキル)シリル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−シクロアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルケニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキルオキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないN−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルコキシカルボニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルカルボニルアミノ、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルスルホニル、1〜5個のハロゲン原子を有する置換されているか若しくは置換されていないC−C−ハロゲノアルキルスルホニル、(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピロリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソピペリジン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキル、(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−アルキル、1〜5個のハロゲン原子を有する(2−オキソアゼパン−1−イル)C−C−ハロゲノアルキルを表し;
とLが一緒になって、N、O、Sからなるリストの中で選択される最大で4個までのヘテロ原子を含んでいる置換されているか又は置換されていない4員、5員、6員又は7員のヘテロ環を形成する場合、L及びLは、独立して、置換されているか若しくは置換されていない2−オキソピロリジン−1−イル又は置換されているか若しくは置換されていない2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イルを表す;
請求項1〜10に記載の化合物。
【請求項12】
及びLが独立して、水素原子を表すか、又は、直鎖若しくは分枝鎖の置換されているか若しくは置換されていないC−C−アルキルを表す、請求項1〜11に記載の化合物。
【請求項13】
及びLが独立して、水素原子を表すか、又は、直鎖若しくは分枝鎖の置換されているか若しくは置換されていない(C−C−アルコキシ)−C−C−アルキルを表す、請求項1〜12に記載の化合物。
【請求項14】
式(II)
【化3】

[式中、
・ Wは、ハロゲン原子、C−C−アルキルスルホネート、C−C−ハロアルキルスルホネート、置換されているか又は置換されていないフェニルスルホネートなどの脱離基を表し;及び、
・ X、Y、n、p、R、R、R、Hetは、請求項1〜13で定義されているとおりである]
で表される化合物。
【請求項15】
活性成分としての有効量の請求項1〜13に記載の式(I)で表される化合物及び農業上許容される支持体、担体又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物。
【請求項16】
作物の植物病原性菌類を防除する方法であって、栽培学的に有効で且つ植物に対して実質的に毒性を示さない量の請求項1〜13に記載の化合物又は請求項15に記載の組成物を、植物がそこで生育している若しくは生育することが可能な土壌に施用すること、又は、植物の葉及び/若しくは果実に施用すること、又は、植物の種子に施用することを特徴とする、前記方法。

【公表番号】特表2010−529959(P2010−529959A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510826(P2010−510826)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057126
【国際公開番号】WO2008/148889
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(503325538)バイエル・クロツプサイエンス・エス・アー (73)
【Fターム(参考)】